明治大学の国語で受験生がつまずくのは、多くの場合「文章が難しいから」ではなく「論旨をつかむ手順を持っていないから」です。とくに法学部・政治経済学部では法律論・政治論・国家論といった硬質な評論が出ます。感覚で読むと必ず迷子になる文章です。
分野別の攻め方
① 現代文——キーワードより「対比」を拾う
硬質な評論は、キーワードだけを拾っても論旨が組み上がりません。効くのは対照表現と同意表現です。「Aではなく B」「かつては〜、しかし今は〜」という対比の軸を各段落で1本ずつ拾い、最後に並べると、それがそのまま筆者の主張の骨格になります。
② 知識問題——漢字と文学史は落とせない
漢字の読み書きや語句挿入では高度な語彙力が問われ、文学史も頻出です。ここは読解力ではなく準備量で決まる領域なので、直前期ではなく早い時期に一度仕上げてしまうのが得策です。
③ 古文——有名作品から出る
物語・日記・歌論など古代から近世まで幅広く、『大和物語』『住吉物語』『十訓抄』といった有名作品からの出題が目立ちます。設問はオーソドックスで、古文単語・文法・敬語・古文常識が総合的に問われます。奇をてらった対策は不要で、基本事項の網羅がそのまま得点になります。
④ 漢文——学部を確認する
漢文は文学部でのみ課されます。志望学部で必要かどうかを最初に確認し、不要なら現代文と古文に時間を集中してください。
対比で読むミニ演習(オリジナル問題)
次の文章の筆者の主張として最も適切なものを選べ。
「かつて法は、共同体が長い時間をかけて育てた慣習の記述にすぎなかった。ところが近代国家は、法を議会が意図的に作り出すものへと変えた。この転換によって法は迅速に社会を変える道具となったが、同時に、なぜその規則に従うのかという理由を人々の生活史から切り離してしまった。」
ア 近代の法は慣習法より優れている イ 法の制定が速くなった分、規範の根拠が生活から切れた ウ 議会は法を作るべきではない エ 共同体の慣習は現代でも法である
解答:イ
解説:この文章の骨格は「かつて=慣習の記述/近代=議会が作り出すもの」という対比1本です。最終文の「〜となったが、同時に〜」が、利点と代償を並べる形で主張を確定させています。アは「優れている」という価値判断を本文がしていない点で、ウは本文にない主張である点で誤り。対比の軸と逆接の直後、この2点を拾えば硬質な評論でも骨格は取れます。
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