2次曲線は、公式が多いように見えて、実は「距離の条件」から全部が出てきます。楕円は「2定点からの距離の和が一定」、双曲線は「差が一定」、放物線は「1点と1直線から等距離」。この定義に戻れば、どの曲線でも同じ手つきで扱えます。そして入試で問われるのはたいてい接線と、そこから生まれる軌跡――このページは、2次曲線の解法を14の型に分けて並べた辞典です。型は当てはめるための箱ではなく、考える範囲を狭めて、そこから先に頭を使うための道具として並べています。
このページの14型
- 放物線(焦点と準線)
- 楕円(焦点からの距離の和)
- 双曲線(焦点からの距離の差)
- 2次曲線の平行移動
- 接線/接点が分かっているとき(接線公式)
- 接線/外部の点から引く
- 直交する2接線と準円
- 楕円の媒介変数表示
- 楕円を円に変換する
- 離心率と焦点・準線
- 焦点と2次曲線上の点の距離
- 軌跡が2次曲線になる問題
- 極方程式
- 回転体・面積への接続
1. 背骨——3つの曲線は、すべて距離の条件
| 曲線 | 定義(距離の条件) | 標準形 | 関係式 |
|---|---|---|---|
| 楕円 | 2焦点からの距離の和が | (焦点 ) | |
| 双曲線 | 2焦点からの距離の差が | 、漸近線 | |
| 放物線 | 焦点と準線から等距離 | 焦点 、準線 |
関係式の符号を間違えないために。楕円は 、双曲線は 。どちらも「いちばん大きいものが左辺」と覚えると混同しません。楕円では長半径 が最大、双曲線では焦点距離 が最大です。図を描けば、楕円は「焦点が内側」、双曲線は「焦点が外側」なので当然だと分かります。
さらに、定義に戻ることで計算が消える場面があります。楕円上の点 P について はつねに一定なので、 は から引き算だけで出ます(筑波大学の実例)。座標計算に入る前に「定義から言えることはないか」を一度考えてください。
接線公式は「2乗を分ける」だけ
曲線上の点 における接線は、標準形の 、 と置きかえる。
ただし使えるのは「接点が分かっているとき」だけ。外部の点から引く接線では接点が未知なので、傾きを文字にして接する条件を立てます(型06)。
2. 接するとは何か——3つの言いかえ
A連立して重解 直線と曲線を連立した2次方程式の判別式が0。
最も汎用的。「接線が2本ある」「直交する」といった条件は、この2次方程式の解と係数の関係で書けます(横浜国立大学の実例)。
B接する条件の式 直線 が楕円に接する 。
Aから導かれる関係式ですが、覚えておくと外部の点からの接線問題が速くなります。放物線 なら という接点パラメータ表示のほうが便利です。
C接点をパラメータにする 接点を とおいて接線を書く。
2本の接線の交点を求めるときは、この形が圧倒的に軽い。交点の座標が接点パラメータの基本対称式になるのがポイントです(筑波大学の実例)。
3. 解法パターン全14型
型01 放物線
01焦点と準線から等距離
顔つき 「焦点が 、準線が の放物線」。
中身 。焦点 、準線 。頂点が原点でなければ平行移動する。
の の意味 定義 を2乗すると 。係数の は「焦点と準線の距離が である」ことの反映です。導出を1回自分でやっておけば、 と の区別も迷いません。
型02 楕円
02距離の和が一定という条件をそのまま使う
顔つき 「2点からの距離の和が である点の軌跡」。
中身 和が なら長半径 、焦点距離を として 。
「和が一定」は計算を減らす武器 楕円上のどの点でも 。だから という対称式の関係が使えます。3乗和も で処理できる――2次曲線の問題が、対称式の問題に化けるのがこの型の面白さです。
型03 双曲線
03漸近線が形を決める
顔つき 「漸近線が の双曲線」「距離の差が一定」。
中身 の漸近線は 、つまり 。
右辺を0にすると漸近線 これは覚えやすく、しかも本質的です。 が大きくなると右辺の が相対的に無視できるようになるから。()は必ず を漸近線にもつ――大阪大学の問題(後掲)は、この一点を示す問題です。
型04 2次曲線の平行移動
04
顔つき はどんな曲線か。
中身 それぞれについて平方完成し、標準形に直す。
