高校1年生の国語ドリル 標準100問|まいこく

今日の一問
今日の焦点語「演繹」の意味として最も適切なものを選びなさい。
  • 一般的原理から個別の結論を導く推論
  • 主張が成り立たない証拠や条件を示すこと
  • 複数の事物に共通する性質をまとめた考え
  • 他との関係によって意味や価値が決まること
——さて、どれを選ぶ?
答えと根拠は、このページの「答え合わせ」で確認できます。

毎日の国語・藤原式ドリル国語

高1 標準
100問

第101問〜第200問。複数の手がかりを比べて関係を説明するための20日分です。1日1本文・5問で、語彙から記述まで同じ手順を反復します。

20日×5問全問解答・根拠つき進捗は端末内に保存

高校1年生の到達目標

評論の概念関係、文学的視点、古典文法、漢文句法を基礎から扱う

抽象語を関係図へ直し、現代文・古文・漢文の読み方を接続します。

高1 標準の進捗0 / 100問完了

100 QUESTIONS MAP

高校1年生・標準100問の見取り図

第21日〜第40日・第101問〜第200問を、1日5問で進めます。語彙、文構造、本文根拠、関係・推論、要約・表現を同じ題材でつなぎます。

到達目標
評論の概念関係、文学的視点、古典文法、漢文句法を基礎から扱う
この段階のねらい
段落関係を捉えて推論する力
よくあるつまずき
一文だけで決めず、段落どうしの因果・対比・具体と抽象の関係を追います。
高校1年生 国語ドリル 標準100問|評論・古文文法・漢文句法
20日分の焦点語を見る

演繹、帰納、類推、仮説、検証、反証、蓋然性、恣意性、妥当性、整合性、命題、概念、範疇、記号、表象、主体、客体、相対、普遍、特殊

ジャンル名を選ぶと、そのジャンルが最初に現れる学習日へ移動します。問題数・ジャンル数・焦点語は公開中の教材カタログから表示しています。

第21日 / 60

違う速さの二人

物語・随筆・5問セット

演繹 (えんえき)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:規範(きはん)

違う速さの二人

澪は地域マラソンコースで、伴走の練習で二人の歩調を合わせることになった。ところが、速い方が先へ出ると声が届かなかった。澪の胸には焦燥が広がった。

一度は遅い方に無理をさせることも考えた。しかし、翔と短く相談し、呼吸と合図の間隔を話し合い、短い区間で試した。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。

その途中で、同じ速さではなく互いに予測できる速さが必要だと分かった。やがて、二人は安心して最後まで走り切った。澪の気持ちは信頼へ変わった。

【語彙の視点】今日の焦点語は「演繹」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。

【7日前の復習】「規範」とも比べてみよう。二つは同じ意味ではない。本文を説明するのに使えるなら根拠となる場面を示し、使いにくいなら、その違いを言葉にする。

「どうして、その方法でよいと思ったの」と翔が尋ねた。澪はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料より焦燥に引かれていたことに気づいた。

その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。

翔は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。澪は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。

作業を終えた後、澪は「並んで伸びた二つの影」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。

翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。澪は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。

記録には、採用した案だけでなく、退けた「遅い方に無理をさせる」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第101問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「演繹」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:一般的原理から個別の結論を導く推論

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「一般的原理から個別の結論を導く推論」と用例「一般法則を前提に置き、演繹によって個々の事例を説明した。」。

    解き方:「演繹」は、一般的原理から個別の結論を導く推論という意味です。読みは「えんえき」です。例文:一般法則を前提に置き、演繹によって個々の事例を説明した。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第102問 / 300STEP 2・文構造・転換

    第2段落は、物語全体の中でどのような働きをしていますか。最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「遅い方に無理をさせる」という近道を退け、「呼吸と合図の間隔を話し合い、短い区間で試した」という確認へ判断を転換する

    本文根拠:第2段落の「遅い方に無理をさせる」と「呼吸と合図の間隔を話し合い、短い区間で試した」の対比。

    解き方:第2段落では、考えただけの近道と、実際に選んだ確認行動が『しかし』で対比されています。

  3. 第103問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:翔が反対の結果になりそうな手がかりを問い、澪が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した

    本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という翔の問いと、澪の再点検。

    解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。

  4. 第104問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    主人公が採用した案だけでなく、退けた案と理由まで記録した目的として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:退けた「遅い方に無理をさせる」という案と理由も残し、後の人が結果だけを見て同じ判断を無条件に繰り返すのを防ぐため

    本文根拠:採用した案だけでなく退けた案と理由も残し、後の人の無条件な反復を防ぐと述べた段落。

    解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。

  5. 第105問 / 300STEP 5・要約・表現

    主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:澪は焦燥に引かれ、「遅い方に無理をさせる」と考えたが、呼吸と合図の間隔を話し合い、短い区間で試した。その結果、同じ速さではなく互いに予測できる速さが必要だと分かった。気持ちは信頼へ変わった。さらに、翔から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。この過程は、「相手に合わせることは一方的に遅くすることではないこと」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。

    本文根拠:初め=遅い方に無理をさせる、確認=呼吸と合図の間隔を話し合い、短い区間で試した、発見=同じ速さではなく互いに予測できる速さが必要だと分かった、反証=翔の問い、条件=影響・資料、教訓=相手に合わせることは一方的に遅くすることではないこと。

    解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。

    採点観点

    • 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
    • 発見と心情の変化を因果で示している
    • 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
    • 条件に応じて確認順を変える必要を含む
    • 退けた案と理由を記録する意味を示している
    • 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
第22日 / 60

速さと正確さ

説明文・評論・5問セット

帰納 (きのう)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:制度(せいど)

速さと正確さ

作業の速さと正確さを別々に測る必要について考えてみよう。よくある見方は、「速くできる人ほど必ず技能が高い」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。

中心となる仕組みは、確認に使った時間と誤りの種類を分けると適切な速度が分かる。たとえば、慣れた問題は速くても新しい条件では見直しが必要になる。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。

【語彙の視点】今日の焦点語は「帰納」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。

ただし、遅さが丁寧さを示すとは限らず迷いが長い場合もある。そのため、制限時間・正答率・見直し箇所を一緒に記録することが必要になる。本文では、結論を「目標は最速ではなく目的に必要な正確さを保てる速度である」とまとめる。

【7日前の復習】「制度」とも比べてみよう。焦点語と復習語は同じ意味ではない。本文のどの部分にそれぞれを使えるか、使えないかを分けると、語の違いがはっきりする。

この仕組みを調べる班は、まず「速度」「正確さ」「測定」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。

本文の例は「慣れた問題は速くても新しい条件では見直しが必要になる」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。

確かめるために、制限時間・正答率・見直し箇所を一緒に記録する。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。

別の班は「速くできる人ほど必ず技能が高い」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。

さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「遅さが丁寧さを示すとは限らず迷いが長い場合もある」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。

まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第106問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「帰納」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:複数の事例から一般的な結論を導く推論

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「複数の事例から一般的な結論を導く推論」と用例「複数の観察記録から帰納し、生物の行動に一定の傾向を見いだした。」。

    解き方:「帰納」は、複数の事例から一般的な結論を導く推論という意味です。読みは「きのう」です。例文:複数の観察記録から帰納し、生物の行動に一定の傾向を見いだした。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第107問 / 300STEP 2・文構造・抽象具体

    第2段落の『中心となる仕組み』と『たとえば』以降の関係として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「確認に使った時間と誤りの種類を分けると適切な速度が分かる」を、「慣れた問題は速くても新しい条件では見直しが必要になる」という個別の事例で具体化している

    本文根拠:第2段落の抽象的説明と具体例。

    解き方:一般的な説明を先に置き、その後に同じ関係が見える個別例を置く構造です。

  3. 第108問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから

    本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。

    解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。

  4. 第109問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    全体の傾向と異なる一つ一つの例を消さずに残した目的として、最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:最初の説明が成り立たない条件や、説明の範囲を狭める手がかりを見つけるため

    本文根拠:全体の傾向と違う例を、条件の違いを確かめる材料として残した段落。

    解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。

  5. 第110問 / 300STEP 5・要約・表現

    本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:筆者は、確認に使った時間と誤りの種類を分けると適切な速度が分かると説明し、例として「慣れた問題は速くても新しい条件では見直しが必要になる」を挙げる。一方で、遅さが丁寧さを示すとは限らず迷いが長い場合もあるため、制限時間・正答率・見直し箇所を一緒に記録する必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。以上から、結論は「目標は最速ではなく目的に必要な正確さを保てる速度である」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。

    本文根拠:仕組み=確認に使った時間と誤りの種類を分けると適切な速度が分かる、限界=遅さが丁寧さを示すとは限らず迷いが長い場合もある、方法=制限時間・正答率・見直し箇所を一緒に記録する、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=目標は最速ではなく目的に必要な正確さを保てる速度である。

    解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。

    採点観点

    • 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
    • 限界と確認方法を因果で結んでいる
    • 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
    • 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
    • 本文の結論を条件付きで示している
    • 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
第23日 / 60

薄いラベル

物語・随筆・5問セット

類推 (るいすい)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:言説(げんせつ)

薄いラベル

葵は図書室で、返された本を正しい棚へ戻すことになった。ところが、一冊だけ分類ラベルが薄れて読めなかった。葵の胸にはあせりが広がった。

一度は表紙の色だけで棚を決めることも考えた。しかし、同級生の陸と短く相談し、奥付と分類表を照らし合わせ、司書にも確かめた。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。

