いろいろな関数と曲線(数III)の解法パターン全12型|分数関数・無理関数・逆関数・媒介変数・極座標と入試実例(名工大・神戸大・関西大・岡山大・名大)



大学受験数学|式から曲線の特徴を読む

関数と曲線の独自演習4問|変換・漸近線・媒介変数・陰関数

グラフを正確に描くには、目立つ点だけでなく定義域、対称性、漸近線、接線、取り得る範囲を式から確定します。表示形式の異なる四つの曲線を比較します。

関数のグラフで「平行移動の符号を逆にする」「漸近線と交点を混同する」「媒介変数のdx/dtがゼロの点を飛ばす」「陰関数の存在範囲を確認しない」というつまずきを解説します。

図は左右にスクロールして全体を確認できます。

有理関数y=2+3/(x-1)と二本の漸近線縦の漸近線x=1、横の漸近線y=2、およびその周囲にある双曲線状の二つの枝を示す図。 x=1y=2y=2+3/(x-1)(0,-1)(2,5)
縦の漸近線x=1、横の漸近線y=2、およびその周囲にある双曲線状の二つの枝を示す図。

問1|二次関数の平行移動と切片

難度:標準学習点:頂点形式から軸・頂点・切片を読み取る

関数y=(x-3)²-4の頂点、対称軸、x切片、y切片を求めよ。

問1「二次関数の平行移動と切片」の解答・詳しい考え方を開く

答え:頂点(3,-4)、軸x=3、x切片(1,0),(5,0)、y切片(0,5)。

  1. y=(x-3)²-4はy=x²を右へ3、下へ4だけ平行移動した形である。
  2. したがって頂点は(3,-4)、対称軸はx=3である。
  3. x切片は0=(x-3)²-4より(x-3)²=4、x=1,5となる。
  4. y切片はx=0を代入してy=9-4=5となる。
  5. 各点が軸x=3に関して対称であることを確認する。

誤答分析:(x-3)を見て左へ3と読まない。x切片はx座標だけでなく点(1,0),(5,0)として整理する。

別計算による検算:展開するとy=x²-6x+5=(x-1)(x-5)でx切片が再確認でき、x=0で5、平方完成で頂点も元へ戻る。

問2|有理関数の漸近線と増減

難度:標準〜発展学習点:整式除法でグラフの中心と漸近線を読む

関数y=(2x+1)/(x-1)の定義域、縦・横の漸近線、各定義区間での増減を求めよ。

問2「有理関数の漸近線と増減」の解答・詳しい考え方を開く

答え:定義域x≠1。漸近線x=1,y=2。(-∞,1),(1,∞)の各区間で単調減少。

  1. 分母が0になるx=1を除き、定義域はx≠1である。
  2. 整式除法でy=2+3/(x-1)と変形する。
  3. x→1±で分数項が発散するため縦の漸近線はx=1である。
  4. x→±∞で3/(x-1)→0だから横の漸近線はy=2である。
  5. y'=-3/(x-1)²<0より、区切られた二つの定義区間それぞれで単調減少する。

誤答分析:x=1をグラフ上の点として扱わない。導関数が負でも、定義されないx=1をまたいで一つの区間として単調減少とは言わない。

別計算による検算:x=0,2を代入するとy=-1,5で、それぞれ中心(1,2)の反対側にある。さらに(y-2)(x-1)=3となり、二本の漸近線と点対称性を直接確認できる。

問3|媒介変数曲線の縦接線と水平接線

難度:発展学習点:dx/dtとdy/dtを別々に調べる

曲線x=t²-1、y=t³-3tについて、t=0とt=1に対応する点と、その点での接線を求めよ。

問3「媒介変数曲線の縦接線と水平接線」の解答・詳しい考え方を開く

答え:t=0では点(-1,0)、接線x=-1。t=1では点(0,-2)、接線y=-2。

  1. dx/dt=2t、dy/dt=3t²-3を求める。
  2. t=0では点(-1,0)で、dx/dt=0、dy/dt=-3≠0だから接線は垂直でx=-1である。
  3. t=1では点(0,-2)で、dx/dt=2≠0、dy/dt=0である。
  4. したがってt=1でdy/dx=(dy/dt)/(dx/dt)=0となる。
  5. 点(0,-2)を通る水平接線はy=-2である。

