大阪工業大学は難化した?偏差値・倍率と産近甲龍理系を比較

「大阪工業大学の偏差値は上がったのか」「産近甲龍の理系と比べると、どこに位置するのか」。先に結論を示すと、大阪工業大学全体が一方向に難化した、とまではいえません。河合塾Kei-Netの2027年度方式別ランクでは、一般方式の偏差値帯は42.5~47.5、共通テスト得点率帯は59~69%です。ただし、同じA日程・3教科の代表学科を2024~2027年度で追うと、建築47.5、機械42.5、電気電子42.5は大きく動いていません。一方、公式入試結果では、2026年度A日程の機械・電気電子で倍率と合格最低点が上がりました。つまり、大学全体の恒常的な上昇というより、学科別・年度別に競争が締まる場面があると読むのが正確です。

産近甲龍との比較でも同じです。2027年度の同一提供元データで3教科方式を比べると、大阪工業大学の機械・電気電子は龍谷大学の対応分野と同じ42.5、情報系は京都産業大学・甲南大学の45.0と重なる募集単位がある一方、近畿大学の東大阪キャンパスにある機械50.0、建築52.5、情報52.5とは差があります。「大阪工業大学対産近甲龍」という大学名同士の一本勝負ではなく、学びたい分野・方式・数学の効き方をそろえて比べる必要があります。

以下では、偏差値を大学の価値の順位として扱いません。藤原進之介・数強塾の独自軸として、①同じ年度・同じ提供元・同じ科目数、②公式の募集枠と実質倍率、③数学が総点をどれだけ動かすか、④過去問70分で再現できる得点、の順に判断します。なお、2027年度の倍率と最低点は入試前なので未確定です。数値を未来の合格保証には使わず、自分の出願と学習配分を決める材料にしてください。

大阪工業大学の偏差値・共通テスト得点率2027

2026年9月4日時点の河合塾Kei-Net「大阪工業大学・偏差値(ボーダーライン)」では、大学全体の方式別レンジが偏差値42.5~47.5、共通テスト得点率59~69%とされています。ここでいう偏差値は合格可能性50%となるボーダー偏差値で、大学が公表する合格最低点でも、在学生の平均偏差値でもありません。また、共通テスト得点率69%は一部の併用方式などを含む大学全体の上限です。科目数の違う方式を同じ列に並べると誤解するので、次表では個別試験を「前期A均等配点」、共通テスト利用を「前期C日程理系」に固定しました。

募集人員は、大阪工業大学「2027年度入試ガイド」募集学部・学科・入学定員にあるA・AC日程の合算枠です。偏差値と募集人員は別資料・別概念ですが、小さな枠では受験者や合格者の増減による倍率の振れが相対的に大きくなりやすいため、併記する意味があります。

学部・学科 2027 A・AC募集人員 前期A均等配点の偏差値 前期C日程理系の得点率
工・都市デザイン工 28人 47.5 65%
工・建築 42人 47.5 65%
工・機械工 39人 42.5 65%
工・電気電子システム工 35人 42.5 64%
工・電子情報システム工 31人 42.5 63%
工・応用化学 36人 45.0 62%
工・環境工 21人 42.5 61%
工・生命工 20人 45.0 63%
ロボティクス&デザイン工・ロボット工 25人 47.5 63%
ロボティクス&デザイン工・システムデザイン工 25人 45.0 63%
ロボティクス&デザイン工・空間デザイン 28人 45.0 63%
情報科学・データサイエンス 23人 47.5(理系型) 66%
情報科学・実世界情報 23人 42.5 61%
情報科学・情報知能 28人 47.5 65%
情報科学・情報システム 28人 45.0 65%
情報科学・情報メディア 28人 47.5 63%

この表から、少なくとも三つのことが分かります。第一に、「大阪工業大学の偏差値」を一つの数字で答えるのは不正確です。A日程だけでも42.5~47.5の5.0ポイント幅があり、工学部内にも差があります。第二に、個別試験偏差値と共通テスト得点率の順序は完全には一致しません。機械工は偏差値42.5でもC日程理系は65%であり、共通テストだけを安全策と決めつけることはできません。第三に、偏差値47.5の学科がすべて同じ学力負担ではありません。工学部の都市デザイン・建築などはA日程理系型で数学①、英語、物理または化学を受けるのに対し、情報科学部では数学①または②、英語に加え、理科または国語の高得点1教科が採用されます。偏差値が同じでも、科目選択の自由度と数学Ⅲの要否が違います。

