大阪大学の古文は、「有名作品を覚えておけば有利になる」という受験生の期待を、もっとも正面から裏切ってくる試験のひとつです。20年分の出典を並べると、その裏切り方に明確な設計思想があることが見えてきます。この記事では、国強塾が保有する実出典データ(2007〜2026年度、文学部/文学部以外の2系統)をもとに、阪大の古文が何を測ろうとしているのかを、推測を混ぜずに整理します。
この記事で分かること
- 大阪大学の古文出典が、2007〜2026年度の20年分・全40題ぶん、文学部と文学部以外に分けて一覧で確認できます。
- 20年40題で異なり37作品、同じ作品が2度出たのは3例だけという「重複の少なさ」の実数が分かります。
- 文学部は中古〜中世の正統派を軸にしつつ、近年は紀行・歌論の比重が上がっていることが、年度つきで確認できます。
- 文学部以外は、近世の随筆・紀行と、中古中世の説話・日記が交互に現れる構造であることが分かります。
- 作品名の暗記が効かない理由(有名作品の非有名箇所/そもそも無名作品)と、初見の文章に対する具体的な手順が分かります。
大阪大学の古文は「2系統」で読む
まず前提の確認です。大阪大学の国語は、文学部と、文学部以外の学部とで出題が分かれます。国強塾の出典データも 文 と 文以外 の2ラベルで記録しており、20年分では両系統あわせて40題ぶんの出典が確認できています。
この2系統は、単に難易度が違うのではありません。選ばれてくる作品の時代とジャンルの分布そのものが違います。 志望学部が決まっているなら、過去問は必ず自分の系統から解いてください。文学部志望者が文学部以外の問題ばかりを解いていると、あとで述べる「紀行・歌論」への備えが手薄になります。
📖 大切な定義
大阪大学の古文における「2系統」とは、文学部の問題と文学部以外の学部の問題が別個に作られており、出典として選ばれる作品の時代・ジャンルの分布が系統ごとに異なることをいう。
なお、本記事が扱うのは出典(何が出たか)のデータのみです。設問形式・記述量・配点といった形式面は、当塾の出典データの範囲外のため断定しません。形式は各年度の入試要項および予備校の解答速報でご確認ください。
実出典一覧(2007〜2026年度・年度降順)
以下は国強塾の実出典データにある事実のみを、年度降順で並べたものです。空欄は「データに記録がない」ことを意味します。推測では埋めていません。
| 年度 | 文学部 | 文学部以外 |
|---|---|---|
| 2026 | 雲上歌訓(萩原宗固) | 年々随筆(石原正明) |
| 2025 | 東関紀行 | 玉勝間(五の巻 枯野のすゝき) |
| 2024 | 鴉鷺物語 | 古今著聞集 |
| 2023 | 都のつと | 秋香歌かたり(中村秋香) |
| 2022 | 大和物語 | 西遊記(橘南谿) |
| 2021 | 八雲御抄(順徳院) | 紫式部日記 |
| 2020 | 狭衣物語 | 発心集 |
| 2019 | 沙石集 | 増鏡 |
| 2018 | 蜻蛉日記 | 和泉式部日記 |
| 2017 | 発心集 | 浜松中納言物語 |
| 2016 | 平家物語 | 庚子道の記 |
| 2015 | 古本説話集 | 小島のくちずさみ(「小島のすさみ」表記) |
| 2014 | 宿直物語 | 今昔物語集 |
| 2013 | 今鏡 | 今物語 |
| 2012 | 都のつと | ささやき竹 |
| 2011 | 栄花物語 | 帰家日記 |
| 2010 | 堤中納言物語(思はぬ方にとまりする少将) | 宇治拾遺物語 |
| 2009 | 十訓抄 | 俊頼髄脳 |
| 2008 | 平家物語(小宰相身投) | 伊曾保物語 |
