中学受験・算数

聖光学院中学校 算数の傾向と対策【オリジナル類題つき】

数強塾のプロ講師陣

聖光学院中学校 算数の傾向と対策【数強塾オリジナル類題つき】

聖光学院中学校(横浜市中区)は、神奈川県を代表する男子難関校のひとつとして広く知られています。毎年、東京大学をはじめとする難関大学へ多くの合格者を送り出しており、首都圏の男子受験生にとって最上位の目標校のひとつです。本記事では、公開されている入試情報をもとに算数の傾向を整理したうえで、オンライン数学専門塾「数強塾」が作成したオリジナル類題5問(場合の数・数の性質・速さ・平面図形・立体図形)を、考え方・解答・検算つきで掲載します。

入試情報・過去問の入手について

入試日程・募集要項・説明会などの最新情報は 聖光学院 入試情報(公式) でご確認ください。公式サイトでは、過去数年分の入試問題から「合否を分けた問題やポイント」をまとめた入試問題解説資料が公開されているほか、過去の入試問題の販売(窓口・オンライン)も案内されています。実際の過去問は、学校販売の過去問題集や市販の過去問集でご確認ください。

聖光学院の算数はどんな試験か(公開情報にもとづく傾向)

本記事は特定年度の問題の転載・解説ではなく、公開情報から知られる一般的な傾向の整理です。次のような特徴が知られています。

  • 試験形式:算数は試験時間60分・150点満点で実施されると各種公開情報で案内されています。4科の中でも配点が大きく、算数の出来が合否に直結しやすい入試といえます。
  • 思考力重視の出題:公式をあてはめるだけで解ける問題は少なく、例年、初見の設定を自分で整理して考えさせる問題が出題される傾向が知られています。テンポよく処理する力と、1問に粘り強く向き合う力の両立が求められます。
  • 出題分野:特定分野への極端な偏りはなく、場合の数、数の性質、規則性、速さ、割合、平面図形、立体図形(切断など)が幅広く出題される傾向が知られています。とくに図形と数に関する問題では、手を動かして調べ上げる持久力が試されるといわれます。
  • 求められる答案:途中の考え方を筋道立てて整理できるかどうかで差がつきやすいタイプの入試です。日頃から「答えだけでなく道すじを書く」練習が有効と考えられます。

※以下の類題5問は、上記の傾向をふまえて数強塾が独自に作成したオリジナル問題です。実在の過去問の複製ではありません。全問、正攻法の解答に加えて独立した別の方法による二重検算を行い、答えの一致を確認しています。

類題1(場合の数)

問題 1、2、3、4、5の数字が1つずつ書かれた5枚のカードをすべて横一列に並べます。どの隣り合う2枚についても、書かれた数の差が2以上になるような並べ方は全部で何通りありますか。

【📖大切な考え方】「差が2以上」という条件は、いいかえると「差が1になる組(1と2、2と3、3と4、4と5)を隣どうしにしてはいけない」ということです。5枚程度なら、先頭の数で場合分けして樹形図で調べ上げるのが確実です。さらに、1と5、2と4を入れかえる(各数を「6からひいた数」に置きかえる)と条件が変わらないという対称性に気づくと、調べる量を半分にできます。

解答 先頭のカードで場合分けします。

・先頭が1のとき:2枚目は3、4、5のいずれか。順に調べると、1-3-5-2-4、1-4-2-5-3 の2通り。(1-5と続けると、残る2、3、4のうち5の隣に置けるのは2と3ですが、どちらから進めても最後に差1の組が残ってしまい、完成しません。)
・先頭が2のとき:2-4-1-3-5、2-4-1-5-3、2-5-3-1-4 の3通り
・先頭が3のとき:3-1-4-2-5、3-1-5-2-4、3-5-1-4-2、3-5-2-4-1 の4通り
・先頭が4のとき:各数を「6からひいた数」に置きかえると先頭が2の場合と1対1に対応するので3通り
・先頭が5のとき:同じ対応で先頭が1の場合と対応し2通り

よって全部で 2+3+4+3+2=14通り

【✅検算】逆から数える方法(余事象)でも確かめます。並べ方は全部で120通り。「差が1の組が隣り合う並べ方」を、隣り合う組の選び方ごとに重なりを整理して数え上げると106通りとなり、120−106=14通りで一致します。また、上で挙げた14通りの並びをひとつずつ見直しても、隣どうしの差はすべて2以上になっています。

類題2(数の性質)

問題 (1) 2026を、連続する2個以上の整数(1以上)の和で表しなさい。
(2) 1から2026までの整数のうち、連続する2個以上の整数(1以上)の和で表すことができない数は全部で何個ありますか。

