中学受験・算数

湘南白百合学園中学校 2026年度 算数 過去問の傾向と解答・解説

数強塾のプロ講師陣

湘南白百合学園中学校 2026年度(4教科型)算数の傾向と解答・解説【数強塾オリジナル】

湘南白百合学園中 2026年度(4教科型)算数の傾向(公式公開PDFにもとづくまとめ)

  • 形式:試験時間45分。2026年度は大問5題で、大問1が計算・小問集合(6問)、大問2が約数を題材にしたカードの操作、大問3が速さとグラフ、大問4が平面図形(平行四辺形と比)、大問5が図形の移動と回転体という構成でした。「計算小問→数の性質・規則→グラフ→平面→立体」という近年の柱は今年も維持されていると考えられます。
  • 特徴的な設問:昨年度に続き、大問3(4)で2人の間の距離のグラフを自分でかく作図問題、大問4(3)で「式を書いて求めなさい」という過程記述、大問5(1)で図形が通過した部分を図示する問題が出ています。答えだけでなく、かく・書く力を確かめる姿勢が一貫しています。分数のたし算の列に2025×2026が現れる「西暦がらみ」の計算も大問1(3)に登場しました。
  • 合否を分けやすい一問:大問3(3)です。3回出会うための姉の速さの「範囲」を答えさせる設問で、昨年度の大問3(4)(兄の速さの範囲)とねらいがよく似ています。大問5(2)(3)の通過領域とその回転体も、図が正しくかけたかどうかで大きく差がつく問題でしょう。
  • 時間配分の考え方:45分に対して大問1・2をあわせて15〜18分で切り上げ、大問3〜5に残り時間を配分するのが現実的と考えられます。作図・記述は部分点も見込めるため、白紙にしない姿勢が大切です。
  • 注意:学校公式サイトでは問題PDFのみが公開されており、模範解答は公表されていません(2026年7月現在)。

問題の原本は湘南白百合学園中学校の公式サイトで公開されています → 湘南白百合学園中学校 過去問題(公式)

※以下の解説と解答例はオンライン数学専門塾「数強塾」による独自作成です(全問、受験算数の正攻法と別解による二重検算済み。学校公表の模範解答ではありません)。問題は湘南白百合学園中学校公式サイト掲載のPDFをご参照ください。

大問1(計算・小問集合) 答:(1) 1と9/16 (2) 4と4/9 (3) 2025/2026 (4) 1/8倍 (5) 2000円 (6) 30通り

分数と小数の計算、逆算、分数の列の和、紙を折る問題、割引と所持金、立方体のぬり分けの6問です。

(1) 分数と小数の計算:(5/8+1.25×2/3)を14/15で割る計算です。

【👀ここに注目】1.25=5/4 に直すのが第一歩。5/4×2/3=5/6、5/8+5/6=15/24+20/24=35/24。これを14/15で割って 35/24×15/14=25/16=1と9/16。35と14は7で、15と24は3で約分できます。

(2) 逆算:(1.28÷1と4/5−0.11×□)÷2/9=1 となる□です。

【📖大切な考え方】逆算は外側から一枚ずつはがします。2/9で割って1になるのだから、かっこの中は2/9。1.28÷9/5=1.28×5/9=6.4/9=32/45。よって 0.11×□=32/45−2/9=32/45−10/45=22/45。□=22/45÷11/100=22/45×100/11=40/9=4と4/9。答えが帯分数になっても、あわてず検算で確かめれば大丈夫です。

(3) 分数の列の和:1/(1×2)+1/(2×3)+…+1/(2025×2026) の和です。

解答:1/(n×(n+1))=1/n−1/(n+1) と分解できるのが有名な性質です。となりどうしが次々消えて、残るのは最初の1と最後の1/2026だけ。1−1/2026=2025/2026

(4) 紙を折る問題:正方形の紙を対角線で折り、できた直角二等辺三角形をさらに半分に折る操作を3回行ったときの面積です。

解答:3回の折り目はどれも、そのときの図形をぴったり半分に重ねる折り方(対称の軸で折る)になっています。面積は折るたびに半分になるので、1/2×1/2×1/2=1/8倍。図の折り目が「半分に重なる折り方かどうか」を毎回確認するのがポイントです。

(5) 割引と所持金:1360円のぬいぐるみが20%引き。所持金の55%で支払うとおつりが12円でした。

解答:代金は 1360×0.8=1088円。支払った金額は 1088+12=1100円で、これが所持金の55%にあたるので、所持金=1100÷0.55=2000円。「おつりがある=支払額は代金より12円多い」という読みかえが決め手です。

