中学2年生の図形「多角形の角」と「合同」を、41問でひととおり終わらせるためのページです。公式の作り方からはじめて、へこんだ多角形・角の二等分線・合同の証明の入口まで、やさしい順に並べました。問題のすぐ下に答えと解説があるので、塾に通っていなくても、このページだけで進められます。図はすべて数強塾で角度データから作図したオリジナルです。
このページの進め方
上から順に読んでください。1問ずつ、まず自分で解いてから答えを見るのがいちばん力になります。ノートと鉛筆を用意して、図をまねして描いてみるとさらに効果的です。
STEP5(へこんだ多角形)とSTEP6(角の二等分線)が2つの山場です。ここで止まったら、STEP1とSTEP2に戻ってください。実はこの2つのステップの道具しか使っていません。
つまずき別・どこに戻ればいいか
いま解けなくて困っているなら、まずこの表を見てください。「どんな間違いをしたか」から、戻るべき場所がわかります。最初から全部やり直す必要はありません。
| こんな間違いをした | 本当の原因 | 戻る場所 |
|---|---|---|
| 内角の和の公式が思い出せない | 三角形への分け方を覚えていない | STEP1・問1 |
| 「正n角形の1つの内角」で止まる | 外角に移す発想がない | STEP2・問7 |
| 図の数字をぜんぶそのまま足した | 内角と外角を見分けていない | STEP4・問16 |
| へこんだ角を 180°−x にしてしまう | 1点のまわり 360° を忘れている | STEP5・問18 |
| 180°より大きい角の扱いで迷う | 書かれた数字が内角かどうかを確認していない | STEP5・問23 |
| 二等分線の問題で手が止まる | 角を1つずつ求めようとしている | STEP6・問25 |
| 複雑な図でどこを見ればよいか分からない | 名前のついていない図形を探していない | STEP6・問27 |
| 合同の対応する頂点が書けない | 記号の順番がそのまま対応表だと知らない | STEP9・問33 |
| 合同条件のどれを使うか迷う | 「その間の角」かどうかを確認していない | STEP9・問36 |
まず覚える6つの原則
このページで使う道具は、たったこれだけです。新しい公式はもう出てきません。
大切なのは、この6つをいつ使うかを見分けることです。とくに、へこんだ頂点で「原則5(1点のまわり 360°)」を思い出せるかどうかで、正答率が大きく変わります。
STEP1 多角形の内角の和をつくる
最初のステップは、公式を「覚える」のではなく「作れる」ようにすることです。ここが固まると、あとの問題はほとんど同じ道具で解けます。
このステップのゴール:180°×(n−2) がどこから来たのかを説明できる
六角形の内角の和を求めなさい。
答え720°
解説
六角形の1つの頂点から、対角線をひいてみます。
すると六角形は三角形4個に分かれます。
三角形1個の内角の和は 180° ですから、
180° × 4 = 720°
これが六角形の内角の和です。
同じように考えると、n角形は (n−2) 個の三角形に分かれます。だから、
n角形の内角の和 = 180° × (n − 2)
公式を丸暗記するより、「三角形が (n−2) 個できる」と覚えるほうが、忘れたときに自分で作り直せます。
内角の和が 720° になる多角形は、何角形ですか。
答え六角形
解説
求めたいものを n(角形)とおいて、公式にあてはめます。
180 × (n − 2) = 720
両辺を 180 でわると、
n − 2 = 4
したがって n = 6、つまり六角形です。
180 でわるのがコツです。いきなり展開して 180n − 360 = 720 としても解けますが、先にわったほうが計算が軽くなります。
内角の和が 1260° になる多角形は、何角形ですか。
答え九角形
解説
180 × (n − 2) = 1260n − 2 = 1260 ÷ 180 = 7
したがって n = 9、九角形です。
内角の和が 2700° になる多角形は、何角形ですか。
答え十七角形
解説
180 × (n − 2) = 2700n − 2 = 2700 ÷ 180 = 15
したがって n = 17、十七角形です。
2700 ÷ 180 は、両方を 10 でわって 270 ÷ 18 = 15 と考えると暗算できます。
内角の和が 4500° になる多角形は、何角形ですか。
答え二十七角形
解説
180 × (n − 2) = 4500n − 2 = 4500 ÷ 180 = 25
したがって n = 27、二十七角形です。
ここまでの4問は、すべて同じ1本の式に数を入れただけです。数が大きくなっても、やることは変わりません。
STEP2 外角の和は、いつでも 360°
内角とセットで覚えたいのが外角です。「何角形でも 360°」という性質は、正多角形の問題を一瞬で終わらせます。
このステップのゴール:内角と外角を行き来できる
1つの外角が 15° である正多角形は、何角形ですか。
答え正二十四角形
解説
外角の和は、何角形であっても 360° です。
正多角形では外角がすべて同じ大きさなので、外角の個数は、
360 ÷ 15 = 24
外角の個数 = 頂点の個数ですから、正二十四角形です。
なぜ外角の和が 360° なのかは、この下の問10で確かめます。