数強塾では、この表を「47.5だから難しい、42.5だから簡単」という順番表にはしません。まず志望学科に必要な数学範囲を確定し、次に過去問で同じ方式を解き、最後にボーダーとの距離を測ります。模試の偏差値が45.0でも、数学①で120点を安定させ、理科も得点できる受験生と、数学Ⅱまでの模試で45.0だが数学Ⅲが未完成の受験生では、工学部A日程への適合度が違うからです。偏差値は入口の絞り込み、過去問得点は方式との相性確認、と役割を分けてください。

なお、Kei-Netの数値は更新され得ます。2027年度の6月版方式別ランクPDFでは応用化学Aが42.5でしたが、9月4日時点の大学検索ページは45.0です。これは「数か月で大学そのものの価値が上がった」という意味ではなく、模試動向などを反映した予想値の更新と見るべきです。出願直前には最新表示を再確認し、古いスクリーンショットと混ぜないことが重要です。

大阪工業大学は難化した?偏差値・倍率の推移を検証

難化を検証するには、偏差値、実質倍率、合格最低点を別々に見ます。偏差値は外部機関の予想、倍率はその年の受験者と合格者の関係、最低点は問題難度と得点調整を含む結果です。一つだけ上がった年を「難化確定」とするのは早計です。

同じA日程3教科で見た4年間の偏差値

河合塾の方式別ランクPDFを用い、大阪工業大学のA日程・3教科に相当する行だけを2024~2027年度で接続しました。資料は2024年度版2025年度版2026年度版2027年度版です。2024・2025年度は「前期A」、2026・2027年度は「前期A均等配点」と表記が変わっていますが、ここでは個別試験3教科の代表行に限定しました。

学科 2024 2025 2026 2027 読み方
建築 47.5 47.5 47.5 47.5 4年間横ばい
機械工 42.5 42.5 42.5 42.5 4年間横ばい
電気電子システム工 42.5 42.5 42.5 42.5 4年間横ばい
応用化学 42.5 42.5 42.5 42.5※ 6月版は横ばい。最新検索ページは45.0
情報システム 47.5 47.5 45.0 45.0 2026年度から1段階低下

※2027年度欄は同年度6月版PDF。現況を知るときは前節の9月4日時点45.0を採用します。

この定点観測からは、「大阪工業大学が4年連続で偏差値上昇」という線は見えません。むしろ安定している学科が多く、情報システムは2.5ポイント下がっています。ただし、偏差値表の2.5刻みは細かな競争変化を丸めます。また、各年度版は予想を集計した時点が完全には同じではないため、小数点以下の精密な時系列ではなく、大きな方向を確かめる資料です。そこで、公式入試結果も確認します。

A日程の実質倍率と最低点は学科別に動いた

大阪工業大学の2024年度A日程結果2025年度A日程結果2026年度A日程結果から、改組の影響を受けにくい4学科を抜き出しました。倍率は大学公表値です。工学部・ロボティクス&デザイン工学部・情報科学部では第2・第5志望制度があるため、学科倍率は第1志望だけの率です。最低点も第1志望合格者の「得点調整後」の値で、A日程は450点満点です。

学科 2024倍率/最低点 2025倍率/最低点 2026倍率/最低点 2026の特徴
建築 6.8倍/328点 5.0倍/323点 6.4倍/342点 倍率は24年未満、最低点は上昇
機械工 4.0倍/298点 4.8倍/308点 5.0倍/334点 倍率・最低点とも段階的に上昇
電気電子システム工 2.8倍/287点 2.8倍/279点 4.2倍/313点 26年に倍率が大きく上昇
応用化学 2.1倍/270点 3.0倍/293点 3.0倍/303点 倍率横ばいでも最低点は上昇

この結果は「偏差値が横ばいだから入試も同じ」とは限らないことを示します。機械工では受験者が2024年度600人、2025年度635人、2026年度595人と推移し、受験者が最多でない2026年度に倍率が5.0倍になりました。分母だけでなく、大学が出した合格者数が第1志望149人、132人、118人と減った影響があります。電気電子システム工では受験者が272人、279人、351人と増え、第1志望合格者は97人、101人、84人となったため、2026年度に4.2倍まで上がりました。「志願者が増えた=必ず難化」でも「偏差値横ばい=安心」でもなく、受験者と合格者の両方を見る必要があります。

