数列で問われることは、突きつめると二つしかありません。一般項を出すか、和を出すか。そして漸化式を解く技術は、見た目がどれだけ違っても、すべて「等差か等比に帰着させる」ためのものです。和の計算も「公式・差の形・周期」の三つしかない。このページは、数列の解法を16の型に分けて並べた辞典です。型は当てはめるための箱ではなく、考える範囲を狭めて、そこから先に頭を使うための道具として並べています。
このページの16型
- 等差数列(差が一定)
- 等比数列(比が一定)
- 等比数列の和(公比1の場合分け)
- 総和/公式と周期性の活用
- 総和/差の形にして求める
- 群数列(どの群の何番目か)
- 数表(行と列の2重の番号)
- 漸化式/典型タイプへの帰着
- 2項間漸化式/
- 和と一般項の関係・3項間漸化式
- 漸化式をノーヒントで立てる
- 漸化式/誘導つきの置き換え
- 奇数番目と偶数番目で形が違う漸化式
- 不等式と漸化式
- 不等式と数学的帰納法
- 強い仮定の数学的帰納法
1. 数列の背骨——すべては等差か等比に帰着する
数列で「解ける」形は、実はごく限られています。教科書で一般項が出せるのは、等差数列と等比数列、そして階差数列の二つ半だけ。それ以外の漸化式は、置き換えによって等差か等比に化けさせることで初めて解けるようになります。
漸化式を解く技術の正体
特性方程式 を に直す → が等比
両辺を割る の両辺を で割る → が等差
対数をとる の両辺の対数をとる → 指数の数列が典型形
逆数をとる の逆数をとる → が典型形
階差をとる → 和で復元する
なぜ「等比に直す」ことばかりするのか。等比数列は、 という「次を作る操作が毎回まったく同じ」数列です。同じ操作を 回くり返すだけなので と一気に書ける。逆に言えば、一般項が閉じた式で書けるのは「毎回同じ操作」に還元できるときだけなのです。特性方程式が を探しているのは、「どこを原点にすれば、毎回同じ倍率になるか」という問いに答えているにすぎません。この一点が見えると、置き換えの正体が「原点をずらす/目盛りを取りかえる」ことだと分かります。
もちろん、どの置き換えを選ぶかは自分で判断することになります。型は「試すべき候補が5つしかない」ことを教えてくれるだけで、そこから先は式の顔つきを読む作業です。
2. 和の計算は三つしかない
が出てきたときにやることも、実は三択です。
A公式にあてはめる。、等比数列の和。
多項式の和は必ずこの形に分解できます。 のように展開してから使うのが基本です。
B差の形にする。 にできれば、途中が全部消えて両端だけ残る。
分母が積の形(部分分数分解)、(有理化)、階乗や二項係数の差――どれも同じ仕掛けです。「消えるように仕組む」のがこの型の全部です。
C周期でまとめる。 のように周期的な項は、1周期ぶんの和を出して周期数だけかける。
周期的な項は「1周期で足すと0(または一定値)」になることが多い。先に1周期を調べると、あとは掛け算だけになります(一橋大学の実例)。
で最も多い失点
の中に が入ったまま計算してしまう。 の中で動いているのは だけで、 は定数です。 のように、 は外に出せます。逆に を としてしまうのは誤りです。
3. 解法パターン全16型
型01 等差数列
01差が一定なら、初項と公差だけで決まる
顔つき 「毎年3ずつ増える」「第3項が7、第8項が22」。
中身 、和は 。
和の公式を忘れないために を逆順に書いて足すと、どの位置でも になります。これが 個あって、2回足しているので2で割る。公式を覚えるのではなく、逆に並べて足す操作を覚えるほうが確実です。3項が等差 真ん中の2倍が両端の和、という言いかえも頻出です。
型02 等比数列
02比が一定なら、初項と公比だけで決まる
顔つき 「毎年2倍になる」「3項が等比数列をなす」。
中身 。3項が等比 真ん中の2乗が両端の積。