1つの内角が 140° である正多角形は、何角形ですか。
答え正九角形
解説
内角から直接考えると 180(n−2)÷n = 140 という分数の式になり、少し面倒です。
そこでいったん外角に移します。内角と外角は一直線上にならぶので、
外角 = 180 − 140 = 40°
外角の和は 360° なので、
360 ÷ 40 = 9
よって 正九角形です。
「内角で困ったら外角に逃げる」。これは今後ずっと使える発想です。
内角の和が 2340° である正多角形の、1つの内角の大きさを求めなさい。
答え156°
解説
まず何角形かを求めます。
180 × (n − 2) = 2340 → n − 2 = 13 → n = 15
正十五角形とわかりました。正多角形の内角はすべて等しいので、和を頂点の数でわります。
2340 ÷ 15 = 156
したがって 1つの内角は 156° です。
検算しておきましょう。外角は 180 − 156 = 24°、360 ÷ 24 = 15 で、たしかに十五角形になります。
1つの内角が 160° である正多角形の、内角の和を求めなさい。
答え2880°
解説
ここでも外角に移します。
外角 = 180 − 160 = 20°360 ÷ 20 = 18
正十八角形です。内角の和は、
180 × (18 − 2) = 180 × 16 = 2880
よって 2880° です。
「内角 → 外角 → 何角形 → 内角の和」という順に進むと、迷いません。
正十一角形について、各頂点の外角を1つずつとります。この11個の外角の和を求めなさい。
答え360°
解説
答えは 360° です。個数が11個であることは関係ありません。
理由は、多角形の辺にそってぐるっと一周歩くと考えるとわかります。
頂点に着くたびに、外角のぶんだけ向きを変えます。そして出発点にもどったとき、体の向きも最初と同じになっています。
つまり、向きの変化を全部たすと、ちょうど1回転です。
外角の和 = 360°
三角形でも、四角形でも、十一角形でも、百角形でも同じです。
STEP3 公式を逆から使う・式を立てる
ここからは「わからないものを x や n とおいて式にする」練習です。図がなくても、文章を式に直せれば解けます。
このステップのゴール:文章の条件をそのまま等式にできる
内角の和が、外角の和の3倍である多角形は何角形ですか。
答え八角形
解説
外角の和は、何角形でも 360° です。ここが出発点になります。
内角の和はその3倍なので、
360 × 3 = 1080°
あとはいつもの式です。
180 × (n − 2) = 1080 → n − 2 = 6 → n = 8
よって 八角形です。
「外角の和はいつも 360°」という一定の値があるおかげで、3倍という条件がすぐ数字になりました。
1つの内角が、1つの外角より 140° 大きい正多角形は何角形ですか。
答え正十八角形
解説
外角を x° とおきます。内角は外角より 140° 大きいので (x + 140)° です。
内角と外角は一直線上にならぶので、たすと 180° になります。
x + (x + 140) = 1802x = 40 → x = 20
外角が 20° なので、
360 ÷ 20 = 18
よって 正十八角形です。
内角のほうを x とおいても解けますが、外角を x とおくほうが数が小さくてラクです。
1つの頂点から 21 本の対角線がひける正多角形の、1つの外角の大きさを求めなさい。
答え15°
解説
n角形の1つの頂点から対角線をひくとき、結べない頂点が3つあります。自分自身と、両どなりの2つです。
1つの頂点から引ける対角線 = n − 3 本
したがって、
n − 3 = 21 → n = 24
正二十四角形なので、1つの外角は、
360 ÷ 24 = 15
よって 15° です。
ある n 角形の内角の和が、それより辺の数が4つ少ない多角形の内角の和の2倍になっています。n を求めなさい。
答えn = 10
解説
n角形の内角の和は 180(n − 2) です。
辺の数が4つ少ない多角形は (n − 4) 角形なので、その内角の和は、
180{(n − 4) − 2} = 180(n − 6)
「2倍である」という条件を式にします。
180(n − 2) = 2 × 180(n − 6)
両辺を 180 でわると、
n − 2 = 2(n − 6) = 2n − 12n = 10
確かめます。十角形の内角の和は 180×8 = 1440°、六角形は 180×4 = 720°。たしかに2倍です。
ここでのポイントは、(n − 4) 角形の内角の和を 180(n − 4 − 2) と、公式の n の場所に (n − 4) をそのまま入れることです。
STEP4 図から角を求める(へこんでいない多角形)
ここから図が登場します。大事なのは計算ではなく、図に書かれた数字が内角なのか外角なのかを見分けることです。
このステップのゴール:内角と外角を取りちがえない
図の五角形について、x の大きさを求めなさい。
答えx = 98°
解説
まず何角形かを数えます。五角形なので内角の和は、
180 × (5 − 2) = 540°
図の5つの数字はすべて内角です。そのまま全部たして 540° になります。
110 + 126 + 107 + 99 + x = 540442 + x = 540x = 98
