体系数学 全単元つまずき診断辞典|誤答から原因を逆引きする43単元【中高一貫校の数学】

数強塾版|つまずき診断辞典

「体系数学についていけない」を、単元名だけで判断しない。

「二次関数が分からない」「因数分解が苦手」「証明を書き始められない」。困っている単元や操作が分かるときは、上の入口から対応する診断へ進めます。

けれど数学では、いま分からない単元と、つまずきの原因になった単元が同じとは限りません。この辞典は、単元を解説するためではなく、いま出た誤答から理解が切れた最初の地点を逆向きに特定するために作りました。全43単元、同じ10項目で診断します。

  • 43単元の診断票
  • 129問の3問診断
  • 129件の典型誤答
  • 0学年を下げる言葉
数強塾の数学辞典は5つあります。この辞典の担当は「逆引き」です。

役割が重なると探しにくくなるので、入口を分けています。目的に近いものからお使いください。

単元名では、原因は特定できない平方完成でつまずいた生徒の、本当の原因

平方完成ができない展開の式が不安定かもしれないさらに調べると分配法則で符号を落としているさらに調べると負の数どうしの積が定着していないここまで降りて初めて直すべき1か所が決まる単元名ではなく、前提のどこで止まっているかを見る

「二次関数でつまずいた」では原因が特定できません。数学の学習では「いまどこを習っているか」より「どこまで前提が積み上がっているか」が効きます。単元名で判断すると、直すべき1か所にたどり着けません

たとえば yx2-6x+11 を平方完成できない生徒がいたとします。原因は「二次関数」そのものではないことがあります。

まず (x-3)2x2-6x+9 という展開が不安定なのかもしれません。さらに調べると -2(x-3) の分配法則で符号を落としている。さらに調べると (-2)×(-3)=6 が十分に定着していない。ここまで降りて初めて、直すべき1か所が決まります。

数学の学習では「いまどこを習っているか」より、どこまで前提知識がつながっているかを見る必要があります。数研出版も現行の『体系数学』シリーズを、中高6年間の内容を学年の枠だけで区切らず、数学の体系に沿って構成した中高一貫校向け教材として案内しています。学年で切られていない教材なのですから、つまずきも学年では切れません。

大原則|「小学生レベルに戻る」とは、生徒に言わない数強塾の理念のひとつです

ここは、この辞典でいちばん大切な部分です。中学生や高校生に「こんなの小学生の問題だよ」「小学校からやり直した方がいい」「こんなところも分からないの?」と言う必要はありません。数強塾では、原則として使わない表現にしています。

学習上必要なのは学年を下げることではなく、いまの問題を解くために必要な前提技能を再確認することだからです。中2の生徒が x/3+x/4 で止まったとき、「分数からやり直そう」ではなく「この方程式を速くするために、分数の処理だけ5分確認しよう」で足ります。高校生が割合で混乱していても「高校数学の計算を楽にするために、比の考え方を一度整理しよう」と伝えれば済みます。

教材の学年表示を前面に出す必要もありません。「小5復習プリント」ではなく「分数計算チェック」。「比と割合の確認」「式変形ウォームアップ」。呼び名を変えるだけで、生徒が受け取る情報が変わります。

これは言葉遣いだけの問題ではありません。中高生を対象とした自己決定理論の研究では、有能感・自律性・関係性の充足が、自律的な動機づけや学習価値と関連することが報告されています。必要な復習を「能力が低い証拠」としてではなく「目的達成のための、選択できる前提確認」として扱うことには、一定の理論的な合理性があります。

ただし効果を誇張はしません。「成長マインドセット的な声かけをすれば必ず成績が上がる」とまでは言えません。近年のメタ分析では、学業成績への介入効果は小さい、あるいはバイアスを調整すると明確ではない、という結果も報告されています。数強塾がこの方針を採るのは、効果を保証できるからではなく、生徒の尊厳を削らずに前提を補修する方法が、現に存在するからです。この考え方は数強塾グループの理念ページにも掲載しています。

全43単元を、同じ10項目で診断します各単元カードの読み方

単元ごとの記事は、次の10項目で構成しています。競合する解説記事の「つまずきポイント+対策」から、もう一段深いところまで扱います。

1つの単元カードに入っているもの

  • ① この単元で何を理解するのか
  • ② 解説を読む前の3問診断(どこから間違えたかで戻り先が変わります)
  • ③ 実際に書かれる典型誤答
  • ④ その誤答から何が分かるのか
  • ⑤ どの前提技能まで戻るべきか
  • ⑥ 逆引きルート(最深部まで降りて、そこだけ補修して戻る)
  • ⑦ 15分・30分・60分の修復方法
  • ⑧ 生徒の自尊感情を傷つけない声かけ
  • ⑨ この単元を放置すると次に何で困るか
  • ⑩ 大学入試のどこにつながるか

43単元の索引いま困っている単元から入ってください

PART 1 体系数学1 代数編正負の数から1次関数まで。ここでの取りこぼしは6年間ついて回る。

01正の数と負の数中1

負の数を「引く量」ではなく、数直線上の位置として扱えるようにする単元です。減法をすべて加法に直して書けること、(-3)2 と -32 を別物として読めること、累乗→乗除→加減の順で処理できること。この3つができれば、この単元は理解できています。

解説を読む前に|3問診断
  1. (-3)+(-5)-(-2) を計算しなさい。答え -6。-3-5+2 の形に直してから計算します。ここで落ちるなら、減法を加法に直す書き換えが切れています。-(-5)=+5 の1行を必ず書く練習に戻ります。
  2. -32+(-2)3 を計算しなさい。答え -17。-32=-9、(-2)3=-8 なので -9+(-8) です。ここで落ちるなら、累乗の底の読み取りが切れています。(-2)2 と -22 の区別に戻ります。
  3. -22×(-3)-(-4)÷2 を計算しなさい。答え 14。-22×(-3)=12、-(-4)÷2=+2 なので 12+2 です。ここだけ落ちるなら、計算の順序が切れています。累乗→乗除→加減の順番を余白に書く練習に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
(-3)-(-5)=-8 引く数についているマイナスを、引き算の記号とまとめて1個として読んでいます。減法を加法に直す書き換えが手順として入っていません。 「-(-5) は +5」の書き換えだけを、途中式を1行書かせて確認します。
-32=9 累乗の底が 3 なのか -3 なのかを、括弧の有無で読み分けていません。 (-3)2 と -32 を声に出し、「何を2回掛けるか」を言わせて確認します。
(-6)÷(-2)×3=1 乗除を左から順に処理せず、÷ のうしろをまとめて先に計算しています。 乗除だけが並んだ式で、計算する順に番号を振らせて確認します。
逆引きルート

正の数と負の数の四則計算累乗と符号の区別((-a)2 と -a2減法を加法に直す書き換え(-(-5)=+5)数直線上での位置と、0を基準にした移動数直線の目盛りを左右へ数える読み方 ←そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分数直線を1本だけ描き、-5から+7動く、+3から-4動く、といった移動を矢印で10回書きます。
  • 30分(-2)2、-22、(-2)3、-23 の4つを読み分けながら20題解きます。
  • 60分累乗と括弧の混じった四則計算を15題。1題ごとに「累乗→乗除→加減」と余白に書いてから解きます。ここまでで今の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「「また符号ミス。もっと下の計算からやり直したほうがいいんじゃない?」」
  • ○「「途中式の書き方はきれいに揃っています。今日は累乗のところだけ、-22 と (-2)2 の読み分けを確認しましょう。」」
放置すると次に困ること文字式の同類項をまとめる場面と、方程式の移項でそのまま止まります。さらに先では、2次関数の平方完成や微分の増減表で、符号1つのずれが答えを丸ごと変えます。
大学入試へのつながり符号処理は入試の計算全体の土台です。負の数の四則 → 式の計算 → 2次関数の平方完成 → 微分の増減表、という一本道でずっと使われます。

