- 自分が何者かという持続的な認識
- 複雑な対象を重要な関係に絞って表すこと
- 二つの変数が連動して変化する関係
- 人が何をどのように知るかを問う考え
毎日の国語・藤原式ドリル国語
高2 基礎
100問
第1問〜第100問。本文に書かれた手がかりを正確に拾うための20日分です。1日1本文・5問で、語彙から記述まで同じ手順を反復します。
高校2年生の到達目標
反論、論証評価、複数文章統合、古典読解、要約を身につける
大学入試を見据え、筆者の前提と論証の限界まで検討します。
100 QUESTIONS MAP
高校2年生・基礎100問の見取り図
第1日〜第20日・第1問〜第100問を、1日5問で進めます。語彙、文構造、本文根拠、関係・推論、要約・表現を同じ題材でつなぎます。
- 到達目標
- 反論、論証評価、複数文章統合、古典読解、要約を身につける
- この段階のねらい
- 基本語彙と直接根拠を確かめる力
- よくあるつまずき
- 印象だけで選ばず、語の意味・指示語・出来事の順序を本文の言葉で確かめます。

20日分の焦点語を見る
認識論、存在論、方法論、パラダイム、ナラティブ、アイデンティティ、他者性、共同主観、間主観性、身体性、抽象化、モデル化、操作化、標本、母集団、偏見、バイアス、相関、因果推論、交絡
ジャンル名を選ぶと、そのジャンルが最初に現れる学習日へ移動します。問題数・ジャンル数・焦点語は公開中の教材カタログから表示しています。
聞こえなかった拍手
物語・随筆・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
聞こえなかった拍手
灯は講堂で、手話を交えた発表を成功させることになった。ところが、練習では手元が暗く手話が見えにくかった。灯の胸には不安が広がった。
一度は声を大きくすることも考えた。しかし、蒼生と短く相談し、照明の位置と背景色を変え、見え方を確かめた。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。
その途中で、伝わる方法は耳で聞くものだけではないと分かった。やがて、声と手の両方で内容が届き、発表後に手を振る拍手が広がった。灯の気持ちは感動へ変わった。
【語彙の視点】今日の焦点語は「認識論」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。
「どうして、その方法でよいと思ったの」と蒼生が尋ねた。灯はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料より不安に引かれていたことに気づいた。
その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。
蒼生は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。灯は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。
作業を終えた後、灯は「光の中で揺れた手のひら」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。
翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。灯は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。
記録には、採用した案だけでなく、退けた「声を大きくする」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。
数週間後、よく似た問題が起きたが、前回とは条件が一つ違った。灯は前の答えを写さず、その違いを最初に書き出した。過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「認識論」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:人が何をどのように知るかを問う考え
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「人が何をどのように知るかを問う考え」と用例「錯覚の事例を手がかりに、知覚を信頼できるかという認識論の問いを考えた。」。
解き方:「認識論」は、人が何をどのように知るかを問う考えという意味です。読みは「にんしきろん」です。例文:錯覚の事例を手がかりに、知覚を信頼できるかという認識論の問いを考えた。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
第1〜3段落の出来事を四つの段階に分けたものとして、最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:問題が起きる→「声を大きくする」と迷う→手がかりを確かめる→「感動」へ変わる
本文根拠:第1段落から第3段落までの順序。
解き方:冒頭の問題、迷った「声を大きくする」、実際の確認、最後の「感動」を順に追います。
本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:蒼生が反対の結果になりそうな手がかりを問い、灯が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した
本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という蒼生の問いと、灯の再点検。
解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。
数週間後のよく似た問題で、主人公が前回の答えを写さず条件の違いから始めた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:過去の経験をそのまま答えとして写さず、前回と違う条件を見つけて問い直す出発点にするため
本文根拠:数週間後の段落にある『過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった』というまとめ。
解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。
主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:灯は不安に引かれ、「声を大きくする」と考えたが、照明の位置と背景色を変え、見え方を確かめた。その結果、伝わる方法は耳で聞くものだけではないと分かった。気持ちは感動へ変わった。さらに、蒼生から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。後の似た問題では前回の答えを写さず、条件の違いを書き出し、過去の経験を問い直す出発点として用いた。この過程は、「受け取り方の違いを知ると表現の幅が広がること」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。
本文根拠:初め=声を大きくする、確認=照明の位置と背景色を変え、見え方を確かめた、発見=伝わる方法は耳で聞くものだけではないと分かった、反証=蒼生の問い、条件=影響・資料、教訓=受け取り方の違いを知ると表現の幅が広がること。
解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。
採点観点
- 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
- 発見と心情の変化を因果で示している
- 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
- 条件に応じて確認順を変える必要を含む
- 退けた案と理由を記録する意味を示している
- 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
みんなの空気
説明文・評論・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
みんなの空気
公共財が一人だけでは守りにくい理由について考えてみよう。よくある見方は、「料金を払わない人を全員除けば公共の問題は解決する」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。
中心となる仕組みは、多くの人が同時に利用し一人を排除しにくい資源がある。たとえば、きれいな空気や街灯の安全は利用者を一人ずつ分けにくい。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。
【語彙の視点】今日の焦点語は「存在論」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。
ただし、公共性の程度や管理方法は資源ごとに異なる。そのため、費用と利益が誰に及ぶかを地図やデータで示すことが必要になる。本文では、結論を「共同の資源は個人の善意だけでなく持続する制度で支える必要がある」とまとめる。
この仕組みを調べる班は、まず「公共財」「制度」「負担」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。
本文の例は「きれいな空気や街灯の安全は利用者を一人ずつ分けにくい」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。
確かめるために、費用と利益が誰に及ぶかを地図やデータで示す。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。
別の班は「料金を払わない人を全員除けば公共の問題は解決する」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。
さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「公共性の程度や管理方法は資源ごとに異なる」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。
まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。
同じ考えを別の事例へ移すとき、表面の言葉だけは使わなかった。対象、条件、確認方法、例外の四点が対応するかを調べ、対応しない部分は新しい問いとして残した。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「存在論」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:何がどのような仕方で存在するかを問う考え
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「何がどのような仕方で存在するかを問う考え」と用例「仮想空間の人物は存在するといえるか、存在論の観点から議論した。」。
解き方:「存在論」は、何がどのような仕方で存在するかを問う考えという意味です。読みは「そんざいろん」です。例文:仮想空間の人物は存在するといえるか、存在論の観点から議論した。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
「きれいな空気や街灯の安全は利用者を一人ずつ分けにくい」という例が置かれた役割を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:「多くの人が同時に利用し一人を排除しにくい資源がある」という仕組みを、具体的な場面で示すため
本文根拠:第2段落の仕組みと具体例の対応。
解き方:例の直前にある一般的な仕組みと、例の中の出来事を対応させます。
二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから
本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。
解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。
本文の考えを別の事例へ移す前に、対象・条件・確認方法・例外を対応させた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:表面の言葉が似ているだけの事例へ結論を広げず、どこまで同じ説明が使えるかを確かめるため
本文根拠:別の事例へ移す際、四点の対応を調べ、合わない部分を新しい問いとして残した段落。
解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。
本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:筆者は、多くの人が同時に利用し一人を排除しにくい資源があると説明し、例として「きれいな空気や街灯の安全は利用者を一人ずつ分けにくい」を挙げる。一方で、公共性の程度や管理方法は資源ごとに異なるため、費用と利益が誰に及ぶかを地図やデータで示す必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。別の事例へ移すときは、対象・条件・確認方法・例外が対応するかを調べ、合わない部分を新しい問いとして残した。以上から、結論は「共同の資源は個人の善意だけでなく持続する制度で支える必要がある」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。
本文根拠:仕組み=多くの人が同時に利用し一人を排除しにくい資源がある、限界=公共性の程度や管理方法は資源ごとに異なる、方法=費用と利益が誰に及ぶかを地図やデータで示す、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=共同の資源は個人の善意だけでなく持続する制度で支える必要がある。
解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。
採点観点
- 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
- 限界と確認方法を因果で結んでいる
- 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
- 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
- 本文の結論を条件付きで示している
- 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
ほどけた結び目
物語・随筆・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
ほどけた結び目
航は野外活動場で、荷物を安全に運ぶロープを結ぶことになった。ところが、見本の結び目が途中でほどけた。航の胸には悔しさが広がった。
一度は力いっぱい引くだけで直すことも考えた。しかし、雫と短く相談し、結び方の順序を図と実物で一段ずつ確かめた。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。
その途中で、強さより構造が安定を決めると分かった。やがて、全員が理由を説明しながら正しい結び方を再現した。航の気持ちは自信へ変わった。
【語彙の視点】今日の焦点語は「方法論」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。
「どうして、その方法でよいと思ったの」と雫が尋ねた。航はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料より悔しさに引かれていたことに気づいた。
その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。
雫は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。航は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。
作業を終えた後、航は「指先に残った小さな輪」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。
翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。航は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。
記録には、採用した案だけでなく、退けた「力いっぱい引くだけで直す」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。
数週間後、よく似た問題が起きたが、前回とは条件が一つ違った。航は前の答えを写さず、その違いを最初に書き出した。過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「方法論」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:研究や思考を進める方法についての考え