なぜ「真ん中の2乗=両端の積」なのか を分母を払っただけです。等差が「和」で、等比が「積」で書けるのは、等比数列の対数をとると等差数列になるから。この対応を知っていると、型12(対数で置き換え)が自然に見えてきます。
注意等比数列では、初項も公比も0であってはいけません。
「3項が等比数列をなす」という条件から を使うときは、 を確かめる必要があります。答案で落としやすいところです。
型03 等比数列の和
03公比が1のときを必ず分ける
顔つき 「 を求めよ」のように、公比に文字が入っている。
中身 のとき 、 のとき 。
なぜ場合分けが要るのか 公式の分母が だからです。導出は を作って途中を消す操作(型05と同じ「差の形」)で、 だと となって情報が消えてしまう。公式の分母が0になる場合は、導出のどこかが壊れている――これは数列にかぎらず全分野に通じる警報です。
型04 総和/公式と周期性
04多項式は公式、周期的な項は1周期ぶんを先に
顔つき 「」「」。
中身 展開して に分ける。周期的な項は1周期の和を出して周期数をかける。
展開してから足す理由 は和なので、和と定数倍については分配できます()。しかし積については分配できません()。だから積は必ず展開してから に入れる。ここを混同した失点が非常に多い場所です。
型05 総和/差の形にして求める
05途中を消して両端だけ残す
顔つき 分母が のような積、、。
中身 の形を作れば 。
なぜこれが効くのか 和を求めるという操作は、微分積分でいえば積分にあたります。そして「差の形にする」ことは、原始関数を見つけることに対応しています。実際 は定積分の とまったく同じ構造です。分母が積の形を見たら部分分数分解、根号の和を見たら有理化――どちらも「差を作る」ための手段にすぎません。
手順 ① 一般項を の形に変形 → ② 書き下して消えることを確認 → ③ 両端を残す
型06 群数列
06第何群の何番目か、を必ず先に決める
顔つき 「 と区切る」「第100項は第何群か」。
中身 第 群までの項数(累積)を求め、それと項番号 を比べる。
なぜ累積が主役なのか 群数列の難しさは「番号が二重(群の番号と群内の番号)になっている」ことにあります。累積項数さえ出せば、二重の番号が一つの不等式で決まる。第 群までの累積を として を解く、これが群数列のすべてです。
注意「第 群までの和」と「第 群の和」を取りちがえる誤り。
必ず小さい で書き出して、自分の式が正しいか検算してください。群数列は手を動かして最初の3群を書き出すのが最短の道です。
型07 数表
07行と列の番号で位置を表す
顔つき 「数が三角形状・格子状に並んでいる」「上から 番目、左から 番目」。
中身 の位置にある数を の式で表し、必要な範囲で和をとる。
群数列との違い 群数列は1本の列を区切ったもの、数表は最初から2次元です。共通するのは「まず位置を特定する式を作る」という順序。数え上げの順番(行ごと・斜めごと)を自分で選べるのが数表の特徴で、和をとりやすい向きを選ぶと計算が軽くなります。
型08 漸化式/典型タイプへの帰着
08特性方程式で「ずらす原点」を見つける
顔つき ()。
中身 を解いて 。 が公比 の等比数列。
の正体 は「その値から始めたら、ずっとその値のままになる点」(不動点)です。不動点を新しい原点にとると、数列は毎回きっかり 倍される――だから等比になる。特性方程式は暗記事項ではなく、「動かない点はどこか」という問いへの答えです。 のときに不動点が存在しない(または全部が不動点になる)ので使えない、という事情も同時に納得できます。
型09 2項間漸化式/
09両辺を で割る
顔つき 、。定数ではなく の式が足されている。
中身 が指数なら両辺を で割る(または の底で割る)。 が多項式なら で割るか、 を「 の多項式」と の和に分ける。
