指数・対数は、「かけ算の世界」と「たし算の世界」を行き来する装置です。対数をとればかけ算がたし算に、べき乗が掛け算に変わる。だから桁数も、大小比較も、方程式も、すべて「対数をとって、たし算の世界で考える」という一つの動作に還元されます。もう一つ大事なのは、底が1より大きいか小さいかで不等号の向きが変わること――ここを外すと符号が全部ひっくり返ります。このページは、指数・対数の解法を13の型に分けて並べた辞典です。型は当てはめるための箱ではなく、考える範囲を狭めて、そこから先に頭を使うための道具として並べています。
このページの13型
- 指数法則と対数の定義
- 底の変換公式
- 桁数と最高位の数字
- 小数第何位に初めて0でない数字が現れるか
- 大小比較(対数をとる/底をそろえる)
- 指数方程式(置きかえて代数に)
- 対数方程式(真数条件を先に書く)
- 指数不等式(底の大小で向きが変わる)
- 対数不等式(真数条件と底の場合分け)
- 置きかえて2次関数にする
- 解の配置を対数の世界で扱う
- 単調性で解の一意性を示す
- 進法の桁数
1. 背骨——対数をとると、かけ算がたし算になる
対数の3つの性質と、その意味
―― かけ算がたし算に
―― べき乗がかけ算に
―― 底はいつでも取りかえられる
なぜ「1段下がる」のか。対数は演算のレベルを1つ下げます。べき乗 → かけ算 → たし算。だから扱いにくい演算が出てきたら対数をとるのが基本方針。 のような巨大な数も、対数をとれば という扱いやすい数になります。逆に言えば、足し算が主役の式に対数をとっても何も起きません( は分解できない)。「かけ算・割り算・べき乗の形になっているか」を確認してから対数をとる――これが判断基準です。
底が1より小さいと、不等号が逆になる
のとき
のとき
指数関数も同じで、 なら は減少関数です。底を見たら、まず1との大小を確認する。
2. 桁数と最高位——「整数部分」と「小数部分」に分ける
桁数の原理
が 桁
つまり( は整数部分)。
整数部分が桁数を、小数部分が最高位を決める。 なら、。前半 が「31桁である」ことを、後半 が「先頭の数字が何か」を決めています。 なので 、最高位は3。桁数と最高位が「同じ対数の、違う部分」から出てくる――この構造が見えると、この型は一度で身につきます。
3. 解法パターン全13型
型01 指数法則と対数の定義
01
顔つき 「 の値」「 を根号で表せ」。
中身 対数は「何乗したらその数になるか」。指数法則 、、、。
定義に戻れば公式は要らない は、 とおけば だから――というだけのことです。対数の性質はすべて指数法則の言いかえ。忘れたら の形に戻してください。
型02 底の変換公式
02底が違ったら、まずそろえる
顔つき と の大小、。
中身 。とくに 。
比をとると真数が消えることがある 。5がきれいに消える――この現象は筑波大学の問題(後掲)で決め手になります。底が違う対数どうしを比べるときは、比をとってみると構造が見えることがあります。
型03 桁数と最高位の数字
03整数部分で桁数、小数部分で最高位
顔つき 「 は何桁か、最高位の数字は何か」。
中身 を整数部分と小数部分に分け、桁数は整数部分 、最高位は、小数部分を として を と で挟んで決める。
構造を利用すると計算が減る は51桁。だから の桁数と の桁数の和は、ほぼ51になります(青山学院大学の実例)。個別に計算する前に「掛けたら10のべきになる組はないか」を探すと、検算にも使えます。
型04 小数第何位に初めて0でない数字が現れるか
04負の対数を、整数部分と小数部分に分ける
顔つき 「 は小数第何位に初めて0でない数字が現れるか」。
中身 ( は正の整数、)と書けば、初めて0でない数字が現れるのは小数第 位。
負の数の整数部分に注意 なら と分けます( ではありません)。小数部分は必ず0以上1未満にそろえるのがガウス記号の約束。この分け方さえ間違えなければ、桁数の型03とまったく同じ議論です。