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「研究や思考を進める方法についての考え」と用例「同じ社会現象を統計と聞き取りで調べ、方法論の違いを比較した。」。
解き方:「方法論」は、研究や思考を進める方法についての考えという意味です。読みは「ほうほうろん」です。例文:同じ社会現象を統計と聞き取りで調べ、方法論の違いを比較した。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
第1〜3段落の出来事を四つの段階に分けたものとして、最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:問題が起きる→「力いっぱい引くだけで直す」と迷う→手がかりを確かめる→「自信」へ変わる
本文根拠:第1段落から第3段落までの順序。
解き方:冒頭の問題、迷った「力いっぱい引くだけで直す」、実際の確認、最後の「自信」を順に追います。
本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:雫が反対の結果になりそうな手がかりを問い、航が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した
本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という雫の問いと、航の再点検。
解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。
数週間後のよく似た問題で、主人公が前回の答えを写さず条件の違いから始めた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:過去の経験をそのまま答えとして写さず、前回と違う条件を見つけて問い直す出発点にするため
本文根拠:数週間後の段落にある『過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった』というまとめ。
解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。
主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:航は悔しさに引かれ、「力いっぱい引くだけで直す」と考えたが、結び方の順序を図と実物で一段ずつ確かめた。その結果、強さより構造が安定を決めると分かった。気持ちは自信へ変わった。さらに、雫から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。後の似た問題では前回の答えを写さず、条件の違いを書き出し、過去の経験を問い直す出発点として用いた。この過程は、「手順を覚えるだけでなく働きを理解すること」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。
本文根拠:初め=力いっぱい引くだけで直す、確認=結び方の順序を図と実物で一段ずつ確かめた、発見=強さより構造が安定を決めると分かった、反証=雫の問い、条件=影響・資料、教訓=手順を覚えるだけでなく働きを理解すること。
解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。
採点観点
- 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
- 発見と心情の変化を因果で示している
- 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
- 条件に応じて確認順を変える必要を含む
- 退けた案と理由を記録する意味を示している
- 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
決めきれないときの決定
説明文・評論・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
決めきれないときの決定
不確実な状況でも行動を選ぶための考え方について考えてみよう。よくある見方は、「情報が完全に集まるまで何も決めてはいけない」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。
中心となる仕組みは、起こる可能性と起きた場合の影響と後から直せるかを比べる。たとえば、大雨予報では確率が低くても避難の遅れが大きな損失になる。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。
【語彙の視点】今日の焦点語は「パラダイム」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。
ただし、不安を大きく感じるだけで可能性を判断すると偏る。そのため、複数のシナリオと見直し時点を決めることが必要になる。本文では、結論を「よい決定は未来を当てることではなく誤りを修正できる形を選ぶことである」とまとめる。
この仕組みを調べる班は、まず「不確実性」「リスク」「可逆性」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。
本文の例は「大雨予報では確率が低くても避難の遅れが大きな損失になる」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。
確かめるために、複数のシナリオと見直し時点を決める。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。
別の班は「情報が完全に集まるまで何も決めてはいけない」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。
さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「不安を大きく感じるだけで可能性を判断すると偏る」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。
まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。
同じ考えを別の事例へ移すとき、表面の言葉だけは使わなかった。対象、条件、確認方法、例外の四点が対応するかを調べ、対応しない部分は新しい問いとして残した。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「パラダイム」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:ある時代に共有される考え方の基本枠
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「ある時代に共有される考え方の基本枠」と用例「新たな観測技術が、それまでの研究パラダイムを変えた。」。
解き方:「パラダイム」は、ある時代に共有される考え方の基本枠という意味です。読みは「ぱらだいむ」です。例文:新たな観測技術が、それまでの研究パラダイムを変えた。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
「大雨予報では確率が低くても避難の遅れが大きな損失になる」という例が置かれた役割を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:「起こる可能性と起きた場合の影響と後から直せるかを比べる」という仕組みを、具体的な場面で示すため
本文根拠:第2段落の仕組みと具体例の対応。
解き方:例の直前にある一般的な仕組みと、例の中の出来事を対応させます。
二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから
本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。
解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。
本文の考えを別の事例へ移す前に、対象・条件・確認方法・例外を対応させた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:表面の言葉が似ているだけの事例へ結論を広げず、どこまで同じ説明が使えるかを確かめるため
本文根拠:別の事例へ移す際、四点の対応を調べ、合わない部分を新しい問いとして残した段落。
解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。
本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:筆者は、起こる可能性と起きた場合の影響と後から直せるかを比べると説明し、例として「大雨予報では確率が低くても避難の遅れが大きな損失になる」を挙げる。一方で、不安を大きく感じるだけで可能性を判断すると偏るため、複数のシナリオと見直し時点を決める必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。別の事例へ移すときは、対象・条件・確認方法・例外が対応するかを調べ、合わない部分を新しい問いとして残した。以上から、結論は「よい決定は未来を当てることではなく誤りを修正できる形を選ぶことである」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。
本文根拠:仕組み=起こる可能性と起きた場合の影響と後から直せるかを比べる、限界=不安を大きく感じるだけで可能性を判断すると偏る、方法=複数のシナリオと見直し時点を決める、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=よい決定は未来を当てることではなく誤りを修正できる形を選ぶことである。
解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。
採点観点
- 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
- 限界と確認方法を因果で結んでいる
- 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
- 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
- 本文の結論を条件付きで示している
- 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
消し忘れた一文
物語・随筆・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
消し忘れた一文
和花は文芸部室で、短編作品を推敲して部誌へ載せることになった。ところが、削ったはずの説明が別の段落に残っていた。和花の胸には惜しさが広がった。
一度は誤字だけ直して提出することも考えた。しかし、悠真と短く相談し、人物の行動と説明の重なりを読み比べた。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。
その途中で、説明を減らすと読者が行動から心情を考えられると分かった。やがて、一文を削り、余白のある結末に整えた。和花の気持ちは静かな満足へ変わった。
【語彙の視点】今日の焦点語は「ナラティブ」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。
「どうして、その方法でよいと思ったの」と悠真が尋ねた。和花はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料より惜しさに引かれていたことに気づいた。
その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。
悠真は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。和花は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。
作業を終えた後、和花は「原稿に残った細い消し跡」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。
翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。和花は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。
記録には、採用した案だけでなく、退けた「誤字だけ直して提出する」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。
数週間後、よく似た問題が起きたが、前回とは条件が一つ違った。和花は前の答えを写さず、その違いを最初に書き出した。過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「ナラティブ」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:出来事を意味あるつながりとして語る枠組み
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「出来事を意味あるつながりとして語る枠組み」と用例「散らばった出来事を成功物語として結ぶナラティブに偏りがないか考えた。」。
解き方:「ナラティブ」は、出来事を意味あるつながりとして語る枠組みという意味です。読みは「ならてぃぶ」です。例文:散らばった出来事を成功物語として結ぶナラティブに偏りがないか考えた。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
第1〜3段落の出来事を四つの段階に分けたものとして、最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:問題が起きる→「誤字だけ直して提出する」と迷う→手がかりを確かめる→「静かな満足」へ変わる
本文根拠:第1段落から第3段落までの順序。
解き方:冒頭の問題、迷った「誤字だけ直して提出する」、実際の確認、最後の「静かな満足」を順に追います。
本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:悠真が反対の結果になりそうな手がかりを問い、和花が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した
本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という悠真の問いと、和花の再点検。
解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。
数週間後のよく似た問題で、主人公が前回の答えを写さず条件の違いから始めた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:過去の経験をそのまま答えとして写さず、前回と違う条件を見つけて問い直す出発点にするため
本文根拠:数週間後の段落にある『過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった』というまとめ。
解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。
主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:和花は惜しさに引かれ、「誤字だけ直して提出する」と考えたが、人物の行動と説明の重なりを読み比べた。その結果、説明を減らすと読者が行動から心情を考えられると分かった。気持ちは静かな満足へ変わった。さらに、悠真から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。後の似た問題では前回の答えを写さず、条件の違いを書き出し、過去の経験を問い直す出発点として用いた。この過程は、「書かないことで伝わる内容もあること」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。
本文根拠:初め=誤字だけ直して提出する、確認=人物の行動と説明の重なりを読み比べた、発見=説明を減らすと読者が行動から心情を考えられると分かった、反証=悠真の問い、条件=影響・資料、教訓=書かないことで伝わる内容もあること。
解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。
採点観点
- 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
- 発見と心情の変化を因果で示している
- 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
- 条件に応じて確認順を変える必要を含む
- 退けた案と理由を記録する意味を示している
- 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