なぜ割るとうまくいくのか とおくと となり、いきなり階差数列の形(型05・型04で和がとれる形)に落ちるからです。「等比の成分をあらかじめ割って取り除き、残りを足し算で処理する」という分業です。指数と多項式で割る相手を変えるのも、この分業の考えから決まります。
手順 ① 何で割れば階差の形になるかを見る → ② 割って を定義 → ③ 階差の和をとる
型10 和と一般項の関係・3項間漸化式
10 と、特性方程式の2解
顔つき 「」「」。
中身 和の条件は で 、 は別扱い。3項間は の2解 を使って と2通りに書く。
2通りに書ける理由 の解が なら なので、 と の両方が成り立ちます。2本の等比数列が得られるので、連立して を取り出せる。ここでも本質は「等比に帰着させる」です。
注意 は でしか使えません。
は定義されていないからです。求めた式に を代入して と一致するかを必ず確かめ、一致しなければ「 のときは別」と書き分けます。
型11 漸化式をノーヒントで立てる
11「最後の1手」で分類する
顔つき 漸化式が与えられておらず、状況(塗り分け・確率・図形)から自分で作る問題。
中身 番目の状態から 番目への移り方をすべて書き出す。閉じなければ状態を増やす。
状態の個数の決め方 状態の個数は「次に効いてくる情報の種類数」です。1本の漸化式で閉じないのは、次を決めるのに足りない情報があるということ。その足りない情報こそが、追加すべき状態です。この考え方は確率の型12、場合の数の逃げ道Cとまったく同じです。
型12 漸化式/誘導つきの置き換え
12対数・逆数・比で、典型形に化けさせる
顔つき (累乗)、(分数)、 と誘導がある。
中身 累乗なら対数、分数なら逆数、2解がらみなら比をとる。
置き換えの選び方には理由がある 累乗 は「かけ算の world」の話なので、対数で「たし算の world」に移すと という型08になります。分数式は逆数をとると分子分母が入れかわって1次式になります。誘導がついていたら、その置き換えが「何の world へ移す操作か」を読むと、次に同じ形が来たときに自力で選べます(関西大学・金沢大学の実例)。
型13 奇偶で形が異なる漸化式
132つ飛ばしで見る
顔つき 「 が奇数のとき 、偶数のとき 」。
中身 と を別の数列と見て、 を で表す。
なぜ2つ飛ばしなのか 規則が2つで一組になっているので、2回ぶんまとめて1回の操作と見れば規則が一定になるからです。周期が2の構造は、2つ飛ばしにすると消えます。型10の3項間漸化式で「1つ飛ばしの数列」を作るのと同じ発想です。
型14 不等式と漸化式
14差や比を作って、符号だけを見る
顔つき 「 を示せ」「 を示せ」。
中身 や を計算し、因数分解して符号を確定させる。
比の形が強い理由 目標が「 倍」のような形なら、差ではなく比を作るのが自然です。実際 のように変形できれば、あとは分母の大きさを評価するだけの問題になります。示したい形と同じ形(差なら差、比なら比)を作るのが方針の決め方です(福島大学の実例)。
型15 不等式と数学的帰納法
15「何を仮定すれば次が言えるか」から逆に設計する
顔つき 「すべての自然数 について ()を示せ」。
中身 を仮定して を示す。示したい式との差を作って符号を見る。
帰納法の設計の順序 「 を仮定して…」と前から書き始めると手が止まります。先に で示したい式を書き、そこから仮定を使える形に変形していくと、何を仮定すべきかが見えてきます。答案は前向きに書き直せばよいので、考えるときは後ろ向きでかまいません。
型16 強い仮定の数学的帰納法
16直前1つでは足りないなら、全部を仮定する
顔つき 3項間漸化式で整数性を示す、素因数分解の一意性、「 以下のすべてで成り立つと仮定する」。
中身 のすべてで成り立つと仮定して を示す。