02式の計算・文字式中1

文字は「まだ決まっていない数」であり、数と同じ規則で計算できる、という点が中心です。同類項だけをまとめられること、括弧の前の符号を全部の項に配れること、代入のときに負の数を括弧で囲めること。この3つが揃えば、この先の式変形は自分で追えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. 3x-5-(x-2) を簡単にしなさい。答え 2x-3。x=1 を入れると元の式も -1 になり一致します。ここで落ちるなら、括弧の前の符号を全部の項に配る操作が切れています。-(ab) の展開に戻ります。
  2. x=-2 のとき、x2-3x の値を求めなさい。答え 10。(-2)2=4、-3×(-2)=6 なので 4+6 です。ここで落ちるなら、代入のときに負の数を括弧で囲む手順が切れています。単元1の累乗と符号に戻ります。
  3. (2x-1)/3 - (x-4)/2 を1つの分数にまとめなさい。答え (x+10)/6。x=2 を入れると元の式も 2 になり一致します。ここだけ落ちるなら、通分のときに分子全体を括弧でくくる操作が切れています。数だけの分数の通分に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
3x-5-(x-2)=2x-7 括弧の前のマイナスが最初の項にしか届いていません。分配法則が「全部の項に配る」という形になっていません。 -(ab) の形だけを、+b まで書き切らせて確認します。
x=-2 のとき x2-3x=-22-3×-2=-4+6=2 代入したときに負の数を括弧で囲んでいないため、x2 が -4 になっています。 代入した瞬間に (-2) と括弧つきで書く、という手順だけを確認します。
(2x-1)/3-(x-4)/2=(2x-1-x+4)/6=(x+3)/6 分母を6にそろえたのに、分子を2倍・3倍していません。通分が「分母だけの操作」になっています。 数だけの 1/2-1/3 で、分子がどう変わるかを書かせて確認します。
逆引きルート

文字式の計算(同類項をまとめる・分配法則)分数を含む式の通分(分子全体を括弧でくくる)括弧の前の符号を全部の項に配る展開代入するとき負の数を括弧で囲む書き方数だけの分数の通分(1/2+1/3 を確実に)←そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分数だけの分数計算を20題。1/2-1/3、2/3+5/6 など、通分の途中式を必ず書きます。
  • 30分-(ab)、-2(3x-4) のように、括弧の前が負の展開だけを30題解きます。
  • 60分x=-3 を代入する問題を15題。代入した瞬間に (-3) と括弧で書きます。ここまでで今の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「「括弧を外すたびに符号ミス。何回言えば直るの。」」
  • ○「「同類項をまとめる順番は正確です。今は括弧の前がマイナスのときの配り方だけ、10題そろえて確認しましょう。」」
放置すると次に困ること連立方程式の加減法と、中3の展開・因数分解で手が止まります。分数式の通分が残ったままだと、数IIの分数式でも同じ形で詰まります。
大学入試へのつながり文字式の整理は、そのまま記述答案の読みやすさになります。文字式の整理 → 因数分解 → 2次方程式の解の公式 → 数IIの式と証明、とつながります。

03方程式中1

方程式を解くとは、等式の性質を使って x= の形まで変形する作業です。移項が「両辺から同じ数を引く」の省略形だと分かっていること、分母を払うときに全部の項へ掛けられること、文章の条件を等式1本に翻訳できること。この3つで判定します。

解説を読む前に|3問診断
  1. 5x-3=2x+9 を解きなさい。答え x=4。代入すると両辺とも 17 になり一致します。ここで落ちるなら移項が切れています。両辺から同じ数を引く、という等式の性質に戻ります。
  2. (x-1)/2+1=(2x+1)/3 を解きなさい。答え x=1。代入すると左辺も右辺も 1 になります。ここで落ちるなら、分母を払うときに全部の項へ掛ける操作が切れています。単元2の通分に戻ります。
  3. ある品物を定価の2割引で売ると、仕入れ値2000円に対して400円の利益が出ます。定価はいくらですか。答え 3000円。3000×0.8=2400、2400-2000=400 で条件に合います。ここだけ落ちるなら、文章を等式に翻訳する部分が切れています。割合を倍率に直す言い換えに戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
5x-3=2x+9 より 5x+2x=9+3、x=12/7 2x を左へ移すときに符号を変えていません。移項が「両辺から引く」とつながっていません。 移項1回ごとに「両辺から 2x を引く」と1行書かせて確認します。
(x-1)/2+1=(2x+1)/3 の両辺を6倍して 3(x-1)+1=2(2x+1) 分母のない項「+1」に6を掛け忘れています。両辺のすべての項に掛ける、という形になっていません。 掛ける数を式の左に書き、項の個数を数えてから掛ける手順を確認します。
2割引の売値を 0.2x とおいて 0.2x=2400 「2割引」が「もとの0.8倍」であることと結びついていません。式が1本ずれた状態で計算が進んでいます。 「〜割引」「〜割増」を倍率に直す言い換えだけを確認します。
逆引きルート

1次方程式(移項・分母払い)文章から等式を1本立てる(何を x とおくか、単位をそろえる)分母を払うとき、両辺のすべての項に掛ける移項=両辺から同じ数を引く、という等式の性質割合を倍率に直す読み方(2割引=0.8倍)←そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分3x+5=14 型を20題。必ず「両辺から5を引く」と1行書いてから x を出します。
  • 30分分母や小数を含む方程式を15題。両辺に何を掛けたかを式の左端に書きます。
  • 60分文章題を8題。式を立てたら、出た答えを問題文に戻して検算します。ここまでで今の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「「移項したら符号が変わる、って何回目?」」
  • ○「「文章から式を立てるところは合っています。今は移項の1か所だけ、両辺から引く行を書いて確認しましょう。」」
放置すると次に困ること連立方程式と2次方程式、そして1次関数の交点でそのまま止まります。文章から式を立てる部分は、数Aの確率の設定や数IIの図形と方程式でも同じ作業を求められます。
大学入試へのつながり方程式は、入試で最後の1行を出すための道具です。等式の性質 → 連立方程式 → 2次方程式 → 数IIの図形と方程式(交点の計算)、と積み上がります。

04不等式中2〜数I

不等式は、大小関係を保ったまま式を変形する規則です。負の数を掛ける・割るときだけ向きが変わる理由を言えること、解を数直線上の範囲として描けること、境界を含むかどうかを ○ と ● で区別できること。ここまでできれば理解したと言えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. -3x+2<8 を解きなさい。答え x>-2。x=0 なら 2<8 で成立、x=-3 なら 11<8 で不成立です。ここで落ちるなら、負の数で割るときの向きの反転が切れています。数直線上の大小に戻ります。
  2. 連立不等式 2x-1≦5、3x+4>x を解きなさい。答え -2<x≦3。x=3 は両方を満たし、x=-2 は2つ目を満たしません。ここで落ちるなら、2つの解の共通範囲を取る作業が切れています。数直線に2本描いて重ねる練習に戻ります。
  3. 不等式 4x-3<a を満たす自然数 x がちょうど3個となる a の範囲を求めなさい。答え 9<a≦13。a=13 なら x<4 で1、2、3の3個、a=9 なら x<3 で2個です。ここだけ落ちるなら、境界を含むかどうかの確認が切れています。両端を代入して数え直す検算に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
-3x<6 より x<-2 負の数で割ったのに不等号の向きを変えていません。変形の規則が等式のままになっています。 両辺に -1 を掛けると数直線上で左右が入れ替わることを、具体的な数で確認します。
x≦3 と x>-2 が出たあと、答: x≦3 2つの解の共通範囲を取る作業が抜けています。数直線に並べて重ねていません。 解を必ず数直線に2本描き、重なった部分に色をつける手順を確認します。
9≦a≦13 境界の a=9 を代入して個数を数え直していません。a=9 では自然数解が2個になります。 範囲を出したら両端を代入して数え直す、という検算の手順を確認します。
逆引きルート

1次不等式・連立不等式解を数直線に置き、境界の ○ と ● を区別する負の数を掛ける・割るときに不等号の向きが変わる理由移項=両辺に同じ数を足す(等式の性質の不等式版)数直線上での数の大小(-5 と -2 はどちらが大きいか)←そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分-5 と -2、-1/2 と -1 のような負の数の大小を、数直線に置いて10組判定します。
  • 30分両辺に -2 を掛ける、-3 で割る、という変形だけを20題。向きを変えた瞬間に印をつけます。
  • 60分連立不等式を10題。必ず数直線を描いて共通範囲に色をつけ、境界の ○ と ● を書き分けます。ここまでで今の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「「不等号の向き、また逆。集中していないでしょう。」」
  • ○「「移項までの計算は正確です。今は負の数で割る1か所だけ、向きを変える印をつけて確認しましょう。」」
放置すると次に困ること数Iの2次不等式や、絶対値を含む不等式で答えの範囲が合わなくなります。さらに数IIの領域や、微分の増減表の読み取りでも同じ場所で止まります。
大学入試へのつながり不等式は、答えを「範囲」で書く問題すべての土台です。1次不等式 → 2次不等式 → 領域 → 数IIの最大・最小、という流れで繰り返し出ます。

051次関数中2

yaxba が「x が1増えるときの y の増え方」だと分かることが中心です。式・表・グラフの3つを行き来できること、交点を求めるのは2つの式を連立することだと結びつくこと。この2つができていれば、あとは計算の問題になります。

