数学+理科の2科目で受験できる大学2027|私立理工系を比較

数学と理科を使い、大学独自の英語試験を受けずに出願できる私立理工系の入試はあります。ただし、「当日の試験が2科目」と「英語の受験・資格が一切必要ない」は別の条件です。

学力試験を数学と理科の2科目で受ける方式、選択科目から英語を外せる方式、英語外部試験の基準スコアが必要な方式を混ぜると、出願直前に準備不足が判明しかねません。いずれも大学入学資格や所定の出願書類は別に確認します。本記事では、2026年9月4日時点の2027年度公式資料に基づき、3大学の代表例と選び方を整理します。大学全体を「英語不要」と評価する一覧ではありません。

数学+理科2科目で受験できる私立理工系一覧2027

最初に、探している入試がどの型なのかを決めましょう。

分類 数学・理科以外に確認すること 本記事での扱い
数学+理科の独立型 共通テストや外部英語資格が別途必要でないか 立命館の後期分割方式を例示
科目選択型 英語を選ばず、数学+理科の組合せが認められるか 新潟工科の一般選抜2科目型を例示
外部英語資格条件型 基準スコア、技能数、受検時期、証明書 東京電機の英語外部試験利用を別枠で例示
共通テスト併用型 個別が2科目でも、共通テスト英語などが必須でないか 「数学+理科だけ」とは数えず別途確認

次の表は、各大学で確認した代表的な学科・方式です。同じ大学の他学科、推薦・総合型選抜、共通テスト利用方式にはそのまま当てはまりません。

大学・学部学科等 2027年度方式・試験日 数学範囲 選択できる理科 科目配点・英語条件 確認資料
立命館大学 理工学部 数理科学科数学コース 後期分割方式2教科型/3月7日 M1 物理・化学から1 数100+理100。共テ・外部英語資格の必須設定なし 2027入試ガイドp46–47
立命館大学 理工学部 物理科学科 同上/3月7日 M1 物理必須 数100+理100。共テ・外部英語資格の必須設定なし 2027入試ガイドp46–47
新潟工科大学 工学部工学科 一般選抜2科目型A日程/2月4日・5日、B日程/3月3日 M2 物理・化学・生物、または基礎3分野から2つを選ぶ組合せ 試験は高得点科目200+他方100、書類も総合評価。数学+理科を選択可。英語資格不要、共テ利用は任意 2027学生募集要項p12–13
東京電機大学 理工学部理工学科生命科学系 一般選抜・前期英語外部試験利用/2月1〜5日 M1またはM3を選択 物理・化学・生物から1を選ぶ受験が可能 数100+理100。所定の外部英語スコア必須 2027入学者選抜要項p11–12
東京電機大学 工学部機械工学科 一般選抜・後期英語外部試験利用/2月27日・28日 M1 物理・化学から1 数100+理100。所定の外部英語スコア必須 2027入学者選抜要項p17–18

数学の範囲は次のとおりです。

  • M1:数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A、Bの数列、Cのベクトル・平面上の曲線と複素数平面
  • M2:数学Ⅰ・Ⅱ、Aの場合の数と確率、Bの数列、Cのベクトル。
  • M3:数学Ⅰ・Ⅱ・A、Bの数列、Cのベクトル。

立命館の表は正式募集要項ではなく、2027年度入試ガイドによる案内です。正式な一般選抜要項は11月公開予定とされています。現段階で志望校候補に入れることと、最終的な出願条件の確認は分けてください。立命館大学・要項公開案内

東京電機の外部英語条件は、例えば英検CSE1728以上。準2級以上の試験で4技能すべてを受検していることなどの条件があり、級の合否だけでは判定できません。2024年4月以降、TEAPは2025年4月以降に受検し、認定された成績が対象です。英語の得点加算ではなく出願条件なので、資格を持っていない人の「英語をゼロから回避する手段」ではありません。東京電機大学・前期英語外部試験利用

物理・化学・生物は選べる?学科別の理科指定を確認

「理科1科目」と書かれていても、物理・化学・生物から自由に選べるとは限りません。特に、学科と日程が変わったときは再確認が必要です。

立命館理工の後期分割方式では物理・化学が対象で、物理科学科は物理指定です。東京電機の理工学部生命科学系は前期英語外部試験利用で生物を選べますが、同じ大学の後期英語外部試験利用の理科は物理・化学です。生物を主力にする人は「前期で使えたから後期でも使える」と判断しないでください。立命館・学科別指定東京電機・要項p12・18

新潟工科は、発展科目の選択に加え、物理基礎・化学基礎・生物基礎から2分野を選ぶ受験も示しています。この場合、「数学と基礎理科の二つの試験枠」でも、勉強する理科は2分野です。基礎科目1分野だけで済むという意味ではありません。新潟工科大学・一般選抜の科目表