最低点を割合にすると、2026年度は建築76.0%、機械74.2%、電気電子69.6%、応用化学67.3%です。しかし、これを2027年度の目標素点にそのまま置いてはいけません。公式表は得点調整後であり、年度ごとに問題難度も受験者集団も違います。たとえば機械の298点から334点への上昇は重要な警戒材料ですが、「2027年度も334点なら合格」とは言えません。過去問を解いた自分の素点と、調整後の公表最低点は別物です。

藤原進之介・数強塾の判定は、次の三条件で分けます。

  1. 継続難化:同じ方式の偏差値、倍率、最低点の三つが複数年同方向に動く。
  2. 競争の一時的な締まり:偏差値は横ばいだが、特定年度に倍率・最低点が上がる。
  3. 見かけの変化:方式名称、配点、募集枠、得点調整が変わり、前年と直結できない。

今回の代表学科では、機械工は偏差値横ばいの中で倍率・最低点が上がった「競争の締まり」、電気電子は2026年度に急に締まった学科、建築は高い倍率帯で振幅、応用化学は倍率より最低点の上昇を警戒、という読みになります。2027年度はA日程に数学重視方式が新設され、B日程の判定方式も変わるため、2026年度の方式別最低点を新方式へ機械的に移植してはいけません。より広い工業系大学の見方は全国「工業大学」比較、志願者増の読み方は工学系の志願者増加を検証した記事も参照してください。

大阪工業大学と産近甲龍理系|同一年度・共通学科で難易度比較

「産近甲龍理系」という呼び方は便利ですが、京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学は理系学部の構成が違います。機械や建築を持たない大学まで大学全体の最高偏差値で並べると、受験生が知りたい併願関係から離れます。そこで、2027年度の河合塾Kei-Netを同一提供元として、原則3教科の個別試験方式、かつ対応しやすい分野に限定しました。参照ページは大阪工業大学京都産業大学近畿大学甲南大学龍谷大学です。

分野 大学・募集単位 比較方式 2027偏差値 大阪工大との差
機械 大阪工業大・機械工 前期A均等配点 42.5 基準
機械 龍谷大・機械工学・ロボティクス 前期スタンダード 42.5 0.0
機械 近畿大・理工・機械工(東大阪) 前期A 50.0 +7.5
電気電子 大阪工業大・電気電子システム工 前期A均等配点 42.5 基準
電気電子 龍谷大・電子情報通信 前期スタンダード 42.5 0.0
電気電子 近畿大・理工・電気電子通信工(東大阪) 前期A 47.5 +5.0
情報 大阪工業大・情報システム 前期A均等配点 45.0 基準
情報 京都産業大・情報理工 3科目型 45.0 0.0
情報 甲南大・知能情報 前期 45.0 0.0
情報 龍谷大・情報メディア/知能情報システム 前期理系スタンダード 45.0 0.0
情報 近畿大・情報 前期A英語・数学・理科 52.5 +7.5
建築 大阪工業大・建築 前期A均等配点 47.5 基準
建築 近畿大・建築 前期A 52.5 +5.0
化学 大阪工業大・応用化学 前期A均等配点 45.0 基準
化学 龍谷大・応用化学 前期スタンダード 42.5 -2.5
化学 甲南大・理工・物質化学 前期 47.5 +2.5
化学 近畿大・理工・応用化学(東大阪) 前期A 47.5 +2.5

表の意味は「上の大学ほど教育や就職が優れる」ではありません。偏差値は当該方式の入試難易度予想にすぎず、学科のカリキュラム、研究室、キャンパス、取得を目指せる資格、卒業後の分野を置き換えません。また近畿大学には東大阪以外にも工学系学部がありますが、ここではキャンパス差まで混ぜないため、理工学部・情報学部・建築学部の該当募集単位に限定しました。