木陰の温度
説明文・評論・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
木陰の温度
街路樹の木陰が夏の歩道を冷やす仕組みについて考えてみよう。よくある見方は、「木陰は日光を遮るだけなので木の種類は関係ない」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。
中心となる仕組みは、葉が光を遮り水分を蒸発させる二つの働きが温度へ影響する。たとえば、同じ時刻に舗装面と木陰を測ると表面温度に差が出る。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。
【語彙の視点】今日の焦点語は「アイデンティティ」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。
ただし、風や湿度や測る高さが違えば単純比較はできない。そのため、条件をそろえて複数日に測ることが必要になる。本文では、結論を「都市の暑さ対策は木の本数だけでなく配置や管理まで考える必要がある」とまとめる。
この仕組みを調べる班は、まず「遮光」「蒸散」「測定」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。
本文の例は「同じ時刻に舗装面と木陰を測ると表面温度に差が出る」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。
確かめるために、条件をそろえて複数日に測る。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。
別の班は「木陰は日光を遮るだけなので木の種類は関係ない」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。
さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「風や湿度や測る高さが違えば単純比較はできない」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。
まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。
同じ考えを別の事例へ移すとき、表面の言葉だけは使わなかった。対象、条件、確認方法、例外の四点が対応するかを調べ、対応しない部分は新しい問いとして残した。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「アイデンティティ」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:自分が何者かという持続的な認識
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「自分が何者かという持続的な認識」と用例「複数の言語を使う経験が、主人公のアイデンティティを形づくる。」。
解き方:「アイデンティティ」は、自分が何者かという持続的な認識という意味です。読みは「あいでんてぃてぃ」です。例文:複数の言語を使う経験が、主人公のアイデンティティを形づくる。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
「同じ時刻に舗装面と木陰を測ると表面温度に差が出る」という例が置かれた役割を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:「葉が光を遮り水分を蒸発させる二つの働きが温度へ影響する」という仕組みを、具体的な場面で示すため
本文根拠:第2段落の仕組みと具体例の対応。
解き方:例の直前にある一般的な仕組みと、例の中の出来事を対応させます。
二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから
本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。
解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。
本文の考えを別の事例へ移す前に、対象・条件・確認方法・例外を対応させた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:表面の言葉が似ているだけの事例へ結論を広げず、どこまで同じ説明が使えるかを確かめるため
本文根拠:別の事例へ移す際、四点の対応を調べ、合わない部分を新しい問いとして残した段落。
解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。
本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:筆者は、葉が光を遮り水分を蒸発させる二つの働きが温度へ影響すると説明し、例として「同じ時刻に舗装面と木陰を測ると表面温度に差が出る」を挙げる。一方で、風や湿度や測る高さが違えば単純比較はできないため、条件をそろえて複数日に測る必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。別の事例へ移すときは、対象・条件・確認方法・例外が対応するかを調べ、合わない部分を新しい問いとして残した。以上から、結論は「都市の暑さ対策は木の本数だけでなく配置や管理まで考える必要がある」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。
本文根拠:仕組み=葉が光を遮り水分を蒸発させる二つの働きが温度へ影響する、限界=風や湿度や測る高さが違えば単純比較はできない、方法=条件をそろえて複数日に測る、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=都市の暑さ対策は木の本数だけでなく配置や管理まで考える必要がある。
解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。
採点観点
- 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
- 限界と確認方法を因果で結んでいる
- 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
- 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
- 本文の結論を条件付きで示している
- 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
違う速さの二人
物語・随筆・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
違う速さの二人
澪は地域マラソンコースで、伴走の練習で二人の歩調を合わせることになった。ところが、速い方が先へ出ると声が届かなかった。澪の胸には焦燥が広がった。
一度は遅い方に無理をさせることも考えた。しかし、翔と短く相談し、呼吸と合図の間隔を話し合い、短い区間で試した。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。
その途中で、同じ速さではなく互いに予測できる速さが必要だと分かった。やがて、二人は安心して最後まで走り切った。澪の気持ちは信頼へ変わった。
【語彙の視点】今日の焦点語は「他者性」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。
「どうして、その方法でよいと思ったの」と翔が尋ねた。澪はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料より焦燥に引かれていたことに気づいた。
その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。
翔は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。澪は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。
作業を終えた後、澪は「並んで伸びた二つの影」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。
翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。澪は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。
記録には、採用した案だけでなく、退けた「遅い方に無理をさせる」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。
数週間後、よく似た問題が起きたが、前回とは条件が一つ違った。澪は前の答えを写さず、その違いを最初に書き出した。過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「他者性」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:自分の理解へ完全には回収できない他者の性質
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「自分の理解へ完全には回収できない他者の性質」と用例「相手を完全に理解したと思い込まず、その他者性に向き合った。」。
解き方:「他者性」は、自分の理解へ完全には回収できない他者の性質という意味です。読みは「たしゃせい」です。例文:相手を完全に理解したと思い込まず、その他者性に向き合った。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
第1〜3段落の出来事を四つの段階に分けたものとして、最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:問題が起きる→「遅い方に無理をさせる」と迷う→手がかりを確かめる→「信頼」へ変わる
本文根拠:第1段落から第3段落までの順序。
解き方:冒頭の問題、迷った「遅い方に無理をさせる」、実際の確認、最後の「信頼」を順に追います。
本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:翔が反対の結果になりそうな手がかりを問い、澪が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した
本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という翔の問いと、澪の再点検。
解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。
数週間後のよく似た問題で、主人公が前回の答えを写さず条件の違いから始めた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:過去の経験をそのまま答えとして写さず、前回と違う条件を見つけて問い直す出発点にするため
本文根拠:数週間後の段落にある『過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった』というまとめ。
解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。
主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:澪は焦燥に引かれ、「遅い方に無理をさせる」と考えたが、呼吸と合図の間隔を話し合い、短い区間で試した。その結果、同じ速さではなく互いに予測できる速さが必要だと分かった。気持ちは信頼へ変わった。さらに、翔から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。後の似た問題では前回の答えを写さず、条件の違いを書き出し、過去の経験を問い直す出発点として用いた。この過程は、「相手に合わせることは一方的に遅くすることではないこと」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。
本文根拠:初め=遅い方に無理をさせる、確認=呼吸と合図の間隔を話し合い、短い区間で試した、発見=同じ速さではなく互いに予測できる速さが必要だと分かった、反証=翔の問い、条件=影響・資料、教訓=相手に合わせることは一方的に遅くすることではないこと。
解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。
採点観点
- 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
- 発見と心情の変化を因果で示している
- 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
- 条件に応じて確認順を変える必要を含む
- 退けた案と理由を記録する意味を示している
- 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
返す容器
説明文・評論・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
復習語:認識論(にんしきろん)返す容器
再使用できる容器がごみを減らす条件について考えてみよう。よくある見方は、「繰り返し使える物なら必ず環境への負担が小さい」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。
中心となる仕組みは、製造・回収・洗浄・輸送まで含めて比べる必要がある。たとえば、近い地域で高い回収率を保つ仕組みは使い捨て量を減らしやすい。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。
【語彙の視点】今日の焦点語は「共同主観」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。
ただし、遠距離輸送や大量の洗浄水が必要なら利点は小さくなる。そのため、一回だけでなく決めた回数まで実際に戻るか記録することが必要になる。本文では、結論を「物の素材だけで善悪を決めず利用の仕組み全体を見ることが重要である」とまとめる。
【7日前の復習】「認識論」とも比べてみよう。焦点語と復習語は同じ意味ではない。本文のどの部分にそれぞれを使えるか、使えないかを分けると、語の違いがはっきりする。
この仕組みを調べる班は、まず「再使用」「回収率」「循環」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。
本文の例は「近い地域で高い回収率を保つ仕組みは使い捨て量を減らしやすい」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。
確かめるために、一回だけでなく決めた回数まで実際に戻るか記録する。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。
別の班は「繰り返し使える物なら必ず環境への負担が小さい」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。
さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「遠距離輸送や大量の洗浄水が必要なら利点は小さくなる」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。
まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。
同じ考えを別の事例へ移すとき、表面の言葉だけは使わなかった。対象、条件、確認方法、例外の四点が対応するかを調べ、対応しない部分は新しい問いとして残した。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「共同主観」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:複数の人の間で共有される理解
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「複数の人の間で共有される理解」と用例「教室で共有された『普通』は、仲間同士の共同主観に支えられている。」。
解き方:「共同主観」は、複数の人の間で共有される理解という意味です。読みは「きょうどうしゅかん」です。例文:教室で共有された『普通』は、仲間同士の共同主観に支えられている。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
「近い地域で高い回収率を保つ仕組みは使い捨て量を減らしやすい」という例が置かれた役割を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:「製造・回収・洗浄・輸送まで含めて比べる必要がある」という仕組みを、具体的な場面で示すため
本文根拠:第2段落の仕組みと具体例の対応。
