接線と法線の解法パターン全14型|型の見抜き方と入試実例(神戸大・岡山大・都立大・阪大・横国大)


接線は、微分の単元でもっとも多く出題される主題です。それなのに「接線を求めよ」で終わる問題はほとんどありません。接線の本数、共通接線、接線が作る三角形、接線と曲線が囲む面積、接線が通過する領域——毎年、形を変えて出てきます。ところがこれらは、すべて同じ一手から始まります。接点を文字で置く、それだけです。接点さえ置けば、接線という直線は文字1つで書けてしまい、後に続くどの条件も、その文字についての方程式に化けます。このページは接線と法線の解法を14の型に分けて並べた辞典です。型は当てはめるための箱ではなく、「いま接点はどこにあるのか」を見失わないための道具として並べています。

このページの位置づけ——概観は第1層、深掘りはここ

接線は微分法(数III)の解法パターン全18型でも扱っています(型13・型14)。数IIの範囲は微分法(数II)の解法パターン全11型、楕円や双曲線の接線は2次曲線の解法パターン全14型にあります。あちらが「単元を一望する地図」なら、こちらは「接線だけを縦に掘る坑道」です。単元全体の中での位置づけを先に確かめたい方は、第1層からご覧ください。

このページの14型

  1. 曲線上の点における接線
  2. 曲線外の点から引く接線(接点を文字で置く)
  3. 接線の本数
  4. 共通接線(接点を2つ別々に置く)
  5. 2曲線が接する条件
  6. 法線
  7. 媒介変数表示の曲線の接線
  8. 陰関数の接線
  9. 2次曲線の接線公式
  10. 接線と x 軸・y 軸が作る三角形
  11. 接線と曲線で囲む面積
  12. 接線が通過する領域
  13. 接点の軌跡
  14. 接線を使った不等式の証明(凸性)

1. 背骨——接線の問題は、すべて「接点を主役にした1文字の話」になる

接線の問題がどれも同じ骨格に見えるのは、接線が最初から1つの文字で番号づけられた直線の集まりだからです。曲線 上の点 における接線は

と書けます。 を1つ決めれば直線が1本決まる、という装置です。そして接線にまつわる問いは、例外なくこの装置への問いに翻訳できます。

接線の問題は、この4通りの翻訳しかない

通る 点 を通る   の方程式)

数える 接線が何本引けるか  その方程式の実数解 の個数(型03)

存在させる 点 を通る接線があるか   の方程式が実数解をもつ条件(型12)

消す 接点がどう動くか   から を消去(型13)

だから接線の型を14に分けても、入口はどれも「接点を置く」で同じです。違うのは出口だけ。この見通しがあると、初見の問題でも書き出しの1行が止まりません。

もう一つ、押さえておきたいことがあります。「接する」という言葉には3つの顔がある、ということです。

①傾きが微分係数に等しい。これが定義です。②連立した方程式が重解をもつ。多項式のときに現れる顔で、 を因数にもつ、と書くのが正確な言い方です。③接線は曲線のいちばんよい1次近似である。接点の近くで の大きさでしか離れない、という顔つきです。

この3つは同じ事実の言い換えですが、使い勝手はまるで違います。②は多項式のときに絶大な威力を発揮します。本ページの横浜国立大学の問題では、「3次式には の項がない」というただそれだけの事実から、通過点と接点の関係が計算なしで決まってしまいます。①は指数関数や対数関数のときに唯一使える道具です。③は不等式の証明(型14)でそのまま武器になります。どの顔を出すかを選べることが、接線の問題での実力差になります。

「接する=判別式ゼロ」と覚えてはいけない

判別式が使えるのは、連立した式が2次方程式になるときだけです。3次以上では「重解」と「接する」の関係が単純ではありません。たとえば 軸は原点で接しますが、方程式 の解は3重解です。安全なのは、高さが等しい()と傾きが等しい()の2本立てで書くか、差が で割り切れると書く方法です。

最後に、法線の話をしておきます。法線は接線に垂直なだけの直線ですが、問題の難度は一段上がります。理由は式の形にあります。傾きが となって分母に が入るため、分母を払うと についての次数が1つ上がるのです。放物線では、接線の条件が の2次方程式、法線の条件が の3次方程式になります。「1つの点から引ける接線は最大2本、法線は最大3本」というよく知られた事実は、この次数の差そのものです。東京都立大学の問題は、この対比を1題で見せてくれます。

ここまで読んで、型を覚えれば機械的に解けるようになる、と受け取らないでください。型が決めてくれるのは最初の一手と、考えるべき範囲だけです。過去に何百回も使われてきた「型」から予想して、思考する量を減らすことで、手際よく解法を思い付いている場合もあるのです。接点を置いたあとに何を計算するかは、問題ごとに自分で決めることになります。型は考えなくて済ませる道具ではなく、考える範囲を狭めるための道具です。

2. 手順——型を選ぶまでの判断の流れ

1接点が与えられているかを見る。「曲線上の点 における接線」なら接点は目の前にあるので、そのまま微分係数を傾きにします(型01・型06〜型09)。「点 を通る接線」としか書かれていないときは、その点が曲線上にあるかどうかを必ず確かめてから、接点を文字で置きます(型02)。曲線上の点であっても、そこ以外を接点とする接線が引けることがあります。

2文字をいくつ置くかを決める。曲線と直線が接するなら接点は1つ。2曲線の共通接線なら接点は2つで、別々の文字(型04)。2曲線が互いに接する条件なら接点は1つ(型05)。ここを間違えると、条件の本数が合わなくなります。