型05 大小比較
05対数をとるか、底をそろえるか
顔つき 「 を小さい順に並べよ」。
中身 全部の常用対数をとって比べる。指数がそろえられるなら、そろえて底だけ比べる。
比較の回数はなるべく少なく 3つ以上を比べるときは、全部の対数を計算してから並べるのが確実です。指数の最大公約数でくくれるなら、そちらのほうが速いこともあります(、 のように指数をそろえると底の比較だけで済む)。どちらが速いかを一瞬考えてから手を動かすと、計算量が変わります。
型06 指数方程式
06 と置いて代数の問題に
顔つき 。
中身 とおくと なので2次方程式。 を必ず書く。
注意 の条件を落とすと、負の解を拾ってしまう。
はつねに正なので、置きかえた は正の値しかとりません。2次方程式を解いて が出たら、それは捨てる。この一行を書かないと減点されます。
型07 対数方程式
07真数条件・底の条件を先に書く
顔つき 。
中身 先に かつ を書く。そのうえで をまとめ、真数を比べる。
まとめると条件が消える と1つにまとめた時点で、「」しか要求されなくなります。ところが元の式は かつ を要求していた。まとめる操作は同値変形ではないので、条件は最初に書いておく必要があります。ここが対数方程式で最も多い失点です。
型08 指数不等式
08底が1より小さければ向きが逆
顔つき 。
中身 底をそろえて指数を比べる。 なら不等号が逆転する。
グラフを1つ描けば迷わない は で増加、 で減少。減少関数なら「値が大きい ⟺ 指数が小さい」です。公式として覚えるより、右下がりのグラフを1本描くほうが確実です。
型09 対数不等式
09真数条件+底の場合分け
顔つき ( が文字)。
中身 真数条件を書き、底が1より大きいか小さいかで場合分けする。
底に文字があれば必ず2通り と で不等号の向きが逆になります。底が具体的な数なら場合分けは不要ですが、文字なら必ず分ける。答案では「 のとき」「 のとき」と明示してください。
型10 置きかえて2次関数にする
10 とおいて、範囲を追う
顔つき の最小値()。
中身 とおくと2次関数。 の範囲を の範囲に翻訳する。
注意軸が定義域の外にあることを見落とす。
なら 。軸 は区間の右外なので、最小は右端 でとります。軸の値 を答えてしまうのが典型的な誤りです(立教大学の実例)。
型11 解の配置を対数の世界で扱う
11 を に翻訳する
顔つき 「4より大きい異なる2つの解をもつ の範囲」。
中身 とおくと (底2の対数は単調増加)。解の配置の問題に変わる。
単調性が「条件の翻訳」を可能にする が増加関数だから、 の大小がそのまま の大小に写ります。置きかえは値だけでなく条件も翻訳する――ここが分かると、 の世界で考えるか の世界で考えるかを自由に選べます。あとは2次関数の解の配置そのものです(富山大学の実例)。
型12 単調性で解の一意性を示す
12単調関数の方程式の解は高々1個
顔つき 「これ以外に解が存在しないことを示せ」。
中身 式を1変数の単調関数の形に直し、単調性から解が高々1個であることを言う。あとは1つ見つければ終わり。
2変数のままでは単調性が使えない 連立方程式なら、片方の式を使って変数を1本にするのが第一手。そのとき「同値変形になっているか」(もとの解をすべて尽くすか)を確認するのが要点です。大阪大学の問題(後掲)では、 とおくと となり、 が全実数を動けば第2式をみたす正の実数の組をすべて尽くします。
型13 進法の桁数
13底を にした対数で数える
顔つき 「 を9進法で表すと何桁か」。
中身 が 進法で 桁 。
10進法の議論がそのまま持ち上がる 底を10から に取りかえるだけです。計算は底の変換で 。「桁数は底 の対数の整数部分 」という一つの原理が、すべての進法で通用します。最高位も同様に、小数部分を で挟んで決めます。
4. 実際の入試で確かめる
