2024年(令和6年度)大学入学共通テスト「数学Ⅱ・数学B」本試験を、必答2問と選択3問のすべてについて解説します。各空欄の正解だけでなく、式の立て方、解法を選ぶ理由、検算、よくある誤りまで確認できます。
第1問・第2問は必答、第3問〜第5問は3問から2問を選びます。問題の条件、グラフの形と配置、選択肢を本文中に記載しているため、このページだけで問題と解説を順に確認できます。
第1問(30点・必答)対数関数/整式の除法
〔1〕対数関数のグラフと領域
次にk=2、3、4の3曲線について、y=logₖx はすべて(1,0)を通り、x>1ではk=2、3、4の順に上から並ぶ図を6択から選ぶ。また y=log₂(x/k) はx切片が2、3、4となり、同じxではk=2、3、4の順に上から並ぶ図を選ぶ。
さらに x>0、x≠1、y>0 のもとで、logₓy=2 が表す曲線を、直線・反比例・放物線・指数曲線・対数曲線の6図から選ぶ。最後に 0<logₓy<1 の領域を、境界を含まない6個の斜線図から選ぶ。
y=log₃x にx=27を入れるとy=3です。また y=log₂(x/5) でy=1となるのは x/5=2、すなわちx=10。一般に logₖ1=0 なので、すべての y=logₖx は定点(1,0)を通ります。
y=logₖx はkが大きいほど同じxで値が小さくなるため、グラフは選択肢0です。一方、y=log₂(x/k)=log₂x−log₂k はkが大きいほど下へ平行移動するので選択肢5です。
logₓy=2 を指数の形に直すと y=x²。ただし x>0、x≠1、y>0 という定義域を保つためク=2です。
0<logₓy<1 は底で場合分けします。
- x>1なら 1<y<x
- 0<x<1なら x<y<1
この2領域を合わせた図がケ=2です。
〔2〕整式の除法と「余りが定数」の必要十分条件
(1)P(x)=2x³+7x²+10x+5、S(x)=x²+4x+7 のとき、S(x)=0の2解、商、余りを求める。
(2)S(x)=0が異なる2解α、βをもつとき、「余りが定数であること」と P(α)=P(β) が同値であることを、U(x)=mx+n とおいて示す。選択肢では、恒等式P=ST+Uへα、βを代入する正しい論証を選ぶ。
(3)P(x)=x¹⁰−2x⁹−px²−5x、S(x)=x²−x−2 とする。余りが定数となるpと、その余りを求める。
S(x)=x²+4x+7 の解は解の公式から x=−2±√3 i。また
2x³+7x²+10x+5=(x²+4x+7)(2x−1)+12
なので商は 2x−1、余りは12です。
S(x)=0の異なる2解をα、βとします。余りが定数kなら、
P(α)=P(β)=k
です。逆に余りを U(x)=mx+n とおくと、P(α)=mα+n、P(β)=mβ+n。P(α)=P(β)かつα≠βよりm=0となります。したがって「余りが定数」と「P(α)=P(β)」は同値です。
最後は S(x)=x²−x−2=(x−2)(x+1)。定数余りの条件はP(2)=P(−1)です。
P(2)=−4p−10、P(−1)=8−p
を等しくするとp=−6、余りは14です。
第2問(30点・必答)微分・積分とグラフ
m=2の具体例
m=2では f(x)=3(x−1)(x−2)=3x²−9x+6。よって f'(x)=6x−9 から極値をとるxは3/2です。
S(x)=∫₀ˣf(t)dt=x³−(9/2)x²+6x
で、S'(x)=f(x)。x=1で極大値5/2、x=2で極小値2をとります。さらにf(3)=6はSのグラフのx=3における接線の傾きなのでス=3です。
一般のmと面積、グラフの対称性
さらにfの対称軸Mを求め、左右対称な区間の積分を利用して、S上の2点 (1−p,S(1−p))、(m+p,S(m+p)) の中点がpによらず一定でSのグラフ上にあることを示す。選択肢ではMの式、対応する積分区間、中点の座標とその位置を選ぶ。
m>1のときfは0≤x≤1で正、1≤x≤mで負です。したがって
- S₁=∫₀¹f(x)dx(セ=0)
- S₂=∫₁ᵐ{−f(x)}dx(ソ=5)
S₁=S₂は ∫₀ᵐf(x)dx=S(m)=0 と同値なのでタ=1。対応するSの概形はチ=1、S₁>S₂の場合はツ=2です。
放物線fの対称軸は x=M=(m+1)/2(テ=3)。fの対称性を積分へ移すと、
S(1−p)+S(m+p)=2S(M)
