体系数学2 幾何編 第1章 図形と相似 章末テスト20題+オリジナル類題20題|相似条件から面積比・体積比まで全解説

体系数学2 幾何編 第1章「図形と相似」を、章末問題のかたちで20題にまとめました。中高一貫校では中3で進む章ですが、平行線と線分の比は高校の数学Aでも扱う内容です。
この章でつまずく生徒の多くは、相似条件を言えないのではなく、図の中から相似な三角形の組を見つけられないことで止まります。そこでこの20題では、相似が隠れている3つの型(平行線・共通の角・直角と垂線)を順に扱いました。
もう1つの山場が面積比と体積比です。「長さの比を2乗するのか3乗するのか」は、公式を覚えるのではなく何の比を聞かれたかを読む問題です。全問オリジナルで、解答は対応する頂点の順まで書いてあります。

この回の範囲 ① 相似な図形 ② 三角形の相似条件 ③ 平行線と線分の比 ④ 中点連結定理 ⑤ 相似な図形の面積比・体積比 ⑥ 相似の利用(体系数学2 幾何編 第1章の全6節)

目安 50分/100点満点/全20題。答えを写して終わりにしないで、必ず「使う道具」の行を自分の言葉で言い直してください。

先に確認する道具

相似が隠れている3つの型

① 平行線があるとき(DE // BC など)。② 角が1つ共通で、それをはさむ2辺の比が等しいとき。③ 直角三角形に垂線が引いてあるとき(3つの相似な三角形に分かれます)。
図を見て手が止まったら、この3つのどれかが隠れていないかを探してください。ほとんどの問題はこのどれかです。

平行線DE // BC共通の角角が1つ共通直角と垂線3つに分かれる相似が見えないときは、この3つのどれかが隠れていないかを探す

対応する頂点の順に書く

「△ABC ∽ △DEF」と書いたら、A と D、B と E、C と F が対応しているという意味です。順番を入れかえて書くと、そのあとの辺の比がすべて狂います。証明では「対応する角が等しいので」と書く前に、どの頂点とどの頂点が対応するかを図に印をつけてから記号を並べてください。

2乗か3乗かは「何の比か」で決まる

相似比が m:n のとき、長さ(辺・周・高さ)の比は m:n面積(表面積も)の比は m²:n²体積の比は m³:n³
迷ったら「単位」を思い出します。面積は cm²、体積は cm³。単位の右上の数字が、そのまま何乗するかを表しています

長さの比2 : 3面積の比2² : 3² = 4 : 9体積の比2³ : 3³ = 8 : 27「何の比を聞かれているか」で、2乗するか3乗するかが決まる

比を出したら、必ず問題文の量に戻す

「面積比が 4:9」で終わらせず、聞かれているのが面積そのものなのか、比なのかを確かめます。小さいほうの面積が与えられていれば、比をかけて実際の値を出す必要があります。この最後の一手を飛ばす答案が、毎年たくさんあります。

数学の体験授業はこちら。60分・税込3,000円。数強塾

まずは数強塾オリジナルの類題20題(問題→解説の順)

ここから下の20題は、体系問題集 第1章 章末問題と同じ「型」を、数強塾が新しく作り直した類題です。問題のすぐ下に解説を置いてあるので、1問解いたらその場で答え合わせができます。解説を手や紙で隠して解き、すぐ確認する——この順で進めてください。配点は各5点、合計100点です。

第1節 相似な図形と相似条件(類題1〜類題5)

類題15点

相似な2つの五角形 P、Q があり、P と Q の相似比は 4:7 である。
(1) P の1辺が 12cm のとき、Q の対応する辺の長さを求めなさい。
(2) P の周の長さが 32cm のとき、Q の周の長さを求めなさい。
(3) P の面積が 48cm² のとき、Q の面積を求めなさい。

使う道具長さの比は相似比のまま、面積の比は相似比の2乗。三角形でも五角形でも、この規則は変わりません。

(1) 辺は「長さ」なので比は 4:7 のまま。12 × (7/4) = 21cm

(2) 周の長さも辺を足したものなので「長さ」。32 × (7/4) = 56cm

(3) 面積比は 4²:7² = 16:49。48 × (49/16) = 147cm²

よくある誤答五角形だから規則が変わると思ってしまう答案。2乗・3乗の規則は図形の形に関係なく成り立ちます。三角形で覚えた規則をそのまま使って大丈夫です。

答え (1) 21cm (2) 56cm (3) 147cm²

類題25点

次の(1)〜(3)について、△ABC と △DEF が相似であるといえるかどうか答えなさい。いえる場合は、使った相似条件も書きなさい。
(1) ∠A = ∠D = 58°、∠B = ∠E = 47°
(2) AB:DE = BC:EF = 2:3 で、∠B = ∠E
(3) AB:DE = BC:EF = 3:4 で、∠A = ∠D

使う道具相似条件は3つ。3組の辺の比/2組の辺の比とその間の角/2組の角。(2)と(3)の差は「その間の角かどうか」だけです。

(1) 2組の角がそれぞれ等しいので相似といえる(2組の角がそれぞれ等しい)。

(2) ∠B は辺 AB と辺 BC ではさまれた角。比のわかっている2辺の間の角なので相似といえる(2組の辺の比とその間の角が等しい)。

(3) ∠A は辺 AB と辺 AC ではさまれた角で、BC との間の角ではありません。間の角でない以上、条件を満たさず相似とはいえない

よくある誤答(3) を「2辺の比と1つの角が等しいからOK」としてしまう答案。角が「その間」にあるかどうかを、必ず指で辺をなぞって確かめること。ここは合同条件のときと全く同じ注意点です。

答え (1) いえる(2組の角がそれぞれ等しい) (2) いえる(2組の辺の比とその間の角が等しい) (3) いえない

類題35点

△ABC の辺 AB 上に点 D、辺 AC 上に点 E をとり、∠ADE = ∠ACB となるようにする。AD = 4cm、AB = 10cm、AE = 5cm のとき、
(1) △ADE と相似な三角形を、対応する頂点の順に書きなさい。
(2) AC の長さを求めなさい。
(3) DE:BC を求めなさい。

