品川女子学院中等部 算数の傾向と対策【数強塾オリジナル】
品川女子学院中等部(東京都品川区北品川)は、「28プロジェクト」で知られるキャリア教育や、活発な行事・部活動を特色とする、東京の女子校のひとつです。入学試験において算数は合否を左右する重要教科であり、限られた時間のなかで基本から標準の問題を正確に解ききる力が求められます。この記事では、学校が公式サイトで公開している募集要項の範囲で入試の枠組みを整理したうえで、オンライン数学専門塾「数強塾」が独自に作成したオリジナル類題5問を、方針・解答・検算つきで掲載します。実在の過去問を書き写したものは一切なく、公開情報から知られる一般的な傾向をふまえて数強塾が新しく作った問題です。答えはすべて、正攻法とは別のもう一つの方法による二重検算で一致を確認しています。
入試の枠組み(公式募集要項より)
品川女子学院中等部の中等部入試は、公式サイトの募集要項によると、第1回(2月1日・募集90名)、算数1教科午後入試(2月1日午後・募集20名)、第2回(2月2日・募集60名)、表現力・総合型入試(2月4日・募集30名)という複数の回で構成されています。第1回・第2回は4科目型で、算数は100点満点・50分と案内されています。一方、算数1教科午後入試は算数のみ100点満点・60分で、算数の得意を武器にできる入試方式が用意されている点が特徴です。出願期間・受験料・帰国生入試や各回の詳細など最新情報は、必ず 品川女子学院 中等部入試・帰国生(公式) でご確認ください。募集人員や日程・配点は年度によって変わることがあります。
※本ページは公開情報にもとづく傾向分析と、数強塾オリジナルの自作類題による対策です。実際の問題文・図は学校公式サイトでご確認ください。
出題分野の傾向
本記事は特定年度の問題の転載・解説ではなく、公式に公開されている枠組みと、女子校の受験算数一般に見られる特徴をふまえた整理です。第1回・第2回の算数が50分・100点、算数1教科午後入試が60分・100点という設定から、次のような姿勢が対策の中心になると考えられます。
- 正確でスピーディな処理力:4科型の算数は50分・100点です。奇をてらった難問を1問時間をかけて解くよりも、基本から標準の問題を、読みまちがい・計算まちがいなく最後まで解ききる力が得点に直結します。計算練習を毎日、時間を計って積むことが土台になります。
- 分野をかたよりなく:計算・数の性質、割合と比(食塩水・売買・仕事算)、速さ(旅人算・流水算)、平面図形(面積比・角度・求積)、規則性・場合の数など、受験算数の定番分野を広くていねいに問う出題が一般的です。特定の一分野だけを深追いするより、全分野を穴なく仕上げる方が効きます。
- 算数1教科入試を見すえた深さ:算数のみ60分・100点という方式が用意されているのは、算数を得意にした受験生にとって大きなチャンスです。1教科入試を視野に入れるなら、標準問題の完成度に加えて、やや思考力を要する問題を時間内にねばり強く解ききる力まで伸ばしておきたいところです。
- 条件の読み取り:やや長めの文章題では、条件を順に整理して立式する読解力が問われます。図や表・線分図を自分でかき直しながら、条件を落とさず拾う練習が有効です。
- 途中式・考え方:答えの数値だけでなく、どう考えたかを簡潔に示す習慣をつけておくと、見直しや部分点の面で有利になります。
オリジナル類題で対策
以下の5問は、上記の傾向をふまえて数強塾が独自に作成したオリジナル問題です。実在の過去問の複製ではありません。全問、正攻法の解答に加えて独立した別の方法による二重検算を行い、答えの一致を確認しています。
類題1(数の性質)
【問題】 7 で割ると 3 あまり、11 で割ると 5 あまる整数があります。このような整数のうち、3 けたでもっとも小さいものを求めなさい。
【方針】 2 つの割り算のあまりが同時に決まる数は、どちらの条件も満たす最小の数を見つけ、あとは 2 つの割る数の最小公倍数ずつ増やしていくのが定石です。まず「7 で割ると 3 あまる」数を小さい順に調べ、そのなかで「11 で割ると 5 あまる」ものを探します。
