中高一貫の数学

数学のノートの取り方・答案の書き方|添削指導のプロが解説

きれいなノートを作ることが目的ではありません。後から考え方とミスの位置を再現できる答案を作ります。

「説明する活動」は、学校と生徒で37ポイントずれている

答案を書く力は、授業の中で「どう考えたかを説明する」経験と地続きです。全国学力・学習状況調査は、この活動について学校側と生徒側の両方に聞いています。

学校が「行った」 子どもが「行っている」
中学校 95.6% 58.6% 37.0pt
小学校 96.3% 65.7% 30.6pt

※学校質問「答えを求めさせるだけでなく、どのように考えたかを筋道を立てて説明させる授業を行いましたか」と、児童生徒質問「どのように考えたのかについて説明する活動をよく行っていますか」。肯定の合計は当方で計算しました。

学校のほぼ全部が「説明させる授業をやった」と答えているのに、そう感じている中学生は6割弱です。

これは矛盾ではありません。教員が数名を指名して説明させれば学校としては「行った」ですが、指名されなかった生徒に自分が説明した感覚は残りません。クラスの人数がいる以上、順番は全員には回りません。

だから、答案の書き方は家で埋めるしかない部分がある

説明する経験が授業内で全員に回らないなら、ノートと答案が、その代わりになります。

「どう考えたか」を書き残す作業は、口頭で説明するのと同じ働きをします。手を動かして書いた分だけ、指名されなくても説明の練習ができる、と考えてください。

この記事で挙げている書き方の型は、そのための道具です。正解を書くためではなく、考えた順番を残すために書きます。

まず現在地を答案から確認する

教材名や学年だけで課題を決めず、直近のノート、宿題、定期テストを並べます。空欄、計算ミス、条件の読み落とし、方針が出なかった問題を分けると、同じ「苦手」でも必要な練習が見えます。

学校の進度が速い場合でも、前提が曖昧なまま先取りだけを増やすと負担が大きくなります。現在の授業へ必要な最小範囲まで戻り、短い確認問題で理解を測ります。

具体的に確認したいポイント

1

条件と求めるものを最初に書く

用語と条件を自分の言葉で説明し、例題を見ずに最初の一手を書けるか確認します。

2

式変形は一行一操作を基本にする

正解・不正解だけでなく、途中式と考え方を残し、どの段階で迷ったかを見つけます。

3

図・場合分け・単位を省略しない

一度解いた問題を翌日と週末に解き直し、理解が再現できる状態へ変えます。

4

誤答の原因と次回確認日を残す

学校の予定と本人の生活時間に合わせ、毎週実行できる量へ分けて進めます。

1週間の学習サイクル

  1. 授業当日:扱った例題と宿題範囲を確認し、疑問へ印を付けます。
  2. 翌日:解説を閉じ、最初の一手と途中式を再現します。
  3. 週の中盤:同じ考え方を使う類題を2〜3問解きます。
  4. 週末:誤答だけを解き直し、翌週の優先順位を決めます。

量を増やす前に、正しく思い出せる回数を増やします。定期テスト前は範囲を一巡する日と、時間を計る日を分けます。

オンライン1対1で確認できること

画面共有や提出画像を使うと、答えだけでなく途中式を見ながら説明できます。ただし、オンラインなら自動的に個別最適になるわけではありません。担当講師が答案を確認する時期、授業外の質問方法、課題の調整方法を事前に確認してください。

オンライン数学塾の選び方7基準公開中の指導事例中学1年生の数学ページもあわせてご覧ください。

単元をつなげて復習する

条件と求めるものを最初に書くを確認するときも、その単元だけを繰り返すとは限りません。式変形、方程式、関数、図形の定義など、最初の一手に必要な前提を三問ほどで確認します。できた範囲まで戻り、現在の授業へつながる最短経路を作ります。

復習は「教科書を読み直す」「例題を解く」「類題を解く」「翌日に再現する」の四段階に分けます。読むだけで分かった感覚と、試験で自力再現できる状態を区別するためです。類題では数値だけでなく条件も少し変え、同じ考え方を選べるかを見ます。

