「 の値を求めよ」——これは中高一貫校の定期テストから難関大の入試まで、繰り返し登場するテーマです。 と違って教科書の表には載っていないのに、なぜか出題される。その理由は、 の背後に「正五角形」と「黄金比」という美しい構造が隠れているからです。この記事では、その構造を図から理解し、 や を3通りの方法で導けるようになることを目指します。
この記事で身につくこと:①正五角形の対角線と辺の比が黄金比 になる理由 ②、 の3通りの導き方 ③入試で問われたときの答案の書き方
1. 正五角形の中に黄金比が現れる
正五角形の内角は 。ここに対角線をすべて引くと、内部に星形(五芒星)が現れ、いたるところに の角が並びます。
正五角形と対角線がつくる五芒星。辺を とすると対角線は黄金比 になる。
対角線と辺の比を求める
1辺の長さを 、対角線の長さを とします。上図で対角線 と の交点を とすると、 と は2角が等しく相似です(どちらも頂角 、底角 の二等辺三角形)。相似比をとると ここで 、、そして なので より これが黄金比です。【定石】正五角形の問題は「頂角36°の二等辺三角形(黄金三角形)の相似」に持ち込む。 は必ず出てきます。
2. を3通りの方法で求める
方法1:黄金三角形の相似を使う(図形的)
頂角 、等辺 、底辺 の二等辺三角形を考えます(上の を拡大したもの)。頂点から底辺に垂線を下ろすと、底辺は半分の に分かれ、頂角も半分の になります。よって の逆数は なので さらに から が得られます。
方法2: を使う(最も実戦的)
とすると 、すなわち 。両辺の をとると 3倍角・2倍角の公式を代入して とおくと 左辺は を代入すると になるので で割り切れます。 だから 、解の公式より なので 【定石】入試本番でいちばん速いのはこの方法です。「 が や になる角」を見たら、 と に分けて倍角公式に持ち込む。因数 が出ることまで覚えておくと因数分解で迷いません。
方法3:1の5乗根を使う(発展・難関大向け)
とすると かつ なので 両辺を で割り、 とおくと したがって 。さらに …ではなく、 を使えば が求まります。【定石】相反方程式 は で割って の2次式に落とすのが鉄則。明治大学2025年度の理工学部でも、この「1の5乗根+相反方程式」がそのまま出題されました。
3. まとめ:覚えておくべき値
| 角 | 近似値 | ||
|---|---|---|---|
丸暗記は不要です。、 という「黄金比との関係」で覚えておけば、値を忘れても方法2で1分あれば復元できます。
4. 入試ではこう問われる
実際の入試では、 を直接聞くよりも「正五角形の面積」「対角線の長さ」「1の5乗根」といった形で間接的に問われます。典型パターンは次の3つです。
- 図形パターン:正五角形の1辺・対角線・面積・外接円の半径を求めさせる。→ 黄金三角形の相似で へ
- 三角比パターン: や の値。→ 実は 、 ときれいな値になります
- 複素数パターン:1の5乗根と相反方程式(明治大学2025年度 理工学部などで出題)
3つめのパターンについては、実際の入試問題の全問解説を公開しています。手を動かして確認してみてください。
「公式は覚えたのに、初見の問題だと手が止まる」という方へ
この記事で紹介した「3通りの導き方」のように、ひとつの結果に複数の道筋を持っておくことが、初見問題への強さになります。数強塾は数学専門のプロ講師による完全1対1のオンライン個別指導塾です。累計3,500名以上の中高一貫校生を指導してきました。