この単元の解法パターンは全13型で、下にある入試の実例6問で確かめているのは7型です。残りの6型は、下にある実例では扱っていません。1問が複数の型にまたがることも、同じ型を複数の実例で扱うこともあるため、実例の数と型の数は必ずしも一致しません。
ここからは実際に出題された問題で型を確かめます。問題文は各大学が公表した入試問題を、解説のために引用したものです。解答・解説は数強塾が独自に作成したもので、大学公表の解答ではありません。掲載しているすべての数値は、当塾で独立に解いたうえで Python による検算を行っています。
青山学院大学 2023年度 ―― 型03・型13。桁数の構造を利用する
【問題】青山学院大学 2023年度
以下の問に答えよ。
(1) を10進法で表したときの桁数を とし、 を10進法で表したときの桁数を とすると、 いくつか。
(2) を9進法で表したときの桁数はいくつか。また最高位の数字は何か。
(3) を2以上の整数とする。 を 進法で表したときの桁数と を 進法で表したときの桁数が等しくなるという。このような のうち最小のものを求めよ。またそのときの桁数を求めよ。
ただし、 とする。
【解答】
(1) より (2) 32桁、最高位は3 (3) 最小の は7、そのとき6桁
(1) なので 。よって 。
と書きかえるのが要点です。
なぜ和が51になるのか
は51桁。一般に「 桁の数と 桁の数の積は 桁か 桁」なので、 か 。実際に 桁なので が構造から確かめられます。
(2) 底を9にします(型13)。
整数部分が31なので32桁。
最高位は、 の大きさで決まります。
なので 。よって最高位は3。
(3) が 進法で 桁 。
が大きくなると は小さくなるので、桁数は減っていきます。「隣り合う で桁数が変わらない」最小の を探します。
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 16.61 | 10.48 | 8.31 | 7.15 | 6.43 | 5.92 | 5.54 | |
| 桁数 | 17 | 11 | 9 | 8 | 7 | 6 | 6 |
と で桁数が6と一致します。よって最小は 、桁数は6。
検算します。 を7進法で表すと で確かに6桁、8進法では で6桁です。
桁数は必ず単調に減る、とはかぎらない。 が増えれば は減りますが、整数部分は「同じ値にとどまる」ことがある。それが「桁数が等しくなる」ということです。連続量の変化を、整数部分という離散量に落として観察する――これは名古屋大学のガウス記号の問題とまったく同じ構造です。
京都大学 2005年度 前期日程 ―― 型05。使える形に直してから評価する
【問題】京都大学 2005年度 前期日程
を満たす自然数 は何個あるか。ただし である。
【解答】
31個()
全体の常用対数をとります。ここで を だけで表すのが要点です(そうしないと与えられた評価が使えません)。
とおくと、条件は
より なので、割っても不等号の向きは変わりません。
ここで両端を評価します。 は の増加関数なので、 を代入して
両端とも整数を挟んでいません。したがって が確定し、個数は
「評価の精度が足りるか」を確かめる。 の値が範囲でしか与えられていないので、両端の評価幅の中に整数が入らないことを確認しなければ答えが確定しません。実際 の間に整数はないので、 から と言い切れます。もし評価幅が整数をまたいでいたら、より精密な評価が必要――ここまで確認して初めて答案が完成します。
筑波大学 2019年度 ―― 型02。比をとると真数が消える
【問題】筑波大学 2019年度
(1) は正の実数とする。 がすべて 以下のとき であることを示せ。
(2) と の大小を比較せよ。
(3) が正の整数のとき であることを示せ。
【解答の骨格】
(1) 分母を払って辺々加える (2) (3) (1) を「各項の比」に適用する
