東京理科大学で国語が課されるのは、主に経営学部です。理科大というと理系科目の印象が強いぶん、ここを見落とすと出願直前で慌てます。そして構成にはっきりした特徴があります——古文・漢文が出ません。現代文と国語常識だけです。
構成——大問3題、古典なし
大問は3題。現代文は評論から出題され、題材は社会学・経済学・文化・科学と幅広く取られます。加えて国語常識(慣用句・文学史)が選択式で出ます。
古文・漢文を除くため、他大学と併願する場合は「理科大のためだけに古典をやる必要はない」と分かるだけでも学習計画が変わります。
大問1が勝負どころ
大問1の評論は文章量も設問数も非常に多いのが特徴です。難易度そのものは標準的なので、差がつくのは理解力ではなく処理速度——文章の展開・構成・要旨を素早くつかむ力です。
じっくり読めば解ける問題を、時間内に解き切れるか。これが理科大の国語の実態です。
国語常識——落とさない場所
慣用句と文学史は知っていれば数秒、知らなければ考えても出ない設問です。読解の勉強とは別枠で、早めに一度通しておいてください。
要旨を素早くつかむミニ演習(オリジナル問題)
次の文章の要旨として最も適切なものを選べ。
「市場は情報を価格に集約する装置だと説明される。だがその集約が働くのは、参加者が互いに異なる判断を持っているときに限られる。全員が同じ情報源を見て同じ結論に達する市場では、価格はもはや何も集約していない。ただ多数派の意見を繰り返しているだけである。」
ア 市場は常に正しい価格を導き出す
イ 市場が情報を集約できるのは判断の多様性がある場合に限られる
ウ 情報源は統一されるべきである
エ 価格は多数派の意見と一致すべきである
解答:イ
解説:要旨をつかむ速さは、逆接を探す速さとほぼ同じです。この文章では第2文の「だが」が転換点で、そこから先が筆者の主張——「集約が働くのは判断が異なるときに限られる」。
アは第1文の一般論をなぞっただけ、ウとエは本文が述べていない当為です。「一般論 → だが → 主張」という型を見つけたら、逆接の直後だけ精読すればよい。大問1の分量を時間内にさばくには、この読み方が要ります。
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