| 2007 | うたたね | 百人一首一夕話 |
さらに古い年度については、学部の区分が記録に残っていない出典が3件あります。系統の判別ができないため、参考として別掲します。
| 年度 | 作品(学部区分の記録なし) |
|---|---|
| 2003 | 榻鴫暁筆/北辺随筆 |
| 2002 | 戴恩記 |
数字で見る阪大古文
上の表を数え直すと、阪大の設計思想が数字として出てきます。
- 20年40題で、異なり37作品。 同じ作品が2度使われたのは、都のつと(2012年度・文学部/2023年度・文学部)、発心集(2017年度・文学部/2020年度・文学部以外)、平家物語(2008年度・文学部/2016年度・文学部)の3例だけです。
- 文学部で近世作品が出たのは20年で2回だけ。 2014年度の宿直物語(随筆・説話/江戸後期・沢田名垂)と、2026年度の雲上歌訓(歌論/江戸中期・萩原宗固)です。残る18年は中古〜中世から選ばれています。
- 国強塾の全国出典データ(38大学・793件)のなかで、大阪大学にしか現れない作品が8つあります。 ささやき竹、伊曾保物語、八雲御抄、帰家日記、年々随筆、秋香歌かたり、雲上歌訓、鴉鷺物語です。
最後の1点は、阪大対策を考えるうえで決定的です。他大学の過去問を何年ぶん解いても、これらの作品には一度も出会えません。「たくさん解けばいつか見た作品に当たる」という戦略が、構造的に成立しない大学だということです。
💡 ポイント
阪大の古文で「見たことがある作品が出る確率」を上げようとするのは、投資対効果がきわめて悪い方向です。上げるべきは「見たことがない文章を、その場で読み切る速度と正確さ」のほうです。
文学部の傾向:中古〜中世の正統派、そこに紀行と歌論が食い込む
文学部の20年を時代で分けると、平安(中古)と鎌倉・南北朝・室町(中世)が18年を占めます。狭衣物語・栄花物語・堤中納言物語・蜻蛉日記・今鏡・大和物語といった、平安文学の中核と言ってよい顔ぶれが並び、そこに平家物語・十訓抄・沙石集・発心集・うたたねという中世の軍記・説話・日記と、平安末の古本説話集が重なります。この骨格自体は、国公立難関大の古文としてきわめて正統的です。
変化が起きているのは、そこに乗るジャンルのほうです。
👀 ここに注目
文学部の紀行・歌論系の出題は、2012年度の都のつと(紀行/南北朝・宗久)以降しばらく間が空き、2021年度から一気に増えます。2021年度・八雲御抄(歌学/鎌倉・順徳院)、2023年度・都のつと(再登場)、2025年度・東関紀行(紀行/鎌倉)、2026年度・雲上歌訓(歌論/江戸中期・萩原宗固)。直近6年のうち4年が、紀行または歌論・歌学です。
これは「物語や日記が出なくなった」という話ではありません。2022年度は大和物語、2024年度は鴉鷺物語(擬人化物語/室町)が出ています。しかし、紀行と歌論という、受験生が最も手薄にしがちな2ジャンルが、文学部では常設の選択肢になったと見るのが実データに素直な読み方です。
とくに2026年度の雲上歌訓は象徴的でした。文学部の近世作品としては2014年度の宿直物語以来12年ぶり、20年で2例目にあたります。しかも当塾マスタの分類は「歌論/江戸中期・萩原宗固」であり、近世かつ歌論という二重に手薄な位置です。「文学部=平安・鎌倉」という思い込みだけで準備を組むと、この形は取りこぼします。
📖 大切な定義
紀行とは、旅の行程に沿って地名・風景・そこで想起された故事や和歌を書き継いでいく文章のジャンルであり、物語のような筋の展開ではなく「移動」が全体の構成原理になる文章のことである。
📖 大切な定義
