芝国際中学校 算数の傾向と対策【数強塾オリジナル】
芝国際中学校(東京都港区)は、東京女子学園を母体として2023年に共学化・校名変更のうえ開校した比較的新しい共学校です。都心・田町エリアという立地と国際教育への力の入れ方で注目を集めており、「本科」と英語を軸にした「国際ADVANCED」のコースを設けているのが特徴です。開校からの年数が浅いため過去問の蓄積はまだ多くありませんが、学校公式サイトで公開されている募集要項からは、算数の位置づけや時間・配点といった枠組みをはっきり読み取ることができます。本記事では、公開情報にもとづいて算数入試の枠組みを整理したうえで、オンライン数学専門塾「数強塾」が作成したオリジナル類題5問を、考え方・解答・検算つきで掲載します。
入試の枠組み(2026年度・公式募集要項より)
2026年度の一般入試は、2月1日午前・2月1日午後(特待)・2月2日午後(特待)・2月3日午後(特待)・2月5日午後と複数回設定されています。本科では、2月1日午前が「2科(国語・算数)」または「4科(国語・算数・理科・社会)」の選択制、それ以外の回は2科(国語・算数)と案内されています。
算数は45分・100点満点(時間割上は9:55〜10:40)で、国語も45分・100点満点。理科・社会は4科受験時に各50点で実施されます。2科入試では国語と算数だけで合否が決まるため、算数の配点が全体の半分を占めることになります。出願方法・受験料・各回の募集人員などの最新情報は、必ず 芝国際中学校 公式サイト の募集要項でご確認ください。
※本ページは公開情報にもとづく傾向分析と、数強塾オリジナルの自作類題による対策です。実際の問題文・図は学校公式サイトでご確認ください。開校からの年数が浅く過去問の蓄積が限られるため、細かな出題傾向については断定を避け、一般的な中学受験算数の枠組みにもとづいて整理しています。
出題分野の傾向
芝国際は開校からの年数が浅いため、「毎年この分野が必ず出る」といった固定的な傾向を語れる段階ではありません。ここでは、公開されている時間・配点の枠組みと、中学受験算数一般の標準的な構成をふまえて、対策の柱になりうる分野を整理します。
- 試験時間45分という短さ:算数は45分です。50分・60分の学校と比べるとやや短めで、1問あたりにかけられる時間が限られます。そのため、計算の工夫で時間を節約し、確実に取れる問題を取り切る処理速度と精度が、合否を分ける要素になると考えられます。
- 計算・小問集合:多くの中学入試と同様、序盤に計算問題や一行問題(小問集合)が置かれる構成が一般的です。ここでの取りこぼしは合否に直結しやすいため、分配法則・逆算・単位換算などは反射のレベルまで仕上げておきたいところです。
- 割合と比・文章題:食塩水の濃度、売買損益、仕事算、比を使った文章題は、中堅〜上位校で頻出のテーマです。比を使った処理に習熟しているかどうかで、解答時間に大きな差がつきます。
- 速さ:旅人算(出会い・追いつき)、ダイヤグラム、流水算などは、線分図・グラフで状況を整理する力が問われます。速さの比(逆比)を使いこなせると、計算量を減らせるうえ検算にも使えます。
- 平面図形・立体図形:相似・面積比・角度、立体の体積・表面積・水そう問題などは、受験算数の骨格をなす分野です。図をていねいにかき、補助線の意味を言葉で説明できるレベルを目指しましょう。
- 場合の数・規則性:数え上げ、道順、支払い方など、条件を漏れなく整理して数える問題も対策の価値があります。書き出しと計算のバランスをとる練習が効きます。
※以下の類題5問は、上記の枠組みをふまえて数強塾が独自に作成したオリジナル問題です。実在の過去問の複製や数値替えではありません。全問、正攻法の解答に加えて、独立した別の方法による二重検算を行い、答えの一致を確認しています。
オリジナル類題で対策
類題1(計算の工夫・逆算)
【問題】 次の計算をしなさい。(3)は□にあてはまる数を求めなさい。
(1) 12.5×3.2+12.5×6.8
(2) 2025×2025−2024×2026
(3) (□+1/3)×3/4−1/2=1
【方針】 計算問題は「そのまま計算したら負け」と考え、まず式の形を観察します。(1)は共通する12.5でくくると一気に楽になります。(2)は「2024×2026」を2025を中心にした形に見なおすのが急所です。(3)の逆算は、計算の順序を最後から逆にたどります。45分の試験では、ここでの失点と時間ロスがそのまま後半にひびきます。
