「大手予備校に入れば、なんとかなるだろう」——そう思って入学金を払い、安心した経験はありませんか。あるいは、お子さんを有名な予備校に通わせて、ホッとしている保護者の方もいるかもしれません。でも、その安心感、ちょっと待ってください。実は僕自身、その「安心」に裏切られて2浪した一人なんです。今日は、少し本音でお話しさせてください。
なぜ「大手予備校に通えば受かる」という時代が終わったのか
昔は、たしかに大手予備校に通うことに大きな価値がありました。優秀な講師の授業は、その場所に行かなければ受けられなかったからです。情報も、予備校が持っているものが圧倒的に多かった。だから「とりあえず大手に通っておけば安心」という時代が、確かに存在したと思います。
でも今は、状況がまるで違います。質の高い授業は、スマホひとつで、いつでもどこでも見られるようになりました。参考書も驚くほど進化していて、独学でも十分に力がつくものがたくさんあります。情報だって、ネットを開けば溢れています。つまり「授業を提供すること」そのものの価値は、昔ほど高くなくなってしまったんです。
それでも、大手予備校に通えば受かる、と信じている人は少なくありません。でも実際は、同じ予備校の同じ講座を取っていても、受かる子と受からない子がいる。なぜでしょうか。それは、授業を「受けること」と、学力が「身につくこと」は、まったく別物だからだと僕は感じています。
僕が2浪して気づいた「授業を受けただけ」の落とし穴
正直に告白します。僕は2浪しました。現役のときも、1浪目も、有名な予備校の講座をたくさん取っていました。週に何コマも授業に出て、ノートもそれなりに取って、「これだけやってるんだから受かるだろう」と思っていたんです。
でも、結果は不合格。なぜか。今振り返ると、僕は「授業を受けること」が勉強だと勘違いしていたんです。授業に出ると、なんだか勉強した気になる。分かった気になる。でも、いざ自分で問題を解いてみると、手が止まる。実は、まったく身についていなかった。
大事なのは、授業の後にどれだけ自分の手を動かして、自分の頭で考えたか。そして、自分が今どこでつまずいているのかを、誰かに見てもらいながら一つずつ潰していくこと。だけど、何百人もが受ける大教室の授業では、僕一人のつまずきには、誰も気づいてくれませんでした。
2浪目に入って、僕はやり方を根本から変えました。授業を減らし、自分の弱点を分析し、信頼できる人に質問できる環境を作った。すると、面白いように力がついていったんです。この経験が、後に21歳で数強塾を創業する原点になりました。「授業を提供する塾」ではなく、「一人ひとりが本当にできるようになる塾」を作りたいと思ったんです。
これからの時代に本当に必要な「学び方」とは
大切なのは「自分専用の地図」を持つこと
受験勉強で一番大事なのは、僕は「今の自分の位置」と「ゴールまでの道のり」を正確に知ることだと思っています。たとえるなら、地図とコンパスです。どんなに良い授業を受けても、自分が今どこにいて、何が足りないのかが分からなければ、効率よく進めません。
大手予備校に通えば受かる、という発想が危ういのは、この「自分専用の地図」が手に入らないからです。みんなと同じカリキュラム、みんなと同じペース。でも、子どもの数だけ、つまずくポイントは違います。Aさんは計算が苦手かもしれないし、Bさんは文章を読み解く力が弱いかもしれない。その違いに合わせて道を引いてあげることが、本当は何より大切なんです。
「質問できる環境」が学力を伸ばす
もう一つ大切なのが、分からないことをその場で質問できる環境です。僕が指導してきた生徒たちを見ていても、伸びる子は「あれってどういうことですか?」と気軽に聞ける関係を持っています。逆に、質問できずに一人で抱え込んでしまう子は、小さなつまずきが雪だるま式に大きくなってしまう。
特に数学や情報Iのような科目は、一度つまずくと、その先がまったく分からなくなります。だからこそ、つまずいた瞬間に、すぐ手当てしてくれる人がそばにいることが、ものすごく大きな意味を持つんです。
科目を横断する「本物の学力」を育てる
そしてもう一つ。これからの時代は、テクニックだけでは通用しないと僕は感じています。AIがどんどん進化していく中で、本当に問われるのは「自分の頭で考える力」です。数学の論理的思考、国語の読解力や記述力。こういった力は、受験が終わった後も、一生使える本物の学力になります。
大手予備校に通えば受かる、という時代が終わったというのは、裏を返せば「自分に合った学び方を選べる時代になった」ということでもあります。これはむしろチャンスだと、僕は思っています。
まとめ:環境は、自分で選んでいい
もう一度言わせてください。大手予備校に通えば受かる、という時代はとっくに終わっています。でも、それは悲しいことではありません。授業の有名さやブランドではなく、「本当に自分が伸びる環境かどうか」で選んでいい時代になったということです。
2浪した僕だからこそ伝えたい。大切なのは、何コマ授業を取ったかではなく、自分のつまずきを一つずつ潰し、自分の頭で考える力を育てること。お子さんに、あるいはあなた自身に、本当に合った環境を選んでほしいと、心から思っています。受験は、ゴールではなくスタートです。その先まで使える力を、一緒に育てていきましょう。
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