図形と方程式の解法パターン全19型|軌跡・通過範囲・逆手流と入試実例(山口大・神戸大・一橋大・旭川医大・関西大・横国大)


図形と方程式は、図形の条件を方程式に翻訳する単元です。翻訳表さえ持っていれば、直線も円も同じ手つきで扱えます。ところがこの単元には、翻訳だけでは越えられない山がひとつある――軌跡と通過範囲です。ここでつまずく人のほとんどは、「消去」と「存在条件」の違いを知らないまま計算しています。このページは、図形と方程式の解法を19の型に分けて並べた辞典です。型は当てはめるための箱ではなく、考える範囲を狭めて、そこから先に頭を使うための道具として並べています。

このページの19型

  1. 直線/なす角
  2. 直線/角の二等分線
  3. 直線/定点通過・平行と垂直
  4. 直線/折り返し(対称点)
  5. 三角形の面積
  6. 放物線/接線
  7. 弦の長さ(中心からの距離で出す)
  8. 円/中心と半径に集約する
  9. 2円の交点を通る直線・円
  10. 円/接線と接する条件
  11. 円と放物線
  12. 軌跡/パラメータを消去する
  13. 軌跡/逆手流(存在条件に翻訳)
  14. 軌跡/反転
  15. 通過範囲/逆手流
  16. 通過範囲/ファクシミリの原理
  17. 線形計画法(傾きの比較)
  18. 線形計画法/文字定数入り
  19. \(=k\) とおく・図形量と見る
  20. 北大の良問 028|距離平方和を重心まわりの円板へ直す
  21. 北大の良問 032|円板族の通過範囲を二次式で捉える
  22. 北大の良問 035|球面と直線の共有条件を判別式で捉える

1. 座標の背骨——図形と方程式の翻訳表

図形の言葉 方程式の言葉 備考
2点間の距離 \(\sqrt{(x_2-x_1)^{2}+(y_2-y_1)^{2}}\) 比較は2乗のまま
点と直線の距離 \(\dfrac{|ax_0+by_0+c|}{\sqrt{a^{2}+b^{2}}}\) 絶対値を外すと「どちら側か」
垂直 傾きの積が \(-1\) 垂直な直線は \(bx-ay+k=0\)
\((x-a)^{2}+(y-b)^{2}=r^{2}\) 中心と半径に集約
円と直線が接する (中心と直線の距離)\(=\) 半径 判別式より軽いことが多い
領域 不等式 境界を含むかを必ず書く
2つの図形の交点を通る図形 \(f+kg=0\) 型09(束の考え方)

円は「方程式」ではなく「中心と半径」で持つ。\(x^{2}+y^{2}-6x+4y+9=0\) のままでは何も見えませんが、平方完成して「中心 \((3,-2)\)、半径2」と書き直した瞬間に、接する条件も交わる条件も距離の比較1本で片づきます。連立して判別式を計算するのは、この距離の比較を遠回りにやっているだけ。円が出てきたら、まず中心と半径――これが座標の第一手です。

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2. この単元の山——軌跡と通過範囲は「存在条件」の問題

軌跡の問題には、大きく2つのやり方があります。この違いを理解しているかどうかが、この単元でいちばん差がつくところです。

消去(順手)と逆手流

消去 パラメータ \(t\) を含む式から \(t\) を消して \(x,y\) の関係式を作る。得られるのは必要条件だけなので、最後に「逆に、その点が条件をみたすか」を確認する必要がある。

逆手流 「点 \((x,y)\) が軌跡上にある」を、「その \((x,y)\) に対して条件をみたす \(t\) が存在する」と読みかえる。存在条件(判別式など)を書けば、それが必要十分条件になる。

なぜ消去だけでは足りないのか。\(t\) を消すという操作は、\(t\) についての情報を捨てる操作です。捨てた結果できた式をみたす点の中に、もとの \(t\) が実在しない点が紛れこむことがある。たとえば「\(t\) が実数」という条件を捨てているなら、虚数の \(t\) に対応する点まで拾ってしまいます。だから消去したら必ず「逆に」を確かめる。逆手流は、この確認を最初から式に組みこむやり方です。「存在する」を「判別式 \(\geqq 0\)」に翻訳した時点で、必要十分になっています。

逆手流の型(これを丸ごと覚える)

\((X,Y)\) が通過範囲に属する

\(\iff\) \(X,Y\) を代入した式を\(t\) についての方程式と見たとき、条件をみたす実数 \(t\) が存在する

\(\iff\)\(t\) の2次方程式なら)判別式や解の配置の条件

3. 解法パターン全19型

型01 直線/なす角

01傾きの差ではなく、正接の加法定理

顔つき 「2直線のなす角が \(45^{\circ}\) となる条件」。

中身 傾き \(m_1,m_2\) のとき \(\tan\theta=\left|\dfrac{m_1-m_2}{1+m_1m_2}\right|\)

公式の出どころ 各直線の傾角を \(\alpha,\beta\) とすると \(m=\tan\alpha\) で、なす角は \(|\alpha-\beta|\)。正接の加法定理 \(\tan(\alpha-\beta)=\dfrac{\tan\alpha-\tan\beta}{1+\tan\alpha\tan\beta}\) をそのまま書いただけです。分母が0のとき(\(m_1m_2=-1\))は垂直で、公式が使えないのではなく「\(\tan 90^{\circ}\) が定義されない」ことに対応しています。

型02 直線/角の二等分線

022直線から等距離の点の集まり

顔つき 「2直線のなす角の二等分線の方程式」。

中身 \(\dfrac{|a_1x+b_1y+c_1|}{\sqrt{a_1^{2}+b_1^{2}}}=\dfrac{|a_2x+b_2y+c_2|}{\sqrt{a_2^{2}+b_2^{2}}}\)。絶対値を外すと \(\pm\) で2本出る。

2本出るのが正しい 交わる2直線がつくる角は4つあり、その二等分線は互いに直交する2本です。だから \(\pm\) の両方が意味をもつ。どちらが問題の求める角の二等分線かは、通る点を代入して判定します。「答えが2本出たら困る」のではなく、2本出るのが構造上正しいのです。

型03 直線/定点通過・平行と垂直

03文字について整理して、恒等式にする

顔つき 「\(k\) の値によらず通る定点を求めよ」。

中身 \(k\) について整理して \(k(\ \cdots\ )+(\ \cdots\ )=0\) の形にし、両方の括弧が0となる点を求める。

「すべての \(k\) で成り立つ」=恒等式 \(k\) についての1次式が、すべての \(k\) で0になる条件は「\(k\) の係数=0」かつ「定数項=0」。これは型18(すべての \(x\) で)と同じ発想\(k\) について使っているだけです。文字定数が入った式を見たら、「どの文字について整理すると得か」を一度考える習慣をつけてください。

型04 直線/折り返し(対称点)

04垂直と中点、条件は2本

顔つき 「直線 \(\ell\) に関して点 A と対称な点 A′」「折れ線の長さの最小」。

中身 \(\mathrm{AA}\) と「\(\mathrm{AA}\) の中点が \(\ell\) 上」の2本を立てる。

折れ線の最小は、折り返してまっすぐにする \(\mathrm{AP}+\mathrm{PB}\)(P は \(\ell\) 上)を最小にするには、A を折り返して \(\mathrm{A}\) とすれば \(\mathrm{AP}=\mathrm{A}\) なので \(\mathrm{A}\)「まっすぐが最短」に持ちこむための道具が折り返しです。空間の最短経路でも同じ手を使います。

型05 三角形の面積

051つの頂点を原点に移す

顔つき 「3点を頂点とする三角形の面積」。

中身 \(\mathrm{O},\ (x_1,y_1),\ (x_2,y_2)\) なら \(S=\dfrac12|x_1y_2-x_2y_1|\)。一般の3点は平行移動で1点を原点へ。

平行移動しても面積は変わらない だから遠慮なく1点を原点に移してよい。公式の \(|x_1y_2-x_2y_1|\)2つのベクトルが張る平行四辺形の面積で、\(\dfrac12\sqrt{|\vec{a}|^{2}|\vec{b}|^{2}-(\vec{a}\cdot\vec{b})^{2}}\) を展開したものと一致します。ベクトルの型12と同じ量です。

型06 放物線/接線

06「接する」は重解条件

顔つき 「放物線と直線が接する条件」「2本の接線」。

中身 連立して \(x\) の2次方程式にし、\(D=0\)。接点の \(x\) 座標は重解 \(-\dfrac{b}{2a}\)

判別式と微分、どちらでもよい 放物線なら判別式が速く、3次以上なら微分(接点をパラメータに置く)が確実です。「接する」=「共有点で接線が一致」=「重解をもつ」――この3つが同じことだと分かっていれば、状況に応じて選べます。

型07 弦の長さ

07中心から弦への距離で三平方

顔つき 「円と直線が切り取る弦の長さ」。

中身 半径 \(r\)、中心と直線の距離 \(d\) のとき、弦の長さは \(2\sqrt{r^{2}-d^{2}}\)

交点を求めてはいけない 交点の座標を出して距離を計算すると、根号だらけになります。中心から弦に垂線を下ろすと、弦は二等分される――この一手で三平方の定理1回に落ちます。円の問題で「交点を求めたくなったら、まず中心からの距離で済まないか考える」のが鉄則です。

型08 円/中心と半径に集約する

082円の位置関係は、中心間距離と半径の和・差

顔つき 「2円が外接する」「円が \(x\) 軸に接する」。

中身 外接 \(\iff d=r_1+r_2\)、内接 \(\iff d=|r_1-r_2|\)、交わる \(\iff |r_1-r_2|\lt d\lt r_1+r_2\)\(x\) 軸に接する \(\iff\)(半径)\(=\)(中心の \(y\) 座標の絶対値)。

「接する」条件が未知数を1つ減らす \(x\) 軸に接する円は中心 \((p,q)\) に対して半径が \(|q|\) と決まるので、未知数が3つ(中心2つ+半径)から2つに減ります。接するという条件は、方程式1本ぶんの情報。これを最初に使ってしまうのが計算を軽くするこつです(関西大学の実例)。