(1) などから 。辺々加えて 。 で割れば結論を得ます。
(2) 底の変換で 。 かつ なので
(3) (1) が「分数の和の評価」の補題として用意されていると読みます。分子分母を3項ずつ対応させ、各項の比を作ります。
ここで5が消える
したがって3つの比は 。
なので、3つの比のうち最大は 。(1) より
さらに なので 。右側が示せました。
左側は (2) から各項で分子 分母(、、)なので、分母が正であることから比は1より大きい。
誘導の (1) が何のためにあるかを読む。(1) は一見この問題と無関係な一般論ですが、「和の比は、各項の比の最大以下」という補題です。(3) の分数はまさに3項の和どうしの比なので、そのまま適用できる。誘導の小問が抽象的な補題のときは、「これを本問のどこに当てはめるか」を探すのが唯一の使い道です。そして という粗い評価だけで済むように が設定されている――出題の設計まで読めると気持ちがよくなります。
大阪大学 2010年度 前期日程 ―― 型12。単調性で一意性を示す
【問題】大阪大学 2010年度 前期日程
連立方程式 を考える。
(1) この連立方程式を満たす自然数 の組を求めよ。
(2) この連立方程式を満たす正の実数 は、(1) で求めた自然数の組以外に存在しないことを示せ。
【解答】
(1) (2) 変数を1本にすると狭義単調増加になるので、解は高々1個
(1) より 。 を試すと 。2のべきは16だけなので 。
第2式も で成り立ちます。
(2) 2変数のままでは単調性が使えないので、第2式で変数を1本にします。
とおくと 。第2式より 、すなわち 。
同値変形になっていることの確認
が全実数を動けば、 は第2式をみたす正の実数の組をすべて尽くします(逆に、第2式をみたす任意の に対して をとればよい)。
だから「 についての方程式の解の個数」=「連立方程式の解の個数」です。
これを第1式に代入すると
も も単調増加、さらに 、 も単調増加なので、 は実数全体で狭義単調増加。
したがって の解は高々1個。 のとき なので、解は ただ一つ。対応する 以外に解はありません。
「高々1個」+「1個見つけた」=「ちょうど1個」。存在と一意性を分けて示すのが、この型の答案の形です。単調性は一意性を保証するだけで、存在は保証しません(実際に解を見つける必要があります)。逆に、解を1つ見つけただけでは他にないとは言えない。2つをそろえて初めて「これ以外にない」と言える――この構造は、微分を使う解の個数の問題でも同じです。
富山大学 2014年度 前期日程 ―― 型11。条件を対数の世界へ翻訳する
【問題】富山大学 2014年度 前期日程
(1) 2つの実数 がともに2より大きいための必要十分条件は、 かつ であることを示せ。
(2) 定数 に対して、方程式 を考える。
(a) 方程式が実数解 をもつとき、 と を を用いて表せ。
(b) 方程式が4より大きい異なる2つの実数解をもつような の値の範囲を求めよ。
【解答】
(1) とおいて示す (2)(a) 、 (2)(b)
(1) とおくと 、。
示すべきは「 かつ 」「 かつ 」です。
- () なら明らかに 、。
- () より は同符号で0でない。ともに負なら となり矛盾。よってともに正。
(2)(a) とおくと方程式は 。 に対応する が なので、これがこの2次方程式の2解です。解と係数の関係から
前者は と書けます。
(2)(b) 条件を の世界に翻訳します。 は単調増加なので
つまり「 の2次方程式が、2より大きい異なる2実解をもつ」条件を求めればよい。ここで (1) を に適用します。
| 条件 | 解と係数の関係で書くと | 結果 |
|---|---|---|
| 異なる2実解 |
判別式の条件は を境に または 。
なので、 と合わせると 。さらに と合わせて