歌論・歌学とは、和歌そのものではなく「和歌をどう詠むべきか」「どの表現がなぜ良いのか」を論じる文章であり、筆者の主張と、その根拠として引かれる具体的な歌の両方を追う必要がある文章のことである。
文学部以外の傾向:近世随筆・紀行と、中古中世の説話・日記が交互に来る
文学部以外は、文学部よりも時代の振れ幅が明確に大きい系統です。20年を時代で分けると、次のようになります。
- 近世(江戸)が7回:百人一首一夕話(2007/注釈・尾崎雅嘉)、伊曾保物語(2008/翻訳説話・江戸前期)、庚子道の記(2016/紀行・江戸中期)、西遊記(2022/紀行・橘南谿)、秋香歌かたり(2023/歌文)、玉勝間(2025/随筆・本居宣長)、年々随筆(2026/随筆・石原正明)
- 中古中世が13回:俊頼髄脳(2009)、宇治拾遺物語(2010)、帰家日記(2011)、ささやき竹(2012)、今物語(2013)、今昔物語集(2014)、小島のくちずさみ(2015)、浜松中納言物語(2017)、和泉式部日記(2018)、増鏡(2019)、発心集(2020)、紫式部日記(2021)、古今著聞集(2024)
年度順に眺めると、近世と中古中世が固まらずに入れ替わり立ち替わり現れることが分かります。そして直近では近世側に重心が寄っており、2022年度から2026年度の5年のうち4年が近世(西遊記・秋香歌かたり・玉勝間・年々随筆)です。中古中世が消えたわけではなく、2024年度には古今著聞集という説話集の代表格が入っています。つまり「近世が来ても中古中世が来ても対応できる状態」を要求されるのが、この系統の実像です。
👀 ここに注目
2022年度の「西遊記」は、中国の『西遊記』ではありません。江戸後期の医師・橘南谿が西国(九州方面)を旅した見聞を記した日本語の紀行です。作品名だけを見て中国の物語を思い浮かべた受験生は、冒頭の数行で完全に方向を見失います。作品名の記憶は、こういう場面ではむしろ害になります。
近世の随筆・考証系が来たときに読み方の軸になるのが、次の性質です。
📖 大切な定義
考証随筆とは、古い言葉・故事・習俗について「世間ではこう言われているが、実際はこうである」という形で筆者の説を立てていく文章であり、必ず「通説(=否定される側)」と「筆者の説(=肯定される側)」の対立軸を持つ文章のことである。
玉勝間(本居宣長)、年々随筆(石原正明)、北辺随筆(富士谷御杖/2003年度・学部区分の記録なし)はいずれも国学者の手になる考証系です。これらが出たときは、物語を読むときの「誰が誰に何をしたか」ではなく、「筆者は何を否定し、何を主張しているか」を1本の線として引けるかどうかが得点を決めます。
なぜ作品名の暗記が効かないのか
阪大が受験生の記憶を無効化してくる経路は、データ上はっきり2つあります。
経路1:有名作品を出すが、有名でない箇所を切る
出典データに章段名まで記録が残っている3件を見てください。
| 年度・系統 | 作品 | 記録されている箇所 |
|---|---|---|
| 2025・文以外 | 玉勝間 | 五の巻 枯野のすゝき |
| 2010・文 | 堤中納言物語 | 思はぬ方にとまりする少将 |
| 2008・文 | 平家物語 | 小宰相身投 |
堤中納言物語で誰もが知っているのは「虫めづる姫君」ですが、出されたのは「思はぬ方にとまりする少将」です。平家物語の教科書定番といえば「木曽の最期」や「那須与一」ですが、出されたのは「小宰相身投」です。作品名は既知、中身は初見という状態を意図的に作りにいっていると読めます。
経路2:そもそも他大学が使わない作品を選ぶ
