2026年度 共通テスト国語 本試験|暗記事項と本番の思考回路で全問解説

2026年度共通テスト国語・本試験の全5大問を、正答だけでなく「なぜそう考えるのか」まで解説します。長い本文や選択肢を転載せず、設問の狙いと根拠を中学生にもわかる言葉へ置き換えました。

この記事の二つの柱

  • 覚えなければならないこと(暗記事項):漢字、語句、古典文法、漢文句法など、知っているほど速く正確に解ける知識。
  • 考えること(本番の思考回路):本文のどこを見て、どの順番で根拠を確かめ、誤答を消すかという再現可能な手順。

2026年度 国語・本試験の問題PDFを開く大学入試センター発表の正解PDFを開く

2026年度 共通テスト国語・本試験の全解答

数字は選択肢番号です。「①・⑥」のように並ぶものは二つ選ぶ設問です。まず自分で解き、その後に下の解説で根拠を確認してください。

大問 設問 正答 得点の中心
第1問 問1(ア〜オ) ④・④・①・②・② 漢字
問2 傍線部の言い換え
問3 制作過程の因果
問4 段落の役割
問5 理由説明
問6 全文要旨
第2問 問1 人物の複合感情
問2 父の満足の理由
問3 反復表現
問4 子ども時代と現在
問5 表現効果の誤り
問6(空欄二つ) ①・④ 作品全体との接続
第3問 問1 メッセージの具体化
問2 段落からの削除
問3(i・二つ選択) ①・⑥ 二資料の比較
問3(ii) 比較結果から方針へ
第4問 問1(ア〜ウ) ①・③・④ 古語・文法
問2 助動詞と敬語
問3 場面把握
問4 演奏の比較
問5 追加資料との照合
第5問 問1(ア・イ) ④・① 漢語の文脈義
問2 二重否定
問3 使役と返り点
問4 反語
問5 目的語の特定
問6 比喩と皮肉
問7 本文と資料の共通主張

第1問|論理的文章:「美しさ」と「わかりえなさ」

文章の核:筆者は、意味や価値を言葉で決め切れないものに出会う体験を「美しさ」の根に置きます。制作とは、作者の計画をそのまま形にするだけでなく、素材から予想外の姿を受け取り、さらに別の人へ差し出す行為だと論じています。

覚えなければならないこと

  • 漢字は意味のまとまりで覚える:肩/比肩、透/浸透、塗/塗布、幹/基幹、尺/縮尺。
  • 指示語は直前だけで決めない:「それ」「そのとき」が、前の一文ではなく段落全体を受けることがある。
  • 対比の目印:「しかし」「一方で」「にもかかわらず」の前後では、主張がどちら側に置かれるかを確認する。
  • 具体と抽象:幼少期の風景や素材の変化は具体例であり、最終的な主張は「交換できない美」や「他者への贈与」という抽象部分にある。

本番で使う思考回路

  1. 傍線部の中心語を二、三語にする。例:「わかりえない」「心地よい」。
  2. 前後から原因と結果を一本ずつ拾う。本文にない心理や目的を足さない。
  3. 選択肢を「主語・原因・結果」に分け、どこか一か所でもずれたら消す。
  4. 全文要旨では、前半の具体例と後半の結論の両方を含む選択肢を残す。

設問別解説

  1. 問1:④・④・①・②・②。読みだけでなく、同じ漢字が同じ意味の核を持つかを見る問題です。「肩を寄せる」の肩は「比肩」、「透かす」の透は「浸透」、「塗料」の塗は「塗布」、「根幹」の幹は「基幹」、「尺度」の尺は「縮尺」と対応します。
  2. 問2:③。筆者は、人間関係のルールがわからない苦しさとは別に、日常の景色が言葉で説明し切れないものへ変わる体験に心地よさを感じています。「自分を理解できた」「他者のルールを捨てた」までは書かれていません。
  3. 問3:②。作者が素材を変えると予想外の姿が現れ、それを受けてさらに手を加える。その往復の中で作者自身も変わる、という因果が本文と一致します。「最初のイメージを補強する」は逆です。
  4. 問4:②。ここは文章の折り返しです。個人的な幼少期の記憶と現在の制作経験を示した後、それが多くの人に通じる芸術体験の根ではないか、と話を一般化しています。
  5. 問5:③。普段は共通の言葉や価値で理解できると思っている世界にも、完全には説明・交換できないものがある。「美しさ」に出会うと、その余白が見えるためです。
  6. 問6:①。制作中に作者自身が予想外の美に揺さぶられ、その作品が受け手にも未知の世界を立ち上げることを願う、という前半と結論の両方を含みます。