解き方:例の直前にある一般的な仕組みと、例の中の出来事を対応させます。
二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから
本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。
解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。
本文の考えを別の事例へ移す前に、対象・条件・確認方法・例外を対応させた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:表面の言葉が似ているだけの事例へ結論を広げず、どこまで同じ説明が使えるかを確かめるため
本文根拠:別の事例へ移す際、四点の対応を調べ、合わない部分を新しい問いとして残した段落。
解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。
本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:筆者は、製造・回収・洗浄・輸送まで含めて比べる必要があると説明し、例として「近い地域で高い回収率を保つ仕組みは使い捨て量を減らしやすい」を挙げる。一方で、遠距離輸送や大量の洗浄水が必要なら利点は小さくなるため、一回だけでなく決めた回数まで実際に戻るか記録する必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。別の事例へ移すときは、対象・条件・確認方法・例外が対応するかを調べ、合わない部分を新しい問いとして残した。以上から、結論は「物の素材だけで善悪を決めず利用の仕組み全体を見ることが重要である」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。
本文根拠:仕組み=製造・回収・洗浄・輸送まで含めて比べる必要がある、限界=遠距離輸送や大量の洗浄水が必要なら利点は小さくなる、方法=一回だけでなく決めた回数まで実際に戻るか記録する、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=物の素材だけで善悪を決めず利用の仕組み全体を見ることが重要である。
解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。
採点観点
- 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
- 限界と確認方法を因果で結んでいる
- 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
- 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
- 本文の結論を条件付きで示している
- 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
薄いラベル
物語・随筆・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
復習語:存在論(そんざいろん)薄いラベル
葵は図書室で、返された本を正しい棚へ戻すことになった。ところが、一冊だけ分類ラベルが薄れて読めなかった。葵の胸にはあせりが広がった。
一度は表紙の色だけで棚を決めることも考えた。しかし、同級生の陸と短く相談し、奥付と分類表を照らし合わせ、司書にも確かめた。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。
その途中で、見た目の似た本でも扱うテーマが異なると分かった。やがて、本は正しい棚へ戻り、探しに来た下級生も迷わず見つけた。葵の気持ちは静かな自信へ変わった。
【語彙の視点】今日の焦点語は「間主観性」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。
【7日前の復習】「存在論」とも比べてみよう。二つは同じ意味ではない。本文を説明するのに使えるなら根拠となる場面を示し、使いにくいなら、その違いを言葉にする。
「どうして、その方法でよいと思ったの」と同級生の陸が尋ねた。葵はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料よりあせりに引かれていたことに気づいた。
その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。
同級生の陸は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。葵は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。
作業を終えた後、葵は「本の背で光る薄いラベル」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。
翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。葵は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。
記録には、採用した案だけでなく、退けた「表紙の色だけで棚を決める」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。
数週間後、よく似た問題が起きたが、前回とは条件が一つ違った。葵は前の答えを写さず、その違いを最初に書き出した。過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「間主観性」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:主体同士の関係から成り立つ意味や了解
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「主体同士の関係から成り立つ意味や了解」と用例「言葉の意味が対話の中で成立する点を、間主観性から説明した。」。
解き方:「間主観性」は、主体同士の関係から成り立つ意味や了解という意味です。読みは「かんしゅかんせい」です。例文:言葉の意味が対話の中で成立する点を、間主観性から説明した。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
第1〜3段落の出来事を四つの段階に分けたものとして、最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:問題が起きる→「表紙の色だけで棚を決める」と迷う→手がかりを確かめる→「静かな自信」へ変わる
本文根拠:第1段落から第3段落までの順序。
解き方:冒頭の問題、迷った「表紙の色だけで棚を決める」、実際の確認、最後の「静かな自信」を順に追います。
本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:同級生の陸が反対の結果になりそうな手がかりを問い、葵が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した
本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という同級生の陸の問いと、葵の再点検。
解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。
数週間後のよく似た問題で、主人公が前回の答えを写さず条件の違いから始めた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:過去の経験をそのまま答えとして写さず、前回と違う条件を見つけて問い直す出発点にするため
本文根拠:数週間後の段落にある『過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった』というまとめ。
解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。
主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:葵はあせりに引かれ、「表紙の色だけで棚を決める」と考えたが、奥付と分類表を照らし合わせ、司書にも確かめた。その結果、見た目の似た本でも扱うテーマが異なると分かった。気持ちは静かな自信へ変わった。さらに、同級生の陸から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。後の似た問題では前回の答えを写さず、条件の違いを書き出し、過去の経験を問い直す出発点として用いた。この過程は、「急ぐときほど複数の手がかりを確かめること」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。
本文根拠:初め=表紙の色だけで棚を決める、確認=奥付と分類表を照らし合わせ、司書にも確かめた、発見=見た目の似た本でも扱うテーマが異なると分かった、反証=同級生の陸の問い、条件=影響・資料、教訓=急ぐときほど複数の手がかりを確かめること。
解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。
採点観点
- 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
- 発見と心情の変化を因果で示している
- 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
- 条件に応じて確認順を変える必要を含む
- 退けた案と理由を記録する意味を示している
- 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
本の住所
説明文・評論・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
復習語:方法論(ほうほうろん)本の住所
図書館の分類番号が本を探す手がかりになる仕組みについて考えてみよう。よくある見方は、「同じ題名の本はいつも同じ棚に置けばよい」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。
中心となる仕組みは、題材と分野を段階的な番号で表し似た内容を近くへ集める。たとえば、料理の歴史と料理の作り方は題名が似ても別の分野に置かれる。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。
【語彙の視点】今日の焦点語は「身体性」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。
ただし、複数分野にまたがる本では主な目的を判断する必要がある。そのため、番号だけでなく件名や目次も合わせて検索することが必要になる。本文では、結論を「分類は世界を一つに決める真理ではなく探しやすくするための約束である」とまとめる。
【7日前の復習】「方法論」とも比べてみよう。焦点語と復習語は同じ意味ではない。本文のどの部分にそれぞれを使えるか、使えないかを分けると、語の違いがはっきりする。
この仕組みを調べる班は、まず「分類」「件名」「検索」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。
本文の例は「料理の歴史と料理の作り方は題名が似ても別の分野に置かれる」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。
確かめるために、番号だけでなく件名や目次も合わせて検索する。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。
別の班は「同じ題名の本はいつも同じ棚に置けばよい」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。
さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「複数分野にまたがる本では主な目的を判断する必要がある」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。
まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。
同じ考えを別の事例へ移すとき、表面の言葉だけは使わなかった。対象、条件、確認方法、例外の四点が対応するかを調べ、対応しない部分は新しい問いとして残した。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「身体性」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:身体を通して認識や行為が成り立つ性質
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「身体を通して認識や行為が成り立つ性質」と用例「紙の本をめくる感覚に注目し、読書経験の身体性を論じた。」。
解き方:「身体性」は、身体を通して認識や行為が成り立つ性質という意味です。読みは「しんたいせい」です。例文:紙の本をめくる感覚に注目し、読書経験の身体性を論じた。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
「料理の歴史と料理の作り方は題名が似ても別の分野に置かれる」という例が置かれた役割を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:「題材と分野を段階的な番号で表し似た内容を近くへ集める」という仕組みを、具体的な場面で示すため
本文根拠:第2段落の仕組みと具体例の対応。
解き方:例の直前にある一般的な仕組みと、例の中の出来事を対応させます。
二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから
本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。
解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。
本文の考えを別の事例へ移す前に、対象・条件・確認方法・例外を対応させた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:表面の言葉が似ているだけの事例へ結論を広げず、どこまで同じ説明が使えるかを確かめるため
本文根拠:別の事例へ移す際、四点の対応を調べ、合わない部分を新しい問いとして残した段落。
解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。
本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:筆者は、題材と分野を段階的な番号で表し似た内容を近くへ集めると説明し、例として「料理の歴史と料理の作り方は題名が似ても別の分野に置かれる」を挙げる。一方で、複数分野にまたがる本では主な目的を判断する必要があるため、番号だけでなく件名や目次も合わせて検索する必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。別の事例へ移すときは、対象・条件・確認方法・例外が対応するかを調べ、合わない部分を新しい問いとして残した。以上から、結論は「分類は世界を一つに決める真理ではなく探しやすくするための約束である」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。
本文根拠:仕組み=題材と分野を段階的な番号で表し似た内容を近くへ集める、限界=複数分野にまたがる本では主な目的を判断する必要がある、方法=番号だけでなく件名や目次も合わせて検索する、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=分類は世界を一つに決める真理ではなく探しやすくするための約束である。
解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。
採点観点
- 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
- 限界と確認方法を因果で結んでいる
- 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
- 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
- 本文の結論を条件付きで示している
- 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
風で飛んだ設計図
物語・随筆・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
復習語:パラダイム(ぱらだいむ)風で飛んだ設計図
直樹は体育館で、文化祭の舞台背景を仲間と完成させることになった。ところが、窓から入った風で設計図の一部が飛ばされた。直樹の胸には不安が広がった。