(1) が (2)(b) のための道具。「2解がともに2より大きい」を、解を求めずに解と係数の関係だけで書くための補題が (1) です。ふつうは「判別式・軸・端点の値」の3点セットを使いますが、(1) の形なら和と積だけで書けるので、対数の世界にそのまま持ちこめます。誘導の意図が読めれば、(b) は代入するだけの作業になります。
立教大学 2024年度 ―― 型10。軸が区間の外にある
【問題】立教大学 2024年度
の範囲において、関数 は いくつのときに最小値いくつをとるか。
【解答】
のとき最小値
とおきます。置きかえたら範囲を取り直すのが要点です。
は単調増加なので、 から
軸は区間の外にある
軸 は定義域 の右外。したがってこの区間で は単調減少です。
最小は右端 でとり、。対応する は 。
(ちなみに最大は左端 、つまり で 。)
典型的な誤り頂点の値 を最小値としてしまう。
軸 は範囲外なので、そこでの値はとりえません。 は に対応し、これは の外です。置きかえたあとに範囲を書く一行が、この誤りを完全に防ぎます。
この問題は短いが、この単元の核心そのもの。やっていることは「対数を1文字に置きかえて2次関数にする」だけ。にもかかわらず差がつくのは、範囲の翻訳を書くかどうかという一点です。2次関数の型07で扱った「軸が区間の左外・内部・右外のどれか」を、そのまま の世界で適用しているだけだと分かれば、この型はもう落としません。
5. よくある質問
Q1. 対数をとるべきかどうか、どう判断しますか。
A. かけ算・割り算・べき乗の形になっているかを見てください。なっていれば対数をとると1段簡単になります。足し算が主役の式( など)に対数をとっても分解できないので、別の手を考えます。
Q2. 真数条件はいつ書きますか。
A. いちばん最初です。 をまとめてしまうと条件が緩くなるので、まとめる前に書いておかないと余分な解を拾います。答案の1行目に書く習慣をつけてください。
Q3. 置きかえて2次関数にしたのに答えが合いません。
A. 置きかえた文字の範囲を取り直していない可能性が高いです。 で なら 。軸がこの外にあれば、頂点の値は答えになりません。
Q4. 底に文字があるとき、場合分けは必ず必要ですか。
A. 不等式なら必要です。 と で不等号の向きが逆になるからです。方程式なら向きの問題は起きませんが、真数条件と底の条件()は必ず書いてください。
Q5. 型を覚えれば初見の問題も解けますか。
A. 型は考えなくて済ませる道具ではなく、考える範囲を狭めるための道具です。狭めたあとは自分で考える必要があります。実際、本ページの京都大学の問題は「 を だけで表す」と自分で判断する必要がありました。型を持っている人は、白紙のまま全部を考えずに済むという差が出ます。
6. 次に読むページ
- 2次関数の解法パターン全20型 ―― 置きかえたあとの最大最小・解の配置はここに帰着します。
- 三角関数の解法パターン全14型 ―― 同じ「置きかえて範囲を追う」型です。
- 整数の解法パターン全18型 ―― 桁数・n進法の続き。
- 式と証明の解法パターン全16型 ―― 不等式の評価の続き。
- 数学II・B・C 要点辞典 第5章 指数・対数 ―― 定義・公式・つまずきポイントの確認。
- 指数・対数のグラフ 特訓道場 ―― 型08〜型10の演習。
- 大学入試 過去問の全問解説
指数・対数で手が止まる人へ
この単元でつまずく生徒のほとんどは、公式ではなく「真数条件を最初に書く」「置きかえたら範囲を取り直す」という2つの習慣がないだけです。数強塾では、この2行を答案に必ず書かせるところから指導しています。オンラインの完全1対1で、プロ講師のみが担当します。
数強塾オリジナル 追加演習13問|13の型を、数字を変えてもう一度
上の13の型を、設定と数値を変えた自作問題で1問ずつ確かめます。以下、必要に応じて 、 を用いてよい。この単元の急所は2つ——真数条件を先に書くことと、底が1より小さいと不等号の向きが変わることです。