解説を読む前に|3問診断
  1. 2点 (1, 3)、(3, 7) を通る直線の式を求めなさい。答え y=2x+1。傾きは (7-3)/(3-1)=2 で、(3, 7) も満たします。ここで落ちるなら、変化の割合の定義が切れています。表で x が1増えたときの y の増え方を読む練習に戻ります。
  2. 2直線 y=2x+1 と y=-x+7 の交点の座標を求めなさい。答え (2, 5)。両方の式に x=2 を入れると y=5 で一致します。ここで落ちるなら、交点と連立方程式の対応が切れています。単元3の方程式に戻ります。
  3. 2直線 y=2x+1、y=-x+7 と y軸で囲まれた三角形の面積を求めなさい。答え 6。y軸上の底辺が 7-1=6、高さが交点の x座標2なので 1/2×6×2 です。ここだけ落ちるなら、座標平面上の長さを座標の差で読む作業が切れています。座標の読み取りに戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
2点 (1, 3)、(3, 7) の傾きを (3-1)/(7-3)=1/2 とする 変化の割合の分母と分子が逆です。「y の増加量 ÷ x の増加量」の順が入っていません。 表を書いて「x が1増えると y はいくつ増えるか」を言わせて確認します。
交点を問われて 答: x=2 交点が座標であることが抜けています。連立の解を出したところで止まっています。 求めた x をどちらかの式に戻して y を出す1行を確認します。
底辺を 7、高さを 2 として 面積=1/2×7×2=7 y軸上の2点 (0, 1)、(0, 7) の間の長さを、7-1=6 と引き算していません。 座標平面上の縦・横の長さを、必ず座標の引き算で書く手順を確認します。
逆引きルート

1次関数(式・表・グラフの行き来)交点=2つの式を連立して解く傾き=y の増加量 ÷ x の増加量(変化の割合)座標平面で2点間の縦・横の長さを座標の差で読む比例と比の読み方(x が2倍なら y も2倍という対応)←そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分x が 1、2、3、4 と並ぶ表を10個作り、y の増加量を書き込んで傾きを読みます。
  • 30分2点から式を求める問題を15題。傾きを必ず (y の差)/(x の差) と書いてから代入します。
  • 60分交点と面積の問題を8題。必ずグラフを手で描き、切片と交点を座標で書き込みます。ここまでで今の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「「グラフくらい描きなさい。式だけ見ていて分かるわけがない。」」
  • ○「「切片は正しく読めています。今は傾きを出すところだけ、y の差を上に書く形で確認しましょう。」」
放置すると次に困ること2次関数のグラフと、数IIの図形と方程式(直線と円の交点)で止まります。変化の割合を放置すると、数IIの平均変化率と微分係数の定義でもう一度同じ壁に当たります。
大学入試へのつながり1次関数は微分の入口です。変化の割合 → 2次関数の平均変化率 → 微分係数 → 接線の方程式、と定義がそのまま拡張されます。

▲ 43単元の索引に戻る

PART 2 体系数学1 幾何編平面図形・空間図形から合同の証明へ。見た目で判断する癖を切る。

06平面図形中1

平面図形は、条件を作図の道具に翻訳する単元です。垂直二等分線が「2点から等距離」、角の二等分線が「2辺から等距離」を表すと言えること、おうぎ形を「円から中心角のぶんだけ取り出したもの」として比で扱えること。この2つが軸になります。

解説を読む前に|3問診断
  1. 半径6cm、中心角60°のおうぎ形の弧の長さと面積を求めなさい。答え 弧は 2π cm、面積は 6π cm2。どちらも円全体の 60/360=1/6 倍です。ここで落ちるなら、中心角の比とおうぎ形の関係が切れています。円周と円の面積の使い分けに戻ります。
  2. 2点A、Bから等しい距離にあり、直線ℓ上にもある点Pを作図するとき、まず何を描きますか。答え 線分ABの垂直二等分線です。その線とℓの交点がPになります。ここで落ちるなら、作図の道具と条件の対応が切れています。垂直二等分線が表す条件に戻ります。
  3. 半径6cm、面積 12π cm2 のおうぎ形の中心角と弧の長さを求めなさい。答え 中心角120°、弧の長さ 4π cm。1/2×6×4π=12π で面積と一致します。ここだけ落ちるなら、公式を逆向きに使う手順が切れています。求める量を文字でおいて方程式にする練習(単元3)に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
半径6cm、中心角60°の弧の長さを π×62×60/360=6π cm とする 長さを問われているのに面積の式を使っています。円周と円の面積の使い分けが立っていません。 答えの単位が cm か cm2 かを先に決めてから式を選ぶ手順を確認します。
2点A、Bから等距離の点として 答: 線分ABの中点 等距離の点が中点1つだけだと思っています。垂直二等分線が「条件を満たす点の集まり」であることが抜けています。 垂直二等分線を引き、その線上の点を2つ取ってA、Bまでの長さを測らせて確認します。
面積 12π cm2、半径6cm から 弧の長さを 12π÷6=2π cm とする おうぎ形の面積が 1/2×半径×弧 であることを使わず、面積を半径で1回割っただけになっています。 中心角をいったん文字でおいて方程式にする手順を確認します。
逆引きルート

平面図形(作図・移動・おうぎ形)おうぎ形は円から中心角のぶんだけ取り出したもの、という見方円周=2πr と 円の面積=πr2 の使い分け(長さか面積か)作図の3つの道具(垂直二等分線・角の二等分線・垂線)が表す条件比の読み方(60/360=1/6 を「全体の6分の1」と言い換える)←そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分半径3、5、6の円で円周と面積を交互に10回。長さには cm、面積には cm2 を必ず書きます。
  • 30分垂直二等分線・角の二等分線・垂線をコンパスで各5回描き、「この線上の点はどんな点か」を1行ずつ書きます。
  • 60分おうぎ形の弧・面積・中心角・半径のうち2つを与えて残りを出す問題を12題。ここまでで今の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「「図が雑すぎる。定規を使いなさいと何度も言ったよね。」」
  • ○「「移動で対応する点の取り方は正確です。今はおうぎ形のところだけ、長さの式と面積の式の使い分けを確認しましょう。」」
放置すると次に困ること中3の相似・円周角・三平方の定理、そして数Aの図形の性質で使う道具が揃いません。中心角の比を放置すると、数IIの弧度法で角の意味がつかめなくなります。
大学入試へのつながり作図と中心角は、あとで角度と面積を扱う言語になります。中心角の比 → 弧度法 → 三角関数 → 積分による面積計算、とつながります。

07空間図形中1

空間図形は、立体をそのまま眺めて解く単元ではありません。展開図・投影図・切断面のどれかを使って、立体の問題を平面の問題に置き直す単元です。柱は底面積×高さ、錐はその1/3、球は半径だけで決まる——この3系統を、公式の暗記ではなく「どこが底面で、どこが高さか」を指させる状態にするのが目標です。円錐の側面のように、平面に開いたときに立体のどの長さがどこへ移るかを言えれば、この単元は理解できたと言えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. 底面の半径が3cm、高さが5cmの円柱の体積を求めなさい。答え 45π cm3。底面積が π×32=9π、これに高さ5をかけて 45π。ここで止まるなら「柱の体積=底面積×高さ」と円の面積の式が別々に覚えられている状態なので、円の面積と円周を場面で選び分ける作業に戻ります。
  2. 底面が1辺6cmの正方形、高さが4cmの正四角錐の体積を求めなさい。答え 48 cm3。底面積は6×6=36、錐なので (1/3)×36×4=48。CHECK1が通ってここで落ちるなら、柱と錐を区別せず「底面積×高さ」で押し切っているので、1/3がつくのは錐だけという1点に戻ります。
  3. 母線の長さが6cm、底面の半径が2cmの円錐の側面積を求めなさい。答え 12π cm2。側面を開くと半径6の扇形になり、その弧の長さは底面の円周と同じ 2π×2=4π。扇形の面積は (1/2)×4π×6=12π。(36π×(4π/12π)=12π と出しても同じです)CHECK2まで通ってここだけ落ちるなら、公式は使えるが立体と展開図を行き来できていないので、扇形の弧と中心角の割合の扱いに戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
円錐の側面積=(1/3)×π×22×6=8π(cm2 側面積を聞かれているのに体積の式を書いています。さらに母線6をそのまま高さとして使っています。面積か体積かの判断と、母線と高さの区別の両方が同時に切れています。 問題文の最後の3文字(面積か体積か)に丸をつけてから式を書く手順と、母線・高さ・底面半径の3本を図に色分けして書き分ける作業に戻ります。
円錐の側面積=π×62=36π(cm2 側面を開いた図形が扇形であることは分かっているのに、円まるごとの面積で答えています。中心角がどれだけの割合かを出す一手が抜けています。 扇形の面積を「360分のいくつか」の形で書いてから計算する練習に戻ります。
正四角錐の体積=6×6×4=144(cm3 底面積と高さは正しく取れています。錐であることが式に反映されていないだけで、立体の分類が計算手順に結びついていません。 角柱と角錐を同じ底面・同じ高さで並べて描き、体積が3倍差になることを1度だけ確認します。
逆引きルート