仮定を強くしてよい理由 「 のすべてで成り立つ」という命題自体を と考えれば、ふつうの帰納法になっているからです。仮定を強くすると証明は易しくなり、しかも結論は同じ――この不思議に見える性質が、3項間漸化式のように「2つ前まで使う」場面で決定的に効きます。使うときは と の両方を出発点として確かめておくのを忘れずに。
4. 実際の入試で確かめる
この単元の解法パターンは全16型で、下にある入試の実例7問で確かめているのは8型です。残りの8型は、下にある実例では扱っていません。1問が複数の型にまたがることも、同じ型を複数の実例で扱うこともあるため、実例の数と型の数は必ずしも一致しません。
ここからは実際に出題された問題で型を確かめます。問題文は各大学が公表した入試問題を、解説のために引用したものです。解答・解説は数強塾が独自に作成したもので、大学公表の解答ではありません。
群馬大学 2015年度 前期日程 ―― 型01・型02。定義を式にするだけ
【問題】群馬大学 2015年度 前期日程
は素数とし、 は整数で とする。 がこの順で等差数列になり、 がこの順で等比数列になるとき、 を求めよ。
【解答】
等差・等比の条件を、そのまま式にします。
等差数列 真ん中の2倍が両端の和:
等比数列 真ん中の2乗が両端の積:
①より 。これを②に代入して分母を払うと
についての2次方程式として解きます。
すなわち または です。
だと①から となり条件に反します。よって 。ここで整数の話に切りかわります。 が整数なので は を割り切り、 と は互いに素だから 。 は素数なので 。
このとき 、。
検算します。 は公差6の等差数列。 は公比 の等比数列。。すべて条件をみたしています。
この問題の分かれ目。 を「2次方程式として解く」と決められるかどうかです。文字が3つあると身構えますが、 について解けば の式で書けると気づけば、あとは整数の論法(互いに素だから割り切れる)に橋がかかります。数列の問題に見えて、後半は整数の問題です。
一橋大学 2015年度 前期日程 ―― 型04。周期を先に処理する
【問題】一橋大学 2015年度 前期日程
数列 を で定める。 を正の整数とする。
(1) を求めよ。
(2) を求めよ。
【解答】
(1) (2)
上限が と周期12の倍数になっているのが最大のヒントです。 は が12増えるごとに同じ値に戻ります。そこで1周期ぶん( から )の和を先に計算しておきます。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 1 |
この12個の和は、 が 個と 個、 が 個と 個、 が1個ずつなので 0 です。
(1) 。第2項は1周期の和0が 回ぶんなので0。
(2) 展開すると3つの和に分かれます。
第1項は公式で
第3項は、上の表を2乗して1周期ぶん足すと 。よって 。
第2項が山場です。(、)と書くと
周期の和が0なので、
よって第2項は
「周期の和が0」がすべてを決めている。この問題で本当に効いているのは、
神戸大学 2015年度 前期日程 ―― 型05。部分分数分解で差を作る
この問題は 極限 のページでも扱っています。同じ問題でも、そちらは単元全体の中での位置づけ、ここではこのテーマに絞った読み方をしています。二つを見比べると、同じ問題文から引き出せるものが1つではないことが分かります。
【問題】神戸大学 2015年度 前期日程
(1)
(2)
(3) 無限級数
【解答】
(1)
(2)
(3)
(1) 分母を払うと
これは恒等式なので、分母が0になる値を代入するのがいちばん速い。
| 代入 | 得られる式 | 結果 |
|---|---|---|
ここで
(2)
(3) どちらの式も、
なぜ収束するのか。
関西大学 2021年度 ―― 型09。何で割れば階差になるかを見る
【問題】関西大学 2021年度
