中学受験・算数

駒場東邦中 算数の傾向と対策|数強塾

数強塾のプロ講師陣

駒場東邦中学校 算数の傾向と対策【数強塾オリジナル】

オンライン数学専門塾 数強塾|プロ講師のみ・完全1対1指導・中高一貫校対応

駒場東邦中学校(東京都世田谷区)は、東邦大学とは別の学校法人が母体となって設立された、東京を代表する男子難関校のひとつです。中高6年間を見通したていねいな学びで知られ、多くの受験生とご家庭にとってあこがれの進学先であり続けています。中学入試の算数は、合否を大きく左右する中心教科です。本記事では、学校が公開している入試統計などの公開情報をもとに算数の位置づけを整理したうえで、オンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したオリジナル類題4問(数の性質・場合の数・速さ・平面図形)を、考え方・解答・二重検算つきで掲載します。実在の過去問の複製や数値替えは一切用いず、公開情報から一般に知られる傾向をふまえて数強塾が新しく作った問題です。

公開情報でわかる算数の位置づけ(学校公式・2026年度入試統計より)

駒場東邦中学校が公式サイトで公開している2026年度の入試統計によると、入試は4教科で実施され、配点は国語120点・社会80点・算数120点・理科80点の合計400点満点です。算数は120点と、国語とならんで配点がもっとも大きい教科のひとつで、合否への影響が大きいことがわかります。同じ統計では、算数の受験者平均が80.2点、合格者平均が91.7点(いずれも120点満点)、合格最低点は400点満点中250点と公表されています。受験者平均が満点の3分の2ほどに達している一方、合格者はそこからさらに10点あまり上乗せしている――この数字は、「難問を一部取りこぼしても、標準〜やや発展レベルの問題を確実に得点し切る力」が合否を分けることを示していると読み取れます。
※試験時間など、ここに記載していない項目は公式で確認できたもののみを掲載しています。最新の募集要項・試験科目・時間・配点は、必ず 駒場東邦中学校 公式サイトの入試情報 でご確認ください。

※本ページは公開情報にもとづく傾向分析と、数強塾オリジナルの自作類題による対策です。実際の問題文・図は学校公式サイトでご確認ください。

出題分野の傾向

以下は、特定年度の問題を転載・解説するものではなく、上で見た公開データ(配点・平均点)と、男子難関校の算数として一般に知られている傾向をふまえた、学習の方向づけとしての整理です。断定は避けています。

  • 幅広い分野からのバランス出題:数の性質、規則性、場合の数、速さ、割合と比、平面図形、立体図形など、受験算数のほぼ全分野が対象になると考えられます。特定の一分野だけを深掘りするより、全分野の標準解法を穴なく仕上げることが、120点という大きな配点を取りこぼさないための土台になります。
  • 「解ける問題を確実に」がカギになる難度設計:受験者平均が満点の約3分の2という数字は、標準的な問題が相応の割合を占め、それらを堅実に取れるかどうかが得点の中心になることを示唆します。一方で合格者平均との差を生むような、思考力・処理力を要する設問も含まれると考えられます。取れる問題を落とさず、差がつく問題で一歩踏み込む――この二段構えが対策の基本方針です。
  • 考え方・途中式を大切にする学習が生きる:男子難関校の算数では、答えの数値だけでなく、そこに至る筋道を式や図で整理する力が問われる場面が多いと言われます。日ごろから途中式や図を省略しない習慣をつけておくと、複雑な設問でもミスが減り、部分的な得点も拾いやすくなります。
  • 図形・数の性質・場合の数は繰り返し取り組む価値:面積比や相似を使う平面図形、規則を読み取る数の性質、数え上げの工夫を要する場合の数は、難関校で差がつきやすい分野です。「なぜその補助線か」「なぜその数え方か」まで説明できるレベルまで練習しておきましょう。

オリジナル類題で対策

※以下の4問は、上記の傾向をふまえて数強塾が独自に作成したオリジナル問題です。実在の過去問の複製ではありません。全問、受験算数の正攻法で解いたうえで、独立した別の方法による二重検算を行い、答えの一致を確認しています。図がなくても読み解けるよう、状況はすべて文章で説明しています。

類題1(数の性質・規則性)

