慶應義塾湘南藤沢中等部(SFC) 算数の傾向と対策【数強塾オリジナル】
慶應義塾湘南藤沢中等部(神奈川県藤沢市、通称SFC)は、男女共学の人気校です。算数は3科目受験・4科目受験のどちらを選んでも必須の教科で、合否を大きく左右します。この記事では、学校が公式サイトで公開している募集要項の情報をもとに入試の枠組みを整理したうえで、オンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したオリジナル類題5問を、考え方・解答・検算つきで掲載します。実在の過去問を書き写したものは一切なく、中学入試算数の標準的な題材をふまえて数強塾が新しく作った問題です。答えはすべて、正攻法とは別の方法による二重検算で一致を確認しています。
公式募集要項からわかる入試の枠組み
- 慶應義塾湘南藤沢中等部は男女共学の学校で、一般入試の募集人員は男女約70名、帰国生入試は別枠で約30名と案内されています。
- 一般入試の試験科目は、出願時に(1)国語・社会・理科・算数の4科目、または(2)国語・英語・算数の3科目のいずれかを選択します。3科・4科のどちらを選んでも算数は必ず受験する科目です(募集要項には「国語と算数は同一の試験問題」と明記されています)。
- 入試は一次試験(筆記)と二次試験の二段階で、二次試験では面接(保護者同伴)・体育(実技)が一次合格者全員を対象に行われると案内されています。
- 日程は年度により変わりますが、2025年度は一次試験2月2日、一次合格発表2月3日、二次試験2月4日、合格発表2月5日という流れでした。
- 公式サイトでは、算数など各科目の試験時間・配点は募集要項に掲載されていません。また過去問題の公式公開も確認できませんでした。そのため本ページでは時間・配点の数値や特定年度の出題内容には踏み込まず、公開されている枠組みの範囲で記述します。
※募集人員・試験科目・日程は執筆時点で公式サイトに掲載の内容です。年度により変わる場合があるため、受験の際は必ず最新の 慶應義塾湘南藤沢中等部・中等部入学試験情報(公式) および 公式の入試情報ページ をご確認ください。
※本ページは公開情報にもとづく傾向分析と、数強塾オリジナルの自作類題による対策です。実際の問題文・図は学校公式サイトでご確認ください。
出題分野の傾向
慶應義塾湘南藤沢中等部は算数の過去問を公式には公開しておらず、募集要項にも出題分野や作問方針の記載はありません。したがって、ここでの記述は特定年度の問題の解説ではなく、中学入試算数で広く問われる主要分野の整理と、共学人気校を志望するうえで一般に有効とされる学習の方向づけです。断定は避け、学習の道しるべとしてお読みください。実際の出題形式や難度は、学校説明会や公式の案内、市販の問題集などでご確認ください。
- 計算・小問の正確さ:どの学校でも、計算力と標準的な一行問題を速く正確に処理できることが得点の土台です。3科・4科いずれでも算数は必須科目なので、基礎の取りこぼしを減らすことが安定した得点につながります。
- 数の性質・規則性:約数・倍数、あまりの規則、数列の並びなど、「きまりを見つけて式にする」タイプは中学入試の定番です。周期や累計を式にして、番号と対象を行き来する練習をしておきましょう(類題1)。
- 速さ:旅人算・流水算・時計算など、速さの単元は毎年多くの学校で問われます。図(線分図・ダイヤグラム)で状況を整理する習慣が力になります(類題2)。
- 平面図形・立体図形:面積比・相似、角度、体積・水量など、図形は算数の主役の一つです。「高さが等しい三角形の面積比=底辺の比」などの基本を自在に使えるようにしましょう(類題3)。
- 場合の数・調べ上げ:選び方・並べ方や、条件に合うものを整理して数える問題は、思考力を見るのに向いた題材です。数え落としや重複を防ぐ工夫を身につけましょう(類題4)。
- 割合・比:相当算・分配算・濃度など、割合と比を使いこなす力は算数全体の背骨になります。「もとにする量は何か」を常に意識しましょう(類題5)。
オリジナル類題で対策
※以下の類題5問は、上記の傾向をふまえて数強塾が独自に作成したオリジナル問題です。実在の過去問の複製ではありません。全問、正攻法で解いたうえで別の方法による二重検算を行い、答えの一致を確認しています。図がなくても読み解けるよう、状況は文章で説明しています。
類題1(数の性質・あまりと規則性)
【問題】 3で割ると2あまり、5で割ると3あまる整数について考えます。
(1) このような正の整数のうち、いちばん小さいものを求めなさい。
(2) このような整数のうち、100にいちばん近いものを求めなさい。
