成城学園中学校 2026年度(第1回)算数の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】
成城学園中 2026年度 第1回 算数の傾向(公式公開PDFにもとづくまとめ)
- 形式:試験時間50分。大問6問構成で、大問1が計算5問、大問2が小問集合10問、大問3が図形(正六角形の面積比と円の回転移動)、大問4が集合(水泳3種目の調査)、大問5が速さとグラフ(住宅街で減速するバス2台)、大問6が数の性質(各位の数の積を表す記号)でした。大問5(2)では「式または考え方」を書く記述が求められています。
- 頻出分野:計算、割合(食塩水・損益・増減算)、速さ、平面図形(面積比・円)、場合の数、数の性質。基礎から標準の題材を、条件を丁寧に読み取れるかどうかで差がつく構成だと考えられます。
- 合否を分ける一問:大問6(3)(4)と大問5(4)あたりが目安になりそうです。大問6は「各位の数の積」を素因数の配り方に言いかえられるか、大問5(4)は減速区間をまたいで2台がすれ違う時刻を追えるかが問われました。
- 時間配分の考え方:大問1・2の合計16問を20分前後で確実に固め、残りを大問3〜6に配分する形が現実的だと思われます。小問集合の取りこぼしが最も響くため、計算と割合の見直しを優先したいところです。
問題・解答例の原本は成城学園中学校の公式サイトで公開されています → 成城学園 過去の入試問題(公式)
※以下の解説はオンライン数学専門塾「数強塾」による独自作成です(全問、受験算数の正攻法と別解による二重検算済み。公式が公表している解答例とも照合済みです)。問題文・図版は転載していませんので、問題は成城学園中学校公式サイト掲載のPDFをご参照ください。
大問1(計算) 答:(1) 8 (2) 1/5 (3) 0.05 (4) 1/420 (5) 2/3
四則計算・分数と小数の混合・逆算・部分分数の形など、計算の総合力を見る5問です。
【📖大切な考え方】計算は「かっこの中 → かけ算・わり算 → たし算・ひき算」の順序と、帯分数を仮分数に直して約分する型を守るのが基本になります。順序を崩すと最初の配点をまとめて落とし、後半で挽回する余裕が減ってしまいます。
【👀ここに注目】(4)は分母が「連続する3数の積」の形なので、前2項・後2項をそれぞれペアにすると差がきれいにまとまります。ばらばらに通分するより計算量がぐっと減ります。
解答:
(1) かっこの中から。8 ÷ 2 × 4 = 16、25 − 16 = 9。次に 36 ÷ 9 = 4、4 × 4 = 16。よって 24 − 16 = 8。
(2) 仮分数へ。5/16 × 24/5 = 3/2、65/6 ÷ 25/3 = 65/6 × 3/25 = 13/10。3/2 − 13/10 = 15/10 − 13/10 = 1/5。
(3) 1/2 − 0.125 = 0.375。6 × 0.375 = 2.25、2.25 ÷ 1.25 = 1.8、1.8 − 1.75 = 0.05(=1/20)。
(4) 1/(5×6×7) − 1/(6×7×8) = (8−5)/(5×6×7×8) = 3/1680 = 1/560。1/(7×8×9) − 1/(8×9×10) = 3/5040 = 1/1680。合わせて 1/560 + 1/1680 = 3/1680 + 1/1680 = 4/1680 = 1/420。
(5) 2 ÷ { } = 30 より { } = 1/15。(3/4 − □) × 4/5 = 1/15 だから 3/4 − □ = 1/15 ÷ 4/5 = 1/12。□ = 3/4 − 1/12 = 9/12 − 1/12 = 8/12 = 2/3。
【✅検算】(2)は小数でも 1.5 − 1.3 = 0.2 = 1/5、(5)は □=2/3 を代入すると 3/4 − 2/3 = 1/12、×4/5 = 1/15、2 ÷ 1/15 = 30 でぴたりと合います。(4)は全体をまとめて通分しても 1/420 になり、一致を確認しました。
大問2(小問集合) 答:(1) 107 (2) 65円 (3) 432m (4) 167度 (5) 15試合 (6) 160g (7) 135円 (8) 6500円 (9) 37.5% (10) 8分
数の性質・割合・角度・場合の数・食塩水・損益・ニュートン算まで、受験算数の主要テーマを幅広く並べた10問です。