その途中で、見た目の似た本でも扱うテーマが異なると分かった。やがて、本は正しい棚へ戻り、探しに来た下級生も迷わず見つけた。葵の気持ちは静かな自信へ変わった。

【語彙の視点】今日の焦点語は「類推」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。

【7日前の復習】「言説」とも比べてみよう。二つは同じ意味ではない。本文を説明するのに使えるなら根拠となる場面を示し、使いにくいなら、その違いを言葉にする。

「どうして、その方法でよいと思ったの」と同級生の陸が尋ねた。葵はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料よりあせりに引かれていたことに気づいた。

その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。

同級生の陸は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。葵は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。

作業を終えた後、葵は「本の背で光る薄いラベル」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。

翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。葵は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。

記録には、採用した案だけでなく、退けた「表紙の色だけで棚を決める」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第111問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「類推」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:関係の似ている点から別の場合を考える推論

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「関係の似ている点から別の場合を考える推論」と用例「生物の循環から都市の仕組みを類推し、交通網を血管のように捉えた。」。

    解き方:「類推」は、関係の似ている点から別の場合を考える推論という意味です。読みは「るいすい」です。例文:生物の循環から都市の仕組みを類推し、交通網を血管のように捉えた。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第112問 / 300STEP 2・文構造・転換

    第2段落は、物語全体の中でどのような働きをしていますか。最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「表紙の色だけで棚を決める」という近道を退け、「奥付と分類表を照らし合わせ、司書にも確かめた」という確認へ判断を転換する

    本文根拠:第2段落の「表紙の色だけで棚を決める」と「奥付と分類表を照らし合わせ、司書にも確かめた」の対比。

    解き方:第2段落では、考えただけの近道と、実際に選んだ確認行動が『しかし』で対比されています。

  3. 第113問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:同級生の陸が反対の結果になりそうな手がかりを問い、葵が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した

    本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という同級生の陸の問いと、葵の再点検。

    解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。

  4. 第114問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    主人公が採用した案だけでなく、退けた案と理由まで記録した目的として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:退けた「表紙の色だけで棚を決める」という案と理由も残し、後の人が結果だけを見て同じ判断を無条件に繰り返すのを防ぐため

    本文根拠:採用した案だけでなく退けた案と理由も残し、後の人の無条件な反復を防ぐと述べた段落。

    解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。

  5. 第115問 / 300STEP 5・要約・表現

    主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:葵はあせりに引かれ、「表紙の色だけで棚を決める」と考えたが、奥付と分類表を照らし合わせ、司書にも確かめた。その結果、見た目の似た本でも扱うテーマが異なると分かった。気持ちは静かな自信へ変わった。さらに、同級生の陸から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。この過程は、「急ぐときほど複数の手がかりを確かめること」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。

    本文根拠:初め=表紙の色だけで棚を決める、確認=奥付と分類表を照らし合わせ、司書にも確かめた、発見=見た目の似た本でも扱うテーマが異なると分かった、反証=同級生の陸の問い、条件=影響・資料、教訓=急ぐときほど複数の手がかりを確かめること。

    解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。

    採点観点

    • 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
    • 発見と心情の変化を因果で示している
    • 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
    • 条件に応じて確認順を変える必要を含む
    • 退けた案と理由を記録する意味を示している
    • 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
第24日 / 60

みんなの空気

説明文・評論・5問セット

仮説 (かせつ)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:文脈(ぶんみゃく)

みんなの空気

公共財が一人だけでは守りにくい理由について考えてみよう。よくある見方は、「料金を払わない人を全員除けば公共の問題は解決する」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。

中心となる仕組みは、多くの人が同時に利用し一人を排除しにくい資源がある。たとえば、きれいな空気や街灯の安全は利用者を一人ずつ分けにくい。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。

【語彙の視点】今日の焦点語は「仮説」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。

ただし、公共性の程度や管理方法は資源ごとに異なる。そのため、費用と利益が誰に及ぶかを地図やデータで示すことが必要になる。本文では、結論を「共同の資源は個人の善意だけでなく持続する制度で支える必要がある」とまとめる。

【7日前の復習】「文脈」とも比べてみよう。焦点語と復習語は同じ意味ではない。本文のどの部分にそれぞれを使えるか、使えないかを分けると、語の違いがはっきりする。

この仕組みを調べる班は、まず「公共財」「制度」「負担」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。

本文の例は「きれいな空気や街灯の安全は利用者を一人ずつ分けにくい」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。

確かめるために、費用と利益が誰に及ぶかを地図やデータで示す。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。

別の班は「料金を払わない人を全員除けば公共の問題は解決する」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。

さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「公共性の程度や管理方法は資源ごとに異なる」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。

まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第116問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「仮説」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:現象を説明するため暫定的に立てる考え

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「現象を説明するため暫定的に立てる考え」と用例「作者が季節を逆転させた意図について仮説を立て、本文で確かめた。」。

    解き方:「仮説」は、現象を説明するため暫定的に立てる考えという意味です。読みは「かせつ」です。例文:作者が季節を逆転させた意図について仮説を立て、本文で確かめた。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第117問 / 300STEP 2・文構造・抽象具体

    第2段落の『中心となる仕組み』と『たとえば』以降の関係として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「多くの人が同時に利用し一人を排除しにくい資源がある」を、「きれいな空気や街灯の安全は利用者を一人ずつ分けにくい」という個別の事例で具体化している

    本文根拠:第2段落の抽象的説明と具体例。

    解き方:一般的な説明を先に置き、その後に同じ関係が見える個別例を置く構造です。

  3. 第118問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから

    本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。

    解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。

  4. 第119問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    全体の傾向と異なる一つ一つの例を消さずに残した目的として、最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:最初の説明が成り立たない条件や、説明の範囲を狭める手がかりを見つけるため

    本文根拠:全体の傾向と違う例を、条件の違いを確かめる材料として残した段落。

    解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。

  5. 第120問 / 300STEP 5・要約・表現

    本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:筆者は、多くの人が同時に利用し一人を排除しにくい資源があると説明し、例として「きれいな空気や街灯の安全は利用者を一人ずつ分けにくい」を挙げる。一方で、公共性の程度や管理方法は資源ごとに異なるため、費用と利益が誰に及ぶかを地図やデータで示す必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。以上から、結論は「共同の資源は個人の善意だけでなく持続する制度で支える必要がある」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。

    本文根拠:仕組み=多くの人が同時に利用し一人を排除しにくい資源がある、限界=公共性の程度や管理方法は資源ごとに異なる、方法=費用と利益が誰に及ぶかを地図やデータで示す、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=共同の資源は個人の善意だけでなく持続する制度で支える必要がある。

    解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。

    採点観点

    • 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
    • 限界と確認方法を因果で結んでいる
    • 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
    • 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
    • 本文の結論を条件付きで示している
    • 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
第25日 / 60

風で飛んだ設計図

物語・随筆・5問セット

検証 (けんしょう)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:含意(がんい)

風で飛んだ設計図

直樹は体育館で、文化祭の舞台背景を仲間と完成させることになった。ところが、窓から入った風で設計図の一部が飛ばされた。直樹の胸には不安が広がった。

一度は記憶だけを頼りに線を引くことも考えた。しかし、美緒と短く相談し、残った寸法と写真を並べ、担当ごとの記録を集めた。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。

その途中で、別々の記録を重ねると欠けた形を復元できると分かった。やがて、背景は予定時刻までに完成し、全員が自分の担当を説明できた。直樹の気持ちは連帯感へ変わった。

【語彙の視点】今日の焦点語は「検証」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。

【7日前の復習】「含意」とも比べてみよう。二つは同じ意味ではない。本文を説明するのに使えるなら根拠となる場面を示し、使いにくいなら、その違いを言葉にする。

「どうして、その方法でよいと思ったの」と美緒が尋ねた。直樹はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料より不安に引かれていたことに気づいた。

その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。

美緒は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。直樹は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。

作業を終えた後、直樹は「貼り直された設計図の角」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。

翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。直樹は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。

記録には、採用した案だけでなく、退けた「記憶だけを頼りに線を引く」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第121問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「検証」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:資料によって仮説の妥当性を確かめること

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「資料によって仮説の妥当性を確かめること」と用例「異なる条件の資料も参照し、最初の説明を検証した。」。

    解き方:「検証」は、資料によって仮説の妥当性を確かめることという意味です。読みは「けんしょう」です。例文:異なる条件の資料も参照し、最初の説明を検証した。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第122問 / 300STEP 2・文構造・転換

    第2段落は、物語全体の中でどのような働きをしていますか。最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「記憶だけを頼りに線を引く」という近道を退け、「残った寸法と写真を並べ、担当ごとの記録を集めた」という確認へ判断を転換する

    本文根拠:第2段落の「記憶だけを頼りに線を引く」と「残った寸法と写真を並べ、担当ごとの記録を集めた」の対比。

    解き方:第2段落では、考えただけの近道と、実際に選んだ確認行動が『しかし』で対比されています。

  3. 第123問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:美緒が反対の結果になりそうな手がかりを問い、直樹が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した

    本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という美緒の問いと、直樹の再点検。

    解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。

  4. 第124問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    主人公が採用した案だけでなく、退けた案と理由まで記録した目的として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:退けた「記憶だけを頼りに線を引く」という案と理由も残し、後の人が結果だけを見て同じ判断を無条件に繰り返すのを防ぐため

