中学受験・算数

洗足学園中学校 2021年度 算数 過去問の傾向と解答・解説

数強塾のプロ講師陣

洗足学園中学校 2021年度 第1回 算数の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】

洗足学園中 2021年度 第1回 算数の傾向(公式公開PDFにもとづくまとめ)

  • 形式:試験時間50分・100点満点(公式PDFの表紙・解答用紙で確認)。大問5問構成で、大問1が計算2問、大問2が標準の小問集合4問、大問3が応用の小問集合4問、大問4が速さの総合問題(追い越しとすれ違い)、大問5が既約分数の列を題材にした数の性質です。4つの設問(3(3)・3(4)・4(2)・5(3))で「考え方を表す式や文章・図」の記述が求められました。
  • 頻出分野:計算の工夫、最小公倍数、連比、割合(消費税がらみの売買)、相似を使う平面図形、比例・反比例、水量と体積、規則性(ボールの三角形)、池の周りの旅人算、道のりと時刻の整理、既約分数と隣り合う分数の差。洗足らしい「比の処理」と「調べ上げ・規則発見」が軸の構成でした。
  • 難度の実態:公式の得点率データによると、2(1)97.0%・1(2)93.1%・2(2)93.1%と前半は高得点勝負です。一方で3(2)31.8%・3(4)32.1%・5(2)32.8%と3割前後の設問が中盤に並び、最後の5(3)は5.2%という低正答率でした。合格者最高点94点・合格者最低点43点という公表値からも、標準問題の確実性がまず問われた回と考えられます。
  • 時間配分の考え方:大問1・2を約15分で確実に固め、大問3の(1)(3)と大問4(1)など取りやすい設問に20分前後、残りを記述式(3(3)・3(4)・4(2))の部分点と大問5に充てる配分が現実的でしょう。5(3)は「最小性の確認まで書けたか」で差がついた設問と見られ、深追いの見極めも実戦上のテーマになった回といえそうです。

問題・解答例の原本は洗足学園中学校の公式サイトで公開されています → 2021年度 入試問題(公式)

※以下の解説はオンライン数学専門塾「数強塾」による独自作成です(全問、受験算数の正攻法と別解による二重検算済み)。問題は洗足学園中学校公式サイト掲載のPDFをご参照ください。

大問1(計算) 答:(1) 202.1 (2) 39/40

(1)は43・4.3・0.43が並ぶ小数計算、(2)は帯分数・小数まじりの四則混合です。どちらも「そのまま計算しない」工夫が問われます。

【📖大切な考え方】(1)は3つの項がすべて「43×何か」の形に直せるのが最大のヒントです。4.3×15=43×1.5、0.43×120=43×1.2 と読みかえ、分配法則でまとめます。

【👀ここに注目】(2)は 1.75=7/4、2.7=27/10 のように小数を分数へそろえるのが原則です。中かっこの中を先に確定させましょう。

解答
(1) 43×5−4.3×15+0.43×120=43×5−43×1.5+43×1.2=43×(5−1.5+1.2)=43×4.7=202.1
(2) かっこの中:2と5/6−1.75=17/6−7/4=34/12−21/12=13/12。
13/12÷9と3/4=13/12×4/39=1/9。1/9+1/4=4/36+9/36=13/36。
13/36×2.7=13/36×27/10=39/40

【✅検算】分数計算ソフトで厳密に計算し、(1)202.1、(2)39/40を確認。公式解答例とも一致します。なお試験年度の「2021」を思わせる202.1が答えになるのは、洗足でときどき見られる遊び心です。

大問2(小問集合・標準) 答:(1) 40枚 (2) 45 (3) 16冊 (4) 5/14倍

(1) 最小公倍数:縦15cm・横24cmの長方形の紙を同じ向きにすき間なく並べ、できるだけ小さい正方形を作るときの枚数を求めます。

【📖大切な考え方】正方形の1辺は「15の倍数かつ24の倍数」なので、最小の1辺は最小公倍数です。

解答:15と24の最小公倍数は120。縦に120÷15=8枚、横に120÷24=5枚並ぶので、8×5=40枚

【✅検算】120×120の正方形を15×24の紙40枚がすき間なくおおうこと(面積120×120=14400=15×24×40)を確認。公式の得点率97.0%で、確実に取りたい1問です。

