を、部分積分の公式を2回書いて解いていませんか。式が長くなり、途中で符号を落として失点する——数学IIIで最も「もったいない失点」が生まれる場所です。表を書いて交互に掛けるだけの方法(DI法・瞬間部分積分などと呼ばれます)を使えば、同じ計算が15秒で終わり、しかも符号ミスがほぼ起きません。
まず、部分積分の公式を確認
この公式を繰り返し適用すると、「 を微分し続けた列」と「 を積分し続けた列」を、符号を交互に変えながら掛け合わせた形になります。これを最初から表にしてしまおう、というのがDI法です。
手順:D列とI列を書くだけ
D(Differentiate=微分)列に、微分すればいつか 0 になる関数(多項式)を置きます。I(Integrate=積分)列に、もう一方(、、 など何度でも積分できる関数)を置きます。
例題1 を求めよ。
| 符号 | D(微分) | I(積分) |
|---|---|---|
あとは 「D列の各行」×「その1つ下のI列」 を、符号 を付けながら足すだけです。
検算:微分すると 。一致します。
例題2 を求めよ。
| 符号 | D(微分) | I(積分) |
|---|---|---|
検算:微分すると 。一致します。
どちらをD列に置くか
迷ったら「微分して消える方をD列」。これがほぼ唯一の判断基準です。ただし例外もあります。
| 被積分関数 | D列(微分) | I列(積分) |
|---|---|---|
| 三角関数 | ||
| 単独 |
は微分しても 0 になりませんが、微分すると になって多項式と約分できるため、こちらをD列に置きます。「消えるか、簡単になるか」——判断はこの2択です。
記述式で書く場合の作法
DI法は計算用紙の道具であり、答案にそのまま表を貼る書き方は一般的ではありません。数強塾では次のように指導しています。
① 計算用紙でDI法を使って答えを確定させる → ② 答案には求めた原始関数を書き、「(微分して確かめると被積分関数に一致する)」という趣旨の一行、または部分積分の式を1回だけ書く。
不定積分は微分すれば必ず検算できるという他に類を見ない性質があります。DI法で浮いた時間をこの検算に回してください。速く解くこと自体が目的ではなく、検算の時間を作ることが目的です。
2回で終わらない型(循環型)には使わない
のように、微分しても積分しても永遠に 0 にならない型では、D列が終わらないためこの表は使えません。この場合は従来どおり部分積分を2回行い、元の積分 について方程式を立てて解くのが正攻法です。
「表が使える型/使えない型」を最初に見分けることが、実は最大の時短になります。
中高一貫校生はいつ習得すべきか
数学IIIの積分法に入り、部分積分を公式どおりに1回は自力で計算できるようになってからです。順序を逆にすると「なぜその符号なのか」が分からないまま表だけを覚え、変則的な問題で崩れます。中高一貫校では高2後半〜高3前半に数学IIIの積分に入る学校が多く、この時期に導入すると演習量を大きく伸ばせます。
この記事のまとめ
- D列(微分して消える方)とI列(積分する方)の表を作り、斜めに掛けて符号 で足す。
- だけは をD列に置く。
- 型(循環型)には使わない。方程式を立てる正攻法へ。
- 答案には表を書かない。浮いた時間で「微分して検算」まで行う。
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