使う道具共通の角+等しい1角で相似。ただし対応が「たすきがけ」になる型なので、対応順を先に確定させてから比の式を立てます。

(1) ∠A は共通、∠ADE = ∠ACB。2組の角がそれぞれ等しいので相似。∠A と∠A、∠ADE と∠ACB が対応するから、△ADE ∽ △ACB

(2) 対応順どおりに AD:AC = AE:AB。4:AC = 5:10 なので 5 × AC = 40、AC = 8cm

(3) 相似比は AD:AC = 4:8 = 1:2。DE と CB が対応するので、DE:BC = 1:2

よくある誤答AD:AB = AE:AC と書いてしまう答案。それは DE // BC のときの式です。この問題は DE と BC が平行ではありません。∠ADE = ∠ACB という条件は、D が C に、E が B に対応するという意味です。

答え (1) △ACB (2) 8cm (3) 1:2

類題45点

AB // DC である台形 ABCD で、対角線 AC と BD の交点を O とする。AB = 6cm、DC = 9cm、AO = 4cm のとき、
(1) △OAB と相似な三角形を、対応する頂点の順に書きなさい。
(2) OC の長さを求めなさい。
(3) BO:OD を求めなさい。

使う道具平行線にはさまれて向かい合う2つの三角形(砂時計型)。錯角が2組できるので、いつでも相似になります。

(1) AB // DC より ∠OAB = ∠OCD(錯角)、∠OBA = ∠ODC(錯角)。2組の角がそれぞれ等しいので、△OCD

(2) 相似比は AB:CD = 6:9 = 2:3。AO:CO = 2:3 だから 4:OC = 2:3、2 × OC = 12、OC = 6cm

(3) 同じ相似比が対角線の一方にもそのまま出るので、BO:OD = 2:3

よくある誤答△OAB ∽ △ODC と書いてしまう答案。A の相手は C、B の相手は D です。頂点の順を間違えると(2)以降の式が全部ずれます。錯角の図を指でなぞって対応を確かめてください。

答え (1) △OCD (2) 6cm (3) 2:3

類題55点

∠A = 90° の直角三角形 ABC で、頂点 A から斜辺 BC に垂線 AH をひく。BH = 9cm、CH = 16cm のとき、
(1) △HBA と相似な三角形を2つ、対応する頂点の順に書きなさい。
(2) AH の長さを求めなさい。
(3) AB の長さを求めなさい。

使う道具直角三角形+斜辺への垂線は、3つの相似な三角形ができる。この章で一番よく出る型です。図を3枚に描き分けると迷いません。

(1) ∠AHB = ∠CHA = ∠BAC = 90° で、∠B や∠C が共通に使えるので、△HAC と △ABC。つまり △HBA ∽ △HAC ∽ △ABC。

(2) △HBA ∽ △HAC より HB:HA = HA:HC。よって AH² = BH × CH = 9 × 16 = 144、AH > 0 なので AH = 12cm

(3) BC = 9 + 16 = 25cm。△HBA ∽ △ABC より BH:BA = BA:BC。よって AB² = BH × BC = 9 × 25 = 225AB = 15cm

よくある誤答AH² = BH × CH を「公式」として丸暗記し、どの2辺だったか思い出せなくなる答案。覚えるのは式ではなく「HB:HA = HA:HC」という対応です。相似の式から毎回作れば間違えません。

答え (1) △HAC、△ABC (2) 12cm (3) 15cm

第2節 面積比・体積比(類題6〜類題10)

類題65点

相似な2つの立体 P、Q があり、P と Q の相似比は 2:5 である。
(1) 表面積の比を求めなさい。
(2) 体積の比を求めなさい。
(3) P の体積が 24cm³ のとき、Q の体積を求めなさい。

使う道具表面積は2乗、体積は3乗。表面積は「面積」の仲間なので、立体でも2乗どまりです。

(1) 2²:5² = 4:25

(2) 2³:5³ = 8:125

(3) 24 × (125/8) = 375cm³

よくある誤答立体だからと、表面積まで3乗して 8:125 としてしまう答案。「表面”積”」という字を見れば2乗と判断できます。3乗するのは体積(と容積)だけ。

答え (1) 4:25 (2) 8:125 (3) 375cm³

類題75点

(1)(2) 相似な2つの三角形 A、B があり、面積比は 9:49 である。
(1) A と B の相似比を求めなさい。
(2) A の周の長さが 24cm のとき、B の周の長さを求めなさい。
(3) 相似な2つの立体の体積比が 27:64 のとき、表面積の比を求めなさい。

使う道具この問題は逆向き。与えられた比からいったん相似比に戻してから、聞かれている量へ進みます。面積比なら平方根、体積比なら3乗根。

(1) 9:49 = 3²:7² なので、相似比は 3:7

(2) 周の長さは「長さ」なので比は 3:7 のまま。24 × (7/3) = 56cm

(3) 27:64 = 3³:4³ なので相似比は 3:4。表面積は2乗して 9:16

よくある誤答(2) で面積比 9:49 をそのまま周の長さに使い、24 × (49/9) としてしまう答案。与えられた比が何の比かを確認し、必ず相似比に戻すのが逆向き問題の鉄則です。

答え (1) 3:7 (2) 56cm (3) 9:16

類題85点

高さ 9cm の円錐がある。この円錐を、頂点からの高さが 3cm のところで底面に平行な平面で切り、小さい円錐と円錐台に分ける。もとの円錐の体積が 108cm³ のとき、
(1) 小さい円錐ともとの円錐の相似比を求めなさい。
(2) 小さい円錐の体積を求めなさい。
(3) 円錐台の体積を求めなさい。

使う道具底面に平行に切ると、切り取られた小さい円錐ともとの円錐は相似。相似比は高さの比で読み取れます。円錐台は「もと − 小」で求めます。

(1) 高さの比がそのまま相似比なので、3:9 = 1:3

(2) 体積比は 1³:3³ = 1:27。108 × (1/27) = 4cm³

(3) 円錐台 = もとの円錐 − 小さい円錐 = 108 − 4 = 104cm³

よくある誤答円錐台の体積比を 1:3 や 1:27 としてしまう答案。円錐台はそれ単体ではどの立体とも相似ではありません。小さい円錐ともとの円錐の体積比が 1:27 なので、円錐台との比は 1:26 になります。必ず引き算で出しましょう。

答え (1) 1:3 (2) 4cm³ (3) 104cm³

類題95点

△ABC の辺 AB 上に AD:DB = 1:2 となる点 D を、辺 AC 上に AE:EC = 1:2 となる点 E をとる。△ABC の面積が 45cm² のとき、
(1) DE // BC であることの理由を説明しなさい。
(2) △ADE の面積を求めなさい。
(3) 四角形 DBCE の面積を求めなさい。