(2) 連比:整数A・B・Cについて、A:C=5:2、B:C=4:3、BとCの差が6のとき、Aを求めます。

【👀ここに注目】2つの比に共通して現れるCを同じ数にそろえるのが出発点です(公式所見でも同じ方針が示されています)。

解答:Cを2と3の最小公倍数6にそろえると、A:C=15:6、B:C=8:6。よってA:B:C=15:8:6。
BとCの差は比で8−6=2にあたり、これが6なので比の1あたり3。A=15×3=45

【✅検算】A=45、B=24、C=18とすると、45:18=5:2、24:18=4:3、差24−18=6ですべての条件に合います。

(3) 割合(売買と消費税):花子さんはノートを定価で何冊か買い、消費税10%込みで3168円払いました。園子さんは同じノートを定価の2割引きで買い、同じ金額で花子さんより4冊多く買えました。花子さんの冊数を求めます。

【📖大切な考え方】2人とも支払額は同じ3168円です。同じ金額で買うとき、冊数は1冊あたりの値段に反比例します。消費税は2人に同じようにかかるので、比を取るときは気にしなくてよい、と見抜けると計算が軽くなります。

解答:1冊あたりの値段の比は、定価:2割引き=5:4。同じ金額で買える冊数の比はその逆比で4:5。
比の差1が4冊にあたるので、花子さんは4×4=16冊(園子さんは20冊)。

【✅検算】冊数から逆算すると定価は3168÷1.1÷16=180円。花子さん:180×16×1.1=3168円、園子さん:180×0.8×20×1.1=3168円で一致します。コンピュータの全探索でも、条件を満たす冊数は16冊だけでした。

【💡ポイントコラム】「同じ金額→個数は単価の逆比」は売買算の基本装備です。消費税や割引が重なっても、全員に同じ率でかかるものは比に影響しません。「比に効く数字」と「効かない数字」を仕分ける習慣をつけましょう。

(4) 平面図形(相似):正方形ABCD(Aが左上、Bが左下、Cが右下、Dが右上)で、Eは辺BCの真ん中の点、Fは辺CDをCF:FD=2:1に分ける点です。AとE、AとF、DとEを結んだとき、線分AFと線分DEの交点をPとして、三角形AEP(色のついた部分)の面積が正方形の何倍かを求めます。

【📖大切な考え方】公式所見の助言どおり「補助線を引いて相似な三角形を作る」のが本筋です。直線AFを延長して、辺BCの延長との交点Gを作ります。

【👀ここに注目】AD(上の辺)とBC(下の辺)は平行なので、平行線にはさまれた相似がそのまま使えます。

解答:正方形の1辺を1とします。直線AFと直線BCの交点をGとすると、AD平行CGより三角形ADFと三角形GCFは相似で、相似比はDF:FC=1:2。よってCG=AD×2=2、BG=1+2=3。
EはBCの真ん中なので、EG=3−0.5=2.5。
次に、AD平行EGより三角形PADと三角形PGEは相似で、相似比はAD:EG=1:2.5=2:5。よってDP:PE=2:5。
三角形ADEは、底辺AD=1・高さ1なので面積は正方形の1/2。三角形AEPは、辺DEをPで分けたうちEP側なので、
三角形AEP=三角形ADE×EP/ED=1/2×5/7=5/14倍

【✅検算】座標計算による別解でも確認しました。A(0,1)・E(0.5,0)・F(1,2/3)とすると、直線AFと直線DEの交点はP(6/7,5/7)で、三角形AEPの面積はちょうど5/14になります。得点率42.0%と大問2では差がついた設問です。

【💡ポイントコラム】正方形や平行四辺形の中の交点問題は、「平行な辺の延長と直線の交点」を作ると相似のちょうつがいが生まれます。相似比→線分比→面積比の順に翻訳する流れは、洗足に限らず頻出の型です。

大問3(小問集合・応用) 答:(1) 12 (2) 8.25cm (3) 930個 (4) 2916m

(1) 比例・反比例:ボタンAは入力と出力が比例の関係で8を入れると2が出ます。ボタンBは反比例の関係で12を入れると3が出ます。ある数Xを入れてAを押し、出た数をBに入れると、最初のXに戻りました。Xを求めます。