【📖大切な考え方】連続する整数の和は「(個数)×(まん中の値)」で表せます。個数が奇数なら、まん中の1個がちょうど平均です。個数が偶数なら、中央の2数の平均(○.5という形)が平均になります。どちらの場合も、和を分解すると必ず1より大きい奇数の約数があらわれる——ここが本問の急所です。

解答 (1) 2026=2×1013 で、1013は素数です。
・個数が奇数の場合:和=(個数)×(まん中の数)なので、個数は2026の奇数の約数。1以外では1013しかなく、まん中の数は2026÷1013=2。しかし2をまん中に1013個並べると0以下の数をふくんでしまうので不適。
・個数が偶数の場合:和=(個数÷2)×(中央の2数の和)。中央の2数の和は奇数なので、2026=2×1013 より、個数÷2=2、中央の2数の和=1013 とするしかありません。個数は4、中央の2数は506と507。
よって 2026=505+506+507+508(この1通りだけ)。

(2) (1)の考え方から、連続する2個以上の整数の和は必ず「1より大きい奇数×整数」の形、つまり1より大きい奇数の約数を持つ数になります。逆に、1より大きい奇数の約数mを持つ数は、m個の連続整数(まん中がその数÷m)として書けるか、はみ出す場合も端の負の数と正の数を打ち消して連続整数の和に直せます。したがって、表せない数は「奇数の約数が1しかない数」=2を何回かかけてできる数(1をふくむ)です。
1から2026までにあるのは 1、2、4、8、16、32、64、128、256、512、1024 の11個(次の2048は2026をこえます)。

【✅検算】(1) 505+506+507+508=(505+508)×4÷2=1013×2=2026 で一致。(2) 小さい数で実験すると、3=1+2、5=2+3、6=1+2+3、7=3+4、9=4+5、10=1+2+3+4、…と表せる一方、1、2、4、8、16は何通り試しても表せず、「2をかけ重ねた数だけが表せない」という規則と一致します。2026以下で2の累乗は2の0乗から10乗までの11個で、個数も合っています。

類題3(速さ・文章題)

問題 1200mはなれた2地点P、Qがあります。太郎くんは分速90mでPから、次郎くんは分速60mでQから同時に出発し、それぞれP、Qの間を止まらずに往復し続けます。2人が「出会う」とは、同じ地点に同時にいることをいいます(P、Qの端で同時に着く場合もふくみます)。
(1) 2人が1回目に出会うのは出発してから何分後で、P地点から何mの地点ですか。
(2) 2回目に出会う地点はP地点から何mですか。
(3) 3回目に出会うのは出発してから何分後で、それはどの地点ですか。

【📖大切な考え方】向かい合って進む2人が出会うまでに進む道のりの和に注目します。1回目の出会いまでに2人合わせて1200m。その後、2人とも端で折り返してから2回目に出会うまでに、2人合わせてさらに2400m(合計3600m=1200×3)進みます。ただし聖光レベルの問題では、「和が1200×(2n−1)」の公式に頼りきらず、折り返しのようすを図(ダイヤグラム)で確かめる姿勢が大切です。追いこしや端での同時到着など、公式だけでは見落とす出会い方があるからです。

解答 (1) 2人の速さの和は 90+60=150(m/分)。1200÷150=8分後。太郎くんは 90×8=720(m)進んでいるので、Pから720mの地点です。
(2) 2人合わせて 1200×3=3600(m)進んだとき、つまり 3600÷150=24分後に2回目に出会います。太郎くんの道のりは 90×24=2160(m)。Qで折り返して 2160−1200=960(m)もどっているので、位置はPから 1200−960=240mの地点です。
(3) 24分後以降のようすを追いかけます。太郎くんはPに向かい、26分40秒後にPに着いて折り返します。次郎くんはQに向かい、40分後にQに着きます。折り返した太郎くんは次郎くんと同じ向きに進みながら差をつめ、90×(40−26⅔)=90×13⅓=1200(m)進んだところ——つまりちょうど40分後にQに到着します。すなわち出発してから40分後に、2人は同時にQ地点に到着して出会います。すれ違いではなく「端での同時到着」である点が本問のポイントです。

【✅検算】別の方法として、それぞれの動きを時刻表で独立に確かめます。太郎くん:40分で 90×40=3600m=1200×3 なので、P→Q→P→Qと進みちょうどQにいます。次郎くん:40分で 60×40=2400m=1200×2 なので、Q→P→Qと進みちょうどQにいます。両者ともQで一致。また24分後は、太郎くんがPから240m(上記)、次郎くんは 60×24=1440m でPで折り返して240mもどった地点=Pから240mで一致します。8分後の位置も 1200−60×8=720 で一致。3つの答えすべてが両者の計算で一致しました。