学校課題と追加教材を両立する判断

学校課題で基本から応用まで十分に扱える場合、別の問題集を増やす必要はありません。提出範囲の空欄が多いのに新しい教材を加えると、どちらも中途半端になります。まず指定教材をA「自力で解ける」、B「方針は分かる」、C「最初の一手が出ない」に分けます。

Aは確認回数を減らし、Bは途中式と計算を整え、Cは例題や前提単元へ戻ります。追加教材を使うのは、学校教材の目的が明確で、必要なレベルや演習量を補う場合です。教材名よりも、いつ、何問、どの状態まで行うかを決めます。

定期テストの前後で役割を変える

試験前

範囲を一巡する日、誤答原因ごとに練習する日、時間を計る日を分けます。最後まで終えることだけを目標にせず、基本問題を取りこぼさない順番と見直し時間を決めます。

試験後

点数だけで終わらず、解けるはずだった問題と、現時点では難しかった問題を分けます。前者は48時間以内に解き直し、後者は必要な前提を調べます。正解でも偶然や暗記だった問題は一週間後に再確認します。

保護者と生徒で共有する観察項目

保護者は勉強時間だけでなく、教材を自分で開けたか、質問を準備できたか、解き直す日を決めたかを見ます。生徒は、最初の一手が出た問題、途中で迷った場所、次に聞きたいことを短く記録します。

声かけは「何点だった?」だけでなく、「前回より自力でできたことは何?」「次に一つ直すならどこ?」と具体化します。学習量が実行できないときは意思の問題にせず、予定、教材の難度、一回の量を見直します。

相談時に持参すると診断しやすいもの

  • 直近二〜三回の定期テストや模試
  • 学校のシラバス、試験範囲表、使用教材
  • 普段のノートと宿題
  • 一週間の学習時間と学校行事
  • 短期目標と、その先の進路希望

資料がそろっていなくても相談はできますが、実際の答案があると原因を具体化しやすくなります。オンライン指導では、事前に画像を共有する方法や手元を映す方法も確認してください。

四週間ごとの振り返り

一週目に現在地を診断し、二週目に課題量を調整し、三週目に類題へ広げ、四週目に時間を計って確認します。毎週すべてを変えるのではなく、一つの原因を続けて観察します。できなかった問題数だけでなく、空欄が減ったか、途中式が残ったか、翌日に再現できたかを記録します。

学校の進度が変わった場合は、先取りの量を増やす前に次の授業へ必要な前提を確認します。試験や行事が重なる週は最低限の解き直しだけにし、計画を完全に止めない形へ調整します。

よくある質問

学校の課題だけで十分ですか?

課題を自力で再現できているなら、追加教材を増やす必要はありません。空欄や同じ誤りが続く場合は、前提の確認問題を少量追加します。

先取りと復習はどちらを優先しますか?

次の授業を理解できる土台がある場合は先取りも有効です。直近答案で基本問題の誤答が続く場合は復習を優先します。

あわせて読みたい

オンライン数学専門塾 数強塾|プロ講師のみ・完全1対1指導・中高一貫校対応

数強塾オンラインのご案内

体験授業に申し込む入塾受け入れ状況(残席)数学つまずき診断(無料)体験授業の事前案内保護者の方へ高1・高2の方へ医学部志望の方へ保護者様からの声料金・指導システム指導事例・合格実績大学受験 合格実績(集計ルール開示)数強塾グループの理念学校別の数学対策数学の勉強法(記事一覧)数強塾プレミアム(映像授業)獣医学部専門コース鉄緑会・SAPIX等との併用サポート過去問解説・数学問題集情報Ⅰ・情報Ⅱ専門「情報ラボ」情報の過去問アーカイブ(無料PDF)解法テクニック事典(公式・裏ワザ)入試数学の定石(解き方の型・全27章)2026年 夏期講習会2026年 冬期講習会代表・藤原進之介について