2次の係数の符号で種類が決まる と の係数が同符号なら楕円(等しければ円)、異符号なら双曲線、片方が0なら放物線。平方完成する前に、この判定をしておくと見通しがよくなります。
型05 接線/接点が分かっているとき
05接線公式を使う
顔つき 「 上の点 における接線」。
中身 、 と置きかえる。
判別式を解くより速い 接点が与えられているなら、公式1行で終わります。切片も即座に読めます( なら 切片 、 切片 )。群馬大学の問題(後掲)は、この切片から線分の長さを作る構成です。
型06 接線/外部の点から引く
06傾きを文字にして、接する条件を立てる
顔つき 「点 を通る接線」。
中身 とおき、曲線と連立して判別式 。 についての2次方程式になる。
2本の接線=2つの解 得られた の2次方程式の2解が、2本の接線の傾きです。だから「直交する」は解と係数の関係で と書ける―― を実際に解く必要はありません(横浜国立大学の実例)。「解を求めずに、解の関係だけを使う」のが解と係数の関係の典型的な使い方です。
注意 軸に平行な接線は傾きで表せない。
の2次の係数が0になる場合( など)を別に調べる必要があります。
型07 直交する2接線と準円
07直交する2接線の交点は円を描く
顔つき 「直交する2本の接線が引ける点の軌跡」「外接長方形」。
中身 楕円 の準円は 。
導出は解と係数の関係だけ で とすると 。この円を「準円」といい、外接長方形の頂点は必ずこの円上にあります(長方形の隣り合う辺は直交するから)。逆に使えば、外接長方形の頂点が一意に決まる――横浜国立大学の (2) はこの逆用です。
型08 楕円の媒介変数表示
08
顔つき 「楕円上の点 」。
中身 上の点は 。
1文字で表せることの価値 楕円上の点は本来2つの座標をもちますが、曲線上にあるという条件で自由度は1つ。それを 1文字で書ききると、最大最小が三角関数の問題になります。ただし は「点の偏角」ではありません( なら一致しない)。この点は誤解が多いので注意してください。
型09 楕円を円に変換する
09 方向に 倍して円にする
顔つき 楕円がらみの面積、接する条件。
中身 と変換すると楕円が半径 の円になる。面積は 倍で戻る。
拡大縮小は「接する」「中点」を保つ 1次変換なので、接することも、線分の内分比も変わりません。だから円で考えて、最後に面積だけ比で戻せばよい。楕円の面積が なのも、半径 の円(面積 )を 倍したと考えれば納得できます。
型10 離心率と焦点・準線
10焦点からの距離 ÷ 準線までの距離
顔つき 「離心率 の2次曲線」。
中身 なら楕円、 なら放物線、 なら双曲線。楕円・双曲線では 。
3つの曲線を1つの定義で統一する 「焦点からの距離と準線からの距離の比が一定」という1つの条件が、 の値によって3種類の曲線を生みます。放物線が の境界にあると分かると、3つがひと続きの族だと見えてきます。極方程式(型13)でも、この統一的な見方が効きます。
型11 焦点と2次曲線上の点の距離
11距離が1次式で書ける
顔つき 「焦点 F と楕円上の点 P の距離 を で表せ」。
中身 (もう一方の焦点なら )。根号が外れて1次式になる。
なぜ根号が消えるのか に楕円の式 を代入すると、 という完全平方になります。これが2次曲線の際立った性質で、最大最小の計算が一気に軽くなります。
型12 軌跡が2次曲線になる問題
12パラメータを基本対称式に読みかえる
顔つき 「2接線の交点の軌跡」「条件をみたす点の軌跡が双曲線になることを示せ」。
中身 交点の座標を接点パラメータで表すと、基本対称式(和と積)になることが多い。条件式も対称式に直して消去する。
放物線の2接線の交点は 座標が接点の中点、 座標が積。だから についての対称な条件は、そのまま の式に翻訳できます。 のように、差の2乗も対称式で書ける――これが軌跡を求める鍵になります(筑波大学の実例)。
型13 極方程式
13焦点を極にとると1つの式で書ける
顔つき 。
中身 焦点を極、準線を 側にとると、離心率 の2次曲線がこの形になる。
3種類が1つの式にまとまる で楕円、 で放物線、 で双曲線。直交座標では別々だった3つが、極座標では の値だけの違いになります。焦点を中心に据えると統一が見える――座標の取り方が構造を見せてくれる好例です。