先に挙げた8作品(ささやき竹・伊曾保物語・八雲御抄・帰家日記・年々随筆・秋香歌かたり・雲上歌訓・鴉鷺物語)は、当塾の全国793件のデータで阪大にしか現れません。加えて、宿直物語(他は東北大学のみ)、東関紀行(他は駒澤大学のみ)、小島のくちずさみ(他は早稲田大学のみ)、庚子道の記(他は広島大学・東京大学)のように、全国的に見ても記録件数が少ない作品が並びます。
一方で、俊頼髄脳(全国14件)、古今著聞集(全国11件)、栄花物語(全国10件)、増鏡(全国9件)、蜻蛉日記(全国9件)、沙石集(全国9件)といった全国頻出作品もきちんと混ざっています。有名どころを避けているのではなく、有名・無名を問わず「この文章は読解力を測れるか」で選んでいると考えるのが自然です。
💡 ポイント
阪大対策で作品名の暗記が無意味だという意味ではありません。「作品名を知っている」から得点になるのではなく、「そのジャンルの型を知っている」から得点になる、ということです。暗記の単位を、作品名からジャンルの型へ切り替えてください。
国強塾の読み方
ここからは、国強塾が阪大志望の生徒に実際にやらせている手順です。抽象的な心構えではなく、机の上で再現できる形にしてあります。
手順1:解く前に、自分の系統だけを取り出す
過去問集を開いたら、まず文学部と文学部以外を分けます。文学部志望なら文学部の20年、それ以外なら文学部以外の20年です。混ぜて解くと、上で見たジャンル分布の違いが平均化されてしまい、自分が備えるべき方向が見えなくなります。
手順2:本文を読む前の30秒で「ジャンル判定」をする
初見の文章に対して最初にやるのは、精読ではなくジャンルの判定です。判定の材料は、冒頭数行と注、そして出典表示です。国強塾では次の4分類で入ります。
| 判定 | 冒頭に出やすい合図 | 最初に確定させる3点 |
|---|---|---|
| 紀行 | 地名、「立ち出づ」「行く」などの移動、日付・季節 | ①誰が旅しているか ②今どこか ③その土地で何を思い出したか |
| 歌論・歌学 | 「歌」「よむ」「さま」「よろし/わろし」などの評価語 | ①筆者の主張 ②例に挙がった歌 ③その歌が良い/悪い理由 |
| 考証随筆 | 「〜といふことば」「今の世の人は」「古への」 | ①否定される通説 ②筆者の説 ③根拠として挙げる古い用例 |
| 説話・日記・物語 | 「昔」「〜ありけり」「〜のころ」、人物の官職名 | ①登場人物の数 ②身分の上下 ③出来事の順序 |
この判定を先にすると、読みながら探す対象が決まった状態で本文に入れます。阪大の初見作品では、この「探す対象」が決まっているかどうかで、読み切るまでの速さと正確さが大きく変わります。
手順3:注(脚注)を本文より先に読む
無名作品が出る大学では、注が本文の前提知識を肩代わりします。人物の関係、地名、官職、当時の習慣は、たいてい注で与えられます。注は親切ではなく、出題者が「ここは知らなくていい/ここは使え」と指定している設計図です。先に読んでから本文へ入ってください。
手順4:述語ごとに主語を書き込む
初見の文章では、主語の取り違えが訳と説明の全体を崩します。国強塾では、初見の文章では述語(動詞・形容詞の言い切り)に丸をつけ、その上に主語をカタカナ略号で書き込む練習を最初にさせます。「A」「B」「筆者」の3種類でかまいません。敬語がある箇所では、敬意の方向(誰から誰へ)を矢印で添えます。
手順5:和歌が出たら3点セットで処理する
紀行にも歌論にも説話にも和歌は入ってきます。処理は常に同じ3点です。①詞書・直前の地の文=状況、②歌=主張または心情、③直後の地の文=作者・筆者の評価。とくに歌論(八雲御抄・俊頼髄脳・雲上歌訓)では、③が設問の答えそのものになることが多くあります。歌の解釈に自信がなくても、①と③を正確に押さえれば説明問題は書けます。
手順6:近世随筆は「対比の軸」を1本引く
