中2の確率でやることは、たった1つです。「起こりうるすべての場合」と「あてはまる場合」を、どちらも数え上げて割る――これだけ。公式はありません。だからこの単元は「数え落とさず、重複せずに数える技術」そのものです。そして数え方の道具も少なく、樹形図・表・区別して並べるの3つで、中2の問題はすべて処理できます。このページは、中2の確率を10の型に分けて並べた辞典です。型は当てはめるための箱ではなく、「この場面は、どの数え方が向いているか」を決めるための道具として並べています。
このページの10型
- 確率の定義(同様に確からしい)
- 樹形図で数える
- 表で数える(2つのさいころ)
- 余事象(〜でない確率)
- 2個取り出す(同時と1個ずつ)
- 並べる(順番あり)
- 選ぶ(順番なし)
- 玉・カードの色や数字
- 硬貨・じゃんけん
- 図形・座標と確率
1. 背骨——「同様に確からしい」全体を作る
確率の定義
起こりうるすべての場合が 通りあり、そのどれもが同様に確からしいとき、ことがら A の起こる場合が 通りなら
(A の起こる確率)
確率はつねに 以上 以下。必ず起こることは 、決して起こらないことは 。
「同様に確からしい」が、この単元でいちばん重要な言葉です。たとえば2枚の硬貨を投げるとき、「表2枚・表1枚裏1枚・裏2枚」の3通りを全体としてはいけません。「表1枚裏1枚」は2通り分あるので、この3通りは同様に確からしくないからです。
正しくは2枚を区別して「表・表」「表・裏」「裏・表」「裏・裏」の4通り。これなら同様に確からしい。「区別がつかないものでも、数えるときは区別する」――これが中2の確率で最初につまずくポイントであり、最も大切な原則です。
2. 数え方の3つの道具
1樹形図 枝分かれを順に書く。3個以下の少ない場合や、条件が複雑なときに向く。
2表 2つのものを縦横にとる。2つのさいころ、2枚のカードに最適。 通りが一目で見える。
3計算で数える 「」「」のように掛け算で。場合が多いときに使う。
分母と分子で、数え方をそろえる
全体を「区別して」数えたなら、あてはまる場合も区別して数える。片方だけ区別を変えると、答えが合いません。
「同じ物差しで数える」――これが確率の計算でいちばん大切な注意です。
3. 解法パターン全10型
型01 確率の定義
01「同様に確からしい」全体を作れているか
顔つき 「2枚の硬貨を投げるとき、1枚が表で1枚が裏になる確率」。
中身 同じものでも区別して数える。硬貨2枚なら4通り、そのうち条件を満たすのは2通りで 。
「3通りのうち1通りだから 」は誤り 表2枚・1枚ずつ・裏2枚の3通りは、起こりやすさが違います。区別して数えて初めて、どの場合も同じ確からしさになる。迷ったら区別する――これが安全な原則です。
型02 樹形図で数える
02順序を決めて、枝を漏れなく書く
顔つき 「A、B、C の3人を1列に並べる並べ方」。
中身 1番目に来るものを順に固定して枝分かれさせる。 通り。
アルファベット順・小さい順に固定する 思いつくまま書くと必ず漏れます。「1番目が A のとき」「B のとき」「C のとき」と順に場合分けし、その中でまた順に。樹形図は少し面倒でも、漏れと重複が起きないのが最大の利点です。
型03 表で数える
032つのさいころは の表
顔つき 「大小2つのさいころを投げて、目の和が になる確率」。
中身 縦に大の目、横に小の目をとった マスの表を作り、条件を満たすマスに印をつける。
和・差・積は表で見ると規則が見える 和が になるのは表の斜め1本( 通り)で 。和が一定になるマスは斜めに並ぶ、積が偶数になるマスは「両方奇数」以外――表を見れば規則がつかめます。2つのさいころの問題では、まず表を書くのが確実です。
型04 余事象
04「少なくとも1つ」は、逆から数える
顔つき 「少なくとも1個は赤玉である確率」。
中身 (A の確率)(A でない確率)。
「少なくとも」を見たら余事象 「少なくとも1個は赤」の反対は「1個も赤でない」=「全部赤以外」。反対のほうが、たいてい数える場合が少ないのです。「全部〜」「1つも〜ない」の形になったら、余事象が使える合図。これは高校の確率でも最頻出の技術です(確率の型03)。
型05 2個取り出す
05「同時に」でも「1個ずつ」でも、確率は同じ
顔つき 「5個の玉から2個を同時に取り出す」「1個ずつ2回取り出す(戻さない)」。
中身 順番を考えて数えても、考えずに数えても、確率は変わらない。数えやすいほうで統一する。