空間図形の求積で、どの式を使うか決められない/答えが合わない立体を展開図に開いたとき、立体のどの長さが平面のどこに移るかを対応づけられない(円錐の弧の長さ=底面の円周)扇形の弧の長さと面積を、中心角の割合を書いてから出すことができない円周=直径×π と 円の面積=半径×半径×π を、場面によって選び分けられない「全体のうちどれだけか」を分数・割合の形で書き表す技能。そこだけ補修して戻りますそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分円柱・円錐・角柱・角錐・球の5つについて、体積と表面積の式を、公式集を見ずに紙に書き出します。1/3がつくのは錐だけ、という1点だけ確認します。
  • 30分半径と中心角を自分で決めた扇形を5個つくり、弧の長さと面積を出します。毎回「360分のいくつか」を先に書いてから計算します。
  • 60分母線と底面半径の組を変えた円錐を3つ用意し、それぞれ展開図を描いて、中心角→弧の長さ→側面積の順で求めます。最後にCHECK3に戻ります。
声のかけ方
  • ×「立体が想像できないなんて、図形のセンスがないんじゃないか。」
  • ○「体積の式は正しく選べています。あと1つ、展開図にしたときに扇形の弧と底面の円周が同じ長さになる、そこだけ確認しましょう。」
放置すると次に困ること高校の三角比の空間への応用、数学Bの空間ベクトル、数学Ⅲの回転体の体積で、「立体からどの平面を取り出すか」を毎回自分で決めることになります。ここを飛ばすと、式は書けるのに図が描けず、問題文の前で手が止まります。
大学入試へのつながり空間図形 → 三角比の空間図形への応用 → 空間ベクトル → 立体の切断と体積。入試の空間問題は、切り口の平面を1枚選べた時点でほぼ決着します。

08合同と証明中2

証明は文章を覚える単元ではなく、仮定から結論まで、根拠のある一歩をつないでいく単元です。三角形の合同条件を「間の角」「両端の角」という位置まで含めて言えること、記号≡の式から対応する頂点・辺・角を1対1で取り出せること、この2つができれば書き出せます。さらに、条件があてはまらない場合を自分で判定できれば、この単元は理解できたと言えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. 三角形の合同条件を3つ、すべて書きなさい。答え 3組の辺がそれぞれ等しい/2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい/1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい。「その間の」「その両端の」まで含めて1つの条件です。ここで言葉が欠けるなら、条件が位置関係抜きで覚えられているので、辺と角の位置を図に書き込む段階へ戻ります。
  2. △ABC≡△DEF で、∠A=50°、∠B=60°のとき、∠F の大きさを求めなさい。答え 70°。∠C=180°-50°-60°=70°で、≡の並びからCとFが対応するので∠F=∠C=70°。CHECK1が通ってここで落ちるなら、≡の式を左から順に対応させる読み方が入っていないので、対応の取り出しに戻ります。
  3. △ABCと△DEFで、AB=DE、BC=EF、∠A=∠D であるとき、この2つの三角形は必ず合同といえますか。理由も書きなさい。答え いえません。∠Aは辺ABと辺ACの間の角で、AB・BCの間の角ではありません。等しい2組の辺の間の角が等しいわけではないので、合同条件のどれにもあてはまりません。CHECK2まで通ってここだけ落ちるなら、条件をあてはめる作業はできるが「あてはまらない」と判定する側ができていないので、条件の位置関係の確認に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
(合同条件として)「2組の辺とその角がそれぞれ等しい」 「間の」が抜けています。この2文字が抜けた瞬間に、合同にならない場合まで含む文になってしまいます。条件が意味ではなく音で覚えられている状態です。 合同条件3つを書き出し、「間の角」「両端の角」に丸をつけて、どの2辺の間か・どの辺の両端かを毎回書き添える作業に戻ります。
△ABC≡△DEF より AB=EF ≡の式は左から順に A↔D、B↔E、C↔F と対応します。AB に対応するのは DE です。図の見た目や文字の並びの近さで対応させています。 △ABCと△DEFを上下2段にそろえて書き、真上・真下で対応させる書き方に戻ります。
仮定より AB=DE、BC=EF、∠A=∠D。よって △ABC≡△DEF(2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい) 3つの等式は正しく拾えていますが、∠Aは AB と BC の間の角ではありません。条件の名前だけを貼りつけて、位置関係の確認を飛ばしています。 使う角が、等しいと分かっている2辺にはさまれているかを、指で2辺をなぞって確認する手順に戻ります。
逆引きルート

証明が書き出せない、または途中で止まる結論から逆にたどって「何が言えれば終われるか」を1つに決められない三角形の合同条件を、辺と角の位置関係(間の角・両端の角)まで含めて言えない≡の式から、対応する頂点・辺・角を1対1で取り出せない図の中の1つの角を「∠ABC」のように3文字で正確に指す技能。そこだけ補修して戻りますそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分合同条件3つを、図を見ずに紙に書きます。「間の角」「両端の角」に丸をつけ、どの2辺の間か・どの辺の両端かを言葉で書き添えます。
  • 30分△ABC≡△PQR のような≡の式を5組自分でつくり、対応する辺3組と角3組をすべて書き出します。1組でも外したら、2つの三角形を上下に並べて書く形式に切り替えます。
  • 60分教科書の証明を3本、結論の1行だけ隠して読みます。何が言えれば終わるかを先に自分で決めてから、隠した行を確認します。そのうえでCHECK3に戻ります。
声のかけ方
  • ×「証明なんて型が決まっているんだから、覚えれば書けるでしょう。」
  • ○「使う辺と角そのものは正しく見つけられています。あとは、その角が等しい2辺の間にあるかどうかを毎回1回だけ指でなぞって確認しましょう。」
放置すると次に困ること数学Aの図形の性質では、円周角の定理や方べきの定理の証明が、合同・相似の書き方を前提に進みます。証明の型が入っていないと、定理の結論だけを暗記することになり、少し設定が変わると使えなくなります。
大学入試へのつながり合同と証明 → 三角形の相似 → 円周角・方べきの定理 → 数学Aの図形の性質。入試の図形の解答は、この書き方のまま最後まで使い続けます。

09三角形・四角形中2

この単元の中心は、図形の名前ごとに「定義」「性質」「それになるための条件」の3つを分けて持つことです。定義は1つ、性質はそこから導かれるもの、条件は逆向きに使うものです。与えられた条件から何が言えるのか、その向きを毎回意識できて、条件が足りないときには反例を1つ挙げられる——ここまでできれば理解できたと言えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. 平行四辺形ABCDで∠A=70°のとき、∠Bと∠Cの大きさを求めなさい。答え ∠B=110°、∠C=70°。向かい合う角は等しいので∠C=∠A=70°、隣り合う角の和は180°なので∠B=180°-70°=110°。ここで止まるなら、平行四辺形の性質が「対角」と「隣角」に分けて入っていないので、平行線の同位角・錯角から角を移す作業に戻ります。
  2. 二等辺三角形の定義を書きなさい。また「2つの角が等しい三角形は二等辺三角形である」は正しいですか。答え 定義は「2つの辺が等しい三角形」。後半は正しく、これは二等辺三角形になるための条件(底角が等しいという性質の逆)です。CHECK1が通ってここで落ちるなら、定義・性質・条件が1つの塊になっているので、3つを列に分けて書き出す作業に戻ります。
  3. 四角形ABCDで AD∥BC かつ AB=DC のとき、必ず平行四辺形といえますか。答え いえません。等脚台形(AD∥BCで、平行でない2辺AB、DCの長さが等しい四角形)が反例になります。平行な組と長さの等しい組が別なので、条件にあてはまりません。CHECK2まで通ってここだけ落ちるなら、条件をあてはめる側だけができていて反例で否定する側が空いているので、条件を2つだけ与えて判定する練習に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
平行四辺形ABCDで∠A=70°より、∠B=70°、∠C=110° 向かい合う角と隣り合う角を入れ替えています。性質は覚えているが、四角形のどの位置が「対角」なのかを図の上で確定できていません。 平行四辺形を1つ描き、∠Aから対角線を引いて向かい合う角に同じ印をつける作業に戻ります。
AD∥BC、AB=DC よって四角形ABCDは平行四辺形(1組の対辺が平行でその長さが等しい) 条件の名前は正しいのに、平行なのはAD・BCの組、長さが等しいのはAB・DCの組で、別の組です。条件文の「その」が指すものを確認していません。 条件文の中の「その」が何を指すかに下線を引き、同じ1組についての話かどうかを確かめる読み方に戻ります。
2つの角が等しい → 二等辺三角形(二等辺三角形の底角は等しいから) 結論は正しいのですが、根拠に挙げているのは逆向きの命題です。「底角が等しい」は二等辺三角形から出てくる性質で、逆を示す根拠にはなりません。 性質と、その逆にあたる条件を2列に書き分け、証明で使ってよいのはどちらかを1問ごとに指さす作業に戻ります。
逆引きルート