【問題】 1以上の整数のうち、3で割ると2余り、かつ4で割ると1余る数を、小さい順に並べます。
(1) 小さい方から3つを答えなさい。
(2) この並びの2026番目の数を答えなさい。
(3) 5から2026までの間(両端をふくむ)に、この条件にあてはまる数は何個ありますか。

【方針】 「3で割ると2余り、4で割ると1余る」のように、2つの割り算の余りが同時に決まっている数は、まず条件を満たす最小の数を1つ見つけ、次に『3と4の最小公倍数ずつ増えていく』という規則に置きかえるのが定石です。3と4の最小公倍数は12なので、条件を満たす数は「最小の数」に12を次々と足した等差の並び(公差12)になります。この形にできれば、何番目が何か、範囲内に何個か、どちらも同じ道具で答えられます。

【解答】 まず条件を満たす最小の数をさがします。「3で割ると2余る」数は 2, 5, 8, 11, 14, … 。このうち「4で割ると1余る」ものを調べると、5÷4=1余り1 でぴったり。よって最小は5です。
5より大きいものは、3と4の最小公倍数12ずつ増えるので、条件を満たす数は
5, 17, 29, 41, 53, …(=12×(0,1,2,3,…)+5)
と表せます。
(1) 小さい方から3つは 5, 17, 29
(2) この並びの□番目は「12×(□−1)+5」で求められます。2026番目は 12×(2026−1)+5=12×2025+5=24300+5=24305
(3) 5以上2026以下で「12×n+5(nは0以上の整数)」の形になる数の個数を求めます。12×n+5≦2026 より 12×n≦2021、n≦168.4… だから n は0から168までの169個。下限の5(n=0)もふくまれるので、あてはまる数は169個です。

【検算】 (1)を割り算で直接確認します。5→5÷3=1余り2、5÷4=1余り1 ○。17→17÷3=5余り2、17÷4=4余り1 ○。29→29÷3=9余り2、29÷4=7余り1 ○。いずれも条件を満たします。
(2)を別の数え方で確認します。並びは「5から始まり12ずつ増える」ので、1番目が5、2番目が17と、番号が1増えるごとに12増えます。2026番目までに12は「2026−1=2025回」足されるので、5+12×2025=24305 ――本解と一致します。
(3)を「区間の幅」から確認します。5から2026までの幅は 2026−5=2021。この中に公差12の数は 2021÷12=168.4… より、最初の5に加えて12ずつ168回分進めることができ、5+12×168=2021(≦2026)まで入ります。よって個数は 168+1=169個で一致します。

類題2(場合の数)

【問題】 0, 1, 2, 3, 4 の5個の数字から異なる3個を選んで並べ、3けたの整数をつくります(いちばん上の位は0にできません)。
(1) 3けたの整数は全部で何個できますか。
(2) そのうち、偶数は何個ありますか。
(3) そのうち、3の倍数は何個ありますか。

【方針】 3けたの整数をつくる問題は、「いちばん上の位(百の位)は0が使えない」という制限をどう処理するかが急所です。偶数は「一の位が偶数(0・2・4)」から攻め、0が一の位に来る場合とそうでない場合で分けて数えます。3の倍数は「各位の数字の和が3の倍数」という性質を使い、まず和が3の倍数になる3個の組をすべて選び出し、それぞれの組で並べ方(0が先頭に来ない)を数えるのが正攻法です。

【解答】 (1) 百の位は0以外の 1〜4 の4通り。十の位は残り4個(0をふくむ)から4通り、一の位は残り3個から3通り。よって 4×4×3=48個
(2) 偶数は一の位が0, 2, 4 のいずれか。
・一の位が0:百の位は1〜4の4通り、十の位は残り3個から3通り → 4×3=12個。
・一の位が2:百の位は0と2以外の3通り、十の位は残り3個から3通り → 3×3=9個。
・一の位が4:同様に 3×3=9個。
合計 12+9+9=30個
(3) 5個から3個を選ぶ組は全部で10通り。各組の数字の和を調べ、3の倍数になるものを探します。
・{0,1,2}=3 ○ ・{0,2,4}=6 ○ ・{1,2,3}=6 ○ ・{2,3,4}=9 ○(他の6組の和は3の倍数になりません)。
この4組それぞれで並べ方を数えます。
・{0,1,2}:0をふくむので 3×2×1−(0が先頭の2×1)=6−2=4個。
・{0,2,4}:同じく 6−2=4個。
・{1,2,3}:0をふくまないので 3×2×1=6個。
・{2,3,4}:同じく 6個。
合計 4+4+6+6=20個

