中学受験・算数

洗足学園中学校 2025年度 算数 過去問の傾向と解答・解説

数強塾のプロ講師陣

洗足学園中学校 2025年度 第1回 算数の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】

洗足学園中 2025年度 第1回 算数の傾向(公式公開PDFにもとづくまとめ)

  • 形式:試験時間50分・100点満点(公式PDFの表紙・解答用紙で確認)。大問5問構成で、大問1が計算2問、大問2が小問集合4問、大問3は〔Ⅰ〕〔Ⅱ〕の2本立て、大問4・5が応用問題です。複数の設問で「考え方を表す式や文章・図」の記述が求められます。
  • 頻出分野:速さ(旅人算・流水算)、数の性質(倍数・連続整数の和)、平面図形(円と等積変形)、立体図形(水量の変化・相似と影)。2025年度第1回もこの柱がそのまま出題されました。
  • 合否を分ける一問:大問2(4)の円の面積です。答えを見れば「おうぎ形2つ+三角形」の形に整理できますが、対称性に気づかず力ずくで挑むと手が止まります。また大問4は流れ込む水の割合を時系列で追えるかが勝負でした。
  • 時間配分の考え方:大問1・2を合計15分前後で切り上げ、大問3〜5に各10分程度を残すのが現実的です。記述が必要な設問(3〔Ⅰ〕(1)・3〔Ⅱ〕(2)・4(2)・5(3))は部分点も見込めるため、白紙にしない姿勢が大切です。

問題・解答例の原本は洗足学園中学校の公式サイトで公開されています → 2025年度 入試問題(公式)

※以下の解説はオンライン数学専門塾「数強塾」による独自作成です(全問、受験算数の正攻法と別解による二重検算済み)。問題は洗足学園中学校公式サイト掲載のPDFをご参照ください。

大問1(計算) 答:(1) 1/9 (2) 7/8

帯分数・小数のまじった四則計算が2問。(1)は左から計算する問題、(2)は空らんを求める逆算です。

【📖大切な考え方】計算問題は「かっこの中→かけ算・わり算→たし算・ひき算」の順序と、帯分数を仮分数に直してから約分する型を守るのが定石です。順序を崩すと最初の5点×2をまるごと落とし、後の大問で挽回する余裕がなくなります。

【👀ここに注目】(2)は式全体を「2.5−(かたまり)=1」とみて、外側から一枚ずつはがすように戻します。小数は 1.875=1と7/8=15/8 のように分数へそろえると約分が効きます。

解答
(1) かっこの中:3と1/3−1/3×2と2/9=10/3−1/3×20/9=10/3−20/27=90/27−20/27=70/27。
次に 70/27÷5と5/6=70/27×6/35=4/9。最後に 4/9−1/3=4/9−3/9=1/9
(2) 2.5−(かたまり)=1 だから(かたまり)=1.5。
1.875÷( )×1と1/6=1.5 より 1.875÷( )=1.5÷7/6=9/7。
よって( )=15/8÷9/7=15/8×7/9=35/24。
空らん=2と1/3−35/24=56/24−35/24=21/24=7/8

【✅検算】(1)は小数でも(3.333…−0.7407…)÷5.8333…−0.3333…≒0.111…=1/9、(2)は 7/8 を式に代入すると 2.5−15/8÷35/24×7/6=2.5−1.5=1 で一致しました。

大問2(小問集合) 答:(1) 5775 (2) 2430円 (3) 毎分45m (4) 23.34cm²

(1) 数の性質(回文数):右から読んでも左から読んでも同じ4桁の整数のうち、15の倍数で最大のものを求める問題です。

【👀ここに注目】15の倍数=5の倍数かつ3の倍数。一の位は0か5ですが、回文数では千の位=一の位なので0は使えず、形は「5□□5」に確定します。あとは各位の和 5+□+□+5=10+□×2 が3の倍数になる□のうち最大の7を選び、5775