(1) 9の倍数:9の倍数は各位の和が9の倍数になります。2026 の各位の和は 2+0+2+6 = 10 で、9で割ると1あまります。あと8たせば和が18(9の倍数)になるので、3けたで最も小さいものを探すと、100(和1)にあと7で 107(和8→2026+107=2133、和9)。
(2) つるかめ・消去算:ガム1+アメ2=155円、ガム6+アメ7=605円。1本目の式を6倍すると ガム6+アメ12=930円。差をとるとガムが消えて アメ5個ぶん=930−605=325円、アメ1個=65円。
(3) 植木算(池のまわり):円周にそって植えるので本数=周の長さ÷間かく。4mおきと9mおきの本数の差が60本だから、周の長さを□mとして □/4 − □/9 = 60。(9−4)/36 × □ = 5□/36 = 60 より □ = 432m。
(4) 時計算:長針は1分に6°、短針は1分に0.5°進みます。9時ちょうどは長針0°・短針270°で、14分後は長針84°、短針277°。差は 277 − 84 = 193°で、これは大きい方の角。小さい方は 360 − 193 = 167度。
(5) 場合の数(総当たり):6チームから2チームを選ぶ組み合わせなので、6 × 5 ÷ 2 = 15試合。
(6) 食塩水:6%の食塩水800gにふくまれる食塩は 800 × 0.06 = 48g。水を蒸発させても食塩の量は変わらないので、7.5%になったときの全体は 48 ÷ 0.075 = 640g。蒸発させた水は 800 − 640 = 160g。
(7) 割合と差:ボール1球の値段を①とします。兄は所持金の1/4で8球買ったので、所持金は 8球×4=ボール32球ぶん、残りは 32 − 8 = 24球ぶん。妹は1/10で2球だから所持金は20球ぶん、残りは 20 − 2 = 18球ぶん。残金の差は 24 − 18 = 6球ぶん=810円なので、1球=135円。
(8) 損益算:原価を①とすると、定価は原価の7割増しで 1.7、特売は定価の4割引きだから売値は 1.7 × 0.6 = 1.02。利益は 1.02 − 1 = 0.02(原価の2%)=130円なので、原価=130 ÷ 0.02 = 6500円。
(9) 割合の重ね合わせ:おととしを100とすると、今年は45%減って55。今年は昨年より12%減った量なので 昨年 × 0.88 = 55、昨年=62.5。おととし100に対して 100 − 62.5 = 37.5 減ったので 37.5%減。
(10) ニュートン算:ポンプ1台の毎分のくみ出し量を△とします。2台で24分:入る水は毎分9L、はじめ72L。(△×2 − 9) × 24 = 72 より △×2 − 9 = 3、△ = 6L。3台なら毎分 6×3 − 9 = 9L減るので、72 ÷ 9 = 8分。
【✅検算】(8)は原価6500円→定価11050円→4割引きで6630円、利益130円で条件どおり。(10)は3台のとき24分ではなく8分と短くなり、増える水(毎分9L)とのつり合いも合っています。他の設問も逆算で条件に戻して一致を確認しました。
大問3(平面図形・面積比と円の回転) 答:(1)① 6倍 ② 24倍 ③ 4.8倍 (2) 18.84cm²
正六角形を等積分割の目で見られるか、円の回転移動で図形を差し引きできるかを問う図形問題です。
【📖大切な考え方】正六角形は「合同な正三角形6個の集まり」とみるのが出発点になります。相似な三角形の面積比は「辺の比の2乗」で、これを組み合わせると多くの部分が計算できます。
解答:
(1)① △ABFは、頂点Aと、その両どなりB・Fを結んだ三角形です。BFを底辺とみると、AからBFへの高さは、正六角形を分けたときの正三角形1個の高さと等しくなります。よって △ABF は小さな正三角形1個ぶんの面積で、正六角形はその6個ぶん。答は 6倍。
② G・HはAB・AFの真ん中の点なので、△AGHは△ABFと角Aを共有し、AG=AB÷2、AH=AF÷2。相似比1/2の相似だから面積は 1/4 倍。したがって △AGH = △ABF ÷ 4 = 正六角形 ÷ 24。答は 24倍。
③ 正六角形の各辺の真ん中を結んで、1辺が半分の小さな正三角形24個に分けて考えます。このとき四角形AGMFを対角線GFで △AGF と △GMF に分けると、△AGFは小さな正三角形2個ぶん、△GMFは3個ぶんにあたり、四角形AGMFは合わせて5個ぶんです。正六角形は24個ぶんなので、24 ÷ 5 = 4.8倍。(別の見方では、△AGFは①の△ABFと底辺AFを共有しGがABの中点だから面積は半分で正六角形÷12、△GMFは正六角形の1/8にあたり、合計 1/12 + 1/8 = 5/24 と一致します。)