    本文根拠:採用した案だけでなく退けた案と理由も残し、後の人の無条件な反復を防ぐと述べた段落。

    解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。

  5. 第125問 / 300STEP 5・要約・表現

    主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:直樹は不安に引かれ、「記憶だけを頼りに線を引く」と考えたが、残った寸法と写真を並べ、担当ごとの記録を集めた。その結果、別々の記録を重ねると欠けた形を復元できると分かった。気持ちは連帯感へ変わった。さらに、美緒から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。この過程は、「一人の記憶より共有した記録が強いこと」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。

    本文根拠:初め=記憶だけを頼りに線を引く、確認=残った寸法と写真を並べ、担当ごとの記録を集めた、発見=別々の記録を重ねると欠けた形を復元できると分かった、反証=美緒の問い、条件=影響・資料、教訓=一人の記憶より共有した記録が強いこと。

    解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。

    採点観点

    • 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
    • 発見と心情の変化を因果で示している
    • 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
    • 条件に応じて確認順を変える必要を含む
    • 退けた案と理由を記録する意味を示している
    • 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
第26日 / 60

決めきれないときの決定

説明文・評論・5問セット

反証 (はんしょう)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:逆説(ぎゃくせつ)

決めきれないときの決定

不確実な状況でも行動を選ぶための考え方について考えてみよう。よくある見方は、「情報が完全に集まるまで何も決めてはいけない」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。

中心となる仕組みは、起こる可能性と起きた場合の影響と後から直せるかを比べる。たとえば、大雨予報では確率が低くても避難の遅れが大きな損失になる。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。

【語彙の視点】今日の焦点語は「反証」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。

ただし、不安を大きく感じるだけで可能性を判断すると偏る。そのため、複数のシナリオと見直し時点を決めることが必要になる。本文では、結論を「よい決定は未来を当てることではなく誤りを修正できる形を選ぶことである」とまとめる。

【7日前の復習】「逆説」とも比べてみよう。焦点語と復習語は同じ意味ではない。本文のどの部分にそれぞれを使えるか、使えないかを分けると、語の違いがはっきりする。

この仕組みを調べる班は、まず「不確実性」「リスク」「可逆性」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。

本文の例は「大雨予報では確率が低くても避難の遅れが大きな損失になる」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。

確かめるために、複数のシナリオと見直し時点を決める。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。

別の班は「情報が完全に集まるまで何も決めてはいけない」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。

さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「不安を大きく感じるだけで可能性を判断すると偏る」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。

まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第126問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「反証」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:主張が成り立たない証拠や条件を示すこと

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「主張が成り立たない証拠や条件を示すこと」と用例「一件の反証によって、『例外なく成立する』という主張は崩れた。」。

    解き方:「反証」は、主張が成り立たない証拠や条件を示すことという意味です。読みは「はんしょう」です。例文:一件の反証によって、『例外なく成立する』という主張は崩れた。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第127問 / 300STEP 2・文構造・抽象具体

    第2段落の『中心となる仕組み』と『たとえば』以降の関係として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「起こる可能性と起きた場合の影響と後から直せるかを比べる」を、「大雨予報では確率が低くても避難の遅れが大きな損失になる」という個別の事例で具体化している

    本文根拠:第2段落の抽象的説明と具体例。

    解き方:一般的な説明を先に置き、その後に同じ関係が見える個別例を置く構造です。

  3. 第128問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから

    本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。

    解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。

  4. 第129問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    全体の傾向と異なる一つ一つの例を消さずに残した目的として、最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:最初の説明が成り立たない条件や、説明の範囲を狭める手がかりを見つけるため

    本文根拠:全体の傾向と違う例を、条件の違いを確かめる材料として残した段落。

    解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。

  5. 第130問 / 300STEP 5・要約・表現

    本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:筆者は、起こる可能性と起きた場合の影響と後から直せるかを比べると説明し、例として「大雨予報では確率が低くても避難の遅れが大きな損失になる」を挙げる。一方で、不安を大きく感じるだけで可能性を判断すると偏るため、複数のシナリオと見直し時点を決める必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。以上から、結論は「よい決定は未来を当てることではなく誤りを修正できる形を選ぶことである」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。

    本文根拠:仕組み=起こる可能性と起きた場合の影響と後から直せるかを比べる、限界=不安を大きく感じるだけで可能性を判断すると偏る、方法=複数のシナリオと見直し時点を決める、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=よい決定は未来を当てることではなく誤りを修正できる形を選ぶことである。

    解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。

    採点観点

    • 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
    • 限界と確認方法を因果で結んでいる
    • 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
    • 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
    • 本文の結論を条件付きで示している
    • 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
第27日 / 60

雨上がりの白線

物語・随筆・5問セット

蓋然性 (がいぜんせい)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:両義(りょうぎ)

雨上がりの白線

陽太は校庭で、運動会のリレー練習で走順を整えることになった。ところが、雨で白線が消え、交代位置が分からなくなった。陽太の胸にはくやしさが広がった。

一度は速い人だけで順番を決めることも考えた。しかし、凛と短く相談し、全員の走る距離と得意な動きを測り直した。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。

その途中で、速さだけでなく受け渡しの安定も記録すべきだと分かった。やがて、四人は失敗の少ない走順を選び、本番でも最後までバトンをつないだ。陽太の気持ちは納得へ変わった。

【語彙の視点】今日の焦点語は「蓋然性」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。

【7日前の復習】「両義」とも比べてみよう。二つは同じ意味ではない。本文を説明するのに使えるなら根拠となる場面を示し、使いにくいなら、その違いを言葉にする。

「どうして、その方法でよいと思ったの」と凛が尋ねた。陽太はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料よりくやしさに引かれていたことに気づいた。

その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。

凛は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。陽太は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。

作業を終えた後、陽太は「雨上がりに引き直した白線」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。

翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。陽太は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。

記録には、採用した案だけでなく、退けた「速い人だけで順番を決める」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第131問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「蓋然性」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:出来事・説明・解釈が、確実ではないがもっともらしいと考えられる度合い

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「出来事・説明・解釈が、確実ではないがもっともらしいと考えられる度合い」と用例「雲の動きと気圧から、夕方に雨が降る蓋然性は高いと判断した。」。

    解き方:「蓋然性」は、出来事・説明・解釈が、確実ではないがもっともらしいと考えられる度合いという意味です。読みは「がいぜんせい」です。例文:雲の動きと気圧から、夕方に雨が降る蓋然性は高いと判断した。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第132問 / 300STEP 2・文構造・転換

    第2段落は、物語全体の中でどのような働きをしていますか。最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「速い人だけで順番を決める」という近道を退け、「全員の走る距離と得意な動きを測り直した」という確認へ判断を転換する

    本文根拠:第2段落の「速い人だけで順番を決める」と「全員の走る距離と得意な動きを測り直した」の対比。

    解き方:第2段落では、考えただけの近道と、実際に選んだ確認行動が『しかし』で対比されています。

  3. 第133問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:凛が反対の結果になりそうな手がかりを問い、陽太が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した

    本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という凛の問いと、陽太の再点検。

    解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。

  4. 第134問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    主人公が採用した案だけでなく、退けた案と理由まで記録した目的として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:退けた「速い人だけで順番を決める」という案と理由も残し、後の人が結果だけを見て同じ判断を無条件に繰り返すのを防ぐため

    本文根拠:採用した案だけでなく退けた案と理由も残し、後の人の無条件な反復を防ぐと述べた段落。

    解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。

  5. 第135問 / 300STEP 5・要約・表現

    主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:陽太はくやしさに引かれ、「速い人だけで順番を決める」と考えたが、全員の走る距離と得意な動きを測り直した。その結果、速さだけでなく受け渡しの安定も記録すべきだと分かった。気持ちは納得へ変わった。さらに、凛から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。この過程は、「個人の力をつなぐ方法まで考えてこそチームになること」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。

    本文根拠:初め=速い人だけで順番を決める、確認=全員の走る距離と得意な動きを測り直した、発見=速さだけでなく受け渡しの安定も記録すべきだと分かった、反証=凛の問い、条件=影響・資料、教訓=個人の力をつなぐ方法まで考えてこそチームになること。

    解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。

    採点観点

    • 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
    • 発見と心情の変化を因果で示している
    • 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
    • 条件に応じて確認順を変える必要を含む
    • 退けた案と理由を記録する意味を示している
    • 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
第28日 / 60

木陰の温度

説明文・評論・5問セット

恣意性 (しいせい)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:演繹(えんえき)

木陰の温度

街路樹の木陰が夏の歩道を冷やす仕組みについて考えてみよう。よくある見方は、「木陰は日光を遮るだけなので木の種類は関係ない」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。

中心となる仕組みは、葉が光を遮り水分を蒸発させる二つの働きが温度へ影響する。たとえば、同じ時刻に舗装面と木陰を測ると表面温度に差が出る。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。

【語彙の視点】今日の焦点語は「恣意性」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。

ただし、風や湿度や測る高さが違えば単純比較はできない。そのため、条件をそろえて複数日に測ることが必要になる。本文では、結論を「都市の暑さ対策は木の本数だけでなく配置や管理まで考える必要がある」とまとめる。