3出口(何を聞かれているか)で型を選ぶ。本数なら型03、通過範囲なら型12、接点の動きなら型13、面積なら型11、座標軸との三角形なら型10、不等式なら型14。入口はすべて同じで、出口だけが違います。

4微分の道具を選ぶ。 の形ならそのまま、媒介変数表示なら型07、 の形なら型08、楕円・双曲線なら型09の公式。法線が絡むときは、 となる点(接線が水平=法線が縦線)を先に別扱いしておくと、あとで場合分けを忘れません。

3. 解法パターン全14型

型01 曲線上の点における接線

01接点を通り、傾きは微分係数

顔つき 「曲線 上の点 における接線を求めよ」と、接点が最初から与えられている。

中身 。接点の 座標を の2か所に代入するだけ。

なぜ効くか 接線を「曲線に1点だけで触れる直線」と覚えていると、必ずどこかで崩れます。 の原点における接線は 軸ですが、そこで曲線を横切っている。接線の定義に交点の個数は一切入っていません——その点での変化率と同じ傾きをもつ直線、これだけです。ここを濁さずに持っておくと、型03以降の「本数」の議論がぶれません。

型02 曲線外の点から引く接線(接点を文字で置く)

02未知数を「傾き」ではなく「接点」にする

顔つき 「点 から曲線に引いた接線を求めよ」。与えられた点が曲線上にあるとは限らない。

中身 接点を と置き、接線が を通る条件 の方程式として解く。

なぜ効くか 「点を通る直線 を曲線と連立して重解条件」という道もありますが、3次以上ではほぼ詰みます。接点を主役にすると、未知数が直線の傾き から接点 へ移ります。直線側から見れば自由度は2つ(傾きと切片)ありますが、接点側から見れば自由度は最初から1つ。だから条件が1本の方程式で足りるのです。「接点を置く」は計算の工夫ではなく、情報の持ち方を変える一手。相手が円のときだけは例外で、中心と直線の距離が半径に等しい、と書けば1行で終わります。

型03 接線の本数

03本数は、接点についての方程式の実数解の個数

顔つき 「接線が3本引けるような の範囲」「この点から何本引けるか」。

中身 型02の方程式を の形にして実数解の個数を数える。3次なら極大値と極小値の積の符号で判定。

なぜ効くか 「接線の本数=接点の個数」と言い切ってよいのは、異なる接点が異なる接線を与えるときだけです。放物線や3次曲線ではこれが保証されますが、4次以上の曲線には2点で接する直線が現れます。数え始める前に「接点と接線が1対1か」を一言確認する癖をつけてください。この一言があるかどうかで、答案の点数は変わります。

型04 共通接線(接点を2つ別々に置く)

04未知数2つ、条件も2つ

顔つき 「2つの曲線の共通接線を求めよ」。

中身  の接点を の接点を 別の文字で置き、〈傾きが等しい〉〈切片が等しい〉の2式を連立する。

なぜ効くか 同じ文字で置くと「2曲線に同じ点で接する」という余計な仮定が入ります。共通接線は、接する場所まで一致する必要はありません。接点2つは独立な未知数で、条件は「1本の直線として一致すること」=傾きと切片の2つ。未知数2・条件2でちょうど釣り合うから、答えが有限個に決まるのです。この数え合わせを意識しておくと、解が出ないときに「置き方が足りない」のか「条件を書き落とした」のかを切り分けられます。

型05 2曲線が接する条件

05高さが等しい、かつ傾きが等しい

顔つき 「2つのグラフが接するときの の値」「直線が曲線に接するように」。

中身 接点の 座標を として かつ 。多項式なら で割り切れる、と書くほうが速い。

なぜ効くか 高さが等しいだけなら、ただ交わっているだけです。傾きまで等しくなって初めて接する——この2本立てが定義そのもので、どんな関数にも使えます。判別式は、連立した式が2次方程式になるときに限って「重解ならば接する」を保証してくれる近道にすぎません。近道と定義を取り違えないでください。

型06 法線

06傾きは 、ただし分母に注意

顔つき 「点 における法線」「法線が3本引ける条件」。

中身  なら のときは 。分母を払った形(放物線 なら )にしておくと、この例外も1本の式に含められる。

なぜ効くか 法線は接線に垂直なだけなのに、なぜ難しくなるのか。分母に が入るからです。分母を払うと の次数が1つ上がり、放物線では接線が2次・法線が3次の方程式になります。点から引ける接線が最大2本、法線が最大3本という差は、この次数の差がそのまま出たもの。法線を見たら、まず の場合を確かめる——手順にしておけば減点の大半は防げます。

型07 媒介変数表示の曲線の接線

07消去せずに、 で傾きを出す

顔つき  で与えられた曲線(サイクロイド、アステロイドなど)の接線。

中身 )。接点は をそのまま使う。

なぜ効くか  を消して に直す必要がないのが利点です。 は曲線を進む速度ベクトルで、接線とはその向きをもつ直線のこと——こう捉えると、公式が「速さで割って向きだけを取り出している」ことだと分かります。 の点では使えません。そこは接線が鉛直になるか尖点になっているかのどちらかで、答案では区別が要ります。

