三平方の定理でどの辺を足すか、折り返しや立体でどこに直角三角形を作るか迷う人へ。体系数学2で学ぶ三平方を12の解法に整理し、数強塾オリジナル例題5問・演習5問で確かめます。三平方の定理は、直角三角形の2辺から残りの辺を求める道具です。使う前に直角と斜辺を確認しましょう。
このページの12型
- 三平方の定理と、その逆
- 特別な直角三角形(2種類の比)
- 覚えておく整数の組
- 座標平面上の2点間の距離
- 正三角形の高さと面積
- 円と弦(中心から弦への垂線)
- 接線の長さ
- 直方体の対角線
- 角錐・円錐の高さ
- 立体の表面上の最短距離
- 折り返し(折り紙)の問題
- 2点を結ぶ最短経路
1. 背骨——直角三角形を作れば、長さが出る
三平方の定理と、その逆
定理 の直角三角形で、斜辺を 、他の2辺を とすると
逆 3辺が をみたせば、その三角形は直角三角形( が斜辺)。
「斜辺はどれか」を必ず先に決めてください。斜辺は直角の向かい側にある、いちばん長い辺。式の右辺(1つだけの側)に来るのは、必ず斜辺です。
斜辺を取り違えると、答えがまったく変わります。 は正しいですが、 は成り立ちません。図に直角の印をつけ、その向かいの辺に「斜辺」と書きこむ――この一手間が、失点を防ぎます。
2. 覚えておくと速い2つの表
特別な直角三角形の辺の比
| 角 | 辺の比 | 由来 |
|---|---|---|
| 正方形の半分 | ||
| 正三角形の半分 |
整数の組(ピタゴラス数)
これらの整数倍( など)も直角三角形になります。
45°・45°・90°の三角形では、直角をはさむ辺が5なら斜辺は5√2です。斜辺が5なら他の2辺は5√2÷2です。30°・60°・90°で斜辺が8なら、他の辺は4と4√3。与えられた辺がどこかを確かめて倍率を決めます。
そして整数の組を知っていると、答えの見当がつきます。 が出たら「 だな」と即座に分かる。 から までの平方数を覚えておくと、根号の計算が一気に速くなります。
3. 解法パターン全12型
型01 三平方の定理と、その逆
012辺が分かれば、残り1つ
顔つき 「残りの辺の長さを求めよ」「直角三角形かどうか判定せよ」。
中身 斜辺を求めるなら足し算、他の辺なら引き算。逆は「いちばん長い辺の2乗=他の2つの2乗の和」を確認。
引き算になる場合を間違えない 斜辺 、1辺 なら残りは 。 としないこと。「斜辺はいちばん長い」ので、求めた辺が斜辺より長くなったら間違い――これが検算になります。
型02 特別な直角三角形
02 と
顔つき 「 の角がある直角三角形」「正方形の対角線」。
中身 なら 、 なら 。
どの辺が「」かを間違えない では、 の向かい側が 、 の向かい側が 、斜辺が 。「小さい角の向かいが短い辺」という原則で確認できます。この比は高校の三角比でも土台になります(図形と計量)。
型03 覚えておく整数の組
03 とその仲間
顔つき 計算の途中で などが出る。
中身 と、その整数倍。
根号が残ることや素数の平方根になること自体は、計算ミスの証拠ではありません。たとえば直角をはさむ辺が1、4なら斜辺は√17です。斜辺の位置、2乗の式、長さの大小で検算しましょう。
型04 座標平面上の2点間の距離
04横の差と縦の差で直角三角形を作る
顔つき 「2点 、 の距離」。
中身 ( は 座標の差、 は 座標の差)。上の例なら 。
座標の差を2乗する計算では、引く順番を逆にしても結果は同じです。ただし図に書く辺の長さは差の絶対値です。横または縦の差が0なら直角三角形は退化しますが、距離の式はそのまま使えます。
型05 正三角形の高さと面積
051辺 なら高さ
顔つき 「1辺 cm の正三角形の面積」。
中身 高さ 、面積 。