が得られます(ト=m+p、ニは選択肢0)。したがって2点 (1−p,S(1−p)) と (m+p,S(m+p)) の中点は、pによらず (M,S(M)) に固定され、Sのグラフ上にあります。ネ=2です。
第3問(20点・選択)統計的な推測
晴れる確率の95%信頼区間
晴れを1、晴れ以外を0とするベルヌーイ変数Xの平均と分散は、
E(X)=p、V(X)=p(1−p)
です。標本平均は近似的に N(p,p(1−p)/n) に従います。0・1データではXᵢ²=Xᵢなので、標本標準偏差は √{X̄(1−X̄)} と整理できます。
300日のうち晴れ75日なので X̄=0.25。標準誤差は
√{0.25×0.75/300}=0.025
です。95%信頼区間は 0.25±1.96×0.025=[0.201,0.299] となり、オ=0です。
「ちょうど3日連続で晴れ」の回数の期待値
p=1/4、q=3/4とします。「ちょうど3連続」は111の左右が0、または期間の端です。k≥4日では、両端に接する場合が2個、内部にある場合がk−4個なので、期待値は
E(Uₖ)=2p³q+(k−4)p³q²=(9k−12)/1024
です。k=4なら3/128、k=5なら33/1024、k=300なら
(2700−12)/1024=2688/1024=21/8
となります。
第4問(20点・選択)数列と数学的帰納法
(1)aₙ₊₁−aₙ=14、a₁=10 を満たす数列のa₂、a₃、一般項を求める。
(2)2bₙ₊₁−bₙ+3=0 を満たす数列の一般項をb₁で表す。
(3)(cₙ+3)(2cₙ₊₁−cₙ+3)=0 を満たす数列を考える。c₁=5のときのc₂、c₃=−3のときのc₂とc₁、さらにc₃=−3かつc₄=5または83のときのc₅を求める。「c₁≠−3ならすべての自然数nでcₙ≠−3」を証明するための帰納法の命題を5択から選ぶ。最後に、c₁とc₁₀₀を0または−3に指定した3命題の真偽の組合せを8択から選ぶ。
aₙ₊₁−aₙ=14、a₁=10 は公差14の等差数列です。a₂=24、a₃=38、一般項は aₙ=a₁+14(n−1)。
2bₙ₊₁−bₙ+3=0 は bₙ₊₁+3=(1/2)(bₙ+3) と変形できるので、
bₙ=(b₁+3)(1/2)ⁿ⁻¹−3
です。
数列cₙは (cₙ+3)(2cₙ₊₁−cₙ+3)=0 を満たします。c₁=5ならc₂=1。c₃=−3ならn=2の式は −(c₂+3)²=0 となるためc₂=−3、同様にc₁=−3です。
c₃=−3の直後のc₄は自由です。c₄=5ならc₅=1、c₄=83ならc₅=40です。命題「c₁≠−3ならすべてのnでcₙ≠−3」は、cₖ≠−3 ⇒ cₖ₊₁≠−3 を示す帰納法(テ=3)で証明できます。
最後の真偽は、(I)偽、(II)真、(III)真なのでト=4です。
第5問(20点・選択)空間ベクトル
(1)ベクトルABと内積AB・CDを求める。
(2)Pがl₁上を動くとき、AP=sAB とおいてOPを表し、|OP|²をsの2次式にして最小となるsを求める。別解では、OPとl₁の関係を「内積が正・0・負」「長さが等しい」など7択から選ぶ。
(3)Pがl₁上、Qがl₂上を動くとき、PQが最短となるP、Qの座標を求める。
A(2,7,−1)、B(3,6,0)より、
AB=(1,−1,1)
です。C(−8,10,−3)、D(−9,8,−4)よりCD=(−1,−2,−1)で、
AB・CD=−1+2−1=0
となります。
直線AB上の点Pを OP=OA+sAB とすると、
|OP|²=3s²−12s+54=3(s−2)²+42
なのでs=2で最小です。幾何的には OP・AB=0、すなわち原点から直線へ下ろした垂線の足という条件です(シ=1)。
2直線AB、CD上の点P、Q間の距離を最小にするには、PQが両方の方向ベクトルに垂直でなければなりません。P=A+sAB、Q=C+tCDとおき、
(Q−P)・AB=0、(Q−P)・CD=0
を連立するとs=−5、t=−1。したがって
P=(−3,12,−6)、Q=(−7,12,−2)
です。
全問の確認ポイント
正解記号は大学入試センター公表の正解表と全て照合しています。復習では、対数の底による場合分け、積分値と面積の符号、標準誤差、積が0の漸化式の分岐、最短線分の直交条件を自力で再現できるか確認してください。
続けて学ぶ場合は、共通テスト2024 数学Ⅰ・A 全問解説、共通テスト2024 追試 数学Ⅱ・B 全問解説もご利用ください。年度別の一覧は大学入試数学 過去問解説ハブにまとめています。