型09 2円の交点を通る図形

09\(f+kg=0\) は交点を必ず通る

顔つき 「2円の交点と点 P を通る円」「2円の交点を通る直線」。

中身 \(f=0,\ g=0\) の交点を通る図形は \(f+kg=0\)。2円なら \(k=-1\) で2次の項が消えて交点を通る直線になる。

なぜ必ず通るのか 交点では \(f=0\) かつ \(g=0\) なので、\(f+kg\) も0。つまり\(k\) が何であっても交点を通る。あとは通ってほしい点を代入して \(k\) を決めるだけです。この「束(そく)」の考え方は、直線でも円でも同じように使えます。

型10 円/接線と接する条件

10円上の点なら公式、外の点なら距離=半径

顔つき 「円 \(x^{2}+y^{2}=r^{2}\) 上の点 \((x_1,y_1)\) における接線」「点 A から引いた接線」。

中身 円上の点なら \(x_1x+y_1y=r^{2}\)。外の点からなら、傾きを \(m\) とおいて中心との距離=半径

公式が使えるのは「接点が分かっているとき」だけ 外の点から引く接線では接点が未知なので、公式をそのまま使えません。傾き \(m\) を1文字にして距離の条件を立てるのが標準です。ただし \(y\) 軸に平行な接線は傾きで表せないので、それを別に調べる必要があります。これは落としやすい場合分けです。

型11 円と放物線

11\(y\) を消して \(x^{2}\) の2次方程式にする

顔つき 「円と放物線の共有点の個数」。

中身 \(y=x^{2}\) などを円に代入すると \(x\) の4次式になるが、\(t=x^{2}\) と置けば \(t\) の2次方程式。\(t\geqq 0\) の条件を忘れない。

1つの \(t\) から \(x\) は何個出るか \(t\gt 0\) なら \(x=\pm\sqrt{t}\) で2個、\(t=0\) なら1個、\(t\lt 0\) なら0個。共有点の個数を数えるには、\(t\) の解の個数だけでなく、各 \(t\) から出る \(x\) の個数まで数える必要があります。置き換えの範囲を追う(型09の考え方)が、ここでは個数の勘定に効いてきます。

型12 軌跡/パラメータを消去する

12消したら、逆を確かめる

顔つき 「\(m\) が動くとき、中点の軌跡を求めよ」。

中身 動点の座標を \((X,Y)\) とおき、パラメータで表してから消去。最後に \(X,Y\) の動ける範囲を必ず調べる。

「方程式」と「軌跡」は違う 消去して \(X^{2}+Y^{2}=aX\) が出ても、それは円全体ではなく、その一部であることがほとんどです。パラメータの動く範囲が、そのまま \(X\) の範囲に翻訳される。答案に「ただし \(0\leqq X\lt \dfrac1a\)」と書けるかどうかが得点を決めます(旭川医科大学の実例)。

手順 ① 動点を \((X,Y)\) とおく → ② パラメータで表す → ③ 消去 → ④ パラメータの範囲を \(X,Y\) の範囲に翻訳

型13 軌跡/逆手流

13「存在する」を判別式に翻訳する

顔つき 消去が汚くなる、あるいはパラメータの条件が複雑なとき。

中身 \((X,Y)\) を固定して、条件式をパラメータについての方程式と見る。実数解が存在する条件を書けば、それが軌跡の方程式。

必要十分がその場で保証される 消去は必要条件しか出しませんが、「存在する条件」は定義そのものなので必要十分です。「逆に」の確認が要らなくなるのが逆手流の最大の利点。パラメータの範囲に制限があるときは、判別式ではなく解の配置(型15の3点セット)を使うことになります(神戸大学の実例)。

型14 軌跡/反転

14\(\mathrm{OP}\cdot\mathrm{OQ}=\) 一定

顔つき 「半直線 OP 上に \(\mathrm{OP}\cdot\mathrm{OQ}=k\) となる点 Q をとる」。

中身 \(\mathrm{Q}=\dfrac{k}{|\mathrm{OP}|^{2}}\mathrm{P}\)反転は2回で元に戻るので、逆向きの式も同じ形。

対合性が最強の道具 \(\mathrm{P}\to\mathrm{Q}\) の式と \(\mathrm{Q}\to\mathrm{P}\) の式が同じ形(\(x=\dfrac{kX}{X^{2}+Y^{2}}\))なので、P の条件をそのまま \(X,Y\) の条件に代入で翻訳できます。消去も存在条件も要りません。反転で「原点を通らない円」は円に、「原点を通る円」は直線に移る、という性質も覚えておくと図が予測できます(横浜国立大学の実例)。

型15 通過範囲/逆手流

15点を固定して、パラメータの存在条件を書く

顔つき 「\(t\) が動くとき、直線 \(\ell_t\) が通る点全体を図示せよ」。

中身 \((x,y)\) を固定し、式を \(t\) についての方程式と見て「解が存在する(指定範囲に)」条件を求める。

通過範囲は軌跡の親戚 「点 \((x,y)\) を通る \(\ell_t\) があるか」を問うているので、やることは型13とまったく同じです。\(t\) の範囲に制限があるとき\(|t|\geqq 1\) など)は、判別式だけでは足りず解の配置になります。ただし、\(y\) について解いて\(t\) の関数の値域」と読むほうが軽いこともある――どちらが速いかを一度両方試すと、判断がつきます(神戸大学の実例)。

型16 通過範囲/ファクシミリの原理

16\(x\) を固定して、\(y\) の動く範囲を調べる

顔つき 通過範囲で、逆手流の存在条件が複雑になるとき。

中身 \(x=c\) という縦線で切り、その線上で \(y\) がどこまで動くかを求める。それを \(c\) を動かして重ねる。

2次元の問題を1次元の値域問題に落とす 縦線で切ると、\(y\)\(t\) の1変数関数の値域になります。ファクシミリが1行ずつ走査するように、\(x\) を1つずつ固定して縦方向の範囲を決めていく――だからこの名前が付いています。逆手流と本質は同じで、「\(t\) の存在条件」を「\(t\) の関数の値域」として見ているだけです。

型17 線形計画法

17\(ax+by=k\) を平行移動して、最後に触れる頂点

顔つき 「領域 \(D\) 内で \(2x+3y\) の最大値」。

中身 \(k\) を切片と結びつけて、直線 \(ax+by=k\) を平行移動する。凸多角形なら最大・最小は必ず頂点でとる。

なぜ頂点なのか \(ax+by=k\) は傾きが固定された直線の族で、\(k\) が大きいほど(\(b\gt 0\) なら)上にあります。この直線を上へずらしていくと、領域から離れる直前に触れるのは必ず角――辺に平行なときだけ辺全体で最大になりますが、そのときも端の頂点は含まれます。だから頂点だけ調べれば必ず答えが出る。これが線形計画法の全部です。

型18 線形計画法/文字定数入り

18直線の傾きと、境界の傾きを比べる

顔つき 「\(a\gt 0\) のとき \(ax+y\) の最大値を \(a\) で表せ」。

中身 直線 \(ax+y=k\) の傾きは \(-a\)これが境界の傾きのどれとどれの間にあるかで、最適な頂点が切りかわる。

場合分けの基準は「傾きの大小」 境界の傾きが \(-1,-2\) なら、\(-a\)\(-1\) より緩いか、\(-1\)\(-2\) の間か、\(-2\) より急かで3通り。頂点の値を全部計算してから大小比較しても同じ答えになりますが、傾きで判断するほうが速く、境界の \(a\) で値が一致することが検算にもなります(山口大学の実例)。

型19 \(=k\) とおく・図形量と見る

19式を「傾き」「距離」「円の半径」と読む

顔つき 「\(\dfrac{y}{x}\) の最大値」「\(x^{2}+y^{2}\) の最大値」「\((x-a)^{2}+y\) の範囲」。

中身 \(\dfrac{y}{x}\)原点と結ぶ直線の傾き\(x^{2}+y^{2}\)原点からの距離の2乗\((x-a)^{2}+(y-b)^{2}\)\((a,b)\) からの距離の2乗

\(=k\) とおいて共有点をもつ条件」は逆手流 \(\dfrac{y}{x}=k\) とおいて「領域と共有点をもつ \(k\) の範囲」を求める、というのはまさに存在条件の問題です。この単元の後半(軌跡・通過範囲・最大最小)が全部同じ考え方でつながっていることに気づくと、見通しが一気によくなります(一橋大学の実例)。

4. 実際の入試で確かめる

\(この単元の解法パターンは全19型。そのうち下にある入試の実例6問で確かめているのは8型(型08・型12・型13・型14・型15・型17・型18・型19)。下にある実例では扱っていないのは11型(型01・型02・型03・型04・型05・型06・型07・型09・型10・型11・型16)。1問が複数の型にまたがることも、同じ型を複数の実例で扱うこともあります。この図は、下にある入試の実例が扱う型を数えたものです。\)

この単元の解法パターンは全19型で、下にある入試の実例6問で確かめているのは8型です。残りの11型は、下にある実例では扱っていません。1問が複数の型にまたがることも、同じ型を複数の実例で扱うこともあるため、実例の数と型の数は必ずしも一致しません。

ここからは実際に出題された問題で型を確かめます。問題文は各大学が公表した入試問題を、解説のために引用したものです。解答・解説は数強塾が独自に作成したもので、大学公表の解答ではありません。掲載しているすべての数値は、当塾で独立に解いたうえで Python による検算を行っています。

山口大学 2018年度 前期日程 ―― 型17・型18。傾きで場合分けする

【問題】山口大学 2018年度 前期日程

座標平面において、連立不等式 \(x\geqq 0,\quad y\geqq 0,\quad y\leqq -x+8,\quad y\leqq -2x+12\) の表す領域を \(D\) とし、\(a\) を正の定数とする。点 \((x,y)\) が領域 \(D\) 内を動くとき、\(ax+y\) の最大値を \(M\) とする。