誤答分析:dx/dt=0のときdy/dxの分数だけ見て計算不能で終えない。dy/dt≠0なら縦接線と判断できる。

別計算による検算:t=0付近ではx+1=t²≧0かつy=-3t+高次項なので曲線はx=-1の右側から上下へ伸びる。t=1ではdy/dt=0、d²y/dt²=6≠0で水平性を再確認できる。

問4|陰関数で表された楕円のx座標範囲

難度:発展学習点:実数解条件から曲線の到達範囲を決める

曲線x²+xy+y²=3上の点が取り得るx座標の最大値と最小値、およびそのときの点を求めよ。

問4「陰関数で表された楕円のx座標範囲」の解答・詳しい考え方を開く

答え:最大値2で点(2,-1)、最小値-2で点(-2,1)。

  1. 式をyについての二次方程式y²+xy+(x²-3)=0と見る。
  2. 曲線上に実数yが存在するには判別式D=x²-4(x²-3)が0以上である。
  3. D=12-3x²≧0からx²≦4、すなわち-2≦x≦2を得る。
  4. 端のx=2,-2では判別式が0なのでy=-x/2に一意に決まる。
  5. x=2でy=-1、x=-2でy=1となり、実際に元の式を満たす。

誤答分析:判別式条件から範囲を出した後、端点で本当に点が存在するかと対応するyを確認する。

別計算による検算:平方完成すると(y+x/2)²+3x²/4=3。第一項が0以上なのでx²≦4で、等号時はy=-x/2となり同じ二点を得る。

数学IIIの最初に置かれた「いろいろな関数」と、終盤に置かれた「媒介変数・極座標」。教科書では離れていますが、この2つは という書き方から自由になる」という同じ主題を共有しています。分数関数・無理関数は の形のまま定義域が制限される関数、逆関数は の役割を入れかえる操作、媒介変数と極座標はそもそも と書けない曲線を扱うための言葉です。このページは、この一群の解法を12の型に分けて並べた辞典です。型は当てはめるための箱ではなく、「この曲線は、どの言葉で書くと扱いやすいか」を決めるための道具として並べています。

このページの12型

  1. 分数関数のグラフ
  2. 無理関数のグラフ
  3. 逆関数を求める
  4. 逆関数のグラフと対称性
  5. 合成関数
  6. 無理関数と直線の共有点
  7. 媒介変数表示の曲線の接線
  8. 媒介変数表示の曲線の概形
  9. サイクロイド・トロコイド
  10. 極座標と極方程式
  11. 2次曲線の媒介変数表示
  12. 絶対値を含む積分と関数の最小

1. 背骨——「関数」から「曲線」へ

3つの書き方と、それぞれの得意分野

(陽関数) 1つの に1つの 。微分・積分がそのままできる。

(媒介変数) 1つの に複数の があってもよい。動く点の軌跡を書くのに向く。

(極方程式) 原点からの距離と向きで書く。原点まわりに回る図形に向く。

どれで書くかは、問題が決めるのではなく、あなたが決めます。同じ円でも の3通りに書けます。どれが正しいということはなく、「その先でやりたい計算がいちばん短くなる書き方」を選ぶのです。

そして、この選択には明確な指針があります。点が動く問題は媒介変数、原点からの距離が主役の問題は極座標、それ以外は 。名古屋大学の転がる円盤の問題では、時刻 が最初から媒介変数として与えられていました――問題文の設定が、すでに書き方を指定しているのです。

2. 分数関数・無理関数で最初に確かめる2つ

1定義域 分母が0になる 、根号の中が負になる を除く。これがグラフの範囲を決めます。

2標準形に直す  は割り算して の形に。 と見る。

無理関数の落とし穴

は放物線 上半分だけです。 という制限を落とすと、共有点の個数を数えるときに必ず間違えます。

関西大学の問題では、 と置きかえたあとに という条件を残すことが、答えを左右しました。

3. 解法パターン全12型

型01 分数関数のグラフ

01割り算して、平行移動の形にする

顔つき 

中身 。漸近線は

分子の次数を下げれば、 の平行移動だと分かる 1次分数関数はすべて を平行移動しただけの直角双曲線です。割り算で「定数+真分数」に直すと、漸近線が読み取れる の符号で、双曲線が第1・3象限型か第2・4象限型かも決まります(積分計算の型14と同じ操作です)。