よって x = 98° です。
図の五角形について、x の大きさを求めなさい。点線は辺を延長した線で、75°・84°・63°・x は外角です。
答えx = 78°
解説
この問題のわなは、図の数字の4つが外角、1つだけが内角という点です。
そろえないと足せないので、外角をすべて内角に直します。
180 − 75 = 105 / 180 − 84 = 96 / 180 − 63 = 117
x の頂点の内角は (180 − x)° です。内角の和は 540° なので、
105 + 96 + 117 + 120 + (180 − x) = 540618 − x = 540x = 78
よって x = 78° です。
別の解き方もあります。内角 120° を外角 60° に直して、外角の和 360° を使う方法です。
75 + 84 + 63 + 60 + x = 360 → x = 78
どちらでも構いません。「内角にそろえる」か「外角にそろえる」か、そろえることが大事です。
図の六角形について、x の大きさを求めなさい。53°・66°・57° は外角、108°・116°・x は内角です。
答えx = 132°
解説
六角形なので内角の和は、
180 × (6 − 2) = 720°
外角を内角に直します。
180 − 53 = 127 / 180 − 66 = 114 / 180 − 57 = 123
内角を全部たすと 720° です。
127 + 114 + 123 + 108 + 116 + x = 720588 + x = 720x = 132
よって x = 132° です。
STEP5 へこんだ多角形(凹多角形)
多くの中学生がつまずくのがここです。つまずく原因はたった1つで、へこんだ頂点の内角を 180°−x としてしまうことです。正しくは 360°−x です。
このステップのゴール:凹んだ頂点で 360° − x が反射的に出てくる
図の五角形について、x の大きさを求めなさい。x は、へこんだ頂点の外側についた小さい角です。
答えx = 140°
解説
まず、図の x が内角ではないことを確認してください。
へこんだ頂点では、多角形の内側の角が 180° より大きくなっています。x はその外側に残った角です。1点のまわりは 360° なので、
この頂点の内角 = 360° − x
ここさえ押さえれば、あとはいつもどおりです。五角形の内角の和は 540° なので、
90 + 120 + 40 + 70 + (360 − x) = 540680 − x = 540x = 140
よって x = 140° です。
確かめます。内角は 360 − 140 = 220°。90 + 120 + 40 + 70 + 220 = 540 で、ぴったり合います。
図の五角形について、x の大きさを求めなさい。
答えx = 130°
解説
やることは前の問題とまったく同じです。
95 + 115 + 40 + 60 + (360 − x) = 540670 − x = 540x = 130
よって x = 130° です。
同じ形の式が続いています。凹多角形は「1か所だけ 360° − x に置きかえる」というルールを1つ足しただけで、公式そのものは何も変わりません。
図の五角形について、x の大きさを求めなさい。
答えx = 112°
解説
72 + 63 + 77 + 80 + (360 − x) = 540652 − x = 540x = 112
よって x = 112° です。
3問続けて解けたなら、この形はもう身についています。
図の六角形について、x の大きさを求めなさい。105° は、へこんだ頂点の外側の角です。
答えx = 115°
解説
六角形なので内角の和は 720° です。
105° は外側の角なので、その頂点の内角は、
360 − 105 = 255°
これで6つの内角がそろいました。
63 + 111 + x + 126 + 50 + 255 = 720605 + x = 720x = 115
よって x = 115° です。
図の六角形について、x の大きさを求めなさい。124° と 118° は、それぞれへこんだ頂点の外側の角です。
答えx = 38°
解説
へこみが2か所あっても、考え方は増えません。それぞれを内角に直すだけです。
360 − 124 = 236° / 360 − 118 = 242°
六角形の内角の和 720° を使います。
x + 103 + 71 + 236 + 30 + 242 = 720x + 682 = 720x = 38
よって x = 38° です。
図の六角形について、x の大きさを求めなさい。123° は外側の角、230° は内角です。
答えx = 42°
解説
ここは1つずつ書かれ方がちがうので、よく読む必要があります。
123° は外側の角なので、内角に直します。
360 − 123 = 237°
230° のほうははじめから内角なので、そのまま使います。ここで 360 − 230 としてしまうのがいちばん多い失敗です。
84 + x + 237 + 77 + 50 + 230 = 720678 + x = 720x = 42
よって x = 42° です。
180° より大きい数字が書いてあったら、それはもう内角です。180° より小さければ、外側の角を疑ってください。