(1) 2直線 \(y=-x+8\)\(y=-2x+12\) の交点を求め、領域 \(D\) を図示しなさい。

(2) \(0\lt a\lt 1\) のとき、\(M\) の値を求めなさい。

(3) \(1\leqq a\) のとき、\(a\) を用いて \(M\) を表しなさい。

【解答】

(1) 交点 \((4,4)\)\(D\) は4点 \((0,0),(6,0),(4,4),(0,8)\) を頂点とする凸四角形(境界を含む)

(2) \(M=8\)(点 \((0,8)\)) (3) \(1\leqq a\leqq 2\) のとき \(M=4a+4\)\(a\geqq 2\) のとき \(M=6a\)

(1) \(-x+8=-2x+12\) より \(x=4,\ y=4\)。頂点は \((0,0),(6,0),(4,4),(0,8)\) の4つです(\(x=0\) では \(y\leqq 8\) が、\(y=0\) では \(x\leqq 6\) が効きます)。

(2)(3) \(ax+y\) は1次式なので、凸多角形上の最大は必ず頂点でとります(型17)。あとはどの頂点かを決めるだけです。

直線 \(ax+y=k\) の傾きは \(-a\)。境界の傾きは \(-1\)\(y=-x+8\))と \(-2\)\(y=-2x+12\))。\(-a\) がこの2つに対してどこにあるかで最適な頂点が切りかわります。

\(a\) の範囲 傾き \(-a\) の位置 最適な頂点 \(M\)
\(0\lt a\lt 1\) \(-1\) より緩い \((0,8)\) \(8\)
\(1\leqq a\leqq 2\) \(-1\)\(-2\) の間 \((4,4)\) \(4a+4\)
\(a\geqq 2\) \(-2\) より急 \((6,0)\) \(6a\)

検算します。\(a=1\) では \(4a+4=8\) となり (2) の値と一致。\(a=2\) では \(4a+4=12=6a\) で一致。場合分けの境界で値がつながるので、分け方が正しいことが確かめられます。

頂点を全部計算してもよいが、傾きで見るほうが本質的。4頂点での値は \(0,\ 6a,\ 4a+4,\ 8\)。これらの大小を比べても答えは出ますが、「なぜその頂点なのか」が見えるのは傾きの比較のほうです。実際 \(4a+4\geqq 8\iff a\geqq 1\)\(4a+4\geqq 6a\iff a\leqq 2\) と、傾きの条件とぴったり一致します。両方できるようにしておくと、片方が検算になります。

神戸大学 2006年度 前期日程 ―― 型13・型15。逆手流そのもの

【問題】神戸大学 2006年度 前期日程

実数 \(t\) に対して \(xy\) 平面上の直線 \(\ell_t:y=2tx-t^{2}\) を考える。次の問に答えよ。

(1) 点 P を通る直線 \(\ell_t\) はただ1つであるとする。このような点 P の軌跡の方程式を求めよ。

(2) \(t\)\(|t|\geqq 1\) の範囲を動くとき、直線 \(\ell_t\) が通る点 \((x,y)\) の全体を図示せよ。

【解答】

(1) \(y=x^{2}\)

(2) \(|x|\geqq 1\) では \(y\leqq x^{2}\)\(|x|\leqq 1\) では \(y\leqq 2|x|-1\)(いずれも境界を含む)

逆手流の出発点は、視点の切りかえです。\(y=2tx-t^{2}\) を「\(t\) を決めると直線が決まる式」ではなく、「点 \((x,y)\) を決めると \(t\) についての方程式になる式」と読みかえます。

\(t^{2}-2xt+y=0 \qquad \cdots(*)\)

\((x,y)\) を通る \(\ell_t\) の本数は、\((*)\) の実数解 \(t\) の個数に等しい。

(1) 「ただ1つ」=重解なので

\(\frac{D}{4}=x^{2}-y=0 \quad\Longrightarrow\quad y=x^{2}\)

(2) こんどは「\(|t|\geqq 1\) の範囲に解が存在する」条件です。解の配置(型15)でも解けますが、\(y\) について解いて値域と読むほうが軽くなります。

\((*)\) より \(y=2xt-t^{2}=-(t-x)^{2}+x^{2}\)。これを \(t\) の関数 \(\varphi(t)\) と見ます。上に凸で軸は \(t=x\)

求めるのは「\(|t|\geqq 1\) を動く \(t\) に対する \(\varphi(t)\) の値域」です。\(\varphi\) は下に非有界なので、値域は「最大値以下」の半直線になります。

\(x\) の範囲 \(t=x\)\(|t|\geqq 1\) に入るか 最大値 通過範囲
\(|x|\geqq 1\) 入る \(\varphi(x)=x^{2}\) \(y\leqq x^{2}\)
\(|x|\lt 1\) 入らない 端点 \(t=\pm 1\) の大きいほう \(2|x|-1\) \(y\leqq 2|x|-1\)

\(y=2x-1\)\(y=-2x-1\) は、放物線 \(y=x^{2}\)\((\pm 1,1)\) における接線です。境界は \((\pm 1,1)\) でなめらかにつながります。

「解の存在条件」と「関数の値域」は同じことを言っている。\(t\) についての方程式 \(y=\varphi(t)\)\(|t|\geqq 1\) に解をもつ条件は、\(y\)\(\varphi\) の(その範囲での)値域に入ることです。方程式の言葉と関数の言葉、どちらで書いても同じ。判別式や解の配置が複雑になりそうなら、値域に読みかえられないかを試してください。この問題では、値域で見るほうが場合分けが2つで済みます。

旭川医科大学 2019年度 前期日程 ―― 型12。消去したら、範囲を翻訳する

【問題】旭川医科大学 2019年度 一般入試前期日程

\(a\) は定数で \(a\gt 1\) とし、点 \((a,0)\) を通る傾き \(m\) の直線と円 \(x^{2}+y^{2}=1\) とが異なる2点 A, B で交わる。このとき、次の各問いに答えよ。

問1 \(m\) の値の範囲を求めよ。

問2 問1で求めた範囲を \(m\) が動くとき、線分 AB の中点の軌跡を求めよ。

【解答】

問1 \(-\dfrac{1}{\sqrt{a^{2}-1}}\lt m\lt \dfrac{1}{\sqrt{a^{2}-1}}\)

問2 円 \(\left(x-\dfrac a2\right)^{2}+y^{2}=\dfrac{a^{2}}{4}\) のうち \(0\leqq x\lt \dfrac1a\) をみたす部分(両端の点を除く)

問1 型08。連立して判別式より、中心と直線の距離のほうが軽いです。直線は \(mx-y-ma=0\) なので

\(\frac{|{-ma}|}{\sqrt{m^{2}+1}}\lt 1 \quad\Longleftrightarrow\quad a^{2}m^{2}\lt m^{2}+1 \quad\Longleftrightarrow\quad m^{2}(a^{2}-1)\lt 1\)

\(a\gt 1\) より \(a^{2}-1\gt 0\) なので \(|m|\lt \dfrac{1}{\sqrt{a^{2}-1}}\)

問2 中点 M は、中心 O から弦 AB に下ろした垂線の足です(型07で使った性質)。したがって \(\angle\mathrm{OM}(a,0)=90^{\circ}\)、つまり

計算せずに図形で決める

M は O と \((a,0)\) を直径の両端とする円の上にある。すなわち \(x^{2}+y^{2}=ax\)、つまり \(\left(x-\dfrac a2\right)^{2}+y^{2}=\dfrac{a^{2}}{4}\)

計算で確かめるなら、M は原点から直線への垂線の足なので

\(\mathrm{M}\left(\frac{am^{2}}{1+m^{2}},\ \frac{-am}{1+m^{2}}\right)\)

実際 \(x^{2}+y^{2}=\dfrac{a^{2}m^{2}(m^{2}+1)}{(1+m^{2})^{2}}=\dfrac{a^{2}m^{2}}{1+m^{2}}=ax\) が成り立ちます。

ここからが本題です。範囲を翻訳します。\(x=\dfrac{am^{2}}{1+m^{2}}=a\left(1-\dfrac{1}{1+m^{2}}\right)\)\(m^{2}\) の増加関数なので、\(0\leqq m^{2}\lt \dfrac{1}{a^{2}-1}\) を代入して

\(0\leqq x\lt a\left(1-\frac{1}{1+\dfrac{1}{a^{2}-1}}\right)=a\cdot\frac{1}{a^{2}}=\frac1a\)

\(x=\dfrac1a\) は直線が円に接する場合で、「異なる2点で交わる」に反するので除きます。

この問題の得点差は、最後の1行で決まる。軌跡の方程式 \(x^{2}+y^{2}=ax\) を出すところまでは多くの人ができます。差がつくのは「ただし \(0\leqq x\lt \dfrac1a\)」を書けるかどうか。パラメータ \(m\) に範囲があるなら、それは必ず \(x\)\(y\) の範囲として現れます。消去した瞬間に「捨てた条件はどこへ行ったか」を自問する――これが型12の核心です。

関西大学 2010年度 ―― 型08。接する条件で未知数を減らす

【問題】関西大学 2010年度

座標平面上に \((3,2)\) を中心とし、半径1の円 \(\mathrm{O}_1\) がある。円 \(\mathrm{O}_1\) に外接し、かつ \(x\) 軸に接する円 O の円周上のすべての点が \(x\geqq 0\)\(y\geqq 0\) を満たす領域にあるとする。また、円 O の中心の座標を \((p,q)\) とする。

(1) \(q\)\(p\) で表せ。 (2) \(x\) 軸、\(y\) 軸に接し、円 \(\mathrm{O}_1\) に外接する円の半径を求めよ。

(3) \(p\) のとりうる値の範囲を求めよ。 (4) \(q\) のとりうる値の範囲を求めよ。

【解答】

(1) \(q=\dfrac{(p-3)^{2}+3}{6}\) (2) \(r=6\pm 2\sqrt6\) (3) \(6-2\sqrt6\leqq p\leqq 6+2\sqrt6\) (4) \(\dfrac12\leqq q\leqq 6+2\sqrt6\)

(1) 円 O は \(x\) 軸に接し、円周が \(y\geqq 0\) にあるので、中心は \(x\) 軸の上側にあり、半径は \(q\)。ここで未知数が3つから2つに減ります(型08)。