一度は記憶だけを頼りに線を引くことも考えた。しかし、美緒と短く相談し、残った寸法と写真を並べ、担当ごとの記録を集めた。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。
その途中で、別々の記録を重ねると欠けた形を復元できると分かった。やがて、背景は予定時刻までに完成し、全員が自分の担当を説明できた。直樹の気持ちは連帯感へ変わった。
【語彙の視点】今日の焦点語は「抽象化」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。
【7日前の復習】「パラダイム」とも比べてみよう。二つは同じ意味ではない。本文を説明するのに使えるなら根拠となる場面を示し、使いにくいなら、その違いを言葉にする。
「どうして、その方法でよいと思ったの」と美緒が尋ねた。直樹はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料より不安に引かれていたことに気づいた。
その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。
美緒は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。直樹は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。
作業を終えた後、直樹は「貼り直された設計図の角」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。
翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。直樹は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。
記録には、採用した案だけでなく、退けた「記憶だけを頼りに線を引く」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。
数週間後、よく似た問題が起きたが、前回とは条件が一つ違った。直樹は前の答えを写さず、その違いを最初に書き出した。過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「抽象化」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:個別差を離れて共通構造を取り出すこと
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「個別差を離れて共通構造を取り出すこと」と用例「個々の会話から共通する応答の型を抽象化した。」。
解き方:「抽象化」は、個別差を離れて共通構造を取り出すことという意味です。読みは「ちゅうしょうか」です。例文:個々の会話から共通する応答の型を抽象化した。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
第1〜3段落の出来事を四つの段階に分けたものとして、最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:問題が起きる→「記憶だけを頼りに線を引く」と迷う→手がかりを確かめる→「連帯感」へ変わる
本文根拠:第1段落から第3段落までの順序。
解き方:冒頭の問題、迷った「記憶だけを頼りに線を引く」、実際の確認、最後の「連帯感」を順に追います。
本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:美緒が反対の結果になりそうな手がかりを問い、直樹が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した
本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という美緒の問いと、直樹の再点検。
解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。
数週間後のよく似た問題で、主人公が前回の答えを写さず条件の違いから始めた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:過去の経験をそのまま答えとして写さず、前回と違う条件を見つけて問い直す出発点にするため
本文根拠:数週間後の段落にある『過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった』というまとめ。
解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。
主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:直樹は不安に引かれ、「記憶だけを頼りに線を引く」と考えたが、残った寸法と写真を並べ、担当ごとの記録を集めた。その結果、別々の記録を重ねると欠けた形を復元できると分かった。気持ちは連帯感へ変わった。さらに、美緒から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。後の似た問題では前回の答えを写さず、条件の違いを書き出し、過去の経験を問い直す出発点として用いた。この過程は、「一人の記憶より共有した記録が強いこと」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。
本文根拠:初め=記憶だけを頼りに線を引く、確認=残った寸法と写真を並べ、担当ごとの記録を集めた、発見=別々の記録を重ねると欠けた形を復元できると分かった、反証=美緒の問い、条件=影響・資料、教訓=一人の記憶より共有した記録が強いこと。
解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。
採点観点
- 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
- 発見と心情の変化を因果で示している
- 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
- 条件に応じて確認順を変える必要を含む
- 退けた案と理由を記録する意味を示している
- 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
予報の幅
説明文・評論・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
復習語:ナラティブ(ならてぃぶ)予報の幅
天気予報が一つの未来ではなく可能性の幅を示す理由について考えてみよう。よくある見方は、「降水確率が低ければ絶対に雨は降らない」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。
中心となる仕組みは、観測値と複数の計算結果から一定地域・時間の可能性を表す。たとえば、同じ三十パーセントでも短時間の強い雨と弱い雨では備えが違う。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。
【語彙の視点】今日の焦点語は「モデル化」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。
ただし、予報の対象範囲や更新時刻を無視すると意味を取り違える。そのため、確率と影響の大きさを合わせて行動を決めることが必要になる。本文では、結論を「不確実な情報は役に立たないのではなく判断の幅を示す道具である」とまとめる。
【7日前の復習】「ナラティブ」とも比べてみよう。焦点語と復習語は同じ意味ではない。本文のどの部分にそれぞれを使えるか、使えないかを分けると、語の違いがはっきりする。
この仕組みを調べる班は、まず「確率」「更新」「不確実性」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。
本文の例は「同じ三十パーセントでも短時間の強い雨と弱い雨では備えが違う」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。
確かめるために、確率と影響の大きさを合わせて行動を決める。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。
別の班は「降水確率が低ければ絶対に雨は降らない」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。
さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「予報の対象範囲や更新時刻を無視すると意味を取り違える」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。
まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。
同じ考えを別の事例へ移すとき、表面の言葉だけは使わなかった。対象、条件、確認方法、例外の四点が対応するかを調べ、対応しない部分は新しい問いとして残した。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「モデル化」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:複雑な対象を重要な関係に絞って表すこと
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「複雑な対象を重要な関係に絞って表すこと」と用例「複雑な人口移動を、三つの要因に絞ってモデル化した。」。
解き方:「モデル化」は、複雑な対象を重要な関係に絞って表すことという意味です。読みは「もでるか」です。例文:複雑な人口移動を、三つの要因に絞ってモデル化した。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
「同じ三十パーセントでも短時間の強い雨と弱い雨では備えが違う」という例が置かれた役割を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:「観測値と複数の計算結果から一定地域・時間の可能性を表す」という仕組みを、具体的な場面で示すため
本文根拠:第2段落の仕組みと具体例の対応。
解き方:例の直前にある一般的な仕組みと、例の中の出来事を対応させます。
二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから
本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。
解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。
本文の考えを別の事例へ移す前に、対象・条件・確認方法・例外を対応させた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:表面の言葉が似ているだけの事例へ結論を広げず、どこまで同じ説明が使えるかを確かめるため
本文根拠:別の事例へ移す際、四点の対応を調べ、合わない部分を新しい問いとして残した段落。
解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。
本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:筆者は、観測値と複数の計算結果から一定地域・時間の可能性を表すと説明し、例として「同じ三十パーセントでも短時間の強い雨と弱い雨では備えが違う」を挙げる。一方で、予報の対象範囲や更新時刻を無視すると意味を取り違えるため、確率と影響の大きさを合わせて行動を決める必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。別の事例へ移すときは、対象・条件・確認方法・例外が対応するかを調べ、合わない部分を新しい問いとして残した。以上から、結論は「不確実な情報は役に立たないのではなく判断の幅を示す道具である」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。
本文根拠:仕組み=観測値と複数の計算結果から一定地域・時間の可能性を表す、限界=予報の対象範囲や更新時刻を無視すると意味を取り違える、方法=確率と影響の大きさを合わせて行動を決める、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=不確実な情報は役に立たないのではなく判断の幅を示す道具である。
解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。
採点観点
- 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
- 限界と確認方法を因果で結んでいる
- 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
- 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
- 本文の結論を条件付きで示している
- 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
雨上がりの白線
物語・随筆・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
復習語:アイデンティティ(あいでんてぃてぃ)雨上がりの白線
陽太は校庭で、運動会のリレー練習で走順を整えることになった。ところが、雨で白線が消え、交代位置が分からなくなった。陽太の胸にはくやしさが広がった。
一度は速い人だけで順番を決めることも考えた。しかし、凛と短く相談し、全員の走る距離と得意な動きを測り直した。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。
その途中で、速さだけでなく受け渡しの安定も記録すべきだと分かった。やがて、四人は失敗の少ない走順を選び、本番でも最後までバトンをつないだ。陽太の気持ちは納得へ変わった。
【語彙の視点】今日の焦点語は「操作化」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。
【7日前の復習】「アイデンティティ」とも比べてみよう。二つは同じ意味ではない。本文を説明するのに使えるなら根拠となる場面を示し、使いにくいなら、その違いを言葉にする。
「どうして、その方法でよいと思ったの」と凛が尋ねた。陽太はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料よりくやしさに引かれていたことに気づいた。
その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。
凛は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。陽太は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。
作業を終えた後、陽太は「雨上がりに引き直した白線」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。
翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。陽太は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。
記録には、採用した案だけでなく、退けた「速い人だけで順番を決める」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。
数週間後、よく似た問題が起きたが、前回とは条件が一つ違った。陽太は前の答えを写さず、その違いを最初に書き出した。過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「操作化」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:抽象概念を観察や測定が可能な形にすること
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「抽象概念を観察や測定が可能な形にすること」と用例「『幸福』を睡眠時間と自己評価で測るよう操作化した。」。
解き方:「操作化」は、抽象概念を観察や測定が可能な形にすることという意味です。読みは「そうさか」です。例文:『幸福』を睡眠時間と自己評価で測るよう操作化した。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
第1〜3段落の出来事を四つの段階に分けたものとして、最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:問題が起きる→「速い人だけで順番を決める」と迷う→手がかりを確かめる→「納得」へ変わる
本文根拠:第1段落から第3段落までの順序。
解き方:冒頭の問題、迷った「速い人だけで順番を決める」、実際の確認、最後の「納得」を順に追います。