(2) 差集め算:手持ちのお金で90円のペンならちょうど何本か買え、120円のペンにすると本数が7本減って30円余る、という設定です。

解答:90円のペンを買える本数を□本とすると、120円のペンは(□−7)本。90円のペンを(□−7)本だけ買えば 90×7=630円 余るはずです。同じ(□−7)本で余りが630円から30円に減ったのは、1本あたり120−90=30円ずつ多く払ったから。よって □−7=(630−30)÷30=20 で □=27本。所持金は 90×27=2430円

【✅検算】2430円で120円のペンは20本買えて余り2430−2400=30円、27−20=7本少ない。すべて条件どおりです。

(3) 流水算:15km離れた2地点を船が往復します。下りは2時間。上りは静水時の速さを1.5倍にすると3時間20分。川の流れの速さを求めます。

【📖大切な考え方】流水算は「下り=静水+流れ」「上り=静水−流れ」の2本を線分図でそろえ、和や差で流れを消すのが定石です。ここで単位を分速mにそろえ忘れると、答えの欄(毎分□m)と合わず失点します。

解答:下りの速さ=15km÷2時間=時速7.5km=毎分125m。1.5倍で上ったときの速さ=15km÷3時間20分=15000m÷200分=毎分75m。
(静水+流れ)=125、(静水×1.5−流れ)=75。2つの式をたすと流れが消えて 静水×2.5=200、静水=毎分80m。よって流れ=125−80=毎分45m

【✅検算】静水80・流れ45なら、下り125m/分で15km÷125=120分=2時間、1.5倍の上りは 120−45=75m/分で15000÷75=200分=3時間20分。一致します。

(4) 円と等積変形:直径12cmの円周を12等分し、時計の文字盤にたとえると「6時と10時を結ぶ弦」と「2時と8時を結ぶ直径」の交点Vから数本の線を引いた図で、色のついた2か所(Vと3時・4時を結んだ部分、Vと12時・11時を結んだ部分)の面積の和を求めます。

【📖大切な考え方】ばらばらに見える色つき部分は「対称の軸で折り返して1つにまとめる」のが定石です。まとめずに1つずつ求めようとすると、算数では出せない中途半端な三角形の面積が現れて詰みます。

【👀ここに注目】2時と8時を結ぶ直径は、6時と10時を結ぶ弦と垂直に交わります(8時がちょうど弧の真ん中だから)。したがって交点Vはこの弦の真ん中の点で、しかも直径(=対称の軸)の上にあります。

方針:右下の色つき部分(V・3時・4時)を、2時−8時の直径を軸に折り返すと、Vは軸上なので動かず、3時→1時、4時→12時に移ります。すると左上の部分とつながり、「Vから1時と11時に線を引き、弧(1時→12時→11時)で囲んだ1つの図形」になります。

解答:この図形は「中心Oのおうぎ形(1時〜11時、中心角60°)」に「三角形V・1時・11時 と 三角形O・1時・11時 の差」を加えたものです。
・おうぎ形:6×6×3.14×60/360=18.84cm²。
・1時と11時を結ぶ弦は水平で、中心角60°の弦だから長さは半径と同じ6cm(正三角形の1辺)。
・2つの三角形は底辺(この弦)が共通なので、面積の差=底辺×(高さの差)÷2。高さの差はOとVのたての距離です。10時の点は、半径と水平の直径のつくる角が30°=正三角形の半分の形から、中心より3cm上。6時の点は中心より6cm下。Vは弦(6時−10時)の真ん中なので、中心より(6−3)÷2=1.5cm下にあります。
・よって差=6×1.5÷2=4.5cm²。
求める面積=18.84+4.5=23.34cm²

【✅検算】座標計算(三角関数)で2か所を直接求めると 3π+4.5√3−4.5 と 3π+9−4.5√3。和をとると√3が消えて 6π+4.5=23.34cm²。ぴったり一致します。

【💡ポイントコラム】洗足の円の問題は「√3が消えるように作られている」のが合図です。1つの部分の面積が算数で出せないときは、折り返し・回転でペアを作ると和がきれいになる——この発想を疑ってください。

大問3〔Ⅰ〕(速さ・旅人算) 答:(1) 4600m (2) 3時間17分後

7200m離れた2つの町から、Aさん(分速50m)とBさん(分速40m)が同時に向かい合って出発。出会って10分話した後それぞれ引き返し、6分後にAさんが速さを2倍にしてBさんを追いかけ、プレゼントを渡してから分速50mで自分の町へ戻る、という設定です。