外接条件は「中心間の距離=半径の和」なので

\((p-3)^{2}+(q-2)^{2}=(1+q)^{2}\)

展開すると \(q^{2}\) が消えて

\((p-3)^{2}-4q+4=2q+1 \quad\Longrightarrow\quad (p-3)^{2}=6q-3 \quad\Longrightarrow\quad q=\frac{(p-3)^{2}+3}{6}\)

中心の軌跡が放物線になるのは、「\(x\) 軸に接する」が準線からの距離の条件、「外接する」が焦点からの距離の条件として働くからです。

(2) 両軸に接するので中心は \((r,r)\)

\((r-3)^{2}+(r-2)^{2}=(1+r)^{2} \quad\Longrightarrow\quad r^{2}-12r+12=0 \quad\Longrightarrow\quad r=6\pm 2\sqrt6\)

(3) 円周が \(x\geqq 0\) にある条件は、いちばん左の点を見れば十分\(p-q\geqq 0\)。(1) を代入して

\(p-\frac{(p-3)^{2}+3}{6}\geqq 0 \quad\Longrightarrow\quad p^{2}-12p+12\leqq 0 \quad\Longrightarrow\quad 6-2\sqrt6\leqq p\leqq 6+2\sqrt6\)

(2) と同じ2次式が現れるのは偶然ではありません。境界がちょうど「\(y\) 軸に接する円」だからです。

(4) この \(p\) の区間で \(q=\dfrac{(p-3)^{2}+3}{6}\) を動かします。頂点 \(p=3\) は区間内にあるので最小 \(q=\dfrac12\)。最大は頂点から遠いほうの端 \(p=6+2\sqrt6\) で、\((p-3)^{2}=(3+2\sqrt6)^{2}=33+12\sqrt6\) より

\(q=\frac{36+12\sqrt6}{6}=6+2\sqrt6\)

条件は「使う順番」で軽さが変わる。この問題では、まず「\(x\) 軸に接する」を使って半径を \(q\) に置きかえ、次に「外接」で \(p,q\) の関係を出し、最後に「\(x\geqq 0\)」で範囲を絞りました。未知数を減らす条件から先に使うのが原則です。もし最初に「\(x\geqq 0\)」を使おうとすると、半径が未知のまま不等式を立てることになり、手が止まります。

横浜国立大学 2004年度 ―― 型14。反転は2回で戻る

【問題】横浜国立大学 2004年度

座標平面上で、原点 O と異なる点 \(\mathrm{P}(x,y)\) に対し、O を端点とする半直線 OP 上に点 \(\mathrm{Q}(X,Y)\)\(\mathrm{OP}\cdot\mathrm{OQ}=4\) が成り立つようにとるものとする。

(1) \(X,Y\)\(x,y\) で表せ。

(2) P が \(x+y\geqq 2,\ x^{2}+y^{2}\leqq 4\) で表される領域を動くとき、Q の存在する範囲を \(D\) とする。\(D\) を不等式で表せ。

(3) (2) で求めた範囲 \(D\) を図示し、その面積を求めよ。

【解答】

(1) \(X=\dfrac{4x}{x^{2}+y^{2}},\quad Y=\dfrac{4y}{x^{2}+y^{2}}\)

(2) \(X^{2}+Y^{2}\geqq 4\) かつ \((X-1)^{2}+(Y-1)^{2}\leqq 2\) (3) 面積 \(2\)

(1) Q は半直線 OP 上なので \(\mathrm{Q}=k\mathrm{P}\)\(k\gt 0\))。\(\mathrm{OP}\cdot\mathrm{OQ}=k\,|\mathrm{OP}|^{2}=4\) より \(k=\dfrac{4}{x^{2}+y^{2}}\)

(2) ここが型14の急所です。\(X^{2}+Y^{2}=\dfrac{16}{x^{2}+y^{2}}\) なので \(x^{2}+y^{2}=\dfrac{16}{X^{2}+Y^{2}}\)。これを (1) に入れると

\(x=\frac{4X}{X^{2}+Y^{2}},\qquad y=\frac{4Y}{X^{2}+Y^{2}}\)

逆向きの式が、まったく同じ形になりました。これが「反転は2回で元に戻る」という性質です。あとは P の条件をそのまま翻訳するだけ。

\(x^{2}+y^{2}\leqq 4 \iff \frac{16}{X^{2}+Y^{2}}\leqq 4 \iff X^{2}+Y^{2}\geqq 4\)

\(x+y\geqq 2 \iff \frac{4(X+Y)}{X^{2}+Y^{2}}\geqq 2 \iff X^{2}+Y^{2}-2X-2Y\leqq 0 \iff (X-1)^{2}+(Y-1)^{2}\leqq 2\)

(3) 2円 \(X^{2}+Y^{2}=4\)\((X-1)^{2}+(Y-1)^{2}=2\) の交点は \((2,0),(0,2)\)後者の中心 \((1,1)\) はこの2点の中点なので、線分 \((2,0)\text{–}(0,2)\) は後者の直径です。

したがって \(D\) は、半径 \(\sqrt2\) の円のうち直線 \(X+Y=2\) の上側(半円、面積 \(\pi\))から、半径2の円が \(X+Y\geqq 2\) 側に切り取る弓形を除いた形。

弓形は、中心から弦までの距離が \(\sqrt2\)、半径2なので中心角 \(\dfrac{\pi}{2}\)。面積は

\(\frac12\cdot 2^{2}\left(\frac{\pi}{2}-\sin\frac{\pi}{2}\right)=\pi-2\)

よって \(D\) の面積は \(\pi-(\pi-2)=2\)

積分せずに済ませる。面積を求めるとき、いきなり積分に向かうと重くなります。ここでは「後者の円の中心が交点の中点になっている」ことに気づけば、半円と弓形の引き算で終わります。図を描いて、既知の図形(半円・扇形・弓形)の組み合わせで書けないかを先に探す――座標の面積問題では、これが最初の手です。

一橋大学 2008年度 前期日程 ―― 型19。領域全体で成り立つ条件

【問題】一橋大学 2008年度 前期日程

\(a\) を正の実数とする。点 \((x,y)\) が、不等式 \(x^{2}\leqq y\leqq x\) の定める領域を動くとき、常に \(\dfrac12\leqq (x-a)^{2}+y\leqq 2\) となる。\(a\) の値の範囲を求めよ。

【解答】

\(1\leqq a\leqq \sqrt2\)

「領域のすべての点で成立」なので、\(f(x,y)=(x-a)^{2}+y\)最小値が \(\dfrac12\) 以上、最大値が \(2\) 以下であればよい(型19・2次関数の型18)。

まず変数を1つ落とします。\(f\)\(y\) について単調増加なので、\(x\) を固定すれば

  • 最小は下端 \(y=x^{2}\) で \(g(x)=(x-a)^{2}+x^{2}=2x^{2}-2ax+a^{2}\)
  • 最大は上端 \(y=x\) で \(h(x)=(x-a)^{2}+x=x^{2}-(2a-1)x+a^{2}\)

領域が空でない条件 \(x^{2}\leqq x\) より \(0\leqq x\leqq 1\)

最小の条件 \(g\) は下に凸で軸 \(x=\dfrac{a}{2}\)\(0\leqq a\leqq 2\) なら軸が区間内にあり、最小値は

\(g\left(\frac a2\right)=\frac{a^{2}}{2}\)

これが \(\dfrac12\) 以上なので \(a^{2}\geqq 1\)、すなわち \(a\geqq 1\)。(\(a\gt 2\) なら最小は \(g(1)=(a-1)^{2}+1\gt \dfrac12\) で自動的にみたされます。)

最大の条件 \(h\) は下に凸なので、最大は端点でとります

\(h(0)=a^{2}\leqq 2,\qquad h(1)=(a-1)^{2}+1\leqq 2 \iff 0\leqq a\leqq 2\)

前者から \(a\leqq \sqrt2\)

すべて合わせて \(1\leqq a\leqq \sqrt2\)

「下に凸なら最大は端点」を使う。最小値は頂点かもしれませんが、最大値は必ず端点です(下に凸のとき)。だから \(h\) については端点2つを調べるだけで済み、場合分けが不要になります。上に凸と下に凸で「頂点を調べるべきか端点だけでよいか」が入れかわる――この非対称性を意識しておくと、2変数の最大最小がかなり軽くなります。

5. よくある質問

Q1. 軌跡の問題で「ただし」の部分をいつも落とします。

A. パラメータを消した瞬間に「捨てた条件はどこへ行ったか」を自問してください。パラメータに範囲があるなら、それは必ず \(x\)\(y\) の範囲として現れます。旭川医科大学の問題では「異なる2点で交わる」が \(x\lt \dfrac1a\) になりました。

Q2. 逆手流とパラメータ消去は、どちらを使えばよいですか。

A. 消去が簡単にできるなら消去(ただし最後に「逆に」の確認)、パラメータに範囲の制限があるなら逆手流のほうが安全です。逆手流は存在条件がそのまま必要十分になるので、確認が不要になります。

Q3. 円と直線の関係は、判別式と距離のどちらで解くべきですか。

A. 交点の座標が要らないなら距離です。中心と直線の距離を半径と比べるだけなので、計算量が半分以下になります。交点の座標そのものが必要なときだけ連立してください。

Q4. 線形計画法で、頂点を全部計算してもよいですか。

A. かまいません。ただし文字定数が入っているときは大小比較が場合分けになるので、傾きで判断するほうが速いことが多いです。両方できるようにしておくと、片方が検算になります。

Q5. 型を覚えれば初見の座標問題も解けますか。

A. 型は考えなくて済ませる道具ではなく、考える範囲を狭めるための道具です。狭めたあとは自分で考える必要があります。実際、本ページの神戸大学の問題は「解の配置で押すか、値域と読むか」を自分で選ぶ必要がありました。型を持っている人は、白紙のまま全部を考えずに済むという差が出ます。