型02 無理関数のグラフ

022次曲線の「半分」だと見る

顔つき 

中身 両辺を2乗して2次曲線に直し、もとの式の符号条件で半分を選ぶ

2乗は同値ではない  は同値ではありません。前者は後者に を加えたものです。2乗したら必ず「符号条件を書き添える」――この一手を省くと、共有点が2個のはずが4個になったり、無関係な解が紛れこんだりします。 なら単位円の上半分です。

型03 逆関数を求める

03 を入れかえて解く

顔つき 「 の逆関数を求めよ」。

中身  について解き、最後に文字を入れかえる。もとの関数の値域が、逆関数の定義域になる。

値域を書き忘れると減点される 逆関数が存在するのは、もとの関数が1対1のときだけ。だから答案では は単調なので逆関数をもつ」と断り、定義域(=もとの値域)を明記します。ちなみに をみたす自分自身が逆関数である珍しい関数です(名古屋工業大学の実例)。

型04 逆関数のグラフと対称性

04 に関して折り返す

顔つき 「 の交点」「囲まれた面積」。

中身 2つのグラフは直線 に関して対称。交点は 上にあることが多い(ただし全部ではない)。

を解けばよい」は、いつも正しいわけではない  が単調増加なら が成り立ちますが、単調減少の場合は 上にない交点があり得ます。減少関数のときは、素直に連立してください。面積を求めるときは、対称性から片側だけ計算して2倍するのが定石です。

型05 合成関数

05内側の値域が、外側の定義域に収まるか

顔つき  の定義域・値域を求めよ。

中身  の値域を求め、それが の定義域に入る範囲だけが の定義域。

合成の順序を入れかえてはいけない  は「先に 、あとで 」です。一般に となる関数を対合といい、入試では がよく登場します。この性質に気づくと、逆関数を求める計算がまるごと省けます。

型06 無理関数と直線の共有点

06置換して2次方程式に。ただし範囲を残す

顔つき 「直線 と曲線 が2つの共有点をもつ条件」。

中身  とおくと の範囲での解の個数を数える。

「解の個数」は判別式だけでは決まらない 2次方程式が2実解をもっても、それが をみたすとは限りません。判別式・軸・端点の3条件2次関数の解の配置)を確認してください。関西大学の問題では、判別式に加えて2解の和と積がともに0以上という条件が効き、 という制限が現れました。

型07 媒介変数表示の曲線の接線

07

顔つき 「点 P における接線の方程式を求めよ」。

中身  で微分した比が傾き。接線は

分母を払った形で書くと、対称性が見える 傾きが分数のときは、接線を の形に書くと分母が消えます。岡山大学の問題では、この形にすると という、驚くほど対称な式が現れ、切片が一瞬で読めました。

型08 媒介変数表示の曲線の概形

08増減表を の2本作る

顔つき 「曲線の概形をかけ」「 または が最大・最小となる点を求めよ」。

中身  の符号を別々に調べ、1つの表にまとめる。

の増減と の増減は独立している  なら増減表は1本ですが、媒介変数では「右へ動くか左へ動くか」と「上へ動くか下へ動くか」が別の話です。だから表の行は の5行。 の点では曲線が左右の折り返しをする(垂直な接線) の点では上下の折り返し(水平な接線)です。

型09 サイクロイド・トロコイド

09中心の位置+回転したベクトル

顔つき 「円が直線上を滑らずに転がるとき、円周上(または内部・外部)の点が描く曲線」。

中身 (点の位置)=(中心の位置)+(中心から点へのベクトルを回転させたもの)。すべらない条件から、回転角=転がった距離÷半径。

「滑らない」が回転角を決めている 半径1の円が距離 だけ転がったなら、回転角は (時計回り)。この対応があるから、中心 と回転角 が連動するのです。初期ベクトルを とすると、時刻 では だけ回転させたもの。名古屋大学の問題では だったので