図の六角形について、x の大きさを求めなさい。234° は内角、110° は外側の角です。
答えx = 37°
解説
234° はそのまま内角。110° は外側の角なので直します。
360 − 110 = 250°51 + 83 + 65 + 234 + x + 250 = 720683 + x = 720x = 37
よって x = 37° です。
凹多角形はここまでの7問で完成です。「180° より大きいか小さいか」を毎回確認する、それだけです。
STEP6 角の二等分線
ここからが本番です。コツは、1つ1つの角を求めようとしないこと。必要なのは「和」だけ、という場面がとても多いのです。
このステップのゴール:個別に求めず、和のまま処理する
図の四角形で、上の2つの角は 95° と 115° です。下の2つの角をそれぞれ二等分する線をひき、その交点にできる角を x とします。x の大きさを求めなさい。
答えx = 105°
解説
下の左の角を 2a、右の角を 2b とおきます(二等分するので2でわりやすい形にします)。
四角形の内角の和は 360° なので、
95 + 115 + 2a + 2b = 3602a + 2b = 150
両辺を2でわると、
a + b = 75
ここが山場です。a と b をそれぞれ求める必要はありません。実際、下の2つの角が 70° と 80° でも、60° と 90° でも、答えは変わりません。
真ん中にできる三角形に注目します。この三角形の3つの角は a、b、x なので、
a + b + x = 18075 + x = 180x = 105
よって x = 105° です。
図の五角形で、3つの内角は 116°・121°・113° です。残り2つの頂点の外角をそれぞれ二等分した2本の線が交わってできる角を x とします。x の大きさを求めなさい。
答えx = 95°
解説
残り2つの内角を A、B とおきます。五角形の内角の和は 540° なので、
A + B + 116 + 121 + 113 = 540A + B = 190
この2頂点の外角は、それぞれ (180 − A)° と (180 − B)° です。二等分するので、下にできる三角形の2つの角は、
(180 − A) ÷ 2 と (180 − B) ÷ 2
この2つをたします。
(180 − A)/2 + (180 − B)/2 = 180 − (A + B)/2 = 180 − 95 = 85°
三角形の内角の和は 180° なので、
x = 180 − 85 = 95
よって x = 95° です。
ここでも A と B を別々に求めていません。(A + B)/2 = 95 という形で、和のまま半分にしています。
四角形 ABCD で、BF は ∠ABC の二等分線で、辺 AD と点 F で交わっています。また ∠ADC の二等分線が BF と交わる点を E とします。∠BAD = 68°、∠BCD = 82° のとき、∠DEF の大きさを求めなさい。
答え∠DEF = 7°
解説
∠ABC = B、∠ADC = D とおきます。四角形の内角の和は 360° なので、
68 + B + 82 + D = 360B + D = 210
ここでも B と D は別々に決まりません。決まらなくても解けます。
つぎにどの図形を見るかを決めます。ここが核心です。見るのは四角形 BCDE です。
二等分線なので ∠EBC = B/2、∠CDE = D/2 です。四角形 BCDE の内角の和は 360° なので、
B/2 + 82 + D/2 + ∠BED = 360
B/2 + D/2 = (B + D)/2 = 105 なので、
105 + 82 + ∠BED = 360∠BED = 173°
点 B、E、F は一直線上にあるので、
∠DEF = 180 − 173 = 7
よって ∠DEF = 7° です。
式そのものはやさしいのに難しく感じるのは、「四角形 BCDE を見る」と気づくまでに時間がかかるからです。複雑な図では、まだ名前のついていない図形を自分で見つけにいきましょう。
STEP7 1つずつ求めない — 和で考える
角度の問題は「全部の角を求める問題」ではありません。必要な情報だけを取り出す練習をします。
このステップのゴール:求めなくてよいものを見きわめる
図のように、2つの三角形が重なっています。赤い印をつけた6つのとがった角の和を求めなさい。
答え360°
解説
1つ1つの角の大きさは、この図だけでは決まりません。決めなくても和は決まります。
印のついた6つの角をよく見ると、3つは一方の三角形の内角、残り3つはもう一方の三角形の内角です。
三角形1個の内角の和は 180° ですから、
180 + 180 = 360
よって 360° です。
「角を1つずつ求める」のではなく「180°のかたまりを見つける」。これが角の和の問題の共通したコツです。
似た形の図では、対頂角が等しいことを使って離れた角を三角形の内角として組み直すこともあります。どちらにしても、ゴールは 180° のかたまりを作ることです。
内角の大きさがすべて等しい六角形 ABCDEF について、向かい合う辺が平行であることを証明しなさい。
答えAB ∥ DE、BC ∥ EF、CD ∥ FA
解説
[証明]
六角形の内角の和は、
180° × (6 − 2) = 720°