問1(型01 指数法則と対数の定義)
次の値を求めよ。
(1) (2) (3)
解答
(1) なので 5。
(2) 、。 より 、 。
(3) 定義より は「2を何乗すると5になるか」。その回数だけ2を掛けるのだから、答えは 5。
(一般に 。指数と対数は互いに逆の操作なので、続けて行うと元に戻る。詳しくは対数の記事。)
問2(型02 底の変換公式)
次の値を求めよ。
(1) (2)
解答
(1) 底を2にそろえる。 すなわち 。
(2) 。
よって 3。
( の形。底をそろえるのが第一手で、どの底にそろえてもよい。)
問3(型03 桁数と最高位の数字)
について答えよ。
(1) 何桁の整数か。
(2) 最高位の数字は何か。
解答
(1) 整数部分が23なので桁数は 24桁。
(2) 小数部分は 。、 なので
、すなわち 。
よって の最高位は 2。
(整数部分が桁数、小数部分が最高位。小数部分を の値ではさむのがコツ。)
問4(型04 小数第何位に初めて0でない数字が現れるか)
は小数第何位に初めて0でない数字が現れるか。
解答
これを「整数部分+0以上1未満の小数部分」に分ける。
よって 。 は1以上10未満なので、この数は の位から始まる。
したがって 小数第10位。
(負の値は「整数部分を1つ下げて、小数部分を正にする」のが要点。 としてしまうと桁がずれる。)
問5(型05 大小比較)
を小さい順に並べよ。
解答
すべて常用対数をとる( は単調増加なので大小関係が保たれる)。
よって 。
( は暗記ではなく から出る。 をとってよいのは単調増加だから——底が1未満なら大小が逆になるので注意。)
問6(型06 指数方程式)
を解け。
解答
なので、 と置く。このとき 。
、、。
より 。 から 2。
( を答えに含めるのが定番のミス。指数関数は必ず正の値をとるので、置きかえた瞬間に を書く。)
問7(型07 対数方程式)
を解け。
解答
まず真数条件: かつ より 。
左辺をまとめて 。
、、、。
真数条件より 。
(検算: ✓真数条件は変形の前に書く。後回しにすると書き忘れる。)
問8(型08 指数不等式)
を解け。
解答
と、底をそろえる。
底 は1より小さいので、指数関数は減少。したがって不等号の向きが変わる。
(検算: なら ✓、 なら は偽。底が1より大きいか小さいかで向きが決まる。)
問9(型09 対数不等式)
を解け。
解答
真数条件: より 。
。
底 は1より小さいので対数関数は減少。向きが変わって
、すなわち 。
真数条件と合わせて 。
(底が1未満のときは、真数条件と不等号反転の2つを同時に扱う。検算: なら ✓、 なら で偽。)
問10(型10 置きかえて2次関数にする)
のとき、 の最大値と最小値を求めよ。
解答
と置く。 より (範囲を必ず出す)。
軸 は範囲内。最小値 1(、すなわち )。
端点は で 、 で 。最大値 5( と )。
(置きかえたら範囲。 を全実数と思うと最大値が出せない。平方完成の定義域つき問題と同型。)
問11(型11 解の配置を対数の世界で扱う)
についての方程式 が異なる2つの正の解をもつような の範囲を求めよ。
解答
と置く。 が の全実数に対応し、しかも1対1に対応する。
したがって「 の解が2つ」「 の実数解が2つ」。
が異なる2実数解をもつ条件は
、すなわち 。
(置きかえが1対1なら、解の個数がそのまま移る。 のような置きかえでは1対1でないので、この議論は使えない。ここが型10との違い。)
問12(型12 単調性で解の一意性を示す)
方程式 は、ただ1つの実数解をもつことを示せ。またその解を求めよ。
解答
とおく。
は増加、 も増加なので、 は実数全体で単調増加。
単調増加な関数が0になる点は高々1つ。
なので が解であり、これが唯一。
よって解は のみ。
(グラフの交点が1つ、という主張は「単調性+実際に1つ見つける」で示す。指数関数と1次関数の交点は、代数的に解けないことが多いのでこの論法が要る。)