型14 回転体・面積への接続
14媒介変数表示のまま積分する
顔つき 「楕円が囲む面積」「双曲線と直線が囲む面積」。
中身 として と置換する。
媒介変数のまま積分するほうが軽い を直接積分するより、媒介変数に直したほうが三角関数の積分になって扱いやすい。あるいは型09で円に変換して、面積を比で戻す――どちらも「楕円のまま計算しない」という点で共通しています。
4. 実際の入試で確かめる
この単元の解法パターンは全14型で、下にある入試の実例6問で確かめているのは7型です。残りの7型は、下にある実例では扱っていません。1問が複数の型にまたがることも、同じ型を複数の実例で扱うこともあるため、実例の数と型の数は必ずしも一致しません。
ここからは実際に出題された問題で型を確かめます。問題文は各大学が公表した入試問題を、解説のために引用したものです。解答・解説は数強塾が独自に作成したもので、大学公表の解答ではありません。掲載しているすべての数値は、当塾で独立に解いたうえで Python による検算を行っています。
筑波大学 2011年度 前期日程 ―― 型02。定義の「和が一定」で対称式に持ちこむ
【問題】筑波大学 2011年度 前期日程
を正の定数とする。2点 からの距離の和が である点 の軌跡として定まる楕円 を考える。点 A、点 B、原点 O から楕円 上の点 P までの距離をそれぞれ と書く。
(1) 楕円 の長軸と短軸の長さを求めよ。
(2) および を、 と を用いて表せ。
(3) 点 P が楕円 全体を動くとき、 の最大値と最小値を を用いて表せ。
【解答】
(1) 長軸 、短軸 (2) 、 (3) 最大値 、最小値
(1) 焦点定義そのままです。距離の和が より 、焦点距離 なので
長軸 、短軸 。楕円は 。
(2) として
が丸ごと になるので、楕円の式を使わずに書けました。
積のほうは、個別に を求めてはいけません。定義から が一定なので
(3) (2) が「和と積」を用意してくれたので、3乗和が対称式で書けます。
の1次式になりました。あとは の範囲を出すだけです。楕円上の点の原点からの距離は、短軸の端で最小、長軸の端で最大なので
1次式は単調なので端点で最大最小をとります。
最大値は ( のとき)、最小値は ( のとき)。
誘導が「対称式にせよ」と言っている。(2) で「和の2乗」と「積」を作らせるのは、(3) の3乗和を基本対称式で処理させるためです。もし (2) がなければ、 を個別に で表して3乗する(根号だらけ)ことになります。誘導の意図を読むと、計算量が10分の1になる――この問題はその典型です。
横浜国立大学 2016年度 前期日程 ―― 型07。準円を導いて、逆に使う
【問題】横浜国立大学 2016年度 前期日程
平面上に楕円 がある。
(1) 点 を通る の接線が2本あり、それらが直交するとき、 がみたす条件を求めよ。
(2) に外接する長方形のうち、 座標が1で 座標が正である頂点をもつものの面積を求めよ。
【解答】
(1) (原点中心・半径 の円=準円) (2) 面積 (約 )
(1) 接線を とおきます。楕円に接する条件は、連立して の判別式が0、すなわち
点 を通るので 。代入すると
この の2次方程式の2解が、2本の接線の傾きです。直交条件は なので、解と係数の関係だけで
を実際に解く必要はありません。(なお のときは接線の一方が となり、そのとき はこの円上にあるので条件は同じです。)
(2) ここで (1) を逆に使います。長方形の隣り合う辺は直交するので、外接長方形の頂点は必ず準円 上にあります。
、 の頂点は から 、つまり と一意に決まります。
この点を通る2接線の傾きは、(1) の式に を入れて
長方形の辺の長さは、平行な2接線の距離です。傾き の平行な接線は なので、距離は
2つの傾き (、)に対する距離の積が面積です。計算すると
(1) が (2) の「頂点を特定する」ために置かれている。外接長方形は無数にありますが、「 座標が1の頂点をもつ」という条件で1つに絞れるのは、頂点が準円上にあると分かっているからです。準円を知らないと、この (2) は手がつきません。(1) が単なる計算問題ではなく、(2) の道具として設計されていることを読み取ってください。