平行四辺形や二等辺三角形の問題で、どの性質を根拠に使ってよいか決められない「定義」「性質」「それになるための条件(逆)」の3つを区別して持っていない与えられた条件と、そこから言えることを、矢印の向きで整理できない平行線の同位角・錯角を使って、離れた場所へ角を移す操作が確実でない図の中でどの2直線が平行かを、記号∥のついた組だけに限定して読み取る技能。そこだけ補修して戻りますそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分平行四辺形の性質と、平行四辺形になるための条件を、紙の左右2列に分けて書き出します。同じ文が両方の列に現れることを目で確認します。
  • 30分「AD∥BC かつ AB=DC」のように条件を2つだけ与えた四角形を5パターンつくり、平行四辺形といえるかを判定します。いえない場合は反例になる図形の名前を書きます。
  • 60分二等辺三角形と平行四辺形について、教科書の証明を1本ずつ写します。仮定に下線、結論に波線を引き、途中で使った性質の名前を右端に書き添えます。そのあとCHECK3に戻ります。
声のかけ方
  • ×「性質と条件の区別くらい、ちゃんと読めば分かるはずでしょう。」
  • ○「使っている性質そのものは正確に覚えられています。あとは、それが今わかっていることなのか、これから示すことなのかを、矢印で1本書き分けてみましょう。」
放置すると次に困ること数学Ⅰの集合と命題で扱う必要条件・十分条件は、ここでの「性質」と「条件」の区別がそのまま土台になります。区別が曖昧なままだと、命題の単元で「逆は成り立つか」を毎回勘で答えることになります。
大学入試へのつながり三角形・四角形 → 集合と命題(必要条件・十分条件) → 数学Aの図形の性質 → 図形と方程式。入試では「必ず〜といえるか」という形で反例を要求されます。

▲ 43単元の索引に戻る

PART 3 体系数学2 代数編展開・因数分解・平方根・二次方程式。高校数学の計算はここで決まる。

10発展的な式の計算(展開と因数分解)中3

展開は分配法則を最後まで回すこと、因数分解はその逆をたどることです。公式は覚えるものではなく、分配法則の結果に名前がついたものなので、忘れたらその場で作り直せる状態が目標です。因数分解では、共通因数を先にくくり出す、項のいくつかをかたまりとして1文字に見る——この2つの道具を、手を動かす前に選べるようになれば理解できたと言えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. (x+3)(x-5) を展開しなさい。答え x2-2x-15。定数項は3×(-5)=-15、xの係数は3+(-5)=-2。x=1を代入すると左辺4×(-4)=-16、右辺1-2-15=-16で一致します。ここで止まるなら分配法則が4回まわっていないので、単項式と多項式の積の段階に戻ります。
  2. 因数分解しなさい。(1) x2-6x+9 (2) 3x2-12答え (1) (x-3)2 (2) 3(x+2)(x-2)。(2)はまず共通因数3をくくり出して3(x2-4)、さらに2乗の差に分けます。CHECK1が通ってここで落ちる、特に(2)を3(x2-4)で止めるなら、共通因数を先に出す手順が入っていないので、そこへ戻ります。
  3. 因数分解しなさい。x2+2xyy2-9答え (xy+3)(xy-3)。前の3項が(xy)2にまとまり、(xy)2-32 の形になります。x=1、y=1で検算すると左辺1+2+1-9=-5、右辺5×(-1)=-5で一致します。CHECK2まで通ってここだけ落ちるなら、公式は使えるが式をかたまりで見る目が育っていないので、置き換えの練習に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
(x+3)(x-5)=x2-15 外側どうし、内側どうしの積が抜けています。分配法則が2回で止まっており、公式を思い出せないときに戻る場所がない状態です。 (ab)(cd) を矢印4本で結んで展開する書き方に戻ります。
3x2-12=3(x2-4) 共通因数までは出せていますが、括弧の中がまだ因数分解できます。「これ以上分けられないか」を最後に一度見る手順が抜けています。 因数分解の答えを書いたあと、各括弧の中が2乗の差になっていないかを毎回1回だけ見る習慣に戻ります。
(xy)2-32=(xy-3)2 2乗の差と、差の2乗を混同しています。かたまりで見るところまでは成功しているので、切れているのは公式の形の見分けだけです。 (ab)2、(ab)2、(ab)(ab) の3つを並べて書き、展開結果の項の個数(3個・3個・2個)で見分ける確認に戻ります。
逆引きルート

因数分解で、どの公式を使えばよいか決められない共通因数を先にくくり出す、という手順が最初に来ていない展開の公式を、分配法則からその場で作り直すことができない単項式どうしの積で、係数と文字の指数を別々に処理できない同じ文字をかけた回数を指数で表し、かけ算では指数を足すという扱い。そこだけ補修して戻りますそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分(ab)2、(ab)2、(ab)(ab)、(xa)(xb) の4つを、公式を見ずに分配法則で展開して作り直します。覚え直すのではなく、その場で作ります。
  • 30分因数分解を10問。1問ごとに「共通因数はあるか→項は何個か→2乗の形か」の3つを順に確認してから手を動かします。
  • 60分項が4つ以上ある式を5問。かたまりに括弧をつけて1文字とみなし、置き換えた文字を最後に必ず元に戻します。そのあとCHECK3に戻ります。
声のかけ方
  • ×「展開くらい、いいかげん公式で一発で出しなさい。」
  • ○「符号のついた項もきちんと書けています。あとは、手を動かす前に共通因数があるかを1回だけ見る、それだけ足しましょう。」
放置すると次に困ること高校では二次関数の平方完成、数学Ⅱの高次方程式や整式の割り算で、因数分解が計算の途中に必ず現れます。ここが遅いと、方針は立っているのにグラフを描く前に時間が尽きます。
大学入試へのつながり展開と因数分解 → 二次方程式・二次関数 → 高次方程式(因数定理) → 数学Ⅲの極限や積分での式変形。入試の計算量は、この段階の速さでほぼ決まります。

11平方根中3

a は「2乗するとaになる正の数」であって、小数の近似値ではありません。この単元は、近似値に逃げずに√のまま扱う練習です。根号の中を素因数分解して2乗の因数だけを外に出すこと、分母と分子に同じものをかけて分母を整数にすること、そして√の中がそろった項だけをまとめること。この3つを手順として固定できれば、理解できたと言えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. √50 を ab の形に直しなさい。答え 5√2。50=25×2=52×2 なので5が外に出ます。5√2を2乗すると25×2=50で戻ります。ここで止まるなら、外に出せるのは2乗になっている因数だけ、という条件が入っていないので、平方数の見分けに戻ります。
  2. 3/√6 の分母を有理化しなさい。答え √6/2。分母と分子に√6をかけて 3√6/6、3と6を約分して √6/2。CHECK1が通ってここで落ちるなら、有理化が「同じものをかけても値は変わらない」という分数の性質に結びついていないので、そこへ戻ります。
  3. √12+√27-√48 を計算しなさい。答え √3。それぞれ 2√3、3√3、4√3 に直して、2+3-4=1 なので √3。CHECK2まで通ってここだけ落ちるなら、まとめる前に√の中をそろえる手順が固定されていないので、全項を ab に直す作業に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
√50=5√10 50を5×10と分け、2乗になっていない5をそのまま外に出しています。素因数分解して2乗の因数を探す、という条件そのものが抜けています。 根号の中を必ず素因数分解し、同じ数が2個そろった分だけ外に出す、という書き方に戻ります。
√12+√27=√39 根号の中どうしを足しています。√は足し算に対しては分けたり合わせたりできません。かけ算のときだけできる操作を、足し算にも広げてしまっています。 √(9+16)=5 であって 3+4=7 ではないことを1度だけ手で確かめ、√がかけ算・わり算とだけ相性がよいことを確認します。
3/√6=3√6/6=√6/3 有理化そのものは正しくできています。切れているのは約分で、分母と分子を3で割れば分母は6÷3=2になるのに、割った数の3をそのまま分母に書いています。 約分は分母と分子をそれぞれ同じ数で割り、その商を書く操作だと確かめ、3√6/6 なら分子√6・分母2 と1つずつ書き出す作業に戻ります。
逆引きルート