内角はすべて等しいから、1つの内角は、
720° ÷ 6 = 120°
したがって、各頂点における外角は、
180° − 120° = 60°
辺 AB から辺 DE まで、辺にそって進むことを考える。途中の頂点 B、C、D の3か所で、それぞれ 60° ずつ向きが変わるから、向きの変化の合計は、
60° + 60° + 60° = 180°
向きが 180° 変わるということは、進む向きがちょうど逆向きになるということである。逆向きの直線どうしは同じ方向をもつから、
AB ∥ DE
同様にして、BC ∥ EF、CD ∥ FA も成り立つ。[証明終わり]
証明問題では、答えを出すことより「なぜそう言えるのか」を順番に書くことが採点の対象です。ここでは「内角の和 → 1つの内角 → 外角 → 向きの変化」という順に並べました。
STEP8 文字を含む角度
図に a、b、c と書いてあっても、それが内角とはかぎりません。最後は、この見分けが試されます。
このステップのゴール:図の文字と多角形の内角を区別する
図の四角形で、1つの内角は 75°、ほかの3つの頂点の外角がそれぞれ a、b、c です。b = 2a、c = b + 15° であるとき、a、b、c の大きさを求めなさい。
答えa = 48°、b = 96°、c = 111°
解説
いちばん大事な確認からです。a、b、c は内角ではなく外角です。点線は辺を延長した線ですね。
外角の和は、何角形でも 360° です。75° の頂点の外角は 180 − 75 = 105° なので、
105 + a + b + c = 360a + b + c = 255
つぎに、条件を a だけの式にそろえます。
b = 2ac = b + 15 = 2a + 15
代入します。
a + 2a + (2a + 15) = 2555a + 15 = 255 → 5a = 240 → a = 48
したがって、
b = 2 × 48 = 96 / c = 96 + 15 = 111
確かめます。105 + 48 + 96 + 111 = 360 で合っています。
内角の側から解くこともできます。内角は 75°、180−a、180−b、180−c なので、
75 + (180−a) + (180−b) + (180−c) = 360 → a + b + c = 255
同じ式にたどり着きました。どちらから入っても構いません。
図の四角形で、2つの内角は 96° と 111°、1つの頂点の外角は 70° です。残りの内角 x の大きさを求めなさい。
答えx = 43°
解説
外角の 70° を内角に直します。
180 − 70 = 110°
これで4つの内角がそろいました。四角形の内角の和は 360° なので、
96 + 111 + 110 + x = 360317 + x = 360x = 43
よって x = 43° です。
この2問で伝えたいことは1つだけです。
図に書かれた角と、多角形の内角は、同じとはかぎらない。
STEP9 合同
後半は合同です。角度の計算と切りはなさず、「対応」という考え方を軸に整理していきます。証明の書き方まで進みたい人は、このステップのあとに三角形の合同条件と証明へ進んでください。
このステップのゴール:対応する頂点・辺・角を言葉で説明できる
方眼の上に4つの四角形ア〜エがあります。回転させたり裏返したりしてよいとき、合同なものはどれとどれですか。
答えア と ウ
解説
合同とは、一方を移動・回転・裏返しすると、ぴったり重ねられるという意味です。
だから「向きがちがうから別の図形」とは判断できません。見るべきなのは向きではなく、辺の長さと角の大きさです。
方眼の上では、ななめの辺の長さを「横に何マス・縦に何マス」で比べられます。横 a マス・縦 b マス進む辺どうしは、a と b の組み合わせが同じなら同じ長さです。
ア と ウ は、辺のならび方も、進むマス数の組み合わせもすべて同じです。実際、ウ は ア を 90° 回転させた図形になっています。
イ は向かい合う辺が平行な形(平行四辺形)で、辺の長さの組み合わせがちがいます。エ もマス数の組み合わせが合いません。
よって、合同なのは ア と ウ です。
五角形 ABCDE ≡ 五角形 PQRST であるとき、次の問いに答えなさい。
(1) 頂点 A に対応する頂点
(2) 辺 CD に対応する辺
(3) ∠E に対応する角
答え(1) 頂点 P (2) 辺 RS (3) ∠T
解説
合同を表す記号 ≡ を使うときは、文字を書く順番そのものが対応表になっています。
上下にならべて書いてみましょう。
| ABCDE | A | B | C | D | E |
|---|---|---|---|---|---|
| PQRST | P | Q | R | S | T |
(1) A の下は P なので、頂点 P です。
(2) 辺 CD は C と D の2文字。その下は R と S なので、辺 RS です。
(3) E の下は T なので、∠T です。
「図を見て、形が似ているほうを選ぶ」のではありません。記号の書き方だけで決まります。これは三角形の合同の証明でずっと使うので、ここで確実にしておきましょう。
図の2つの四角形は合同で、四角形 ABCD ≡ 四角形 EFGH です。a、b、c、d の値を求めなさい。
答えa = 12 cm、b = 10 cm、c = 53°、d = 127°
