図形や座標の問題で二次方程式を使うとき、難しいのは計算そのものより「何を文字で表すか」です。このページでは、面積、動点、直線の交点、三角形内の長方形、平行四辺形と双曲線を扱う7題を、立式の根拠から詳しく解説します。方程式を解いた後は、長さ・座標・指定範囲へ戻り、どの解を採用するかまで確認します。

図形・座標問題の立式チェック表
| 確認するもの | 式にする方法 | よくある見落とし |
|---|---|---|
| 点が直線上 | 点の座標を直線の式へ代入 | x、yを逆に代入する |
| 三角形の面積 | (1/2)×底辺×高さ | 斜辺を高さにしてしまう |
| 長方形の面積 | 横の長さ×縦の長さ | 右端-左端を逆にする |
| 線分上の動点 | 端点の座標から文字の範囲を決める | 方程式の解を無条件で採用する |
| 平行四辺形 | 対角線の中点が一致する | 頂点の対応順を取り違える |
問題179:正方形を横切る線と内分点
正方形ABCDで、Eは辺AD上、Fは辺BC上にあり、直線EF上の点PがEP:PF=2:3を満たします。三角形BPCの面積が43.2 cm2のとき、正方形の一辺を求めます。
一辺をa cmとおく
ADとBCは平行で、その距離は正方形の一辺 a cmです。EからBCまでの距離を a と見れば、EF上をEからFへ進むにつれてBCまでの距離は一定の割合で小さくなります。
PはEFを2:3に内分するので、EからFまでの2/5だけ進んだ点です。したがって、PからBCまでの距離は全体の残り3/5です。
この関係は、EとPからBCへ垂線を下ろしてできる相似な直角三角形からも確認できます。
三角形BPCの面積を使う
底辺BCは a cm、高さは(3/5)a cmです。
a2=144
方程式だけなら a=±12ですが、aは長さなので正の値を採用します。
答え:12 cm
問題180:点が同一直線上にある条件
(1)文字を含む点を直線へ代入する
直線 ax-(a+3)y=22が、点(4a-2,a-7)を通るとき、aを求めます。
点が直線上にあるので、x=4a-2、y=a-7を代入します。
3a2+2a-1=0
答え:a=1/3,-1
(2)3点が一直線上にある条件
3点(-1,1)、(2,7)、(t+1,t2)が一直線上にあるとき、tを求めます。
最初の2点を通る直線の傾きは、(7-1)/(2-(-1))=2です。点(-1,1)を使うと、直線は y=2x+3です。
3番目の点もこの直線上にあるので、座標を代入します。
t2-2t-5=0
答え:t=1+√6,1-√6
(3)3直線が1点で交わる条件
次の3直線が1点で交わるとき、kを求めます。
② 3x+4y-5=0
③ k2x-y+k-5=0
まず、kを含まない①と②の交点を求めます。①から y=2x-7です。②へ代入すると、
11x-33=0
よって交点は(3,-1)です。この点が③上にもあるため、
3k2+k-4=0
答え:k=1,-4/3
問題181:線分上の動点と三角形の面積
座標平面上でO(0,0)、A(0,8)、B(4,0)とします。点P(x,y)は線分AB上、QはPからx軸へ下ろした垂線の足です。三角形OPQの面積を S とします。
(1)直線ABの式
AからBへ進むと、xが4増える間にyは8減るので、傾きは-2です。切片は8です。
(2)面積Sをxで表す
Pが線分AB上にあるため、0≦x≦4です。底辺OQ=x、高さPQ=y=-2x+8なので、
=-x2+4x
(3)S=4となる点P
x2-4x+4=0
(x-2)2=0
x=2は0≦x≦4を満たします。y=-2・2+8=4です。
答え:P(2,4)
S=-(x-2)2+4と変形すると、面積の最大値が4であることも分かります。最大になる位置なので、解が重なった重解になります。
問題182:三角形の中にある長方形
O(0,0)、A(8,0)、B(2,6)を頂点とする三角形OABの内部に、底辺がx軸上にある長方形CDEFを作ります。Cのx座標を a とし、Fは辺OB上、Eは辺AB上です。
(1)辺ABとOBの式
ABの傾きは(0-6)/(8-2)=-1なので、y=-x+8です。OBは原点とB(2,6)を通るので、y=3xです。
(2)点E、Fの座標
FはCの真上にあるのでx座標は a、OB上だから y=3aです。
長方形の上辺FEは水平なので、Eのy座標も3aです。EはAB上にあるため、3a=-x+8です。
(3)長方形の面積が6となるa
長方形がつぶれないためには、CがOとBのx座標の間にあり、0<a<2です。横の長さは、右端-左端です。
CF=3a
2a2-4a+1=0
二つの値はどちらも0<a<2を満たします。小さい a では細長い長方形、大きい a では幅の狭い長方形となり、面積が同じになるためです。
答え:a=(2+√2)/2,(2-√2)/2
問題183:動く縦線で分けた面積
直角二等辺三角形OABの頂点をO(0,0)、A(6,0)、B(3,3)とします。3<t<6のとき、P(t,0)を通る縦線が辺BAと交わる点をQとし、原点側の面積を S とします。
全体から右の小三角形を引く
三角形OABの面積は(1/2)・6・3=9です。辺BAは傾き-1なので、右側に残る直角三角形の底辺PAと高さPQは、どちらも6-tです。
=-(1/2)t2+6t-9
S=7となるt
(6-t)2=4
方程式から t=4、8を得ますが、指定範囲は3<t<6です。したがって8は図の外にあり、不適です。
答え:t=4
問題184:3直線が作る二つの三角形
直線 y=2x と y=5の交点をAとします。直線ℓ:y=x+k(0≦k≦5/2)が、x軸、y=2x、y=5と交わる点を順にP、Q、Rとします。