【📖大切な考え方】旅人算は「出会い=速さの和」「追いかけ=速さの差」で所要時間を出すのが定石です。場面が3つ以上に切り替わる問題では、時刻と位置を場面ごとに整理しないと、どこかで6分・10分のずれが混入します。

【👀ここに注目】追いかけが始まる瞬間の「2人の間の距離」さえ出せば、あとは1行です。別れてから6分で、Aは50×6=300m戻り、Bは40×6=240m進むので、間は300+240=540m開いています。

解答
(1) 出会うまで:7200÷(50+40)=80分。出会いの場所はP町から 50×80=4000m。
10分話して別れ、6分後のAの位置はP町から 4000−300=3700m、Bは 4000+240=4240m。差は540m。
追いかけはAが分速100m、Bが分速40mなので、追いつくまで 540÷(100−40)=9分。
渡した場所はBの位置=4240+40×9=P町から4600m
(2) 渡した時刻は出発から 80+10+6+9=105分後。そこから4600mを分速50mで戻るので 4600÷50=92分。
合計 105+92=197分=3時間17分後

【✅検算】Aの移動を場面ごとに合計すると 4000−300+900(9分×100m)=4600mで(1)と一致。コンピュータでの時刻シミュレーションでも4600m・197分となりました。

大問3〔Ⅱ〕(数の性質・連続整数の和) 答:(1) 221 (2) い=11、う=54

403から始まる連続5個の整数の和が2025になることを例に、(1)連続9個の和が2025になる最初の数、(2)連続「う」個の和が2025になるときの最初の数「い」として考えられる最小の整数と、そのときの個数を求めます。

【📖大切な考え方】連続する整数の和は「個数×真ん中の数(または両はしの平均)」。奇数個なら真ん中の数=和÷個数です。この言いかえを知らないと、(2)で候補を無限に試すことになります。

解答
(1) 9個の真ん中(5番目)の数=2025÷9=225。最初の数=225−4=221
(2) 和=(最初+最後)×個数÷2 だから、(最初+最後)×個数=4050。最初を「い」、個数を「う」とすると 最後=い+う−1 なので、う×(い×2+う−1)=4050。
「い」を小さくするには「う」をできるだけ大きくします。い が1以上である条件から う×(う+1)≦4050、つまり う≦63。
4050=2×3×3×3×3×5×5 の約数のうち63以下で大きい順に調べると、う=54 のとき い×2+53=4050÷54=75 で い=11(整数になる!)。
う=55〜63は4050の約数でないため不適。よって い=11、う=54

【✅検算】11から64までの54個の和=(11+64)×54÷2=75×27=2025。また1〜100個の全探索でも、条件を満たす(い, う)のうち「い」最小は (11, 54) だけでした。

【💡ポイントコラム】2025=45×45 は今年の入試の主役でした。2025=81×25、4050=2×3⁴×5² という分解を手が覚えていれば、この種の「西暦問題」は約数さがしのスピード勝負に持ち込めます。

大問4(立体図形・水量の変化) 答:(1) 毎分250cm³ (2) 10分後 (3) 14分48秒後

1辺30cmの正方形を底面とする高さ12cmの容器を、高さ10cmの板で3×3の9ブロック(①〜⑨)に仕切り、①に一定の割合で注水します。水面が10cmに達したブロックからは、となりのまだ10cmでないブロックへ等しく水が流れ込み、①が10cmになるのは2分後という設定です。

【📖大切な考え方】この型は「どの時刻に・どのブロックへ・毎分何cm³流れるか」の表を作って時系列で追うのが定石です。1ブロックの満水量は10×10×10=1000cm³。流れの分岐を1か所でも見落とすと、以後の時刻が全部ずれます。

【👀ここに注目】注水量は1000cm³÷2分=毎分500cm³。図の配置では①のとなりは②と④、②のとなりは①③⑤、④のとなりは①⑤⑦。⑤には②と④の両方から水が来る——ここが時間差を生む急所です。