分母も分子も同じ物差しで数えれば、答えは一致する 5個から2個を「順番あり」で数えると 通り、「順番なし」なら 通り。どちらで数えても、分子も同じ数え方にすれば確率は同じです。「戻す」場合だけは別で、そのときは同じものを2回選べるので 通りになります。
型06 並べる(順番あり)
061番目から順に、選べる個数を掛ける
顔つき 「1〜5のカードから3枚選んで3けたの整数を作る」。
中身 通り。百の位に5通り、十の位に残り4通り、一の位に残り3通り。
「0を含むか」で最高位に注意 から3けたを作るなら、百の位に0は使えないので 通り。制限のある位から先に決めるのが鉄則です。「偶数になる」なら一の位から先に決める――条件がついている位を最初に処理してください。
型07 選ぶ(順番なし)
07並べ方を数えてから、重複で割る
顔つき 「5人から2人の代表を選ぶ」。
中身 順番ありで 通り。2人の並び順 通りは同じ選び方なので 通り。
「代表2人」と「委員長と副委員長」の違い 前者は順番なし( 通り)、後者は順番あり( 通り)。役割に区別があるかどうかで数え方が変わります。問題文の言葉をよく読む――「選ぶ」なら順番なし、「並べる」「役職につける」なら順番ありが目安です。
型08 玉・カードの色や数字
08同じ色でも、玉には番号をつけて区別する
顔つき 「赤玉3個、白玉2個から2個取り出す」。
中身 赤1・赤2・赤3・白1・白2 と番号をつけて数える。全体は 通り(順番なし)。
区別しないと「同様に確からしい」が崩れる 赤3個・白2個を「赤」「白」の2種類としてしまうと、赤を引く確からしさと白を引く確からしさが違うのに同じに扱ってしまいます。見た目が同じでも、1個ずつ別のものとして数える――型01と同じ原則です。答案では「赤玉を と区別する」と書くと明確になります。
型09 硬貨・じゃんけん
091人(1枚)あたりの選択肢を掛ける
顔つき 「3人でじゃんけんをして、1人だけ勝つ確率」。
中身 全体は 通り。誰が勝つかで3通り、何で勝つかで3通りなので 通り。確率は 。
「あいこ」を忘れない 3人のじゃんけんは「1人勝ち」「2人勝ち」「あいこ」の3つ。あいこは「全員同じ」または「3種類すべて出る」の2パターンあります。全員同じが3通り、3種類が 通りで計 通り。 で、1人勝ち・2人勝ち・あいこがちょうど ずつ。合計が全体と一致するか確かめるのが検算です。
型10 図形・座標と確率
10条件を式に直してから数える
顔つき 「さいころの目を座標として、点が直線 上にある確率」。
中身 条件を式で書き、それを満たす目の組を表から拾う。
図形の言葉を、数の条件に翻訳する 「 上」は「(小の目)=(大の目)」。表で斜めに並ぶマスを数えれば終わりです。「三角形ができる」なら「3点が一直線上にない」、「直角三角形」なら三平方の定理――まず条件を式にしてから数えるのが型10の骨格です。
4. 例題で確かめる
この単元の解法パターンは全10型で、下にある例題5問で確かめているのは6型です。残りの4型は、ページ下部の演習で扱っています。1問が複数の型にまたがることも、同じ型を複数の例題で扱うこともあるため、例題の数と型の数は必ずしも一致しません。
ここからは、数強塾が作成したオリジナルの例題で型を確かめます。掲載しているすべての数値は Python による全数え上げで検算しています。
例題1 ―― 型01。区別して数える
【例題1】(数強塾オリジナル)
3枚の硬貨を同時に投げるとき、次の確率を求めなさい。
(1) 3枚とも表になる確率 (2) 表が2枚、裏が1枚になる確率 (3) 少なくとも1枚は裏になる確率
【解答】
(1) (2) (3)
3枚を区別して考えます(型01)。全体は
すなわち 通りです。
| 1枚目 | 表 | 表 | 表 | 表 | 裏 | 裏 | 裏 | 裏 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2枚目 | 表 | 表 | 裏 | 裏 | 表 | 表 | 裏 | 裏 |
| 3枚目 | 表 | 裏 | 表 | 裏 | 表 | 裏 | 表 | 裏 |
| 表の枚数 |
(1) 3枚とも表は1通りなので 。
(2) 表が2枚なのは3通り(上の表で「表の枚数」が2のマス)なので 。
(3) 余事象を使います(型04)。「少なくとも1枚は裏」の反対は「3枚とも表」。
全部の確率を足して1になるか