第2問|文学的文章:母のヴァイオリンと勝呂の選択

物語の核:少年の勝呂は、母が音楽をやめて家庭へ戻ったことを喜びます。しかし大人になった勝呂は、小説家になる道を手放して安定した生活へ傾く自分と、歩きにくくても自分の跡が残る道を選んだ母を重ねます。過去の見え方が現在の自己理解によって変わる物語です。

覚えなければならないこと

  • 人物の気持ちは一語で決めない:文学では「寂しい+怒り」「うれしい+後ろめたい」のような複合感情がよく問われる。
  • 反復は場面ごとの差を見る:同じ「悲しそうな微笑」でも、誰に向けた表情か、相手が見ているかで意味が変わる。
  • 回想の基本:子ども時代の理解と、現在の語り手の理解を分ける。
  • 小道具は働きを確認:同じ食べ物や行動が再登場しても、すぐに「象徴」と決めず、場面をつなぐ役割かどうかを見る。

本番で使う思考回路

  1. 人物ごとに「望み」「妨げ」「行動」を短くメモする。
  2. 感情問題は直前の出来事と、その人物が以前から望んでいたことを結ぶ。
  3. 表現問題は、選択肢の評論用語より本文中の実際の働きを優先する。
  4. 追加資料問題は、資料だけで答えず、本文へ戻して同じ主題が接続するかを見る。

設問別解説

  1. 問1:②。母が指を動かす姿から、看病中も心はヴァイオリンへ向いていると勝呂は気づきます。母を独占できない寂しさと、病気の自分より音楽を思う母への怒りが同時に生まれます。
  2. 問2:③。父は平凡で波風のない家庭をよしとし、母にも音楽より家庭の役割を求めています。母がその期待に沿う生活をしているため、父は満足そうに見えます。
  3. 問3:④。最後の場面の母は勝呂に表情を見せようとしているとは限りません。それでも長く役割を押しつけられたつらさが、身についた悲しげな表情として現れています。
  4. 問4:①。子どもの勝呂は母の「満足している」という言葉を喜びます。現在の勝呂は、自分も本意でない道へ傾いているからこそ、母の言葉の裏に友人への対抗心があったと理解できます。
  5. 問5:②(適当でないもの)。過去と現在に似た食べ物が出ることは場面を響き合わせますが、それを西洋文化の伝播の象徴とする根拠は本文にありません。もっともらしい評論語を足した誤答です。
  6. 問6・最初の空欄:①。母は理解されず苦しみながらも、誰もが歩く安全な道ではなく、自分で選んだ歩きにくい道を進もうとしました。
  7. 問6・次の空欄:④。勝呂が今の安定した生活に妥協しようとした瞬間、母の生き方が浮かびます。その記憶は勝呂を一つの結論に落ち着かせず、再び自分の道を問い直させるため「残酷」なのです。

第3問|実用的文章・資料:絵本と科学資料を比べる

課題の核:一冊の科学絵本が、幼い読者へ「イワシは群れで生きる」という一つのメッセージをどう伝えるかを、別の科学資料と比較します。事実の多さではなく、目的に合わせた情報選択と見せ方が問われています。

覚えなければならないこと

  • 資料の三要素:目的、対象読者、表現方法。
  • 事実と演出を分ける:数値・時期・地図は説明情報、擬音語・一場面の描写は臨場感を作る表現。
  • 段落の趣旨:段落の最初か最後にある中心文と、各文の役割が一致するかを確かめる。
  • 比較は同じ軸で行う:図と図、語り方と語り方、情報量と情報量を対応させる。

本番で使う思考回路

  1. 資料ごとに「誰へ」「何を」「どう伝える」を一行で書く。
  2. 図表の題名、単位、矢印、注を先に読む。本文の印象だけで判断しない。
  3. 二つ選ぶ問題は、選択肢内のa・bを別々に判定する。片方が誤りならその組全体が誤り。
  4. 今後の方針は、比較でわかったことから無理なく続くかを確認する。