(2) 半径3cmの半円を点Aを中心に60°回転させた図です。回転の前後で半円どうしが重なるので、斜線部分を整理すると「半径が半円の直径(6cm)、中心角60°のおうぎ形」1個ぶんに置きかわります。面積は 6 × 6 × 3.14 × 60/360 = 36 × 3.14 ÷ 6 = 6 × 3.14 = 18.84cm²。
【✅検算】①②③は座標を置いて各三角形・四角形の面積を数値で求め直し、6倍・24倍・4.8倍と一致しました。(2)も「半径6cmの円の1/6」113.04 ÷ 6 = 18.84cm² で合っています。
【💡ポイントコラム】円の回転移動では、動く図形そのものの面積は回転の前後で変わらないため、多くの場合「回転で通った範囲=大きなおうぎ形」に帰着します。斜線がいびつに見えても、まず重なりを差し引く発想を持っておくと迷いにくくなります。
大問4(集合・ベン図) 答:(1) 300人 (2) 115人 (3) 20人
クロール・バタフライ・平泳ぎの3種目について、泳げる・泳げないを調べた集合の問題です。3つの円が重なるベン図を、7つの部分に分けて整理していきます。
【📖大切な考え方】3種目のベン図は「3種目とも」「2種目だけ」「1種目だけ」「どれも泳げない」の各部分に分け、わかっている値から順に穴を埋めていくのが定石です。全体の人数を先に確定させると、以降の計算が安定します。
【👀ここに注目】「3種目とも泳げない生徒は全体の28%で84人」という一文が、全体人数を出す鍵になります。ここから全体が決まり、平泳ぎ(全体の30%)や少なくとも1種目泳げる人数もすべて数値化できます。
解答:
(1) 全体の28%が84人なので、全体=84 ÷ 0.28 = 300人。
(2) 平泳ぎが泳げる生徒は 300 × 0.30 = 90人、少なくとも1種目泳げる生徒は 300 − 84 = 216人。7つの部分を、クロールだけ=a、バタフライだけ=b、平泳ぎだけ=c、クロールとバタフライだけ=15、クロールと平泳ぎだけ=e、バタフライと平泳ぎだけ=30、3種目とも=9 と置きます。
バタフライの合計 b+15+30+9=59 より b=5。クロールの合計 a+15+e+9=150 より a+e=126。平泳ぎの合計 c+e+30+9=90 より c+e=51。少なくとも1種目 a+b+c+15+e+30+9=216 に b=5 と a+e=126 を入れると c=31。
「クロールもバタフライも泳げない生徒」は、平泳ぎだけ(c=31)と、どれも泳げない(84)の合計で 31 + 84 = 115人。
(3) 「クロールと平泳ぎが泳げてバタフライは泳げない生徒」は e にあたります。c=31 と c+e=51 から e = 20人。
【✅検算】残る a は a+e=126 から a=106。7つの部分を合計すると 106+5+31+15+20+30+9 = 216 で「少なくとも1種目」に一致し、これに84を足すと300。矛盾なく埋まっていることを確認しました。
大問5(速さ・グラフ/記述あり) 答:(1) 2880m (2) 19分 (3) 28分30秒 (4) 11分24秒後
駅と病院の間(10.8km)を、バスAとBが向かい合って走ります。とちゅうの住宅街ではどちらも通常の半分の速さになり、そのようすがグラフの「折れ」に表れています。バスAの通常の速さは分速720mです。
【📖大切な考え方】速さのグラフは「折れ目の座標」がすべての手がかりになります。折れ目はバスが住宅街に入る・出る瞬間なので、そこまでの時間と速さから距離を出し、区間の長さを確定させるのが第一歩です。
【👀ここに注目】バスAは分速720m。グラフから、駅を出て5分後に最初の折れ目(3600m地点)、13分後に2つ目の折れ目に達しています。5〜13分の8分間が減速区間で、そこでの速さは 720 ÷ 2 = 分速360m。区間の長さがそのまま求められます。
解答:
(1) 住宅街を走った時間は 13 − 5 = 8分、そのときの速さは 分速360m。区間の長さは 360 × 8 = 2880m。
(2)〔式・考え方〕バスAは、通常区間で 5分間に 720×5=3600m 進み、住宅街2880mを走った後、残りの通常区間を走ります。残りは 10800 − (3600 + 2880) = 4320m。ここを分速720mで走るので 4320 ÷ 720 = 6分。住宅街を出るのが13分後なので、病院に着くのは 13 + 6 = 19分。