問13(型13 n 進法の桁数)
(1) を2進法で表すと何桁か。
(2) 10進法の100を3進法で表すと何桁か。また実際に3進法で表せ。
解答
(1) は2進法で「1のあとに0が50個」。よって 51桁。
(一般に は2進法で 桁。10進法で が 桁なのと同じ。)
(2) なので 5桁。
実際に割り続けると
、、、、
余りを下から読んで 。
(検算: ✓桁数は「 となる に1を足す」。対数で書けば 。)
「なぜその式でよいのか」を理由から確かめる
- なぜ対数では掛け算が足し算になるのか ― 13の型すべての土台
- なぜa⁰=1なのか ― 指数法則を保つという発想
- なぜ平方完成すると頂点がわかるのか ― 型10・型11の中身
- なぜ0で割ってはいけないのか ― 真数条件・底の条件の由来
- なぜ?数学辞典(見出し一覧)
大学受験数学|指数・対数
指数・対数の置き換えを使う4つの独自演習
指数方程式、対数不等式、底の変換、指数式の最小値を、定義域と正の条件を忘れずに解く練習です。置き換えた文字を元へ戻すところまで丁寧に追います。
大学受験の指数・対数でつまずきやすい、2^xの置換、真数条件、底の変換公式、相加相乗による最小値を、数強塾オリジナル4題で確認できます。
図は左右にスクロールして全体を確認できます。
問1|2のx乗を一文字に置く
方程式2^(x+1)+2^(1-x)=5を解け。
問1「2のx乗を一文字に置く」の解答・詳しい考え方を開く
答え:x=-1、1
- t=2^xとおくとt>0です。2^(x+1)=2t、2^(1-x)=2/tとなります。
- 方程式は2t+2/t=5です。t>0なので両辺にtを掛け、2t²-5t+2=0を得ます。
- (2t-1)(t-2)=0より、t=1/2または2です。
- 2^x=1/2からx=-1、2^x=2からx=1です。
誤りやすい点:置き換えたtにはt>0という条件があります。最後にtの解をxの解へ戻すことも忘れないようにします。
問2|真数条件つき対数不等式
不等式log_2(x-1)+log_2(5-x)≧1を解け。
問2「真数条件つき対数不等式」の解答・詳しい考え方を開く
答え:3-√2≦x≦3+√2
- 真数条件からx-1>0かつ5-x>0、すなわち1<x<5です。
- 対数をまとめるとlog_2{(x-1)(5-x)}≧1です。底2は1より大きいので、(x-1)(5-x)≧2と同値です。
- (x-1)(5-x)=4-(x-3)²なので、4-(x-3)²≧2、すなわち(x-3)²≦2です。
- よって3-√2≦x≦3+√2です。この区間は真数条件1<x<5の内側にあります。
誤りやすい点:対数をまとめる前に真数条件を取ります。また底が1より大きいので不等号の向きは変わりません。
問3|底の変換で積を消す
log_3 5・log_25 27の値を求めよ。
問3「底の変換で積を消す」の解答・詳しい考え方を開く
答え:3/2
- 共通の底として自然対数を使うと、log_3 5=(log 5)/(log 3)です。
- またlog_25 27=(log 27)/(log 25)です。
- 27=3³、25=5²より、log_25 27=3log3/(2log5)です。
- 二つを掛けるとlog5とlog3が約分され、値は3/2です。
誤りやすい点:log_25 27をlog27-log25とはできません。底の変換では二つの対数の比を取ります。
問4|指数式の最小値
実数xについて、2^x+8・2^(-x)の最小値と、そのときのxを求めよ。
問4「指数式の最小値」の解答・詳しい考え方を開く
答え:最小値4√2、x=3/2
- t=2^xとおくとt>0で、式はt+8/tとなります。
- 正の二数tと8/tに相加相乗平均を使うと、t+8/t≧2√8=4√2です。
- 等号はt=8/t、すなわちt²=8のときです。t>0よりt=√8=2^(3/2)です。