平方根の計算で、答えが教科書と合わない根号の中を素因数分解して、2乗になっている因数だけを外に出す手順が固定されていない平方数(1、4、9、16、25、36、49、64、81、100、121、144)を見た瞬間に見分けられない分母と分子に同じ数をかけても値は変わらない、という分数の基本性質を有理化に結びつけられない分母と分子を同じ数で割り、その商を書くという約分の扱い。そこだけ補修して戻りますそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分12から152までの平方数を書き出し、√8、√18、√32、√48、√75 を ab の形に直します。外に出せるのは2乗の因数だけ、と1行書き添えます。
  • 30分有理化を8問。分母が√だけの型と、分母が2√3のように係数つきの型を混ぜます。毎回「分母と分子に同じものをかけた」と書いてから約分します。
  • 60分√の加減を10問。まず全部の項を ab に直し、そのあとで√の中が同じ項だけをまとめます。まとめる前後で√の中の数が変わっていないことを確認します。そのうえでCHECK3に戻ります。
声のかけ方
  • ×「ルートの計算なんて、ただの作業なんだから間違えないで。」
  • ○「根号を外そうという発想までは合っています。あとは、外に出せるのは2乗になっている数だけ、その1点だけ確認しましょう。」
放置すると次に困ること二次方程式の解、三角比の値、数学Ⅱの複素数と、高校の答えには√がほぼ毎回残ります。ここが不安定だと、方針が正しくても最後の1行で失点する形が続きます。
大学入試へのつながり平方根 → 二次方程式の解の公式 → 三角比と図形の計量 → 数学Ⅱの複素数と方程式。答えの形が合っているかどうかは、根号の整理で決まります。

12二次方程式中3

二次方程式は、解が2つありうる方程式です。中心にあるのは「かけて0なら、どちらかが0」という考え方で、これは右辺が0のときだけ使えます。因数分解で解く、平方の形に直して√をとる、解の公式を使う——この3つを、式の形を見て選べるようにするのが目標です。文章題では、出した解を問題文に戻して条件に合わない解を消すところまでが解答です。

解説を読む前に|3問診断
  1. x2-5x+6=0 を解きなさい。答え x=2、3。(x-2)(x-3)=0 と因数分解できます。2を代入すると4-10+6=0、3を代入すると9-15+6=0で成り立ちます。ここで止まるなら、因数分解か、あるいは「かけて0ならどちらかが0」の使い方が切れているので、そこへ戻ります。
  2. x2+4x-1=0 を解きなさい。答え x=-2±√5。解の公式より x=(-4±√(16+4))/2=(-4±2√5)/2=-2±√5。((x+2)2=5 と平方完成しても同じ結果になります)CHECK1が通ってここで落ちるなら、公式への代入か、分子を約分する処理のどちらかが切れているので、分数の約分に戻ります。
  3. 連続する2つの正の整数があり、その積が56です。小さいほうの数を求めなさい。答え 7。小さいほうをxとすると x(x+1)=56、x2x-56=0、(x+8)(x-7)=0 より x=7、-8。正の整数なので7で、7×8=56と合います。CHECK2まで通ってここだけ落ちるなら、式を解く力はあるが、解を問題文に戻して吟味する一手が抜けているので、そこへ戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
x2-5x+6=0 より (x-2)(x-3)=0 よって x=-2、-3 因数分解は正しくできています。そこから解を読み取るときに符号を反転させていません。括弧の中を0にする数、という手続きが飛ばされています。 (x-2)=0 と1行書いてから x=2 を出す、途中式を省かない書き方に戻ります。
(-4±2√5)/2=-4±√5 分子の2項のうち、√のついた項だけを2で割っています。約分は分子のすべての項に対して行う操作だという理解が切れています。 分子を(-4+2√5)と(-4-2√5)に分けて、それぞれを2で割ってみる確認に戻ります。
x(x+1)=56 より x=56 または x+1=56 「かけて0なら、どちらかが0」という性質を、右辺が0でないのに使っています。この性質が0に固有のものだと理解されていません。 必ず=0の形に移項してから因数分解する、という手順の固定に戻ります。
逆引きルート

二次方程式で解が合わない、または解が1つしか出ない「かけて0なら、どちらかが0」という性質を、右辺が0のときだけ使う、と限定できていないx2を含む式を、まず=0の形へ移項してから因数分解する手順が固定されていないたしてb、かけてc になる2つの数を、符号込みで見つけられない負の数を含む加減と、積の符号の決まり方。そこだけ補修して戻りますそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分x2=9、(x-2)2=5 のような、平方の形からすぐ√をとる型を6問。解は必ず2つ書く、を守ります。
  • 30分解の公式を1回だけ自分で導きます(ax2bxc=0 を平方完成する)。そのあと、係数に負の数や分数が入る5問で使います。約分するときは分子の全部の項を割ります。
  • 60分文章題を5問。①文字が何を表すかを1行で書く ②式を立てる ③解く ④出た解を問題文に戻して条件に合わない解を消す、の4行を必ず書きます。そのうえでCHECK3に戻ります。
声のかけ方
  • ×「解の公式に入れるだけなんだから、間違えようがないでしょう。」
  • ○「式を立てるところまでは合っています。あとは、答えを出したあとに問題文へ戻して、条件に合う解だけを残す、その1手を足しましょう。」
放置すると次に困ること高校では二次関数とx軸の交点、二次不等式、解の配置で、この単元をそのまま使います。判別式も解の公式の一部です。ここが不安定だと、二次関数の単元まるごとが計算不安で止まります。
大学入試へのつながり二次方程式 → 二次関数とグラフ → 二次不等式・解の配置 → 数学Ⅱの解と係数の関係。入試では、解の吟味を書いたかどうかで部分点が分かれます。

13関数 y=ax²中3

x が2倍になると y が4倍になる、という増え方を式とグラフの両方で扱えるようにする単元です。1組の値から a を決められること、変域を聞かれたら端だけでなく頂点(x=0)を見られること、変化の割合を定義どおり計算できること。この3つができれば、この単元は理解したと言えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. yx2 に比例し、x=2 のとき y=12 です。x=3 のときの y を求めてください。答え y=27。yax2x=2, y=12 を入れると 4a=12 で a=3、y=3x2x=3 を入れて 3×9=27。ここで落ちるなら、1組の値を代入して a を決める手順が切れているので、比例定数の決め方に戻ります。
  2. y=−2x2 で、x の変域が −1≦x≦3 のときの y の変域を求めてください。答え −18≦y≦0。x=0 のとき y=0 で最大、x=3 のとき y=−18 で最小(x=−1 では y=−2 なので最小ではありません)。ここで落ちるなら、変域の端だけを代入しているので、x の変域に0が入るかを先に見る手順に戻ります。
  3. yx2 で、x が 1 から 4 まで増加するときの変化の割合を求めてください。答え 5。(16-1)÷(4-1)=15/3=5 です。a(pq)=1×(1+4)=5 とも一致します。CHECK3だけ落ちるなら計算力はあるので、変化の割合の定義(yの増加量÷xの増加量)だけを確認すれば戻れます。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
y=−2x2、−1≦x≦3 のとき「−2≦y≦−18」 変域を「左端の値から右端の値まで」と読んでいて、途中の x=0 を通ることを見ていません。大小の向きも逆になっています。 x の変域に0が入るかを先に判定し、頂点の値も候補に入れる手順を確認します。
yx2 の変化の割合は 1」 一次関数の「x の係数=変化の割合」をそのまま持ち込んでいます。yax2 では区間ごとに変化の割合が変わる、という点が切れています。 変化の割合を定義式に数値を入れて計算する技能を確認します。
yx2x=−3 を代入して「y=−9」 (−3)2=9 と −32=−9 の区別がついていません。代入のときに括弧を書く習慣がない状態です。 負の数を代入するときに括弧をつけて2乗する計算を確認します。
逆引きルート

yax2 の変域と変化の割合1組の (x, y) から a を決める代入変化の割合=(yの増加量)÷(xの増加量) という定義の使用負の数の2乗と括弧の扱い((−3)2 と −32そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分yx2x=−3, −2, −1, 0, 1, 2, 3 を代入した表を1枚作ります。必ず括弧をつけて書きます。
  • 30分a=1, a=−1, a=1/2 の放物線を手で3本描き、変域問題を5題解きます。毎回「0を含むか」を答案に1行書きます。
  • 60分変化の割合を定義式で10題計算し、そのうち5題は a(pq) と一致するかを自分で確かめます。ここまでで元の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「なんで変域なのに端っこだけ入れるの。ちゃんと考えなさい。」
  • ○「代入の計算は正確にできています。あとは x の変域に0が入るかを見る、その1手を足すだけで速くなります。」
放置すると次に困ること高1の二次関数で、平方完成と「定義域つきの最大・最小」に進んだときに同じ形で止まります。頂点が区間に入るかどうかの判定は、そこで毎回必要になります。
大学入試へのつながり二次関数の最大最小 → 二次方程式の解の配置 → 微分による増減と接線、という順につながります。変化の割合は微分係数の定義そのものです。