本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:凛が反対の結果になりそうな手がかりを問い、陽太が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した
本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という凛の問いと、陽太の再点検。
解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。
数週間後のよく似た問題で、主人公が前回の答えを写さず条件の違いから始めた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:過去の経験をそのまま答えとして写さず、前回と違う条件を見つけて問い直す出発点にするため
本文根拠:数週間後の段落にある『過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった』というまとめ。
解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。
主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:陽太はくやしさに引かれ、「速い人だけで順番を決める」と考えたが、全員の走る距離と得意な動きを測り直した。その結果、速さだけでなく受け渡しの安定も記録すべきだと分かった。気持ちは納得へ変わった。さらに、凛から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。後の似た問題では前回の答えを写さず、条件の違いを書き出し、過去の経験を問い直す出発点として用いた。この過程は、「個人の力をつなぐ方法まで考えてこそチームになること」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。
本文根拠:初め=速い人だけで順番を決める、確認=全員の走る距離と得意な動きを測り直した、発見=速さだけでなく受け渡しの安定も記録すべきだと分かった、反証=凛の問い、条件=影響・資料、教訓=個人の力をつなぐ方法まで考えてこそチームになること。
解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。
採点観点
- 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
- 発見と心情の変化を因果で示している
- 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
- 条件に応じて確認順を変える必要を含む
- 退けた案と理由を記録する意味を示している
- 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
渡り鳥の休憩地
説明文・評論・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
復習語:他者性(たしゃせい)渡り鳥の休憩地
渡り鳥が途中の湿地を必要とする理由について考えてみよう。よくある見方は、「目的地さえ守れば途中の場所は重要ではない」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。
中心となる仕組みは、長い移動の途中で食物と休息を得る場所が連続して必要になる。たとえば、小さな干潟でも次の飛行へ必要なエネルギーを補える。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。
【語彙の視点】今日の焦点語は「標本」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。
ただし、一つの種の観察だけで湿地全体の価値は決められない。そのため、季節ごとの種類と数を長く記録することが必要になる。本文では、結論を「生き物を守るには点の保護だけでなく場所同士のつながりを見る必要がある」とまとめる。
【7日前の復習】「他者性」とも比べてみよう。焦点語と復習語は同じ意味ではない。本文のどの部分にそれぞれを使えるか、使えないかを分けると、語の違いがはっきりする。
この仕組みを調べる班は、まず「渡り」「湿地」「生態系」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。
本文の例は「小さな干潟でも次の飛行へ必要なエネルギーを補える」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。
確かめるために、季節ごとの種類と数を長く記録する。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。
別の班は「目的地さえ守れば途中の場所は重要ではない」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。
さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「一つの種の観察だけで湿地全体の価値は決められない」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。
まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。
同じ考えを別の事例へ移すとき、表面の言葉だけは使わなかった。対象、条件、確認方法、例外の四点が対応するかを調べ、対応しない部分は新しい問いとして残した。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「標本」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:全体の特徴を調べるため取り出した一部
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「全体の特徴を調べるため取り出した一部」と用例「全校生徒から無作為に百人を標本として選んだ。」。
解き方:「標本」は、全体の特徴を調べるため取り出した一部という意味です。読みは「ひょうほん」です。例文:全校生徒から無作為に百人を標本として選んだ。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
「小さな干潟でも次の飛行へ必要なエネルギーを補える」という例が置かれた役割を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:「長い移動の途中で食物と休息を得る場所が連続して必要になる」という仕組みを、具体的な場面で示すため
本文根拠:第2段落の仕組みと具体例の対応。
解き方:例の直前にある一般的な仕組みと、例の中の出来事を対応させます。
二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから
本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。
解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。
本文の考えを別の事例へ移す前に、対象・条件・確認方法・例外を対応させた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:表面の言葉が似ているだけの事例へ結論を広げず、どこまで同じ説明が使えるかを確かめるため
本文根拠:別の事例へ移す際、四点の対応を調べ、合わない部分を新しい問いとして残した段落。
解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。
本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:筆者は、長い移動の途中で食物と休息を得る場所が連続して必要になると説明し、例として「小さな干潟でも次の飛行へ必要なエネルギーを補える」を挙げる。一方で、一つの種の観察だけで湿地全体の価値は決められないため、季節ごとの種類と数を長く記録する必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。別の事例へ移すときは、対象・条件・確認方法・例外が対応するかを調べ、合わない部分を新しい問いとして残した。以上から、結論は「生き物を守るには点の保護だけでなく場所同士のつながりを見る必要がある」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。
本文根拠:仕組み=長い移動の途中で食物と休息を得る場所が連続して必要になる、限界=一つの種の観察だけで湿地全体の価値は決められない、方法=季節ごとの種類と数を長く記録する、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=生き物を守るには点の保護だけでなく場所同士のつながりを見る必要がある。
解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。
採点観点
- 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
- 限界と確認方法を因果で結んでいる
- 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
- 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
- 本文の結論を条件付きで示している
- 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
駅前の青い手袋
物語・随筆・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
復習語:共同主観(きょうどうしゅかん)駅前の青い手袋
結衣は駅前広場で、地域案内のボランティアを無事に終えることになった。ところが、落とし物の青い手袋を持つ子が困っていた。結衣の胸には迷いが広がった。
一度は案内予定を優先してその場を離れることも考えた。しかし、奏と短く相談し、持ち主の手がかりを聞き、交番と放送係へ同時に連絡した。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。
その途中で、予定外の出来事でも役割を分ければ案内を続けられると分かった。やがて、手袋は持ち主へ戻り、案内所も予定どおり開いた。結衣の気持ちは安堵へ変わった。
【語彙の視点】今日の焦点語は「母集団」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。
【7日前の復習】「共同主観」とも比べてみよう。二つは同じ意味ではない。本文を説明するのに使えるなら根拠となる場面を示し、使いにくいなら、その違いを言葉にする。
「どうして、その方法でよいと思ったの」と奏が尋ねた。結衣はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料より迷いに引かれていたことに気づいた。
その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。
奏は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。結衣は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。
作業を終えた後、結衣は「ベンチに残った青い糸」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。
翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。結衣は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。
記録には、採用した案だけでなく、退けた「案内予定を優先してその場を離れる」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。
数週間後、よく似た問題が起きたが、前回とは条件が一つ違った。結衣は前の答えを写さず、その違いを最初に書き出した。過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「母集団」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:調査や推論の対象となる全体
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「調査や推論の対象となる全体」と用例「この調査の母集団は、市内に住む十八歳以上の人々である。」。
解き方:「母集団」は、調査や推論の対象となる全体という意味です。読みは「ぼしゅうだん」です。例文:この調査の母集団は、市内に住む十八歳以上の人々である。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
第1〜3段落の出来事を四つの段階に分けたものとして、最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:問題が起きる→「案内予定を優先してその場を離れる」と迷う→手がかりを確かめる→「安堵」へ変わる
本文根拠:第1段落から第3段落までの順序。
解き方:冒頭の問題、迷った「案内予定を優先してその場を離れる」、実際の確認、最後の「安堵」を順に追います。
本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:奏が反対の結果になりそうな手がかりを問い、結衣が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した
本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という奏の問いと、結衣の再点検。
解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。
数週間後のよく似た問題で、主人公が前回の答えを写さず条件の違いから始めた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:過去の経験をそのまま答えとして写さず、前回と違う条件を見つけて問い直す出発点にするため
本文根拠:数週間後の段落にある『過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった』というまとめ。
解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。
主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:結衣は迷いに引かれ、「案内予定を優先してその場を離れる」と考えたが、持ち主の手がかりを聞き、交番と放送係へ同時に連絡した。その結果、予定外の出来事でも役割を分ければ案内を続けられると分かった。気持ちは安堵へ変わった。さらに、奏から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。後の似た問題では前回の答えを写さず、条件の違いを書き出し、過去の経験を問い直す出発点として用いた。この過程は、「計画を守ることと困った人を助けることは両立できること」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。
本文根拠:初め=案内予定を優先してその場を離れる、確認=持ち主の手がかりを聞き、交番と放送係へ同時に連絡した、発見=予定外の出来事でも役割を分ければ案内を続けられると分かった、反証=奏の問い、条件=影響・資料、教訓=計画を守ることと困った人を助けることは両立できること。
解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。
採点観点
- 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
- 発見と心情の変化を因果で示している
- 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
- 条件に応じて確認順を変える必要を含む
- 退けた案と理由を記録する意味を示している
- 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
公園のベンチ
説明文・評論・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
復習語:間主観性(かんしゅかんせい)公園のベンチ
公共のベンチが休憩以外にも果たす役割について考えてみよう。よくある見方は、「座る人が少ないベンチは無駄である」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。