- 2^x=2^(3/2)なのでx=3/2。このとき最小値4√2を取ります。
誤りやすい点:t=2^xは正なので、t²=8から負の解を採りません。相加相乗平均の等号条件まで書いて、実際に最小値を取るxを確定します。
📝 この型が実際に出た入試問題(98問のうち24問を掲載)
「指数・対数」の型が実際の入試でどう出たかを、数強塾が全問解説を公開している年度から拾いました。各行の「解説を読む」から、その問題の解説へ直接移動できます。型を読んだあとに実出題で当てると、どこまで通用する判断なのかがはっきりします。
| 大学・年度 | 出題テーマ | 難易度 | 解説 |
|---|---|---|---|
| 同志社大学 2025年度 | 〔Ⅲ〕【記述式】対数不等式が表す領域は「円の弓形」——真数条件が主役 | やや難 | 解説を読む |
| 明治大学 2025年度 | 〔Ⅰ〕(1) 対数不等式と格子点 | 標準 | 解説を読む |
| 法政大学 2025年度 | 〔Ⅱ〕【マーク】対数——底の変換・桁数・大小比較 | 標準 | 解説を読む |
| 関西大学 2025年度 | 〔Ⅲ〕 と は逆数/相加相乗と値域 | やや難 | 解説を読む |
| 学習院大学 2024年度 | 常用対数と桁数・最高位・一の位 | 標準 | 解説を読む |
| 学習院大学 2024年度 | 対数方程式と絶対値のついた方程式 | 標準 | 解説を読む |
| 学習院大学 2023年度 | 絶対値つき対数方程式と多項定理 | 標準 | 解説を読む |
| 立教大学 2023年度 | 指数関数の置き換えで2次式に化ける曲線 | やや難 | 解説を読む |
| 関西学院大学 2023年度 | 4次式の因数分解・対数方程式と不等式・約数と確率 | 標準 | 解説を読む |
| 奈良女子大学 2019年度 | (生活環境学部) 対数の不等式と2次関数の最大最小 | 標準 | 解説を読む |
| 東北大学 2019年度 | 対数不等式と整数解の存在条件 | 難 | 解説を読む |
| 京都大学 2009年度 | 対数不等式の表す領域を図示する | 難 | 解説を読む |
| 日本大学(数学) 2024年度 | 第2問(指数関数) | — | 解説を読む |
| 自治医科大学(数学) 2024年度 | 問2(対数不等式) | — | 解説を読む |
| 自治医科大学(数学) 2024年度 | 問4(指数の対称式) | — | 解説を読む |
| 東邦大学(数学) 2023年度 | 第2問(対数方程式) | — | 解説を読む |
| 聖マリアンナ医科大学(数学) 2023年度 | 大問1 指数関数の最小値と曲線の長さ | — | 解説を読む |
| 聖マリアンナ医科大学(数学) 2023年度 | 大問2 常用対数表の誤差を追う(会話文) | — | 解説を読む |
| 自治医科大学(数学) 2023年度 | 問2(対数方程式) | — | 解説を読む |
| 自治医科大学(数学) 2023年度 | 問12(対数関数の最小値) | — | 解説を読む |
| 自治医科大学(数学) 2023年度 | 問13(指数×三角の面積) | — | 解説を読む |
| 青山学院大学 2023年度 | Ⅱ 常用対数と桁数・ 進法 | — | 解説を読む |
| 自治医科大学(数学) 2022年度 | 問14(指数関数の最小値) | — | 解説を読む |
| 自治医科大学(数学) 2021年度 | 問2(対数方程式・解と係数の関係) | — | 解説を読む |
難易度は数強塾の見立てです(「—」は難易度を掲載していない年度)。大学別の年度一覧と出題傾向は過去問解説の総索引から、この型の全体像は解法パターン事典のハブから確認できます。
要点辞典この単元の公式・定石・つまずきやすい所は 数学II・B・Cの要点辞典:指数関数・対数関数 にまとめてあります。
