佼成学園中学校 算数の傾向と対策【数強塾オリジナル】
佼成学園中学校(東京都杉並区和田)は、法華経の精神を建学の理念とする男子校で、面倒見のよい指導と、探究・グローバル教育に力を入れる進学校として知られています。東京メトロ丸ノ内線「方南町」駅などから徒歩圏にあり、都内を中心に多くの受験生が志望します。本ページでは、佼成学園中学校が公式に公開している入試情報の範囲で算数の傾向を整理したうえで、オンライン数学専門塾「数強塾」が作成したオリジナルの自作類題を、方針・解答・二重検算つきで掲載します。
公式情報でわかる入試のかたち(2026年度 募集要項より)
佼成学園中学校の中学入試 募集要項(公式)によると、中学入試には一般入試(第1回〜第3回)・グローバル入試・特別奨学生入試・Super English入試など複数の区分が用意されています。一般入試は2科(国語・算数)または4科(国語・算数・社会・理科)を出願時に選択できる形式です。
公式の募集要項に明記されている配点は、2科が200点満点で国語100点・算数100点、4科が300点満点で国語100点・算数100点・社会50点・理科50点です。算数の試験時間は50分と定められています。国語と算数が同じ100点ずつの比重をもつため、算数の得点が合否に直結しやすい入試といえます。(数値は2026年度募集要項によります。最新の要項で必ずご確認ください。)
※本ページは公開情報にもとづく傾向分析と、数強塾オリジナルの自作類題による対策です。実際の問題文・図は学校公式サイトでご確認ください。
出題分野の傾向
ここでは特定年度の問題を引き写すことはせず、算数という科目の性質と、公表されている入試のかたち(試験時間50分・配点100点・2科/4科選択)から考えられる一般的な傾向を、数強塾の言葉で整理します(断定は避け、あくまで傾向としてお読みください)。
- 50分・100点という設計を意識する:算数は50分で100点分を解ききる構成です。前半に計算問題や一行問題(小問集合)、後半に文章題・図形などの応用問題が置かれる、標準的な組み立てが考えられます。前半を速く正確に取りきり、後半に時間を残す時間配分が、そのまま得点力につながります。
- 計算力と基礎の正確さが土台:国語と算数が同じ100点ずつという配点からも、算数の1問1問の重みは大きいと考えられます。計算ミスを1問も出さない正確さが、合格点を安定させる近道です。日々の計算練習を欠かさないことが大切です。
- 幅広い分野からバランスよく:受験算数の主要分野——計算・数の性質、割合と比、速さ、平面図形・立体図形、規則性、場合の数など——から、かたよりなく出題される傾向が一般に見られます。特定の1分野に苦手を残さないことが重要です。
- 2科・4科いずれでも算数が要:2科でも4科でも算数は100点満点で、比重が変わりません。理科・社会を加える4科受験でも、算数と国語の200点分を固めることが土台になります。
※以下の類題は、上記の傾向をふまえて数強塾が独自に作成したオリジナル問題です。実在の過去問の複製や数値替えではありません。全問、正攻法の解答に加えて、独立した別の方法による二重検算で答えの一致を確認しています。
オリジナル類題で対策
類題1(速さ・池のまわりの旅人算)
【問題】(オリジナル) 1周1200mの池のまわりを、兄と弟が同じ地点から同時にスタートします。兄は分速90m、弟は分速60mで歩きます。
(1) 2人が反対の向きに回るとき、はじめて出会うのは出発してから何分後ですか。
(2) 2人が同じ向きに回るとき、兄がはじめて弟に追いつくのは出発してから何分後ですか。
(3) 2人が反対の向きに回るとき、2回目に出会うのは出発してから何分後ですか。
【方針】 池のまわりの旅人算は、「出会い」は速さの和、「追いつき」は速さの差で考えるのが急所です。反対向きに回るときは、2人合わせて1周(1200m)進むごとに1回出会います。同じ向きのときは、兄が弟より1周分(1200m)多く進んだときに追いつきます。
【解答】 (1) 2人は1分あたり合わせて m近づきます。1周1200mぶん近づくと出会うので 。よって8分後。
(2) 追いつくのは兄が弟より1周多く進んだとき。1分あたりの差は m。1200mの差をつけるのに 。よって40分後。
(3) 反対向きでは、合わせて2周( m)進むごとに2回目の出会いです。。よって16分後。
【検算(別解)】 (3)を2人の進んだ道のりから確かめます。16分で兄は m、弟は m進みます。合計は mで、ちょうど池2周ぶん。反対向きで合わせて2周=2回目の出会いにあたり、答えと一致します。(1)も8分で合計 m=1周ぶんで確かめられます。
類題2(割合と比・所持金のやりとり)
【問題】(オリジナル) 兄と弟の所持金の比は 5:3 です。兄が弟に400円わたすと、2人の所持金は同じ額になりました。
(1) はじめに兄が持っていた金額を求めなさい。
(2) 2人のはじめの所持金の合計を求めなさい。
(3) はじめの状態にもどして考えます。今度は兄が弟にいくらかわたして、兄と弟の所持金の比を 3:5 にしたいと思います。兄は弟に何円わたせばよいですか。
【方針】 所持金のやりとりでは、「2人の合計は変わらない」ことが手がかりになります。まず比を①などの記号でおき、「兄がわたして同額になる」条件から1あたりの金額を求めます。合計が一定であることを使えば、(3)のように比を変える問題も、合計を比で分けるだけで求められます。