北大の良問 028

距離平方和を重心まわりの円板へ直す|北大2017年理系第5問

3点までの距離を別々に扱うと式が長く見えますが、平方和をまとめて平方完成すると、領域 は三角形の重心を中心とする閉円板です。円板が三角形を含むときは頂点まで、円板が三角形に含まれるときは辺までの距離を見る。この向きの違いが核心です。

  • 北海道大学
  • 2017年度 前期日程
  • 数学(理系)第5問
  • 理系専用
  • 数学II 図形と方程式
  • 領域の包含・平方完成
  • 標準〜発展

問題

座標平面上の3点 , , を頂点とする の内部および境界を とおく。実数 に対して、条件

を満たす座標平面上の点 の全体を とする。ただし、 は点 と点 の距離を表す。

  1. が少なくとも1つの点 を含むような の値の範囲を求めよ。
  2. を含むような の値の範囲を求めよ。
  3. (1)のもとで、 に含まれるような の値の範囲を求めよ。

出典:北海道大学2017年度一般入試(前期日程)数学(理系)第5問。問題文の表記はウェブ表示用に一部調整しています。

段階別ヒント

ヒント1|点Pを座標で置き、3つの平方をまとめる

と置いて を足します。 をそれぞれ平方完成すると、中心が見えます。

ヒント2|Dは円周ではなく閉円板

条件は等式ではなく不等式です。最小値は4で、 では1点、 では中心 、半径 の内部と境界になります。

ヒント3|円板が三角形を含むなら頂点を見る

閉円板は凸集合です。3頂点をすべて含めば、その凸包である三角形 全体を含みます。逆に を含むなら、当然3頂点を含みます。

ヒント4|円板が三角形に含まれるなら辺を見る

三角形は3本の辺が定める半平面の共通部分です。中心から各辺の直線までの距離の最小値が、三角形からはみ出さない最大半径です。

ヒント5|(3)の「(1)のもとで」を忘れない

では が空集合なので形式上は ですが、(3)は(1)の条件 のもとで問われています。

解答・解説

準備|距離平方和を平方完成する

とおくと、

とすれば、 は3頂点の座標の平均、すなわち の重心であり、式(1)は

と書けます。したがって は、 では空集合、 では1点 では中心 、半径

の閉円板です。

(1) Dが空でない条件

式(2)の右辺の最小値は、 のときの4です。したがって、条件を満たす点が少なくとも1つ存在するための必要十分条件は です。等号 のときも が存在するので除きません。

(1)の答:

(2) DがTを含む条件

必要性: を含むなら、 の頂点 はすべて に含まれます。中心 から各頂点までの距離の平方は

最も遠い頂点は なので、円板の半径について が必要です。式(3)より

十分性: なら式(4)より3頂点はすべて閉円板 に入ります。閉円板は凸集合なので、その3点の凸包である 全体も に入ります。よって式(5)は十分でもあります。

(2)の答:

(3) (1)のもとでDがTに含まれる条件

(1)のもとでは であり、 は中心 の閉円板です。三角形の3辺を含む直線の方程式は、順に

です。点 からこれらの直線までの距離は

必要性: なら、 から辺 または へ垂直に外向きへ進んだ点のうち、辺までの距離より遠く、半径 以下の点が にありながら の外に出ます。したがって なら が必要です。

十分性: は、3本の辺の直線が定め、 を含む側の3つの閉半平面の共通部分です。 なら、式(7)より閉円板 はどの辺の直線も越えず、3つの閉半平面すべてに入ります。よって です。等号のときは辺 に接するだけなので含まれます。

式(3)と を合わせると、

(3)の答:

別解|重心の距離平方和の恒等式

平方を座標展開しなくても、3点 の重心を とすれば、任意の点 について

が成り立ちます。実際、位置ベクトルを用いて などと展開すると、交差項の和は

となるからです。本問では で、式(4)から 。したがって直ちに式(2)が得られます。その後の包含判定は、(2)では凸包の3頂点、(3)では3つの境界直線までの最短距離を調べればよく、主解法と同じ3つの答に到達します。

解法を思いつくための再現手順

  1. 点Pを座標で置く。 3つの距離平方を、 の式と の式へまとめる。
  2. 平方完成する。 定数4を分離し、中心 と半径平方 を読む。
  3. 空・1点・円板を分ける。 半径平方の符号から(1)を必要十分に判定する。
  4. 包含の向きを確認する。 かを式で書いて取り違えを防ぐ。
  5. 三角形を円板に入れるなら頂点を見る。 3頂点への最大距離と円板の凸性を使う。
  6. 円板を三角形に入れるなら辺を見る。 3辺を含む直線の方程式と点・直線間距離を求める。
  7. 必要性と十分性を分ける。 最遠頂点・最近辺が条件を強制することと、その条件で全体が入ることを両方示す。
  8. 設問の前提を戻す。 (3)では を最後に交差させ、空集合の範囲を除く。

よくある誤り

  • Dを円周だけとする: 条件は「」なので、 では内部と境界を含む閉円板です。
  • (1)で とする: では となり、少なくとも1点を含みます。
  • (3)へ を含める: 空集合はどの集合にも含まれますが、設問に「(1)のもとで」とあるため が前提です。
  • (2)で辺までの距離を見る: 三角形全体を円板が覆う条件は、円板の中心から最も遠い頂点で決まります。
  • (3)で頂点までの距離を見る: 円板が三角形から出ない条件は、中心から最も近い辺までの距離で決まります。
  • 重心Gを内心と思い込む: 式(7)の3距離は等しくありません。必ず各辺の直線まで計算します。
  • 距離と距離の平方を混ぜる: 半径は 、不等式へ代入しやすいのは です。
  • 頂点だけ、辺だけを調べて十分性を書かない: (2)では円板の凸性、(3)では3つの閉半平面の共通部分という事実が十分性を支えます。

独立検算

の状態 包含の確認
、ただし
辺AB・CAに接する円板 の上端を含む
辺AB・CAを越え、
頂点Aを境界に含む円板 の下端を含む
頂点Aを含まず、

この問題で押さえること:複数の点への距離の平方和は、平方完成すると重心を中心とする円板の式に変わる。「距離の平方和を見たら重心」を押さえよう。

前提単元と次に解く問題

教材について:解答・解説・ヒント・図は数強塾が独自に作成した非公式教材で、北海道大学が公表した公式解答・公式見解ではありません。問題の著作権は北海道大学に帰属し、出典を明示して掲載しています。

北大の良問 032

円板族の通過範囲を「すべての実数」の二次式へ|北大2008年文系第2問

動く円板を1枚ずつ描く必要はありません。(1)は中心から直線までの距離、(2)は「点が円板の外にある条件」をパラメータ の二次式にして、その最小値が正と翻訳します。「いかなる実数 に対しても」を、計算できる必要十分条件へ変えるのが核心です。

  • 北海道大学
  • 2008年度 前期日程
  • 数学(文系)第2問
  • 文系専用
  • 数学II 図形と方程式
  • 円板・通過範囲・判別式
  • 標準〜発展

問題

を定数とする。 平面上の点の集合 を次のように定める。

  1. となるような の値の範囲を求めよ。(ただし、 は空集合を表す。)
  2. いかなる実数 に対しても となるような点 の集合を求め、 平面上に図示せよ。

出典:北海道大学2008年度一般入試(前期日程)数学(文系学部)第2問。問題文の表記はウェブ表示用に一部調整しています。

段階別ヒント

ヒント1|まず を円板として読む

は中心 、半径 の閉円板です。 では半径0の1点になります。右辺は半径ではなく半径の2乗です。

ヒント2|円板と直線が交わらない条件

中心から直線 までの距離が、円板の半径より厳密に大きいときに限り、共通部分は空です。等しいときは接点が1つあります。

ヒント3|絶対値は両辺を2乗して外す

距離も半径も0以上なので、 は安全に2乗できます。最後は上に開く二次不等式です。

ヒント4|点 を固定し、 の式として見る

と置きます。 を、 と書けば、これは の上に開く二次式です。

ヒント5|「すべての 」を最小値へ翻訳する

上に開く二次式がすべての実数 で正であることは、その最小値が正であることと同値です。最小値が0なら、ある円板の境界に入るので不適です。

解答・解説

準備| の中心と半径

定義式から、 は中心 、半径

の閉円板です。絶対値を落として としてはいけません。

(1) 円板と直線が交わらない条件

直線 と書くと、中心 から までの距離は

閉円板と直線の共通部分が空であるための必要十分条件は、この距離が半径より大きいことです。両辺は0以上なので、安全に2乗できます。

端点 では円板と直線が接し、共通点を1つもつため含めません。

(1)の答:

(2) すべての円板の外にある点

を固定します。 は境界を含むので、 は距離平方について

です。分母を払った左辺と右辺の差を と置き、 について平方完成します。

先頭係数は です。したがって、式(4)がすべての実数 で成り立つための必要十分条件は、 における式(5)の最小値が正であることです。

十分性:式(6)が成り立てば、平方の項は0以上で最小値も正なので、すべての です。よって はどの にも入りません。

必要性:等号なら となり、 はその円板の境界に入ります。逆向きの不等号なら同じ となり、円板の内部に入ります。

(2)の答:

すべての円板の外にある点の領域 点マイナス1、0を頂点とし、2本の破線を境界とする上側と下側の開領域を青色で示す。破線の境界は領域に含まない。 x y −1 0 求める領域 求める領域 境界線 破線は含まない
青い上下2領域が答えです。境界 上では、ある に対して点が の境界に入るため、2本の破線は含みません。図は条件式から数強塾が独自に作成しています。