型08 陰関数の接線

08両辺を で微分して について解く

顔つき  の形(円、楕円、 のような曲線)で接線を問う。

中身  の関数とみなして両辺を微分する( の微分は )。得られた に接点の座標を代入する。

なぜ効くか  について解けなくても傾きが求まる、というのがこの型の値打ちです。円 なら から 。半径の傾きが ですから、「接線は半径に垂直」という図形の性質が、式のうえで自動的に出てきます。この経験が、型09の公式を「覚えるもの」から「導けるもの」に変えます。

型09 2次曲線の接線公式

092次の項の片方を、接点の座標に置き換える

顔つき 楕円・双曲線・放物線上の点 における接線。

中身 楕円なら 、双曲線なら符号を変えるだけ、放物線 なら

なぜ効くか 公式に見えますが、正体は型08の結果を整理したものです。 に、 に、 に置き換える——この1つの規則で、円も楕円も双曲線も放物線も同じ扱いになります。しかもこの式は が曲線の外にあるときにも意味をもち、そこから引いた2本の接線の接点を結ぶ直線(極線)を表します。接点の座標を求めずに接点の情報が取り出せるのは、このためです。

型10 接線と 軸・ 軸が作る三角形

10切片を出して、面積を接点1文字の関数にする

顔つき 「接線と両座標軸で囲まれる三角形の面積の最小値を求めよ」。

中身 接線の式に を代入して切片を求め、面積を接点の文字だけの関数に直してから微分する。

なぜ効くか 型としての仕事は「1文字の関数に落とすところまで」で、落ちてしまえばあとは最大最小の普通の問題です。落とし穴は長さの扱いにあります。切片は代入すれば出ますが、正か負かを確かめずに長さとして使うと符号を落とす。本ページの神戸大学の問題では、交点の 座標が負であることを確認してから長さを書いています。図を描かずに進めたくなる型ほど、符号の確認を答案に残してください。

型11 接線と曲線で囲む面積

11差が重解をもつから、上下は入れ替わらない

顔つき 「曲線と接線で囲まれた部分の面積を求めよ」。

中身 多項式なら が使える。超越関数なら凸性で上下を決めてから積分する。

なぜ効くか 接するとは、差が を因数にもつこと(型05)。2乗の因数は符号を変えないので、「曲線−接線」は接点を通り過ぎても符号が変わりません。つまり上下が入れ替わらず、区間を分ける心配が消えます。いわゆる 公式は覚える公式ではなく、この構造の帰結。指数・対数では重解の言い換えが使えないので、凸性から「接線は曲線の上側(または下側)」と言ってから積分するのが定石です(岡山大学の問題)。

型12 接線が通過する領域

12点を固定して、「その点を通る接線があるか」に読み替える

顔つき 「 が動くとき、接線 が通過する範囲を図示せよ」。

中身 通過する点を と固定し、 をみたす実数 存在する条件を の式で書く。

なぜ効くか 直線を動かして塗り絵をしようとすると、どこまで塗れるのかが分かりません。逆に点を先に固定してしまえば、問いは「この点を通る接線が1本以上あるか」に変わります。これは型03(本数)とまったく同じ方程式で、本数が か否かを聞いているだけ。動くものと固定するものを入れ替えるこの発想が、通過領域と呼ばれる問題群の背骨です。

型13 接点の軌跡

13 が使えるので、範囲の翻訳が楽

顔つき 「条件をみたす接線の接点は、どんな図形を描くか」。

中身 接点を と置き、条件から と他のパラメータの関係を出し、 から を消去する。

なぜ効くか 軌跡とは、消去によって「その文字が存在するための条件」を書き直す作業です。接点の軌跡では というもっとも単純な関係が最初から使えるので、 の動く範囲がそのまま の範囲になります。軌跡の問題で最後まで残りやすい「範囲の翻訳」が、この型ではほとんど自動で終わる——ここが接点の軌跡のありがたいところです。

型14 接線を使った不等式の証明(凸性)

14等号が成り立つ場所を接点にとる

顔つき 「 を示せ」「曲線が接線の上側にあることを示せ」。

中身 (曲線)(接線)を とおいて微分する。接点で となり、 の符号が一定なら の符号が決まる。

なぜ効くか 下に凸な関数のグラフは、どの接線よりも上側にあります。これが凸性の幾何的な意味。だから証明したい不等式の等号成立の場所が分かっているとき、そこを接点にとった接線を持ち出せば、不等式は「曲線と接線の上下」に翻訳されます。等号成立の場所が見えていることが、この型を使える合図です。ただし凸性が言えることには限界もあり、本ページの大阪大学の問題は、凸性だけでは足りずもう一段細かい不等式が要る例になっています。

4. 実際の入試で確かめる

全14型のうち、入試の実例がついているのは9型1マスが1つの型です。青いマスは、下にある入試の実例で確かめている型です白いマスは、下にある入試の実例では扱っていない型です0102030405060708091011121314解法パターン14型入試の実例で確かめる9型下の実例にない5型9 + 5 = 14型。この図は下にある入試の実例が扱う型を数えたものです入試の実例は6問。実例の数と型の数は必ずしも一致しません

この単元の解法パターンは全14型で、下にある入試の実例6問で確かめているのは9型です。残りの5型は、下にある実例では扱っていません。1問が複数の型にまたがることも、同じ型を複数の実例で扱うこともあるため、実例の数と型の数は必ずしも一致しません。

ここからは実際に出題された問題で型を確かめます。問題文は各大学が公表した入試問題を、解説のために引用したものです。解答・解説は数強塾が独自に作成したもので、大学公表の解答ではありません。掲載しているすべての数値は、当塾で独立に解いたうえで Python(sympy による厳密計算と numpy による数値検証)で検算しています。