となり、 が得られました。半径より遠い点なら曲線はループを作ります(トロコイド)。

型10 極座標と極方程式

10 で直交座標に戻す

顔つき (カージオイド)、(円)、(2次曲線)。

中身 答案では直交座標に直して媒介変数の問題として扱うのが安全。長さは

極方程式は「原点からの見え方」を書いた式  は「真右()でいちばん遠く()、真左()で原点に戻る」と読めます。まず をいくつか代入して を表にするだけで、概形の見当がつきます。実例は体積・弧長のページの神戸大学2016年度で詳しく扱っています。

型11 2次曲線の媒介変数表示

11三角関数で置くか、傾きで置くか

顔つき 楕円 上の点、双曲線上の点。

中身 楕円は 、双曲線は

置いた瞬間に「1変数の問題」になる 曲線上の点を2文字 で扱うと、条件式 が足かせになります。媒介変数で置けば拘束条件が自動的にみたされ、未知数が1つ減る――これが最大の利点です。最大・最小の問題では、置いた直後に三角関数の合成が使えることも多い(2次曲線の型08)。

型12 絶対値を含む積分と関数の最小

12境目を逆関数で表し、 で微分する

顔つき  の最小値。

中身  の解を とおくと が答え

「絶対値の積分を で微分すると、長さの差になる」  で微分すると 。だから となる部分の長さ」と「 となる部分の長さ」の差です。これが0になるのは区間がちょうど半分に分かれるとき――つまり の「中央値」になるときです。名古屋工業大学の問題では、この一言で 、そこから が即座に出ました。千葉大学の面積最小の問題とまったく同じ構造です。

4. 実際の入試で確かめる

全12型のうち、入試の実例がついているのは6型1マスが1つの型です。青いマスは、下にある入試の実例で確かめている型です白いマスは、下にある入試の実例では扱っていない型です010203040506070809101112解法パターン12型入試の実例で確かめる6型下の実例にない6型6 + 6 = 12型。この図は下にある入試の実例が扱う型を数えたものです入試の実例は5問。実例の数と型の数は必ずしも一致しません

この単元の解法パターンは全12型で、下にある入試の実例5問で確かめているのは6型です。残りの6型は、下にある実例では扱っていません。1問が複数の型にまたがることも、同じ型を複数の実例で扱うこともあるため、実例の数と型の数は必ずしも一致しません。

ここからは実際に出題された問題で型を確かめます。問題文は各大学が公表した入試問題を、解説のために引用したものです。解答・解説は数強塾が独自に作成したもので、大学公表の解答ではありません。掲載しているすべての数値は、当塾で独立に解いたうえで Python(sympy による厳密計算)で検算しています。

名古屋工業大学 2018年度 ―― 型03・型12。自分自身が逆関数である関数

【問題】名古屋工業大学 2018年度 前期日程

関数 に対して、 とおく。次の問いに答えよ。

(1) の最大値と最小値を求めよ。

(2) の値を求めよ。

(3) 関数 の逆関数 を求めよ。

(4) の最小値を求めよ。

【解答】

(1) 最大値 )、最小値 ) (2)

(3) 自身) (4) のとき最小値 (約

(1) 割り算して標準形にします(型01)。

は増加するので 単調減少

最大値 、最小値 値域は で、定義域と一致します。

(2) (1) より なので、 では では 。絶対値が外れます。

(3)  について解きます。

文字を入れかえて

は自分自身が逆関数(対合)

グラフは直線 に関して自分自身に重なります

(4)  は単調減少で値域が なので、 に対し となる がただ1つあり

では では 。したがって

で微分します。境目 では被積分関数が0なので、境目が動く効果は消えます。

意味は「区間を半分に割る高さ」

。つまり区間 をちょうど半分に分ける高さ が最小を与えます。

の減少関数なので の増加関数。前後で負から正に変わり、たしかに最小です。

このとき とおくと

が打ち消し合って

(3) は (4) のための道具だった。(4) で境目 の式で書く必要があり、そのために逆関数が要ります。「逆関数を求めよ」という設問が単独で出ることは少なく、たいてい次の設問で境目を表すために使われます。また という式は、絶対値つき積分の最小が「区間を二等分する高さ」で起きるという一般則を表しています。この一般則を知っていれば、 は微分せずとも書けます。