(6) 立方体のぬり分け:底面が黒の立方体の残り5面を、5色すべて使ってぬる方法の数です(回転して一致するものは同じ)。

【📖大切な考え方】底面が固定されているので、回転できるのは「上から見てくるっと回す」4通りだけです。まず上面の色を5通りから選びます。残り4色を横の4面に並べる方法は4×3×2×1=24通りですが、回転で4通りずつが同じものになるので 24÷4=6通り。よって 5×6=30通り

【✅検算】(1)(2)は答えを元の式に代入して両辺一致を確認。(3)は計算機による総和も2025/2026。(4)は折り紙を細かい点の集まりとみなしたシミュレーションで約0.125倍。(6)は5色の並べ方120通りをすべて書き出し、回転で重なるものをまとめるプログラムでも30通りとなり、一致しました。

【💡ポイントコラム】1/(n×(n+1)) の分解(キセル算)は、2026年度入試では「…+1/(2025×2026)」の形で全国的に多く出題されました。西暦の連続整数 2025×2026 を見た瞬間に手が動くよう、仕組み(差の形に直すと間が消える)ごと理解しておきましょう。

大問2(約数とカードの操作) 答:(1) 白15枚・うち操作3で白になったのは5枚 (2) 20は白色・25は黒色 (3) 1、4、9、16、25

1〜30のカードが白面を上にして並び、操作kで「kの倍数のカードをすべて裏返す」を操作1から操作30まで行う問題です。

【📖大切な考え方】カードmが裏返される回数は「mの約数のうち、その操作番号までにあるものの個数」です。操作30まで終えると、カードmは約数の個数だけ裏返されます。裏返しは2回で元にもどるので、色が変わって見えるのは「奇数回裏返されたカード」、つまり約数の個数が奇数の数=平方数だけです。

解答
(1) 操作3までに裏返される回数は、1の倍数(全部)+2の倍数+3の倍数の分です。2でも3でも割り切れない数は1回(黒)、2か3の一方だけで割り切れる数は2回(白)、6の倍数は3回(黒)。1〜30で「2か3のちょうど一方で割り切れる数」は、2の倍数15個+3の倍数10個−6の倍数5個×2=15個。よって白は15枚。そのうち操作3で裏返されて白になったのは「3で割り切れて2で割り切れない数」3・9・15・21・27の5枚です(問題の例・図の1〜10の状態とも一致します)。
(2) 20の約数は1・2・4・5・10・20の6個(偶数回)なので白色。25の約数は1・5・25の3個(奇数回)なので黒色
(3) 黒になるのは約数の個数が奇数の数、すなわち平方数で、1、4、9、16、25の5枚です。約数の個数が奇数になるのは、約数がふつう「かけて元の数になるペア」で現れるのに対し、平方数だけは同じ数どうしのペア(例:25=5×5)が1個分にしかならないためです。

【✅検算】30枚のカードの白黒をコンピュータで1操作ずつ実際に裏返して確認したところ、操作3終了時の白は15枚(うち操作3で白になったのは3・9・15・21・27)、操作30終了時の黒は1・4・9・16・25で、すべて手計算と一致しました。

【💡ポイントコラム】「約数の個数が奇数⇔平方数」は、ロッカーの開け閉めなどの姿でも登場する超定番です。理由(約数はペアで現れるが、平方数だけペアの相手が自分自身)まで説明できるようにしておくと、初見の設定でも応用がききます。

大問3(速さとグラフ) 答:(1) 25 (2) 歩き分速50m・走り分速150m・イ 600 (3) ウ 75・エ 112.5 (4)(i) 15分40秒後 (ii) 作図

百合子さんは自宅から1800m先の万博へ、歩き(0〜12分)→ベンチで休憩(12〜17分)→歩きの3倍の速さで走って到着し、すぐ自転車(分速180m)で自宅へ戻ります(35分に帰宅)。姉は9分後に自宅を出発し、一定の速さで万博へ向かいます。