群馬大学 2015年度 前期日程 ―― 型05・型09。接線の切片から最小値へ
【問題】群馬大学 2015年度 前期日程
座標平面上の楕円 を とし、点 を を満たす 上の点とする。点 P における の接線 と 軸、 軸との交点をそれぞれ Q、R とおく。
(1) の方程式を を用いて表せ。
(2) 線分 QR の長さの2乗を を用いて表せ。
(3) 線分 QR の長さの最小値を求めよ。
【解答】
(1) (2) () (3) 最小値
(1) 接点が与えられているので接線公式(型05)。、 として
(2) 切片を読むだけです。、。
2変数のままでは最小化できません。P が 上にあるという条件 を代入して1変数化します。
(3) とおくと 。分母の和が という定数なので、コーシー・シュワルツの不等式がぴったりはまります。
分母の和が定数なら、この不等式
等号は 、すなわち のとき。
したがって 、最小値は 。このとき 、。
(微分でも解けますが、この形が見えると計算が3行で終わります。)
「分母の和が定数」を見たら不等式を疑う。 で が定数なら、。これはコーシー・シュワルツの不等式(の特別な形)で、式と証明の型15そのものです。分野が違っても、式の形が同じなら同じ道具が効く――型を分野ごとに閉じ込めないことが大事です。
筑波大学 2008年度 前期日程 ―― 型12。交点の座標は基本対称式
【問題】筑波大学 2008年度 前期日程
放物線 上の異なる2点 、 における接線の交点を とする。
(1) を を用いて表せ。
(2) 点 P、Q が を満たしながら 上を動くとき、点 R は双曲線上を動くことを示し、かつ、その双曲線の方程式を求めよ。
【解答】
(1) (2) の下側の分枝
(1) の における接線は 。 では 。連立して
交点の座標が基本対称式そのもの
(和の半分)、(積)。
したがって についての対称な条件は、そのまま の式に翻訳できます。これが (2) への橋渡しです。
(2) 角を扱うので を使います。R から P、Q へ向かうベクトルは、それぞれ接線の方向 、 に平行( なので向きがこう決まる)。
内積は 、外積(の大きさ)は なので
は かつ鋭角、すなわち が必要です。この符号条件が、あとで分枝を限定する決め手になります。
左辺を対称式で書きます。 なので
両辺を2乗して整理すると
平方完成して
双曲線です。ただし すなわち が必要なので、実際に動くのは下側の分枝()だけです。
2乗する前に符号を押さえる。 を2乗するとき、左辺が0以上なので右辺も0以上、つまり が必要です。これを書いておかないと、上側の分枝まで答えに含めてしまいます。「2乗は同値変形ではない」――この注意はベクトルでも三角関数でも同じでした。
大阪大学 2006年度 前期日程 ―― 型03・型12。漸近線が の双曲線
【問題】大阪大学 2006年度 前期日程
直線 を で、直線 を で表す。直線 のどちらの上にもない点 をとる。点 A を通る直線 が2直線 とそれぞれ点 P, P′ で交わるとする。点 Q を を満たすようにとる。ただし O は原点である。直線 を変化させるとき、点 Q の軌跡は と を漸近線とする双曲線となることを示せ。
【解答】
点 Q の軌跡は ()。これは を漸近線とする双曲線
パラメータの取り方が要点です。 上の点は1文字で書けます。
直線 の傾きを媒介変数にするより、この を主役に据えるほうが見通しがよい( が 軸に平行な場合も自動的に含められます)。
与式から なので
条件は「A, P, P′ が一直線上にある」ことだけです。ベクトルの平行条件(外積が0)で書くと
ここで とおいて逆に解きます。 とおくと
がきれいに分離されました。代入すると 、右辺は
したがって 、すなわち 。平方完成して
A が 上にないので 。()は、右辺を0にした すなわち を漸近線にもつ双曲線です。
パラメータの選び方が計算量を決める。直線 の方程式を と置いて交点を求める道もありますが、 が垂直な場合を別扱いする必要が出ます。いっぽう と置けば、そういう例外がありません。「どの量をパラメータにすると、例外が消えるか」を先に考えるのが、軌跡の問題の作法です。そして という置きかえで が分離されるのも、この選び方の恩恵です。