解答
(1) ①が満水になると、毎分500cm³が②と④へ等しく分かれるので、②へは 毎分250cm³
(2) ②と④は各1000cm³必要なので、2分+1000÷250=6分後に同時に満水。以後、②の毎分250は③と⑤へ125ずつ、④の毎分250は⑤と⑦へ125ずつ。⑤には毎分125+125=250cm³入るので、満水まで1000÷250=4分。よって 6+4=10分後
(3) ⑧の水面が7cm=700cm³になる時刻を、全体の水量で考えます。配置は①から見て対角線について対称なので、⑥と⑧にはつねに同じ量がたまります。⑧が700cm³の瞬間、⑥も700cm³。このときすでに①②③④⑤⑦は満水(⑤は10分、③⑦もその後まもなく満水)で、⑨には⑥⑧が満水になるまで水が届かないので0cm³。
容器全体の水量=1000×6+700×2=7400cm³。毎分500cm³入るので 7400÷500=14.8分=14分48秒後

【✅検算】流れの分岐を毎分単位で追うシミュレーション(コンピュータ)でも、⑤の満水は10分、⑧が700cm³になるのは14.8分=14分48秒で一致しました。

大問5(立体図形・点光源と影) 答:(1) EF=16m、GH=28m (2) 594m² (3) 7884m³

地面に垂直な長方形の板ABCD(横9m・縦8m)と壁があり、真上から見ると板は壁と垂直で、壁から21m離れた位置から9mのび、さらに12m先の横18mの位置に点光源Pがあります。壁にできる影EFGHについて考えます。

【📖大切な考え方】点光源の影は「Pを中心とする拡大図」。拡大率は(Pから壁までの距離)÷(Pからその辺までの距離)で、壁と平行な方向の距離で測るのが定石です。辺ごとに拡大率が違うことを見落とすと、影を1つの長方形と誤解して全滅します。

【👀ここに注目】Pから壁までは 21+9+12=42m。板の壁に近い側の辺ABまでは 42−21=21m、遠い側の辺DCまでは 12m。つまりABは42÷21=2倍、DCは42÷12=3.5倍に拡大されます。

解答
(1) EF=ABの影=8×2=16m。GH=DCの影=8×3.5=28m
(2) 真上から見ると、Pから板の直線までの横の距離は18m。影の位置はPの正面から横に 18×2=36m と 18×3.5=63m なので、EFとGHの間隔は 63−36=27m。EFGHは平行な2辺が16mと28mの台形だから、面積=(16+28)×27÷2=594m²
(3) 求める立体は、Pを頂点として影EFGHへ広がる四角すいから、手前の四角すいP-ABCDを切り取った形です。
・四角すいP-EFGH:底面594m²、Pから壁までの距離42m → 594×42÷3=8316m³。
・四角すいP-ABCD:底面=板=9×8=72m²、Pから板をふくむ面までの距離は横向きの18m → 72×18÷3=432m³。
よって 8316−432=7884m³

【✅検算】座標を設定し8頂点を数値計算すると、E・Fは壁面上の高さ16m、H・Gは高さ28mの位置になり台形の面積594m²、立体の体積も(すい体の差でも数値積分でも)7884m³で一致しました。

【💡ポイントコラム】「すい体から小さいすい体を引く」とき、2つの底面が平行でなくてもかまいません。頂点Pが共通で、側面がPを通る平面でつながっていれば差し引きは成立します。洗足の立体は、この一段深い理解を試してきます。

2025年度 第1回から学ぶ教訓

今年のセットは「定石+ひとひねり」の見本市でした。回文数に5の倍数の条件を重ねる、流水算に1.5倍の設定を混ぜる、影の拡大率を辺ごとに変える——どれも定石を「使える形に言いかえる」力を試しています。過去問演習では、答え合わせで終わらせず「どの定石が、どうひねられていたか」を1行で言語化する習慣が、洗足学園対策として効果的です。

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出典・著作権について
本ページが扱う入試問題の著作権は 洗足学園中学校 に帰属します。出典:洗足学園中学校 2025年度 入学試験問題「算数」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(公式解答と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
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