【📖大切な考え方】グラフの折れ目ごとに「誰に何が起きたか」を先に書きこみます。頂点(時刻ア)は百合子さんの万博到着、35分は帰宅です。

解答
(1) 帰りは1800mを分速180mで進むので 1800÷180=10分。ア=35−10=25
(2) 歩く速さを①とすると、歩き12分+走り(17分から25分の8分間、速さ③)で1800m。①×12+③×8=①×36=1800 より ①=50。歩く速さ分速50m、走る速さ50×3=分速150m、イ=50×12=600
(3) 姉と3回出会う条件を、出会いの「種類」で整理します。
・1回目:ベンチで休んでいる百合子さん(600m地点)を姉が追いこす。姉が600m地点を通るのは出発9分後から (600÷速さ) 分後で、これが12分〜17分の間にあればよい。
・2回目:走り出した百合子さん(分速150m)が、前を行く姉に万博の手前で追いつく。
・3回目:万博で折り返した百合子さんが、向かってくる姉とすれちがう。
姉の分速を▢とすると、1回目の条件から 600÷▢ が3分〜8分の間、つまり▢は75〜200。2回目の条件は、25分の時点(百合子さんの万博到着)で姉がまだ万博の手前にいること。姉は25分までに16分進むので ▢×16<1800、▢<112.5。ちょうど75だと姉がベンチに着いた瞬間(17分)に百合子さんが走り出して1・2回目の出会いが1回に重なり、ちょうど112.5だと2人同時に万博に着いて2・3回目が重なるため、どちらも3回にはなりません。よって分速75mから分速112.5mの間(ウ=75、エ=112.5)です。
(4)(i) 姉の速さが分速90mのとき、1回目の出会いはベンチです。姉が600m進むのに 600÷90=6と2/3分=6分40秒かかるので、出発の9分後とあわせて 9分+6分40秒=15分40秒後。これは確かにベンチ休憩中(12〜17分)です。
(ii) 2人の間の距離のグラフは、次の3点を順に直線で結んだ折れ線になります。0分で0m→9分で450m(姉の出発まで、百合子さんの分速50mで差が開く)→12分で330m(百合子さん50、姉90で、1分に40mずつ縮まる)→15分40秒で0m(百合子さんは停止、姉の分速90mで縮まり、出会って0)。方眼では (0, 0)、(9, 450)、(12, 330)、(15と2/3, 0) を結びます。

【✅検算】2人の位置を細かい時間きざみで追うシミュレーションを姉の分速70〜250mの範囲で行い、出会いがちょうど3回になるのは75より大きく112.5より小さいときだけ(75と112.5ちょうどでは出会いが重なって減る)であること、分速90mのときの1回目の出会いが15.666…分=15分40秒であること、グラフの折れ点の値(9分で450m、12分で330m)を確認しました。

【💡ポイントコラム】速さの「範囲」を答える問題は、湘南白百合で2年連続の出題です。境目の値がどんな特別な場面(出会いが重なる・ちょうど同時に着く)にあたるかを言葉で確かめると、不等号の向きや端をふくむかどうかで迷いません。

大問4(平面図形・平行四辺形と比) 答:(1) 2:3 (2) 3:20 (3) 15.5cm²

平行四辺形ABCDの辺ADを3等分する点をE・F、辺BCのまん中の点をGとし、BFとEGの交点をHとする問題です。

【📖大切な考え方】平行線にはさまれた2本の直線が交わる図は、砂時計形(ちょうちょ形)の相似が主役です。ADとBCが平行なので、上の辺の一部と下の辺の一部の比が、そのまま交点で分けられる比になります。

解答
(1) ADの長さを⑥とすると、EF=②、BG=GC=③。EFとBGは平行なので、三角形HEFと三角形HGBは砂時計形の相似で、相似比はEF:GB=②:③=2:3。よって EH:HG=2:3(同時に FH:HB=2:3)。
(2) 三角形EBGは、底辺BG=③(BCの半分)、高さが平行四辺形と同じなので、面積は平行四辺形の 1/2×1/2=1/4。Hは EGを2:3に分けるから、三角形BGH=三角形EBG×(HG/EG)=1/4×3/5=3/20。よって3:20
(3) 五角形CDFHGを「台形FGCD」と「三角形FHG」に分けます。
・台形FGCD:上底FD=②、下底GC=③、高さは平行四辺形と同じ。面積=(2+3)÷2÷6=5/12(平行四辺形の5/12)→ 30×5/12=12.5cm²。
・三角形FHG:三角形FBGは底辺BG=③で平行四辺形の1/4=7.5cm²。HはFBを2:3に分ける(FH:HB=2:3)ので、三角形FHG=7.5×2/5=3cm²。
式:30×5/12+30×1/4×2/5=12.5+3=15.5cm²

【✅検算】座標(A(0,1)、D(3,1)、B(0,0)、C(3,0))で交点Hを求めるとH(1.2, 0.6)で、EH:HG=2:3。面積も座標計算で三角形BGH:平行四辺形=0.45:3=3:20、五角形は平行四辺形の31/60倍=15.5cm²となり一致しました。平行四辺形の形を変えて(ななめ具合を変えて)計算しても比は変わりません。

大問5(図形の移動・回転体) 答:(1) 図示 (2) 38cm² (3) 25:56

BC=10cmの直角二等辺三角形ABC(Aが直角)の周にそって、対角線2cmの正方形(対角線EGがBCと平行なひし形の向き)を、向きを変えずに中心Oが1周するように動かします。円周率は3.14です。