【7日前の復習】「演繹」とも比べてみよう。焦点語と復習語は同じ意味ではない。本文のどの部分にそれぞれを使えるか、使えないかを分けると、語の違いがはっきりする。

この仕組みを調べる班は、まず「遮光」「蒸散」「測定」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。

本文の例は「同じ時刻に舗装面と木陰を測ると表面温度に差が出る」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。

確かめるために、条件をそろえて複数日に測る。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。

別の班は「木陰は日光を遮るだけなので木の種類は関係ない」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。

さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「風や湿度や測る高さが違えば単純比較はできない」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。

まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第136問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「恣意性」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:記号の形と意味の結びつきに必然的な理由がなく、社会的な慣習で定まる性質

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「記号の形と意味の結びつきに必然的な理由がなく、社会的な慣習で定まる性質」と用例「色と意味の結びつきに恣意性があることを、文化間の違いから学んだ。」。

    解き方:「恣意性」は、記号の形と意味の結びつきに必然的な理由がなく、社会的な慣習で定まる性質という意味です。読みは「しいせい」です。例文:色と意味の結びつきに恣意性があることを、文化間の違いから学んだ。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第137問 / 300STEP 2・文構造・抽象具体

    第2段落の『中心となる仕組み』と『たとえば』以降の関係として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「葉が光を遮り水分を蒸発させる二つの働きが温度へ影響する」を、「同じ時刻に舗装面と木陰を測ると表面温度に差が出る」という個別の事例で具体化している

    本文根拠:第2段落の抽象的説明と具体例。

    解き方:一般的な説明を先に置き、その後に同じ関係が見える個別例を置く構造です。

  3. 第138問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから

    本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。

    解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。

  4. 第139問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    全体の傾向と異なる一つ一つの例を消さずに残した目的として、最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:最初の説明が成り立たない条件や、説明の範囲を狭める手がかりを見つけるため

    本文根拠:全体の傾向と違う例を、条件の違いを確かめる材料として残した段落。

    解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。

  5. 第140問 / 300STEP 5・要約・表現

    本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:筆者は、葉が光を遮り水分を蒸発させる二つの働きが温度へ影響すると説明し、例として「同じ時刻に舗装面と木陰を測ると表面温度に差が出る」を挙げる。一方で、風や湿度や測る高さが違えば単純比較はできないため、条件をそろえて複数日に測る必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。以上から、結論は「都市の暑さ対策は木の本数だけでなく配置や管理まで考える必要がある」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。

    本文根拠:仕組み=葉が光を遮り水分を蒸発させる二つの働きが温度へ影響する、限界=風や湿度や測る高さが違えば単純比較はできない、方法=条件をそろえて複数日に測る、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=都市の暑さ対策は木の本数だけでなく配置や管理まで考える必要がある。

    解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。

    採点観点

    • 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
    • 限界と確認方法を因果で結んでいる
    • 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
    • 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
    • 本文の結論を条件付きで示している
    • 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
第29日 / 60

駅前の青い手袋

物語・随筆・5問セット

妥当性 (だとうせい)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:帰納(きのう)

駅前の青い手袋

結衣は駅前広場で、地域案内のボランティアを無事に終えることになった。ところが、落とし物の青い手袋を持つ子が困っていた。結衣の胸には迷いが広がった。

一度は案内予定を優先してその場を離れることも考えた。しかし、奏と短く相談し、持ち主の手がかりを聞き、交番と放送係へ同時に連絡した。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。

その途中で、予定外の出来事でも役割を分ければ案内を続けられると分かった。やがて、手袋は持ち主へ戻り、案内所も予定どおり開いた。結衣の気持ちは安堵へ変わった。

【語彙の視点】今日の焦点語は「妥当性」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。

【7日前の復習】「帰納」とも比べてみよう。二つは同じ意味ではない。本文を説明するのに使えるなら根拠となる場面を示し、使いにくいなら、その違いを言葉にする。

「どうして、その方法でよいと思ったの」と奏が尋ねた。結衣はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料より迷いに引かれていたことに気づいた。

その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。

奏は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。結衣は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。

作業を終えた後、結衣は「ベンチに残った青い糸」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。

翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。結衣は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。

記録には、採用した案だけでなく、退けた「案内予定を優先してその場を離れる」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第141問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「妥当性」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:根拠と結論のつながりが適切であること

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「根拠と結論のつながりが適切であること」と用例「結論だけでなく、用いた資料と推論の妥当性を点検した。」。

    解き方:「妥当性」は、根拠と結論のつながりが適切であることという意味です。読みは「だとうせい」です。例文:結論だけでなく、用いた資料と推論の妥当性を点検した。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第142問 / 300STEP 2・文構造・転換

    第2段落は、物語全体の中でどのような働きをしていますか。最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「案内予定を優先してその場を離れる」という近道を退け、「持ち主の手がかりを聞き、交番と放送係へ同時に連絡した」という確認へ判断を転換する

    本文根拠:第2段落の「案内予定を優先してその場を離れる」と「持ち主の手がかりを聞き、交番と放送係へ同時に連絡した」の対比。

    解き方:第2段落では、考えただけの近道と、実際に選んだ確認行動が『しかし』で対比されています。

  3. 第143問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:奏が反対の結果になりそうな手がかりを問い、結衣が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した

    本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という奏の問いと、結衣の再点検。

    解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。

  4. 第144問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    主人公が採用した案だけでなく、退けた案と理由まで記録した目的として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:退けた「案内予定を優先してその場を離れる」という案と理由も残し、後の人が結果だけを見て同じ判断を無条件に繰り返すのを防ぐため

    本文根拠:採用した案だけでなく退けた案と理由も残し、後の人の無条件な反復を防ぐと述べた段落。

    解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。

  5. 第145問 / 300STEP 5・要約・表現

    主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:結衣は迷いに引かれ、「案内予定を優先してその場を離れる」と考えたが、持ち主の手がかりを聞き、交番と放送係へ同時に連絡した。その結果、予定外の出来事でも役割を分ければ案内を続けられると分かった。気持ちは安堵へ変わった。さらに、奏から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。この過程は、「計画を守ることと困った人を助けることは両立できること」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。

    本文根拠:初め=案内予定を優先してその場を離れる、確認=持ち主の手がかりを聞き、交番と放送係へ同時に連絡した、発見=予定外の出来事でも役割を分ければ案内を続けられると分かった、反証=奏の問い、条件=影響・資料、教訓=計画を守ることと困った人を助けることは両立できること。

    解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。

    採点観点

    • 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
    • 発見と心情の変化を因果で示している
    • 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
    • 条件に応じて確認順を変える必要を含む
    • 退けた案と理由を記録する意味を示している
    • 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
第30日 / 60

返す容器

説明文・評論・5問セット

整合性 (せいごうせい)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:類推(るいすい)

返す容器

再使用できる容器がごみを減らす条件について考えてみよう。よくある見方は、「繰り返し使える物なら必ず環境への負担が小さい」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。

中心となる仕組みは、製造・回収・洗浄・輸送まで含めて比べる必要がある。たとえば、近い地域で高い回収率を保つ仕組みは使い捨て量を減らしやすい。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。

【語彙の視点】今日の焦点語は「整合性」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。

ただし、遠距離輸送や大量の洗浄水が必要なら利点は小さくなる。そのため、一回だけでなく決めた回数まで実際に戻るか記録することが必要になる。本文では、結論を「物の素材だけで善悪を決めず利用の仕組み全体を見ることが重要である」とまとめる。

【7日前の復習】「類推」とも比べてみよう。焦点語と復習語は同じ意味ではない。本文のどの部分にそれぞれを使えるか、使えないかを分けると、語の違いがはっきりする。

この仕組みを調べる班は、まず「再使用」「回収率」「循環」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。

本文の例は「近い地域で高い回収率を保つ仕組みは使い捨て量を減らしやすい」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。

確かめるために、一回だけでなく決めた回数まで実際に戻るか記録する。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。

別の班は「繰り返し使える物なら必ず環境への負担が小さい」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。

さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「遠距離輸送や大量の洗浄水が必要なら利点は小さくなる」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。

まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第146問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「整合性」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:複数の内容が矛盾せず合っていること

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「複数の内容が矛盾せず合っていること」と用例「序論の問いと結論の答えに整合性があるか、原稿を読み直した。」。

    解き方:「整合性」は、複数の内容が矛盾せず合っていることという意味です。読みは「せいごうせい」です。例文:序論の問いと結論の答えに整合性があるか、原稿を読み直した。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第147問 / 300STEP 2・文構造・抽象具体

    第2段落の『中心となる仕組み』と『たとえば』以降の関係として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「製造・回収・洗浄・輸送まで含めて比べる必要がある」を、「近い地域で高い回収率を保つ仕組みは使い捨て量を減らしやすい」という個別の事例で具体化している

    本文根拠:第2段落の抽象的説明と具体例。

    解き方:一般的な説明を先に置き、その後に同じ関係が見える個別例を置く構造です。

  3. 第148問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから

    本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。

    解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。

  4. 第149問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    全体の傾向と異なる一つ一つの例を消さずに残した目的として、最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:最初の説明が成り立たない条件や、説明の範囲を狭める手がかりを見つけるため