神戸大学 2005年度 ―― 型02・型03・型10。円の接線は距離1行で終わる

【問題】神戸大学 2005年度 前期日程(理科系 第3問)

を実数とし、 とする。点 を通り、円 と接する2本の直線のうち、 とは異なる直線を とする。 軸の交点を とする。次の問に答えよ。

(1)  とする。線分 の長さ を用いて表せ。

(2) 三角形 の面積を とする。 の範囲を動くとき、 の最小値とそのときの の値を求めよ。

【解答】

(1)  (2) のとき最小値

方針。 は鉛直ではないので傾きを とおきます。相手が円のときは、接点を置かなくても中心と直線の距離が半径に等しいという1行で接する条件が書けます(型02の円版)。

、すなわち 。原点との距離が1だから

両辺を2乗すると となり、 が消えて1次方程式になります

解はただ1つ。「接線は2本あり、そのうち1本は 」という問題文の設定と、ぴったり合っています(型03)。 なので

(1)  とおくと より、 座標は

だからこれは にあるので

(2)  は直線 上の長さ の線分、 軸上にあるので 。したがって

商の微分で

では では 。よって で最小となり

(このとき です。)

この問題で使った型

型02 曲線外の点から引く接線。相手が円のときだけは、接点を置かずに「距離=半径」で済みます。型03 その方程式の解が1つしかないことが、そのまま「 以外の接線は1本」を意味しています。型10 接線と 軸が作る三角形の面積を 1文字の関数に落としてから微分しました。

検算のしかた

接線の検算は本当に接しているかを距離で確かめることから始めます。当塾では sympy で を解いて が唯一の解であること、 のとき原点と の距離がちょうど1になることを確認しました。さらに numpy で から まで20万点に刻んで動かし、 を直接計算して最小点 、最小値 を得ています。

岡山大学 2017年度 ―― 型04・型11。接点は2つ、別々の文字で置く

この問題は 積分法(面積) のページでも扱っています。同じ問題でも、そちらは単元全体の中での位置づけ、ここではこのテーマに絞った読み方をしています。二つを見比べると、同じ問題文から引き出せるものが1つではないことが分かります。

【問題】岡山大学 2017年度 前期日程(理系 第2問)

座標平面内の2つの曲線 の共通接線を とする。このとき以下の問いに答えよ。

(1) 直線 の方程式を求めよ。

(2)  および で囲まれる領域の面積を求めよ。

【解答】

(1)  (2)

方針。共通接線は接点を別々に置くのが出発点です(型04)。同じ文字で置くと「2曲線に同じ点で接する」という余計な仮定が入ってしまいます。

の接点を とすると より、接線は

の接点を とすると より、接線は

この2本が同じ直線であるためには、傾きと切片がそれぞれ一致すればよい。

傾き: より 。これを切片の条件に入れると 、すなわち

よって 。傾きは 、切片は なので

接点は 原点を通る直線になるのが、この問題の気持ちのよいところです。

(2) まず2曲線の交点。 より 、点は

対数関数は上に凸なので、接線 は両曲線の上側にあります(型14の見方)。だから囲む領域は、上が 、下が では では

第1項は 、第2項は

足すと がきれいに相殺して

この問題で使った型

型04 接点2つ・条件2本という数え合わせがそのまま出ています。型11 接線と曲線で囲む面積。多項式ではないので重解の言い換えは使えず、凸性で上下を決めてから積分するという段取りになりました。積分区間を2曲線の交点で割るところまでが型の仕事です。

検算のしかた

当塾では sympy で連立を解いて を得たあと、2つの接点それぞれで値と傾きが曲線と一致するかを個別に確認しました。面積は sp.integrate で 。さらに numpy で区間 を200万分割し、 と2曲線の差の小さいほうを台形則で積分して を得ています。面積が ほどしかない細い図形なので、数値検算は厚めに行いました。

東京農工大学 2016年度 ―― 型01・型06・型11。直交する2接線の交点は 軸に乗る

【問題】東京農工大学 2016年度 前期日程(数学(Z) 第4問)

平面上の2つの曲線

を考える。正の実数 について、点 における の接線を とし、点 における の接線を とする。また、 は垂直であるとする。ただし、対数は自然対数とする。

(1)  を用いて表せ。ただし答えのみでよい。

(2)  の方程式を を用いて表せ。

(3)  の交点を R とする。 であるとき、線分 PQ、曲線 および曲線 で囲まれた部分の面積 を求めよ。

【解答】

(1)  (2)  (3)

(1)  より、 の傾きは の傾きは 。直交条件 から より

(2)  を通り傾き なので 、すなわち

(3)  と連立すると となり、 だから 。よって

2本の接線の定数項がどちらも で一致している——これが、交点が 軸上に来ることの正体です。

だから、直角三角形の辺の比として

より

このとき 。傾きは なので

の交点は より 。囲む図形は3頂点 をもつ曲線三角形で

第1項は 、第2項は が相殺して

この問題で使った型

型01 接点が最初から与えられているので、素直に微分係数を傾きにするだけ。型06 法線そのものは出てきませんが、〈傾きの積が 〉という同じ一手を、2本の接線のあいだで使っています。型11 接線が作った線分と曲線で囲む面積。途中に現れた が最後に消えるのは、 という対称な関係にあるからです。

検算のしかた

当塾では sympy で交点が であること、 を確認し、 を numpy に戻して内積から角が になることを再確認しました。面積は sp.integrate で厳密に 、2区間それぞれ60万分割の台形則でも と一致。境界の取り方(交点が であること)も数値で確かめています。