【検算】 (2)を「奇数を数えて全体から引く」方法で確認します。奇数は一の位が1か3。一の位が1のとき百の位は0と1以外の3通り、十の位は残り3個から3通り → 9個。一の位が3も同様に9個。奇数は 9+9=18個。よって偶数は 48−18=30個 で一致します。
(3)を、選ぶ組の総数から確認します。5個から3個を選ぶ組は 5×4×3÷(3×2×1)=10通りで、上の数え上げでも10組すべての和を調べています。3の倍数になるのは4組。0をふくむ組では並べ方が4個、ふくまない組では6個で、4+4+6+6=20個。また全体48個のうち3の倍数が20個ということは、3の倍数でない数が28個。念のため0をふくむ組は全部で「0と他2個」=4×3÷2=6組あり、そのうち和が3の倍数は2組――これも矛盾しません。以上より20個で一致します。

類題3(速さ・池のまわり)

【問題】 1周1200mの池のまわりを、AさんとBさんが同じ地点Sから同時に出発します。Aさんは時計回りに分速50m、Bさんは反時計回りに分速100mで、それぞれ一定の速さで回り続けます。
(1) 2人が最初に出会うのは、出発してから何分後で、Sから時計回りに何mの地点ですか。
(2) 2人が出発後にはじめて同時にSにもどってくるのは、出発から何分後ですか。
(3) (2)でSにもどるまでの間に、2人は全部で何回出会いますか(出発の瞬間は数えず、Sで出会う瞬間は数えます)。

【方針】 反対向きに回る2人が出会うときは、「2人が進んだ距離の合計」に注目するのが急所です。出会うたびに、2人合わせてちょうど池1周分(1200m)ずつ多く進んでいます。一方「2人が同時にSにもどる」のは、A・Bそれぞれが池をちょうど整数周した瞬間がそろうときなので、2人の「1周にかかる時間」の最小公倍数を考えます。

【解答】 (1) 2人は反対向きなので、1分間に合わせて 50+100=150m 近づきます。最初に出会うのは合計で1周分=1200m進んだときだから、1200÷150=8分後。このときAさんは時計回りに 50×8=400m 進んでいるので、出会う地点はSから時計回りに400mの地点です。
(2) Aさんが池を1周する時間は 1200÷50=24分、Bさんは 1200÷100=12分。2人が同時にSにもどるのは、24と12の最小公倍数の時間ごと。最小公倍数は24なので、はじめて同時にSにもどるのは24分後です(このときAは1周、Bは2周してSに到着)。
(3) 出会いは合計距離が1200mふえるごとに1回起こります。24分間に2人が進む距離の合計は 150×24=3600m。3600÷1200=3なので、出会いは3回(出発から8分後・16分後・24分後)。24分後はSで出会う瞬間で、これも数えて3回です。

【検算】 (1)の出会う地点を、Bさんの側から独立に確認します。Bさんは8分間で反時計回りに 100×8=800m 進みます。反時計回りに800mの地点は、時計回りに数えると 1200−800=400m の地点。Aさんの位置(時計回り400m)とぴったり一致します。
(2)(3)を「出会いの時刻」からまとめて確認します。出会いは8分ごと(1200÷150=8)なので、出会う時刻は8分後、16分後、24分後、…。一方2人が同時にSにもどるのは、Aが整数周(24分ごと)かつBが整数周(12分ごと)になる24分後。24分までの出会いは8・16・24分後の3回で、いずれも24分以内におさまり、本解と一致します。念のため24分後の位置も確認すると、Aは50×24=1200m=ちょうど1周でS、Bは100×24=2400m=ちょうど2周でSにおり、確かに同時にSで出会っています。

類題4(平面図形・台形と対角線)

【問題】 上底ADと下底BCが平行な台形ABCDがあります。AD=6cm、BC=10cmで、対角線ACとBDの交わる点をOとします。台形ABCDの面積が64cm²のとき、
(1) 三角形OADと三角形OBCの面積の比を、最も簡単な整数の比で答えなさい。
(2) 三角形OABの面積を求めなさい。
(3) 三角形OADの面積を求めなさい。