正三角形を半分に切ると 1辺 の正三角形を頂点から垂線で切ると、底辺が 、斜辺が の直角三角形。三平方の定理から高さは 。公式を覚えなくても、その場で導けます。1辺 なら高さ 、面積 。
型06 円と弦
06中心から弦に垂線を引くと、弦が二等分される
顔つき 「半径 、中心からの距離 の弦の長さ」。
中身 (半径)=(中心から弦への距離)+(弦の半分)。
弦の「半分」であることを忘れない 上の例なら で 。これは弦の半分なので、弦の長さは 。「2倍する」を忘れないことが大切です。中心から弦への垂線が弦を二等分するのは、2つの直角三角形が合同(斜辺と他の1辺)だからです。
型07 接線の長さ
07中心・接点・外部の点で直角三角形
顔つき 「円外の点から引いた接線の長さ」。
中身 (中心から点までの距離)=(半径)+(接線の長さ)。
接線 半径 だから直角三角形ができる これが接線の長さを計算できる理由です(円の型07)。接線を見たら中心と接点を結ぶ――この定石が、そのまま三平方の定理につながります。2つの円が接する問題でも、中心どうしを結んで直角三角形を作るのが基本です。
型08 直方体の対角線
08三平方の定理を2回使う
顔つき 「たて 、よこ 、高さ の直方体の対角線」。
中身 。底面の対角線を経由して2回使う。
1回目で底面、2回目で立体 底面の対角線は 。それと高さ で直角三角形を作ると、立体の対角線は 。「平面で1回、立体で1回」という2段構えが、空間図形の基本手順です。
型09 角錐・円錐の高さ
高さは頂点から底面の平面までの垂直距離です。正四角錐や直円錐では垂線の足が底面の中心になります。一般の角錐では中心とは限りません。ここで扱う円錐は直円錐です。
09頂点から底面へ垂線を下ろす
顔つき 「底面の半径 、母線 の円錐の高さと体積」。
中身 (母線)=(半径)+(高さ)。上の例なら高さ 。
母線と高さを取り違えない 母線は斜めの線、高さは垂直な線。母線がいちばん長い(斜辺)です(空間図形の型08)。正四角錐なら、底面の中心から頂点への距離が高さ、中心から底面の頂点への距離は「底面の対角線の半分」――ここも間違えやすいので、図をかいて確認してください。
型10 立体の表面上の最短距離
10展開図にすると、直角三角形が現れる
顔つき 「直方体の表面を通る最短経路」。
中身 展開図で2点を直線で結ぶ。その長さを三平方の定理で計算する。
展開の仕方が何通りかある 直方体では、通る面の組み合わせによって展開図が変わり、距離も変わります。すべて試して最短のものを選ぶのが正しい手順(空間図形の型10)。この頂点間の候補では、展開図の長方形の一方の辺が2辺の和になるので、どの辺を足すかで長さが変わります。
型11 折り返し(折り紙)の問題
11折り返した部分は、もとと合同
顔つき 「長方形の紙を折り返したとき、重なった部分の長さ」。
中身 折り返しても長さと角は変わらない。求める長さを と置き、直角三角形で三平方の定理。
「折る前」と「折った後」で等しい辺に印をつける 折り返しは対称移動なので、対応する辺の長さは等しい(平面図形の型07)。 と「全体から を引いた長さ」の関係を三平方の定理で式にするのが定石です。方程式を立てて解く形になるので、二次方程式の計算も必要になります。
型12 2点を結ぶ最短経路
A、Bが直線ℓの同じ側にあり、ℓ上の任意の点を通れる場合を考えます。反対側にあるなら線分ABがℓを横切るので、その交点を通る直線経路が最短です。
12対称移動で、まっすぐにする
顔つき 「川に行ってから家に帰る最短経路」。
中身 片方の点を、直線について対称移動させると、経路が1本の線分になる。