【解答】 (1) 兄を比の5、弟を比の3とします。兄が弟に400円わたすと同額になるので、はじめの差(比の ぶん)は、兄がわたした400円のちょうど2倍にあたります。よって比の2ぶん=800円、比の1ぶん=400円。兄は比の5なので 。よって2000円。
(2) 合計は にあたるので 。よって3200円。
(3) 合計3200円は変わりません。比を 3:5 にすると、兄は 円になります。はじめ2000円だったので、わたす金額は 。よって800円。
【検算(別解)】 (1)は、はじめ兄2000円・弟 円。兄が400円わたすと兄1600円・弟1600円で同額。条件に合います。(3)は、兄が800円わたすと兄 円、弟 円。比は となり、答えと一致します。
類題3(平面図形・相似と面積)
【問題】(オリジナル) 三角形ABCがあり、辺BCの長さは12cm、BCを底辺としたときの高さは9cmです。辺AB上に点D、辺AC上に点Eをとり、DEとBCが平行になるようにします。AD:DB=1:2 です。
(1) 三角形ABCの面積を求めなさい。
(2) DEの長さを求めなさい。
(3) 台形DBCEの面積を求めなさい。
【方針】 DEとBCが平行なので、三角形ADEと三角形ABCは相似(形が同じで大きさがちがう)です。AD:AB=1:3 なので、相似比は 1:3。長さは相似比、面積は相似比を2回かけた比(1:9)になります。台形は「大きい三角形-小さい三角形」で求めます。
【解答】 (1) 面積は 。よって54cm²。
(2) AD:AB=1:3 なので相似比は 1:3。DEはBCの で 。よって4cm。
(3) 三角形ADEと三角形ABCの面積比は 。三角形ADEは (cm²)。台形DBCEは残りなので 。よって48cm²。
【検算(別解)】 台形の面積の公式で確かめます。三角形ADEの高さは全体の で cm、よって台形の高さ(DEからBCまで)は cm。上底DE=4cm、下底BC=12cmだから、台形の面積は (cm²)。正攻法の答えと一致します。
類題4(規則性・数の並び)
【問題】(オリジナル) 次のように、ある規則で数が並んでいます。
1, 2, 4, 7, 11, 16, 22, …
(1) 8番目の数を求めなさい。
(2) 15番目の数を求めなさい。
(3) この並びの中に、はじめて46が出てくるのは何番目ですか。
【方針】 となりあう数の差を調べると、、、、…と、差が と1ずつ増えています。つまり 番目の数は、はじめの1に、 から までの数をすべてたしたものです。1からある数までの和は「(最初+最後)×個数÷2」で一気に計算できます。
【解答】 番目の数は です。
(1) 8番目は 。かっこの中は 。よって 。29。
(2) 15番目は 。かっこの中は 。よって 。106。
(3) 番目が46になるのは 、つまり のとき。 より 。 だから 。よって10番目。
【検算(別解)】 実際に順に書き出して確かめます。1, 2, 4, 7, 11, 16, 22, 29(8番目), 37, 46(10番目), 56, 67, 79, 92, 106(15番目)。8番目29、10番目46、15番目106となり、いずれも計算で求めた答えと一致します。
学習アドバイス
【時期別の進め方】
- 6年生の夏まで:割合と比・速さ・平面図形・数の性質・規則性・場合の数など、全分野の典型問題を穴なく仕上げることが最優先です。算数が100点満点で国語と同じ比重をもつ入試ほど、苦手分野を1つ残すだけで大きな失点につながります。毎日の計算練習で、速さと正確さの両方を鍛えましょう。
- 秋(9〜11月):50分という試験時間を意識し、時間を計って解く練習を増やします。本ページの類題のように「出会いは速さの和・追いつきは差」「合計は変わらない」「相似は長さと面積で比がちがう」「差が増える数列は和の公式で」といった考え方の型を、確実に使えるようにしていきましょう。過去問演習は、学校配布資料や公式に公開された情報を活用してください。
- 直前期(12月〜1月):前半の計算・一行問題を速く正確に固めて確実に得点し、後半の応用問題に時間を残す——この解く順番と時間の使い方を、本番と同じ50分の形式でくり返し練習しましょう。答えを出したら必ず見直し・検算をする習慣を、最後まで大切にしてください。
【分野別のポイント】
- 速さ:旅人算は「出会い=速さの和」「追いつき=速さの差」を線分図とセットで(類題1)。出した答えで2人の動きを再現して確かめる姿勢を大切に。
- 割合と比:やりとりの問題は「合計は変わらない」ことを軸に(類題2)。比を記号でおき、条件を式にする練習を積みましょう。
- 平面図形:平行線があれば相似を疑い、「長さの比」と「面積の比」を区別して使う(類題3)。図に長さを書きこんで関係を目で見て確かめましょう。
- 規則性:差に注目して規則を見つけ、和の公式で一気に計算(類題4)。最後は書き出しで答えを確かめると、ミスに気づけます。
佼成学園の算数は、特別な難問対策よりも、計算・基礎を取りこぼさない正確さと幅広い分野をまんべんなく仕上げること、そして50分で解ききる時間感覚が合格への近道だと考えられます。日々の学習で、式・図・検算をていねいに積み重ねていきましょう。