神戸大学 2015年度 ―― 型01。双曲線と放物線が3点で交わる

【問題】神戸大学 2015年度 前期日程

座標平面上の2つの曲線 をそれぞれ とする。

(1) 2曲線 の交点をすべて求めよ。

(2) 2曲線 の概形をかき、 で囲まれた図形の面積を求めよ。

【解答】

(1) の3点 (2) (約

(1)  のもとで分母を払います。

共通因子 でくくるのが要点です。

よって 。それぞれ で、交点は3個です。

(2) まず概形。 は割り算して

漸近線 の直角双曲線で、左枝()と右枝(に分かれます。 軸と で交わり、頂点 の下に凸な放物線です。

囲まれた図形は1つだけ

交点3個のうち 左枝上、右枝上にあります。

右枝側では なので、 の部分は上に開いていて閉じません

したがって囲まれた図形は の部分だけです。

上下を確かめます。 が上です。

2つに分けて計算します。前半は

後半は、計算する前に0だと分かります。

交点が3個あっても、囲まれた図形が3個あるわけではない。漸近線をもつ曲線では、漸近線をまたいだ部分は「囲まれた図形」にならないことがあります。この問題では が漸近線で、その右側の交点 は左側の2交点とは別の枝にあるため、閉じた領域を作りません。面積を求める前に、必ず「どこが閉じているか」を図で確認する――交点の個数だけで判断すると、存在しない領域を計算してしまいます。

関西大学 2021年度 ―― 型06。置換のあとに残る

【問題】関西大学 2021年度(2月7日実施)

を定数とし、直線 および曲線 を考える。次の空欄をうめよ。

が接するのは ① , ② のときである(① ②)。

が異なる2つの共有点をもつための必要十分条件は、③ ① または ② ④ である。

が異なる2つの共有点をもつとき、2つの共有点の中点を とおく。このとき 座標は を用いた式で ⑤ と表される。さらに の値によらず、曲線 ⑥ 上の点である(⑥ は を含まない のみの式)。

軸および直線 ⑤ で囲まれた図形の面積を とおく。 ④ のとき、 の値は ⑦ である。

【解答】

 ②  ③  ④

 ⑥  ⑦ (約

①② 根号を置きかえて2次方程式にします(型06)。 とおくと

接するのは が重解をもつとき()。

(重解 はどちらの でも正なので、たしかに接点が存在します。)

③④ 共有点が2個 の範囲に異なる2実解をもつ。

解の配置の3条件

①判別式 、すなわち または

②2解の和 、すなわち

③2解の積  と合わせて

3つを合わせて

③は 、④は です。( では 、すなわち が共有点の一つ。曲線の端点で交わる場合も「共有点」に数えます。)

  なので

  は直線 上にあるので

ここから と逆に解けます。これを ⑤ に代入すると

したがって によらず放物線 上にあります。

  のとき

を落とすと、③④ が出ない。判別式だけで考えると答えは「 または 」になってしまいます。しかし は0以上なので、負の解は共有点に対応しません。置換したら、置換した変数の範囲を必ず書き残す――これは根号の置換に限らず、)、)など、あらゆる置換で共通する鉄則です。

岡山大学 2008年度 ―― 型07。接線を分母を払った形で書く

【問題】岡山大学 2008年度 前期日程 理系

平面の曲線

について、次の問いに答えよ。

(1) 曲線 上の に対応する点 における の接線 の方程式を求めよ。

(2) とおく。点 P における曲線 の接線 軸、 軸で囲まれた三角形の面積 の式で表せ。

(3) のとき、(2) で求めた面積 の値の範囲を求めよ。

【解答】

(1)

(2)  (3) (約 。等号は

(1) それぞれ微分します。どちらも驚くほど簡単な形になります。

接線を分母を払った形で書きます。 として

右辺の定数部分は

(2) この形なら切片が一目で読めます。

切片は 切片は です。

では なので、どちらも正。三角形の面積は

分母を だけで書きかえる

より 。したがって

(3) 合成すると では なので

と書き直すと、 が増えるほど は減ることが分かります。

では では

と有理化しました。)よって

と置けと指示された理由。この置きかえは、 が「和」と「積」の形でしか現れないという構造を突いています。切片の分母 を展開すると和と積だけが出るので、 1文字で書ける。対称式なら基本対称式で書ける」――整数問題や2次方程式で使う発想が、そのまま三角関数でも効くのです(三角関数の型09)。