【📖大切な考え方】比例は「出力=入力×決まった数」、反比例は「入力×出力=決まった数」です。まず2つのボタンのきまりを式にしてしまいましょう。

解答:ボタンAは8→2なので、出力=入力÷4。ボタンBは12→3なので、入力×出力=36。
XをAに入れるとX÷4。これをBに入れると出力は36÷(X÷4)=144÷X。これがXと等しいので、X×X=144。
12×12=144だから、X=12

【✅検算】12→A→3、3→B→36÷3=12で、たしかに元に戻ります。同じ数を2回かけて144になる整数を探す形に持ちこめれば、計算自体は一瞬です。

(2) 水量と体積:底面の半径8cmの円柱の容器Bに、容器A満水分の水を移すと水面の高さは1.5cmでした。さらにA3杯分の水を加え、底面の半径6cm・高さ4cmの円柱のおもりCを全部沈めたときの水面の高さを求めます。

【👀ここに注目】公式所見のとおり「水面が上がった分の体積=おもりCの体積」です。円周率は最後まで登場させず、底面積の比だけで処理できます。

解答:A1杯分でBの水面が1.5cm上がるので、A4杯分では1.5×4=6cm。
おもりCを沈めた分の上昇は、(Cの体積)÷(Bの底面積)。底面積の比は半径の比の2乗で、C:B=(6×6):(8×8)=36:64。
上昇分=4cm×36/64=2.25cm。水面が2.25+4cmより高くなるのでおもりは完全に水中にあり、この計算で問題ありません。
よって水面の高さ=6+2.25=8.25cm

【✅検算】体積で直接計算しても、水の体積=64×6(円周率倍は省略)、おもり=36×4=144で、(384+144)÷64=8.25cmと一致します。8.25cmはおもりの高さ4cmを超えているので「全体を沈めた」という設定とも合っています。

(3) 規則性(記述式):黒と白のボールを交互に使って正三角形を作っていきます。1番目は黒3個の三角形、2番目はその外側を白1周で囲んだもの、3番目はさらに黒1周で囲んだもの…と続きます。最も外側の正三角形に使われたボールが174個のとき、白のボールの合計を求めます。

【📖大切な考え方】公式所見のいう「外周に追加するボールの数の規則性」が核心です。n番目の図形の1辺のボールは3n−1個(2個、5個、8個…)で、n番目に追加する外周1周分は、1辺(3n−1)個の三角形のふちなので (3n−1)×3−3=9n−6個になります。

解答:最も外側の1周が174個なので、9n−6=174より n=20。つまり20番目の図形で、外周は偶数番目に追加された白です。
白は2番目・4番目・…・20番目に追加された周で、その個数は 9×2−6=12個、30個、48個、…、174個と、18個ずつ増える等差数列(10項)。
合計=(12+174)×10÷2=930個

【✅検算】コンピュータで20番目までの図形を実際に組み立てるシミュレーションを行い、白930個・黒840個・合計1770個を確認。合計は1辺59個の三角数 59×60÷2=1770とも一致します。所見には「白と黒の合計を答えた誤り」が報告されており、問われているのが白だけである点も最後に見直したいところです。

【💡ポイントコラム】「1辺m個の三角形のふちは3m−3個」(角の3個を二重に数えない)は、方陣算の三角形版として覚えておく価値があります。周ごとの個数が等差数列になるので、和は(初項+末項)×項数÷2で一気に求まります。

(4) 池の周りの旅人算(記述式):池の周りを、恵子さんが分速72mでA地点から、花子さんが逆回りにB地点から同時に歩き出します。5分後に初めて出会い、その4分後に花子さんはA地点を通過。2回目の出会いから9分24秒後に、花子さんは初めてB地点に戻りました。1周の道のりを求めます。