    本文根拠:全体の傾向と違う例を、条件の違いを確かめる材料として残した段落。

    解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。

  5. 第150問 / 300STEP 5・要約・表現

    本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:筆者は、製造・回収・洗浄・輸送まで含めて比べる必要があると説明し、例として「近い地域で高い回収率を保つ仕組みは使い捨て量を減らしやすい」を挙げる。一方で、遠距離輸送や大量の洗浄水が必要なら利点は小さくなるため、一回だけでなく決めた回数まで実際に戻るか記録する必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。以上から、結論は「物の素材だけで善悪を決めず利用の仕組み全体を見ることが重要である」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。

    本文根拠:仕組み=製造・回収・洗浄・輸送まで含めて比べる必要がある、限界=遠距離輸送や大量の洗浄水が必要なら利点は小さくなる、方法=一回だけでなく決めた回数まで実際に戻るか記録する、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=物の素材だけで善悪を決めず利用の仕組み全体を見ることが重要である。

    解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。

    採点観点

    • 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
    • 限界と確認方法を因果で結んでいる
    • 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
    • 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
    • 本文の結論を条件付きで示している
    • 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
第31日 / 60

古い地図の空白

物語・随筆・5問セット

命題 (めいだい)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:仮説(かせつ)

古い地図の空白

海斗は郷土資料館で、昔の商店街の地図を調べて発表することになった。ところが、地図の一角だけ店名が空白になっていた。海斗の胸にはもどかしさが広がった。

一度は近くの店名を想像で書き足すことも考えた。しかし、沙羅と短く相談し、年代の違う写真、電話帳、聞き取り記録を比べた。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。

その途中で、空白は店がなかったのではなく資料が失われた印だと分かった。やがて、発表では分かった事実と不明な点を分けて示した。海斗の気持ちは誠実な落ち着きへ変わった。

【語彙の視点】今日の焦点語は「命題」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。

【7日前の復習】「仮説」とも比べてみよう。二つは同じ意味ではない。本文を説明するのに使えるなら根拠となる場面を示し、使いにくいなら、その違いを言葉にする。

「どうして、その方法でよいと思ったの」と沙羅が尋ねた。海斗はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料よりもどかしさに引かれていたことに気づいた。

その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。

沙羅は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。海斗は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。

作業を終えた後、海斗は「地図に残した小さな空白」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。

翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。海斗は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。

記録には、採用した案だけでなく、退けた「近くの店名を想像で書き足す」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第151問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「命題」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:真か偽かを判断できる形で示された内容

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「真か偽かを判断できる形で示された内容」と用例「『全ての正方形は四辺の長さが等しい』という命題を、定義に照らして確かめた。」。

    解き方:「命題」は、真か偽かを判断できる形で示された内容という意味です。読みは「めいだい」です。例文:『全ての正方形は四辺の長さが等しい』という命題を、定義に照らして確かめた。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第152問 / 300STEP 2・文構造・転換

    第2段落は、物語全体の中でどのような働きをしていますか。最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「近くの店名を想像で書き足す」という近道を退け、「年代の違う写真、電話帳、聞き取り記録を比べた」という確認へ判断を転換する

    本文根拠:第2段落の「近くの店名を想像で書き足す」と「年代の違う写真、電話帳、聞き取り記録を比べた」の対比。

    解き方:第2段落では、考えただけの近道と、実際に選んだ確認行動が『しかし』で対比されています。

  3. 第153問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:沙羅が反対の結果になりそうな手がかりを問い、海斗が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した

    本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という沙羅の問いと、海斗の再点検。

    解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。

  4. 第154問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    主人公が採用した案だけでなく、退けた案と理由まで記録した目的として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:退けた「近くの店名を想像で書き足す」という案と理由も残し、後の人が結果だけを見て同じ判断を無条件に繰り返すのを防ぐため

    本文根拠:採用した案だけでなく退けた案と理由も残し、後の人の無条件な反復を防ぐと述べた段落。

    解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。

  5. 第155問 / 300STEP 5・要約・表現

    主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:海斗はもどかしさに引かれ、「近くの店名を想像で書き足す」と考えたが、年代の違う写真、電話帳、聞き取り記録を比べた。その結果、空白は店がなかったのではなく資料が失われた印だと分かった。気持ちは誠実な落ち着きへ変わった。さらに、沙羅から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。この過程は、「分からないことを分からないまま示すのも調査であること」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。

    本文根拠:初め=近くの店名を想像で書き足す、確認=年代の違う写真、電話帳、聞き取り記録を比べた、発見=空白は店がなかったのではなく資料が失われた印だと分かった、反証=沙羅の問い、条件=影響・資料、教訓=分からないことを分からないまま示すのも調査であること。

    解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。

    採点観点

    • 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
    • 発見と心情の変化を因果で示している
    • 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
    • 条件に応じて確認順を変える必要を含む
    • 退けた案と理由を記録する意味を示している
    • 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
第32日 / 60

本の住所

説明文・評論・5問セット

概念 (がいねん)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:検証(けんしょう)

本の住所

図書館の分類番号が本を探す手がかりになる仕組みについて考えてみよう。よくある見方は、「同じ題名の本はいつも同じ棚に置けばよい」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。

中心となる仕組みは、題材と分野を段階的な番号で表し似た内容を近くへ集める。たとえば、料理の歴史と料理の作り方は題名が似ても別の分野に置かれる。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。

【語彙の視点】今日の焦点語は「概念」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。

ただし、複数分野にまたがる本では主な目的を判断する必要がある。そのため、番号だけでなく件名や目次も合わせて検索することが必要になる。本文では、結論を「分類は世界を一つに決める真理ではなく探しやすくするための約束である」とまとめる。

【7日前の復習】「検証」とも比べてみよう。焦点語と復習語は同じ意味ではない。本文のどの部分にそれぞれを使えるか、使えないかを分けると、語の違いがはっきりする。

この仕組みを調べる班は、まず「分類」「件名」「検索」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。

本文の例は「料理の歴史と料理の作り方は題名が似ても別の分野に置かれる」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。

確かめるために、番号だけでなく件名や目次も合わせて検索する。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。

別の班は「同じ題名の本はいつも同じ棚に置けばよい」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。

さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「複数分野にまたがる本では主な目的を判断する必要がある」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。

まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第156問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「概念」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:複数の事物に共通する性質をまとめた考え

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「複数の事物に共通する性質をまとめた考え」と用例「授業では『自由』の概念が責任とどう結びつくかを議論した。」。

    解き方:「概念」は、複数の事物に共通する性質をまとめた考えという意味です。読みは「がいねん」です。例文:授業では『自由』の概念が責任とどう結びつくかを議論した。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第157問 / 300STEP 2・文構造・抽象具体

    第2段落の『中心となる仕組み』と『たとえば』以降の関係として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「題材と分野を段階的な番号で表し似た内容を近くへ集める」を、「料理の歴史と料理の作り方は題名が似ても別の分野に置かれる」という個別の事例で具体化している

    本文根拠:第2段落の抽象的説明と具体例。

    解き方:一般的な説明を先に置き、その後に同じ関係が見える個別例を置く構造です。

  3. 第158問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから

    本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。

    解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。

  4. 第159問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    全体の傾向と異なる一つ一つの例を消さずに残した目的として、最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:最初の説明が成り立たない条件や、説明の範囲を狭める手がかりを見つけるため

    本文根拠:全体の傾向と違う例を、条件の違いを確かめる材料として残した段落。

    解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。

  5. 第160問 / 300STEP 5・要約・表現

    本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:筆者は、題材と分野を段階的な番号で表し似た内容を近くへ集めると説明し、例として「料理の歴史と料理の作り方は題名が似ても別の分野に置かれる」を挙げる。一方で、複数分野にまたがる本では主な目的を判断する必要があるため、番号だけでなく件名や目次も合わせて検索する必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。以上から、結論は「分類は世界を一つに決める真理ではなく探しやすくするための約束である」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。

    本文根拠:仕組み=題材と分野を段階的な番号で表し似た内容を近くへ集める、限界=複数分野にまたがる本では主な目的を判断する必要がある、方法=番号だけでなく件名や目次も合わせて検索する、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=分類は世界を一つに決める真理ではなく探しやすくするための約束である。

    解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。

    採点観点

    • 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
    • 限界と確認方法を因果で結んでいる
    • 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
    • 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
    • 本文の結論を条件付きで示している
    • 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
第33日 / 60

消えた星印

物語・随筆・5問セット

範疇 (はんちゅう)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:反証(はんしょう)

消えた星印

真琴は天文部室で、流星観察の記録をまとめることになった。ところが、観察表から一つの星印だけ消えていた。真琴の胸には焦燥が広がった。

一度は最も多かった時刻へ数を足すことも考えた。しかし、拓海と短く相談し、各自のノートと撮影時刻を照合した。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。

その途中で、雲で見えなかった時間と観察していない時間は違うと分かった。やがて、欠測を明記した正確なグラフが完成した。真琴の気持ちは確かさへ変わった。

【語彙の視点】今日の焦点語は「範疇」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。

【7日前の復習】「反証」とも比べてみよう。二つは同じ意味ではない。本文を説明するのに使えるなら根拠となる場面を示し、使いにくいなら、その違いを言葉にする。

「どうして、その方法でよいと思ったの」と拓海が尋ねた。真琴はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料より焦燥に引かれていたことに気づいた。

その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。

拓海は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。真琴は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。

作業を終えた後、真琴は「夜空の下の空欄」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。

翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。真琴は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。

記録には、採用した案だけでなく、退けた「最も多かった時刻へ数を足す」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第161問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「範疇」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:共通する性質で分けた基本的な枠組み