設問別解説

  1. 問1:③。絵本は、食べられる危険があっても生き残ったイワシが命をつないでいく営みを描き、「群れで生きる」の中身を具体化しています。
  2. 問2:③。段落はストーリーを出来事の順に整理しています。擬音語が迫力を出すことは表現上の工夫であり、出来事の一段階ではないため削除対象です。
  3. 問3(i):①・⑥。①のbは、科学資料の地図が示すのを採餌場所や捕食方法としており誤りです。地図の中心は季節ごとの回遊です。⑥のaは、短い文が厳しさを弱めるという評価が資料の具体的な捕食描写と合いません。二つ選択ではa・bの片方だけの誤りも見逃さないことが重要です。
  4. 問3(ii):③。絵本には情報の取捨選択と臨場感ある描写があると整理できます。さらに同じ絵本の別の特徴を探すため、さまざまな本と比較する、という方針が比較結果から自然につながります。

第4問|古文:琴の一族と誕生の場面

物語の核:子の誕生に際して、特別な琴を受け継ぐ一族が演奏します。仲忠の演奏は自然を激しく動かし、尚侍のおとどの演奏は人の苦しみを忘れさせる。誰が、誰のために、どの琴を弾いたかを人物関係図と結ぶ問題です。

覚えなければならないこと

  • 「え〜打消」:「〜できない」。可能の打消を作る。
  • 「あめり」:「あるめり」が音便化した形で、「〜であるようだ」。
  • 助動詞「む」:主語が話し手側なら意志、相手や第三者なら推量になることが多い。文脈で確定する。
  • 「てむ」:完了の「つ」+推量の「む」。文脈により「きっと〜だろう」「〜てしまうだろう」。
  • 敬語の方向:誰の動作か、誰から誰への敬意かを矢印で書く。

本番で使う思考回路

  1. 冒頭の人物説明と関係図に、本文中の呼び名を書き込む。
  2. 会話文の主語を補う。古文は主語が変わった合図を見落とさない。
  3. 文法問題でも訳だけでなく、その場面で誰が何を望むかを確かめる。
  4. 追加資料は「本文に実際に書かれているか」を一文ずつ照合する。

設問別解説

  1. 問1:①・③・④。「騒がしければ、えなむ」は騒がしいので演奏できない。「はしたなげにぞあめる」は体裁が悪いようだ。「風邪ひきたまひてむ」はお風邪を召してしまうだろう、という見通しです。
  2. 問2:②。「取らせむ」の「む」は、琴を持って来させようという意志を表します。文法用語だけでなく、依頼を受けた人物の次の行動と合うかで判断します。
  3. 問3:②。生まれた子に琴を添える話に対し、尚侍のおとどは「もうその話か」と早さに驚きます。一般家庭の習慣ではなく、琴の一族だからこその特別な継承です。
  4. 問4:④。子の誕生という大切な機会に演奏してほしいという願いを受け、尚侍のおとどが弾き、その音は言葉にできないほどすばらしいと描かれます。
  5. 問5:④。追加会話の強調表現から、誕生直後の子へ特別な琴を渡す重要性がわかります。本文でも仲忠はその琴を子を抱きながら演奏しており、二資料が一致します。

第5問|漢文:唐詩・宋詩の党派を超えて詩を見る

文章の核:豊山は、唐詩派か宋詩派かという看板だけで作品を決めつける態度を批判します。大切なのは派閥や作者の名声ではなく、作品そのものの完成度や風趣を見ることです。

覚えなければならないこと

  • 不必:「必ずしも〜ない」。全部否定ではなく部分否定になることが多い。
  • 使役「使A〜」:「Aをして〜しむ」。Aに〜させる。
  • 豈・安・何など+疑問形:文脈によって反語「どうして〜だろうか、いや〜ない」になる。
  • 対句・並列:同じ形が並ぶと、両方を同じ構文で読む。
  • 比喩:玉と瓦のような評価語は、何を何にたとえているかを対応させる。