【📖大切な考え方】出会ってから花子さんがA地点まで歩いた道のりは、恵子さんが最初の5分で歩いた道のりと同じです。ここから花子さんの速さが決まります。

【👀ここに注目】「花子さんが初めてBに戻る」=「花子さんがちょうど1周した」瞬間です。所見でも、この9分24秒の使い方が差になったと指摘されています。

解答:恵子さんが5分で歩いた道のりは72×5=360m。花子さんはこれを出会いから4分で歩いたので、花子さんの速さは360÷4=分速90m。
2人合わせて分速72+90=162m。出会いから次の出会いまでに2人合わせて1周進むので、出会いの間かくは(1周)÷162分。
花子さんが1周する時間は(1周)÷90分。9分24秒=9.4分だから、
(1周)÷90=5+(1周)÷162+9.4、つまり(1周)÷90−(1周)÷162=14.4分。
両辺を90と162の公倍数810倍すると、9×(1周)−5×(1周)=14.4×810=11664。
4×(1周)=11664 より、1周=2916m

【✅検算】2916mとすると、出会いの間かくは2916÷162=18分で2回目の出会いは5+18=23分後。花子さんの1周は2916÷90=32.4分=23分+9.4分(9分24秒)となり、すべての条件に合います。分数計算ソフトによる方程式の別解でも2916mで一致しました。

【💡ポイントコラム】池の周りの出会いは「2人合わせて1周ごとに1回」。この言いかえを固定すると、複雑そうな円周上の問題が「合計の道のり」の一次元の問題に変わります。秒を分に直すときは、24秒=0.4分のような小数変換をていねいに。

大問4(速さの総合) 答:(1) 5:1 (2) 10時50分 (3) 11時50分

家から図書館までの一本道に、ポストと花屋がこの順にあります。妹は10時に徒歩で家を出発し、途中の花屋で10分間買い物をして図書館へ。姉は10時20分に自転車で家を出発し、10時25分にちょうどポストの前で妹を追い越します。姉は図書館で10分過ごして家へ引き返し、買い物を終えた妹と11時ちょうどに花屋の前ですれ違いました。

【📖大切な考え方】(1)は公式所見のとおり「妹が25分かけて歩いた道のりを、姉は5分で進んだ」ことがすべてです。同じ道のりなら、速さの比はかかった時間の逆比になります。

解答(1):10時25分の時点で、妹は25分、姉は5分歩いて同じポストにいます。速さの比は時間の逆比で、姉:妹=25:5=5:1

【👀ここに注目】(2)は「11時に花屋ですれ違った」の読み取りが鍵です。妹は花屋で10分買い物をして、終えた直後の11時に姉と会っているので、妹が花屋に着いたのは10時50分。つまり妹の歩きで、家から花屋まで50分・家からポストまで25分です。

解答(2)(記述式):妹が1分で歩く道のりを①とすると、ポストは家から㉕、花屋は家から㊿の位置、姉の速さは1分あたり⑤です。
10時25分から11時までの35分間で、姉はポスト→図書館→花屋と動き、途中で10分止まっているので、走った時間は25分。走った道のりは⑤×25=125にあたります。
図書館を家から□とすると、(□−㉕)+(□−㊿)=125 なので、□×2=200、□=100。
姉はポストから図書館まで(100−25)÷5=15分かかるので、図書館に着くのは10時40分。10分過ごして、出発は10時50分

【✅検算】姉は10時50分に図書館を出て、花屋まで(100−50)÷5=10分、ちょうど11時に花屋に着き、妹とのすれ違いと一致します。所見には「図書館の10分を加え忘れた誤り」が報告されており、この検算で防げるミスです。

解答(3):妹は11時に花屋を出発し、残り100−50=50を1分あたり①で歩くので50分。図書館到着は11時50分

【✅検算】妹の行程は、歩き50分+買い物10分+歩き50分で合計110分=1時間50分。10時出発なので11時50分着と一致します。方程式による別解(妹の分速を1とおいた座標計算)でも全設問一致を確認しました。

【💡ポイントコラム】登場人物が止まる問題では、「動いていた時間」と「止まっていた時間」を分けて数直線に書き出すのが定石です。この問題は妹の速さを①、道のりを丸数字でそろえると、方程式を使わずに図書館までの距離が求まります。

大問5(数の性質・既約分数) 答:(1) 5番目 1/2・差 1/20 (2) 31個 (3) 5/12

1より小さく分母が4以下の既約分数を小さい順に並べた列 1/4、1/3、1/2、2/3、3/4 を「分母4のグループ」と呼びます。このようなグループでは、隣り合う2つの分数の差は必ず分子が1になる、という性質が問題文で与えられています。