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「共通する性質で分けた基本的な枠組み」と用例「電子書籍を従来の『本』の範疇に含めるべきか考えた。」。

    解き方:「範疇」は、共通する性質で分けた基本的な枠組みという意味です。読みは「はんちゅう」です。例文:電子書籍を従来の『本』の範疇に含めるべきか考えた。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第162問 / 300STEP 2・文構造・転換

    第2段落は、物語全体の中でどのような働きをしていますか。最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「最も多かった時刻へ数を足す」という近道を退け、「各自のノートと撮影時刻を照合した」という確認へ判断を転換する

    本文根拠:第2段落の「最も多かった時刻へ数を足す」と「各自のノートと撮影時刻を照合した」の対比。

    解き方:第2段落では、考えただけの近道と、実際に選んだ確認行動が『しかし』で対比されています。

  3. 第163問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:拓海が反対の結果になりそうな手がかりを問い、真琴が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した

    本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という拓海の問いと、真琴の再点検。

    解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。

  4. 第164問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    主人公が採用した案だけでなく、退けた案と理由まで記録した目的として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:退けた「最も多かった時刻へ数を足す」という案と理由も残し、後の人が結果だけを見て同じ判断を無条件に繰り返すのを防ぐため

    本文根拠:採用した案だけでなく退けた案と理由も残し、後の人の無条件な反復を防ぐと述べた段落。

    解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。

  5. 第165問 / 300STEP 5・要約・表現

    主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:真琴は焦燥に引かれ、「最も多かった時刻へ数を足す」と考えたが、各自のノートと撮影時刻を照合した。その結果、雲で見えなかった時間と観察していない時間は違うと分かった。気持ちは確かさへ変わった。さらに、拓海から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。この過程は、「記録の穴を想像で埋めず条件を説明すること」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。

    本文根拠:初め=最も多かった時刻へ数を足す、確認=各自のノートと撮影時刻を照合した、発見=雲で見えなかった時間と観察していない時間は違うと分かった、反証=拓海の問い、条件=影響・資料、教訓=記録の穴を想像で埋めず条件を説明すること。

    解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。

    採点観点

    • 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
    • 発見と心情の変化を因果で示している
    • 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
    • 条件に応じて確認順を変える必要を含む
    • 退けた案と理由を記録する意味を示している
    • 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
第34日 / 60

予報の幅

説明文・評論・5問セット

記号 (きごう)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:蓋然性(がいぜんせい)

予報の幅

天気予報が一つの未来ではなく可能性の幅を示す理由について考えてみよう。よくある見方は、「降水確率が低ければ絶対に雨は降らない」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。

中心となる仕組みは、観測値と複数の計算結果から一定地域・時間の可能性を表す。たとえば、同じ三十パーセントでも短時間の強い雨と弱い雨では備えが違う。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。

【語彙の視点】今日の焦点語は「記号」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。

ただし、予報の対象範囲や更新時刻を無視すると意味を取り違える。そのため、確率と影響の大きさを合わせて行動を決めることが必要になる。本文では、結論を「不確実な情報は役に立たないのではなく判断の幅を示す道具である」とまとめる。

【7日前の復習】「蓋然性」とも比べてみよう。焦点語と復習語は同じ意味ではない。本文のどの部分にそれぞれを使えるか、使えないかを分けると、語の違いがはっきりする。

この仕組みを調べる班は、まず「確率」「更新」「不確実性」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。

本文の例は「同じ三十パーセントでも短時間の強い雨と弱い雨では備えが違う」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。

確かめるために、確率と影響の大きさを合わせて行動を決める。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。

別の班は「降水確率が低ければ絶対に雨は降らない」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。

さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「予報の対象範囲や更新時刻を無視すると意味を取り違える」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。

まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第166問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「記号」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:別の意味や対象を表すため用いる形

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「別の意味や対象を表すため用いる形」と用例「地図上の青い線は川を表す記号として用いられている。」。

    解き方:「記号」は、別の意味や対象を表すため用いる形という意味です。読みは「きごう」です。例文:地図上の青い線は川を表す記号として用いられている。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第167問 / 300STEP 2・文構造・抽象具体

    第2段落の『中心となる仕組み』と『たとえば』以降の関係として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「観測値と複数の計算結果から一定地域・時間の可能性を表す」を、「同じ三十パーセントでも短時間の強い雨と弱い雨では備えが違う」という個別の事例で具体化している

    本文根拠:第2段落の抽象的説明と具体例。

    解き方:一般的な説明を先に置き、その後に同じ関係が見える個別例を置く構造です。

  3. 第168問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから

    本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。

    解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。

  4. 第169問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    全体の傾向と異なる一つ一つの例を消さずに残した目的として、最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:最初の説明が成り立たない条件や、説明の範囲を狭める手がかりを見つけるため

    本文根拠:全体の傾向と違う例を、条件の違いを確かめる材料として残した段落。

    解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。

  5. 第170問 / 300STEP 5・要約・表現

    本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:筆者は、観測値と複数の計算結果から一定地域・時間の可能性を表すと説明し、例として「同じ三十パーセントでも短時間の強い雨と弱い雨では備えが違う」を挙げる。一方で、予報の対象範囲や更新時刻を無視すると意味を取り違えるため、確率と影響の大きさを合わせて行動を決める必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。以上から、結論は「不確実な情報は役に立たないのではなく判断の幅を示す道具である」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。

    本文根拠:仕組み=観測値と複数の計算結果から一定地域・時間の可能性を表す、限界=予報の対象範囲や更新時刻を無視すると意味を取り違える、方法=確率と影響の大きさを合わせて行動を決める、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=不確実な情報は役に立たないのではなく判断の幅を示す道具である。

    解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。

    採点観点

    • 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
    • 限界と確認方法を因果で結んでいる
    • 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
    • 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
    • 本文の結論を条件付きで示している
    • 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
第35日 / 60

二つの水やり表

物語・随筆・5問セット

表象 (ひょうしょう)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:恣意性(しいせい)

二つの水やり表

咲は学級園で、夏休みの水やり当番を決めることになった。ところが、二種類の当番表で曜日が食い違っていた。咲の胸にはいらだちが広がった。

一度は新しい紙だけを正しいと決めることも考えた。しかし、樹と短く相談し、作成日と配布先を確かめ、全員へ変更理由を伝えた。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。

その途中で、新しい情報も伝わらなければ役に立たないと分かった。やがて、全員が同じ表を持ち、苗は夏を越した。咲の気持ちは安心へ変わった。

【語彙の視点】今日の焦点語は「表象」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。

【7日前の復習】「恣意性」とも比べてみよう。二つは同じ意味ではない。本文を説明するのに使えるなら根拠となる場面を示し、使いにくいなら、その違いを言葉にする。

「どうして、その方法でよいと思ったの」と樹が尋ねた。咲はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料よりいらだちに引かれていたことに気づいた。

その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。

樹は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。咲は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。

作業を終えた後、咲は「鉢の横で揺れる二枚の紙」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。

翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。咲は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。

記録には、採用した案だけでなく、退けた「新しい紙だけを正しいと決める」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第171問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「表象」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:対象を心や言語の上に表したもの

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「対象を心や言語の上に表したもの」と用例「小説に描かれた都市の表象を、同時代の写真と比較した。」。

    解き方:「表象」は、対象を心や言語の上に表したものという意味です。読みは「ひょうしょう」です。例文:小説に描かれた都市の表象を、同時代の写真と比較した。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第172問 / 300STEP 2・文構造・転換

    第2段落は、物語全体の中でどのような働きをしていますか。最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「新しい紙だけを正しいと決める」という近道を退け、「作成日と配布先を確かめ、全員へ変更理由を伝えた」という確認へ判断を転換する

    本文根拠:第2段落の「新しい紙だけを正しいと決める」と「作成日と配布先を確かめ、全員へ変更理由を伝えた」の対比。

    解き方:第2段落では、考えただけの近道と、実際に選んだ確認行動が『しかし』で対比されています。

  3. 第173問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:樹が反対の結果になりそうな手がかりを問い、咲が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した

    本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という樹の問いと、咲の再点検。

    解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。

  4. 第174問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    主人公が採用した案だけでなく、退けた案と理由まで記録した目的として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:退けた「新しい紙だけを正しいと決める」という案と理由も残し、後の人が結果だけを見て同じ判断を無条件に繰り返すのを防ぐため

    本文根拠:採用した案だけでなく退けた案と理由も残し、後の人の無条件な反復を防ぐと述べた段落。

    解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。

  5. 第175問 / 300STEP 5・要約・表現

    主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:咲はいらだちに引かれ、「新しい紙だけを正しいと決める」と考えたが、作成日と配布先を確かめ、全員へ変更理由を伝えた。その結果、新しい情報も伝わらなければ役に立たないと分かった。気持ちは安心へ変わった。さらに、樹から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。この過程は、「情報は正しさだけでなく共有のされ方も大切なこと」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。

    本文根拠:初め=新しい紙だけを正しいと決める、確認=作成日と配布先を確かめ、全員へ変更理由を伝えた、発見=新しい情報も伝わらなければ役に立たないと分かった、反証=樹の問い、条件=影響・資料、教訓=情報は正しさだけでなく共有のされ方も大切なこと。

    解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。

    採点観点

    • 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
    • 発見と心情の変化を因果で示している
    • 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
    • 条件に応じて確認順を変える必要を含む
    • 退けた案と理由を記録する意味を示している
    • 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
第36日 / 60