使う道具比が等しい+間の角が共通 → 相似 → 同位角が等しい → 平行。この流れは「平行を示す」ときの定番ルートです。

(1) AD:AB = 1:3、AE:AC = 1:3 で等しく、∠A は共通。2組の辺の比とその間の角が等しいので △ADE ∽ △ABC。よって ∠ADE = ∠ABC。同位角が等しいので DE // BC

(2) 相似比 1:3 より面積比は 1²:3² = 1:9。45 × (1/9) = 5cm²

(3) 四角形 DBCE = △ABC − △ADE = 45 − 5 = 40cm²

よくある誤答(2) で相似比 1:3 をそのまま面積比に使い、45 × (1/3) = 15cm² としてしまう答案。面積を聞かれたら必ず2乗。ここを落とす人が本当に多い場所です。

答え (1) AD:AB = AE:AC = 1:3 で∠A が共通だから △ADE ∽ △ABC。よって∠ADE = ∠ABC となり、同位角が等しいので DE // BC (2) 5cm² (3) 40cm²

類題105点

ある池を 1:500 の縮尺で縮図にかいたところ、縮図上の池の面積は 32cm² であった。
(1) 実際の池の面積は、縮図上の面積の何倍か求めなさい。
(2) 実際の池の面積は何 cm² か求めなさい。
(3) 実際の池の面積は何 m² か求めなさい。

使う道具縮尺は長さの比。面積を出すときは2乗します。最後に単位をそろえるところまでが問題です。

(1) 長さが 500倍なので、面積は 500² = 250000倍

(2) 32 × 250000 = 8000000cm²

(3) 1m = 100cm より 1m² = 100 × 100 = 10000cm²。8000000 ÷ 10000 = 800m²

よくある誤答1m² = 100cm² と思い込み、80000m² と答えてしまう答案。面積の単位換算も2乗です。長さが100倍なら面積は10000倍。ここは相似比の考え方とまったく同じ理屈だと気づけると、二度と間違えません。

答え (1) 250000倍 (2) 8000000cm² (3) 800m²

第3節 平行線と線分の比・中点連結(類題11〜類題15)

類題115点

△ABC の辺 AB 上に点 D、辺 AC 上に点 E があり、DE // BC である。AD = 6cm、DB = 4cm、DE = 9cm のとき、
(1) AD:AB を求めなさい。
(2) BC の長さを求めなさい。
(3) AE:EC を求めなさい。

使う道具DE // BC のとき AD:AB = AE:AC = DE:BC(頂点からの比)と、AD:DB = AE:EC(分けられた比)。この2つは別物なので、どちらを聞かれているかを見極めます。

(1) AB = AD + DB = 6 + 4 = 10cm。よって AD:AB = 6:10 = 3:5

(2) DE:BC = AD:AB = 3:5 だから 9:BC = 3:5。3 × BC = 45、BC = 15cm

(3) AE:EC = AD:DB = 3:2

よくある誤答(2) で DE:BC = AD:DB = 3:2 としてしまう答案。DE と BC は「頂点 A から見た比」で対応します。使うのは 3:5 であって 3:2 ではありません。(1) をわざわざ先に聞いているのは、この取り違えを防ぐためです。

答え (1) 3:5 (2) 15cm (3) 3:2

類題125点

3本の平行な直線 ℓ、m、n がある。直線 p はこれらと順に A、B、C で交わり、直線 q はこれらと順に D、E、F で交わっている。AB = 6cm、BC = 9cm、EF = 12cm のとき、
(1) AB:BC を求めなさい。
(2) DE の長さを求めなさい。
(3) DF の長さを求めなさい。

使う道具平行線が切り取る線分の比は等しい。つまり AB:BC = DE:EF。2本の直線がどこで交わっていても、平行でありさえすれば成り立ちます。

(1) 6:9 = 2:3

(2) DE:EF = AB:BC = 2:3 だから DE:12 = 2:3。3 × DE = 24、DE = 8cm

(3) DF = DE + EF = 8 + 12 = 20cm

よくある誤答AB:BC = DE:EF ではなく AB:DE = BC:EF と書いてしまう答案。比べるのは「同じ直線の上でとなり合う線分どうし」です。p の上の 6 と 9、q の上の DE と 12。この対応をそろえてから式にしましょう。

答え (1) 2:3 (2) 8cm (3) 20cm

類題135点

△ABC で、辺 AB の中点を M、辺 AC の中点を N とする。BC = 14cm のとき、
(1) MN の長さを求めなさい。
(2) MN と BC の位置関係を答えなさい。
(3) △AMN と △ABC の面積比を求めなさい。

使う道具中点連結定理——2辺の中点を結ぶと、残りの辺と平行で、長さは半分。「平行」と「半分」はセットで覚えます。

(1) MN = BC ÷ 2 = 14 ÷ 2 = 7cm

(2) MN // BC(平行)。

(3) 相似比は AM:AB = 1:2 なので、面積比は 1²:2² = 1:4

よくある誤答(3) を 1:2 としてしまう答案。長さが半分なら面積は4分の1です。△AMN が △ABC の中にどのくらいの大きさで入っているか、図をかいて確かめると納得できます。

答え (1) 7cm (2) MN // BC (3) 1:4

類題145点

四角形 ABCD の辺 AB、BC、CD、DA の中点を、それぞれ P、Q、R、S とする。対角線 AC = 10cm、BD = 12cm のとき、
(1) PQ の長さを求めなさい。
(2) 四角形 PQRS はどんな四角形になるか答えなさい。
(3) 四角形 PQRS の周の長さを求めなさい。

使う道具四角形に対角線を1本ひくと三角形が2つできます。そこで中点連結定理を使うのがこの型の入り口です。

(1) △ABC で P は AB の中点、Q は BC の中点。中点連結定理より PQ = AC ÷ 2 = 5cm

(2) 同じく △ACD で SR = AC ÷ 2 = 5cm、SR // AC。PQ // AC でもあるから PQ // SR かつ PQ = SR。1組の対辺が平行で長さが等しいので 平行四辺形

(3) もう1本の対角線 BD で考えると、△BCD より QR = BD ÷ 2 = 6cm、△ABD より SP = BD ÷ 2 = 6cm。周の長さは (5 + 6) × 2 = 22cm

よくある誤答(2) を「ひし形」や「長方形」と答えてしまう答案。もとの四角形 ABCD にどんな条件もついていないので、いえるのは平行四辺形までです。ひし形になるのは AC = BD のとき、長方形になるのは AC ⊥ BD のとき。条件がないなら言い切らないこと。