【解答】 7 で割ると 3 あまる数は 3, 10, 17, 24, 31, 38, … と続きます。この中で 11 で割ると 5 あまるものを探すと、 あまり 5 なので、 が両方を満たす最小の数です。7 と 11 の最小公倍数は なので、条件を満たす数は と 77 ずつ増えます。3 けたでもっとも小さいものは 。よって 115。
(確かめ: あまり 3、 あまり 5。条件どおり。)
【検算(別解)】 式を使って確かめます。求める数を とおくと、これを 11 で割ったあまりが 5 になればよいので と の差 が 11 の倍数です。 のとき となり成立し、このとき数は 。ここから 77 ずつふやして 3 けた最小を探すと 115。正攻法と一致しました。
類題2(割合と比・売買算)
【問題】 ある品物に、原価の 2 割の利益を見込んで定価をつけました。ところが売れないので、定価の 1 割引きで売ったところ、利益は 120 円になりました。この品物の原価はいくらですか。
【方針】 売買の問題は、原価を「もとにする量」(割合の 1)として、定価・売り値・利益をすべて原価の何倍かで表すのが急所です。
【解答】 原価を とすると、定価は 2 割の利益をのせて 。その 1 割引きで売ったので売り値は 。利益は売り値から原価を引いて 。この (原価の 8 分にあたる分)が 120 円なので、原価は 。よって 1500 円。
(確かめ:定価 円、その 1 割引きは 円、利益は 円。条件どおり。)
【検算(別解)】 金額の形をくずさずに逆算で確かめます。売り値は原価より 120 円高いので 円。一方、売り値は定価の 0.9 倍で、定価は原価の 1.2 倍だから、売り値は原価の 倍。よって となり、、 円。正攻法と一致しました。
類題3(速さ・旅人算)
【問題】 1 周 1800m の池のまわりを、姉は分速 120m、妹は分速 80m で歩きます。同じ地点から同時に出発するとき、
(1) 反対向きに歩くと、2 人が初めて出会うのは出発してから何分後ですか。
(2) 同じ向きに歩くと、姉が妹に初めて追いつくのは出発してから何分後ですか。
【方針】 円形のコースの旅人算は、反対向きなら「2 人の速さの和」、同じ向きなら「2 人の速さの差」で 1 周分を割るのが定石です。
【解答】 (1) 反対向きでは 2 人は 1 分間に合わせて m 近づきます。1 周 1800m 分近づけば出会うので、。9 分後。
(2) 同じ向きでは 1 分間に m ずつ差が開きます。姉が妹よりちょうど 1 周(1800m)多く進めば追いつくので、。45 分後。
【検算(別解)】 進んだ道のりで確かめます。(1) 9 分間に姉は m、妹は m 進み、合計は m でちょうど 1 周。(2) 45 分間に姉は m、妹は m 進み、その差は m でちょうど 1 周分。どちらも正攻法と一致しました。
類題4(平面図形・台形の面積比)
【問題】 上底 AD が 6cm、下底 BC が 9cm の台形 ABCD(AD と BC は平行)があります。対角線 AC と BD の交点を O とします。
(1) 三角形 AOD と三角形 BOC の面積の比を、もっとも簡単な整数の比で求めなさい。
(2) 三角形 AOD の面積が 12cm² のとき、台形 ABCD 全体の面積を求めなさい。
【方針】 台形の 2 本の対角線がつくる三角形は、上底と下底が平行なので、三角形 AOD と三角形 BOC が相似になります。相似比は 、面積比はその 2 乗になることを使います。
【解答】 (1) AD と BC が平行なので三角形 AOD と三角形 BOC は相似で、相似比は 。面積比は相似比の 2 乗なので 。4 : 9。