同大学で共通テストを利用する場合は、筆記で選択しなかった科目の成績も判定対象になり得ます。「数学と理科の筆記2科目で受験すること」と「最終的に採用される得点が必ずその2科目になること」は分けて確認しましょう。新潟工科大学・2027募集要項p12

志望先の一覧には、次の二つを別の欄に記入すると判断が明確になります。

記録する欄 判断内容
制度上、受験できるか 公式要項の指定に合っているか。最初に○か×を確定する
入学後の学習につながるか 学びたい分野のカリキュラムを読み、不足する基礎を補う計画があるか

例えば機械系を志望し化学で受験する場合、受験が認められていることと、入学までに力学をどう補うかは別の相談です。逆に、専攻名から「物理でなければ受験不可」と決めつける必要もありません。

併願時には各学科の選択可能科目の「共通部分」を取ります。A学科が物理・化学、B学科が化学・生物なら、同じ試験結果で両方を判定してもらうための共通科目は化学です。これは架空の組合せ例ですが、出願ミスを防ぐ整理法として使えます。

数学IIIの要否・配点・試験時間で2科目型を比較

2科目型は「少ない勉強で受かる方式」ではなく、対策の対象を絞る方式です。数学Ⅲを含む入試では、英語対策が減る一方、数学の仕上がりが合否を大きく左右します。

本記事の候補では、立命館の数学は100分、理科は80分。東京電機は数学90分、理科70分。新潟工科で数学+理科を選ぶ場合は各60分です。時間が短い入試ほど簡単ということではなく、解答形式や問題数と組み合わせて考えます。立命館・試験時間東京電機・要項新潟工科・試験時間

数学Ⅲを使わない場合も、範囲の読み飛ばしは禁物です。新潟工科のM2と東京電機のM3では、数学Aの指定が同一ではありません。また、東京電機で「数学Ⅲを含まない問題」を選べるのは理工学部であり、同じ日に他学部も受験するなら、他学部の指定を満たせるか確認が必要です。東京電機・要項p12・18

数強塾の比較ポイント:平均点だけでなく「崩れ方」を見る

過去問は、同じ方式を時間どおりに複数年解き、次の四つを記録してください。

  1. 時間内の得点と、時間を延ばした場合の得点差。
  2. 計算ミスによる失点と、解法が分からない失点の内訳。
  3. 最も良かった回ではなく、低かった回の得点。
  4. 一つの大問で止まったとき、他の問題に移れたか。

例えば同じ平均80点でも、「78・80・82点」と「60・85・95点」では、本番の失点リスクが異なります。これは架空の得点例です。後者の人は、難問を追加する前に60点になった原因を特定する方が、学習計画を立てやすくなります。

なお、本記事は各大学の過去問の難易度ランキングを実測したものではありません。「数学100点だから同程度」とは比較せず、自分の答案を基準にしましょう。

2科目を同じ方法で復習せず、失点の原因で分ける

数学と理科のどちらを伸ばすべきか迷ったら、各科目で「時間内の得点」と「解説を見ずに時間を延ばした得点」を比べます。次の数字は学習の点検方法を説明するための仮定で、実在する大学の試験結果ではありません。

数学が時間内72点、延長後88点なら、差の16点について、計算の遅さ、解く順番、見直し不足などを調べます。理科が時間内58点、延長後62点なら、時間だけ増やしても解けなかった問題が多いと分かります。定義や法則の理解、式を立てる条件、必要な知識を確認する復習が候補です。延長による得点差だけで原因を確定せず、実際に手が止まった箇所まで見直してください。

数学では、途中式のどこで遠回りしたかを残します。理科では、知識不足と計算ミスを分け、物理なら使う法則とその条件、化学なら物質量や反応比など、答案の出発点が正しかったかを確認します。生物を選ぶ場合も、用語を知っていることと、実験結果から判断できることを分けて点検します。科目名だけで一律の勉強法にせず、自分の失点に合う復習を選びましょう。

一週間の運用例として、初日に各科目の答案を分析し、次の数日で弱点を補強、週末に同じ範囲の初見問題を時間内に解く流れが考えられます。答えを覚えた過去問の解き直しだけで、実力が上がったと判断しないためです。数学の速さが改善しても正確さが落ちていないか、理科の基礎を復習した後に条件の違う問題へ対応できるかを確認します。

また、本番に向けた演習では、科目ごとの得点だけでなく、二つの試験を続けたときの集中状態も記録すると役立ちます。第一科目で失敗したと感じたときに、休憩中まで解き直しを続けてしまわないかを確かめてください。次の科目で使う知識の確認や気持ちの切り替えまで含め、自分に合う手順を練習しておきます。休憩中の行動や持ち物は、必ず実際の試験会場の指示に従ってください。

数学が得意・理科が普通なら何点必要?得点シミュレーション

まず実際の過去データを確認します。立命館理工学部・数理科学科数学コースの後期分割方式では、2026年度の公表合格最低点は146点/200点でした。これは2027年度の必要点を示す数字ではありません。立命館大学・2026年度結果p72