神戸大学 2015年度 前期日程 ―― 型08。媒介変数で1文字にする
【問題】神戸大学 2015年度 前期日程
座標平面上の楕円 を とする。 とし、 軸上の点 と楕円 上の点 をとる。原点を O とし、直線 AP と 軸との交点を Q とする。点 Q を通り 軸に平行な直線と、直線 OP との交点を R とする。
(1) 点 R の座標を求めよ。
(2) (1) で求めた点 R の 座標を とする。 における の最大値を求めよ。
【解答】
(1) (2) 最大値 ( のとき)
(1) まず Q を確定させます。直線 AP の での値だけが必要なので、傾き を使って
R は「 座標が Q と同じ、かつ直線 OP 上」。OP を媒介変数で と表すと、 を合わせるだけで
( で なので割れます。)よって
より分母 という符号情報が、以降ずっと効きます。
(2) を微分します。商の微分で
分子が と極めて簡単になります( が効いた)。
より なので、 となる が に必ず存在します。そこで の符号が正から負に変わるので極大かつ最大。
このとき 、分母は なので
媒介変数表示が「1文字化」を可能にする。楕円上の点を のまま扱うと、 という束縛つきの2変数問題になります。 と書けば自由度が の1つだけになり、以降すべてが1変数の微分に落ちる。「曲線上の点」を見たら媒介変数表示を検討する――これは軌跡の問題でも同じ発想です。
5. よくある質問
Q1. 楕円と双曲線で の関係式が混ざります。
A. 「いちばん大きいものが左辺」と覚えてください。楕円は (長半径が最大)、双曲線は (焦点距離が最大)。図を描けば、楕円は焦点が内側、双曲線は外側なので当然だと分かります。
Q2. 接線公式はいつ使えますか。
A. 接点が分かっているときだけです。「点 A を通る接線」で A が曲線上にないなら使えません。その場合は傾きを文字にして、接する条件(判別式=0)を立てます。
Q3. 媒介変数の は、点の偏角ですか。
A. 違います。 の は、円に変換したときの偏角であって、楕円上の点の偏角とは一致しません( のとき)。「離心角」と呼ばれます。
Q4. 軌跡が双曲線になることを示すとき、分枝を限定する必要はありますか。
A. あります。2乗した箇所があれば、必ず元の式の符号条件に戻って分枝を確認してください。筑波大学 2008年度の問題では という条件から下側の分枝だけになりました。
Q5. 型を覚えれば初見の問題も解けますか。
A. 型は考えなくて済ませる道具ではなく、考える範囲を狭めるための道具です。狭めたあとは自分で考える必要があります。実際、本ページの大阪大学の問題は「直線の傾きではなく、2直線上の点を1文字ずつで表す」と自分で判断する必要がありました。型を持っている人は、白紙のまま全部を考えずに済むという差が出ます。
6. 次に読むページ
- 【深掘り】接線と法線の解法パターン全14型 ―― 2次曲線の接線公式もこちらで扱っています。
- 図形と方程式の解法パターン全19型 ―― 軌跡・接する条件の土台。
- 複素数平面の解法パターン全16型 ―― 同じ図形を複素数で扱います。
- 三角関数の解法パターン全14型 ―― 媒介変数表示の計算はこちら。
- 式と証明の解法パターン全16型 ―― コーシー・シュワルツの使いどころ。
- 数学II・B・C 要点辞典 第12章 2次曲線 ―― 定義・公式・つまずきポイントの確認。
- 式と曲線 特訓道場 ―― 型01〜型08の演習。
- 大学入試 過去問の全問解説
2次曲線で手が止まる人へ
この単元でつまずく生徒のほとんどは、公式の数に圧倒されているだけです。数強塾では、3つの曲線がすべて「距離の条件」から出ることを確認したうえで、接線の扱いを3通り(重解・接する条件・接点パラメータ)に整理するところから指導しています。オンラインの完全1対1で、プロ講師のみが担当します。
数強塾オリジナル 追加演習14問|14の型を、数字を変えてもう一度
