中2|平行線と角・図形の性質解き方がわからないときは 中2数学|平行線と角 対頂角・同位角・錯角を基礎から解説【中2数学】(無料問題PDF) を先に読むと、この問題で何を問われているかが分かります。
- 「AB=ACである△ABCでは、∠B=∠Cである」の仮定と結論を答えましょう。
- 「MはBCの中点」という仮定から直接導ける二つの事実を答えましょう。
- AB=AC、MはBCの中点である△ABCについて、△ABMと△ACMの合同条件に必要な三つの等式を書きましょう。
- 二直線ACとBDがOで交わる図で、∠AOB=∠CODといえる根拠を答えましょう。
- AB∥CDを使って∠BAC=∠DCAとする場合、この二角の位置関係を答えましょう。
- △ABC≡△DEFのとき、AC=DFを結論にできる根拠を答えましょう。
- 「四角形の対角線の長さが等しいならば、その四角形は正方形である」が誤りであることを示す反例を一つ答えましょう。
- 例3の証明で、AP=APは「仮定より」と書いてよいですか。正しい根拠も答えましょう。
図形の証明は、仮定から出発し、既に認められた性質を根拠として結論までつなぐ説明です。図の見た目や測定値ではなく、「何が与えられ、何を示すか」「どの根拠で次の事実が言えるか」を一行ずつ明らかにすれば、証明を組み立てられます。
証明とは
数学の証明は、ある事柄が必ず成り立つことを、定義、仮定、既に確かめられた性質などから筋道立てて説明することです。一つの図を定規や分度器で測って同じだったとしても、全ての場合に成り立つ根拠にはなりません。
| 方法 | 分かること | 証明になるか |
|---|---|---|
| 図を測る | その図でのおよその長さ・角度 | ならない |
| いくつか試す | 成り立ちそうだという予想 | 全ての場合の証明にはならない |
| 仮定と性質から導く | 条件を満たす全ての場合で成り立つこと | なる |
仮定と結論
「PならばQ」という形の事柄で、出発点となるPを仮定、証明したいQを結論といいます。
例1:文章から仮定と結論を取り出す
問題:四角形ABCDで、AB∥CD、AB=CDならば、AD=BCであることを証明しなさい。
- 仮定:AB∥CD、AB=CD
- 結論:AD=BC
対角線ACを引けば、結論のADとBCをそれぞれ含む△DCAと△BACを比べられます。
問題文に書かれた全てが仮定とは限りません。「四角形ABCD」は図形と点の名前を定め、「証明しなさい」の後は結論を示します。条件と目標を分けて書き出しましょう。
証明の方針は前と後ろから考える
仮定から前向きに考える
仮定から直接言えることを書き出します。
- AB∥CDなら、横切るACについて錯角が等しい。
- AB=CDは、二つの三角形の一組の辺として使える。
- ACを共有する二三角形なら、AC=CA。
結論から後ろ向きに考える
AD=BCを示すには、ADとBCが対応する二三角形の合同を示せないか考えます。結論を仮定して使うのではなく、結論を得られる直前の事実を探します。
← 対応する辺として使いたい
← △DCA≡△BACを示したい
← 合同条件を満たす三つの根拠を探す
前向きに得た材料と、後ろ向きに必要だと分かった材料がつながると、証明の方針ができます。
合同を使う証明の標準形
- 証明する二つの三角形を、対応順を意識して示す。
- 仮定から得られる等式を書く。
- 共通辺・対頂角・平行線などから得られる等式を書く。
- 三つの事実が満たす合同条件を書く。
- 対応する頂点を同じ順にして合同を記す。
- 合同な図形の性質から、結論の辺または角が等しいと書く。
例2:SASで全文を書く
例1を証明します。
△BACと△DCAにおいて、
仮定より、AB=CD ……①
AB∥CDより、錯角は等しいので、∠BAC=∠DCA ……②
共通な辺なので、AC=CA ……③
①、②、③より、二組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、
△BAC≡△DCA
合同な図形の対応する辺は等しいので、BC=DA
したがって、AD=BC
対応はB↔D、A↔C、C↔Aです。辺ABとACの間が∠BAC、辺CDとCAの間が∠DCAなのでSASです。
各行の根拠を書く
証明では、なぜその等式を言えるかが重要です。代表的な根拠を整理します。
| 得られる事実 | 根拠の例 |
|---|---|
| 二辺が等しい | 仮定、共通辺、中点の定義、合同な図形の対応する辺 |
| 二角が等しい | 仮定、対頂角、平行線の同位角・錯角、角の二等分線、合同な図形の対応する角 |
| 二直線が平行 | 仮定、同位角または錯角が等しいこと、同側内角の和が180° |
| 二角がともに90° | 垂直の定義、直角三角形の仮定 |
| 残りの角が等しい | 三角形の内角の和が180° |
「同じだから」「図より」だけでは、何を根拠にしたかが分かりません。「MはBCの中点なのでBM=CM」のように、条件と導かれる事実を結びます。
仮定から一段階導く
仮定の言葉を、そのまま合同条件へ使えないことがあります。定義を用いて等式へ直します。
| 仮定 | 導けること |
|---|---|
| MはBCの中点 | B、M、Cは一直線上にあり、BM=CM |
| APは∠Aの二等分線 | ∠BAP=∠PAC |
| AB⊥CD | 交点にできる角は90° |
| AB∥CD | 横切る直線について同位角・錯角が等しい |
| AB=AC | △ABCは頂角Aの二等辺三角形として扱える |
結論に合う三角形を選ぶ