比較から得られる実務的な結論は、分野ごとに違います。

  • 機械・電気電子:大阪工大と龍谷大の方式別ランクは重なり、近畿大理工は5.0~7.5ポイント上です。大阪工大を「産近甲龍より常に下」とも「同格」とも一括できません。
  • 情報:大阪工大の情報システム45.0は京都産業大、甲南大、龍谷大の代表的な情報系3科目方式と重なります。大阪工大でも情報知能・情報メディア・データサイエンスは47.5なので、学科間差を無視できません。
  • 建築:対応学科を持つ近畿大との比較では52.5対47.5ですが、偏差値差だけでなく、数学①の範囲、試験時間、キャンパスと設計教育の内容を確認すべきです。
  • 化学:大阪工大45.0を中心に龍谷大42.5、甲南大・近畿大47.5と上下に候補を置けます。これが最も作りやすい「挑戦・同程度・安全寄り」の分散例です。ただし安全校は偏差値差だけでなく、過去問の最低3年分で決めます。

数学配点にも差があります。大阪工大の2027年度A日程は、工学部の主要理系型で数学150・英語150・理科150の450点が標準で、数学重視方式を併願すると数学300+英語と理科の高得点150の450点です。近畿大学の2027年度建築学部A日程は英語・数学・理科が各100点、数学60分です。京都産業大学の2027年度前期日程は情報理工の3科目型に加え2科目型等があり、方式を変えると比較条件も変わります。龍谷大学の2027年度入試ガイドには、理工学部で数学・理科の高得点1科目を2倍にする方式などがあります。偏差値が同じ45.0でも、「数学を150点で受ける」のか「数学を2倍にできる」のかで、数学が得意な受験生の実戦難易度は変わります。

したがって併願表は、偏差値差だけでなく次の四列を作ってください。「学科分野」「必須範囲」「数学の総点比率」「過去問3年の中央値」です。大学名だけを縦に並べる表より、この四列の方が得点可能性を説明できます。首都圏の工科系との位置づけまで広げたい場合は四工大比較を別軸として使い、関西の産近甲龍比較と混ぜない方が判断しやすくなります。

大阪工業大学の数学入試|頻出分野と合格点戦略

大阪工業大学の2027年度入試ガイド・A日程によると、数学は記述式70分です。数学①は数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、数学A(数学と人間の活動を除く)、数学Bの数列、数学Cのベクトル・平面上の曲線と複素数平面。数学②は数学Ⅰ・Ⅱ、数学Aの同範囲、数学Bの数列、数学Cのベクトルで、数学Ⅲ・平面上の曲線・複素数平面を含みません。工学部の都市デザイン、建築、機械、電気電子システム、電子情報システム、ロボット、システムデザインでは数学①が指定されます。数学②を選べる学科があるからといって、大阪工大全体を「数学Ⅲなしで受けられる」と表現するのは誤りです。

2024~2026年度A日程6回分から見える構成

大阪工業大学の公式過去問題ページで公開されている2024~2026年度A日程の各2日、合計6回の数学と公式講評を確認しました。2026年度1日目を例にすると、数学①・②とも選択区分に応じて4題、150点。共通の第I問が40点、第II問が30点、残る2題が各40点です。観測した6回では、共通部分に小問集合、数列、ベクトルが置かれ、数学①側では微積分が大きな得点源になっています。小問では方程式・不等式、指数対数、三角関数、確率などが年度・日程によって組み合わされました。

ここでいう「頻出」は6回の観測内で複数回確認したという意味で、2027年度の出題を保証する言葉ではありません。ただ、対策の優先順位は作れます。

優先度 分野 理由 答案での注意
最優先 数列 共通大問で繰り返し出現 一般項だけでなく和、漸化式、数学的帰納法まで
最優先 ベクトル 共通大問で繰り返し出現 図を描き、内積・比・位置ベクトルの条件を言語化
最優先(数学①) 微分・積分 40点大問を構成しやすい 増減、接線、面積、置換・部分積分を連結して練習
次点 指数・対数、三角関数 小問と微積分の両方に接続 定義域、周期、角の範囲を落とさない
次点 確率・場合の数 小問で差が出る 重複・順序・余事象の選択理由を残す
常時 計算検算 公式講評でも計算や条件確認への注意が反復 符号、積分区間、解の除外を最後に点検