類題4(平面図形)

問題 1辺が12cmの正方形ABCDがあります(A、B、C、Dはこの順に並んだ頂点です)。辺BCの真ん中の点をM、辺CDの真ん中の点をNとし、AMとBNの交わる点をPとします。
(1) BP:PNを最も簡単な整数の比で答えなさい。
(2) 四角形PMCNの面積を求めなさい。

【📖大切な考え方】交点の比を求めるときの定石は、直線をのばして「平行線と相似」の形をつくることです。AMをのばして辺DC(をふくむ直線)と交わらせると、ABとDCが平行であることから、ちょうちょ形(砂時計形)の相似があらわれます。面積は、求めにくい四角形を「大きな三角形から余分な三角形をひく」方針で処理します。

解答 AMをのばし、DCをのばした直線と交わる点をQとします。MはBCの真ん中の点なので、三角形ABMと三角形QCMは合同(1辺と両端の角が等しい)です。よって CQ=AB=12cm、DQ=12+12=24cm。また、MはAQの真ん中の点になります。
(1) ABとNQは平行なので、三角形PABと三角形PQNはちょうちょ形の相似です。NQ=NC+CQ=6+12=18cm なので、相似比は AB:QN=12:18=2:3。したがって BP:PN=2:3
(2) 同じ相似から AP:PQ=2:3 です。三角形AQD(Dの角が直角、AD=12cm、DQ=24cm)で考えると、PはAQを2:3に分ける点なので、PからDQまでの高さは 12×3/5=7.2(cm)。
・三角形QNPの面積:底辺NQ=18cm、高さ7.2cm より 18×7.2÷2=64.8(cm²)。
・三角形QCMの面積:CQ=12cm、CM=6cm、Cの角は直角なので 12×6÷2=36(cm²)。
MはAQ上、CはNQ上にあるので、四角形PMCNは三角形QNPから三角形QCMを取り除いた図形です。
よって 64.8−36=28.8cm²

【✅検算】別ルートで面積を求めます。三角形BCN(BC=12、CN=6、Cが直角)の面積は36cm²。四角形PMCN=三角形BCN−三角形BPM です。三角形BNMの面積は、底辺BM=6cm、高さ(NからBCまでのきょり)6cm…ではなく正確には、三角形BNMは三角形BCNから三角形MCNをひいて 36−(6×6÷2)=18(cm²)。BP:BN=2:5 より三角形BPMは三角形BNMの2/5倍で 18×2/5=7.2(cm²)。よって 36−7.2=28.8cm² で一致します。なお、三角形ABMと三角形BCNは合同(90°回転の関係)で、AMとBNが垂直に交わることも確かめられます。

類題5(立体図形)

問題 1辺が12cmの立方体ABCD-EFGHがあります。上の面が正方形ABCD、下の面が正方形EFGHで、AとE、BとF、CとG、DとHがそれぞれ縦の辺で結ばれています。辺ABの真ん中の点をP、辺ADの真ん中の点をQとし、この立方体を4点P、Q、H、Fを通る平面で切ります。
(1) 切り口はどんな四角形ですか。
(2) 点Eをふくむ側の立体の体積を求めなさい。
(3) 点Eをふくむ側と点Cをふくむ側の体積の比を、最も簡単な整数の比で答えなさい。

【📖大切な考え方】立体の切断では、①同じ面の上にある2点は結べる、②平行な面につく切り口の線は平行になる、という2つのルールで切り口を確定させます。体積は、切り口の辺をのばして大きな三角すいを復元し、そこから小さな三角すいを取り除くのが定石です。相似な立体の体積比が「相似比×相似比×相似比」になることも使います。

解答 (1) PQは上の面、FHは下の面にあり、上の面と下の面は平行なので、切り口の線PQとFHは平行です。PQは三角形ABDの中点連結でBDと平行かつ半分の長さ、FHはBDと同じ長さ(対応する対角線)なので、PQ:FH=1:2。また、立方体の対称性からPF=QHです。よって切り口PFHQは、平行な2辺の長さの比が1:2の等脚台形です。
(2) FPをのばした直線とHQをのばした直線は、辺EAをAの側にのばした直線の上の1点で交わります。この点をVとすると、三角形の相似(縮図)から EV=24cm(AはEVの真ん中の点)です。
・大きな三角すいV-EFH:底面の三角形EFH(EF=EH=12cm、Eが直角)の面積は 12×12÷2=72(cm²)、高さEV=24cm。体積は 72×24÷3=576(cm³)。
・小さな三角すいV-APQ:面ABCDで切り取られる部分です。VA=24−12=12cm で、VA:VE=1:2 なので、小さな三角すいは大きな三角すいの1/2の縮図。
 (直接計算:底面の三角形APQの面積は 6×6÷2=18(cm²)、高さ12cmより 18×12÷3=72(cm³)。)
点Eをふくむ側の立体は、大きな三角すいから小さな三角すいを取り除いたものなので、576−72=504cm³
(3) 立方体の体積は 12×12×12=1728(cm³)。点Cをふくむ側は 1728−504=1224(cm³)。よって 504:1224=7:17