答え (1) 5cm (2) 平行四辺形 (3) 22cm

類題155点

AD // BC である台形 ABCD で、AD = 8cm、BC = 14cm である。辺 AB の中点を M、辺 DC の中点を N とする。
(1) MN と AD、BC の位置関係を答えなさい。
(2) MN の長さを求めなさい。
(3) 対角線 BD と MN の交点を P とするとき、MP の長さを求めなさい。

使う道具台形でも、対角線を1本ひけば三角形が2つできて中点連結定理が使えます。(3) はその考え方を、そのまま途中で止めた形です。

(1) MN // AD // BC(どちらとも平行)。

(2) 対角線 BD をひくと、△ABD で MP = AD ÷ 2 = 4cm、△BCD で PN = BC ÷ 2 = 7cm。よって MN = 4 + 7 = 11cm。上底と下底の平均 (8 + 14) ÷ 2 = 11 と同じ結果です。

(3) (2) の途中で出したとおり、△ABD において M は AB の中点、MP // AD だから P は BD の中点。中点連結定理より MP = 4cm

よくある誤答(2) を「上底と下底の差の半分」と覚えていて (14 − 8) ÷ 2 = 3cm としてしまう答案。台形の中点を結んだ線は「平均」です。公式があやしくなったら、いまのように対角線を1本ひいて中点連結を2回使う——こちらが本筋の解き方です。

答え (1) MN // AD // BC (2) 11cm (3) 4cm

第4節 相似の利用・総合(類題16〜類題20)

類題165点

身長 1.6m の人が地面に立っているとき、その影の長さは 2m であった。同じ時刻に、ある木の影の長さは 10m であった。
(1) 人と木で相似な三角形ができる理由を説明しなさい。
(2) 木の高さを求めなさい。
(3) 同じ時刻に影の長さが 5m であった建物の高さを求めなさい。

使う道具太陽の光線は平行とみなせます。だから同じ時刻なら、どの物体でも「光線と地面のなす角」が等しくなり、相似な直角三角形が並びます。

(1) 太陽の光線は平行だから、光線と地面のなす角は等しい。また人も木も地面に垂直に立っているので、その角はどちらも 90°。2組の角がそれぞれ等しいので相似。

(2) 高さ:影 = 1.6:2 が木でも成り立つ。1.6:2 = x:10 より 2x = 16、x = 8m

(3) 1.6:2 = y:5 より 2y = 8、y = 4m

よくある誤答比の向きを取り違えて 1.6:2 = 10:x としてしまう答案。左辺と右辺で「高さ:影」の順をそろえるのが鉄則です。式を書く前に「高さ:影」と紙の端にメモしておくと事故が減ります。

答え (1) 太陽の光線は平行なので光線と地面のなす角が等しく、どちらも地面に垂直で 90° が等しい。2組の角がそれぞれ等しいから相似 (2) 8m (3) 4m

類題175点

平行四辺形 ABCD で、辺 BC の C 側の延長上に点 E をとり、線分 AE と辺 CD の交点を F とする。AB = 6cm、BC = 8cm、CE = 4cm のとき、
(1) △EAB と相似な三角形を、対応する頂点の順に書きなさい。
(2) FC の長さを求めなさい。
(3) DF の長さを求めなさい。

使う道具平行四辺形は平行な辺が2組。延長線が出てきたら、どの辺とどの辺が平行かを書き込んでから同位角・錯角を探します。

(1) AB // DC だから AB // FC。∠E は共通、∠EBA = ∠ECF(同位角)。2組の角がそれぞれ等しいので △EFC

(2) EB = BC + CE = 8 + 4 = 12cm、EC = 4cm。相似比は EB:EC = 12:4 = 3:1。AB:FC = 3:1 だから 6:FC = 3:1、FC = 2cm

(3) 平行四辺形なので DC = AB = 6cm。DF = DC − FC = 6 − 2 = 4cm

よくある誤答(2) で相似比を BC:CE = 8:4 = 2:1 としてしまう答案。相似比は頂点 E から測った長さの比なので、使うのは EB = 12 であって BC = 8 ではありません。延長のある図では「どこからどこまで」を必ず図に書き込んでください。

答え (1) △EFC (2) 2cm (3) 4cm

類題185点

△ABC の辺 AB を4等分する点を、A に近いほうから順に P、Q、R とする。P、Q、R を通り辺 BC に平行な直線が、辺 AC と交わる点をそれぞれ S、T、U とする。BC = 16cm、△ABC の面積が 64cm² のとき、
(1) QT の長さを求めなさい。
(2) △APS の面積を求めなさい。
(3) 台形 PQTS の面積を求めなさい。

使う道具平行線が何本もあるときは、そのつど頂点 A を含む三角形だけを取り出すのがコツ。台形は「大きい三角形 − 小さい三角形」で求めます。

(1) AQ:AB = 2:4 = 1:2 なので △AQT ∽ △ABC、相似比 1:2。QT = 16 × (1/2) = 8cm

(2) AP:AB = 1:4 なので相似比 1:4、面積比は 1:16。64 × (1/16) = 4cm²

(3) △AQT は相似比 1:2、面積比 1:4 なので 64 × (1/4) = 16cm²。台形 PQTS = △AQT − △APS = 16 − 4 = 12cm²

よくある誤答(3) で台形 PQTS を「△ABC の 4分の1」などと当てずっぽうに出す答案。台形は単独では相似の相手がいません。必ず「頂点 A を含む三角形どうしの引き算」に直してから計算します。

答え (1) 8cm (2) 4cm² (3) 12cm²

類題195点

円錐の形をした容器を、頂点を下にして置く。容器の深さ(頂点から口までの高さ)は 12cm で、この容器は満水で 270cm³ の水が入る。いま、水面の高さが 8cm になるまで水を入れた。
(1) 水の部分と容器全体の相似比を求めなさい。
(2) 水の体積は満水のときの何倍か求めなさい。
(3) 入っている水の体積を求めなさい。

使う道具頂点を下にした円錐では、水の部分もまた円錐で、容器全体と相似。相似比は高さの比で読めます。

(1) 8:12 = 2:3

(2) 体積比は 2³:3³ = 8:27。よって 8/27倍

(3) 270 × (8/27) = 80cm³

よくある誤答水の高さが全体の 3分の2 だから、水の量も 3分の2 の 180cm³ と答えてしまう答案。高さの比と体積の比は違います。3分の2 の深さでも、入っている水は 27分の8——つまり3割ほどしかありません。円錐は下が細いので、感覚とずれるところです。