表が 枚の確率は 。
合計が1なので、数え落としはありません。
「表が2枚」が1通りではなく3通りなのが要点。どの1枚が裏になるかで3通りあります。硬貨を区別しないと、この3通りが見えません。
そしてすべての場合の確率を足して1になるか――これが最も確実な検算です。数え落としや重複があると、合計が1になりません。確率の問題では必ずこの確認をしてください。
例題2 ―― 型03。表で数える
【例題2】(数強塾オリジナル)
大小2つのさいころを同時に投げるとき、次の確率を求めなさい。
(1) 目の和が になる確率 (2) 目の積が奇数になる確率 (3) 目の差が になる確率
【解答】
(1) (2) (3)
全体は 通り(型03)。
(1) 和が になる組は
の 通り。
(2) 積が奇数になるのは「両方とも奇数」のときだけです(1つでも偶数があれば積は偶数)。
奇数の目は の3通りなので
通りなので 。
(3) 差が (大小どちらが大きくてもよい)になる組は
の 通り。
「差が2」で片方だけ数えない
と は別の場合です。大小2つのさいころは区別されているので、両方数えます。
「大きいほうから小さいほうを引いて2」なら4通りですが、「差が2」なら8通り。問題文をよく読んでください。
(2) が「両方奇数」だけになるのは、偶数の性質から。積が奇数 すべての因数が奇数。1つでも偶数が混じれば積は偶数です。
この見方ができると、「積が偶数になる確率」は余事象で と一瞬で出せます。「積が偶数」を直接数えると27通りを数えることになり、大変です。――余事象の威力がよく分かる例です。
例題3 ―― 型05・型08。玉を区別する
【例題3】(数強塾オリジナル)
袋の中に赤玉が3個、白玉が2個入っています。この袋から同時に2個の玉を取り出すとき、次の確率を求めなさい。
(1) 2個とも赤玉である確率 (2) 赤玉と白玉が1個ずつである確率 (3) 少なくとも1個は白玉である確率
【解答】
(1) (2) (3)
玉を区別します(型08)。赤を 、白を とします。
5個から2個を選ぶ選び方は(型07)
すなわち 通りです。
(1) 赤3個から2個を選ぶので
通りなので 。
(2) 赤から1個(3通り)、白から1個(2通り)なので
通りなので 。
(3) 余事象(型04)。「少なくとも1個は白」の反対は「2個とも赤」。
全部足して確かめる
「2個とも赤」、「1個ずつ」、「2個とも白」(白2個から2個で1通り)。
合計が1なので、数え落としはありません。
(2) で「赤1個と白1個」を と掛け算で数えられるのは、選び方が独立だから。どの赤を選ぶかと、どの白を選ぶかは互いに影響しません。「Aの選び方 × Bの選び方」で数えられる形を見つけるのが、数え上げを速くするコツです。
そして順番を考えて数えても答えは同じです。順番ありなら全体 、2個とも赤は で 。分母も分子も同じ物差しで数えれば、必ず一致します(型05)。
例題4 ―― 型06。制限のある位から決める
【例題4】(数強塾オリジナル)
の数字が1つずつ書かれた5枚のカードから3枚を選んで並べ、3けたの整数を作ります。
(1) 3けたの整数は全部で何通りできますか。 (2) できた整数が偶数である確率を求めなさい。
【解答】
(1) 通り (2)
(1) 制限のある百の位から決めます(型06)。
百の位は 以外の 通り。十の位は残り 通り( を含む)。一の位は残り 通り。
すなわち 通りです。
(2) 偶数になるには一の位が のどれか。一の位で場合分けします。
| 一の位 | 百の位 | 十の位 | 通り数 |
|---|---|---|---|
| 残り4枚から 通り | 残り 通り | ||
| と 以外で 通り | 残り 通り | ||
| と 以外で 通り | 残り 通り | ||
| 合計 | |||
数え上げで検算する
、。
Python で 通りすべてを列挙して数えたところ、偶数は 通りでした。一致します。
一の位が のときだけ、百の位の選択肢が多い。一の位が や だと、百の位に が使えないぶん1通り減ります。この差を見落として全部 通りとすると、 通りになってしまいます。
「0が使えない位がある」ときは、0の扱いで場合分けする――これが数字カードの問題の急所です。0を含む問題では、必ず「0が一の位に来る場合」を別に考えてください。
例題5 ―― 型10。条件を式にしてから数える
【例題5】(数強塾オリジナル)