本番で使う思考回路

  1. 否定語を丸で囲み、二重否定か部分否定かを確認する。
  2. 返り点問題は、まず動詞と目的語を見つけ、それから読む順番を決める。
  3. 人物の発言が賛成か反対か、前後の評価語から判定する。
  4. 本文と資料の共通主張では、両方にある最小の共通部分を選ぶ。片方だけにある細部は入れない。

設問別解説

  1. 問1:④・①。「宗旨」はここでは宗教教義ではなく、詩をどう見るかという主要な見解。「知言」は、文脈上、見識のある言葉として読めます。
  2. 問2:③。唐詩だけ、宋詩だけを絶対に必要とはせず、だからといって唐詩・宋詩を学ばないとも言わない。二つの「不必」を丁寧にほどくと、派閥への固定を避ける主張になります。
  3. 問3:②。「使」を中心に、狭い見方がそのようにさせた、と使役で組み立てます。返り点は日本語として意味が通る順序まで確かめます。
  4. 問4:③。問いかけの形ですが、実際には「なんと愚かなことだろう」という強い判断です。疑問か反語かは、筆者が前段で派閥争いを批判していることから決めます。
  5. 問5:①。白石・南郭を悪く言う相手に、ではあなた自身の詩を見せてほしい、と求めています。省略された目的語を直前の話題から補います。
  6. 問6:②。相手が白石・南郭を偽物と批判する言葉を利用し、玉と瓦の比喩で相手自身の詩を逆に低く評価します。相手の言葉を借りて逆の結論へ導く皮肉です。
  7. 問7:②。本文と資料に共通するのは、党派や名声で決めず、作品そのものの完成度・風趣を評価する姿勢です。「独創性だけ」「平易さだけ」は共通主張より狭すぎます。

2026年度から取り出せる、本番の共通思考回路

  1. 設問を分解する:「何が」「なぜ」「どう変わった」を短く書く。
  2. 根拠の範囲を決める:傍線部の前後、段落全体、全文のどこまで必要かを判断する。
  3. 本文と選択肢を部品で比べる:主語、原因、結果、評価の四点を一つずつ照合する。
  4. 余計な一言を消す:本文にない目的・心理・象徴を加えた選択肢は、前半が合っていても誤り。
  5. 資料問題は軸をそろえる:目的、読者、情報量、表現方法のどれを比べているかを固定する。
  6. 古典は知識から文脈へ:文法・句法で候補を絞り、人物関係や主張に合うかで確定する。

復習するときの三段階

  1. 翌日:正答番号を隠し、誤答がなぜ違うか一言で説明する。
  2. 一週間後:各大問の「暗記事項」だけを見直し、同じ型の問題を解く。
  3. 一か月後:時間を計って解き直し、根拠へ戻る回数と迷った原因を記録する。

正解した問題でも、根拠を説明できなければ本番で再現できません。「合っていたか」ではなく「同じ手順でもう一度選べるか」を復習の基準にしてください。

よくある質問

暗記事項だけ覚えれば共通テスト国語は解けますか?

解けません。ただし、漢字・古典文法・漢文句法を覚えておけば、その場で考える量を減らせます。知識は思考の代わりではなく、思考に使える時間を増やす道具です。

中学生でもこの問題に取り組めますか?

現代文と資料問題は十分に取り組めます。古文・漢文は、まず本文の全部を訳そうとせず、人物関係とこの記事の暗記事項から始めてください。

選択肢が二つまで絞れてから決められないときは?

二択になったら、選択肢を主語・原因・結果に分けます。本文にない一語を足した方や、原因と結果を逆にした方が誤答であることが多いです。

問題文はどこで読めますか?

ページ冒頭の問題PDFから読めます。年度別の本試験・追試験は国語過去問PDF一覧に整理しています。

古文・漢文の基礎から戻るにはどうすればよいですか?

古文20単元漢文21単元で、助動詞・敬語・句法から順に復習できます。


編集:国強塾編集部 照合:2026年度本試験問題PDF・大学入試センター発表用正解PDF 更新日:2026年8月26日

一次資料:大学入試センター「過去3年分の試験問題」

本ページは学習用の独自解説です。試験本文・選択肢の長文転載は行っていません。問題の著作権は各権利者に帰属します。

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