答え (1) 2:3 (2) 8/27倍 (3) 80cm³

類題205点

相似比が 3:5 である2つの相似な四角錐 P、Q がある。
(1) 表面積の比を求めなさい。
(2) 体積の比を求めなさい。
(3) P の体積が 54cm³、Q の表面積が 100cm² のとき、Q の体積と P の表面積をそれぞれ求めなさい。

使う道具この章の総まとめ。長さは1乗、面積は2乗、体積は3乗。(3) は小→大と大→小の両方向を1問で聞いています。かける向きに注意。

(1) 3²:5² = 9:25

(2) 3³:5³ = 27:125

(3) Q の体積は P より大きいので 125/27 をかける。54 × (125/27) = 250cm³。P の表面積は Q より小さいので 9/25 をかける。100 × (9/25) = 36cm²

よくある誤答(3) で向きを取り違え、P の表面積を 100 × (25/9) としてしまう答案。相似比 3:5 の 3 が P、5 が Q。求めるほうの数を分子に置く、と決めておくと迷いません。答えが元より大きくなったか小さくなったかを最後に確かめるだけでも防げます。

答え (1) 9:25 (2) 27:125 (3) Q の体積 250cm³、P の表面積 36cm²

ここから下は、実際の『体系問題集』章末問題のオリジナル解説です

ここから下は、『体系問題集 数学2 幾何編』第1章 章末問題に取り組む人のために、数強塾が独自に書き下ろした解説です。お手元の問題集を開き、番号を照らし合わせながら読んでください。

上の類題20題で「型」を先に身につけてから、こちらに進むと理解が一段速くなります。上=練習用の類題、下=問題集を解くための解説、という二部構成です。

第1節 相似な図形と相似条件(第1問〜第5問)

まず相似比の意味と、相似条件の使い方から。第5問で「直角三角形と垂線」の型を扱います。

第1問5点

2つの相似な三角形があり、相似比は 3:5 である。
(1) 小さいほうの1辺が 6cm のとき、大きいほうの対応する辺の長さを求めなさい。
(2) 小さいほうの周の長さが 21cm のとき、大きいほうの周の長さを求めなさい。
(3) 小さいほうの面積が 18cm² のとき、大きいほうの面積を求めなさい。

使う道具長さの比は相似比のまま、面積の比は相似比の2乗。周の長さも「長さ」なので2乗しない。

(1) 6 × (5/3) = 10cm

(2) 周の長さも長さなので、比は 3:5 のまま。21 × (5/3) = 35cm

(3) 面積比は 3²:5² = 9:25。18 × (25/9) = 50cm²

よくある誤答(2) で周の長さを2乗して 21×(25/9) とする答案。周は「長さ」を足したものなので、比は相似比と同じです。2乗するのは面積だけ。

答え (1) 10cm (2) 35cm (3) 50cm²

第2問5点

次の2つの三角形が相似であるかどうかを判定し、相似である場合は相似条件を答えなさい。
(1) 3辺が 3cm、4cm、5cm の三角形と、3辺が 6cm、8cm、10cm の三角形
(2) 3辺が 3cm、4cm、5cm の三角形と、直角をはさむ2辺が 4cm、4cm の直角三角形

使う道具相似条件は3組の辺の比/2組の辺の比とその間の角/2組の角。どれか1つが言えればよい。

(1) 6÷3=2、8÷4=2、10÷5=2。3組の辺の比がすべて等しいので相似です。相似比は 1:2。

(2) 1つ目は 3:4:5 なので直角三角形。角は 90°、約37°、約53°。

2つ目は直角二等辺三角形なので、角は 90°、45°、45°。

直角は共通ですが、残りの角が一致しません。相似ではありません。

よくある誤答(2) を「どちらも直角三角形だから相似」とする答案。直角が1つ等しいだけでは足りません。相似には「2組の角」が必要です。

答え (1) 相似(3組の辺の比が等しい) (2) 相似でない

第3問5点

下の図で DE // BC、AD:DB = 2:3 である。
(1) AE:EC を求めなさい。
(2) DE:BC を求めなさい。
(3) BC = 15cm のとき、DE の長さを求めなさい。

ABCDE23DEBCDE // BC のとき、AD:DB = AE:EC = DE:BC

使う道具DE // BC なら △ADE ∽ △ABC。相似比は AD:AB であって、AD:DB ではないことに注意。

(1) 平行線があるので比が移ります。AE:EC = AD:DB = 2:3

(2) △ADE と △ABC の相似比を考えます。AD:AB = 2:(2+3) = 2:5

DE と BC は対応する辺なので DE:BC = 2:5

(3) DE = 15 × (2/5) = 6cm

よくある誤答(2) を「2:3」とする答案。DE と BC の比は AD:AB(全体との比)です。AD:DB は「分けられた2つの部分の比」で、別のものです。図に AB 全体を 5 と書きこむと防げます。

答え (1) 2:3 (2) 2:5 (3) 6cm

第4問5点

下の図で、M は辺 AB の中点、N は辺 AC の中点である。
(1) MN と BC の関係を述べなさい。
(2) BC = 15cm のとき、MN の長さを求めなさい。
(3) 四角形の各辺の中点を順に結ぶと、どんな四角形になるか答えなさい。

ABCMN2辺の中点を結ぶと、残りの辺に平行で長さは半分

使う道具中点連結定理:2辺の中点を結ぶ線分は、残りの辺に平行で長さは半分。

(1) MN // BC で、MN = (1/2)BC。

(△AMN と △ABC は相似比 1:2 で相似だからです。中点連結定理は、相似の特別な場合です。)

(2) MN = 15 ÷ 2 = 7.5cm

(3) 四角形 ABCD の対角線 AC を引くと、△ABC と △ACD それぞれで中点連結定理が使えます。

2つの中点を結ぶ線分は、どちらも AC に平行で長さは AC の半分。

BD についても同じことが言えるので、向かい合う辺が平行で長さが等しくなり、平行四辺形になります。

よくある誤答(3) を「もとの四角形と相似な四角形」とする答案。もとの四角形の形によらず、いつでも平行四辺形です。ひし形や正方形になるのは、対角線に条件がついたときだけ。

答え (1) MN // BC で MN=(1/2)BC (2) 7.5cm (3) 平行四辺形

第5問5点

下の図の直角三角形 ABC(∠C=90°、AC=5cm、BC=12cm、AB=13cm)で、C から AB に垂線 CH を引いた。
(1) △ABC と相似な三角形を2つ答えなさい。
(2) AH の長さを求めなさい。
(3) CH の長さを求めなさい。