東京都立大学 2019年度 ―― 型01・型03・型06。接線は2本まで、法線は3本まで

【問題】東京都立大学 2019年度 前期日程(数理科学科 第3問)

放物線 とする。

(1)  上の点 における接線の方程式と法線の方程式を求めなさい。

(2) 点 から に相異なる2本の接線を引くことができるための、 についての条件を求めなさい。

(3)  のとき、点 から に相異なる3本の法線を引くことができるための、 についての条件を求めなさい。

【解答】

(1) 接線 、法線 のとき のとき

(2)  (3)

(1)  より接線の傾きは で、。法線は なら傾き 、分母を払うと この形にしておけば (法線 )も含められます(型06)。

(2)  が接線上にある 。放物線では接点が異なれば接線も異なるので、接線の本数=この方程式の実数解の個数(型03)。相異なる2実数解の条件は 、すなわち 。P が放物線の下側にある、ということです。

(3)  なので、法線 )は P を通りません。よって として 、両辺に を掛けて

が異なれば法線の傾き も異なるので、法線3本 が相異なる3実数解をもつ。

が異符号の極値を作るには 、つまり 。このとき とおくと だから

3実数解の条件は 。すなわち より で、2乗して

この問題で使った型

このページの背骨がそのまま1題になっています。(1)が型01・型06、(2)が型03、(3)が型03と型06の合わせ技。急所は「接線の条件は の2次式、法線の条件は の3次式」という次数の差で、これは法線の傾きの分母 を払ったことから来ています。だから接線は最大2本、法線は最大3本。なお(3)の答え が表す曲線は、この放物線の縮閉線(各点の曲率中心が描く曲線)として知られています。

検算のしかた

3次式にする変形が同値変形かどうかが検算どころです。当塾では sympy で、法線の式から作った量に を掛けると恒等的に になることを確認しました。条件は総当たりで検証しています。 から一様乱数で3万組をとり、np.roots で相異なる実数解の個数を数えて条件との一致を判定したところ、境界近傍を除いて不一致は0件。 では で1本、 で3本、ちょうど では根が の重解となって2本しか引けないことも確認しました。不等号に等号が入らない理由が、ここではっきりします。

大阪大学 2003年度 ―― 型01・型14。2接線の交点を、不等式で押さえる

【問題】大阪大学 2003年度 前期日程(理系 第2問)

(1)  のとき、不等式 が成り立つことを示せ。

(2)  を正の定数とする。 とし、曲線 上の2点 を考える。このときPにおける の接線とQにおける の接線の交点の 座標は常に正であることを示せ。

【解答】

(1)(2) ともに証明。(2)の交点の 座標は で、この分子が正であることが(1)の不等式そのものになります。

(1) )とおきます。 なので

では かつ分母が正なので 、つまり は狭義単調減少。 だから では 。すなわち 。(証明終)

(2)  より、Pでの接線は 、Qでの接線は 。連立して整理すると

より 、したがって となり分母 。あとは分子の符号だけの問題です。 で割れば、分子が正であることは

と同値。ここで と置き換えます より

(1)の不等式は と書けますから、これはまさに 。よって分子も正で、交点の 座標は常に正です。(証明終)

この問題で使った型

型01 接点が与えられた接線を2本書き、連立して交点を出すところまでは一直線。型14 その先が本題で、凸性だけでは足りないことに値打ちがあります。下に凸な曲線に引いた2本の接線は、必ず2つの接点のあいだ、つまり で交わります。しかしこの問題が問うのは「交点が原点より右にあること」—— のちょうど真ん中より右、という一段細かい主張なので、(1)で用意された不等式が必要になるのです。誘導の(1)が何の代役なのかを読み取ることが、この問題の型です。

検算のしかた

(1)は sympy で を確認し、numpy で から まで200万点走査して全点で (最小値 )を確かめました。(2)は sympy に2接線を連立させ、交点の 座標が (分子分母を で割ると手計算の式に一致)と出ることを確認。lambdify して の一様乱数で20万組評価し、最小値 負になる例が1つも出ないことを確かめています。

横浜国立大学 2019年度 ―― 型03・型05・型06・型11。法線が、もう一度この曲線に接する

【問題】横浜国立大学 2019年度 前期日程(A1冊子 第3問)

実数 に対し、 平面上の曲線 とする。 上の異なる2点 と、2つの直線 があり、 に対して以下の条件をみたしている。

 (i)  座標は正である。

 (ii)  を通り、さらに における の接線と直交する。

 (iii)  以外の点で に接する。

(1)  のとり得る値の範囲を求めよ。

(2)  に対して、 によって囲まれる部分の面積を とする。 の式で表せ。

【解答】

(1)  (2)