14データの活用中1〜中2

たくさんの数値を、平均・中央値・最頻値・四分位数といった少ない数に要約する単元です。どの代表値も何かを捨てて何かを残しているので、名前と手順が1対1で結びついていることが第一です。そのうえで、度数分布表と箱ひげ図から分布の位置と散らばりを読み取れれば、この単元は理解したと言えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. 5個のデータ 3, 7, 4, 10, 4 について、平均値と中央値を求めてください。答え 平均値は 28÷5=5.6、中央値は 4。並べ替えると 3, 4, 4, 7, 10 で、真ん中は3番目の 4 です。ここで落ちるなら、代表値の名前と手順が結びついていないので、平均と中央値の求め方の言い分けに戻ります。
  2. 全体40人の度数分布表で、ある階級の度数が6人、その階級までの累積度数が22人です。相対度数と累積相対度数を求めてください。答え 相対度数は 6÷40=0.15、累積相対度数は 22÷40=0.55 です。ここで落ちるなら割合の向きが切れているので、相対度数=その階級の度数÷全体の度数、という割合の式に戻ります。
  3. 8個のデータ 2, 3, 5, 6, 8, 9, 11, 15 の第1四分位数、第3四分位数、四分位範囲を求めてください。答え 第1四分位数は 4、第3四分位数は 10、四分位範囲は 6。下位4個 2, 3, 5, 6 の中央値が (3+5)÷2=4、上位4個 8, 9, 11, 15 の中央値が (9+11)÷2=10 です。CHECK3だけ落ちるなら、偶数個のときに2つの値の平均を取る一手だけが抜けているので、そこを確認すれば戻れます。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
3, 7, 4, 10, 4 について「中央値=5.6」 平均の手順で中央値を答えています。代表値の名前と計算手順が1対1で結びついていない状態です。 平均は総和÷個数、中央値は並べ替えて真ん中、という手順の言い分けを確認します。
度数6、全体40 のとき「相対度数=40÷6=6.66…」 割合を「大きい数÷小さい数」で作っています。比べる量ともとにする量のどちらを分母に置くかが定まっていません。 割合=比べる量÷もとにする量の式と、相対度数の合計が1になる確認を行います。
2, 3, 5, 6, 8, 9, 11, 15 について「第1四分位数=3」 下位4個の中から1つの値をそのまま選んでいます。データが偶数個のときに2つの値の平均を取る、という中央値の処理が四分位数にも要ることに気づいていません。 偶数個のデータの中央値の求め方を確認します。
逆引きルート

箱ひげ図と四分位範囲の読み取り偶数個のデータの中央値(真ん中2つの平均)データを小さい順に並べ替える手順割合=比べる量÷もとにする量(相対度数の分母の決め方)そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分7個の数の列と8個の数の列を1本ずつ自分で作り、最小値・第1四分位数・中央値・第3四分位数・最大値を書き出します。
  • 30分5階級の度数分布表を1枚自分で作り、相対度数と累積相対度数の列を埋めて、相対度数の合計が1になるかを確かめます。
  • 60分箱ひげ図を2つ並べた問題を5題解き、各問で「この図から言えること」「言えないこと」を1つずつ書きます。ここまでで元の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「計算じゃないんだから、これくらい読めば分かるでしょ。」
  • ○「データを小さい順に並べ替えるところまでは正確です。あとは個数が偶数のときだけ真ん中2つの平均を取る、その1点を確認しましょう。」
放置すると次に困ること高1の「データの分析」で分散・標準偏差・相関係数に進んだとき、平均と中央値の使い分けが決まらず、外れ値がある場合の議論ができなくなります。
大学入試へのつながり代表値と四分位範囲 → 分散・標準偏差 → 相関係数と散布図の読み取り、とつながります。共通テストでは毎年出題される分野です。

15確率・標本調査中2〜中3

確率は「同じ起こりやすさの場合を全部数え、そのうち何個かを見る」だけの単元です。だから決め手は公式ではなく、樹形図や6×6の表で数え落とさない数え方を持っているかどうかです。標本調査は、標本の中の比が母集団の比と同じだとみなして比例式を1本立てる作業です。

解説を読む前に|3問診断
  1. 大小2つのさいころを同時に投げるとき、出る目の和が5になる確率を求めてください。答え 1/9。全部で36通り、和が5になるのは (1,4)(2,3)(3,2)(4,1) の4通りで、4/36=1/9 です。ここで落ちるなら同様に確からしい単位が取れていないので、大小を区別した6×6の表で書き出す数え方に戻ります。
  2. 赤玉3個、白玉2個が入った袋から同時に2個取り出すとき、2個とも赤である確率を求めてください。答え 3/10。玉を赤a, 赤b, 赤c, 白d, 白e として組を書き出すと全部で10通り、赤2個は ab, ac, bc の3通りです。ここで落ちるなら同じ色の玉を区別せずに数えているので、すべての玉に番号をつけて組を書き出す数え上げに戻ります。
  3. 白玉だけが入った袋に黒玉100個を入れてよくかき混ぜ、60個取り出したところ黒玉が15個でした。袋全体の玉と白玉は、それぞれおよそ何個ですか。答え 全体はおよそ400個、白玉はおよそ300個。標本での黒の割合が 15/60=1/4 なので、全体を x 個として 100/x=1/4 より x=400、白玉は 400-100=300 です。CHECK3だけ落ちるなら数え上げは足りているので、標本の比を母集団に対応させる比例式の立て方だけを確認すれば戻れます。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
和が5になる確率を「1/11」 和が 2 から 12 までの11通りを、同じ起こりやすさとして数えています。1つ1つの場合が同様に確からしいかを確かめる段が抜けています。 2つのさいころを6×6の表に書き出して、36通りを単位にする数え方を確認します。
赤3個・白2個から2個取り出して2個とも赤「3/5×3/5=9/25」 1個目を取ったあとに袋の中身が減ることを式に反映していません。同時に取り出す=戻さない、という読み取りが切れています。 樹形図で1個目と2個目を書き分ける、または全部の組を書き出して数える技能を確認します。
標本調査で「100/x=60/15 より x=25」 比の対応先がずれています。黒玉100個に対応するのは標本の黒15個であって、標本の総数60ではありません。 a:bc:d で上下に同じ種類の量をそろえて書く、比例式の作り方を確認します。
逆引きルート

標本調査での母集団の推定(比例式を立てる)標本の比と母集団の比の対応をそろえる読み方取り出したあとに個数が減るかどうかの読み分け同様に確からしい場合を、区別して数え上げる(樹形図・6×6の表)そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分大小2つのさいころの6×6の表を1枚書き、和が2から12それぞれ何通りかを数えて、合計が36になるか確かめます。
  • 30分赤3個・白2個の袋の問題を、樹形図(順に2回取る20通り)と組の書き出し(10通り)の両方で解き、確率が同じ 3/10 になることを確認します。
  • 60分「同時に2個」「1個ずつ戻さずに2回」「1個ずつ戻して2回」の3型を各3題、計9題。解く前にどの型かを1行書いてから始めます。ここまでで元の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「確率なんて数えるだけでしょ。なんで間違えるの。」
  • ○「場合の数を書き出す手は動いています。あとは「取り出した玉を戻すのか」を最初に1行書く、それだけで分母が決まります。」
放置すると次に困ること高1の「場合の数と確率」で反復試行や条件付き確率に進んだとき、根元事象の取り方が定まらないまま公式だけが増えて、答えが合わなくなります。
大学入試へのつながり同様に確からしい数え上げ → 順列・組合せ → 反復試行と条件付き確率、とつながります。確率は文系・理系を問わず出題されます。