(2) 相似比が なので 。三角形 AOD と三角形 AOB は底辺 OD・OB を共有する頂点 A の三角形とみると高さが等しく、面積比は 。三角形 AOD が 12cm² だから三角形 AOB は cm²。同じように三角形 DOC も 18cm²。三角形 BOC は (1) より AOD の 倍で cm²。よって台形全体は 。75cm²。
【検算(別解)】 全体を「単位」で数えて確かめます。三角形 AOD を 4、BOC を 9 とすると、両わきの三角形 AOB・DOC はそれぞれ と の間の数で、 より 6。台形全体は 単位です。三角形 AOD の 4 単位が 12cm² なので 1 単位は 3cm²。全体は cm²。正攻法と一致しました。
類題5(場合の数)
【問題】 100 円硬貨、50 円硬貨、10 円硬貨を使って、ちょうど 500 円を支払います。使わない硬貨があってもよいものとするとき、支払い方は全部で何通りありますか。
【方針】 金額の場合の数は、いちばん大きい硬貨(100 円)の枚数で場合分けし、残りを整理して数えるのが確実です。100 円硬貨の枚数を 0 枚から順に固定し、それぞれで 50 円と 10 円の組み合わせが何通りあるかを数えます。
【解答】 100 円硬貨を 枚()使うと、残り 円を 50 円と 10 円でつくります。50 円硬貨の枚数を決めれば 10 円硬貨の枚数は自動的に決まるので、50 円硬貨を何枚まで使えるかを数えれば十分です。
:残り 500 円。50 円は 0〜10 枚で 11 通り。
:残り 400 円。50 円は 0〜8 枚で 9 通り。
:残り 300 円。50 円は 0〜6 枚で 7 通り。
:残り 200 円。50 円は 0〜4 枚で 5 通り。
:残り 100 円。50 円は 0〜2 枚で 3 通り。
:残り 0 円。50 円は 0 枚のみで 1 通り。
合計は 。よって 36 通り。
【検算(別解)】 たし算の形に注目して確かめます。数えあげた通り数は という連続する奇数で、その和は「はじめの 6 個の奇数の和」です。奇数を小さい方から 個たすと になる()ので、6 個の和は 。正攻法と一致しました。
学習アドバイス
【時期別】
- 6年生の夏まで:計算・数の性質、割合と比、速さ、平面図形といった定番分野の典型問題を、穴なく仕上げるのが最優先です。50分で解ききる試験に向けて、計算は毎日、時間を計って「速く・正確に」を体にしみこませましょう。
- 秋(9〜11月):やや長めの文章題を、条件を線分図や表に整理し直しながら正確に読み取る演習を積みます。算数1教科午後入試を視野に入れる場合は、標準問題の完成度を上げたうえで、思考力を要する問題を60分でねばり強く解ききる練習も加えるとよいでしょう。まちがえた問題は「読み取りのミス」か「計算のミス」かを仕分け、原因を言葉でノートに残すと伸びが早まります。
- 直前期(12月〜1月):新しい教材を広げるより、使い慣れた問題集の反復で精度と速度を上げます。本記事の【検算(別解)】のように、別ルートで答えを確かめる習慣を身につけると、ケアレスミスによる失点を大きく減らせます。
【分野別】
- 数の性質:2 つの割り算のあまりが同時に決まる数(類題1)は、「両方を満たす最小の数を見つけ、最小公倍数ずつふやす」手順をすぐ引き出せるようにしましょう。
- 割合と比:売買(類題2)は「原価を 1 とおいて、定価・売り値・利益をすべて原価の何倍かで表す」正攻法を徹底すると、迷わず立式できます。
- 速さ:円形コースの旅人算(類題3)は、「反対向きは速さの和、同じ向きは速さの差で 1 周を割る」を定石として身につけましょう。
- 平面図形:台形の対角線がつくる三角形の面積比(類題4)は、「相似比の 2 乗が面積比」「両わきの三角形は相似比の積」の 2 点を押さえると強力です。
- 場合の数:金額の払い方(類題5)は、「大きい硬貨の枚数で場合分けし、もれなく重複なく数える」手つきを徹底しましょう。
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