数学Iは、計算、論理、関数、図形、データを横断する科目です。全範囲の代表15題を、公式の暗記だけでなく「なぜその方法を使うか」「どの条件を確認するか」まで解説します。まず問題だけを解き、迷った単元を詳しい解説へ戻す使い方がおすすめです。
総復習の進め方
- 各問題を、解説を見ずに3〜5分考えます。
- 答えだけでなく、条件と途中式を照合します。
- 同じ原因で2問以上間違えた領域は、単元ガイドへ戻ります。
- 翌日に間違えた問題だけを解き直します。
数と式:問題1〜4
問題1:展開すると消える項
(x+2)2-(x-1)(x+5)を簡単にしてください。
解答と解説
後ろのかっこ全体を引くため、-5は引かれて+5になります。x2と4xが消え、答えは9です。
問題2:根号の計算
√12-√27+2/√3を簡単にしてください。
解答と解説
√12=2√3、√27=3√3、2/√3=2√3/3です。
答えは-√3/3です。有理化の前後で2/√3と2√3/3が等しいことも確認します。
問題3:絶対値を含む不等式
|2x-3|<5を解いてください。
解答と解説
|A|<5は-5<A<5という意味です。
答えは-1<x<4です。記号が<なので端点は含みません。
問題4:一次不等式の文章題
500円を持ち、120円のノートをx冊買います。少なくとも80円残すとき、買える冊数の最大を求めてください。
解答と解説
xは0以上の整数なので、最大は3冊です。3.5をそのまま冊数にしません。
集合と命題:問題5・6
問題5:共通部分・和集合・補集合
全体集合U={1, 2, 3, 4, 5, 6}、A={1, 2, 3, 6}、B={2, 4, 6}です。A∩B、A∪B、Aの補集合を求めてください。
解答と解説
- A∩B={2, 6}
- A∪B={1, 2, 3, 4, 6}
- Aの補集合={4, 5}
補集合は、必ず指定された全体集合Uの中で考えます。
問題6:必要条件・十分条件
整数nについて、「nが6の倍数ならば、nは3の倍数である」の真偽を調べ、必要条件・十分条件を述べてください。
解答と解説
n=6kならn=3(2k)なので、命題は真です。
「6の倍数」は「3の倍数」であるための十分条件です。「3の倍数」は「6の倍数」であるための必要条件です。逆はn=3で成り立たないため偽です。
二次関数:問題7〜10
問題7:平方完成と最小値
y=2x2-8x+5の頂点と最小値を求めてください。
解答と解説
2>0なので上に開きます。頂点は(2, -3)、x=2のとき最小値は-3です。
問題8:閉区間での最大・最小
問題7の関数について、-1≦x≦3で最大値と最小値を求めてください。
解答と解説
頂点x=2は区間内です。y(2)=-3、両端はy(-1)=15、y(3)=-1です。
最大値15(x=-1)、最小値-3(x=2)です。二次関数では端点だけでなく、区間内の頂点を確認します。
問題9:二次不等式
x2-5x+6≦0を解いてください。
解答と解説
上に開く放物線がx軸以下になるのは2つの解の間です。等号を含むので、2≦x≦3です。
問題10:周が一定の長方形
周の長さが20 cmの長方形で、面積が最大となる辺の長さと最大面積を求めてください。
解答と解説
一辺をx cmとすると、もう一辺は10-x cmで、0<x<10です。
x=5のとき最大です。辺は5 cmと5 cm、最大面積は25 cm²です。
図形と計量:問題11〜13
問題11:三角比の相互関係
0°<θ<90°でsinθ=3/5のとき、cosθとtanθを求めてください。
解答と解説
sin²θ+cos²θ=1よりcos²θ=16/25です。θは鋭角なのでcosθは正です。
角の範囲を確認せず、cosθ=±4/5としたままにしないようにします。
問題12:余弦定理と面積
△ABCでb=5、c=7、A=60°です。辺aと面積を求めてください。
解答と解説
答えはa=√39、面積35√3/4です。角Aを挟む2辺がb、cであることを確認します。
問題13:正弦定理と外接円
△ABCでa=6、A=30°です。外接円の半径Rを求めてください。
解答と解説
12=2Rより、R=6です。直径2Rと半径Rを取り違えないようにします。
データの分析:問題14・15
問題14:平均・分散・標準偏差
データ2、4、4、6の平均値、分散、標準偏差を求めてください。
解答と解説
平均値は(2+4+4+6)/4=4です。偏差は-2、0、0、2です。
平均値4、分散2、標準偏差√2です。高校数学Iのデータ全体の分散では、偏差平方和をデータ数4で割ります。
問題15:仮説検定の考え方
「この硬貨は表・裏が同じ確率で出る」と仮定します。5回投げて5回とも表になる確率を求め、その結果を5%を基準にどう考えるか説明してください。
解答と解説
「5回すべて表なら、表・裏が同確率という仮定を疑う」という判定規則を事前に決めていたなら、その事象の確率3.125%は5%未満です。この規則では仮定を棄却する方向の結果です。
ただし、硬貨が偏っていることを数学的に証明したわけではありません。公平な硬貨でも低い確率で起こり得ます。また、結果を見た後で都合のよい判定規則を作らないことが重要です。
15題の答え一覧
| 番号 | 答え | 確認点 |
|---|---|---|
| 1 | 9 | かっこ前の負号 |
| 2 | -√3/3 | 根号の簡単化と有理化 |
| 3 | -1<x<4 | 端点を含まない |
| 4 | 3冊 | 整数条件 |
| 5 | {2,6}、{1,2,3,4,6}、{4,5} | 全体集合 |
| 6 | 真 | 必要・十分の向き |
| 7 | 頂点(2,-3)、最小値-3 | 平方完成 |
| 8 | 最大15、最小-3 | 端点と頂点 |
| 9 | 2≦x≦3 | 放物線の符号 |
| 10 | 5 cm×5 cm、25 cm² | 定義域 |
| 11 | cosθ=4/5、tanθ=3/4 | 角の範囲 |
| 12 | a=√39、35√3/4 | 辺と対角 |
| 13 | R=6 | 2Rは直径 |
| 14 | 4、2、√2 | 平均・分散・標準偏差 |
| 15 | 1/32=3.125% | 棄却は証明ではない |
得点別の復習先
| 結果 | 次の学習 |
|---|---|
| 問題1〜4で2問以上誤り | 数学I「数と式」 |
| 問題5・6に誤り | 集合と命題 |
| 問題7〜10で2問以上誤り | 二次関数 |
| 問題11〜13で2問以上誤り | 三角比、正弦定理・余弦定理 |
| 問題14・15に誤り | データの分析 |
よくある質問
何点取れれば数学Iを理解したと言えますか。
一律の点数だけでは判断できません。15題中12題以上を目安にしつつ、誤答の原因を説明して翌日に解き直せるかを重視してください。問題数が少ない集合・命題や仮説検定も、正答数だけで軽視しないことが大切です。
公式を忘れたら、先に見てもよいですか。
最初の診断では見ずに考え、復習段階では公式の条件とセットで確認してください。正弦定理なら辺と対角、三角比なら角の範囲、分散なら偏差と割る数まで言える状態を目指します。
学習範囲の根拠
本記事は、現行の高等学校学習指導要領解説「数学編 理数編」の数学Iにある「数と式」「図形と計量」「二次関数」「データの分析」と、内容の取扱いで関連する集合と命題を基準に構成しています。