ABCH51213△ABC ∽ △ACH ∽ △CBH(3つとも相似)

使う道具直角三角形に斜辺への垂線を引くと、3つの相似な三角形ができる。対応する頂点の順を、直角の位置でそろえて書く。

(1) △ACH と △CBH。

△ACH は ∠A が共通で ∠AHC=90°=∠ACB なので △ABC と相似。

△CBH は ∠B が共通で ∠BHC=90°=∠BCA なので △ABC と相似。

(2) △ABC ∽ △ACH より AB:AC = AC:AH。

13:5 = 5:AH より 13×AH = 25、AH = 25/13 cm

(3) △ABC ∽ △ACH より AB:AC = BC:CH。

13:5 = 12:CH より 13×CH = 60、CH = 60/13 cm

確かめ BH = 13 − 25/13 = 144/13。

CH² = (60/13)² = 3600/169、AH×BH = (25/13)×(144/13) = 3600/169。一致します。

よくある誤答(1) で「△AHC と △ABC」のように対応の順を無視して書く答案。△ABC ∽ △ACH では、A↔A、B↔C、C↔H が対応します。順番が違うと (2)(3) の比がすべて狂います。

答え (1) △ACH と △CBH (2) 25/13 cm (3) 60/13 cm

第2節 面積比・体積比(第6問〜第10問)

2乗か3乗か。平面図形と立体、地図の縮尺まで同じ考え方で通します。

第6問5点

相似比が 2:3 である2つの三角形がある。小さいほうの面積が 12cm² のとき、大きいほうの面積を求めなさい。

使う道具面積比は相似比の2乗。2²:3² = 4:9。

面積比は 2²:3² = 4:9

12 × (9/4) = 27cm²

確かめ 底辺 4・高さ 3 の三角形(面積 6)を 1.5倍すると、底辺 6・高さ 4.5 で面積 13.5。13.5 ÷ 6 = 2.25 = (3/2)²。合っています。

よくある誤答相似比をそのままかけて 12×(3/2)=18 とする答案。面積は「たて×よこ」なので、両方が 3/2 倍になります。だから (3/2)² 倍です。

答え 27cm²

第7問5点

相似比が 2:3 である2つの立体がある。
(1) 表面積の比を求めなさい。
(2) 体積の比を求めなさい。
(3) 小さいほうの体積が 40cm³ のとき、大きいほうの体積を求めなさい。

使う道具表面積は「面積」なので2乗、体積は3乗。単位 cm² と cm³ の右上の数字がそのまま何乗かを表す。

(1) 2²:3² = 4:9

(2) 2³:3³ = 8:27

(3) 40 × (27/8) = 135cm³

確かめ 1辺 2 の立方体は体積 8、1辺 3 なら 27。確かに 8:27 です。

よくある誤答表面積も3乗してしまう答案。表面積は「面」の面積を足したものなので2乗です。「表」の字につられないこと。

答え (1) 4:9 (2) 8:27 (3) 135cm³

第8問5点

底面積 36cm²、高さ 9cm の三角錐がある。この三角錐を、高さの中点を通り底面に平行な平面で切った。
(1) 上にできる小さい三角錐の体積を求めなさい。
(2) 下にできる立体(円錐台のような形)の体積を求めなさい。
(3) 上と下の体積比を求めなさい。

使う道具底面に平行に切ると、上の錐はもとの錐と相似。高さの中点で切れば相似比 1:2。

もとの体積は (1/3)×36×9 = 108cm³

(1) 上の錐はもとの錐と相似比 1:2 で相似。

体積比は 1³:2³ = 1:8 なので、108 × (1/8) = 13.5cm³

(2) 108 − 13.5 = 94.5cm³

(3) 13.5 : 94.5 = 1:7

確かめ 上の錐は底面積 36÷4=9、高さ 4.5。(1/3)×9×4.5 = 13.5。一致します。

よくある誤答(3) を「1:8」とする答案。1:8 は「上の錐ともとの錐全体」の比です。下の立体は 8−1=7 にあたるので、上と下は 1:7。「何と何を比べているか」を毎回書き出すこと。

答え (1) 13.5cm³ (2) 94.5cm³ (3) 1:7

第9問5点

縮尺 1:500 の地図がある。
(1) 地図上で 7.2cm の道のりは、実際には何 m か求めなさい。
(2) 地図上で 4cm² の土地は、実際には何 m² か求めなさい。

使う道具縮尺は「長さ」の比。面積は2乗になる。先に長さを m に直してから2乗すると、けた数を間違えない。

(1) 地図上 1cm は実際 500cm = 5m

7.2 × 5 = 36m

(2) 地図上 1cm² は、実際には 5m 四方の正方形。

5 × 5 = 25m²。

4 × 25 = 100m²

よくある誤答(2) で 500² = 250000 をかけてから単位を直そうとして、けたを間違える答案。先に 1cm が何 m かを出してから2乗する。この順番だけで事故が減ります。

答え (1) 36m (2) 100m²

第10問5点

2つの相似な三角形 ABC と DEF がある。AB=6cm、BC=8cm、CA=10cm、DE=9cm のとき、
(1) EF と FD の長さを求めなさい。
(2) 2つの三角形の面積を求めなさい。

使う道具対応する辺は、記号の順。AB↔DE、BC↔EF、CA↔FD。

相似比は AB:DE = 6:9 = 2:3

(1) EF = 8 × (3/2) = 12cm、FD = 10 × (3/2) = 15cm

(2) 6:8:10 は 3:4:5 の2倍なので、△ABC は直角三角形(∠B=90°)。

△ABC = (1/2)×6×8 = 24cm²

△DEF = (1/2)×9×12 = 54cm²

確かめ 24:54 = 4:9 = 2²:3²。面積比と合っています。

よくある誤答対応を無視して EF に 10 を対応させる答案。△ABC ∽ △DEF なら、BC の相手は EF。記号の並び順が対応を表しています。

答え (1) EF=12cm、FD=15cm (2) 24cm² と 54cm²

第3節 平行線と線分の比・中点連結(第11問〜第15問)

平行線があれば比が移せます。中点連結定理は、その中でいちばんよく使う特別な場合です。

第11問5点

3本の平行線が2本の直線を切っている。一方の直線上で切り取られる線分の長さが 6cm と 9cm のとき、もう一方の直線上で対応する線分の一方が 4cm であった。もう一方の線分の長さを求めなさい。