【方針】 2つの「あまりの条件」を同時に満たす数をさがします。まず片方の条件(5で割ると3あまる)を満たす数を小さい順に書き出し、その中でもう一方の条件(3で割ると2あまる)も満たすものを見つけるのが確実です。1つ見つかれば、あとは3と5の最小公倍数15ごとに同じ条件の数がくり返し現れます。
【解答】 5で割ると3あまる数を小さい順に書くと、3, 8, 13, 18, 23, … です。
このうち「3で割ると2あまる」ものを探すと、3→あまり0、8→あまり2(○)。
(1) いちばん小さいものは 8 です。
(2) 条件を満たす数は、8から15ずつ増えていきます。8, 23, 38, 53, 68, 83, 98, 113, …。
100に近いのは 98(差2)と 113(差13)で、より近いのは 98 です。
【別解による検算】 98が本当に条件を満たすか直接確かめます。
98÷3=32あまり2(○)、98÷5=19あまり3(○)。どちらの条件も満たします。
また(1)の8も、8÷3=2あまり2、8÷5=1あまり3で条件どおり。8と98の差は90=15×6なので、たしかに「15ごと」の並びの上にあり、一致を確認できました。
類題2(速さ・流水算)
【問題】 ある船が、川上のP地点と川下のQ地点の間を往復します。PからQへ下るのに40分、QからPへ上るのに60分かかりました。川の流れの速さは分速30mです。
(1) 静水(流れのないとき)での船の速さは分速何mですか。
(2) PQ間の道のりは何mですか。
【方針】 流水算では、下りの速さ=静水の速さ+流れの速さ、上りの速さ=静水の速さ−流れの速さです。PQ間の道のりは同じなので、「下りの速さ×40分」と「上りの速さ×60分」が等しくなります。この関係から静水の速さを求め、そのあと道のりを計算します。
【解答】 静水での船の速さを分速□mとします。
下りの速さは(□+30)m/分、上りの速さは(□−30)m/分。
道のりが等しいので、(□+30)×40=(□−30)×60。
左辺=40×□+1200、右辺=60×□−1800。
40×□+1200=60×□−1800 → 1200+1800=60×□−40×□ → 3000=20×□ → □=150。
(1) 静水での船の速さは 分速150m。
(2) 道のりは下りで計算すると(150+30)×40=180×40=7200m。
【別解による検算】 上りからも道のりを求めて一致するか確かめます。
上りの速さは 150−30=120m/分、かかった時間は60分なので、道のりは 120×60=7200m。下りで求めた7200mと一致しました。
さらに、道のり7200mを下り速度180で割ると 7200÷180=40分、上り速度120で割ると 7200÷120=60分となり、問題の条件どおりです。
類題3(平面図形・面積比)
【問題】 三角形ABCがあります。辺AB上に点Dを AD:DB=2:1 となるようにとり、辺AC上に点Eを AE:EC=3:2 となるようにとります。
(1) 三角形ADEの面積は、三角形ABCの面積の何倍ですか。
(2) 四角形DBCEの面積は、三角形ABCの面積の何倍ですか。
【方針】 三角形ADEと三角形ABCは、頂点Aを共有しています。角Aが共通なので、2辺の長さの比をかけ合わせると面積比が求められます。すなわち(三角形ADE)÷(三角形ABC)=(AD÷AB)×(AE÷AC)です。(2)は、四角形DBCEが「三角形ABC から 三角形ADE を除いた残り」であることを使います。
【解答】 (1) AD:DB=2:1 より AD は AB の 2/3。AE:EC=3:2 より AE は AC の 3/5。
角Aが共通なので、三角形ADEの面積は三角形ABCの (2/3)×(3/5)=6/15=2/5(倍)。
(2) 四角形DBCEは三角形ABCから三角形ADEを取り除いた部分なので、1−2/5=3/5(倍)。
【別解による検算】 具体的な座標で確かめます。A(0,0)、B(3,0)、C(0,5)とすると、三角形ABCの面積は 3×5÷2=7.5。
AD:DB=2:1 より D は AB を2:1に分ける点で D(2,0)。AE:EC=3:2 より E は AC を3:2に分ける点で E(0,3)。
三角形ADEの面積は 2×3÷2=3。3÷7.5=0.4=2/5 で(1)と一致。
四角形DBCEの面積は 7.5−3=4.5、4.5÷7.5=0.6=3/5 で(2)とも一致しました。
類題4(場合の数・調べ上げ)
【問題】 1から9までの数字が1つずつ書かれたカードが、全部で9枚あります。この中から3枚を選びます。
(1) 選んだ3枚の数字の和が偶数になる選び方は、全部で何通りありますか。
(2) 選んだ3枚の数字の積が偶数になる選び方は、全部で何通りありますか。