Aは2x=5よりA(5/2,5)です。
(1)点P、Q、Rの座標
Pではy=0なのでP(-k,0)です。Qでは2x=x+kなのでQ(k,2k)です。Rでは5=x+kなのでR(5-k,5)です。
(2)三角形OPQの面積S
0≦kなのでOP=k、Qからx軸までの高さは2kです。
k=0ではP=O=Qとなり三角形はつぶれますが、面積0として式は成り立ちます。
(3)三角形AQRの面積T
ARは水平で、長さは(5-k)-5/2=(5-2k)/2です。Qから直線 y=5までの高さは5-2kです。指定範囲では、これらはともに0以上です。
=(5-2k)2/4
(4)T=4となるk
(5-2k)2=16
5-2k=±4より、k=1/2、9/2です。0≦k≦5/2を満たすのは1/2だけです。
答え:k=1/2
問題185:平行四辺形と双曲線
直線① y=x/2と、双曲線② y=6/x(x>0)を考えます。A(-4,3)、B(-1,-1)が与えられ、Cは①上、Dは②上にあり、ABCDがこの順に平行四辺形です。
(1)点C、Dの座標
Cのx座標を c とすると、C(c,c/2)です。平行四辺形ではベクトルAD=BCなので、D=A+C-Bと表せます。
Dは双曲線②上にあるため、
②ではx>0なので、Dのx座標 c-3>0です。したがって分母は0でなく、両辺に2(c-3)を掛けられます。
c2+5c-36=0
(c+9)(c-4)=0
c=-9、4のうち、c-3>0を満たすのは4です。
答え:C(4,2)、D(1,6)
(2)平行四辺形の面積を二等分する直線
平行四辺形は、対角線の交点を中心とする180°回転で自分自身に重なります。したがって、中心を通る直線は平行四辺形の面積を二等分します。
中心は対角線ACの中点なので、
この中心とP(3,-1)を通る直線の傾きは、
よって求める直線は、
答え:y=-(7/6)x+5/2
7題の答え一覧
| 問題 | 答え | 決め手 |
|---|---|---|
| 179 | 12 cm | 内分点から底辺までの高さ |
| 180(1) | a=1/3,-1 | 点の座標を直線へ代入 |
| 180(2) | t=1±√6 | 2点を通る直線 |
| 180(3) | k=1,-4/3 | 先に2直線の交点を求める |
| 181 | S=-x2+4x、P(2,4) | 0≦x≦4 |
| 182 | a=(2±√2)/2 | 二つの解がともに適する |
| 183 | t=4 | 3<t<6で吟味 |
| 184 | S=k2、T=(5-2k)2/4、k=1/2 | 0≦k≦5/2 |
| 185 | C(4,2)、D(1,6)、y=-(7/6)x+5/2 | 平行四辺形の中心 |
よくある誤りと直し方
| 誤り | 直し方 |
|---|---|
| 図を見ただけで長さの比を決める | 平行・相似・座標のどの性質を使ったかを書く |
| 点が直線上という条件を傾きだけで処理する | 既知の直線へ座標を代入する方が短い場合を確認 |
| 長方形の横を右端の座標だけにする | 横の長さ=右端-左端 |
| 二つの解から機械的に正の方だけを選ぶ | 問題ごとの定義域に一つずつ代入 |
| 双曲線の分母を払う前に条件を見ない | x≠0やx>0を先に記録 |
| 面積二等分線を対角線だけと思う | 平行四辺形では中心を通る全ての直線が二等分する |
確認問題
- 点(2p,p+1)が直線 y=x-2上にあるとき、pを求めてください。
- O(0,0)、A(0,6)、B(3,0)で、P(x,y)が線分AB上にあるとき、三角形OPQの面積を x で表してください。
- 方程式から t=2、7を得ましたが、動点の範囲が3<t<6です。採用できる解はありますか。
- 平行四辺形の対角線ACの端点がA(-2,5)、C(6,-1)のとき、中心を求めてください。
確認問題の解答
- p+1=2p-2より、p=3です。
- ABは y=-2x+6、0≦x≦3です。したがって S=(1/2)x(-2x+6)=-x2+3xです。
- 2も7も指定範囲に入らないため、採用できる解はありません。
- ((-2+6)/2,(5-1)/2)より、(2,2)です。
よくある質問
二次方程式の解が二つなら、図形も必ず二つできますか。
いいえ。二つとも指定範囲に入れば二つできますが、一方が負の長さ、動点の範囲外、分母を0にする値などなら除きます。方程式の解の個数と、問題に適する答えの個数は分けて考えます。
動点問題では、定義域をいつ書けばよいですか。
文字を置いた直後に書くのが安全です。方程式を解いた後では、図から読み取った条件を忘れやすいためです。
図が正確な縮尺でなくても解けますか。
解けます。図は位置関係を整理する補助です。答えは、平行・相似・直線の式・面積公式など、問題文で保証された性質から導きます。
学習範囲と問題の扱い
本記事は、中学校数学で扱う二次方程式の利用、関数と図形の関係に沿い、提供された問題の構造を学習サイト用に再構成して解説したものです。教材写真や紙面は転載せず、図版は数強塾が新規に作成しています。
保護者の方へ:途中式より先に確認したいこと
お子さまが答えを出せたら、「文字の範囲はどこから決めた?」「この長さは図のどの部分?」「もう一つの解を除いた、または残した理由は?」の三つを尋ねてみてください。これらを説明できれば、計算だけでなく立式と吟味まで理解できています。
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