別解|直線への代入と円族の包絡線

(1) 直線上の1変数二次式

上では です。円板の左辺から右辺を引くと、

は、 上の全点で であることと同値です。よって最小値が正、すなわち となります。

(2) 境界を包絡線として求める

動く円の境界を と置きます。

を消去すると包絡線 が得られます。ただし、包絡線だけでは領域側や境界を含むかまでは決まりません。式(5)の最小値から

したがって、その補集合は です。包絡線で境界を予想し、最小値で向き・等号・必要十分性を確定します。

解法を思いつくための再現手順

  1. 集合を図形として読む。 の中心と半径を、絶対値を含めて確定する。
  2. (1)を距離で翻訳する。 「共通部分が空」を「中心と直線の距離が半径より大きい」と書く。
  3. 等号の意味を確認する。 距離と半径が等しいと接するため、厳密不等号にする。
  4. 絶対値を安全に外す。 両辺が0以上と確認して2乗し、二次不等式を解く。
  5. (2)では点Pを固定する。 を動かさず、 だけを変数として見る。
  6. 「すべて」を最小値にする。 とし、平方完成する。
  7. 必要性と十分性を分ける。 最小値が正なら全 で外、0以下なら最小化する で境界または内部に入ると示す。
  8. 最後に図へ戻す。 の上下2領域を塗り、等号の2直線を破線にする。

よくある誤り

  • 半径を とする: では負になります。半径は です。
  • (1)で「距離 半径」とする: 等号では接点があり、共通部分は空ではありません。
  • を「」で書く: は境界を含む閉円板なので、外側は厳密な「」です。
  • 「いかなるa」を「あるa」と取り違える: 二次式がどこかで正ではなく、最小値まで正であることが必要です。
  • 判別式 とする: 重解をもつと、ある で二次式が0になり円板境界へ入ります。
  • 包絡線だけで領域側を決める: 包絡線は境界候補です。最小値で向きと等号を確定します。
  • 図で境界を実線にする: 求める集合は厳密不等式なので、境界の2直線は含みません。

独立検算

対象 代入結果 判定
(1) 円板と直線は交わらない
(1) 円板と直線は交わる
(1) 円板と直線は交わらない
すべての円板の外
にも入る
円板境界に入るため除外

この問題で押さえること:「いかなる実数 t に対しても」は「t の二次式の最小値が正」へ翻訳できる。円板族の通過・非通過は、パラメータを主役にした二次式で処理することを押さえよう。

前提単元と次に解く問題

教材について:解答・解説・ヒント・図は数強塾が独自に作成した非公式教材で、北海道大学が公表した公式解答・公式見解ではありません。問題の著作権は北海道大学に帰属し、出典を明示して掲載しています。

北大の良問 035

3点を通る球面と直線の共有条件|北大2011年理系第3問

平面上の3点から円の中心を決める計算は、空間でもそのまま使えます。球面の中心の 座標を3点の条件で固定し、残る を、媒介変数 の二次方程式が実数解をもつ条件へ翻訳します。「共有点をもつ」「判別式が0以上」が核心です。

  • 北海道大学
  • 2011年度 前期日程
  • 数学(理系)第3問
  • 理系専用
  • 数学C 空間ベクトル・座標
  • 円・球面・媒介直線・判別式
  • 発展

問題

  1. 平面上の3点 , , を通る円の方程式を求めよ。
  2. 空間で、3点 , , を通り、中心が である球面を とする。また、直線

    とする。球面 と直線 が共有点をもつような の条件を求めよ。

出典:北海道大学2011年度一般入試(前期日程)数学(理系学部)第3問。問題文の表記はウェブ表示用に一部調整しています。

段階別ヒント

ヒント1|円は一般形から始める

原点を通る円は と置けます。点 を代入すれば、 の2本の一次方程式になります。

ヒント2|球面は中心と原点の条件を使う

中心が で原点を通るので、半径平方は です。球面の式を展開すると定数項が消えます。

ヒント3|3点の条件で を先に固定する

を球面の式へ代入してください。 は両点の 座標が0なので現れず、 だけの連立一次方程式になります。

ヒント4|直線の点を球面へ代入する

を代入すると、共有点の有無は の二次方程式が実数解をもつかどうかに言い換えられます。

ヒント5|接する端点を落とさない

判別式が0のときも実数の重解が1つあり、直線は球面に接します。「共有点をもつ」ので端点 は含みます。

解答・解説

(1) 3点を通る円

原点 を通る円の方程式を

と置きます。, を代入すると、

よって です。

(1)の答:

平方完成すれば、中心と半径平方は

と読めます。

(2) 球面の中心を3点の条件で絞る

球面 の半径を とします。原点を通るので

したがって球面の方程式は、展開すると

です。, を代入すると、

よって

直線との共有条件を判別式で調べる

直線 上の点 を式(6)へ代入し、式(8)を使うと、

球面 と直線 が共有点をもつための必要十分条件は、式(9)が実数解をもつことです。判別式を とすると、

したがって

等号では式(9)が実数の重解をもち、直線は球面に接するため、両端を含みます。

(2)の答:

別解|中心から直線までの距離で判定する

直線 は点 を通り、方向ベクトル をもちます。球面の中心は なので、点と直線の距離平方は

直線が球面と共有点をもつための必要十分条件は です。式(8), (13)から、

よって は式(11)と同じ条件です。正なら2共有点、0なら1接点、負なら共有点なしとなり、判別式の符号とも完全に対応します。

解法を思いつくための再現手順

  1. 原点を通る一般形を使う。 円では定数項、球面では半径に由来する定数項を消して未知数を減らす。
  2. 残る2点を代入する。 対称な連立一次方程式から、円の中心と球面中心の を決める。
  3. 球面の半径平方を残す。 として、平方根を取らずに扱う。
  4. 直線を媒介表示のまま代入する。 共有点の座標ではなく、媒介変数 の方程式を作る。
  5. 「共有点」を「実数解」へ翻訳する。 二次方程式の判別式が0以上という必要十分条件にする。
  6. 積の符号を解く。 の外側2区間を取り、端点を含める。
  7. 距離法で照合する。 中心と直線の距離を求め、半径以下という条件が同じ積になることを確認する。

よくある誤り

  • 球面の中心を に固定する: 3点が 上にあるため、中心の 座標 は自由に残ります。
  • 半径平方を とする: 球面の半径平方は平面円の半径平方に を足した です。
  • 直線の媒介変数 と中心の を混同する: は直線上の点を動かす変数、 は球面を選ぶパラメータです。
  • 判別式を とする: でも接点が1つあり、共有点をもちます。
  • 積が0以上の中央区間を選ぶ: 先頭係数が正なので、答えは2根の外側 または です。
  • 判別式だけ示して必要十分性を書かない: 直線上の全点が媒介表示で尽くされるため、実数解の存在と共有点の存在が同値です。

独立検算

判定
共有点を2つもつ
接点を1つもち、端点を含む
共有点をもたない
接点を1つもち、端点を含む
共有点を2つもつ

この問題で押さえること:直線と球面の共有点の個数は、直線の媒介表示を代入してできる二次方程式の判別式で決まる。「共有点をもつ ⟺ 判別式 ≧ 0」への翻訳を押さえよう。

前提単元と次に解く問題

教材について:解答・解説・ヒント・図は数強塾が独自に作成した非公式教材で、北海道大学が公表した公式解答・公式見解ではありません。問題の著作権は北海道大学に帰属し、出典を明示して掲載しています。

6. 次に読むページ

軌跡・通過範囲で手が止まる人へ

この単元でつまずく生徒のほとんどは、計算力ではなく「消去」と「存在条件」の違いを教わっていないだけです。数強塾では、軌跡の問題を解く前に「いま必要条件を出しているのか、必要十分なのか」を言わせるところから指導しています。オンラインの完全1対1で、プロ講師のみが担当します。

数強塾オリジナル 追加演習19問|19の型を、数字を変えてもう一度

上の19の型を、設定と数値を変えた自作問題で1問ずつ確かめます。この単元でやることは1つ、図形の言葉を式の言葉に翻訳することです。「どんな条件を式にしたのか」を言えないまま計算を始めないでください。

問1(型01 直線/なす角)

2直線 \(y=2x\)\(y=-3x\) のなす鋭角を求めよ。

解答

\(\tan\theta=\left|\dfrac{m_1-m_2}{1+m_1m_2}\right|=\left|\dfrac{2-(-3)}{1+2\cdot(-3)}\right|=\left|\dfrac{5}{-5}\right|=1\)

よって 45°

\(1+m_1m_2=0\) のときは垂直で、この公式は使えない(分母0)。0で割れないことがそのまま「垂直は別扱い」という形で現れる。)

問2(型02 直線/角の二等分線)

2直線 \(3x-4y=0\)\(5x+12y=0\) のなす角の二等分線の方程式をすべて求めよ。

解答

二等分線上の点は2直線から等距離にある。

\(\dfrac{|3x-4y|}{5}=\dfrac{|5x+12y|}{13}\) より \(13(3x-4y)=\pm5(5x+12y)\)

\(+\)\(39x-52y=25x+60y\)\(14x=112y\)\(x-8y=0\)

\(-\)\(39x-52y=-25x-60y\)\(64x=-8y\)\(8x+y=0\)

(傾きは \(\frac18\)\(-8\) で積が \(-1\)2本の二等分線は必ず垂直になる。これが検算になる。)

問3(型03 直線/定点通過)

\(k\) を実数とするとき、直線 \((2k+1)x+(k-1)y-5k-1=0\)\(k\) の値によらず定点を通る。その定点を求めよ。

解答

\(k\) について整理する。

\(k(2x+y-5)+(x-y-1)=0\)

これがすべての \(k\) で成り立つには、\(k\) の係数と定数項がともに0であればよい。

\(2x+y=5\)\(x-y=1\) を解いて \(x=2,\ y=1\)

定点は \((2,1)\)

「文字について整理して、係数を全部0にする」が定点問題の唯一の手。恒等式の考え方そのもの。検算:\(k=0\) なら \(x-y-1=0\)\(k=1\) なら \(3x-6=0\)。どちらも \((2,1)\) を通る。)

問4(型04 直線/折り返し(対称点))

\(\mathrm{A}(5,2)\) の、直線 \(x+y=4\) に関する対称点Bを求めよ。

解答

直線の法線方向は \((1,1)\)。A から法線方向に \(t\) 進んだ点 \((5+t,\ 2+t)\) が直線上にあるとすると

\((5+t)+(2+t)=4\) より \(2t=-3\)\(t=-\dfrac32\)。垂線の足は \(\left(\dfrac72,\dfrac12\right)\)