大小2つのさいころを投げ、大きいさいころの目を 、小さいさいころの目を とします。点 について、次の確率を求めなさい。
(1) 点 P が直線 上にある確率
(2) 点 P が直線 より下側( の側)にある確率
【解答】
(1) (2)
(1) 条件を式にします(型10)。点 が 上にあるとは
これを満たす組は の4通り。
(2) 条件は 、すなわち
目の和が 以下になる組を数えます。
| 和 | 計 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 通り数 |
対称性で検算する
和が になるのは 通り。和が 以上になるのは、 通り。
「和が7未満」と「和が7より大」がどちらも15通り――これは表が和 の斜め線について対称だからです。
「直線より下」は不等式に翻訳できる。 を移項すれば 、つまり「目の和が7未満」。座標の言葉を、目の和という数の言葉に変えた瞬間、数えるのが簡単になります。
そして和が を境に対称という構造も見えました。条件を式に直すと、数えやすくなるだけでなく、隠れていた対称性まで見えてくる――これが型10の値打ちです。
5. よくある質問
Q1. 同じ色の玉は区別しなくてよいのですか。
A. 数えるときは必ず区別してください。区別しないと「同様に確からしい」が成り立たず、確率が正しく計算できません。答案では「赤玉を と区別する」と書くと明確です。
Q2. 「同時に取り出す」と「1個ずつ取り出す」で答えは変わりますか。
A. 戻さないなら変わりません。順番を考えて数えても考えなくても、分母と分子で物差しをそろえれば同じ答えになります。「戻す」場合だけは別です。
Q3. 「少なくとも」という問題が苦手です。
A. 余事象を使ってください。「少なくとも1個は赤」の反対は「1個も赤でない」。反対のほうが数える場合が少なくて済みます。
Q4. 数え落としが心配です。
A. すべての場合の確率を足して1になるかを確かめてください。1にならなければ、どこかで数え落としか重複があります。
Q5. 樹形図と表、どちらを使うべきですか。
A. 2つのさいころや2枚のカードなら表、3つ以上や条件が複雑なら樹形図が向きます。場合が多すぎるときは掛け算で数えてください。
6. 次に読むページ
- 中2数学の要点辞典 ―― 全6単元の公式・定石・つまずきポイント。
- 中1 データの活用の解法パターン全10型 ―― 相対度数と確率の関係。
- 場合の数の解法パターン全12型(高校) ―― 順列・組合せの発展。
- 確率の解法パターン全12型(高校) ―― 余事象・反復試行・条件付き確率。
- 解法パターン事典(総索引)
数え落としが減らない人へ
確率でつまずく生徒のほとんどは、公式を知らないのではなく「数える順序を決めずに、思いつくまま数えている」だけです。数強塾では、数え始める前に「表にするか樹形図にするか」を決めさせ、必ず順序を固定して数えさせています。そして最後に「全部足して1になるか」を確認させます。オンラインの完全1対1で、プロ講師のみが担当します。
数強塾オリジナル演習|例題で扱わなかった4つの型
上の「例題1〜5」では型01・03・05・06・08・10 を扱いました。ここでは残る型02(樹形図)・型04(余事象)・型07(選ぶ)・型09(硬貨とじゃんけん)を埋めて、10型すべてを一周します。型09は硬貨とじゃんけんで2問に分けました。
型02 樹形図で数える
、、 と書かれたカードが1枚ずつある。この中から2枚を取り出して並べ、2けたの整数を作る。
(1) 整数は全部で何通りできるか。
(2) できた整数が偶数になる確率を求めよ。
解答・解説を見る
(1) 樹形図で数えます。十の位が のとき一の位は の2通り。十の位が 、 のときも同様。
の 6通り
(。使ったカードは戻らないので一の位は2通りに減る)
(2) 偶数は一の位が偶数のもの。 で終わる の2通り。
樹形図は「左から順に決める」のが鉄則。この問題なら十の位から。ただし条件のきつい位から決めるほうが速いこともあり、たとえば「偶数だけ数えたい」なら一の位を に固定して十の位を2通り、と考えれば一発です。
型04 余事象(少なくとも〜)
大小2つのさいころを同時に投げる。
(1) 出る目の積が偶数になる確率。
(2) 少なくとも1つは の目が出る確率。
解答・解説を見る
全体は 通り。
(1) 「積が偶数」を直接数えると大変なので、反対を数えます。
積が奇数 ⟺ 両方とも奇数()