使う道具平行線が切り取る線分の比は等しい。まず比を約分してから使う。

6:9 = 2:3 です。

対応する線分も 2:3 になるので、4:x = 2:3。

2x = 12 より x = 6cm

確かめ 4:6 = 2:3。合っています。

よくある誤答6:9 を約分せずに 4:x = 6:9 として 6x=36、x=6 と出す——これは結果は同じですが、数が大きいと計算ミスが増えます。比は先に約分するのが安全です。

答え 6cm

第12問5点

△ABC で、∠A の二等分線と辺 BC の交点を D とする。AB=8cm、AC=6cm、BC=7cm のとき、BD と DC の長さを求めなさい。

使う道具角の二等分線は、向かい合う辺をとなりの2辺の比に分ける。BD:DC = AB:AC。

BD:DC = AB:AC = 8:6 = 4:3

BC = 7cm を 4:3 に分けるので、

BD = 7 × (4/7) = 4cm、DC = 7 × (3/7) = 3cm

確かめ 4+3 = 7 で、BC と一致します。

よくある誤答BD:DC を AC:AB(逆)にする答案。B に近いほうの辺は ABなので、BD が AB に対応します。図に「B側は AB=8」と書きこむと防げます。

答え BD=4cm、DC=3cm

第13問5点

台形 ABCD で AD // BC、AD=6cm、BC=14cm である。辺 AB の中点を M、辺 DC の中点を N とするとき、MN の長さを求めなさい。

使う道具台形の中点連結定理:MN = (AD+BC)÷2。対角線を引いて、三角形2つの中点連結に分けると導ける。

対角線 BD を引き、その中点を P とします。

△ABD で中点連結定理より MP = (1/2)AD = 3cm、MP // AD。

△BCD で中点連結定理より PN = (1/2)BC = 7cm、PN // BC。

AD // BC なので M、P、N は一直線上にあります。

MN = 3 + 7 = 10cm

(公式では MN = (6+14)÷2 = 10cm。同じ結果です。)

よくある誤答公式を「(BC−AD)÷2」と覚えてしまう答案。平均なので足して2で割ります。AD=BC のとき(平行四辺形)に MN=AD になるか、で確かめられます。

答え 10cm

第14問5点

△ABC の辺 BC 上に、BD:DC = 2:3 となる点 D をとる。△ABD と △ADC の面積比を求めなさい。また、△ABD が △ABC の何倍かを求めなさい。

使う道具高さが共通なら、面積比は底辺の比。A から BC への高さは、どちらの三角形でも同じ。

△ABD と △ADC は、A から BC に下ろした高さが共通です。

底辺が BD:DC = 2:3 なので、面積比も 2:3

△ABC は2つを合わせたものなので、△ABD : △ABC = 2 : (2+3) = 2:5。

つまり △ABD は △ABC の 2/5 倍

よくある誤答「相似だから2乗」と考えて 4:9 とする答案。この2つは相似ではありません。高さが共通なだけです。相似なのか、高さが共通なのかを先に見分けてください。

答え 面積比 2:3、△ABC の 2/5 倍

第15問5点

△ABC で DE // BC、AD:DB = 1:2 のとき、△ADE と 台形 DBCE の面積比を求めなさい。

使う道具まず △ADE と △ABC の面積比を出す。台形はその差。

相似比は AD:AB = 1:(1+2) = 1:3

面積比は 1²:3² = 1:9

つまり △ADE を 1 とすると △ABC は 9。

台形 DBCE = 9 − 1 = 8。

△ADE : 台形DBCE = 1:8

よくある誤答「1:9」で答えてしまう答案。聞かれているのは台形との比です。三角形どうしの比(1:9)と、三角形と台形の比(1:8)を取り違えないこと。

答え 1:8

第4節 相似の利用・総合(第16問〜第20問)

ここが章末の山場です。証明・平行四辺形・立体の切断・重心まで、相似を道具として使います。

第16問5点

△ABC の辺 AC 上に点 D、辺 AB 上に点 E があり、AD:AC = AE:AB = 3:5 である。
(1) △ADE ∽ △ACB であることを示しなさい。
(2) DE:CB を求めなさい。
(3) △ADE と △ACB の面積比を求めなさい。

使う道具共通の角+その角をはさむ2辺の比が相似条件。対応の順に気をつけて記号を書く。

(1) △ADE と △ACB において、

∠A は共通(∠DAE = ∠CAB)。

AD:AC = 3:5、AE:AB = 3:5 なので、2組の辺の比とその間の角が等しい

よって △ADE ∽ △ACB。

(2) 相似比が 3:5 なので DE:CB = 3:5

(3) 面積比は 3²:5² = 9:25

よくある誤答(1) で「△ADE ∽ △ABC」と書く答案。D は AC 上、E は AB 上なので、D の相手は C、E の相手は B です。順番を入れかえると (2) の答えが 3:5 でなくなります。

答え (1) 2組の辺の比とその間の角が等しい (2) 3:5 (3) 9:25

第17問5点

平行四辺形 ABCD で、辺 BC の C を越える延長上に点 E をとり、BC=8cm、CE=4cm とする。AE と辺 DC の交点を F とするとき、FC の長さを求めなさい。ただし AB=5cm とする。

使う道具平行四辺形では AB // DC。平行線があれば相似が見つかる。

AB // DC(平行四辺形の向かい合う辺)なので、AB // FC です。

△ABE と △FCE において、

∠E は共通、AB // FC より ∠BAE = ∠CFE。

よって 2組の角が等しく、△ABE ∽ △FCE

相似比は BE:CE = (8+4):4 = 12:4 = 3:1

AB:FC = 3:1 なので、FC = 5 × (1/3) = 5/3 cm

よくある誤答相似比を BC:CE = 8:4 = 2:1 とする答案。対応するのは BE(=BC+CE)と CE です。△ABE の辺は BE であって BC ではありません。図に E までの全体の長さを書きこむこと。

答え FC = 5/3 cm

第18問5点

△ABC で、辺 BC の中点を M、辺 AC の中点を N とし、AM と BN の交点を G とする。
(1) AG:GM を求めなさい。
(2) G は何とよばれる点か答えなさい。
(3) その理由を、中点連結定理を使って説明しなさい。