対称点は足をさらに同じだけ進んだ点なので \(t\) を2倍して

\(\mathrm{B}=(5-3,\ 2-3)=\) \((2,-1)\)

(検算:AとBの中点は \(\left(\frac72,\frac12\right)\) で直線上(\(3.5+0.5=4\))。また \(\overrightarrow{\mathrm{AB}}=(-3,-3)\) は法線 \((1,1)\) と平行。中点が線上・向きが法線方向、の2つを確認するのが対称点の検算。)

問5(型05 三角形の面積)

\(\mathrm{A}(1,1)\)\(\mathrm{B}(5,2)\)\(\mathrm{C}(2,6)\) を頂点とする三角形の面積を求めよ。

解答

A を原点に移して考える。\(\overrightarrow{\mathrm{AB}}=(4,1)\)\(\overrightarrow{\mathrm{AC}}=(1,5)\)

\(S=\dfrac12|4\cdot5-1\cdot1|=\dfrac12\cdot19=\) \(\dfrac{19}{2}\)

(この公式は「底辺×高さ÷2」を座標で書いたもの。絶対値を付け忘れると符号が付いてしまう。)

問6(型06 放物線/接線)

放物線 \(y=x^2-2x\) に、点 \((0,-4)\) から引いた接線をすべて求めよ。

解答

接点を \((t,\ t^2-2t)\) とおく。\(y\) より接線の傾きは \(2t-2\)

接線:\(y=(2t-2)(x-t)+t^2-2t=(2t-2)x-t^2\)

\((0,-4)\) を通るので \(-4=-t^2\)\(t=\pm2\)

\(t=2\)\(y=2x-4\) / \(t=-2\)\(y=-6x-4\)

接点を \(t\) と置くのが唯一の手。与えられた点の \(x\) 座標を微分に代入するのは誤り。詳しくは微分と接線の記事。)

問7(型07 弦の長さ)

\(x^2+y^2=25\) と直線 \(3x+4y=10\) が交わってできる弦の長さを求めよ。

解答

中心 \((0,0)\) から直線までの距離は \(d=\dfrac{|{-10}|}{\sqrt{3^2+4^2}}=\dfrac{10}{5}=2\)

半径 \(r=5\) なので、弦の半分は \(\sqrt{r^2-d^2}=\sqrt{25-4}=\sqrt{21}\)

弦の長さは \(2\sqrt{21}\)

中心から弦へ下ろした垂線は弦を二等分するので、半径・中心距離・弦の半分で直角三角形ができる。連立して解の差を出すより圧倒的に速い。)

問8(型08 円/中心と半径に集約する)

\(x^2+y^2-6x+8y-11=0\) はどんな図形か。中心と半径を求めよ。

解答

\(x,y\) それぞれで平方完成する。

\((x-3)^2-9+(y+4)^2-16-11=0\) より \((x-3)^2+(y+4)^2=36\)

中心 \((3,-4)\)、半径 6 の円。

(右辺が負なら図形は存在せず、0なら1点になる。平方完成した後の右辺の符号を必ず見る。)

問9(型09 2円の交点を通る図形)

2円 \(x^2+y^2=10\)\(x^2+y^2-4x-2y=0\) の交点を通る直線の方程式を求めよ。

解答

2式を引くと \(x^2,y^2\) が消える。

\((x^2+y^2-10)-(x^2+y^2-4x-2y)=4x+2y-10=0\)

よって \(2x+y=5\)

引くだけで2次の項が消えて直線になるのがこの型の要点。検算:交点を実際に求めると \((1,3)\)\((3,-1)\)。どちらも \(2x+y=5\) を満たす。)

問10(型10 円/接する条件)

直線 \(y=x+k\) が円 \(x^2+y^2=8\) に接するときの \(k\) の値を求めよ。

解答

接する \(\iff\) 中心から直線までの距離が半径に等しい。

直線を \(x-y+k=0\) と書くと \(\dfrac{|k|}{\sqrt2}=2\sqrt2\)、よって \(|k|=4\)\(k=\pm4\)

(判別式でも解けるが、円では距離を使うほうが速い。代入して \(2x^2+2kx+k^2-8=0\)\(D/4=k^2-2(k^2-8)=16-k^2=0\) でも \(k=\pm4\)。)

問11(型11 円と放物線)

放物線 \(y=x^2-2\) と円 \(x^2+y^2=4\) の共有点をすべて求めよ。

解答

\(x^2=y+2\) を円の式に代入する(\(x\) を消すのではなく \(x^2\) をまとめて消す)。

\((y+2)+y^2=4\) より \(y^2+y-2=0\)\((y+2)(y-1)=0\)\(y=-2,\ 1\)

\(y=-2\)\(x^2=0\) より \(x=0\)。点 \((0,-2)\)

\(y=1\)\(x^2=3\) より \(x=\pm\sqrt3\)。点 \((\pm\sqrt3,\ 1)\)

共有点は \((0,-2),\ (\sqrt3,1),\ (-\sqrt3,1)\) の3個。

\(x^2\ge0\) を満たさない \(y\) は捨てる。ここでは両方とも条件を満たした。共有点が3個になるのは、1つが接点だから。)

問12(型12 軌跡/パラメータを消去する)

\(t\) が実数全体を動くとき、点 \(\mathrm{P}(t+1,\ t^2-2t)\) の軌跡を求めよ。

解答

\(x=t+1\) より \(t=x-1\)。これを \(y\) に代入する。

\(y=(x-1)^2-2(x-1)=x^2-2x+1-2x+2=x^2-4x+3\)

\(t\) は実数全体を動くので \(x\) も実数全体。よって軌跡は 放物線 \(y=x^2-4x+3\) 全体

消去した後、残った文字の動く範囲を必ず調べる\(t\ge0\) などの制限があれば軌跡は一部だけになる。ここを書かない答案は減点される。)

問13(型13 軌跡/逆手流(アポロニウスの円))

2点 \(\mathrm{A}(-2,0)\)\(\mathrm{B}(4,0)\) からの距離の比が \(\mathrm{PA}:\mathrm{PB}=1:2\) である点Pの軌跡を求めよ。

解答

\(2\mathrm{PA}=\mathrm{PB}\) すなわち \(4\mathrm{PA}^2=\mathrm{PB}^2\)

\(4\{(x+2)^2+y^2\}=(x-4)^2+y^2\)

\(4x^2+16x+16+4y^2=x^2-8x+16+y^2\)

\(3x^2+3y^2+24x=0\)、両辺を3で割って \(x^2+y^2+8x=0\)

\((x+4)^2+y^2=16\)。中心 \((-4,0)\)、半径 4 の円。

(検算:原点は \(\mathrm{PA}=2,\ \mathrm{PB}=4\) で比 \(1:2\)。円上にある。距離は2乗して扱うと根号が消える。)

問14(型14 軌跡/反転)

点Qが直線 \(x=1\) 上を動く。半直線OQ上に \(\mathrm{OP}\cdot\mathrm{OQ}=4\) となる点Pをとるとき、Pの軌跡を求めよ(Oは原点)。

解答

\(\mathrm{Q}(1,t)\) とすると \(\mathrm{OQ}^2=1+t^2\)。P は \(\overrightarrow{\mathrm{OQ}}\) と同じ向きで \(\mathrm{OP}=\dfrac{4}{\mathrm{OQ}}\) だから

\(\mathrm{P}=\dfrac{4}{\mathrm{OQ}^2}\,(1,t)=\left(\dfrac{4}{1+t^2},\ \dfrac{4t}{1+t^2}\right)\)

\(x=\dfrac{4}{1+t^2}\)\(y=\dfrac{4t}{1+t^2}\) より \(t=\dfrac{y}{x}\)\(x\ne0\))。

代入して \(x=\dfrac{4}{1+\frac{y^2}{x^2}}=\dfrac{4x^2}{x^2+y^2}\)、よって \(x^2+y^2=4x\)

\((x-2)^2+y^2=4\)(ただし原点を除く)。中心 \((2,0)\)、半径2の円。

直線が円に化けるのが反転の面白さ。原点を除くのは、\(\mathrm{OP}\cdot\mathrm{OQ}=4\) を満たす P が原点になれないため。)

問15(型15 通過範囲/逆手流)

\(t\) が実数全体を動くとき、直線 \(y=2tx-t^2\) が通過する領域を求めよ。

解答

\((X,Y)\) を通る \(\iff\) \(Y=2tX-t^2\) を満たす実数 \(t\) が存在する

\(t\) について整理すると \(t^2-2Xt+Y=0\)

実数解をもつ条件は \(\dfrac{D}{4}=X^2-Y\ge0\)、すなわち \(Y\le X^2\)

通過範囲は \(y\le x^2\)(放物線 \(y=x^2\) とその下側)。

「通る」を「その \(t\) が存在する」に読みかえるのが逆手流。この直線族は \(y=x^2\) の接線全体で、境界が接する放物線になる。)

問16(型16 通過範囲/範囲つきの場合)

\(0\le t\le1\) のとき、直線 \(y=t(x+1)\) が通過する領域を求めよ。

解答

\(x+1\) の符号で分ける。

\(x>-1\)\(t\) が0から1へ動くと \(y\) は0から \(x+1\) まで動く。よって \(0\le y\le x+1\)

\(x<-1\)\(x+1<0\) なので向きが逆になり \(x+1\le y\le0\)

\(x=-1\)\(y=0\) のみ。

まとめると、原点と点 \((x,x+1)\) を結ぶ帯状の領域。具体的には \(x>-1\) では \(0\le y\le x+1\)\(x<-1\) では \(x+1\le y\le0\)\(x=-1\) では \(y=0\)

\(t\) に範囲があると、掛かる量の符号で場合分けが要る\(x\) を固定して \(t\) の関数として値域を見る、というのが「ファクシミリの原理」。)

問17(型17 線形計画法)