【解答】 (1) 12.5×(3.2+6.8)=12.5×10=125。
(2) 2024×2026=(2025−1)×(2025+1)=2025×2025−1 なので、2025×2025−(2025×2025−1)=1。
(3) (□+1/3)×3/4=1+1/2=3/2。□+1/3=3/2÷3/4=3/2×4/3=2。□=2−1/3=5/3(1と2/3)。
【検算】 (1) くふうせず直接計算すると 40+85=125 で一致。(2) 小さい数で同じ形を試すと 5×5−4×6=25−24=1 となり、構造どおり1になることを確認。(3) □=5/3を元の式に代入すると、(5/3+1/3)=2、2×3/4=3/2、3/2−1/2=1 で右辺と一致します。
類題2(割合と比・食塩水)
【問題】 6%の食塩水200gと、10%の食塩水300gがあります。
(1) この2つをすべて混ぜ合わせると、何%の食塩水になりますか。
(2) (1)でできた食塩水に水を何g加えると、7%の食塩水になりますか。
【方針】 食塩水の問題は、「とけている食塩の重さ」を絶対にずらさないのが基本です。まず食塩の重さを求めて固定し、割合は「食塩÷全体」で考えます。水を加える操作では、食塩の重さは変わらず全体の重さだけが増える、という点がポイントです。
【解答】 食塩の重さは、200×0.06=12(g)と 300×0.10=30(g)で、合計 12+30=42(g)。全体は 200+300=500(g)です。
(1) 42÷500=0.084 なので 8.4%。
(2) 水を□g加えると全体は(500+□)gになり、食塩42gは変わりません。7%になる条件は 42÷(500+□)=0.07。よって 500+□=42÷0.07=600、□=100(g)。
【検算】 (1) てんびん法で確認します。6%と10%を200g:300g=2:3で混ぜるので、濃度は6と10を3:2に内分し、6+(10−6)×3/5=6+2.4=8.4%で一致。(2) 加えた後の食塩水は600gで、その7%は 600×0.07=42(g)。もとの食塩42gと一致し、水100gを加えた結果として正しいことが確認できます。
類題3(速さ・旅人算)
【問題】 P地点とQ地点は2400mはなれています。兄はPから分速60mで、弟はQから分速100mで、同時に向かい合って出発しました。
(1) 2人が出会うのは出発してから何分後で、それはPから何mの地点ですか。
(2) 出会ったあとも2人は同じ速さで進み続けます。弟が兄の出発点Pに着いたとき、兄はPから何mの地点にいますか。
【方針】 向かい合って進む旅人算は、「2人のへだたり」÷「1分に近づく距離(速さの和)」で出会うまでの時間が出ます。(2)は、だれが・いつ・どこにいるかを線分図に書き込み、時刻をそろえて位置を比べるのがコツです。
【解答】 (1) 1分間に近づく距離は 60+100=160(m)。2400÷160=15 より 15分後。出会う地点はPから 60×15=900(m)。
(2) 弟はQからPまでの2400mを進むので、かかる時間は 2400÷100=24(分)。出発から24分後、兄はPから 60×24=1440(m)の地点にいます(Qまで残り960m)。
【検算】 (1) 速さの比で確かめます。兄:弟=60:100=3:5なので、同じ時間で進む距離の比も3:5。全体2400mを3:5に分けると、兄は 2400×3/8=900(m)で一致し、弟は1500m、合計2400mで整合します。(2) 24分の時点で弟は 100×24=2400(m)進みちょうどPに到着、兄は 60×24=1440(m)でまだQに達しておらず(1440<2400)、位置関係につじつまが合います。
類題4(平面図形・面積比)
【問題】 三角形ABCの面積は60cm²です。辺AB上に AP:PB=3:2 となる点P、辺AC上に AQ:QC=1:1 となる点Q(ACの真ん中)をとります。
(1) 三角形APQの面積を求めなさい。
(2) 四角形PBCQの面積を求めなさい。
【方針】 頂点Aを共有する2つの三角形ABCとAPQは、「2辺の積の比」で面積が比べられるのが急所です。三角形APQと三角形ABCは角Aを共有するので、面積比は (AP÷AB)×(AQ÷AC) で求められます。