例3:角の二等分線を使う
仮定:AB=AC、APは∠BACの二等分線。
結論:PB=PC。
結論のPBとPCを含む△ABPと△ACPを比べます。
△ABPと△ACPにおいて、
仮定より、AB=AC ……①
APは∠BACの二等分線なので、∠BAP=∠CAP ……②
共通な辺なので、AP=AP ……③
①、②、③より、二組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、
△ABP≡△ACP
合同な図形の対応する辺は等しいので、PB=PC
二つの三角形を選ぶときは、示したい二辺または二角がそれぞれに一つずつ含まれるか確認します。
対応順を確認する
合同記号の順序を誤ると、最後に対応しない辺や角を等しいとしてしまいます。例3では、
△ABP≡△ACP
です。したがってPBにはPCが対応します。△ABP≡△APCと書くと、B↔P、P↔Cという誤った対応になります。
穴埋め証明の考え方
例4:空欄から合同条件を逆算する
次の証明で、③と合同条件が空欄だとします。
△AOBと△CODにおいて、
AO=CO ……①
BO=DO ……②
( ) ……③
①、②、③より、( )ので、△AOB≡△COD
①と②は二組の辺です。SASにするには、その二辺の間の角が必要です。二直線ACとBDがOで交わるなら、対頂角より∠AOB=∠CODです。
③:対頂角は等しいので、∠AOB=∠COD
合同条件:二組の辺とその間の角がそれぞれ等しい
証明を短くしてよい範囲
答案の詳しさは授業や試験の指示に従います。ただし、次の要素は省かない方が安全です。
- どの二三角形を比べるか
- 合同条件に使う三つの事実と、それぞれの根拠
- 合同条件の名称
- 対応順をそろえた合同記号
- 合同から結論が導かれる根拠
「①②③より合同。よって等しい」だけでは、どの合同条件か、何が対応するかが伝わりません。
逆と反例
「PならばQ」に対して、「QならばP」を元の事柄の逆といいます。元の事柄が正しくても、逆が正しいとは限りません。
例5:逆が成り立たないことを反例で示す
元の事柄:四角形が正方形ならば、二本の対角線の長さは等しい。これは正しい事柄です。
逆:二本の対角線の長さが等しい四角形ならば、正方形である。
正方形でない長方形でも対角線の長さは等しいため、逆は成り立ちません。この長方形が反例です。
一つの反例が見つかれば、「全ての場合に成り立つ」という主張は否定できます。一方、いくつ例を調べても、それだけで全ての場合の証明にはなりません。
よくある誤りと直し方
| 誤り | 直し方 |
|---|---|
| 図で等しく見える辺を使う | 仮定、定義、既知の性質のどれが根拠か確認する |
| 示したい結論を途中で仮定する | 結論は方針を立てるために見るが、根拠としては使わない |
| 「平行だから角が等しい」だけ | どの角が同位角・錯角なのかを示す |
| 合同条件に合わない三事実を並べる | 辺・角の位置まで確認し、SSS・SAS・ASAのどれかに対応させる |
| 合同記号の順序が不一致 | 一つ目の三角形の各頂点に対応する頂点を順に読む |
| 元の事柄が正しいから逆も正しいとする | 逆は別の主張として証明するか、反例を探す |
確認問題
- 「AB=ACである△ABCでは、∠B=∠Cである」の仮定と結論を答えましょう。
- 「MはBCの中点」という仮定から直接導ける二つの事実を答えましょう。
- AB=AC、MはBCの中点である△ABCについて、△ABMと△ACMの合同条件に必要な三つの等式を書きましょう。
- 二直線ACとBDがOで交わる図で、∠AOB=∠CODといえる根拠を答えましょう。
- AB∥CDを使って∠BAC=∠DCAとする場合、この二角の位置関係を答えましょう。
- △ABC≡△DEFのとき、AC=DFを結論にできる根拠を答えましょう。
- 「四角形の対角線の長さが等しいならば、その四角形は正方形である」が誤りであることを示す反例を一つ答えましょう。
- 例3の証明で、AP=APは「仮定より」と書いてよいですか。正しい根拠も答えましょう。
確認問題の解答と考え方
- 仮定はAB=AC、結論は∠B=∠Cです。
- B、M、Cが一直線上にあることと、BM=CMです。
- AB=AC(仮定)、BM=CM(中点の定義)、AM=AM(共通辺)です。三組の辺がそれぞれ等しいのでSSSを使えます。
- 対頂角は等しいからです。
- 錯角です。AB∥CDなので錯角が等しいと書きます。
- 合同な図形の対応する辺は等しいからです。
- 正方形ではない長方形です。長方形の対角線は等しいため、条件を満たしても正方形とは限りません。
- 仮定ではありません。二つの三角形が同じ線分APを共有するので、「共通な辺だから」と書きます。
まとめ
- 仮定は出発点、結論は示す目標。
- 仮定から前向きに材料を集め、結論から後ろ向きに必要な事実を探す。
- 図の見た目ではなく、仮定・定義・既知の性質を根拠にする。
- 合同証明では三事実、合同条件、対応順、合同後の結論を書く。
- 中点・角の二等分線・平行などの仮定を、使える等式へ直す。
- 元の事柄と逆は別の主張であり、誤りは一つの反例で示せる。
学習範囲の根拠
この記事は、文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」の第2学年「証明の必要性と意味及びその方法」を基準に構成しています。仮定と結論、証明の方針、根拠を明らかにした説明、事柄の逆と反例を扱っています。正式な内容は、文部科学省の解説PDFで確認できます。