玉勝間や年々随筆のような考証随筆では、本文を読み終えた時点で「筆者が否定したもの/肯定したもの」を余白に2列で書き出します。この2列が書けていれば、内容説明も理由説明もそこから組めます。書けないまま設問に入ると、本文の言葉を拾って並べただけの答案になります。
手順7:12週間の演習配分
出典データから逆算すると、優先順位は次のようになります。志望系統によって配分を変えてください。
- 第1〜4週|中古中世の日記・説話:蜻蛉日記、和泉式部日記、紫式部日記、古本説話集、十訓抄、沙石集、発心集、宇治拾遺物語。両系統に共通の土台です。
- 第5〜8週|紀行・歌論:都のつと、東関紀行、小島のくちずさみ、庚子道の記、八雲御抄、俊頼髄脳。文学部志望はここを厚く。演習量が不足しがちな領域なので、ここで差がつきます。
- 第9〜12週|近世随筆・注釈:玉勝間、年々随筆、北辺随筆、西遊記、百人一首一夕話。文学部以外の志望はここを厚く。近年の重心です。
そのうえで、過去問で初見の文章を解いたら、必ず「ジャンル判定は当たったか」「注を先に読んだか」「主語の書き込みをしたか」の3点を自己採点してください。得点だけを見て一喜一憂するより、手順の実行率を上げるほうが伸びます。
💡 ポイント
阪大の古文は、知識量ではなく「初見の文章に対する手続きの安定性」を測る試験です。手続きが安定していれば、ささやき竹や雲上歌訓のような阪大限定8作品と同じ種類の初見文が出ても、同じ動きができます。
よくある質問
Q. 有名作品はもう覚えなくていいのですか。 いいえ。全国頻出の俊頼髄脳・古今著聞集・栄花物語・増鏡・蜻蛉日記なども実際に出ています。覚えるべきは作品名ではなく、その作品が属するジャンルの型と、時代ごとの言葉づかいです。
Q. 文学部と文学部以外で、対策の共通部分はどこですか。 中古中世(平安〜室町)という時代そのものです。文学部は20年中18年、文学部以外も20年中13年が、この時代の作品から出ています。ただし内訳のジャンルは系統で異なり、日記・説話・物語に限れば文学部が14年、文学部以外が10年で、残りは紀行・歌論です。つまり時代の言葉づかいに慣れることが両系統の共通土台、ジャンル別の型が系統ごとの上積みという二層構造になります。土台のほうから先に固めてください。
Q. 近世(江戸)の文章が読みにくいのですが。 近世の文章は語彙が現代語に近づく一方で、論の運びが硬くなります。物語の読み方(人物追跡)ではなく、評論の読み方(主張と根拠)に切り替えるのが正解です。手順6の「対比の軸」を機械的に引く練習が効きます。
Q. 秋香歌かたりのように情報の少ない作品はどう扱えばいいですか。 書誌情報を追う必要はありません。当塾のマスタでも「歌文/江戸期」という分類にとどまり、詳細の確認を継続している作品です。実戦では、ジャンル判定(歌に関する文章=歌論・歌文の型)まで到達できれば十分に戦えます。
関連ページ
- 都のつと|都のつと(紀行/南北朝・宗久)。阪大で2度出た3作品のひとつで、2012年度・2023年度とも文学部の出典です。
- 東関紀行|東関紀行(紀行/鎌倉)。2025年度文学部の出典。和漢混淆の紀行文の型はここで身につけます。
- 八雲御抄|八雲御抄(歌学/鎌倉・順徳院)。2021年度文学部の出典。歌学の読み方の入口です。
- 玉勝間|玉勝間(随筆/江戸中期・本居宣長)。2025年度文学部以外の出典。考証随筆の代表格です。
- 俊頼髄脳|俊頼髄脳(歌論/平安後期・源俊頼)。全国最頻出級の歌論。2009年度文学部以外の出典です。
- 発心集|発心集(仏教説話/鎌倉・鴨長明)。阪大で両系統にまたがって出た作品です。