「折れ線をまっすぐに伸ばす」 A から直線 上の点 P を通って B へ行く最短経路は、A を について対称移動した点 A’ と B を結ぶ線分が と交わる点を P にとったとき。対称移動で長さが変わらないので、。これが最短になるのは2点を結ぶ最短経路は直線だからです。
4. 例題で確かめる
この単元の解法パターンは全12型で、下にある例題5問で確かめているのは9型です。残りの3型は、ページ下部の演習で扱っています。1問が複数の型にまたがることも、同じ型を複数の例題で扱うこともあるため、例題の数と型の数は必ずしも一致しません。
ここからは、数強塾が作成したオリジナルの例題で型を確かめます。長さ・面積と、図形の位置条件を確認しています。
例題1 ―― 型01・型02・型05。基本の3つ
【例題1】(数強塾オリジナル)
(1) 直角をはさむ2辺が cm、 cm の直角三角形の斜辺の長さを求めなさい。
(2) 1辺が cm の正方形の対角線の長さを求めなさい。
(3) 1辺が cm の正三角形の高さと面積を求めなさい。
【解答】
(1) cm (2) cm (3) 高さ cm、面積 cm
(1) 斜辺を とすると
( は の3倍です――型03。)
(2) 正方形の対角線は の直角三角形の斜辺(型02)。比は なので
(3) 正三角形を半分に切ると、斜辺 、底辺 の直角三角形(型05)。
(高さ) なので、(高さ)。
(面積)
公式で確かめる
1辺 の正三角形の面積は 。 なら 。一致します。
おおよその値は cm。1辺10cmの正方形(100)の半分弱で、妥当な大きさです。
(1) が の3倍だと気づけば、計算せずに答えが出る。、 なので斜辺は 。
整数の組を覚えておく価値は、この速さにあります(型03)。試験では時間が限られるので、「見た瞬間に分かる」形をいくつ持っているかが差になります。
例題2 ―― 型04・型06。座標と円
【例題2】(数強塾オリジナル)
(1) 2点 、 の距離を求めなさい。
(2) 半径 cm の円で、中心からの距離が cm である弦の長さを求めなさい。
【解答】
(1) (2) cm
(1) 横の差と縦の差で直角三角形を作ります(型04)。
( 座標の差)、( 座標の差)。
( は の2倍です。)
(2) 中心から弦に垂線を引くと、弦が二等分されます(型06)。
弦の半分を とすると、半径・中心からの距離・ で直角三角形ができ
は弦の半分
求めた cm は弦の半分です。弦の長さは
すなわち cm です。
「2倍する」を忘れて cm と答えるのが、この型で最も多い誤りです。
例題2の(1)は6:8:10、(2)は5:12:13の直角三角形です。(2)では半径13、中心から弦までの距離5、半弦12を区別し、求める弦全体は24cmとします。
そして「弦の半分」を意識するために、図に垂線を引いて中点の印をつける――これが (2) の失点を防ぐ唯一の方法です。
例題3 ―― 型08・型09。空間で2回使う
【例題3】(数強塾オリジナル)
(1) たて cm、よこ cm、高さ cm の直方体の対角線の長さを求めなさい。
(2) 底面が1辺 cm の正方形、他の辺(側面の辺)がすべて cm の正四角錐の高さを求めなさい。
【解答】
(1) cm (2) cm
(1) 三平方の定理を2回使います(型08)。
1回目(底面):底面の対角線を とすると
2回目(立体):底面の対角線 と高さ で
(対角線) なので、対角線は cm。
(公式 でも同じです。)
(2) 頂点から底面の中心へ垂線を下ろします(型09)。
底面の対角線は cm(正方形なので )。中心から底面の頂点までは、その半分で
頂点・中心・底面の頂点で直角三角形ができるので
(高さ)
(高さ)
「中心から頂点」であって「中心から辺の中点」ではない