(1):分母5のグループを書き出します。

解答:1/5、1/4、1/3、2/5、1/2、3/5、2/3、3/4、4/5 の9個。5番目は1/2
隣り合う差は分子が1なので、差=1÷(隣り合う分母の積)。最小の差は分母の積が最大のところで生まれ、4×5=20が最大だから、最小の差は1/20(1/4−1/5と4/5−3/4)。

【✅検算】8か所の差をすべて計算すると 1/20、1/12、1/15、1/10、1/10、1/15、1/12、1/20 で、確かに分子はすべて1、最小は1/20です。左右対称に同じ差が並ぶのも見直しに使えます。

(2):分母10のグループの分数の個数を求めます。

【📖大切な考え方】公式所見のとおり、書き出すのではなく「分母を1つ増やすごとに何個追加されるか」を数えます。分母Nで新しく加わるのは、分子がNと1以外に公約数を持たない分数だけです。

解答:分母2で1個(1/2)、分母3で2個、分母4で2個(1/4、3/4)、分母5で4個、分母6で2個(1/6、5/6)、分母7で6個、分母8で4個、分母9で6個、分母10で4個(1/10、3/10、7/10、9/10)。
合計 1+2+2+4+2+6+4+6+4=31個

【✅検算】コンピュータで分母10以下の既約分数をすべて列挙して数え、31個を確認しました。「約分できる分数を二重に数えない」ことがすべてです。

(3)(記述式):あるグループでは、2/5と3/7の間に1つだけ分数が入ります。この分数を求めます。

【👀ここに注目】問題文で与えられた「隣り合う差は分子が1」という性質を、逆向きに使う設問です。入る分数を◯/□とすると、2/5とも3/7とも隣り合うことになります。

解答:3/7−2/5=15/35−14/35=1/35。
間に入る分数を◯/□とすると、隣り合う差の性質から、◯/□−2/5=1/(5×□)、3/7−◯/□=1/(7×□) と、どちらも分子1の分数になります。
2つを足すと 1/35=1/(5×□)+1/(7×□)=(7+5)÷(35×□)=12/(35×□)。
よって35×□=35×12 となり、□=12。
◯/12−2/5=1/60 より ◯/12=24/60+1/60=25/60=5/12。答えは5/12

【✅検算】小数に直すと 2/5=0.4、5/12=0.41666…、3/7=0.42857…の順で、5/12は確かに2つの間にあり、既約分数です。さらにコンピュータで分母12までの既約分数を全列挙し、2/5と3/7の間にあるのが5/12ただ1つであることも確認しました。分母11以下では間に入る分数が存在しないため、「1つだけ入る」最初のグループは分母12のグループです。公式所見には、0.41=41/100や通分した29/70を答えるなど「最小性を確認していない誤答」が紹介されており、得点率5.2%の難しさはこの詰めの部分にあったと考えられます。

【💡ポイントコラム】実は、隣り合う2つの分数の間に最初に割りこんでくるのは「分子どうし・分母どうしを足した分数」(2/5と3/7なら(2+3)/(5+7)=5/12)であることが知られています。この列はフェアリー数列と呼ばれる有名な題材で、問題文の「差の分子は必ず1」もその性質の一つです。誘導の性質を素直に式にすれば、知識がなくても答えにたどり着けるように作られています。

2021年度 第1回から学ぶ教訓

この回は、得点率9割超の標準問題群と、3割前後の応用小問(3(2)・3(4)・5(2))、そして5.2%の5(3)がはっきり層をなすセットでした。合格者最低点43点という公表値を踏まえると、大問1・2の6問と3(1)・3(3)・4(1)・5(1)を確実に積み上げるだけで合格ラインが視野に入る一方、上位層は4(2)(3)と5(2)まで伸ばして差をつけたと考えられます。過去問演習では、①前半15分の完走、②記述式(3(3)・3(4)・4(2)・5(3))で考え方を途中まででも書き切ること、③5(3)のような「答えの確認(最小性・既約かどうか)」まで含めて解答とする習慣——の3点を意識すると、この年のセットを最大限に活用できます。

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出典・著作権について
本ページが扱う入試問題の著作権は 洗足学園中学校 に帰属します。出典:洗足学園中学校 2021年度 入学試験問題「算数」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(公式解答と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
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