方針。条件(ii)(iii)は「P における法線が、別の点で C に接する」と言っています。型06と型05の組み合わせです。

)とおきます。 より P での接線の傾きは 。もし なら法線は鉛直線となり3次曲線に接することはできないので 。法線 の傾きを とします。

に接するとは、次が についての恒等式になることです(型05)。

急所——3次曲線なら、ただで手に入る関係がある

左辺には の項がありません( にも直線にも は現れない)。右辺の の係数は ですから

接点の位置が、ほとんど計算せずに決まってしまいました。3次曲線と直線の問題で「通過点と接点が で結ばれる」のは、この係数比較から来ています。

の係数を比べると 、よって (定数項は自動的に一致するので、新しい条件は出ません)。

これで の表し方が2通りできました。 とおくと なので

(1)  で、 の範囲で から への対応は狭義増加=1対1。したがって条件をみたす P が2個ある (A)が の範囲に相異なる2実数解をもつ(型03の数え方)。

判別式 、解の積は 、和は

のとき、2解はともに正なので をみたす。適する。

のとき、2解はともに負だが なので をみたさない。不適。

よって

(2)  なので、囲む部分は

から

あとは を出すだけです。 で、(A)の2解は だから

2つの を個別に求めていないことに注目してください。解と係数の関係で対称式のまま処理する——これが締めの型です。

この問題で使った型

型06(法線)→型05(直線が3次曲線に接する条件)→型03(条件をみたす点が2個ある、を解の個数に翻訳)→型11 公式で面積)と、このページの型が4つ数珠つなぎになった問題です。難しく見えるのは工程が多いからで、1工程ずつはどれも標準的。長い問題ほど、型の並びとして読むと短くなります。

検算のしかた

当塾ではまず sympy で係数を取り出し、残る条件が の1本だけになること、 を代入すると に一致することを確認しました。数値では について(A)を np.roots で解き、得られた各 から法線を作って3次方程式の根を求めたところ、いずれも が重解、 が単解という形になりました。面積は のとき区間を300万分割した台形則で となり、公式値 と一致。 では重解 となって P が1個しか取れないことも確認し、等号を含まない理由を裏づけています。

5. よくある質問

Q1. 接点を文字で置くのは、どういうときですか。

A. 与えられた点が曲線上にあるかどうかで決まります。上にあるならその点が接点なので、そのまま微分係数を傾きにします。上にない、あるいは上にあるか分からないときは、接点を文字で置いて、その接線が与えられた点を通るという条件を方程式にします。曲線上の点であっても、そこ以外を接点とする接線が引けることがあるので、確認は必ずしてください。

Q2. 「接する」は判別式がゼロ、と覚えていて大丈夫ですか。

A. 相手が2次までのときだけです。曲線と直線を連立した式が3次以上になると、重解と接することの関係が単純ではなくなります。安全なのは、高さが等しいことと傾きが等しいことの2本立てで書くか、差の式が接点の因数の2乗で割り切れると書く方法です。

Q3. 接線の本数と接点の個数は同じものですか。

A. 接点が違えば接線も違う、という保証があるときだけ同じです。放物線や3次曲線ではこの保証がありますが、4次以上の曲線には2点で接する直線が現れることがあります。数え始める前に、接点と接線が1対1に対応しているかを一言確認してください。

Q4. 法線の問題になると急に難しくなるのはなぜですか。

A. 法線の傾きに分母が現れるからです。分母を払うと接点についての方程式の次数が1つ上がり、放物線の場合、接線は2次、法線は3次になります。点から引ける接線が最大2本なのに法線は最大3本あるのは、この次数の差がそのまま出たものです。加えて、接線が水平になる点では法線が縦線になるので、その場合を先に分けておく必要があります。

Q5. 型を覚えれば初見の接線の問題も解けますか。

A. 型は考えなくて済ませる道具ではなく、考える範囲を狭めるための道具です。過去に何百回も使われてきた型から予想して、思考する量を減らすことで、手際よく解法を思い付いている場合もあるのです。接点を置くところまでは型が決めてくれますが、そのあと何を計算するかは、問題ごとに自分で決めることになります。

6. 次に読むページ

接線の問題で手が止まってしまう人へ

接線が苦手な生徒の答案を見ていると、微分ができないのではなく「いま接点はどこにあるのか」を決めないまま式を書き始めていることがほとんどです。数強塾では、式を書く前に「接点は与えられているか」「文字はいくつ置くか」を口に出させ、答えが出たあとに「本当に接しているか」を確かめさせます。この2つを毎回やるだけで、接線は落とさない分野に変わります。オンラインの完全1対1で、プロ講師のみが担当します。

数強塾オリジナル演習 追加5題|型07〜09・12・13を埋める

上の入試実例では型01〜06・10・11・14 を扱いました。ここでは残る型07(媒介変数)・型08(陰関数)・型09(2次曲線の接線公式)・型12(通過領域)・型13(接点の軌跡)を1問ずつ埋めます。すべて自作問題で、答えは計算で検算してあります。

型09 円の接線公式(微分を使わない)
上の点 における接線の方程式を求めよ。また、なぜ という形になるのかを説明せよ。

解答・解説を見る

公式に代入するだけ。

(検算:点 を通るか →
中心 との距離 ✓——たしかに接している)
【なぜこの形か】接線は接点を通る半径と垂直です。
半径の向きは、中心から接点へのベクトル。これが法線ベクトルになります。
法線が の直線 と書けるので

接点 を通るから、すなわち (円上の点だから)。

微分を1度も使っていません。「接線⊥半径」という円の性質だけで出ます。

型08 陰関数のまま微分する
同じ円 について、両辺を で微分することで点 での接線の傾きを求め、接線の方程式を出せ。

解答・解説を見る

の関数と見て、両辺を微分します。

の微分は合成関数なので

では
点と傾きから直線を作る



演習1とまったく同じ答えになりました。
【陰関数微分の利点】 と解いてから微分してもよいのですが、根号の微分が面倒なうえ、上半分と下半分で場合分けが要ります。
について解かずに微分すれば、上下どちらでも同じ式 で済む
のときだけ傾きが定義できません。そこは接線が縦線になる場所で、傾きを持たないのは当然です)