正四角錐の高さを求めるとき、直角三角形の底辺は底面の中心から底面の「頂点」までの距離(対角線の半分)です。
底面の辺の中点をM、底面の中心をO、頂点をSとすると、OM=3です。側面の高さSMは、側面の三角形からSM²=9²−3²=72。錐の高さSOはSO²=SM²−OM²=72−9=63です。側辺9、側面の高さ6√2、錐の高さ3√7を区別してください。
空間図形では「どの3点で直角三角形を作るか」がすべて。(2) では頂点・底面の中心・底面のある頂点の3点。この三角形は、中心での角が直角です(頂点からの垂線だから)。
斜辺は側面の辺(9cm)。「求めたい長さを含む直角三角形」を1つ見つける――これが空間図形の唯一の手順です。検算: cm。側面の辺 9 cm より短く、妥当です。
例題4 ―― 型11。折り返しと方程式
数強塾オリジナル例題:長方形ABCDでAB=12cm、AD=6cmとします。頂点Bが頂点Dに重なるように折り、折り目と辺ABの交点をEとします。AEの長さを求めなさい。
解答:AE=9/2cm(4.5cm)。折り目はBDの垂直二等分線なので、EB=EDです。AE=xとするとEB=12−x。△AEDはAが直角で、ED²=x²+6²です。
(12−x)²=x²+36
144−24x+x²=x²+36
24x=108
x=9/2。
検算:0<4.5<12なのでEは辺AB上にあります。EB=12−4.5=7.5、ED²=4.5²+6²=56.25=7.5²よりEB=EDも確かめられます。
式ではx²が消えるため、整理後は一次方程式です。負の値が出た場合は、図の点の位置・辺の設定・計算を点検します。問題の条件を途中で勝手に入れ替えてはいけません。
例題5 ―― 型10。展開図で最短距離
【例題5】(数強塾オリジナル)
たて cm、よこ cm、高さ cm の直方体があります。底面の1つの頂点 A から、A と最も遠い頂点 G まで、直方体の表面上を通る最短の道のりを求めなさい。
【解答】
cm(約 cm)
展開図にして、直線で結びます(型10)。通る面の組み合わせで3通りの展開があります。
| 展開の仕方 | 直角三角形の2辺 | 距離の2乗 | 距離 |
|---|---|---|---|
| たて を横に開く | と | ||
| よこ を横に開く | と | ||
| 底面を経由して開く | と |
最も短いのは cm(約 cm)です。
立体の対角線と比べる
直方体の対角線(内部を通る直線)は cm。
表面を通る最短は cm で、内部を通るより長い。これは当然で、妥当性の確認になります。
この例題のように直方体の向かい合う頂点を表面上で結ぶ場合、3候補は√((a+b)²+c²)、√((a+c)²+b²)、√((b+c)²+a²)です。各2乗は共通のa²+b²+c²に、2ab、2ac、2bcを加えたもの。小さい2辺を足す候補が最短だと比較できます。今回の3辺3、4、12では2×3×4が最小です。別の2点や通行制限がある場合は、この3候補だけで決められるとは限りません。
今回は と の組が最短。「短い2辺を足す」展開がいちばん短くなりました。この頂点間の候補では、展開図の長方形の一方の辺が2辺の和になるので、和が小さくなる分け方を探すのがコツです。
5. よくある質問
足すのか引くのか分からなくなります。
直角の向かいが斜辺です。斜辺を求めるなら他の2辺の2乗を足し、他の辺を求めるなら斜辺の2乗から既知の辺の2乗を引きます。
特別な直角三角形の比が覚えられません。
正方形を対角線で分けると1:1:√2。正三角形を高さで分けると、30°・60°・90°の向かいの辺が1:√3:2になります。
円の弦の長さで間違えます。
中心から弦への垂線でできる直角三角形に含まれるのは弦の半分です。半弦を求めたら2倍して、弦全体の長さにします。