通りなので
求める確率は
(2) 反対は「2つとも 以外」。 通り。
(検算: を含む組は が6通り、 が6通り、重なる を1回引いて ✓)
「少なくとも」を見たら、まず反対を疑う。ただし反対を数えるほうが本当に楽かを確認してから使うこと。
型07 選ぶ(順番なし)
A、B、C、D、E の5人から2人の代表を選ぶ。
(1) 選び方は全部で何通りか。
(2) A が代表に選ばれる確率。
(3) A と B の少なくとも一方が選ばれる確率。
解答・解説を見る
(1) 順番は関係ありません(「代表2人」なのでA→B と B→A は同じ)。
並べ方は 通りですが、2人の並び順 通りずつが重複しているので
10通り
(AB, AC, AD, AE, BC, BD, BE, CD, CE, DE)
(2) A を含む組は AB, AC, AD, AE の4通り。
(3) 反対は「A も B も選ばれない」= C, D, E から2人。
CD, CE, DE の3通りなので
(「委員長と副委員長」なら順番ありで20通り。「代表2人」なら順番なしで10通り。なぜ並び順の数で割るのか)
型09 じゃんけん
3人が1回だけじゃんけんをする。グー・チョキ・パーは同じ確からしさで出すものとする。
(1) 手の出方は全部で何通りか。
(2) あいこになる確率を求めよ。
解答・解説を見る
(1) 1人につき3通りで、3人いるので
27通り
(人を区別するのがポイント。「グー2人・パー1人」とまとめて数えると同様に確からしくなくなる)
(2) 勝負がつく場合を数えて引きます。
・1人だけ勝つ:勝つ人3通り × その手3通り=9通り
・2人が勝つ(1人だけ負ける):負ける人3通り × その手3通り=9通り
合わせて18通り。
あいこは 通りなので
(検算:あいこは「3人とも同じ手」 通りと「3人ともばらばら」 通りで合計 通り ✓ 2通りの数え方が一致したら、まず正しい)
型09 硬貨
硬貨を3枚同時に投げる。
(1) 表と裏の出方は全部で何通りか。
(2) 表が2枚以上出る確率を求めよ。
解答・解説を見る
(1) 1枚につき表・裏の2通りで3枚だから
8通り
(硬貨も区別します。「表2枚・裏1枚」を1通りと数えてはいけません。A・B・Cと名前をつけて考えること)
(2) 表が2枚:どの1枚が裏かで3通り
表が3枚:1通り
合わせて4通りなので
(表と裏を入れかえても状況が同じなので、「表が2枚以上」と「裏が2枚以上」は同じ確率。2つを足すと を超えてしまうように見えますが、重なりがないので合わせてちょうど 。よって ——対称性を使えば数えずに出せます)
迷ったときの3つの判断
(1) 順番はあるか、ないか
| 問題文 | 順番 | 5人から2人なら |
|---|---|---|
| 委員長と副委員長 | あり | 通り |
| 代表2人・当番2人 | なし | 通り |
| 2けたの整数を作る | あり | 位が違えば別の数 |
| 2本の線を引く | なし | 結ぶ順は関係ない |
役割に違いがあれば順番あり、なければ順番なし。迷ったら「入れかえて同じ状況か」を試してください。
(2) 余事象を使うか
「少なくとも1つ」「〜でない」「1つも〜ない」が合図です。
ただし反対を数えるほうが本当に楽かを先に見積もること。場合分けが3つも4つもあるなら余事象、2つで済むなら直接数えたほうが速いこともあります。
(3) 区別するか、しないか
すべて区別します。同じ色の玉も、同じ硬貨も、A・B・Cと名前をつけて数える。
区別しないと「同様に確からしい」が崩れます。たとえば硬貨2枚で「表2・表裏・裏2」の3通りと数えると、表裏だけ起こりやすさが2倍なので確率が ずつにはなりません。ここが確率でいちばん多い誤りです。
「なぜそうなるのか」へ
確率は数え上げの技術と割り算の意味の2本立てです。土台の「なぜ」を押さえると、公式に頼らずに考えられます。
- なぜ確率は「場合の数÷全体」で求まるのか ── 「同様に確からしい」がなぜ絶対条件なのか。型01の土台です。
- なぜ組合せでは並び順の数で割るのか ── 型07。 の「」の正体。
- なぜ割合は「くらべる量÷もとにする量」なのか ── 確率も割合の一種。分母が「全体」である理由。
- なぜ分数は割り算と同じなのか ── 確率を分数で書ける理由。
関連ページ
要点辞典この単元の公式・定石・つまずきやすい所は 中2数学の要点辞典:確率とデータの比較 にまとめてあります。