【方針】 台形の対角線が交わってできる4つの三角形は、「相似」と「底辺の比=面積の比」の2つの道具で全部つながります。上底と下底が平行なので、三角形OADと三角形OBCは相似で、相似比は AD:BC。ここから対角線が点Oで分けられる比が決まり、頂点を共有する三角形どうしの面積比(=底辺の比)を順にたどれば、4つの三角形の面積の比がすべて求まります。

【解答】 (1) AD/BCが平行なので、三角形OADと三角形OBCは相似で、相似比は AD:BC=6:10=3:5。面積の比は相似比の2乗だから 3²:5²=9:25
(2)(3) 相似比3:5より、対角線は点Oで AO:OC=3:5、DO:OB=3:5 に分けられます。三角形OADの面積を9とおくと(相似比の2乗より)、三角形OBCの面積は25。
三角形OABと三角形OBCは頂点Bを共有し、底辺がそれぞれAO、OC(一直線上)なので、面積比は AO:OC=3:5。よって 三角形OAB=25×3/5=15。同様に 三角形OCD=15。
4つの三角形の面積の比は 9+25+15+15=64。これが台形全体の64cm²にちょうど当たるので、比の1が1cm²です。したがって
三角形OAB=15cm²((2)の答え)、三角形OAD=9cm²((3)の答え)。

【検算】 座標を使って独立に確かめます。BをB(0,0)、CをC(10,0)とし、台形の高さを□とすると面積は(6+10)÷2×□=8×□=64 より □=8。上底AD=6を高さ8の位置に置き、A(2,8)、D(8,8)とします(AD=6、BCと平行)。
対角線AC(A(2,8)→C(10,0))とBD(B(0,0)→D(8,8))の交点Oを求めるとO(5,5)。
・三角形OAD:A(2,8)、D(8,8)、O(5,5)。底辺AD=6、高さは 8−5=3。面積=6×3÷2=9cm² ――(3)と一致。
・三角形OBC:B(0,0)、C(10,0)、O(5,5)。底辺BC=10、高さ5。面積=10×5÷2=25cm²。よって(1)の比は 9:25 で一致。
・三角形OAB:O(5,5)、A(2,8)、B(0,0)。面積を計算すると15cm² ――(2)と一致。
4つの三角形の合計は 9+25+15+15=64cm² で台形全体とぴったり合い、すべてつじつまが合います。

学習アドバイス

【時期別の進め方】

  • 6年生の夏まで:全分野の典型解法を、穴なく仕上げることが最優先です。算数120点という大きな配点を取りこぼさないためには、数の性質・規則性・場合の数・速さ・平面図形・立体図形の基本技術を、この時期に一通り確実にしておくことが土台になります。計算は毎日、時間を計って正確さを鍛えましょう。
  • 秋(9〜11月):標準〜やや発展レベルの問題を、時間内に安定して取り切る練習に重心を移します。公開データが示すように、駒場東邦の算数は「取れる問題を確実に取る力」が合否を分けます。1問ごとに『どの分野の、どの道具を使ったか』を言葉にして整理する習慣をつけると、初見の問題でも方針が立てやすくなります。
  • 直前期(12月〜1月):新しい教材を増やすより、これまで使った問題集を反復し、精度と再現性を高める時期です。本記事の【検算】のように、別のルートで自分の答えを確かめる習慣を試験運びに組み込むと、本番での取りこぼしを減らせます。難問に時間を使いすぎず、取れる問題を先に確保する時間配分も、演習の中で体に入れておきましょう。

【分野別のポイント】

  • 数の性質・規則性:割り算の余りや並びの問題(類題1)は、「最小の1つを見つけ、公倍数ずつ増える規則に置きかえる」ことが突破口です。見つけた規則を式で表せるようにしておくと、何番目・何個かを一気に処理できます。
  • 場合の数:数え上げは「上の位に0が使えない」などの制限を、場合分けで先に処理するのが基本(類題2)。まともに数えにくいときは「全体から引く」「和が3の倍数になる組を先に選ぶ」といった発想の引き出しを増やしましょう。
  • 速さ:出会い・追いこしは「2人が進んだ距離の合計・差」に注目し(類題3)、線分図やダイヤグラムで「いつ・どこ」を図にする習慣を。速さの比を使った検算までできると、精度が大きく上がります。
  • 平面図形:相似(砂時計形・ピラミッド形)と「底辺の比=面積の比」を段階的に当てはめる力は必須(類題4)。補助線や比を「なぜそう置くのか」まで説明できるようにしておくと、複雑な図でも崩れません。

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