解説
まず対応を書き出します。A↔E、B↔F、C↔G、D↔H です。
合同な図形では、対応する辺の長さは等しく、対応する角の大きさも等しいので、
a(辺 GH)= 辺 CD = 12 cmb(辺 EF)= 辺 AB = 10 cmc(∠G)= ∠C = 53°
d だけは、対応する ∠D が図に書かれていません。そこで四角形の内角の和 360° を使います。
∠D = 360 − (106 + 74 + 53) = 360 − 233 = 127
したがって d = 127° です。
前半の「内角の和」がここで効いてきます。合同の問題は、対応を書くところまでが半分、残り半分は多角形の角の知識で埋める、という作りになっています。
図の2つの五角形は合同で、五角形 ABCDE ≡ 五角形 PQRST です。a、b、c、d の値を求めなさい。
答えa = 10 cm、b = 12 cm、c = 90°、d = 127°
解説
対応は A↔P、B↔Q、C↔R、D↔S、E↔T です。
a(辺 RS)= 辺 CD = 10 cmb(辺 PQ)= 辺 AB = 12 cmc(∠P)= ∠A = 90°
d は ∠Q、つまり ∠B に対応します。∠B は図に書かれていないので、五角形の内角の和 540° から求めます。
∠B = 540 − (90 + 106 + 127 + 90) = 540 − 413 = 127
したがって d = 127° です。
四角形なら 360°、五角形なら 540°。何角形かを数えるところから始める、という手順は最後まで変わりません。
図の2つの直角三角形は、直角をはさむ2辺がそれぞれ 2 cm と 4 cm で等しくなっています。この2つの三角形が合同である理由を、合同条件で答えなさい。
答え2組の辺とその間の角が、それぞれ等しいから(SAS)
解説
三角形の合同条件は3つあります。
この問題では、2 cm と 4 cm の2辺が等しく、そのあいだにはさまれた角が直角(90°)で等しくなっています。
よって ②「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい」で合同です。
②で必ず確認したいのが「その間の角」という言葉です。2辺と、そのどちらにも接していない角がわかっても、合同とはかぎりません。
図の2つの三角形は、3つの辺がそれぞれ 2.8 cm、2.6 cm、3.0 cm で等しくなっています。合同である理由を、合同条件で答えなさい。
答え3組の辺が、それぞれ等しいから(SSS)
解説
3つの辺の長さがすべて決まると、三角形の形は1通りに決まります。
実際、コンパスで 2.8 cm の線分をひき、両端から半径 2.6 cm と 3.0 cm の円をかくと、交点は決まった場所にしかできません。
よって ①「3組の辺がそれぞれ等しい」で合同です。
向きがちがっていても、裏返っていても構いません。長さの組み合わせが同じなら合同です。
図の2つの三角形は、1辺が 2 cm で、その両端の角が 100° と 50° で等しくなっています。合同である理由を、合同条件で答えなさい。
答え1組の辺とその両端の角が、それぞれ等しいから(ASA)
解説
1つの辺の長さと、その両端の角が決まると、2本の辺の向きが決まり、交わる点も1つに決まります。
よって ③「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」で合同です。
残りの角は 180 − (100 + 50) = 30° と自動的に決まります。つまり、角が2つ決まれば3つ目も決まる、ということです。
図の2つの三角形は、1辺が 2 cm で、その両端の角が 76° と 74° で等しくなっています。合同である理由を、合同条件で答えなさい。
答え1組の辺とその両端の角が、それぞれ等しいから(ASA)
解説
前問と同じく ③ です。角の数字が変わっただけです。
ここで確認しておきたいのは、「角・角・角」だけでは合同にならないということです。
たとえば 76°・74°・30° の三角形は、大きさを自由に変えられます。形は同じでも大きさがちがうので、重ねることはできません。
合同条件には必ず辺が1つ以上入っています。ここが「相似」との分かれ道になります。
△ABC と △DEF について、AB = DE = 7 cm、AC = DF = 5 cm がわかっています。あと1つ何がわかれば、この2つの三角形は合同といえますか。
答え∠A = ∠D(答えの一例)
解説
すでに2組の辺が等しいとわかっています。ここで使いたいのは合同条件②です。
②が使える条件は「2組の辺とその間の角」でした。
AB と AC のあいだの角は ∠A、DE と DF のあいだの角は ∠D です。
したがって ∠A = ∠D がわかれば、②で合同といえます。
注意してほしいのは、ここで ∠B = ∠E がわかっても足りない、ということです。∠B は AB と AC のあいだの角ではないので、②の形になりません。
もちろん BC = EF がわかれば①(3組の辺)で合同になります。答えは1つではありません。
△ABC と △DEF について、BC = FE = 12 cm、∠C = ∠F = 32° がわかっています。あと1つ何がわかれば、この2つの三角形は合同といえますか。
答えAC = DF(答えの一例)