渡り鳥の休憩地

説明文・評論・5問セット

主体 (しゅたい)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:妥当性(だとうせい)

渡り鳥の休憩地

渡り鳥が途中の湿地を必要とする理由について考えてみよう。よくある見方は、「目的地さえ守れば途中の場所は重要ではない」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。

中心となる仕組みは、長い移動の途中で食物と休息を得る場所が連続して必要になる。たとえば、小さな干潟でも次の飛行へ必要なエネルギーを補える。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。

【語彙の視点】今日の焦点語は「主体」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。

ただし、一つの種の観察だけで湿地全体の価値は決められない。そのため、季節ごとの種類と数を長く記録することが必要になる。本文では、結論を「生き物を守るには点の保護だけでなく場所同士のつながりを見る必要がある」とまとめる。

【7日前の復習】「妥当性」とも比べてみよう。焦点語と復習語は同じ意味ではない。本文のどの部分にそれぞれを使えるか、使えないかを分けると、語の違いがはっきりする。

この仕組みを調べる班は、まず「渡り」「湿地」「生態系」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。

本文の例は「小さな干潟でも次の飛行へ必要なエネルギーを補える」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。

確かめるために、季節ごとの種類と数を長く記録する。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。

別の班は「目的地さえ守れば途中の場所は重要ではない」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。

さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「一つの種の観察だけで湿地全体の価値は決められない」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。

まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第176問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「主体」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:認識し判断し行為する側

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「認識し判断し行為する側」と用例「選択の結果を引き受ける主体として、主人公は行動を決めた。」。

    解き方:「主体」は、認識し判断し行為する側という意味です。読みは「しゅたい」です。例文:選択の結果を引き受ける主体として、主人公は行動を決めた。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第177問 / 300STEP 2・文構造・抽象具体

    第2段落の『中心となる仕組み』と『たとえば』以降の関係として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「長い移動の途中で食物と休息を得る場所が連続して必要になる」を、「小さな干潟でも次の飛行へ必要なエネルギーを補える」という個別の事例で具体化している

    本文根拠:第2段落の抽象的説明と具体例。

    解き方:一般的な説明を先に置き、その後に同じ関係が見える個別例を置く構造です。

  3. 第178問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから

    本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。

    解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。

  4. 第179問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    全体の傾向と異なる一つ一つの例を消さずに残した目的として、最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:最初の説明が成り立たない条件や、説明の範囲を狭める手がかりを見つけるため

    本文根拠:全体の傾向と違う例を、条件の違いを確かめる材料として残した段落。

    解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。

  5. 第180問 / 300STEP 5・要約・表現

    本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:筆者は、長い移動の途中で食物と休息を得る場所が連続して必要になると説明し、例として「小さな干潟でも次の飛行へ必要なエネルギーを補える」を挙げる。一方で、一つの種の観察だけで湿地全体の価値は決められないため、季節ごとの種類と数を長く記録する必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。以上から、結論は「生き物を守るには点の保護だけでなく場所同士のつながりを見る必要がある」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。

    本文根拠:仕組み=長い移動の途中で食物と休息を得る場所が連続して必要になる、限界=一つの種の観察だけで湿地全体の価値は決められない、方法=季節ごとの種類と数を長く記録する、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=生き物を守るには点の保護だけでなく場所同士のつながりを見る必要がある。

    解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。

    採点観点

    • 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
    • 限界と確認方法を因果で結んでいる
    • 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
    • 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
    • 本文の結論を条件付きで示している
    • 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
第37日 / 60

半分だけの合唱

物語・随筆・5問セット

客体 (きゃくたい)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:整合性(せいごうせい)

半分だけの合唱

玲奈は音楽室で、合唱発表の声を一つにまとめることになった。ところが、高い声ばかりが響き低い声が聞こえなかった。玲奈の胸には戸惑いが広がった。

一度は全員にもっと大きな声を出させることも考えた。しかし、悠人と短く相談し、録音を聞き、立ち位置と息を入れる場所を変えた。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。

その途中で、音量ではなく声の重なり方が問題だと分かった。やがて、小さな声も届く響きになり、発表後に互いの声をたたえた。玲奈の気持ちは調和へ変わった。

【語彙の視点】今日の焦点語は「客体」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。

【7日前の復習】「整合性」とも比べてみよう。二つは同じ意味ではない。本文を説明するのに使えるなら根拠となる場面を示し、使いにくいなら、その違いを言葉にする。

「どうして、その方法でよいと思ったの」と悠人が尋ねた。玲奈はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料より戸惑いに引かれていたことに気づいた。

その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。

悠人は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。玲奈は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。

作業を終えた後、玲奈は「最後まで残った低い音」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。

翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。玲奈は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。

記録には、採用した案だけでなく、退けた「全員にもっと大きな声を出させる」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第181問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「客体」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:認識や行為の対象となる側

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「認識や行為の対象となる側」と用例「自然を利用の客体としてのみ見る立場に、筆者は疑問を投げる。」。

    解き方:「客体」は、認識や行為の対象となる側という意味です。読みは「きゃくたい」です。例文:自然を利用の客体としてのみ見る立場に、筆者は疑問を投げる。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第182問 / 300STEP 2・文構造・転換

    第2段落は、物語全体の中でどのような働きをしていますか。最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「全員にもっと大きな声を出させる」という近道を退け、「録音を聞き、立ち位置と息を入れる場所を変えた」という確認へ判断を転換する

    本文根拠:第2段落の「全員にもっと大きな声を出させる」と「録音を聞き、立ち位置と息を入れる場所を変えた」の対比。

    解き方:第2段落では、考えただけの近道と、実際に選んだ確認行動が『しかし』で対比されています。

  3. 第183問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:悠人が反対の結果になりそうな手がかりを問い、玲奈が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した

    本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という悠人の問いと、玲奈の再点検。

    解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。

  4. 第184問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    主人公が採用した案だけでなく、退けた案と理由まで記録した目的として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:退けた「全員にもっと大きな声を出させる」という案と理由も残し、後の人が結果だけを見て同じ判断を無条件に繰り返すのを防ぐため

    本文根拠:採用した案だけでなく退けた案と理由も残し、後の人の無条件な反復を防ぐと述べた段落。

    解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。

  5. 第185問 / 300STEP 5・要約・表現

    主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:玲奈は戸惑いに引かれ、「全員にもっと大きな声を出させる」と考えたが、録音を聞き、立ち位置と息を入れる場所を変えた。その結果、音量ではなく声の重なり方が問題だと分かった。気持ちは調和へ変わった。さらに、悠人から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。この過程は、「目立たない部分を生かすと全体が豊かになること」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。

    本文根拠:初め=全員にもっと大きな声を出させる、確認=録音を聞き、立ち位置と息を入れる場所を変えた、発見=音量ではなく声の重なり方が問題だと分かった、反証=悠人の問い、条件=影響・資料、教訓=目立たない部分を生かすと全体が豊かになること。

    解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。

    採点観点

    • 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
    • 発見と心情の変化を因果で示している
    • 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
    • 条件に応じて確認順を変える必要を含む
    • 退けた案と理由を記録する意味を示している
    • 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
第38日 / 60

公園のベンチ

説明文・評論・5問セット

相対 (そうたい)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:命題(めいだい)

公園のベンチ

公共のベンチが休憩以外にも果たす役割について考えてみよう。よくある見方は、「座る人が少ないベンチは無駄である」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。

中心となる仕組みは、待ち合わせ・見守り・体調回復など短い利用が地域の安心を支える。たとえば、高齢者が移動の途中で休めると行動できる範囲が広がる。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。

【語彙の視点】今日の焦点語は「相対」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。

ただし、設置数だけでなく日陰や高さや通路幅も利用しやすさへ影響する。そのため、利用者の種類と時間帯を観察して配置を見直すことが必要になる。本文では、結論を「公共設備は平均的な利用回数だけでなく必要な人への効果で評価する」とまとめる。

【7日前の復習】「命題」とも比べてみよう。焦点語と復習語は同じ意味ではない。本文のどの部分にそれぞれを使えるか、使えないかを分けると、語の違いがはっきりする。

この仕組みを調べる班は、まず「公共」「配置」「利用」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。

本文の例は「高齢者が移動の途中で休めると行動できる範囲が広がる」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。

確かめるために、利用者の種類と時間帯を観察して配置を見直す。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。

別の班は「座る人が少ないベンチは無駄である」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。

さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「設置数だけでなく日陰や高さや通路幅も利用しやすさへ影響する」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。

まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第186問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「相対」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:他との関係によって意味や価値が決まること

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「他との関係によって意味や価値が決まること」と用例「便利さの価値は利用者の状況との相対的な関係で変わる。」。

    解き方:「相対」は、他との関係によって意味や価値が決まることという意味です。読みは「そうたい」です。例文:便利さの価値は利用者の状況との相対的な関係で変わる。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第187問 / 300STEP 2・文構造・抽象具体

    第2段落の『中心となる仕組み』と『たとえば』以降の関係として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「待ち合わせ・見守り・体調回復など短い利用が地域の安心を支える」を、「高齢者が移動の途中で休めると行動できる範囲が広がる」という個別の事例で具体化している