さらに、立命館は理科の科目間などで得点調整を行い、東京電機も通常の合計点選抜で平準化を行います。過去問を自己採点した素点から公表最低点を引き、「あと何点なら合格」と断定することはできません。立命館・2027ガイドp19東京電機・要項p12・18

そこで以下は、得点調整のない架空の入試で、数学100点・理科100点、合計目標150点を置いた学習用モデルとします。150点はどの大学の予想合格ラインでもありません。

数学の仮定得点 理科の必要得点 計算
70点 80点 150−70
80点 70点 150−80
90点 60点 150−90

このモデルで数学90点・理科60点を目標にするなら、数学が80点に下がったときに理科で10点を補う必要があります。「数学で取り返せる」と考えるだけでなく、取り返せなかった日の計画も必要です。

高得点科目2倍型では、伸ばす科目の価値が変わる

新潟工科の2科目型は、高得点科目を2倍し、もう一方を加える仕組みです。新潟工科大学・選抜方法

この配点構造だけを使った仮定例で、数学80点・理科60点なら220点/300点。数学を85点にすれば230点、理科を65点にすれば225点です。ただし数学70点・理科75点に逆転すると、2倍されるのは理科です。「いつでも数学が200点配点」ではありません。

この計算は配点の理解用で、実際の合否判定、出願書類の評価、共通テスト成績の採用まで再現するものではありません。今の高得点科目を伸ばすか、低得点科目の底上げを優先するかを考える材料にしてください。

もう一つ注意したいのは、「配点上の効果」と「その点数を伸ばす難しさ」は違うことです。例えば数学を5点伸ばす案と理科を5点伸ばす案で、必要な学習時間が同じとは限りません。数学で失った点が難問だけなのに、理科には未整理の基本事項が残っているなら、2倍される科目ばかりに時間を使う判断は早計です。まず各科目の答案から修正可能な課題を一つずつ選び、一定期間取り組んだ後に初見問題で効果を点検します。期待する伸びを決めつけず、記録を見ながら時間配分を修正してください。

2科目型だけに絞る危険と3科目型を残す併願戦略

受験校は科目数だけでなく、募集枠、試験日、入学手続期限、受けたい専攻から組み立てます。立命館の2027ガイドでは、数理科学科数学コースの後期分割の募集は2人。新潟工科の一般選抜はA日程28人、B日程8人ですが、複数の型を合わせた枠であり「2科目型だけで28人」とは読めません。立命館・募集人数新潟工科・募集人員

数学+理科型を主力にしても、英語を直ちに全廃する前に、追加負担と残る選択肢を比較しましょう。以下は、残り12週間・週30時間を受験対策に使えるとした架空の配分です。

学習案 数学 理科 英語 12週間の計画
2科目集中 週18時間 週12時間 0時間 数学216+理科144=360時間
3科目も維持 週15時間 週9時間 週6時間 数学180+理科108+英語72=360時間

後者は数学・理科に使える時間が各36時間減ります。その代わりに残せる方式が、自分の志望分野や学力に合っているかを確認します。72時間の英語学習でどの大学にも届く、という意味ではありません。英語の現在地を測らずに時間だけ決めても、比較にはなりません。

また、東京電機で英語外部試験利用と通常の一般選抜を同日併願する場合は、通常方式の英語も受験する必要があります。「外部英語方式に出願したから、当日の英語を欠席しても全方式で判定される」とは考えないでください。東京電機・要項p12・18

よくある質問:英語を使わない方式なら、偏差値が低くても受かりますか?

科目数だけでは判断できません。異なる科目数の偏差値を単純比較するより、受験資格を満たす方式の過去問を解き、数学・理科それぞれの時間内得点を確認する方が具体的です。入試で英語を使わないことは、入学後の英語学習が不要になることも意味しません。

出願前に残す、1枚のチェック表

大学・学部学科・方式・年度に加え、「数学範囲」「理科指定」「英語の別条件」「共通テストの要否」「試験日・手続期限」「公式資料の確認日」を1行にまとめてください。一つでも不明な欄があれば、募集要項を確認し、解決できなければ大学へ問い合わせます。

数学の対策を考える際は、数強塾の過去問解説も参考にしてください。指導内容や受講について確認したい方は、数強塾の案内・入塾相談フォームをご覧ください。方式探しで終わらせず、「自分はどの範囲で、何点を安定させるか」まで具体化することが、2科目型を生かす第一歩です。

英語の条件を軸に比較する場合は英語なしで受験できる大学の選び方、理科を含めず数学を主力にする方式を探す場合は数学1科目で受験できる大学一覧をご覧ください。科目を一つ減らしたときに、資格や面接など別の準備が増えないかも併せて確認できます。


執筆:藤原進之介(数強塾)

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