解説
いま等しいとわかっているのは、辺が1組と角が1組です。
∠C は、辺 CB と辺 CA のあいだの角です。同じように ∠F は、辺 FE と辺 FD のあいだの角です。
すでに CB = FE がわかっているので、もう1辺 AC = DF がわかれば、
BC = FE / AC = DF / その間の角 ∠C = ∠F
となり、②「2組の辺とその間の角」で合同といえます。
別解として、∠B = ∠E がわかれば、辺 BC とその両端の角 ∠B・∠C がそろうので③でも合同です。
仕上げの追加演習
ここまでの解き方が身についたかを確かめる問題です。ドリルと同じ形で数だけ変えてあります。答えは下にまとめてあるので、手でかくして解いてから見てください。
追加演習 10問
解き方がわからなくなったら、上のドリルの同じステップに戻ってください。
- 十一角形の内角の和を求めなさい。
- 内角の和が 2520° の多角形は、何角形ですか。
- 正十八角形の1つの外角を求めなさい。
- 正十八角形の1つの内角を求めなさい。
- 1つの外角が 24° の正多角形は、正何角形ですか。
- 1つの内角が 162° の正多角形は、正何角形ですか。
- 五角形の外角の和を求めなさい。
- 四角形で、3つの内角が 95°、108°、63° です。残りの内角を求めなさい。
- 凹四角形で、へこんだ頂点の外側にできる角が 210° です。その頂点の内角を求めなさい。
- △ABC と △DEF で AB=DE、BC=EF、∠B=∠E です。どの合同条件が使えますか。
答え(1) 1620° (2) 十六角形 (3) 20° (4) 160° (5) 正十五角形 (6) 正二十角形 (7) 360° (8) 94° (9) 150° (10) 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい
図形問題を解くときの7つの見方
41問を通して使ってきた考え方を、順番に並べ直します。新しい問題に出会ったら、この順で図を見てください。
- 何角形かを数える
三角形か、四角形か、五角形か。ここを飛ばすと内角の和が決まりません。まず頂点をゆびで数えます。 - その数字は内角か、外角か
図に 70° と書いてあっても、内角・外角・対頂角のどれなのかで使い方が変わります。点線(辺の延長)があれば外角のサインです。 - へこんでいたら 360° を疑う
凹んだ頂点の内角は 360° − x です。180° − x としてしまうのがいちばん多い失敗です。 - 交わっていたら対頂角
2直線が交わったら対頂角は等しい。離れた場所にある角を、三角形の内角として組み直せます。 - 二等分線は「半分」
ただし1つずつ求める必要はありません。A + B = 210° とわかれば、A/2 + B/2 = 105° と一気に処理できます。 - 全部の角を求めようとしない
求めたいのが「和」なのか「個々の値」なのかを確認します。和でよいなら、個別の値は決まらなくても構いません。 - 最後は三角形に戻す
複雑な図も、たいていは 180° のかたまりに分解できます。知らない図形を、知っている図形に置きかえるのが数学の基本です。
なぜこの単元でつまずくのか
ここまでで使った数学は、ほとんど 180°、360°、180°×(n−2) の3つだけです。それなのに難しく感じるのは、「何を 180° として見るか」が毎回変わるからです。
三角形の内角の和も 180°、一直線上の角も 180°、内角と外角をたしても 180°。同じ数字でも意味がちがいます。さらに、へこんだ頂点では 360° − x、交点では対頂角、二等分線では 2 でわる。これらを同時に処理しなければなりません。
だから、必要なのは「もっと難しい公式を覚えること」ではありません。図の中から、どの図形を見るかを選ぶ力です。問27で四角形 BCDE を見つけられるかどうかが、まさにこれにあたります。
中高一貫校でこの単元に取り組む人へ
「多角形の角と合同」は、公立中学校では中学2年で学ぶ単元です。いっぽう中高一貫校では、使う教科書も進度も学校ごとに違うため、この単元に出会う学年も、扱う深さも学校ごとに変わります。単元を組み替えた教材では、図形が代数と並行して進むこともあります。
数強塾の指導現場でも、横浜雙葉中や青山学院横浜英和中など、小中高一貫・中高一貫のカリキュラムで学ぶ生徒について、公式は覚えているのに図が少し複雑になると止まってしまう、というケースがあります。これは計算力が足りないのではなく、「どの図形を見ればよいか」を判断する力がまだ育っていないことが原因です。だからこのページは、公式の暗記ではなく見る図形を選ぶ練習として41問を並べています。
学校ごとの進度・教材・定期テストの傾向は、次のページにまとめています。自分の学校のページから読むと、いまこの単元をどう位置づければよいかがはっきりします。
教材が体系数学の場合は、体系数学とはと体系数学 幾何が難しい理由と克服法もあわせて読んでください。進度が速い教材ほど、このページのSTEP1・STEP2のような「公式の作り方」を飛ばしたまま先へ進みがちです。学校の授業についていけないと感じているなら、中高一貫校の数学についていけない…原因と対策も参考になります。
よくある質問
この単元で実際によく聞かれる質問をまとめました。
多角形の内角の和の公式は?