上の14の型を、設定と数値を変えた自作問題で1問ずつ確かめます。3つの曲線はすべて距離の条件で定義されています——放物線は「焦点と準線から等距離」、楕円は「2焦点からの距離の和が一定」、双曲線は「差が一定」。式を忘れたら定義に戻れば必ず作れます。
問1(型01 放物線)
放物線 の焦点と準線を求めよ。
解答
の形と比べて 、。
焦点 、準線
(焦点と準線は原点をはさんで対称な位置にある。放物線上の点は、この2つから等距離。定義に戻れば から が出る。)
問2(型02 楕円)
楕円 の焦点、長軸・短軸の長さを求めよ。
解答
、 より 、。 なので長軸は 軸方向。
焦点 、長軸 10、短軸 6
(楕円では (引き算)。双曲線の (足し算)と逆なので、どちらの曲線かを先に確認する。)
問3(型03 双曲線)
双曲線 の焦点と漸近線を求めよ。
解答
、。
焦点
漸近線は右辺を0にした から
、すなわち
(漸近線は「右辺を0にして因数分解」で必ず出る。覚える必要がない。 になっているのは偶然だが、この形は入試でよく使われる。)
問4(型04 2次曲線の平行移動)
の中心と焦点を求めよ。
解答
中心は 。
分母は 側のほうが大きい()ので、長軸は 軸方向。、。
。焦点は中心から 方向に 。
焦点
(分母の大きいほうが長軸の向き。 側と決めつけないこと。平行移動しても形は変わらないので、中心からの相対位置で考える。)
問5(型05 接線/接点が分かっているとき)
楕円 上の点 における接線を求めよ。
解答
まず接点が曲線上にあることを確認: ✓
接線の公式(一方の を に置きかえる)より
、すなわち
(「2つある文字のうち片方を接点の値に置きかえる」だけ。円 の接線 と同じ作り。検算: を代入して ✓)
問6(型06 接線/外部の点から引く)
放物線 に、点 から引いた接線をすべて求めよ。
解答
接点を とおく( を満たす)。
両辺を で微分して 、。接点での傾きは 。
接線:、整理して 。
を通るので 、。
: / :
(検算: の接点は 。 は で ✓、 も通る ✓接点を文字で置くのは3次関数の接線と同じ手順。)
問7(型07 直交する2接線と準円)
楕円 の直交する2本の接線の交点は、どんな図形上にあるか。
解答
この軌跡を準円といい、 で表される。
、 なので
(原点中心、半径 の円)
(確かめ:接線が と のとき交点は 。 ✓直交する接線の交点が円になるのは、長軸端と短軸端の接線が直交する点を含むから、と覚えると忘れない。)
問8(型08 楕円の媒介変数表示)
楕円 を媒介変数 で表せ。また に対応する点を求めよ。
問9(型09 楕円を円に変換する)
楕円 が囲む面積を求めよ。
解答
、 と置くと (単位円)。
この変換で、面積は 方向に3倍、 方向に2倍されるので面積は 倍になる。
単位円の面積は なので、楕円の面積は
(公式 と一致。縦横を別々に拡大すると、面積は倍率の積だけ変わる——面積が縦×横だから。積分せずに面積が出る。)
問10(型10 離心率と焦点・準線)
楕円 の離心率と準線を求めよ。
解答
、、。
離心率
準線は (および )
( が楕円、 が放物線、 が双曲線。3つの曲線は「焦点からの距離÷準線からの距離=」という1つの定義でまとめられる。 が0に近いほど円に近い。)
問11(型11 焦点と2次曲線上の点の距離)
楕円 上の点Pと2つの焦点 について、 を求めよ。また のとき を求めよ。
解答
楕円の定義より、2焦点からの距離の和は長軸の長さ で一定。
なので 10
なら 3
(2焦点にピンを刺して糸を張り、鉛筆でなぞると楕円が描けるのはこの性質による。糸の長さが 。双曲線なら「差が一定」で 。)
問12(型12 軌跡が2次曲線になる問題)
点 と直線 から等距離にある点の軌跡を求めよ。
解答
点を とすると
両辺を2乗して
放物線 (焦点 、準線 )
(これが放物線の定義そのもの。「焦点と準線から等距離」という条件を式にすると2次式になる。 で 、 となり焦点の位置と合う。)
問13(型13 極方程式)
極方程式 はどんな曲線を表すか。直交座標の式に直して答えよ。
解答
分母を払って 。
、 なので
両辺を2乗して 、
放物線 (頂点 、左に開く)
( の形で なので放物線。離心率 が分母の の係数として現れる。 なら楕円、 なら双曲線。)