(1)
(2)
(3)
【解答】
(1)
(1)
階差の形になりました。
(2)
これは
検算します。
(3)
両辺の常用対数をとります(
よって
「何で割るか」の判断。
関西大学 2021年度 ―― 型12。累乗は対数で「たし算の world」へ
【問題】関西大学 2021年度
次の条件によって定まる各項が正の数列
次の問いに答えよ。
(1) 数列
(2)
(3)
【解答】
(1)
(1) 型08です。
よって
(2) 与式の3乗をとると
(3)
ここで
検算します。
(1) が (2)(3) の下ごしらえになっている。この問題は、先に「同じ漸化式をみたす
一橋大学 2010年度 前期日程 ―― 型10 + 整数。余りだけを追いかける
【問題】一橋大学 2010年度 前期日程
0以上の整数
(1)
(2)
【解答】
(1) 4 (2)
一般項を求めようとすると
10 = 2 × 5 なので、2で割った余りと5で割った余りに分けて考えます。
法を分ける発想
(1)
まず
次に
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 0 | 3 | 3 | 1 | 4 | 0 | 4 | 4 | 3 | 2 | 0 | 2 | 2 | 4 | 1 | 0 | 1 | 1 | 2 |
「偶数」かつ「5で割ると4余る」をみたす
(2)
2でも5でも割り切れるので、
合成数の法は素因数に分けて考える。
福島大学 2018年度 ―― 型14。示したい形と同じ形を作る
【問題】福島大学 2018年度
数列
(1)
(2)
(3)
【解答の骨格】
(1) 直接計算 (2) 帰納法(
(1)
(2) 数学的帰納法(型15)。
(3) 示したいのは比の形なので、
分子の有理化で、ぴったり
有理化は「差を積に変える」道具。
5. よくある質問
Q1. 漸化式の型が多すぎて覚えられません。
A. 覚えるのは「最終的に等差か等比に持ちこむ」という一つの方針と、そのための道具5つ(特性方程式・両辺を割る・対数をとる・逆数をとる・階差をとる)だけです。式の顔つきを見て、どの道具なら典型形になるかを試す――その試行が本来の思考です。
Q2.
A. 二つ確認してください。①
Q3.
A.
Q4. 数学的帰納法で、どこから書き始めればよいか分かりません。
A. 考えるときは後ろ向きで構いません。まず
Q5. 型を覚えれば初見の数列問題も解けますか。
A. 型は考えなくて済ませる道具ではなく、考える範囲を狭めるための道具です。狭めたあとは自分で考える必要があります。実際、本ページの一橋大学 2010年度の問題は、一般項を求めずに「10を2と5に分ける」と自分で判断する必要がありました。型を持っている人は、白紙のまま全部を考えずに済むという差が出ます。
6. 次に読むページ
- 【深掘り】数列の和の解法パターン全12型 ―― 差の形にする・部分分数分解・二項係数の和など、和を求める型に特化。
- 【深掘り】漸化式の解法パターン全20型 ―― 漸化式だけを取り出して全型を並べた深掘りページ。
- 【深掘り】群数列とシグマ計算の解法パターン全14型 ―― 群の分け方とシグマ計算に特化。
- 確率の解法パターン全12型 ―― 確率と漸化式(状態遷移)の型はこちら。
- 整数の解法パターン全18型 ―― 余りで分類する型は数列と直結します。
- 場合の数の解法パターン全12型 ―― 漸化式を自分で立てる練習に。
- 数学II・B・C 要点辞典 第8章 数列 ―― 定義・公式・つまずきポイントの確認。
- 数列の基本 特訓道場 ―― 型01〜型05の演習。
- 漸化式と帰納法 特訓道場 ―― 型08〜型16の演習。
- 群数列 特訓道場 ―― 型06の演習。
- 大学入試 過去問の全問解説 ―― 本ページで引用した大学の、他の年度・他の大問の解説。