名古屋大学 2013年度 ―― 型09。転がる円盤が描く曲線

【問題】名古屋大学 2013年度 前期日程

半径1の円盤 が半径2の円盤 に貼り付けられており、2つの円盤の中心は一致する。 の周上にある定点をAとする。時刻 において 軸に接し、Aは座標 の位置にある。2つの円盤は一体となり、 軸上をすべることなく転がっていく。時刻 の中心が点 にあるように転がるとき、 においてAが描く曲線を とする。

(1) 時刻 におけるAの座標を で表す。 を求めよ。

(2) に関する増減を調べ、 あるいは が最大値または最小値をとるときのAの座標をすべて求めよ。

(3) 軸で囲まれた図形の面積を求めよ。

【解答】

(1)

(2) 最小 最大 最大 最小

(3) (約

(1) 位置=中心+(中心から A へのベクトル)で考えます(型09)。

中心は では A が にあるので、中心から A へのベクトルは

「すべらない」が回転角を決める

半径1の円が距離 だけ転がったので、回転角は 。進行方向は右なので時計回り、つまり回転角は です。

ベクトル だけ回転させると

(検算:。たしかに合っています。)

(2) 2つの増減を別々に調べます(型08)。

、すなわち

負(左へ) 正(右へ) 正(右へ) 負(左へ)
正(上へ) 正(上へ) 負(下へ) 負(下へ)

それぞれの点を計算します。

が最初に左へ動く――これが半径より遠い点の特徴で、曲線はループを作ります(トロコイド)。

(3)  となるのは 、すなわち 。この区間の両端で曲線は 軸に接地します。

がまったく同じ式なので、2乗が現れます。展開して半角で次数を下げます。

は偶然ではない。この問題では が一致しました。これは が、同じ「中心の運動+回転」から生まれていることの帰結です。サイクロイド でも同じ現象が起こり、面積が になります。この構造に気づくと、面積の式を立てる手間が半分になります。ただし積分区間は「 の部分」に限る必要があるので、そこだけは丁寧に。

5. よくある質問

Q1. 無理関数の方程式で、余分な解が出てしまいます。

A. 2乗したときに符号条件が消えているのが原因です。 かつ 。置換したときも、置いた変数の範囲( など)を必ず書き残してください。

Q2. 逆関数の交点は 上にあると習いましたが、本当ですか。

A. もとの関数が単調増加のときだけです。単調減少の場合は 上にない交点があり得るので、素直に連立してください。

Q3. 媒介変数表示の曲線の概形が描けません。

A. 増減表を で2本作ってください。 では左右の折り返し(垂直な接線)、 では上下の折り返し(水平な接線)が起こります。

Q4. サイクロイドの式が覚えられません。

A. 覚える必要はありません。「中心の位置」と「中心から点へのベクトルを回転させたもの」を足すだけで導けます。回転角は「転がった距離÷半径」です。

Q5. 型を覚えれば初見の問題も解けますか。

A. 型は考えなくて済ませる道具ではなく、どの言葉で書くかを決めるための道具です。決めたあとは自分で考える必要があります。実際、本ページの岡山大学の問題は「接線を分母を払った形で書く」という判断を自分でする必要がありました。型を持っている人は、白紙のまま全部を考えずに済むという差が出ます。

6. 次に読むページ

媒介変数や極座標が苦手な人へ

この分野でつまずく生徒のほとんどは、公式を知らないのではなく「どの書き方を選べばよいかを判断していない」だけです。数強塾では、曲線を見たらまず「点が動く問題か、原点からの距離が主役か」を言わせ、それから式を書く訓練をしています。オンラインの完全1対1で、プロ講師のみが担当します。

数強塾オリジナル演習|12の型を1問ずつ

上の12型を、数値と設定だけ変えた自作問題で1問ずつ確認します。この分野は「どんな曲線か」を先に言えるかで速さが決まります。解答を開く前に、まず曲線の名前(双曲線・放物線・楕円・半分の放物線)を口に出してみてください。

型01 分数関数のグラフ
の漸近線を求め、グラフの概形をかけ。

解答・解説を見る

まず分子を分母で割る。
これは 方向に 方向に 平行移動したもの。
漸近線は なので第1・第3象限型(右上と左下に伸びる)。
分数関数は必ず「(定数)+(定数)/(1次式)」に直す。