【方針】 カードは奇数が5枚(1,3,5,7,9)、偶数が4枚(2,4,6,8)です。和や積が偶数か奇数かは、選んだ奇数の枚数の偶奇で決まります。「和が偶数=奇数を偶数枚(0枚か2枚)選ぶ」「積が偶数=少なくとも1枚は偶数を選ぶ(=3枚とも奇数でない)」と言いかえて数えます。3枚の選び方の総数は 9×8×7÷(3×2×1)=84通りです。
【解答】 (1) 3枚の和が偶数になるのは、奇数を0枚か2枚選ぶときです。
・奇数0枚(偶数3枚):偶数4枚から3枚で 4×3×2÷(3×2×1)=4通り。
・奇数2枚+偶数1枚:奇数5枚から2枚で 5×4÷(2×1)=10通り、偶数4枚から1枚で4通り。10×4=40通り。
合計 4+40=44通り。
(2) 3枚の積が偶数になるのは「3枚とも奇数」以外のすべてです。
3枚とも奇数は 5×4×3÷(3×2×1)=10通り。
よって積が偶数は 84−10=74通り。
【別解による検算】 (1)を「和が奇数になる場合」から確かめます。和が奇数になるのは奇数を1枚か3枚選ぶときです。
・奇数1枚+偶数2枚:5×(4×3÷2)=5×6=30通り。
・奇数3枚:10通り。
和が奇数は 30+10=40通り。したがって和が偶数は 84−40=44通りで一致。
(2)は、3枚とも奇数の10通りが「積が奇数」のすべてなので、積が偶数は 84−10=74通り。こちらも一致しました。
類題5(割合・相当算)
【問題】 ある本を3日間で読み終えました。1日目は全体の 2/5 より12ページ多く読み、2日目は「1日目の残り」の 3/4 を読み、3日目に最後の21ページを読みました。この本は全部で何ページありますか。
【方針】 「残りの3/4を読むと、その残りの1/4が次に残る」という関係に注目します。3日目に読んだ21ページは、1日目の残りの1/4にあたります。ここから1日目の残りのページ数がわかり、それをもとに全体のページ数を逆算します。後ろから順にたどるのが相当算のコツです。
【解答】 2日目に「1日目の残り」の3/4を読むと、その1/4が3日目に残ります。
3日目の21ページ=(1日目の残り)×1/4 なので、1日目の残り=21÷(1/4)=21×4=84ページ。
1日目の残りは、全体から「全体の2/5より12ページ多く」を引いたものです。全体を□ページとすると、
1日目の残り=□−(□×2/5+12)=□×3/5−12。
これが84ページなので、□×3/5−12=84 → □×3/5=96 → □=96÷(3/5)=96×5/3=160ページ。
【別解による検算】 全体を160ページとして、実際に読んだページ数を順に足して確かめます。
1日目:160×2/5+12=64+12=76ページ。残り 160−76=84ページ。
2日目:84×3/4=63ページ。残り 84−63=21ページ。
3日目:21ページ。
3日間の合計は 76+63+21=160ページとなり、全体とぴったり一致しました。
学習アドバイス
【時期別】
- 6年生の夏まで:計算力と各分野の標準解法を穴なく仕上げることが最優先です。数の性質・規則性、速さ、平面図形・立体図形、場合の数、割合・比を、この時期に一通り正確にしておきましょう。計算は毎日、時間を計って正確さを鍛えます。
- 秋(9〜11月):応用問題への対応力と、時間配分の感覚を養う時期です。慶應義塾湘南藤沢中等部は算数の過去問を公式には公開していないため、市販の問題集や模試を活用し、初見の設定でも図をかいて考え方に落とし込む練習を積みましょう。3科・4科のどちらで受験する場合も、算数を安定して得点できる状態を目指します。
- 直前期(12月〜1月):これまでの問題を反復し、精度と再現性を高める時期です。本記事の【別解による検算】のように、別のルートで自分の答えを確かめる習慣を試験運びに組み込むと、本番での取りこぼしを減らせます。二次試験の面接・体育(実技)も含めて、当日の流れをイメージしておくと安心です。
【分野別】
- 数の性質・規則性:あまりの条件は「片方を書き出し、もう片方で絞る」「最小公倍数ごとにくり返す」と整理すると強くなります(類題1)。
- 速さ:流水算は「下り=静水+流れ、上り=静水−流れ」と、道のりが等しいことを式にするのが基本です(類題2)。線分図・ダイヤグラムで状況を整理しましょう。
- 平面図形:角を共有する三角形の面積比は「2辺の比のかけ算」で求まります(類題3)。全体から一部を引く見方も合わせて使えるようにしましょう。
- 場合の数:和や積の偶奇は「奇数を何枚選ぶか」に言いかえると数えやすくなります(類題4)。「全体−例外」で求める発想は検算にも役立ちます。
- 割合・比:相当算は「もとにする量は何か」を意識し、後ろからたどると迷いません(類題5)。読み終えたページの合計で必ず検算しましょう。
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