二次方程式は、すべてを同じ方法で解く単元ではありません。式を0の形に整理した後、「平方根」「因数分解」「解の公式」のどれが最短かを選びます。後半では、図形と割合から二次方程式を作り、条件に合う解だけを残します。
解法を選ぶ基準
| 0に整理した後の形 | 第一候補 | 理由 |
|---|---|---|
| x2=k | 平方根 | ±を付けて直接解ける |
| 整数で因数分解できる | 因数分解 | 積が0なら一方が0 |
| 因数分解が見つからない | 解の公式 | すべての二次方程式に使える |
| 文章・図形から作った式 | いずれか+吟味 | 方程式の解がすべて場面に合うとは限らない |
問題1:展開後に解の公式
次の方程式を解きます。
左辺を展開し、右辺の-3を左へ移します。
整数では因数分解できないので、解の公式を使います。
答え:x=(3+√37)/2,(3-√37)/2
問題2:因数分解できる形
展開して0に整理します。
積が-24、和が5となる8と-3を使います。
答え:x=-8,3
問題3:平方根を使う
両辺を7で割ると、x2=8です。
答え:x=2√2,-2√2
√8だけ、または2√2だけとすると、負の解が抜けます。x2=8を満たす数は二つです。
問題4:係数が1でない解の公式
a=3、b=4、c=-11を解の公式へ代入します。
答え:x=(-2+√37)/3,(-2-√37)/3
問題5:引くカッコの符号
二つの積を別々に展開します。
2番目のカッコの前にマイナスがあるので、外すと各項の符号が変わります。
答え:x=-12,4
問題6:分母を払って整理する
両辺全体を7倍します。一部の項だけを7倍しないようにします。
展開・整理すると、
答え:x=7,-1
代入検算
x=7では、左辺は1+35=36、右辺は36です。x=-1では、左辺は1+3=4、右辺は4です。二つとも元の式を満たします。
問題7:「解の一つがa」の意味
xについての方程式
の解の一つが aであるとします。「解の一つが a」は、x=aを代入すると式が成り立つという意味です。
答え:a=4/3,-3
どちらも元の式で x=aを満たすため、両方を採用します。
問題8:二つの解から係数を求める
x2+bx+a=0の解が1と7なら、先頭係数が1なので、
です。係数を比較して b=-8、a=7です。これを x2+ax+b=0へ入れます。
答え:x=-8,1
問題9:三つの半円と影の面積
一直線上にA、B、Cがあり、AC=12 cmです。AB、BC、ACを直径とする三つの半円を考えます。ACとBCの半円は同じ側、ABの半円は反対側です。図の影は、ACの大半円からBCの半円を除いた部分です。
ABの半円とBCの半円の面積の和が影の面積に等しいとき、ABの半円の半径を求めます。ただしAB、BCは0ではありません。

半径と面積を文字で表す
ABの半円の半径を r cmとします。AB=2r、BC=12-2rなので、BCの半円の半径は6-rです。
| 半円 | 半径 | 面積 |
|---|---|---|
| AB | r | (1/2)πr2 |
| BC | 6-r | (1/2)π(6-r)2 |
| AC | 6 | 18π |
AB、BCがともに正であるため、定義域は0<r<6です。
影の式を先に確定する
AB、BC、ACの半円面積をそれぞれ S1、S2、S3とすると、影は S3-S2です。条件は、
よって、
πを消して整理します。
方程式の解は r=2、6です。しかし r=6ではBC=12-2・6=0となり、問題の「BCは0にならない」に反します。
答え:2 cm
問題10:同じ割合で2回減る
AとBの2年前のお年玉をともに X円とします。Aは昨年に2割増え、今年は昨年から5割増えました。
2年前の1.8倍なので、増加分は0.8倍、つまり8割増しです。「2割+5割=7割」ではありません。基準となる金額が変わるため、倍率を掛けます。
Bが毎年同じ割合 pだけ減るとします。pは小数で表した減少率で、0<p<1です。
Bの今年はAの今年の1/5なので、
平方根を取ると1-p=±0.6ですが、1-pは「残る割合」で0より大きいため、-0.6は不適です。
答え:Aは8割増し、Bは毎年4割減
10題の答え一覧
| 問題 | 答え | 主な方法 |
|---|---|---|
| 1 | (3±√37)/2 | 解の公式 |
| 2 | -8,3 | 因数分解 |
| 3 | ±2√2 | 平方根 |
| 4 | (-2±√37)/3 | 解の公式 |
| 5 | -12,4 | 展開・因数分解 |
| 6 | 7,-1 | 分母払い・因数分解 |
| 7 | a=4/3,-3 | 解を代入 |
| 8 | -8,1 | 解から係数 |
| 9 | 2 cm | 面積・不適解 |
| 10 | 8割増し、4割減 | 倍率・平方根 |
よくある誤り
| 誤り | 確認方法 |
|---|---|
| 右辺を残したまま因数分解する | まず一方の辺を0にする |
| 平方根で±を忘れる | 未知数が長さでない限り正負の両方を確認 |
| マイナスの前のカッコをそのまま外す | カッコ内の全項の符号を変える |
| 分母を一部だけ払う | 等式の両辺に同じ数を掛ける |
| 図の白い領域を足す | 影=全体-白い部分と日本語で書く |
| 文章題の2解を無条件で採用する | 長さ、個数、割合、定義域に戻して吟味する |
確認問題
- x2-5x-14=0を解いてください。
- 2x2=18を解いてください。
- x2+bx+c=0の解が2と-5のとき、b, cを求めてください。
- 問題9で r=6を答えから除く理由を説明してください。
- 1000円を2回続けて2割引きした金額を求めてください。
確認問題の解答
- (x-7)(x+2)=0より、x=7,-2です。
- x2=9より、x=±3です。
- (x-2)(x+5)=x2+3x-10より、b=3,c=-10です。
- BC=12-2r=0となり、「BCの長さは0でない」という条件に反するためです。
- 1000・0.8・0.8=640円です。
よくある質問
因数分解できるか、何秒考えればよいですか。
整数係数なら、積と和の候補を小さい約数から確認します。候補がすぐ見つからない、判別式が平方数でないと分かった場合は、解の公式へ進みます。試行を長引かせないことも解法選択です。
二次方程式の解は、いつ一つになりますか。
重解のときは異なる解が一つです。ただし文章題では、方程式に二つの実数解があっても、長さや割合の条件に合う解が一つだけになることがあります。この二つを区別します。
割合を足してはいけないのはなぜですか。
2回目の割合は、1回目の変化後の量を基準にします。元の量を1とし、増加なら1+割合、減少なら1-割合を順に掛けると、基準の変化を正しく表せます。
学習範囲の根拠
本記事は、中学校数学で扱う二次方程式の解法と利用に沿って、計算・係数・図形・割合をサイト用に再構成した総合問題です。教材画像や紙面は転載していません。