180°×(n−2) です。n角形は1つの頂点から対角線をひくと (n−2) 個の三角形に分かれるので、三角形1個ぶんの180°をその個数だけ足します。六角形なら 180°×4=720° です。公式を丸暗記するより「三角形が n−2 個できる」と覚えると、忘れても作り直せます。
外角の和は、なぜ何角形でも360°になるのですか?
多角形の辺にそって一周歩くと考えるとわかります。頂点に着くたびに外角のぶんだけ向きが変わり、出発点に戻ったとき体の向きも最初と同じになります。つまり向きの変化の合計がちょうど1回転、すなわち360°です。三角形でも四角形でも百角形でも変わりません。
へこんだ多角形(凹多角形)の角は 180°−x ですか、360°−x ですか?
360°−x です。へこんだ頂点では多角形の内角が180°より大きくなっていて、図に書かれた小さい角 x はその外側に残った角です。1点のまわりが360°なので、内角は 360°−x になります。180°−x としてしまうのが、この単元でいちばん多い失敗です。
正多角形の1つの内角は、どう求めるのが速いですか?
先に外角を求めるのが速いです。正n角形の1つの外角は 360°÷n、内角は 180° からその外角を引いた値です。たとえば正九角形なら外角40°、内角140°。内角のまま 180(n−2)÷n を計算するより、分数が出ないぶん確実です。
1つの頂点からひける対角線は何本ですか?
n−3 本です。自分自身と両どなりの2頂点、あわせて3つの頂点には対角線をひけないからです。21本ひけるなら n−3=21 で n=24、正二十四角形になります。
三角形の合同条件は、3つとも覚える必要がありますか?
はい、3つとも必要です。「3組の辺」「2組の辺とその間の角」「1組の辺とその両端の角」の3つで、どれも辺の情報を1つ以上ふくんでいます。②では「その間の角」かどうか、③では「その両端の角」かどうかを必ず確認してください。
合同と相似は、どう違いますか?
合同は形も大きさも同じで、移動・回転・裏返しをすればぴったり重なります。相似は形だけが同じで、大きさは違ってかまいません。角が3つとも等しいだけでは相似止まりで、合同にはなりません。合同条件に必ず辺が入っているのは、大きさを決めるためです。
この単元が苦手なとき、どこまで戻ればいいですか?
戻り先は2つだけです。内角の和の作り方(三角形が n−2 個できること)と、外角の和が360°になる理由。この2つを自分の言葉で説明できるようになると、凹多角形も角の二等分線も、同じ道具の組み合わせとして解けるようになります。
最終チェックリスト10
テスト前に、この10項目を上から確認してください。
- 何角形か数えたか。
- その数字は内角か、外角か。
- 180°より大きい角(凹角)はないか。
- 一直線 180° を使える場所はないか。
- 1点のまわり 360° を使える場所はないか。
- 交点があるなら対頂角を見たか。
- 二等分線があるなら「和の半分」で処理できないか。
- 個々の角ではなく「和」だけ求めればよくないか。
- 図を三角形に分けられないか。
- 合同なら、対応する頂点の順番は正しく書けているか。
まとめ
今回の41問で扱ったのは、三角形の内角の和、多角形の内角の和、外角、凹多角形、対頂角、角の二等分線、平行線、合同な図形、三角形の合同条件です。
一見ばらばらのテーマに見えますが、実際には「複雑な図形を、すでに知っている単純な図形に分解する」という1つの考え方でつながっています。
今回の内容は「中2数学」ですが、中学入試の角度問題とも直結しています。中学受験では 180°×(n−2) という文字式を使わなくても、三角形に分ける・外角を利用する・角を移す・平行線を見つける、という発想を使います。小学生の角度問題と中学生の幾何は、別の数学ではありません。(→ 中学受験算数 角度の特訓道場)
角度の問題は、数字を足す問題ではありません。どの構造を見るかを選ぶ問題です。この力は、中学入試の算数から高校数学の図形、そして証明全般へとまっすぐつながっていきます。