- 蜻蛉日記|蜻蛉日記(日記/平安中期)。2018年度文学部の出典。一人称の心理の追い方を確認してください。
- 平家物語|平家物語(軍記/鎌倉)。阪大では「小宰相身投」が出ています。定番章段以外への備えを。
- genre-kiko|紀行というジャンルの型(移動が構成原理になる文章の読み方)。
- genre-karon|歌論・歌学というジャンルの型(主張と例歌の関係の追い方)。
- genre-zuihitsu|随筆・考証随筆というジャンルの型(通説と筆者説の対立軸の引き方)。
- kyodai-kobun|京都大学の古文。同じ関西難関でも出典の選び方がどう違うかを比較できます。
- kobedai-kobun|神戸大学の古文。近隣大学との併願を考えるならこちらも。
本文・データの出所
本記事の出典一覧は、国強塾が整備した実出典データベース(data/exam_evidence.csv、38大学・793件)および作品マスタ(data/kobun_master.csv、395作品)に記録された内容のみを用いています。作品のジャンル・成立時代・作者の表記は、この作品マスタの記載に従いました。
一次的な情報源は次のとおりです。
- 国語入試資料@ウィキ(大学別ページ):年度別・大学別の出典記録。本記事の骨格となる情報源です。学部区分の記録がない出典(2003年度・2002年度分を含む)は、こちらに由来します。
- 国語入試資料@ウィキ/河合塾分析PDF:上記に河合塾の入試分析資料を突き合わせた記録です。本記事の一覧表に載せた40題は、文学部/文学部以外の系統ラベルを含めてすべてこの記録に基づいています。
当塾の出典データベースには他大学分について別系統の情報源(予備校の解答速報など)も含まれますが、大阪大学の記録に関して使われているのは上記2種類のみです。本記事では、それ以外の資料を根拠として用いていません。
確度の限界について、正直に書いておきます。
- 学部区分が記録されていない年度があります。 2003年度(榻鴫暁筆・北辺随筆)と2002年度(戴恩記)は、文学部/文学部以外のどちらであったかがデータに残っていないため、本文の傾向分析からは除外し、参考として別掲しました。
- 章段名の記録は全題には及んでいません。 章段まで特定できているのは2025年度・玉勝間(五の巻 枯野のすゝき)、2010年度・堤中納言物語(思はぬ方にとまりする少将)、2008年度・平家物語(小宰相身投)の3件です。他の年度について「どの箇所が出たか」は、本記事では書きません。分からないものを埋めないのが当塾の方針です。
- 作品名の表記ゆれがあります。 2015年度・文学部以外の小島のくちずさみは、資料によって「小島のすさみ」と表記されます。同一作品として扱っています。
- 書誌情報が薄い作品があります。 秋香歌かたりについては、当塾マスタでも成立・作者の確認を継続中です。本記事では実出典データに記録された「中村秋香」の名を併記するにとどめ、それ以上の説明は加えていません。
- 設問形式・配点・試験時間は本記事の対象外です。 当塾の出典データが扱うのは「何が出たか」のみであり、「どう問われたか」は含みません。形式面は必ず募集要項および各予備校の解答速報でご確認ください。
出典記録に誤りを見つけられた場合は、年度・学部・作品名と、確認できる資料名を添えてご指摘ください。当塾のデータベースに反映し、本記事も更新します。
監修:藤原進之介(数強塾グループ代表)/執筆:国語専門塾「国強塾」by数強塾グループ
監修:藤原進之介(数強塾グループ代表)/執筆:国語専門塾「国強塾」by数強塾グループ
本記事の現代語訳・解説は国強塾のオリジナルです。学校の課題・定期テストでは、担任の先生・担当講師の指示を優先してください。