使う道具MN を結ぶと中点連結定理が使える。MN // AB で MN = (1/2)AB。

(3) から考えます。M と N を結びます。

中点連結定理より MN // AB、MN = (1/2)AB。

△GAB と △GMN において、MN // AB なので2組の角が等しく相似。

相似比は AB:MN = 2:1

(1) 対応する辺なので AG:GM = 2:1

(2) G は3本の中線が交わる点で、重心とよばれます。

確かめ 座標で A(0,0)、B(12,0)、C(3,9) とすると、重心は ((0+12+3)/3, (0+0+9)/3) = (5, 3)。

M(7.5, 4.5) なので AG:GM = 2:1 を満たします。

よくある誤答「重心」と答えて理由を書かない答案。2:1 になる理由は中点連結定理です。中線を2本引いて MN を結ぶ、という補助線が出発点。

答え (1) 2:1 (2) 重心 (3) MN//AB、MN=(1/2)AB より△GAB ∽ △GMN(相似比 2:1)

第19問5点

身長 1.5m の人が立っているとき、影の長さは 2m であった。同じ時刻に、近くの木の影の長さは 12m であった。
(1) 木の高さを求めなさい。
(2) 「同じ時刻に測る」ことがなぜ必要か説明しなさい。

使う道具太陽光は平行なので、人と木で相似な直角三角形ができる。

(1) 人:影 = 1.5:2 = 3:4

木の高さを x とすると x:12 = 3:4。

4x = 36 より x = 9m

(2) 時刻が変わると太陽の高さ(光の角度)が変わるので、影の長さと高さの比も変わってしまいます。

同じ時刻なら光の向きが同じで、できる直角三角形が相似になるから比が使えるのです。

よくある誤答(2) を「明るさが違うから」とする答案。問題は角度です。夕方は影が長く伸びる——この観察が理由そのものです。

答え (1) 9m (2) 太陽の光の角度が同じで、相似な三角形ができるから

第20問5点

平行四辺形 ABCD で、辺 AB の中点を M、辺 AD 上に AN:ND = 1:2 となる点 N をとる。MN と対角線 AC の交点を P とするとき、AP:PC を求めなさい。

使う道具座標に置くと確実。A を原点、B と D を基準にとると、C は B+D の位置。

A を原点として、AB を b、AD を d と見ます。

C は b+d の位置、M は b/2、N は d/3。

P は直線 MN 上にあるので、P = (1−t)×(b/2) + t×(d/3) と書けます。

また P は直線 AC 上にあるので、P = s(b+d) とも書けます。

b と d の係数を比べます。

(1−t)/2 = s ……①

t/3 = s ……②

②より t = 3s。①に代入して (1−3s)/2 = s。

1−3s = 2s より s = 1/5

P = (1/5)(b+d) = (1/5)AC なので、AP:PC = 1:4

確かめ A(0,0)、B(12,0)、D(3,9) とすると C(15,9)。

M(6,0)、N(1,3)。直線 MN と AC の交点は (3, 1.8)。

AC の 1/5 の位置です。

よくある誤答「MN が対角線を1:2に分ける」と見た目で決める答案。図の目分量では決まりません。座標かベクトルで、2通りの表し方を係数比較するのが確実です。

答え AP:PC = 1:4

解き終えた人へ

20題で100点満点です。80点以上なら、この章は仕上がっています。
60〜75点なら、落としたのがどの節に集まっているかを見てください。第1節(相似条件)なら、対応する頂点の順が原因です。△ABC ∽ △DEF と書いたとき、どの辺とどの辺が対応するかを図に矢印で書きこむ練習をしてください。
第2節(面積比・体積比)なら、「何の比を聞かれたか」を読み落としています。単位(cm² か cm³ か)を見れば、2乗か3乗かは自動的に決まります。
第4節(総合)に集まっているなら、それは悪い兆候ではありません。ここは中3の到達点で、補助線を引く・座標に置くといった、自分で手を打つ力を見る問題だからです。解説の「確かめ」の行だけを読み直してください。

次にやると効くページ

体系数学2 幾何編 章末テスト 全4章

中3で使う1冊ぶんを、章ごとに20題・100点でそろえました。順番どおりでなくてかまいません。今つまずいている章から取ってください。

  • 第1章 図形と相似 ── 相似条件・線分比・面積比と体積比(いま読んでいるページ)
  • 第2章 線分の比と計量 ── 中点連結定理・角の二等分線・チェバとメネラウス
  • 第3章 円 ── 円周角・接線・方べきの定理
  • 第4章 三平方の定理 ── 平面から空間へ・最短経路

ほかの巻は体系数学3 数式・関数編(全6章)へ。単元から逆引きしたいときは体系数学 全単元つまずき診断辞典から誤答の形で原因をたどれます。

要点辞典この単元の公式・定石・つまずきやすい所は 中3数学の要点辞典:相似 にまとめてあります。

📕 体系数学2 幾何編 第1章の関連ページ

この章は「つまずき解説」と「章末テスト」の2ページで対になっています。解説で原因を押さえてからテストで確認すると、どこが抜けていたのかがはっきりします。

この章のつまずき解説図形と相似

全30章の並びと、どの章がどこでつまずくのかは体系数学の危険単元マップ、誤答から原因を逆引きするときは体系数学 全単元つまずき診断辞典から。

オンライン数学専門塾 数強塾|プロ講師のみ・完全1対1指導・中高一貫校対応

数強塾オンラインのご案内

体験授業に申し込む入塾受け入れ状況(残席)数学つまずき診断(無料)体験授業の事前案内保護者の方へ高1・高2の方へ医学部志望の方へ保護者様からの声料金・指導システム指導事例・合格実績大学受験 合格実績(集計ルール開示)数強塾グループの理念学校別の数学対策数学の勉強法(記事一覧)数強塾プレミアム(映像授業)獣医学部専門コース鉄緑会・SAPIX等との併用サポート過去問解説・数学問題集毎日の数学(1日1枚 無料プリント)毎日の数学EX(難関大の名問を1日1問)共通テスト・センター数学の全問解説共通テスト「情報Ⅰ」の全問解説情報Ⅰ・情報Ⅱ専門「情報ラボ」情報の過去問アーカイブ(無料PDF)解法テクニック事典(公式・裏ワザ)入試数学の定石(解き方の型・全27章)数学の要点辞典まとめ(中1〜数学III)中1数学の要点辞典(全7単元)中2数学の要点辞典(全6単元)中3数学の要点辞典(全8単元)数学I・Aの要点辞典(全9単元)数学II・B・Cの要点辞典(全12単元)数学IIIの要点辞典(全7単元)論理と証明の要点辞典(全8章)2026年 夏期講習会2026年 冬期講習会代表・藤原進之介について