【✅検算】小さな三角すいを相似で確かめると、相似比1:2より体積比は 1×1×1:2×2×2=1:8。大きな三角すい576cm³の1/8は72cm³で、直接計算と一致します。したがってE側は 576×7/8=504cm³。また 504+1224=1728 で立方体全体とぴったり合い、504:1224 は両方を72でわって7:17。さらに数強塾では、座標を細かく刻んだコンピュータによる近似計算でも504cm³になることを確認しています。

聖光学院を目指す受験生への学習アドバイス

【時期別】

  • 6年生の夏まで:全分野の典型問題を穴なく仕上げることが最優先です。聖光学院のような思考力型の入試ほど、土台となる典型解法の抜けが命取りになります。とくに割合・速さ・図形の基本技術は「速く正確に」のレベルまで練習しておきましょう。
  • 秋(9〜11月):初見の応用問題に、1問15〜20分かけてじっくり取り組む練習を始めます。本記事の類題のように「調べ上げる」「図をかいて実験する」「線をのばして相似をつくる」といった手の動かし方を型として身につける時期です。過去問演習は、学校販売・市販の過去問集を使い、時間を計って取り組みましょう。
  • 直前期(12月〜1月):時間配分の練習が中心です。取れる問題から確実に取り、難しい設問に時間を使いすぎない判断力をみがきます。公式サイトの入試問題解説資料に目を通し、学校がどのような力を求めているかを親子で確認しておくことも有効と考えられます。

【分野別】

  • 場合の数:樹形図・表による調べ上げを面倒がらないこと。対称性や余事象で作業量を減らす工夫(類題1)まで練習できると理想的です。
  • 数の性質:約数・倍数・素因数分解を「計算技術」ではなく「数の構造を見る道具」として使えるように(類題2)。西暦の数(2026など)の素因数分解は毎年確認しておきましょう。
  • 速さ:ダイヤグラムや線分図で動きを図示する習慣を。公式で出した答えを、動きを追い直して確かめる二段構え(類題3)が失点を防ぎます。
  • 平面図形:補助線の定石(延長して相似をつくる、等積変形、合同の発見)を1つずつ言葉で説明できるレベルに(類題4)。
  • 立体図形:切断の2大ルールと、三角すいの復元・相似比の活用(類題5)は必須技術です。見取り図と投影図(真上・真横から見た図)を自分でかく練習を重ねましょう。

▶ 関連:鎌倉学園 2026年度 算数の解説洗足学園 算数過去問一覧過去問解説・数学問題集

聖光学院対策を、プロと1対1で

藤原進之介が厳選した一流のプロ講師がお子様の担任になります!中学受験算数から入学後の数学まで徹底サポート!

体験授業を申し込む
無料相談する

📚 代表・藤原進之介は「書店で会える講師」です

代表の藤原進之介の著書は全国の書店に並んでおり、有隣堂 横浜駅西口エキニア店では直筆サイン色紙を掲出いただいています。横浜エリアの書店で実際に手に取ってご確認いただけることが、私たちの指導品質の何よりの証明だと考えています。

出典・著作権について
本ページが扱う入試問題の著作権は 聖光学院中学校 に帰属します。出典:聖光学院中学校 算数年度 入学試験問題「」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(公式解答と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
掲載内容について権利者の方からご連絡がある場合は、お問い合わせより速やかに対応いたします。
オンライン数学専門塾 数強塾|プロ講師のみ・完全1対1指導・中高一貫校対応

数強塾オンラインのご案内

体験授業に申し込む入塾受け入れ状況(残席)数学つまずき診断(無料)体験授業の事前案内保護者の方へ高1・高2の方へ医学部志望の方へ保護者様からの声料金・指導システム指導事例・合格実績大学受験 合格実績(集計ルール開示)数強塾グループの理念学校別の数学対策数学の勉強法(記事一覧)数強塾プレミアム(映像授業)獣医学部専門コース鉄緑会・SAPIX等との併用サポート過去問解説・数学問題集情報Ⅰ・情報Ⅱ専門「情報ラボ」情報の過去問アーカイブ(無料PDF)解法テクニック事典(公式・裏ワザ)入試数学の定石(解き方の型・全27章)2026年 夏期講習会2026年 冬期講習会代表・藤原進之介について