【解答】 (1) AP:AB=3:5、AQ:AC=1:2なので、三角形APQ÷三角形ABC=3/5×1/2=3/10。よって 60×3/10=18(cm²)。
(2) 四角形PBCQは、三角形ABCから三角形APQを取り除いた残りなので、60−18=42(cm²)。
【検算】 別の分け方で確かめます。まずAQで分け、三角形ABQは高さが共通でACの半分だから 60×1/2=30(cm²)。次にその三角形ABQをAPで分けると、三角形APQは 30×(AP÷AB)=30×3/5=18(cm²)で(1)と一致。四角形PBCQは、三角形PBQ(30−18=12)と三角形BCQ(60−30=30)の和 12+30=42(cm²)でも同じ値になり、整合します。
類題5(場合の数・支払い方)
【問題】 100円硬貨、50円硬貨、10円硬貨をあわせて使い、ちょうど300円を支払います。使わない種類の硬貨があってもかまいません。硬貨は何枚でも使えるとき、支払い方は全部で何通りありますか。
【方針】 3種類の枚数をいっぺんに考えると混乱します。いちばん大きい100円硬貨の枚数で場合分けし、残りを50円と10円で作る通り数を数えるのが定石です。数え落としと重複を防ぐため、必ず「大きい硬貨から順に」固定します。
【解答】 100円硬貨を a 枚使うとすると、a は0〜3枚。残り (300−100×a) 円を50円と10円で作ります。
・a=0:残り300円。50円を0〜6枚(残りは10円で調整)で 7通り。
・a=1:残り200円。50円を0〜4枚で 5通り。
・a=2:残り100円。50円を0〜2枚で 3通り。
・a=3:残り0円。50円0枚・10円0枚の 1通り。
合計 7+5+3+1=16通り。
【検算】 逆に「50円硬貨の枚数」で場合分けして数え直します。50円を b 枚(0〜6枚)使うと、残り (300−50×b) 円を100円と10円で作ります。残額を100円 c 枚で作れるのは c=0〜(残額÷100の整数部分)、そのそれぞれで10円が一意に決まります。b=0で残300→c=0〜3の4通り、b=1で残250→3通り、b=2で残200→3通り、b=3で残150→2通り、b=4で残100→2通り、b=5で残50→1通り、b=6で残0→1通り。合計 4+3+3+2+2+1+1=16通りとなり、最初の数え方と一致します。
学習アドバイス
【時期別】
- 6年生の夏まで:まずは全分野の典型問題を穴なく仕上げることが最優先です。計算・割合・速さ・図形といった土台を固め、計算練習は毎日、時間を計って「速く・正確に」を体にしみこませましょう。45分という短めの試験時間では、処理速度がそのまま得点力になります。
- 秋(9〜11月):時間を計った演習に移ります。芝国際は過去問の蓄積が限られるため、同じ試験時間(45分)・同程度の難易度の問題集や、中堅〜上位共学校の問題で「45分で解ききる感覚」を養うのが有効です。まちがえた問題は「知らなかった解法」なのか「処理ミス」なのかを仕分けし、ミスは原因を言葉でノートに記録しましょう。
- 直前期(12月〜1月):新しい教材に広げるより、使い慣れた問題集の反復で精度を上げる時期です。芝国際は複数回入試・特待入試があるため、受験する回の集合時刻や時間割を公式募集要項で確認し、本番の流れを頭に入れておくと落ち着いて臨めます。本記事の【検算】のような「別ルートでの確かめ」を試験運びに組み込みましょう。
【分野別】
- 計算・逆算:分配法則・和と差の積・逆算(類題1)は反射のレベルまで。「工夫が見えるまで手を動かさない」一呼吸が、結局いちばん速い解き方です。
- 割合と比:食塩水・売買・比の文章題は、てんびん法や線分図(類題2)を使いこなせると、計算量が減り検算もしやすくなります。
- 速さ:旅人算は線分図で「いつ・どこ」を図示する習慣を。速さの比(逆比)での検算(類題3)ができると精度が大きく上がります。
- 平面図形:角を共有する三角形の面積比(類題4)、相似(ちょうちょ形・ピラミッド形)は必須技術です。補助線を「なぜその線か」まで言葉で説明できるようにしましょう。
- 場合の数:数え上げは「大きいものから固定して場合分け」(類題5)が基本。別の順序で数え直して同じ答えになるか確かめる習慣が、数え落としを防ぎます。