(3) バスBは病院から駅へ向かい、グラフでは出発から9分後に折れ目(駅から6480m地点)に入っています。Bの通常の速さは (10800 − 6480) ÷ 9 = 分速480m。住宅街2880mは半分の分速240mで走るので 2880 ÷ 240 = 12分。残りの通常区間 3600m は 3600 ÷ 480 = 7.5分。合計 9 + 12 + 7.5 = 28.5分 = 28分30秒。
(4) 2台がすれ違うのは、ともに住宅街を走っている時間帯(駅からの距離で表すと、Aは3600〜6480m、Bも同じ区間を逆向き)です。Aの位置は 3600 + 360×(t−5)、Bの位置は 6480 − 240×(t−9)。等しいとおくと 360×(t−5) + 240×(t−9) = 6480 − 3600、すなわち 600t − 3960 = 2880、600t = 6840、t = 11.4分 = 11分24秒後。
【✅検算】t=11.4分のときAは 3600 + 360×6.4 = 5904m、Bは 6480 − 240×2.4 = 5904m で位置が一致します。到着時刻も、Aが19分・Bが28分30秒で、それぞれのグラフの終点と重なっていることを確かめました。
【💡ポイントコラム】グラフの「折れ目の高さ」を読み取れれば、片方のバスの速さが与えられていなくても、もう一方の速さを逆算できます。減速区間をまたぐすれ違いは、どちらのバスも減速している時間帯で起きているかを先に確かめておくと、式の立て方を誤りにくくなります。
大問6(数の性質・各位の積) 答:(1) 5/6 (2) 49, 66, 94 (3) 6個 (4) 21個
《●》を「整数●の各位の数の積」と決めた新しい記号の問題です。たとえば《25》=2×5=10、《407》=4×0×7=0 のように計算します。積を素因数の配り方に言いかえられるかがポイントになります。
【📖大切な考え方】「各位の積」が決まった値になる整数を数えるときは、その値を素因数分解し、それを1〜9のけた(0を含むと積は0になる点に注意)へ配る方法を数える問題に読みかえます。5の因数は数字5からしか出ない、といった制約が数え上げの決め手になります。
解答:
(1) 《4597》=4×5×9×7 = 1260、《6766》=6×7×6×6 = 1512。1260 ÷ 1512 を約分すると、ともに252で割れて 5 ÷ 6 = 5/6。
(2) 2けたAの十の位×一の位=36。両方とも1〜9の数字で積36になる組は (4,9)(6,6)(9,4) の3通り。よって A は 49, 66, 94。
(3) 4けたBで各位の積=1600。0があると積が0になるので、4つの数字はすべて1〜9。1600=2⁶×5²で、5の因数は数字5からしか出ないため、5²を作るには「5」が2個必要です。残り2つの数字の積は 2⁶=64 で、1〜9の数字2つでは (8,8) のみ。よって数字は {5, 5, 8, 8} に決まり、並べ方は 4! ÷ (2!×2!) = 6個。
(4) 3けたCで各位の積=24。3つの数字(すべて1〜9)の積が24になる組を数えます。数字の組は {1,3,8}{1,4,6}{2,3,4}{2,2,6} の4通り。並べ方はそれぞれ 6通り・6通り・6通り・3通り(2が重なるため)で、合計 6+6+6+3 = 21個。
【✅検算】(3)は {5,5,8,8} の6つの並び(5588・5858・5885・8558・8585・8855)を書き出すと、確かにどれも積1600。(4)も4つの数字の組をすべて列挙して重複なく数え、21個で一致しました。
2026年度 第1回から学ぶ教訓
今年のセットは、計算と小問集合で確実に得点を積み、後半の思考問題でどれだけ上乗せできるかが問われる構成でした。大問6のように「各位の積」を素因数の配り方に言いかえる、大問5のようにグラフの折れ目から未知の速さを逆算する——いずれも「与えられた条件を、数えやすい形・計算しやすい形に翻訳する」力が核になっていると考えられます。過去問演習では、答え合わせで終えず「どの条件を、どう言いかえたか」を一言でまとめておくと、成城学園の対策として役立ちそうです。
▶ 関連:女子学院 算数の傾向と対策|神奈川大学附属 2026年度 算数|過去問解説・数学問題集
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