70分の答案時間モデル

次は大学の公式推奨ではなく、数強塾が紙上演習を管理するための仮定モデルです。

作業 時間 判断基準
全体確認 4分 4題の単元、計算量、見通しを記号化
第I問 13分 40点。即答できる小問から埋める
第II問 13分 30点。数列・ベクトルの条件整理を優先
40点大問その1 17分 完答しやすい方から着手
40点大問その2 17分 前半設問を確保し、停滞時は移動
検算・補完 6分 符号、範囲、記述の飛躍を修正

合計70分です。初回から固定するのではなく、3年分6回を解いて調整します。目安として、4分考えても方針が一行も書けない設問は印を付けて移動します。ただし、途中式で部分点が見込める記述問題は、使用する公式、置換、増減表の骨格だけでも残します。「難問を解けるか」より、「取れる30~40点大問を先に判別できるか」が総点を安定させます。

合格最低点から数学だけの固定目標を逆算することはできません。そこで、自分の過去問素点を使います。6回の数学を70分で解き、最高点ではなく中央値を出してください。たとえば110、118、104、126、115、121点なら中央値は116.5点です。直近1回の126点を実力代表にせず、116点前後を出願時の再現値とみなします。そのうえで、誤答を「知識不足」「方針選択」「計算」「時間切れ」の四つに分類します。計算と時間切れが失点の半分以上なら、新単元を増やすより70分運用の修正が先です。

2027数学重視方式の得点換算

2027年度入試ガイド・A日程選抜方法では、標準の理系型は数学・英語・理科が各150点、計450点です。新設の数学重視方式は、対象学科で標準方式の数学得点を2倍し、英語と理科のうち高得点1教科を加え、計450点で判定します。標準方式の受験が必須で、数学重視方式だけを単独の2科目入試として受ける制度ではありません。

数学を \(M\)、理科を \(S\)、英語を \(E\)(各150点)とすれば、

  • 標準方式:\(M+S+E\)
  • 数学重視方式:\(2M+\max(S,E)\)
  • 数学重視による増分:\(M-\min(S,E)\)

となります。つまり、数学が英語・理科の低い方を上回るほど、換算上の上積みが大きくなります。これは数強塾による式の整理であり、大学公表の合格判定式を分かりやすく変形したものです。

仮定例として、数学120、理科95、英語70点なら標準方式は285点、数学重視は335点で、50点増えます。数学・理科・英語が各95点なら、どちらも285点です。反対に数学80、理科110、英語100点なら標準290点、数学重視270点となります。ただし標準方式も必ず判定されるため、「数学重視を併願したせいで標準方式の得点が下がる」という意味ではありません。また、2027年度は未実施で数学重視方式の合格最低点はありません。この試算は方式相性の確認であって、合格予想ではありません。

数学を得点源にする併願設計は数学高配点の私立大学数学が得意・英語が苦手な受験計画でも整理しています。大阪工大では英語を受験したうえで高得点1科目に残す制度なので、「数学重視=英語対策不要」と読み替えないでください。

大阪工業大学の併願校と入試方式の選び方

2027年度は制度変更があるため、前年倍率の低い方式を探すより、自分の得点構造を各方式へ換算する方が有効です。大阪工業大学の入試日程と入試ガイドによれば、A日程は2027年1月28・29日、B日程は2月4日、D日程は3月6日です。A日程は2日受験でき、AC・BC・DCはそれぞれ対応する独自試験との同時出願が必要です。

方式を役割で分ける

方式 2027年度の判定 向きやすい得点構造 注意点
A日程・標準 原則3教科各150点、450点 3教科を崩さず取れる 学科により数学①指定、理科・国語の扱いが違う
A日程・数学重視 数学300+残り高得点1教科150、450点 数学が英語・理科の低い方を明確に上回る 標準方式受験が必須。対象学科を確認
B日程・標準 原則3教科各150点、450点 A後に3教科で再挑戦したい 2027年度の判定方式は前年と同一ではない
B日程・高得点重視 高得点順に満点200・150・100へ傾斜、450点 1教科が突出し、低い1教科を圧縮したい 換算細則は正式募集要項で最終確認
C日程 共通テスト利用 共通テストで安定得点 学科・型で科目数と得点率が違う
AC・BC・DC 独自試験+共通テスト 二つの試験でリスクを分散 単独出願不可。指定共テ科目が必要
D日程 受験教科中の高得点2教科、300点 前期後に2教科を仕上げ直せる 3教科以上受験時の採用条件、学科別必須条件を確認