型07 媒介変数表示の曲線の接線
で表される曲線について、 に対応する点における接線を求めよ。
また のときも求めよ。

解答・解説を見る

を消去する必要はありません。

求めたいのは なので、割ります

:点は 、傾きは

(検算: ✓)
:点は 、傾きは

(検算: ✓)
で割る」という発想が要点です。縦の変化 ÷ 横の変化。どちらも で測っておいて割れば、 の分が約分で消える
では となり、この曲線は原点でとがっています。接線が定まりません)

型13 直交する2接線の交点の軌跡
放物線 に2本の接線を引き、それらが直交するとき、交点の軌跡を求めよ。

解答・解説を見る

接点を とおきます。 なので接線の傾きは
直交条件傾きの積が だから
、すなわち …①
次に交点を求めます。2本の接線は

連立して

なので割って
これを代入すると

①より
【答】直線
(検算: なら ✓。接線は で、交点は ✓)
によっていくらでも動きますが、 に固定される——だから軌跡は水平な直線。
(この直線は放物線の準線と呼ばれるものです。「準線上の点から引いた2接線は必ず直交する」——放物線の重要な性質)

型12 接線が通過する領域
放物線 の接線が通過する領域を求めよ。

解答・解説を見る

接点を とおくと、 より傾きは
接線は

ここから逆手流点を固定して存在条件を問う)。
を固定し、 についての方程式と見ると

実数 が存在する条件は判別式 以上。

【答】(放物線とその下側)
(検算:点 より で通る ✓
となり実数解なし ✓ たしかに で領域外)
接線が「放物線の下側だけ」を通るのは当然です。下に凸な曲線では、接線は曲線の下にあるからです。
そして境界の 、つまり接点そのもの。放物線はすべての接線が接する曲線(包絡線)になっています。

接線は「点と傾き」で決まる。違うのは傾きの出し方だけ

14の型がありますが、作業はいつも2つです。

  1. 接点を決める(分からなければ文字で置く)
  2. そこでの傾きを出す

あとは に入れるだけ。型の違いは2番目の「傾きの出し方」に集約されます。

曲線の表され方 傾きの出し方
型01
で割る) 型07
両辺を で微分して を解く 型08
円・2次曲線 公式(法線=中心から接点へ) 型09

接点が分からないときは、必ず文字で置く(型02・04)。「曲線外の点 を通る」という条件は、接線の式に を代入することで の方程式に化けます。

接線の本数=その方程式の実数解の個数。これが型03の正体です。

接線がらみの3つの「使い回し」

接線の式 が出たあと、 をどう扱うかで型が分かれます。

の扱い できること
点を固定して の存在条件 通過領域 型12
2つの を連立して消去 交点の軌跡 型13
を1つに決める条件を課す 接する条件・本数 型03・05

接線を作った後が本番——ここを意識すると、通過領域軌跡の単元と一続きに見えてきます。

「なぜそうなるのか」へ

接線は「曲線を、その点で直線に置きかえる」操作です。土台にある考え方を押さえると、14の型が1本につながります。

関連ページ

大学受験数学|接線を接点の条件から立てる

接線の独自演習4問|接点未知・判別式・三次関数まで

接線は傾きだけでなく、接点を通る条件を同時に満たす直線です。接点が与えられる場合、外部点から引く場合、傾きを決める場合、三次関数との再交点を順に学びます。

接線問題で起こりやすい「与えられた点を接点と決めつける」「判別式ゼロだけ書いて接点を確認しない」「接点を通る条件を確認しない」を、因数分解による検算で防ぎます。

図は左右にスクロールして全体を確認できます。

点0,マイナス4から放物線y=x二乗へ引いた二本の接線放物線y=x二乗、外部点0,マイナス4、接点マイナス2,4と2,4、および二本の接線を示す図。 P(0,-4)(-2,4)(2,4)y=4x-4y=-4x-4
放物線y=x二乗、外部点0,マイナス4、接点マイナス2,4と2,4、および二本の接線を示す図。

問1|接点が与えられた三次関数の接線

難度:標準学習点:接点の座標と導関数の値を直線式へ入れる

曲線y=x³-2x上のx=2に対応する点での接線の方程式を求めよ。

問1「接点が与えられた三次関数の接線」の解答・詳しい考え方を開く

答え:y=10x-16。

  1. 関数f(x)=x³-2xを微分してf'(x)=3x²-2を得る。
  2. x=2での傾きはf'(2)=12-2=10である。
  3. 接点のy座標はf(2)=8-4=4だから接点は(2,4)である。
  4. 点傾き式y-4=10(x-2)を立てる。
  5. 展開してy=10x-16とする。

誤答分析:f'(2)=10だけを求めて終わらず、接点(2,4)を通る直線にする。f(2)とf'(2)を取り違えない。

別計算による検算:x=2を直線へ代入するとy=4で曲線上の点と一致し、直線のx係数10もf'(2)と一致する。

問2|外部点から放物線へ引く二本の接線

難度:標準〜発展学習点:未知の接点を文字で置き、通過条件を使う

点P(0,-4)から放物線y=x²に引ける接線の方程式をすべて求めよ。

問2「外部点から放物線へ引く二本の接線」の解答・詳しい考え方を開く

答え:y=4x-4、y=-4x-4。

  1. 接点のx座標をtとすると接点は(t,t²)、その傾きは2tである。
  2. 接線はy-t²=2t(x-t)、整理してy=2tx-t²となる。
  3. この直線がP(0,-4)を通るので-4=-t²、すなわちt²=4である。
  4. t=2,-2をそれぞれ接線式へ代入する。
  5. t=2でy=4x-4、t=-2でy=-4x-4を得る。

