「うちの子には、個別指導と集団授業のどちらが合っているんだろう?」――塾を探している保護者の方から、僕がいちばん多くいただく相談がこれかもしれません。料金も雰囲気も先生も、塾によって本当にさまざまで、何を基準に選べばいいのか分からなくなってしまう。そのお気持ち、すごくよく分かります。今日は、その迷いを少しでも軽くできる「一つの質問」についてお話ししたいと思います。
なぜ「個別指導と集団授業」で迷ってしまうのか
塾選びで多くの保護者が悩むのは、情報が多すぎることが原因だと僕は感じています。「個別指導は手厚いけど料金が高い」「集団授業は競争意識が育つけど置いていかれるかも」――どちらにもメリットとデメリットがあって、ネットで調べれば調べるほど答えが見えなくなってしまう。
さらにやっかいなのは、「合う・合わない」が成績だけでは決まらないということです。同じくらいの偏差値のお子さんでも、性格や勉強への向き合い方によって、伸びる環境はまったく違ってきます。集団授業でぐんぐん伸びる子もいれば、同じ授業を受けても全然身につかない子もいる。だからこそ、誰かにとっての正解が、あなたのお子さんの正解とは限らないのです。
個別指導と集団授業、どちらが合うかを見極めるには、お子さん自身の「学び方のクセ」を知ることが何より大切だと、僕は思っています。
僕が2浪して気づいた「環境の合う・合わない」
少し僕自身の話をさせてください。僕は現役でも一浪でも志望校に届かず、2浪を経験しました。当時の僕は、いわゆる「集団授業の名物講師」の授業に憧れて、大きな教室の最前列で必死にノートを取っていました。でも、ある時ふと気づいたんです。「授業はめちゃくちゃ面白いのに、自分の成績がちっとも上がっていない」と。
理由はシンプルでした。僕は授業を「聞いて理解した気になる」のは得意だったけれど、自分がどこでつまずいているのかを、自分で見つけるのが苦手だったんです。集団授業は全体に向けて進んでいくので、「自分だけが分かっていないこの部分」を質問するタイミングを、なかなかつかめませんでした。
2浪目に、思い切って自分の弱点を一つひとつ潰してくれる学び方に切り替えたとき、初めて成績が動き始めました。「ああ、僕には自分専用に立ち止まってくれる環境が必要だったんだ」と。これは成績の良し悪しではなく、僕という人間の「学び方のクセ」の問題でした。
この経験は、後に21歳で数強塾を創業したときの原点になっています。これまで数多くの生徒を見てきて、僕は「正しい勉強法」よりも先に「その子に合った環境」を整えることが、ときに何倍もの効果を生むと確信するようになりました。
見極めのための「たった一つの質問」
では本題です。個別指導と集団授業、どちらが合うかを見極めるために、僕がいつもおすすめしている質問はこれです。
「分からないとき、自分から手を挙げて質問できる子ですか?」
たったこれだけです。でも、この一つの質問には、お子さんの学び方のクセが驚くほど凝縮されています。
もしお子さんが「分からないことを、その場で自分から質問できるタイプ」なら、集団授業は大きな力を発揮します。周りの仲間と切磋琢磨し、ライバルの存在が良い刺激になり、授業のテンポにも自然とついていけるからです。こうした子は、集団授業の「勢い」をエネルギーに変えられます。
逆に、「本当は分からないのに、周りの目が気になって質問できない」「分からない場所を、自分でもうまく言葉にできない」というタイプなら、個別指導のほうが合っている可能性が高いと僕は考えています。個別指導なら、先生がお子さんの表情やつまずきを察知して、立ち止まってくれます。「ここ、本当に分かってる?」と一人ひとりに確認しながら進められるのは、個別指導ならではの強みです。
「質問できるかどうか」が分かれ道になる理由
なぜこの一つの質問が効くのか。それは、勉強の伸びは「分からないをそのままにしない力」で決まるからです。集団授業でも個別指導でも、結局のところ「分からないをどう解消するか」が成績を左右します。
自分から質問して解消できる子は、どんな環境でもある程度伸びます。でも、それが苦手な子が集団授業に入ると、小さな「分からない」が雪だるま式に積み重なって、いつの間にか授業についていけなくなってしまう。僕自身がまさにそうでした。
ですから、個別指導と集団授業のどちらが合うかを見極めるときは、成績表よりも先に「お子さんが自分で質問できるかどうか」を見てあげてほしいのです。
性格はひとつの目安、最後は実際に試すこと
ただし、この質問はあくまで目安です。人見知りの子が、相性の良い先生と出会って急に質問できるようになることもあります。集団授業で最初は静かだった子が、仲間に刺激されて積極的になることもある。だからこそ、最終的には「実際に体験してみる」のがいちばん確実です。お子さん本人が「この環境、なんか合いそう」と感じられるかどうか。その肌感覚を、僕は何より大切にしてほしいと思っています。
まとめ:迷ったら、お子さん自身に聞いてみてほしい
個別指導と集団授業、どちらが合うかを見極める一つの質問は、「分からないとき、自分から手を挙げて質問できる子ですか?」でした。できる子は集団授業の勢いを、苦手な子は個別指導の手厚さを、それぞれ味方にできるかもしれません。
でも、いちばん大事なのは、保護者の方が一人で抱え込まないことだと思います。お子さん自身に「集団のほうが燃えるタイプ?それとも一対一でじっくりがいい?」と聞いてみると、意外なほどはっきり答えが返ってくることもあります。僕が2浪してようやく気づいた「自分に合う環境」を、お子さんにはもっと早く見つけてあげられたら――そんな思いで、いつもこのお話をしています。塾選びは、お子さんを知るための大切なきっかけにもなるはずです。
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