型02 無理関数のグラフ
の定義域と値域を求め、グラフの概形をかけ。

解答・解説を見る


定義域は より 、値域は
方向に 平行移動した形で、 から右上に伸びる半分の放物線 に制限したもの)。
根号の中を の形にくくるのが第一手。

型03 逆関数を求める
の逆関数を求めよ。

解答・解説を見る

について解く。

を入れかえて
検算:
について解いてから文字を入れかえる」の順を守る。

型04 逆関数のグラフと対称性
曲線 と、その逆関数のグラフの共有点をすべて求めよ。

解答・解説を見る

単調増加なので、 の共有点はすべて直線 にある。
)を解く。両辺2乗して
より 。共有点は
(検算: ✓。 は2乗で生じた不適解。)
単調増加のときだけ「 上」が使える。単調減少では 以外の共有点が出る。

型05 合成関数
について、 を求めよ。

解答・解説を見る



3回合成すると元に戻る(位数3)。検算:
合成は「内側から代入」。分数は分母分子に同じものを掛けて整理する。

型06 無理関数と直線の共有点
曲線 と直線 の共有点の個数を、 の値で場合分けして答えよ。

解答・解説を見る

とおくと 。方程式は 、すなわち
 ( の解の個数を数える)
2解の和は 、積は 、判別式は
:積が負 → 正の解1つ … 1個
2個
:和も積も正、2個
:重解 1個(接する)
0個
(検算: の1個 ✓)
置換したら「新しい文字の範囲」を必ず書く。ここを落とすと個数が合わない。

型07 媒介変数表示の曲線の接線
で表される曲線の、 に対応する点における接線の方程式を求めよ。

解答・解説を見る

より
で傾き 、点は
すなわち
(検算: を代入して ✓)
を消去しない。 で十分。

型08 媒介変数表示の曲線の概形
が表す曲線の方程式を求めよ。

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なので、掛けると
、すなわち (双曲線)
ただし では では 両方の枝が現れる。
和と差を作って掛ける—— の形を見たらこの一手。

型09 サイクロイド・トロコイド
サイクロイド について、(1) で表せ。(2) での接線の傾きを求めよ。(3) での接線の向きを述べよ。

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(1) 。半角公式 より
(2)  
(3) なので傾きは 接線は垂直(尖点で地面に垂直に立ち上がる)。
半角に直すと一気に見通しがよくなる。

型10 極座標と極方程式
極方程式 を直交座標の方程式に直せ。

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分母を払って より
。両辺2乗して
 (頂点 、焦点が原点の放物線)
(検算:。どちらも を満たす ✓)
を作ってから を残すのが定石。2乗するので の確認も。

型11 2次曲線の媒介変数表示
楕円 上の点 における接線を求めよ。 のとき、この接線と両座標軸で囲まれる三角形の面積を求めよ。

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接線は 、すなわち
では
切片 切片 。面積 (≒6.93)
(検算:接点 を代入すると ✓)
接線は「2乗を1乗ずつに割る」)で作れる。

型12 絶対値を含む積分と関数の最小
とする。 の最小値を求めよ。

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すなわち で符号が変わる。ここで区間を切る。

より

(検算: ✓ 端では なので確かに最小)
絶対値は「切ってから積分」、最小は「 で微分」。2段構え。

この分野を貫く3つの手

形を標準形に直す ── 分数関数は「定数+定数/1次式」(型01)、無理関数は根号の中をくくる(型02)。どちらも平行移動でどこから来たかを言えれば概形が描ける

置換したら範囲を書く ── と置いたら (型06)。ここを落とすと解の個数が必ずずれる

媒介変数は消さない ── 接線は でよく(型07・型09)、消すのは曲線の正体を知りたいときだけ(型08・型10)

逆関数(型03・型04)は について解く → 文字を入れかえる」、合成(型05)は「内側から代入」。手順が決まっているので、迷ったら手順に戻ってください。

「なぜそうなるのか」へ

曲線を式で書けるのは、座標が距離と結びついているからです。土台のほうを確かめておくと、極座標も2次曲線も同じ話に見えてきます。

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