誤答分析:Pのx座標0を接点とみなさない。接点tは未知であり、Pは接線上にあるだけで放物線上にはない。

別計算による検算:y=4x-4とy=x²の共有点方程式は(x-2)²=0、もう一方は(x+2)²=0となる。どちらも重解なので確かに接する。

問3|切片を固定した接線の傾き

難度:発展学習点:接する条件を二次方程式の重解へ翻訳する

直線y=mx+1が放物線y=x²-3x+5に接するような実数mをすべて求め、接点も答えよ。

問3「切片を固定した接線の傾き」の解答・詳しい考え方を開く

答え:m=1で接点(2,3)、m=-7で接点(-2,15)。

  1. 共有点の式x²-3x+5=mx+1を整理する。
  2. x²-(m+3)x+4=0が接するとき重解を持つ。
  3. 判別式D=(m+3)²-16を0と置き、m+3=±4を得る。
  4. m=1またはm=-7であり、重解x=(m+3)/2はそれぞれ2,-2である。
  5. 各xを直線へ代入し、接点(2,3),(-2,15)を得る。

誤答分析:判別式からmだけ求めて接点を省かない。±を落とすと二本のうち一方を失う。

別計算による検算:m=1では差x²-3x+5-(x+1)=(x-2)²、m=-7では差x²-3x+5-(-7x+1)=(x+2)²となり、接点で二重に0になる。

問4|三次関数の接線との再交点

難度:発展学習点:接点の重解と残る交点を因数分解で読む

曲線y=x³のx=2における接線を求め、その接線が曲線と接点以外で交わる点も求めよ。

問4「三次関数の接線との再交点」の解答・詳しい考え方を開く

答え:接線y=12x-16。接点以外の交点は(-4,-64)。

  1. f'(x)=3x²よりx=2での傾きは12、接点は(2,8)である。
  2. 点傾き式y-8=12(x-2)から接線y=12x-16を得る。
  3. 曲線との共有点はx³=12x-16、すなわちx³-12x+16=0で決まる。
  4. 接点x=2は接するため二重根であり、因数分解すると(x-2)²(x+4)=0となる。
  5. 接点以外はx=-4で、y=(-4)³=-64だから交点は(-4,-64)である。

誤答分析:三次関数と直線は接点だけで終わるとは限らない。接点は重複度2として数え、残る一次因子を調べる。

別計算による検算:接線へx=-4を代入すると12(-4)-16=-64で曲線の値と一致する。また因数を展開すると元のx³-12x+16へ戻る。


📝 この型が実際に出た入試問題(77問のうち24問を掲載)

「接線と法線」の型が実際の入試でどう出たかを、数強塾が全問解説を公開している年度から拾いました。各行の「解説を読む」から、その問題の解説へ直接移動できます。型を読んだあとに実出題で当てると、どこまで通用する判断なのかがはっきりします。

大学・年度 出題テーマ 難易度 解説
明治大学 2025年度 〔Ⅰ〕(3) 曲線外の点から引く接線 標準 解説を読む
明治大学 2025年度 〔Ⅱ〕1. 放物線の2接線と三角形の面積 標準 解説を読む
青山学院大学 2025年度 放物線に引いた直交する2本の接線 標準 解説を読む
関西学院大学 2023年度 平行移動した放物線への共通接線と面積比 標準 解説を読む
東北大学 2019年度 正弦曲線の直交する2接線 標準 解説を読む
大阪大学 2015年度 文系第2問 円と放物線の共通接線・面積 標準 解説を読む
東京大学 1995年度 3次曲線の接線と角の二等分から面積の最小 やや難 解説を読む
日本大学(数学) 2024年度 第3問(座標平面上の円と接線) 解説を読む
東邦大学(数学) 2024年度 問10(接線による不等式評価) 解説を読む
立教大学 2024年度 Ⅱ 放物線の2接線と三角形の面積 解説を読む
聖マリアンナ医科大学(数学) 2023年度 大問3 放物線の2接線がなす角 解説を読む
自治医科大学(数学) 2022年度 問13(3次関数と接線) 解説を読む
自治医科大学(数学) 2020年度 問14(円の接線と放物線の囲む面積) 解説を読む
日本大学(数学) 2019年度 第4問(無理関数の接線・交点・面積:記述) 解説を読む
東京都立大学 2019年度 放物線に引ける法線の本数 解説を読む
筑波大学 2019年度 放物線の接線と角 解説を読む
自治医科大学(数学) 2019年度 問18(3本の接線が引ける条件) 解説を読む
山口大学 2018年度 3次曲線の接線と面積比(文4) 解説を読む
岡山大学 2018年度 文系【1】3次曲線の接線と、接点以外の共有点 解説を読む
岡山大学 2018年度 理系【1】 の原点を通る接線と面積 解説を読む
日本大学(数学) 2018年度 第4問(放物線の直交する2接線・記述式) 解説を読む
自治医科大学(数学) 2018年度 問25(法線と最大値) 解説を読む
九州大学 2017年度 2放物線の共通接線と面積比 解説を読む
埼玉大学 2017年度 放物線の直交する2接線 解説を読む

難易度は数強塾の見立てです(「—」は難易度を掲載していない年度)。大学別の年度一覧と出題傾向は過去問解説の総索引から、この型の全体像は解法パターン事典のハブから確認できます。

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