\(x\ge0,\ y\ge0,\ x+2y\le8,\ 3x+y\le9\) のとき、\(2x+3y\) の最大値を求めよ。

解答

領域は4つの直線で囲まれた凸多角形。頂点を求める。

\((0,0)\)\((3,0)\)\((0,4)\)、および \(x+2y=8\)\(3x+y=9\) の交点。

交点:\(y=9-3x\) を代入して \(x+18-6x=8\)\(x=2\)\(y=3\)。点 \((2,3)\)

各頂点での \(2x+3y\)\(0,\ 6,\ 12,\ 13\)

最大値は 13\(x=2,\ y=3\) のとき)。

1次式の最大最小は必ず頂点でとる。領域の内部に候補はないので、頂点だけ調べればよい。)

問18(型18 線形計画法/文字定数入り)

問17と同じ領域で、\(a>0\) のとき \(ax+y\) を最大にする点を \(a\) の値で分類せよ。

解答

頂点での値は \((0,0)\rightarrow0\)\((3,0)\rightarrow3a\)\((2,3)\rightarrow2a+3\)\((0,4)\rightarrow4\)

\(3a\)\(2a+3\)\(3a>2a+3\iff a>3\)

\(2a+3\)\(4\)\(2a+3>4\iff a>\dfrac12\)

したがって

  • \(0<a<\dfrac12\)\((0,4)\) で最大(値4)
  • \(\dfrac12<a<3\)\((2,3)\) で最大(値 \(2a+3\)
  • \(a>3\)\((3,0)\) で最大(値 \(3a\)
  • \(a=\dfrac12\)\((0,4)\)\((2,3)\)\(a=3\)\((2,3)\)\((3,0)\) の両方

\(a\) は直線 \(ax+y=k\) の傾き \(-a\) を決める。傾きが辺の傾きと一致する瞬間に、最大点が隣の頂点へ移る。検算:\(a=1\) なら \(0,3,5,4\)\((2,3)\)。合う。)

問19(型19 図形量と見る)

\(x^2+y^2=1\) を満たす実数 \(x,y\) について、\(x+y\) の最大値と最小値を求めよ。

解答

\(x+y=k\) と置くと、これは直線。円と共有点をもつ \(k\) の範囲を求めればよい。

中心 \((0,0)\) から直線 \(x+y-k=0\) までの距離は \(\dfrac{|k|}{\sqrt2}\)。これが半径1以下であればよい。

\(\dfrac{|k|}{\sqrt2}\le1\) より \(|k|\le\sqrt2\)

最大値 \(\sqrt2\)、最小値 \(-\sqrt2\)

(別解:\(x=\cos\theta,\ y=\sin\theta\) と置くと \(x+y=\sqrt2\sin\left(\theta+\dfrac\pi4\right)\) で同じ結論。「式の値」を「直線が円に接する条件」に翻訳するのがこの型。)

「なぜその式でよいのか」を理由から確かめる

この単元をもっと解く

上の19問はすべて数強塾が作成した自作問題です。実在の入試問題の再現ではありません。

📝 この型が実際に出た入試問題(43問のうち24問を掲載)

「図形と方程式(座標)」の型が実際の入試でどう出たかを、数強塾が全問解説を公開している年度から拾いました。各行の「解説を読む」から、その問題の解説へ直接移動できます。型を読んだあとに実出題で当てると、どこまで通用する判断なのかがはっきりします。

大学・年度 出題テーマ 難易度 解説
同志社大学 2025年度 〔Ⅲ〕【記述式】絶対値を含む不等式の領域と、面積の最大最小 解説を読む
同志社大学 2025年度 〔Ⅲ〕【記述式】原点から円に引いた2接線——接点を結ぶ直線(極線)と調和平均 やや難 解説を読む
明治大学 2025年度 〔Ⅲ〕 円と直交条件の図形総合 やや難 解説を読む
法政大学 2025年度 〔Ⅲ〕【記述】円と放物線が囲む面積 やや難 解説を読む
関西大学 2025年度 〔Ⅰ〕【記述式】「共有点が0または1」を判別式で領域に翻訳する やや難 解説を読む
関西大学 2025年度 〔Ⅱ〕2円の交わりと交線(引き算で1次式にする) やや難 解説を読む
関西大学 2025年度 〔Ⅰ〕【記述式】2つの円で決まる領域と の最大最小 やや難 解説を読む
関西学院大学 2025年度 円と直線・線分が領域内にある条件 標準 解説を読む
学習院大学 2024年度 絶対値で表した領域の包含条件 やや難 解説を読む
明治大学 2024年度 〔Ⅲ〕放物線上の点から、直線 と鉛直線 までの距離が等しくなる点 やや難 解説を読む
学習院大学 2023年度 台形を原点からの 2 直線で 3 等分する 標準 解説を読む
立教大学 2023年度 放物線の接線と垂線から対称点と面積へ やや難 解説を読む
関西学院大学 2023年度 円と直線・領域/等差数列と余りの数列 やや難 解説を読む
関西学院大学 2023年度 x軸と直線に接する円・三角形の内接円と外接円 やや難 解説を読む
埼玉大学 2019年度 円の接線と直角三角形の面積 標準 解説を読む
奈良女子大学 2019年度 (理学部) 円の極線と正三角形 標準 解説を読む
一橋大学 2012年度 放物線が自分自身に移る1次変換 標準 解説を読む
一橋大学 2009年度 放物線が 2 つの円と共有点をもつ条件(頂点の存在領域) 解説を読む
東邦大学(数学) 2024年度 問6(円と領域の包含) 解説を読む
慶應義塾大学(数学) 2023年度 第4問(図形と方程式:極座標と円) 解説を読む
慶應義塾大学(数学) 2022年度 第3問(図形:回転移動と円の転がり) 解説を読む
日本大学(数学) 2021年度 第3問(図形と方程式) 解説を読む
昭和大学(数学) 2021年度 大問1 円の折り返し 解説を読む
自治医科大学(数学) 2021年度 問7(図形と方程式・垂直二等分線) 解説を読む

難易度は数強塾の見立てです(「—」は難易度を掲載していない年度)。大学別の年度一覧と出題傾向は過去問解説の総索引から、この型の全体像は解法パターン事典のハブから確認できます。

数強塾オリジナル・図形と方程式発展

媒介変数は消すだけでは足りない|存在条件から通過範囲と包絡線へ

文字 を消去した後に「その は実在するか」を確認するのが軌跡・通過範囲の核心です。円の族を題材に、必要条件、十分条件、境界、通過回数を1本の論理で整理します。

難度:最難関大目安:55分独自問題3題独自SVG教材版 XB71-G1

到達目標

  • 媒介変数消去を「点を固定して、実数パラメータの存在を問う」形へ翻訳できる。
  • 判別式の等号を包絡線、符号を通過回数として幾何的に読める。
  • 必要条件を出した後、条件を満たす点からパラメータを復元して十分性を確認できる。

新作問題|動く円が通過する点をすべて求める

Original Problem 1

実数 に対し、円

で定める。

  1. の中心の軌跡と半径を求めよ。
  2. を通る の個数を、 の位置に応じて分類せよ。
  3. が全実数を動くとき、円周 のいずれかが通過する領域と、その境界を求めよ。

Step 1|幾何から予想する

中心は なので直線 上を動き、半径は常に2です。したがって、中心の直線から距離2以内の帯が答えだと予想できます。ただし、予想だけでは「帯の各点を本当にどれかの円周が通る」ことを証明していません。

直線上を動く中心と半径2の円が作る帯状領域 中心が直線2x+y=0上を動く半径2の円の族。通過範囲は平行な2直線に挟まれた帯で、内部の点には2つ、境界には1つの円が対応する。 P(2円の交点) 中心 2x+y=2√5 2x+y=-2√5 中心の軌跡 2x+y=0
独自図版:内部の点を通る円は2個、境界上では接する1個、帯の外では0個です。

Step 2|点を固定して の二次方程式にする

上にある条件を について整理すると

です。実数 が存在する必要十分条件は判別式が0以上であることです。

よって通過範囲は

答え

  • :判別式が正、通る円は2個。
  • :重解、通る円は1個。境界線が包絡線。
  • :実数 がなく、通る円は0個。

Step 3|十分性を言葉で閉じる

を満たす任意の点 では、上の の二次方程式が少なくとも1つの実数解を持ちます。その解を とすれば、元の式へ戻して 。したがって条件は必要なだけでなく十分です。

誤答診断

  • を消して式だけ出す:消去後の点から実数 を戻せるか未確認です。
  • 円の中心の軌跡を答える:求めるのは中心ではなく、円周のどれかが通る点です。
  • だけ:それは領域全体ではなく、円族の包絡線だけです。

新作問題2|動く弦の中点と弦長を同時に追う

Original Problem 2

の内部の点 を通る直線と円との2交点を 、弦 の中点を とする。直線が を通るすべての向きに動くとき、次を求めよ。

  1. の軌跡。
  2. 弦長 の最大値と最小値。

円の中心を とします。 のとき、弦の中点への線分は弦に垂直で、 は弦上にあるので

です。したがって となり、 は線分 を直径とする円上を動きます。逆に、その円周上の では直線 に垂直なので、 を中点とする弦が一意に作れます。端点 は直線 が作る直径、 を通り に垂直な直線が作る弦で、それぞれ実現します。

答え

軌跡は を直径の両端とする円、すなわち

です。また より、最大値は 、最小値は です。

確認問題|中心の直線が変わったら

Original Problem 3

実数 に対し で表される円の族を考える。いずれかの円周が通過する領域を求めよ。

ヒント

中心 は直線 上を動き、半径は3です。

解答

点から中心線までの距離が3以下なので、。したがって です。判別式で計算しても同じ結果になります。

教材企画・編集責任:。円族、係数、独自図版、必要十分条件の証明は本教材専用に独立制作し、判別式と距離公式の両方で検算しています。

権利表示:数強塾オリジナル教材。原資料は学習論点の確認に用い、公開する問題設定・数値・解答・図版・説明は数強塾が新規制作しました。特定の書籍・過去問の転載または数値のみの改変ではなく、公式監修教材でもありません。

要点辞典この単元の公式・定石・つまずきやすい所は 数学II・B・Cの要点辞典:図形と方程式 にまとめてあります。

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