漸化式で手が止まる人へ
数列が苦手な生徒のほとんどは、型を知らないのではなく「この式をどの典型形に化けさせたいのか」という目的を持たずに変形しているだけです。数強塾では、変形の前に目的を一言で書かせるところから指導しています。オンラインの完全1対1で、プロ講師のみが担当します。
数強塾オリジナル 追加演習16問|16の型を、数字を変えてもう一度
上の16の型を、設定と数値を変えた自作問題で1問ずつ確かめます。数列でやることはいつも同じ、「等差か等比に持ち込む」ことです。漸化式を見たら、まず何を
問1(型01 等差数列)
初項 5、公差 4 の等差数列について、第20項と、初項から第20項までの和を求めよ。
問2(型02 等比数列)
初項 3、公比 2 の等比数列の第8項を求めよ。
解答
公比を掛ける回数は
問3(型03 等比数列の和)
初項 3、公比 2 の等比数列の、初項から第8項までの和を求めよ。
解答
(公式を忘れたら「ずらして引く」:
問4(型04 総和/公式と周期性)
(1)
(2)
解答
(1)
(2)
符号が周期的に変わるときは、周期のぶんだけまとめてから数える。
問5(型05 総和/差の形にして求める)
解答
部分分数分解すると
和をとると中間項が打ち消し合い
分解したとき係数
問6(型06 群数列)
奇数を
解答
第9群までの項数は
第10群は 91 から2ずつ増える10個で、最後は
和は
群数列は「第n群までに何個あるか」を先に出す。ここが三角数になる。
問7(型07 数表)
自然数を1行に5個ずつ、左から右へ順に並べた表を作る。第7行第3列にある数を求めよ。また 63 は第何行第何列か。
解答
第7行の最初の数は
63 について:
(
問8(型08 漸化式/典型タイプへの帰着)
解答
特性方程式
初項は
よって
(検算:
問9(型09 2項間漸化式(指数つき))
解答
そこで
よって
(検算:
問10(型10 和と一般項の関係・3項間漸化式)
(1)
(2)
解答
(1)
(2) 特性方程式
よって
(検算:
問11(型11 漸化式をノーヒントで立てる)
階段を1歩で1段または2段のぼる。
解答
最後の1歩が1段なら、その前は
よって
「最後の1手で場合分けする」のが漸化式を立てる定石。最初の1手で分けても同じ式になる。
問12(型12 漸化式/誘導つきの置き換え)
解答
両辺の逆数をとると
よって
(検算:
問13(型13 奇偶で形が異なる漸化式)
解答
順に計算すると
特性方程式
(検算:
問14(型14 不等式と漸化式)
解答
(1) 特性方程式
(2)
(
問15(型15 不等式と数学的帰納法)
解答
(i)
(ii)
ここで
よって
(i)(ii) より
(
問16(型16 強い仮定の数学的帰納法)
解答
(i)
(ii)
これは
(3項間漸化式では直前2つを仮定しないと次が作れない。出発点も2つ(
「なぜその式になるのか」を理由から確かめる
- なぜ等差数列の和は「最初と最後の平均×個数」なのか ― 型01の土台
- なぜ1+2+…+n=n(n+1)/2なのか ― 型06の群数列で必ず使う
- なぜ1+3+5+…+(2n-1)=n²なのか ― 階差が次数を1つ下げる仕組み
- なぜ?数学辞典(見出し一覧)
高校数学・独立演習|数列
漸化式と和を変形して解く4問
定数を加えて等比数列にする漸化式、部分分数、階差、根号の有理化による望遠和を扱います。
数列の漸化式の解き方と和の計算を、等比型への変換、部分分数分解、階差数列、テレスコーピングの観点から練習します。
図は左右にスクロールして全体を確認できます。
問1|定数を加えて等比型にする漸化式
数列{a_n}をa_1=2、a_{n+1}=3a_n+2(n=1,2,…)で定める。一般項a_nを求め、a_5の値も答えよ。
問1「定数を加えて等比型にする漸化式」の解答・詳しい考え方を開く