    本文根拠:第2段落の抽象的説明と具体例。

    解き方:一般的な説明を先に置き、その後に同じ関係が見える個別例を置く構造です。

  3. 第188問 / 300STEP 3・本文根拠・反証

    二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから

    本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。

    解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。

  4. 第189問 / 300STEP 4・関係・論証評価

    全体の傾向と異なる一つ一つの例を消さずに残した目的として、最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:最初の説明が成り立たない条件や、説明の範囲を狭める手がかりを見つけるため

    本文根拠:全体の傾向と違う例を、条件の違いを確かめる材料として残した段落。

    解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。

  5. 第190問 / 300STEP 5・要約・表現

    本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、360字以内で論述しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:筆者は、待ち合わせ・見守り・体調回復など短い利用が地域の安心を支えると説明し、例として「高齢者が移動の途中で休めると行動できる範囲が広がる」を挙げる。一方で、設置数だけでなく日陰や高さや通路幅も利用しやすさへ影響するため、利用者の種類と時間帯を観察して配置を見直す必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。以上から、結論は「公共設備は平均的な利用回数だけでなく必要な人への効果で評価する」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。

    本文根拠:仕組み=待ち合わせ・見守り・体調回復など短い利用が地域の安心を支える、限界=設置数だけでなく日陰や高さや通路幅も利用しやすさへ影響する、方法=利用者の種類と時間帯を観察して配置を見直す、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=公共設備は平均的な利用回数だけでなく必要な人への効果で評価する。

    解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。

    採点観点

    • 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
    • 限界と確認方法を因果で結んでいる
    • 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
    • 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
    • 本文の結論を条件付きで示している
    • 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
第39日 / 60

詩・傘の輪

詩歌(自由詩・オリジナル)・5問セット

普遍 (ふへん)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:概念(がいねん)

詩・傘の輪

急な雨に傘が一つ
肩を寄せれば半分ぬれる
それでも輪を少し広げて
知らない人の鞄まで入れた

【読み方】全4行を、見えるもの・気持ち・方向が変わる言葉に印をつけながら読む。解釈は、必ず詩の一行を根拠にする。

【ことばの確認】今日の焦点語は「普遍」。意味を予想し、この詩の表現や話者の変化を説明するのに使えるか考える。

【7日前の復習語】「概念」。焦点語と同じ意味だと決めず、詩の中で使える箇所を分ける。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第191問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「普遍」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:例外なく、または一定範囲のすべてに共通して成り立つこと

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「例外なく、または一定範囲のすべてに共通して成り立つこと」と用例「個別の体験から、人が成長するという普遍的な主題を読み取った。」。

    解き方:「普遍」は、例外なく、または一定範囲のすべてに共通して成り立つことという意味です。読みは「ふへん」です。例文:個別の体験から、人が成長するという普遍的な主題を読み取った。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第192問 / 300STEP 2・詩の構成・転換

    詩の見方や気持ちが最も大きく転換する一行を選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:それでも輪を少し広げて

    本文根拠:転換行「それでも輪を少し広げて」。

    解き方:「それでも輪を少し広げて」を境に、自分だけ濡れまいとする気持ちから不便を分け合う選択へと変わります。接続語、否定、時間の移動も転換の手がかりです。

  3. 第193問 / 300STEP 3・詩の表現・効果

    この詩で「傘が作る小さな輪」が果たす働きとして最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:傘の輪が、限られた助けを分け合える範囲を表す

    本文根拠:「傘が作る小さな輪」に関わる行と転換行の対応。

    解き方:詩では具体物が別の考えを担うことがあります。この詩では、傘の輪が、限られた助けを分け合える範囲を表すと読めます。

  4. 第194問 / 300STEP 4・詩の主題・解釈

    この詩の主題として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:完全でなくても限られた助けを分け合えること

    本文根拠:詩全体の像と、転換前後の関係。

    解き方:具体的な像、転換行、不便を分け合う選択という後半の見方をすべて説明できる主題は「完全でなくても限られた助けを分け合えること」です。

  5. 第195問 / 300STEP 5・要約・表現

    転換する一行を引用し、表現の働きと主題を360字以内で説明しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「それでも輪を少し広げて」を境に、自分だけ濡れまいとする気持ちから不便を分け合う選択へと変わる。傘の輪が、限られた助けを分け合える範囲を表す。そこから、「完全でなくても限られた助けを分け合えること」という主題が読み取れる。

    本文根拠:転換行=それでも輪を少し広げて、像=傘が作る小さな輪、変化=自分だけ濡れまいとする気持ち→不便を分け合う選択、主題=完全でなくても限られた助けを分け合えること。

    解き方:引用だけで終えず、その一行を境に何が変わるか、具体的な像がどんな考えを表すか、そこからどの主題が導けるかをつなぎます。

    採点観点

    • 転換する一行を正確に引用している
    • 転換前後の見方または気持ちを示している
    • 具体的な像の働きを説明している
    • 詩全体の主題へ結びつけている
第40日 / 60

詩・止まった時計

詩歌(自由詩・オリジナル)・5問セット

特殊 (とくしゅ)

意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。

復習語:範疇(はんちゅう)

詩・止まった時計

祖父の時計は三時で止まり
毎日同じ遅れを指している
正しい時刻は告げないが
ねじを巻いた手の温度を残す

【読み方】全4行を、見えるもの・気持ち・方向が変わる言葉に印をつけながら読む。解釈は、必ず詩の一行を根拠にする。

【ことばの確認】今日の焦点語は「特殊」。意味を予想し、この詩の表現や話者の変化を説明するのに使えるか考える。

【7日前の復習語】「範疇」。焦点語と同じ意味だと決めず、詩の中で使える箇所を分ける。

本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。

  1. 第196問 / 300STEP 1・語彙

    今日の焦点語「特殊」の意味として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:一般とは異なる固有の条件を持つこと

    本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「一般とは異なる固有の条件を持つこと」と用例「一般的な傾向に加え、離島という特殊な条件も考慮した。」。

    解き方:「特殊」は、一般とは異なる固有の条件を持つことという意味です。読みは「とくしゅ」です。例文:一般的な傾向に加え、離島という特殊な条件も考慮した。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。

  2. 第197問 / 300STEP 2・詩の構成・転換

    詩の見方や気持ちが最も大きく転換する一行を選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:正しい時刻は告げないが

    本文根拠:転換行「正しい時刻は告げないが」。

    解き方:「正しい時刻は告げないが」を境に、役に立たない物だという評価から記憶を残す物としての理解へと変わります。接続語、否定、時間の移動も転換の手がかりです。

  3. 第198問 / 300STEP 3・詩の表現・効果

    この詩で「三時で止まった時計」が果たす働きとして最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:止まった時計が、時刻でなく記憶を残す物の価値を表す

    本文根拠:「三時で止まった時計」に関わる行と転換行の対応。

    解き方:詩では具体物が別の考えを担うことがあります。この詩では、止まった時計が、時刻でなく記憶を残す物の価値を表すと読めます。

  4. 第199問 / 300STEP 4・詩の主題・解釈

    この詩の主題として最も適切なものを選びなさい。

    選択肢
    解答・根拠・解説

    正答・解答例:物の価値は現在の機能だけでは決まらないこと

    本文根拠:詩全体の像と、転換前後の関係。

    解き方:具体的な像、転換行、記憶を残す物としての理解という後半の見方をすべて説明できる主題は「物の価値は現在の機能だけでは決まらないこと」です。

  5. 第200問 / 300STEP 5・要約・表現

    転換する一行を引用し、表現の働きと主題を360字以内で説明しなさい。

    解答・根拠・解説

    正答・解答例:「正しい時刻は告げないが」を境に、役に立たない物だという評価から記憶を残す物としての理解へと変わる。止まった時計が、時刻でなく記憶を残す物の価値を表す。そこから、「物の価値は現在の機能だけでは決まらないこと」という主題が読み取れる。

    本文根拠:転換行=正しい時刻は告げないが、像=三時で止まった時計、変化=役に立たない物だという評価→記憶を残す物としての理解、主題=物の価値は現在の機能だけでは決まらないこと。

    解き方:引用だけで終えず、その一行を境に何が変わるか、具体的な像がどんな考えを表すか、そこからどの主題が導けるかをつなぎます。

    採点観点

    • 転換する一行を正確に引用している
    • 転換前後の見方または気持ちを示している
    • 具体的な像の働きを説明している
    • 詩全体の主題へ結びつけている

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まいこくは1学年につき「基礎・標準・発展」の3段階、各100問で構成されています。学年どおりに進める必要はありません。読み取りで手が止まるなら1学年下の標準へ、設問が軽く感じるなら同学年の発展へ、と横にも縦にも移動できます。

基礎標準発展

高校1年生・標準の進め方

100問はどのように進めますか?

1日5問を一つのまとまりとして、先に自分の根拠を決めてから答え合わせをします。正答だけでなく、本文根拠・解き方・誤答のずれまで確認してください。

次の段階へ進む目安は何ですか?

正解数だけで判断せず、選んだ根拠を本文から説明でき、記述問題を採点観点に沿って一度書き直せるようになったら次へ進みます。

難しい場合はどう戻ればよいですか?

同じ日の解説を読み直し、焦点語と本文根拠を一つずつ確認します。それでも難しい場合は、同学年の基礎100問へ戻り、本文の直接根拠を説明できるか確認してください。

大学入試の読解へどうつながりますか?

評論の論証、古文文法、漢文句法、複数文章を段階的に扱います。字数を埋める前に、条件・反例・根拠の関係を短く整理してください。

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