角錐の高さは底面の中心へ引きますか。
高さは頂点から底面の平面への垂直距離です。正四角錐では足が底面の中心になりますが、一般の角錐では中心とは限りません。
表面上の最短距離は、どう展開すればよいですか。
通る面を展開し、2点を結ぶ線分がその面を通れることを確認して比較します。直方体の向かい合う頂点同士で全表面を通れる場合は、3候補の長さを比較できます。
6. 次に読むページ
- 中3数学の要点辞典 ―― 全単元の公式・定石・つまずきポイント。
- 中3 平方根の解法パターン全10型 ―― 根号の整理。
- 中1 空間図形の解法パターン全10型 ―― 展開図と投影図。
- 図形と計量の解法パターン全14型(高校) ―― 正弦定理・余弦定理へ。
- 解法パターン事典(総索引)
三平方の定理を使いこなしたい人へ
求める長さを含む直角三角形を探し、どの点が直角かを説明してから式にします。本記事は数強塾作成で、今回の見直しでは折り返しの位置条件と解答、立体の高さ、最短経路の比較を確認しました。藤原進之介の公式プロフィールと数強塾のプロ講師紹介もご覧ください。
数強塾オリジナル演習|例題で扱わなかった3つの型を5問で
上の「例題1〜5」では型01・02・04・05・06・08〜11 を扱いました。ここでは残る型03(覚えておく整数の組)・型07(接線の長さ)・型12(2点を結ぶ最短経路)を埋めます。型03と型07は2問ずつです。
型03 整数の組を見抜く
次の3辺の長さをもつ三角形は、直角三角形か。
(1) (2)
(3) (4)
解答・解説を見る
いちばん長い辺を斜辺として、2乗の和を比べます(三平方の定理の逆)。
(1) ✓ 直角三角形
(2) ✓ 直角三角形
(3) 、。 なので直角三角形ではない
(4) ✓ 直角三角形( の3倍)
まず次の5組を確認しましょう。整数の組はこの5つに限りません。
、、、、
(倍にしても成り立つので、、、 なども同じ仲間。まず全体を約分してみると見覚えのある形になります)
(3) のように惜しい組にだまされないこと。 を見た瞬間に を期待しますが、書いてあるのは です。
型03 整数の組を自分で作る
である整数 、 について、、、 とおく。
(1) のときの 。
(2) のときの 。
(3) つねに となることを示せ。
解答・解説を見る
この形はピタゴラス数を作る方法です。原始ピタゴラス数では、mとnが互いに素で偶奇が異なる条件を付け、2つの短辺の入れ替えも認めます。一般のピタゴラス数をすべて表すには、得られた3辺の共通の整数倍も含めます。
型07 接線の長さ
半径 の円 の外に、 となる点 がある。 から円に引いた接線の接点を とする。
(1) の長さ。
(2) から引ける接線は何本か。その長さの関係は。
解答・解説を見る
(1) 接線は接点を通る半径と垂直なので。
で三平方の定理より
より
( の組 ✓)
(2) 接線は2本引ける。もう一方の接点を とすると
と は
・(半径)
・ は共通
・
直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しいので合同。
よって(2本の接線の長さは等しい)
「円の外の点から引いた2本の接線は等長」——この事実は内接円の問題で必ず使います。
型07+型03 内接円の半径
、、 の直角三角形 がある。
(1) の長さ。
(2) 内接円の半径 を、接線の長さを使って求めよ。
(3) 面積を使った別解も示せ。
解答・解説を見る
(1) より( の2倍)
(2) 内接円が3辺に接する点を考えます。同じ頂点から出る2本の接線は等長。
からの接線の長さを とすると( なのでその四角形は1辺 の正方形)、
からの接線は 、 からの接線は 。
この2つを足すと斜辺 になるので