答え:a_n=3^n−1、a_5=242
- 定数cを加えたa_{n+1}+c=3(a_n+c)を作るには2+c=3cよりc=1である。
- b_n=a_n+1とおくとb_{n+1}=3b_nとなる。
- b_1=a_1+1=3だから、等比数列の一般項はb_n=3×3^{n−1}=3^nである。
- a_n=b_n−1=3^n−1を得る。
- n=5を代入してa_5=3^5−1=243−1=242である。
誤答分析:漸化式の定数項2を無視してa_n=2×3^{n−1}とするのは誤りである。一定値を加えてから等比型になるよう、cの方程式を先に解く。
別計算による検算:漸化式を直接たどるとa_2=8、a_3=26、a_4=80、a_5=242となる。一般項へn=1を入れると2で初期条件も満たし、直接計算と一致する。
問2|部分分数で消える和
和S=Σ_{k=1}^{20} 1/((k+1)(k+2)) を求めよ。
問2「部分分数で消える和」の解答・詳しい考え方を開く
答え:5/11
- 1/((k+1)(k+2))=1/(k+1)−1/(k+2)と部分分数分解する。
- k=1から20まで並べると(1/2−1/3)+(1/3−1/4)+…+(1/21−1/22)となる。
- 途中の−1/3と+1/3から−1/21と+1/21までが相殺する。
- 残るのは1/2−1/22である。
- 共通分母22で計算して11/22−1/22=10/22=5/11を得る。
誤答分析:部分分数分解の符号を逆にすると和が負になる。元の各項は正なので、1/(k+1)の方を正にすることを簡単な代入で確認する。
別計算による検算:共通分母で端の差を戻すと1/2−1/22=20/(2×22)=10/22である。また最初の数項の部分和が1/2−1/(m+2)になることを帰納的に確かめ、m=20を入れても5/11となる。
問3|階差から一般項と和を求める
数列{a_n}をa_1=1、a_{n+1}−a_n=2n+1(n=1,2,…)で定める。一般項a_nとΣ_{n=1}^{10}a_nを求めよ。
問3「階差から一般項と和を求める」の解答・詳しい考え方を開く
答え:a_n=n^2、Σ_{n=1}^{10}a_n=385
- n≥2について、a_n=a_1+Σ_{k=1}^{n−1}(a_{k+1}−a_k)と表す。
- 階差を代入するとa_n=1+Σ_{k=1}^{n−1}(2k+1)である。
- Σ_{k=1}^{n−1}2k=n(n−1)、Σ_{k=1}^{n−1}1=n−1だから、a_n=1+n(n−1)+(n−1)=n^2となる。
- 求める和はΣ_{n=1}^{10}n^2である。
- 平方和の公式10×11×21/6を使って385を得る。
誤答分析:階差をnまで足してしまうとa_{n+1}を計算することになる。a_1からa_nへ進む差はn−1個なので、上端はn−1である。
別計算による検算:初項から直接作ると1,4,9,16,…となりn^2と一致する。さらに1^2+…+10^2を前半と後半に分けて直接加えると55+330=385となる。
問4|根号を有理化してつなぐ和
和T=Σ_{n=1}^{24} 1/(√(n+1)+√n) を求めよ。
問4「根号を有理化してつなぐ和」の解答・詳しい考え方を開く
答え:4
- 各項の分子・分母に共役√(n+1)−√nを掛ける。
- 分母は(n+1)−n=1となるので、各項は√(n+1)−√nに等しい。
- n=1から24まで並べると(√2−√1)+(√3−√2)+…+(√25−√24)となる。
- 途中の根号は正負で全て相殺し、√25−√1だけが残る。
- 5−1=4を得る。
誤答分析:分母の有理化後に分子を√(n+1)+√nと誤ると相殺しない。掛けるのは元の分母と符号が反対の共役であり、差の平方になる。