中心となる仕組みは、待ち合わせ・見守り・体調回復など短い利用が地域の安心を支える。たとえば、高齢者が移動の途中で休めると行動できる範囲が広がる。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。
【語彙の視点】今日の焦点語は「偏見」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。
ただし、設置数だけでなく日陰や高さや通路幅も利用しやすさへ影響する。そのため、利用者の種類と時間帯を観察して配置を見直すことが必要になる。本文では、結論を「公共設備は平均的な利用回数だけでなく必要な人への効果で評価する」とまとめる。
【7日前の復習】「間主観性」とも比べてみよう。焦点語と復習語は同じ意味ではない。本文のどの部分にそれぞれを使えるか、使えないかを分けると、語の違いがはっきりする。
この仕組みを調べる班は、まず「公共」「配置」「利用」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。
本文の例は「高齢者が移動の途中で休めると行動できる範囲が広がる」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。
確かめるために、利用者の種類と時間帯を観察して配置を見直す。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。
別の班は「座る人が少ないベンチは無駄である」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。
さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「設置数だけでなく日陰や高さや通路幅も利用しやすさへ影響する」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。
まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。
同じ考えを別の事例へ移すとき、表面の言葉だけは使わなかった。対象、条件、確認方法、例外の四点が対応するかを調べ、対応しない部分は新しい問いとして残した。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「偏見」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:十分な根拠なしに固定された見方
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「十分な根拠なしに固定された見方」と用例「一度の失敗だけで能力を決めつける偏見を、登場人物は乗り越えた。」。
解き方:「偏見」は、十分な根拠なしに固定された見方という意味です。読みは「へんけん」です。例文:一度の失敗だけで能力を決めつける偏見を、登場人物は乗り越えた。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
「高齢者が移動の途中で休めると行動できる範囲が広がる」という例が置かれた役割を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:「待ち合わせ・見守り・体調回復など短い利用が地域の安心を支える」という仕組みを、具体的な場面で示すため
本文根拠:第2段落の仕組みと具体例の対応。
解き方:例の直前にある一般的な仕組みと、例の中の出来事を対応させます。
二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから
本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。
解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。
本文の考えを別の事例へ移す前に、対象・条件・確認方法・例外を対応させた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:表面の言葉が似ているだけの事例へ結論を広げず、どこまで同じ説明が使えるかを確かめるため
本文根拠:別の事例へ移す際、四点の対応を調べ、合わない部分を新しい問いとして残した段落。
解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。
本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:筆者は、待ち合わせ・見守り・体調回復など短い利用が地域の安心を支えると説明し、例として「高齢者が移動の途中で休めると行動できる範囲が広がる」を挙げる。一方で、設置数だけでなく日陰や高さや通路幅も利用しやすさへ影響するため、利用者の種類と時間帯を観察して配置を見直す必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。別の事例へ移すときは、対象・条件・確認方法・例外が対応するかを調べ、合わない部分を新しい問いとして残した。以上から、結論は「公共設備は平均的な利用回数だけでなく必要な人への効果で評価する」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。
本文根拠:仕組み=待ち合わせ・見守り・体調回復など短い利用が地域の安心を支える、限界=設置数だけでなく日陰や高さや通路幅も利用しやすさへ影響する、方法=利用者の種類と時間帯を観察して配置を見直す、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=公共設備は平均的な利用回数だけでなく必要な人への効果で評価する。
解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。
採点観点
- 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
- 限界と確認方法を因果で結んでいる
- 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
- 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
- 本文の結論を条件付きで示している
- 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
古い地図の空白
物語・随筆・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
復習語:身体性(しんたいせい)古い地図の空白
海斗は郷土資料館で、昔の商店街の地図を調べて発表することになった。ところが、地図の一角だけ店名が空白になっていた。海斗の胸にはもどかしさが広がった。
一度は近くの店名を想像で書き足すことも考えた。しかし、沙羅と短く相談し、年代の違う写真、電話帳、聞き取り記録を比べた。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。
その途中で、空白は店がなかったのではなく資料が失われた印だと分かった。やがて、発表では分かった事実と不明な点を分けて示した。海斗の気持ちは誠実な落ち着きへ変わった。
【語彙の視点】今日の焦点語は「バイアス」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。
【7日前の復習】「身体性」とも比べてみよう。二つは同じ意味ではない。本文を説明するのに使えるなら根拠となる場面を示し、使いにくいなら、その違いを言葉にする。
「どうして、その方法でよいと思ったの」と沙羅が尋ねた。海斗はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料よりもどかしさに引かれていたことに気づいた。
その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。
沙羅は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。海斗は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。
作業を終えた後、海斗は「地図に残した小さな空白」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。
翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。海斗は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。
記録には、採用した案だけでなく、退けた「近くの店名を想像で書き足す」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。
数週間後、よく似た問題が起きたが、前回とは条件が一つ違った。海斗は前の答えを写さず、その違いを最初に書き出した。過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「バイアス」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:判断や資料を一定方向へゆがめる偏り
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「判断や資料を一定方向へゆがめる偏り」と用例「質問の順番が回答に与えるバイアスを減らすため、順序を入れ替えた。」。
解き方:「バイアス」は、判断や資料を一定方向へゆがめる偏りという意味です。読みは「ばいあす」です。例文:質問の順番が回答に与えるバイアスを減らすため、順序を入れ替えた。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
第1〜3段落の出来事を四つの段階に分けたものとして、最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:問題が起きる→「近くの店名を想像で書き足す」と迷う→手がかりを確かめる→「誠実な落ち着き」へ変わる
本文根拠:第1段落から第3段落までの順序。
解き方:冒頭の問題、迷った「近くの店名を想像で書き足す」、実際の確認、最後の「誠実な落ち着き」を順に追います。
本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:沙羅が反対の結果になりそうな手がかりを問い、海斗が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した
本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という沙羅の問いと、海斗の再点検。
解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。
数週間後のよく似た問題で、主人公が前回の答えを写さず条件の違いから始めた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:過去の経験をそのまま答えとして写さず、前回と違う条件を見つけて問い直す出発点にするため
本文根拠:数週間後の段落にある『過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった』というまとめ。
解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。
主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:海斗はもどかしさに引かれ、「近くの店名を想像で書き足す」と考えたが、年代の違う写真、電話帳、聞き取り記録を比べた。その結果、空白は店がなかったのではなく資料が失われた印だと分かった。気持ちは誠実な落ち着きへ変わった。さらに、沙羅から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。後の似た問題では前回の答えを写さず、条件の違いを書き出し、過去の経験を問い直す出発点として用いた。この過程は、「分からないことを分からないまま示すのも調査であること」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。
本文根拠:初め=近くの店名を想像で書き足す、確認=年代の違う写真、電話帳、聞き取り記録を比べた、発見=空白は店がなかったのではなく資料が失われた印だと分かった、反証=沙羅の問い、条件=影響・資料、教訓=分からないことを分からないまま示すのも調査であること。
解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。
採点観点
- 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
- 発見と心情の変化を因果で示している
- 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
- 条件に応じて確認順を変える必要を含む
- 退けた案と理由を記録する意味を示している
- 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
発酵の時間
説明文・評論・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
復習語:抽象化(ちゅうしょうか)発酵の時間
微生物の働きが食べ物の味や保存性を変える仕組みについて考えてみよう。よくある見方は、「長く置くほど必ずおいしく安全になる」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。
中心となる仕組みは、種類・温度・塩分などの条件で微生物の働きが変わる。たとえば、同じ材料でも温度管理によって香りや酸味が異なる。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。
【語彙の視点】今日の焦点語は「相関」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。
ただし、望ましくない微生物が増える場合もあり衛生管理が欠かせない。そのため、時間だけでなく温度と状態を記録することが必要になる。本文では、結論を「伝統的な方法も経験と条件管理の積み重ねで成り立っている」とまとめる。
【7日前の復習】「抽象化」とも比べてみよう。焦点語と復習語は同じ意味ではない。本文のどの部分にそれぞれを使えるか、使えないかを分けると、語の違いがはっきりする。
この仕組みを調べる班は、まず「発酵」「微生物」「条件」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。
本文の例は「同じ材料でも温度管理によって香りや酸味が異なる」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。
確かめるために、時間だけでなく温度と状態を記録する。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。
別の班は「長く置くほど必ずおいしく安全になる」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。
さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「望ましくない微生物が増える場合もあり衛生管理が欠かせない」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。
まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。
同じ考えを別の事例へ移すとき、表面の言葉だけは使わなかった。対象、条件、確認方法、例外の四点が対応するかを調べ、対応しない部分は新しい問いとして残した。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「相関」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:二つの変数が連動して変化する関係
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「二つの変数が連動して変化する関係」と用例「読書量と語彙得点の相関だけでは、直接の原因を証明できない。」。
解き方:「相関」は、二つの変数が連動して変化する関係という意味です。読みは「そうかん」です。例文:読書量と語彙得点の相関だけでは、直接の原因を証明できない。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
「同じ材料でも温度管理によって香りや酸味が異なる」という例が置かれた役割を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:「種類・温度・塩分などの条件で微生物の働きが変わる」という仕組みを、具体的な場面で示すため