、
(3) 面積で2通りに表す。
一方、内心と3頂点を結ぶと三角形が3つできて、どれも高さが 。
、 ✓
直角三角形では ()。(2) の計算がそのままこの形です。
型12 最短経路(対称移動)
直線 ( 軸)の同じ側に、 がある。 上に点 をとって を最小にしたい。
(1) どうすればよいか。
(2) 最小値を求めよ。
解答・解説を見る
(1) を について対称移動した点 を取る(補助線の型E)。
対称移動では長さが変わらないので。よって
これが最小になるのは が一直線のとき(2点を結ぶ最短の道は直線)。
つまり線分 と 軸の交点が求める 。
(2)
(。直接 は なので、川に寄る分だけ長くなっているのは自然です)
折れ線のままでは比べようがない。まっすぐに直してから考える——これがこの型の核心です。
三平方の定理は「直角三角形を探す/作る」がすべて
12の型は、直角三角形をどう手に入れるかで分類できます。
| 直角の出どころ | 型 | 合図 |
|---|---|---|
| 最初からある | 型01・02・03 | 「直角三角形」と書いてある |
| 垂線を下ろして作る | 型05・09 | 正三角形・角錐の高さ |
| 中心から弦へ垂線 | 型06 | 円と弦(垂線は弦を2等分) |
| 接点と半径 | 型07 | 接線(半径と垂直) |
| 座標軸が直角 | 型04 | 2点間の距離 |
| 展開図で平面にする | 型10 | 立体の表面を進む |
| 対称移動でまっすぐに | 型12 | 折れ線の長さを最小に |
直角がなければ、作る。その作り方が補助線です。とくに垂線を1本下ろすのは「高さ」と「直角三角形」を同時に手に入れる強い手。
覚えておく整数の組の例(5つ)
| 組 | 倍数の例 |
|---|---|
| / | |
| — | |
| — |
まず約分してみると、見覚えのある形になることが多い。ただし「惜しい組」に注意—— は直角三角形ではありません。
特別な直角三角形では、45°・45°・90°の向かいの辺が1:1:√2、30°・60°・90°の向かいの辺が1:√3:2です。角の順と辺の順を対応させて確認しましょう。
「なぜそうなるのか」へ
三平方の定理は「面積の関係」を「長さの関係」に翻訳する道具です。そこを押さえると、12の型が1本につながります。
- なぜ三平方の定理が成り立つのか ── 全12型の土台。正方形を4つの直角三角形で埋める証明です。
- なぜ三平方の定理は相似からも証明できるのか ── 直角三角形の斜辺へ垂線を引くと、3つの相似が現れます。
- なぜ半円に対する円周角は90°になるのか ── 型06・型07。直角が「見つかる」場面の代表です。
- なぜ補助線を引くと急に解けるようになるのか ── 型12の対称移動、型05の垂線。直角の作り方そのもの。
- なぜ無理数という数が必要なのか ── 型02。 が現れる理由。
- なぜ(a+b)(a-b)=a²-b²なのか ── 演習2。ピタゴラス数を作る式の計算で効きます。
関連ページ
数強塾オリジナル確認問題|根号が残る答えを検算する
直角をはさむ2辺の長さが1cmと4cmの三角形で、斜辺を求めなさい。「√17は見慣れないので間違い」と考えてよいですか。
解答:斜辺²=1²+4²=17なので、斜辺は√17cmです。17に1以外の平方数の因数はなく、これ以上簡単にはできません。4²<17<5²より4<√17<5。斜辺は他の辺4より長く、2辺の和5より短いので、大小関係も合っています。
確認点は、答えの見た目ではなく、元の式と図形の条件で検算することです。
要点辞典この単元の公式・定石・つまずきやすい所は 数学の要点辞典まとめ:全57単元の逆引き にまとめてあります。