別計算による検算:部分和をT_mとすると、最初から順に足した値は√(m+1)−1になることを帰納法で確認できる。m=24を代入すると√25−1=4である。
📝 この型が実際に出た入試問題(59問のうち24問を掲載)
「数列・漸化式」の型が実際の入試でどう出たかを、数強塾が全問解説を公開している年度から拾いました。各行の「解説を読む」から、その問題の解説へ直接移動できます。型を読んだあとに実出題で当てると、どこまで通用する判断なのかがはっきりします。
| 大学・年度 | 出題テーマ | 難易度 | 解説 |
|---|---|---|---|
| 同志社大学 2025年度 | 〔Ⅱ〕【記述式】円と内接正三角形の入れ子 | 標準 | 解説を読む |
| 法政大学 2025年度 | 〔Ⅱ〕【記述】等差数列と、その階差数列をもつ数列 | 標準 | 解説を読む |
| 関西大学 2025年度 | 〔Ⅲ〕【記述式】部分分数分解と打ち消しの和 | やや難 | 解説を読む |
| 関西大学 2025年度 | 〔Ⅲ〕【記述式】角に内接する円の無限列と面積の総和 | やや難 | 解説を読む |
| 関西大学 2025年度 | 〔Ⅰ〕2次方程式の2解と、 型の数列 | 標準 | 解説を読む |
| 関西学院大学 2025年度 | 円と直線・領域の面積と等差数列 | 標準 | 解説を読む |
| 関西学院大学 2025年度 | 小問集合(無理不等式・等差数列・2倍角・4次方程式) | 標準 | 解説を読む |
| 関西学院大学 2025年度 | 領域における分数式の最大最小/等比数列と等差数列の共通項 | やや難 | 解説を読む |
| 同志社大学 2022年度 | 〔Ⅱ〕和 と一般項 の関係式 | 標準 | 解説を読む |
| 立命館大学 2020年度 | 〔Ⅱ〕【空所補充】複利と「現在価値」——等比数列で発電施設の収益を評価する | 標準 | 解説を読む |
| 立命館大学 2020年度 | 〔Ⅰ〕【空所補充】絶対値つき2次関数・空間の直線・数列 | やや難 | 解説を読む |
| 埼玉大学 2019年度 | 場合分けのある関数で定まる数列 | やや難 | 解説を読む |
| 京都大学 2000年度 | 階差が単調増加な数列で最小値をとる添字 | やや難 | 解説を読む |
| 日本大学(数学) 2024年度 | 第5問(数列) | — | 解説を読む |
| 東海大学(数学) 2024年度 | 大問3 数列(等差数列と指数型数列) | — | 解説を読む |
| 慶應義塾大学(数学) 2023年度 | 第3問(数列と曲線:接線の反復) | — | 解説を読む |
| 慶應義塾大学(数学) 2022年度 | 第1問(小問集合:絶対値方程式・因数分解・対数不等式・数列) | — | 解説を読む |
| 日本大学(数学) 2022年度 | 第5問(数列と図形:正方形の入れ子・無限等比級数) | — | 解説を読む |
| 東邦大学(数学) 2022年度 | 第6問(数列:等差数列と積の和) | — | 解説を読む |
| 日本大学(数学) 2021年度 | 第5問(数列・級数) | — | 解説を読む |
| 昭和大学(数学) 2020年度 | 大問2 数列 | — | 解説を読む |
| 信州大学 2019年度 | データの分析|等差数列の平均と分散 | — | 解説を読む |
| 東邦大学(数学) 2019年度 | 第7問(数列:周期性と群の和) | — | 解説を読む |
| 筑波大学 2019年度 | 指数と対数の数列・無限級数 | — | 解説を読む |
難易度は数強塾の見立てです(「—」は難易度を掲載していない年度)。大学別の年度一覧と出題傾向は過去問解説の総索引から、この型の全体像は解法パターン事典のハブから確認できます。
要点辞典この単元の公式・定石・つまずきやすい所は 数学II・B・Cの要点辞典:数列 にまとめてあります。

