教育コラム

スマホを「封印」しなくても成績が上がる方法が存在する

今日の問い
引き出しの奥に隠した。親にも預けた。それでも手が伸びてしまう。
——封印せずに成績を上げる道は、あるのか。
——あなたなら、どう答える?
この記事で、その答えを一緒に考えます。

「スマホをやめなきゃ受からない」——そう思って、何度も何度も決意したことがあるんじゃないかと思う。引き出しの奥に隠したり、親に預けたり、アプリで制限をかけたり。でも結局、気づいたら手に取ってしまって、自己嫌悪に陥る。そんな夜を何度も過ごしてきた受験生は、きっと君だけじゃない。今日は、スマホを「封印」しなくても成績が上がる方法について、僕の本音を話したいと思う。

なぜ「スマホ封印」はうまくいかないのか

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まず最初に言っておきたいのは、スマホをやめられないのは君の意志が弱いからじゃない、ということだ。スマホは、世界中の優秀な人たちが「人間がやめられなくなるように」本気で設計したものだ。通知の音、SNSの「いいね」、おすすめ動画の自動再生——どれも、人の脳が反応するように作られている。つまり、君がたった一人の意志の力でこれに勝とうとするのは、最初からかなり分の悪い勝負なんだと思う。

そして「封印する」という発想には、もう一つ落とし穴がある。それは「我慢」を前提にしていることだ。我慢は、長くは続かない。テスト前の一週間くらいなら頑張れるかもしれないけれど、受験勉強は数ヶ月から1年以上の長期戦だ。我慢だけで乗り切ろうとすると、どこかで反動が来て、一気に崩れてしまう。ダイエットでいう「リバウンド」みたいなものだ。だからこそ僕は、スマホを「封印」しなくても成績が上がる方法を考えるべきだと思っている。

2浪の僕がスマホに溺れていた話

少し僕の話をさせてほしい。僕は2浪している。今でこそ塾の代表をやっているけれど、当時の僕は本当にダメな受験生だった。特に、当時はまだスマホが今ほど普及していなかったとはいえ、パソコンや携帯で動画やネットを見続けて、気づいたら夜中の2時、なんてことが日常茶飯事だった。

1浪目の僕は、何度も「もうネットは見ない」と決意した。でも、決意した次の日には、もう同じことを繰り返していた。そのたびに「俺はなんて意志が弱いんだ」と自分を責めた。今思えば、この「自分を責める」という行為が、いちばん時間を無駄にしていたのかもしれない。落ち込んでいる時間も、結局は勉強していない時間だからだ。

2浪目に入って、僕はやり方を変えた。「やめよう」とするのをやめたんだ。代わりに、「どういう状況だとスマホを触ってしまうのか」を冷静に観察するようにした。すると見えてきたことがあった。僕がスマホに逃げるのは、決まって「勉強が難しくて手が止まったとき」と「次に何をやればいいか分からないとき」だった。つまり、スマホそのものが問題なのではなく、勉強がうまく進まないときの逃げ場としてスマホを使っていただけだったんだ。これに気づいたとき、僕の中で何かが変わった気がした。

封印せずに成績を上げる、3つの現実的な方法

ここからが本題だ。スマホを「封印」しなくても成績が上がる方法を、僕が実際に試して、そして今、生徒たちにも伝えている形でお話ししたいと思う。

1. 「やることを決めておく」だけで触る回数が激減する

さっき話したように、人がスマホに逃げるのは「次に何をやればいいか分からない瞬間」だ。手が止まった一瞬の隙間に、スマホは入り込んでくる。だから、その隙間を作らないことが大事になる。

具体的には、勉強を始める前に「今日やること」を紙に書き出しておくこと。それも「数学を頑張る」みたいな曖昧なものではなく、「数学ⅡBの青チャート例題120〜135を解く」というレベルまで具体的にする。次にやることが決まっていれば、迷う時間がなくなり、スマホに手が伸びる隙が消えていく。数強塾の生徒でも、これをやるようになっただけで勉強時間が1.5倍になった子が何人もいる。

2. スマホを「ご褒美」に変える

封印しようとするから苦しくなる。だったら逆に、スマホを勉強の「ご褒美」にしてしまえばいい。たとえば「数学を50分やったら、10分だけ好きな動画を見ていい」と決める。タイマーを使うのがおすすめだ。

大事なのは、罪悪感を持たずに堂々と休憩することだ。「我慢して見ない」のではなく「頑張ったから見る」に発想を変える。これだけで、スマホとの関係がずっと健全になる。僕自身、2浪目はこのやり方で、罪悪感に押しつぶされることがなくなった。

3. 物理的に「少しだけ」遠ざける

封印はしなくていい。でも、ほんの少しだけ手間を増やすのは効果的だ。たとえば、勉強机から1メートル離れた棚の上に置く。たったこれだけで、無意識に手を伸ばすことができなくなる。「立ち上がって取りに行く」というひと手間が、君に「あ、今スマホ触ろうとしてるな」と気づかせてくれる。完全に隠す必要はない。少し遠ざけるだけでいいんだ。

この3つに共通しているのは、「意志の力で我慢する」のではなく「仕組みで自然とそうなるようにする」という考え方だ。スマホを「封印」しなくても成績が上がる方法の本質は、ここにあると僕は思っている。

大切なのは、自分を責めないこと

最後に、いちばん伝えたいことを書きたい。もしスマホを触ってしまっても、自分を責めないでほしい。さっき話した通り、君がスマホをやめられないのは、君が弱いからじゃない。仕組みでうまくいかないだけだ。だから、仕組みを少しずつ変えていけばいい。

受験勉強は、完璧な人がやるものじゃない。むしろ、失敗しながら、少しずつ自分のやり方を見つけていく過程そのものだと思う。2浪して、何度もスマホに負けた僕が、それでも最後には前に進めたのは、「やめる」ことを諦めて「付き合い方を工夫する」ことに切り替えたからだ。

君も、今日から完璧を目指さなくていい。スマホを封印できなくても大丈夫。少しだけ工夫して、少しだけ前に進む。その積み重ねが、半年後、1年後には大きな差になっているはずだ。僕はそう信じているし、たくさんの生徒がそれを証明してくれている。


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