問14(型14 回転体・面積への接続)
楕円 を 軸のまわりに1回転してできる立体の体積を求めよ。
「なぜその式になるのか」を理由から確かめる
- なぜ三平方の定理が成り立つのか ― 距離の条件を式にする土台
- なぜsin²θ+cos²θ=1なのか ― 型08の媒介変数表示はこれ
- なぜ微分すると接線の傾きが出るのか ― 型05・型06
- なぜ積分すると面積が求まるのか ― 型09・型14
- なぜ?数学辞典(見出し一覧)
📝 この型が実際に出た入試問題(61問のうち24問を掲載)
「2次曲線」の型が実際の入試でどう出たかを、数強塾が全問解説を公開している年度から拾いました。各行の「解説を読む」から、その問題の解説へ直接移動できます。型を読んだあとに実出題で当てると、どこまで通用する判断なのかがはっきりします。
| 大学・年度 | 出題テーマ | 難易度 | 解説 |
|---|---|---|---|
| 立命館大学 2025年度 | 双曲線と菱形領域 | 難 | 解説を読む |
| 関西学院大学 2025年度 | 3次曲線と2次曲線の共通接線と面積の分割【記述式】 | やや難 | 解説を読む |
| 立命館大学 2020年度 | 〔Ⅱ〕【空所補充】楕円と直線——弓形の面積を「円に潰して」求める | やや難 | 解説を読む |
| 東京大学 1995年度 | 双曲線の接線と漸近線が作る三角形の面積 | やや難 | 解説を読む |
| 慶應義塾大学(数学) 2024年度 | 第1問(小問集合:五心・楕円・三角関数) | — | 解説を読む |
| 自治医科大学(数学) 2024年度 | 問14(2次曲線の面積) | — | 解説を読む |
| 久留米大学(数学) 2023年度 | 第3問(領域内の格子点:指数・対数と2次曲線) | — | 解説を読む |
| 日本大学(数学) 2023年度 | 第2問(微分・2次曲線) | — | 解説を読む |
| 日本大学(数学) 2023年度 | 第3問(2次曲線・極座標) | — | 解説を読む |
| 東邦大学(数学) 2023年度 | 第9問(空間図形:楕円体の切断と体積) | — | 解説を読む |
| 東邦大学(数学) 2022年度 | 第1問(2次曲線:楕円の焦点と距離の和) | — | 解説を読む |
| 自治医科大学(数学) 2022年度 | 問10(楕円上の最大最小) | — | 解説を読む |
| 久留米大学(数学) 2021年度 | 第1問(二次曲線と最大・最小:楕円上の点と三角関数の合成) | — | 解説を読む |
| 慶應義塾大学(数学) 2021年度 | 第3問(2次曲線:2つの塔とアポロニウスの円) | — | 解説を読む |
| 東邦大学(数学) 2021年度 | 第8問(2次曲線・三角関数・区分求積) | — | 解説を読む |
| 産業医科大学(数学) 2021年度 | 大問4 楕円の接線(記述式) | — | 解説を読む |
| 自治医科大学(数学) 2021年度 | 問12(楕円・接点を通る直線) | — | 解説を読む |
| 昭和大学(数学) 2020年度 | 大問3 双曲線と球の入れ替え | — | 解説を読む |
| 自治医科大学(数学) 2020年度 | 問12(楕円の内接三角形の面積最大) | — | 解説を読む |
| 慶應義塾大学(数学) 2019年度 | 第4問(図形と方程式:円の接線・内心・垂心と楕円) | — | 解説を読む |
| 東邦大学(数学) 2019年度 | 第10問(空間図形:球の接線がつくる円と楕円) | — | 解説を読む |
| 聖マリアンナ医科大学(数学) 2019年度 | 大問3 楕円の折り返しと共有点の個数(記述式) | — | 解説を読む |
| 北里大学(数学) 2018年度 | 第2問(2次曲線:楕円と双曲線の共有点) | — | 解説を読む |
| 昭和大学(数学) 2018年度 | 大問4 極限・双曲線・媒介変数表示 | — | 解説を読む |
難易度は数強塾の見立てです(「—」は難易度を掲載していない年度)。大学別の年度一覧と出題傾向は過去問解説の総索引から、この型の全体像は解法パターン事典のハブから確認できます。