B日程は特に前年との直結を避けるべきです。2027年度入試ガイド・B日程では標準方式を均等配点とし、併願の高得点重視方式で3教科を高得点順に200・150・100点満点へ傾斜させます。たとえば各150点満点の素点が120、95、70だったとき、満点比で比例換算すると160+95+46.7=約301.7点となります。これは入試ガイドの「満点に傾斜」という表現から数強塾が置いた仮定換算です。端数処理や具体的な換算法は正式募集要項で必ず確認し、現時点で確定得点として扱わないでください。

偏差値ではなく「役割」で併願校を置く

機械志望を例にした紙上モデルを示します。模試偏差値だけでなく、大阪工大A数学①、英語、物理を各150点換算し、過去問6回の中央値を数学118、英語82、物理96点と仮定します。標準は296点、数学重視は332点です。この受験生は数学重視との相性がよいので、大阪工大を中核にし、同一提供元の方式別ランクで上にある近畿大理工・機械50.0を挑戦、同じ42.5の龍谷大・機械工学/ロボティクスを同程度候補に置けます。しかし、龍谷大を「安全校」とは呼べません。偏差値が同じうえ、配点方式と問題相性が違うからです。安全寄りの候補は、2.5~5.0ポイントの差だけでなく、過去問中央値が合格目標帯を継続して上回る募集単位から探します。

化学志望なら、大阪工大・応用化学45.0を中核、甲南大・物質化学47.5または近畿大・応用化学47.5を挑戦寄り、龍谷大・応用化学42.5を難易度表上の下側候補に置く形が考えられます。ただし大阪工大の応用化学A標準は文理型で、英語150、数学または国語の高得点150、理科150です。数学重視ではなく理科重視方式の対象なので、機械志望と同じ式を使えません。学科名が似ていても、方式の得点構造までコピーしないことが重要です。

最終的な併願表は、次の手順で作れます。

  1. 学びたい分野を一つ決め、各大学で対応する学科だけを抜く。
  2. Kei-Netなど一つの提供元・2027年度・同じ科目数の偏差値を記録する。
  3. 各大学の公式2027年度要項で数学範囲、必須理科、配点、試験日を確認する。
  4. 公開過去問を本番時間で最低3年解き、得点の中央値と振れ幅を出す。
  5. 「挑戦」「中核」「安全寄り」の三段階に分ける。ただし安全寄りは最低点との差と日程まで確認する。
  6. 共通テスト利用・併用は、共通テスト模試の再現値を使って別判定にする。
  7. 入学手続締切と第一志望の合格発表日の前後関係を確認し、納入判断を紙に書く。

紙には、各方式の得点を一つではなく幅で書いてください。先ほどの機械志望者なら、数学108~124、物理88~102、英語74~88のように過去問の振れを置きます。標準方式の下限は270、上限314、数学重視の下限は304、上限350です。下限でも戦える方式を中核、上限で初めて届く方式を挑戦と定義すると、単発の最高点に引っ張られにくくなります。この数値は説明用の仮定で、実際の合格最低点や得点調整を予測するものではありません。

出願前の最終チェック

  • 2027年度の正式募集要項で、入試ガイドからの変更・訂正がないか。
  • 志望学科は数学①必須か、数学②も選べるか。
  • Aの数学重視、理科重視、英語重視のどれが対象か。
  • Bの傾斜換算と端数処理はどう定められたか。
  • 第2・第5志望制度を利用する場合の科目条件を満たすか。
  • AC・BC・DCに必要な共通テスト科目を受験しているか。
  • 同日の併願校、合格発表、入学手続期限が衝突しないか。

過去問は「解けた・解けなかった」で終えず、70分の着手順と失点原因を記録してください。数強塾の過去問解説を使うときも、解説を読む前の答案と、読み終えた後に再現した答案を分けると改善点が見えます。数強塾への相談を検討する場合は、提供内容と料金を入塾案内で確認できます。大阪工大と産近甲龍のどちらが「上」かを決めるより、自分が選んだ学科・方式で、数学の再現得点を何点動かせるかを決めることが合格戦略になります。


執筆:藤原進之介(数強塾)

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