【👀ここに注目】正方形は回転せずに平行移動だけするので、通過部分のふちにおうぎ形(曲線)は現れません。中心Oが直線上を動くとき、正方形が通過するのは「その直線を中心とした帯」で、帯のはばは進む方向によって変わります。対角線が2cmの正方形は、中心から上下左右のとがった頂点まで1cmです。

方針・解答
(1) 通過部分は、三角形の周にそったひとまわりの帯です。作図のコツは「外側のふちは各辺と平行な線になり、B・C・Aのかどでは正方形のとがった頂点の形がそのまま出る」こと。中心が各頂点に来た瞬間の正方形(ひし形の向き)をかどに置くと、外側のふちはBの左に1cm・Cの右に1cm・Aの上に1cm・BCの下に1cmだけふくらんだ五角形になります。内側には正方形がとどかない穴が残り、これは「BCの1cm上に底辺6cmをもつ、もとと同じ形の小さい直角二等辺三角形」です。外側の五角形と内側の三角形の間の帯部分に斜線をぬれば完成です。
(2) (1)の図から「外側のふちで囲まれた五角形の面積」−「内側の穴の面積」で求めるのが最短です。
・外側の五角形:上側は、Aの上1cmの点を頂点とし、BCをのばした直線上のBの左1cm・Cの右1cmの点を結んだ大きい三角形(もとの三角形と同じ形)で、底辺12cm・高さ6cmだから 12×6÷2=36cm²。下側は、BCの1cm下の帯の台形(上底12cm・下底10cm・高さ1cm)で (12+10)×1÷2=11cm²。あわせて 36+11=47cm²。
・内側の穴:BCの1cm上に底辺がある、底辺6cm・高さ3cmのもとと同じ形の三角形で 6×3÷2=9cm²。(もとの三角形25cm²のうち、正方形が通ったのは 25−9=16cm²です。)
よって 47−9=38cm²
(3) BCのまん中の点Mを通るたての直線AMを軸に回転します。
・立体ア(三角形ABCの回転体):底面の半径BM=5cm、高さAM=5cmの円すい。体積=5×5×3.14×5÷3=125×3.14÷3。
・立体イ(帯の回転体):外側の五角形を回した立体から、内側の穴(三角形)を回した円すいをくりぬきます。外側は「半径6cm・高さ6cmの円すい(Aの上1cmの頂点から、BCの下1cmの高さで半径6cm)」と、その下の「上面の半径6cm・下面の半径5cm・高さ1cmの円すい台」を合わせた形。円すい部分=6×6×3.14×6÷3=216×3.14÷3、円すい台部分=(6×6+6×5+5×5)×3.14×1÷3=91×3.14÷3。穴の円すい=3×3×3.14×3÷3=27×3.14÷3。立体イ=(216+91−27)×3.14÷3=280×3.14÷3。
比は 3.14÷3 が共通なので、ア:イ=125:280=25:56

【✅検算】(2)は「三角形の周から(ひし形のものさしで測った距離が)1cm以内の点」を細かい方眼で数えるシミュレーションで約38.0cm²。(3)は回転体の体積を数値積分(輪切りの足し合わせ)で求めると立体イ≒293.1cm³となり、280×3.14÷3=293.07cm³(円周率πなら293.2cm³)と一致。ア:イ=125:280=25:56を確認しました。

【💡ポイントコラム】「回転しない図形の通過範囲」では、かどに円弧はできず、図形そのものの形が出ます。円をころがす通過範囲(かどがおうぎ形になる)との区別が最大の落とし穴。この問題で円周率が必要になるのは(3)の回転体だけ、と気づけると(1)(2)を直線図形だけで処理できます。

2026年度(4教科型)から学ぶ教訓

今年のセットも「計算小問→数の性質→グラフ→平面→立体」の王道構成で、グラフの作図・式の記述・通過範囲の図示と、かく力を試す仕掛けが昨年度から引き続き入っています。特に、速さの範囲(大問3)と約数の個数(大問2)は、答えの数値そのものより「なぜその範囲・その数になるのか」を説明できるかで理解の深さが分かれます。過去問演習では、境目の値で何が起きるか・図形のかどで何が起きるかを自分の言葉で説明する練習が、湘南白百合対策として効果的と考えられます。

▶ 関連:2025年度(4教科型)洗足学園 算数過去問一覧過去問解説・数学問題集2024年度(4教科型)湘南白百合 算数過去問一覧

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出典・著作権について
本ページが扱う入試問題の著作権は 湘南白百合学園中学校 に帰属します。出典:湘南白百合学園中学校 2026年度 入学試験問題「算数」。
掲載しているのは、受験生の学習支援を目的として数強塾が独自に作成した解答・解説です。学校が公表した公式解答ではありません(公式解答と照合した場合は本文中にその旨を明記しています)。問題文の引用は解法の説明に必要な最小限にとどめています。
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