本文根拠:第2段落の仕組みと具体例の対応。
解き方:例の直前にある一般的な仕組みと、例の中の出来事を対応させます。
二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから
本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。
解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。
本文の考えを別の事例へ移す前に、対象・条件・確認方法・例外を対応させた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:表面の言葉が似ているだけの事例へ結論を広げず、どこまで同じ説明が使えるかを確かめるため
本文根拠:別の事例へ移す際、四点の対応を調べ、合わない部分を新しい問いとして残した段落。
解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。
本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:筆者は、種類・温度・塩分などの条件で微生物の働きが変わると説明し、例として「同じ材料でも温度管理によって香りや酸味が異なる」を挙げる。一方で、望ましくない微生物が増える場合もあり衛生管理が欠かせないため、時間だけでなく温度と状態を記録する必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。別の事例へ移すときは、対象・条件・確認方法・例外が対応するかを調べ、合わない部分を新しい問いとして残した。以上から、結論は「伝統的な方法も経験と条件管理の積み重ねで成り立っている」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。
本文根拠:仕組み=種類・温度・塩分などの条件で微生物の働きが変わる、限界=望ましくない微生物が増える場合もあり衛生管理が欠かせない、方法=時間だけでなく温度と状態を記録する、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=伝統的な方法も経験と条件管理の積み重ねで成り立っている。
解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。
採点観点
- 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
- 限界と確認方法を因果で結んでいる
- 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
- 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
- 本文の結論を条件付きで示している
- 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
消えた星印
物語・随筆・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
復習語:モデル化(もでるか)消えた星印
真琴は天文部室で、流星観察の記録をまとめることになった。ところが、観察表から一つの星印だけ消えていた。真琴の胸には焦燥が広がった。
一度は最も多かった時刻へ数を足すことも考えた。しかし、拓海と短く相談し、各自のノートと撮影時刻を照合した。すぐに答えを決めるのではなく、確かめられる材料を一つずつ増やした。
その途中で、雲で見えなかった時間と観察していない時間は違うと分かった。やがて、欠測を明記した正確なグラフが完成した。真琴の気持ちは確かさへ変わった。
【語彙の視点】今日の焦点語は「因果推論」。意味を予想してから、本文のどの場面に使えるか、また使いにくい場面はどこかを、行動を根拠に考える。
【7日前の復習】「モデル化」とも比べてみよう。二つは同じ意味ではない。本文を説明するのに使えるなら根拠となる場面を示し、使いにくいなら、その違いを言葉にする。
「どうして、その方法でよいと思ったの」と拓海が尋ねた。真琴はすぐには答えられず、初めの考えが確かな材料より焦燥に引かれていたことに気づいた。
その確認で最初の手がかりは得られた。ただ一つだけでは決めず、種類の違う手がかりとも合わせたところ、同じ方向を示す材料と、そうでない材料が分かれた。
拓海は結論を言わず、『反対の結果になりそうな手がかりはないかな』とだけ聞いた。真琴は、自分の案を支える材料だけを集めていなかったか、もう一度順に見直した。
作業を終えた後、真琴は「夜空の下の空欄」の場面を思い返した。初めに急いでいたときとは、同じ場面の受け止め方が変わっていた。
翌日、別の人から『時間がなかったら同じ確かめ方はできるの』と問われた。真琴は、判断を誤ったときの影響の大きさや、使える資料の数によって、確認の順を変える必要もあると答えた。
記録には、採用した案だけでなく、退けた「最も多かった時刻へ数を足す」という案と、その理由も残した。後から読む人が結果だけを見て、同じ判断を無条件に繰り返さないようにするためだった。
数週間後、よく似た問題が起きたが、前回とは条件が一つ違った。真琴は前の答えを写さず、その違いを最初に書き出した。過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「因果推論」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:ある要因が結果を生んだかを判断する推論
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「ある要因が結果を生んだかを判断する推論」と用例「制度の導入前後を他地域と比べ、効果について因果推論を行った。」。
解き方:「因果推論」は、ある要因が結果を生んだかを判断する推論という意味です。読みは「いんがすいろん」です。例文:制度の導入前後を他地域と比べ、効果について因果推論を行った。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
第1〜3段落の出来事を四つの段階に分けたものとして、最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:問題が起きる→「最も多かった時刻へ数を足す」と迷う→手がかりを確かめる→「確かさ」へ変わる
本文根拠:第1段落から第3段落までの順序。
解き方:冒頭の問題、迷った「最も多かった時刻へ数を足す」、実際の確認、最後の「確かさ」を順に追います。
本文後半で、主人公が自分に都合のよい材料だけを集めていないか点検した場面として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:拓海が反対の結果になりそうな手がかりを問い、真琴が自分の案を支える材料だけを集めていなかったか順に見直した
本文根拠:「反対の結果になりそうな手がかりはないかな」という拓海の問いと、真琴の再点検。
解き方:反証は、自分の結論を否定しうる材料を意識して探すことです。友人の問いと、その後の見直しを一続きで捉えます。
数週間後のよく似た問題で、主人公が前回の答えを写さず条件の違いから始めた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:過去の経験をそのまま答えとして写さず、前回と違う条件を見つけて問い直す出発点にするため
本文根拠:数週間後の段落にある『過去の経験は答えではなく、問い直す出発点になった』というまとめ。
解き方:本文後半は、結論そのものより、別条件・別解釈でも検討し直せる判断過程を残す重要性を示しています。
主人公の判断が、最初の思い込みから反証・条件の確認・記録を通してどう深まったか、本文後半まで用いて420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:真琴は焦燥に引かれ、「最も多かった時刻へ数を足す」と考えたが、各自のノートと撮影時刻を照合した。その結果、雲で見えなかった時間と観察していない時間は違うと分かった。気持ちは確かさへ変わった。さらに、拓海から反対の結果になりそうな手がかりを問われ、自分の案に有利な材料だけを集めていないかを見直した。判断を誤ったときの影響や使える資料が違えば確認の順も変える必要があると考え、採用案だけでなく退けた案と理由も記録した。後の似た問題では前回の答えを写さず、条件の違いを書き出し、過去の経験を問い直す出発点として用いた。この過程は、「記録の穴を想像で埋めず条件を説明すること」という考えを、反証と修正が可能な判断へ深めている。
本文根拠:初め=最も多かった時刻へ数を足す、確認=各自のノートと撮影時刻を照合した、発見=雲で見えなかった時間と観察していない時間は違うと分かった、反証=拓海の問い、条件=影響・資料、教訓=記録の穴を想像で埋めず条件を説明すること。
解き方:冒頭の迷いと確認だけで終えず、反対材料の探索、適用条件、後で修正できる記録へと判断が深まる順にまとめます。
採点観点
- 最初の思い込みと実際の確認行動を対比している
- 発見と心情の変化を因果で示している
- 反対の結果になりうる材料を探したことを含む
- 条件に応じて確認順を変える必要を含む
- 退けた案と理由を記録する意味を示している
- 本文の教訓を、検証・修正できる判断としてまとめている
地図の縮尺
説明文・評論・5問セット
意味を予想してからSTEP 1へ。正しい意味と使い方は解説で確認します。
復習語:操作化(そうさか)地図の縮尺
地図が現実を小さく表すときに情報を選ぶ理由について考えてみよう。よくある見方は、「細かく描くほどどんな目的にもよい地図になる」というものだ。しかし、実際の仕組みはそれほど単純ではない。
中心となる仕組みは、縮尺と目的に応じて道路・建物・地形の示し方を変える。たとえば、避難地図では店名より高低差や避難路が重要になる。この例は、目に見えにくい関係を具体的に示している。
【語彙の視点】今日の焦点語は「交絡」。意味を予想してから、本文中の仕組み・例・限界のどこを説明できるかを考え、語の使える範囲まで確かめる。
ただし、省かれた情報が存在しないという意味ではない。そのため、地図の目的と作成時期を先に確かめることが必要になる。本文では、結論を「地図は現実の写しではなく目的に合わせた情報のモデルである」とまとめる。
【7日前の復習】「操作化」とも比べてみよう。焦点語と復習語は同じ意味ではない。本文のどの部分にそれぞれを使えるか、使えないかを分けると、語の違いがはっきりする。
この仕組みを調べる班は、まず「縮尺」「凡例」「モデル」を同じものとして数えないよう、記録欄を分けた。名前が似ていても、測っている対象が違えば数字の意味も変わる。
本文の例は「避難地図では店名より高低差や避難路が重要になる」という一つの場面を示す。班は、この例と異なる結果になりうる条件も探し、例だけで全体を決めないようにした。
確かめるために、地図の目的と作成時期を先に確かめる。結果と一緒に、確認できなかった範囲と判断を保留した点も残した。欠けた情報を、起きなかった事実として扱わないためである。
別の班は「細かく描くほどどんな目的にもよい地図になる」と反論した。そこで両班は、同じ資料のどの部分を根拠にし、どの条件を省いたかを表にした。意見の違いより先に、使った根拠の違いが見えてきた。
さらに、最初の説明が当てはまらない場合を検討すると、「省かれた情報が存在しないという意味ではない」という限界が残った。この限界は説明をすべて否定するのではなく、結論を適用できる条件を明確にする材料になった。
まとめた結果だけでなく、一つ一つの例も見直した。全体の傾向と違う例は消さず、どの条件が異なるのかを確かめる材料として残した。
同じ考えを別の事例へ移すとき、表面の言葉だけは使わなかった。対象、条件、確認方法、例外の四点が対応するかを調べ、対応しない部分は新しい問いとして残した。
本文・設問・選択肢・解説は「まいこく」のオリジナルです。市販教材の文章は転載していません。
今日の焦点語「交絡」の意味として最も適切なものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:別の要因が原因と結果の両方へ影響すること
本文根拠:まいこく語彙台帳の定義「別の要因が原因と結果の両方へ影響すること」と用例「運動と健康の関係には、年齢が交絡している可能性がある。」。
解き方:「交絡」は、別の要因が原因と結果の両方へ影響することという意味です。読みは「こうらく」です。例文:運動と健康の関係には、年齢が交絡している可能性がある。 例文を音読し、自分の場面に置き換えて一文を作ると定着します。
「避難地図では店名より高低差や避難路が重要になる」という例が置かれた役割を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:「縮尺と目的に応じて道路・建物・地形の示し方を変える」という仕組みを、具体的な場面で示すため
本文根拠:第2段落の仕組みと具体例の対応。
解き方:例の直前にある一般的な仕組みと、例の中の出来事を対応させます。
二つの班が同じ資料を読んでも意見を異にした理由として、本文後半に最も合うものを選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:同じ資料のうち、根拠にした部分と省いた条件が班ごとに異なっていたから
本文根拠:別の班の反論を受け、同じ資料の根拠部分と省いた条件を表にした段落。
解き方:筆者は、意見の対立を人数や印象で処理せず、両班が用いた根拠と省いた条件の違いへ戻しています。
本文の考えを別の事例へ移す前に、対象・条件・確認方法・例外を対応させた理由を選びなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:表面の言葉が似ているだけの事例へ結論を広げず、どこまで同じ説明が使えるかを確かめるため
本文根拠:別の事例へ移す際、四点の対応を調べ、合わない部分を新しい問いとして残した段落。
解き方:本文後半は、反対資料や外れた例を排除せず、主張の範囲と修正条件を明らかにする論証の進め方を示しています。
本文の題材別の結論と、本文後半で示された反証・適用範囲・修正の考え方を、420字以内で論述しなさい。
解答・根拠・解説
正答・解答例:筆者は、縮尺と目的に応じて道路・建物・地形の示し方を変えると説明し、例として「避難地図では店名より高低差や避難路が重要になる」を挙げる。一方で、省かれた情報が存在しないという意味ではないため、地図の目的と作成時期を先に確かめる必要がある。さらに、別の班の反論について、同じ資料のどこを根拠にし、どの条件を省いたかを比較した。「ただし」に示された限界と全体傾向から外れる例も残し、それらを、結論を適用できる条件を明確にする材料として扱った。別の事例へ移すときは、対象・条件・確認方法・例外が対応するかを調べ、合わない部分を新しい問いとして残した。以上から、結論は「地図は現実の写しではなく目的に合わせた情報のモデルである」だが、反証に応じて適用範囲と内容を更新できる形で示すべきだと分かる。
本文根拠:仕組み=縮尺と目的に応じて道路・建物・地形の示し方を変える、限界=省かれた情報が存在しないという意味ではない、方法=地図の目的と作成時期を先に確かめる、反証=別の班、適用範囲=外れた例、結論=地図は現実の写しではなく目的に合わせた情報のモデルである。
解き方:仕組みと結論を写すだけでなく、反対資料、条件の異なる例、適用範囲、結論を更新する基準を順に結びます。
採点観点
- 題材の中心となる仕組みと具体例を示している
- 限界と確認方法を因果で結んでいる
- 反対資料の根拠と省かれた条件を比較している
- 全体傾向から外れる例を適用範囲の検討に使っている
- 本文の結論を条件付きで示している
- 反証に応じて結論を更新できる考え方をまとめている
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まいこくは1学年につき「基礎・標準・発展」の3段階、各100問で構成されています。学年どおりに進める必要はありません。読み取りで手が止まるなら1学年下の標準へ、設問が軽く感じるなら同学年の発展へ、と横にも縦にも移動できます。
高校2年生・基礎の進め方
100問はどのように進めますか?
1日5問を一つのまとまりとして、先に自分の根拠を決めてから答え合わせをします。正答だけでなく、本文根拠・解き方・誤答のずれまで確認してください。
次の段階へ進む目安は何ですか?
正解数だけで判断せず、選んだ根拠を本文から説明でき、記述問題を採点観点に沿って一度書き直せるようになったら次へ進みます。
難しい場合はどう戻ればよいですか?
同じ日の解説を読み直し、焦点語と本文根拠を一つずつ確認します。それでも難しい場合は、一学年前(高1)の基礎100問へ戻り、語彙と直接根拠を確認してください。
大学入試の読解へどうつながりますか?
評論の論証、古文文法、漢文句法、複数文章を段階的に扱います。字数を埋める前に、条件・反例・根拠の関係を短く整理してください。
EDITORIAL & INSTRUCTORS
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