▲ 43単元の索引に戻る

PART 4 体系数学2 幾何編相似・線分比・円・三平方。すべての土台は「比」。

16相似中3

形が同じで大きさだけが違う図形を、対応する辺の比と対応する角でそろえて扱う単元です。決め手は、図の中から相似な三角形の組を頂点の対応順で取り出せることです。そのうえで、相似比が m:n なら面積比は m2:n2、体積比は m3:n3 と往復できれば理解したと言えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. △ABC∽△DEF で相似比が 2:3、AB=6 のとき、DE の長さを求めてください。答え DE=9。AB:DE=2:3 なので 6:DE=2:3、2×DE=18 より DE=9 です。ここで落ちるなら対応する辺が読めていないので、△ABC∽△DEF の頂点の対応順と比例式の立て方に戻ります。
  2. 相似比が 3:5 の2つの相似な図形について、面積比を求めてください。また大きいほうの面積が 100cm2 のとき、小さいほうの面積を求めてください。答え 面積比は 9:25、小さいほうは 36cm2。100×9/25=36 です。ここで落ちるなら相似比と面積比の区別が切れているので、長さをk倍すると面積がk2倍になる確認に戻ります。
  3. △ABC で辺AB上に点D、辺AC上に点Eがあり、AD=4、DB=2、AE=3 です。DE∥BC のとき AC の長さを求めてください。答え AC=4.5。AB=4+2=6 で AD:AB=2:3、よって AE:AC=2:3、3:AC=2:3 より AC=4.5(このとき EC=1.5 で AE:EC=2:1=AD:DB となり合っています)。CHECK3だけ落ちるなら比の計算はできているので、部分の比(AD:DB)と全体に対する比(AD:AB)の書き分けだけを確認すれば戻れます。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
相似比 3:5 の図形で「面積比も 3:5」として、100cm2 に対し「60cm2 相似比が長さの比であることと、面積が長さ2つ分でできていることが結びついていません。 縦横をk倍した長方形で面積がk2倍になることを1回確かめる技能を確認します。
DE∥BC、AD=4、DB=2、AE=3 のとき「4:2=3:AC より AC=1.5」 AD:DB という分けられた部分どうしの比と、AE:AC という部分と全体の比を、同じ比として結んでいます。図に AB=6 を書き込む前に式を立てています。 比例式を立てる前に、全体の長さ(ABやAC)を図に書き込む手順を確認します。
△ABC∽△DEF、相似比 2:3、AB=6 のとき「DE=4」 2:3 のどちらがどちらの三角形かを固定しないまま計算しています。相似式の書き順と比の分子・分母がそろっていません。 相似式の頂点の対応順にそって、辺の比を左右そろえて書く技能を確認します。
逆引きルート

相似を使った線分の長さと面積比の計算相似比と面積比・体積比の往復(2乗と3乗)相似な三角形の対応順(△ABC∽△DEF の読み方)平行線と線分の比で、全体と部分のどちらを取るかを決め、a:bc:dadbc に直すそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分相似な三角形の図5組について、長さは求めず「△ABC∽△○○○」と頂点の対応順で書き写すだけを行います。
  • 30分平行線のある図5題で、まず全体の長さを図に書き込み、そのあとで比例式を1本だけ立てます。
  • 60分相似比・面積比・体積比を往復する問題を8題。うち3題は「面積比 4:9 から相似比 2:3 を戻す」向きにします。ここまでで元の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「図を見ればどこが対応してるかくらい分かるでしょ。」
  • ○「相似だと見抜くところまではできています。あとは頂点を対応順に書き出す1手を挟めば、比の立式で迷わなくなります。」
放置すると次に困ること単元17と単元18で相似は毎回道具として出てきます。高校では三角比の面積比、図形の性質、ベクトルの内分点まで同じ操作が続きます。
大学入試へのつながり相似 → 三角形の五心とチェバ・メネラウス → ベクトルの内分点と面積比、とつながります。図形で比を扱う問題の土台です。

17線分の比と計量中3

図の中の線分の比が、どの仕掛けから生まれているかを見分ける単元です。中点連結定理、平行線と線分の比、角の二等分線、重心の 2:1 の4つが主な発生源で、まずどれが使われているかを判定します。比が出たら、それをk倍で置いて実際の長さや面積比に翻訳できれば理解したと言えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. △ABC で辺ABの中点をM、辺ACの中点をNとします。BC=10 のとき MN の長さを求めてください。答え MN=5。中点連結定理より MN∥BC で MN=BC÷2=5 です。ここで落ちるなら中点連結定理の形が出てこないので、MN∥BC と MN=BCの半分、という定理の図に戻ります。
  2. △ABC で∠Aの二等分線と辺BCの交点をDとします。AB=6、AC=4、BC=5 のとき BD の長さを求めてください。答え BD=3。BD:DC=AB:AC=6:4=3:2 なので、BD=5×3/5=3、DC=2(和が5で合っています)。ここで落ちるなら比を長さへ配る段が切れているので、BD=3k、DC=2k と置いて和を作る技能に戻ります。
  3. △ABC の重心をG、直線AGと辺BCの交点をMとします。AM=9 のとき AG と GM を求め、△GBC の面積が△ABC の面積の何倍かを答えてください。答え AG=6、GM=3、面積は 1/3 倍。AG:GM=2:1 で AM を 3 等分するので AG=6、GM=3。△GBC と△ABC は底辺BCが共通で高さの比が GM:AM=1:3 だから 1/3 倍です。CHECK3だけ落ちるなら長さは出せているので、底辺が共通なら面積比=高さの比、という翻訳だけを確認すれば戻れます。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
MとNが中点で MN=5 のとき「BC=2.5」 中点連結定理を「半分」とだけ覚えていて、どちらがどちらの半分かを図で確かめていません。 中点になっている辺はどれか、平行なのはどの2直線かを図に書き込む手順を確認します。
BD:DC=AB:AC=6:4 から「BD=6」 比の数字をそのまま長さとして書いています。BC=5 を 3:2 に配り直す段が抜けています。 BD=3k、DC=2k と置いて 5k=5 から k を出す技能を確認します。
重心Gについて AM=9 のとき「AG=18、GM=9」 2:1 が AG:GM なのか AG:AM なのかが定まっていません。部分どうしの比と、部分と全体の比が混ざっています。 AM を3等分した図を描いてから比を読む手順を確認します。
逆引きルート

重心・角の二等分線を使った長さと面積の計算面積比を、底辺共通なら高さの比、高さ共通なら底辺の比に翻訳する比を長さに直す(k倍で置いて和をつくる)部分の比(BD:DC)と全体に対する比(BD:BC)の書き分けそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分線分ABを 3:2 に内分する点Pについて、AB=10, 15, 20 の各場合の AP を暗算で出します。比を長さに直す変換だけを行います。
  • 30分中点連結定理・角の二等分線・重心の3つを1枚のカードに図つきでまとめ、「どこが2:1か」「どこが平行か」を色を変えて書き込みます。
  • 60分同じ図について長さと面積比の両方を問う問題を5題。面積比は必ず「底辺共通か、高さ共通か」を1行書いてから答えます。ここまでで元の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「定理は覚えてるのに使えないんじゃ、覚えた意味がないでしょ。」
  • ○「重心が 2:1 であることは正しく覚えています。あとはその 2:1 が AGとGM なのか AGとAM なのかを図に書き込む、その1手を足しましょう。」
放置すると次に困ること高校の「図形の性質」でチェバ・メネラウスや方べきの定理に進んだとき、比の配分ができないまま公式だけが増えます。ベクトルの内分点も同じ操作です。
大学入試へのつながり線分の比 → メネラウス・チェバの定理 → ベクトルの内分点と面積比、とつながります。比の配分は数学Bまで同じ形で使います。

18中3

同じ弧に対する円周角は等しく、中心角の半分である——この1つの事実から、円の中に等しい角がいくつも生まれます。円の問題は、等しい角に印をつけて相似な三角形を2つ取り出す、という手順に落とせれば解けます。円周角の定理、内接四角形の対角、接弦定理、方べきの定理を、すべてこの1本の筋でつなげられれば理解したと言えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. 円Oで、弧ABに対する中心角∠AOB=100° です。点Pが大きいほうの弧上にあるとき、∠APB を求めてください。答え 50°。円周角は中心角の半分なので 100÷2=50 です(半円なら中心角180°、円周角90°で確認できます)。ここで落ちるなら中心角と円周角のどちらが2倍かが定まっていないので、半円で90°になる1例に戻ります。
  2. 円に内接する四角形ABCDで∠A=85° です。∠C を求め、∠Bの外角が∠Dと等しいかどうかを答えてください。答え ∠C=95°、∠Bの外角は∠Dと等しいです。対角の和が180°なので ∠C=180-85=95、また ∠Bの外角=180-∠B=∠D となります。ここで落ちるなら平行四辺形の性質を円に持ち込んでいるので、円周角から内接四角形の対角の和を導く筋に戻ります。
  3. 円の2つの弦AB、CDが円の内部の点Pで交わっています。PA=6、PB=4、PC=3 のとき PD を求めてください。答え PD=8。△PAC∽△PDB(∠APC=∠DPB、∠ACP=∠DBP)から PA×PB=PC×PD、24=3×PD より PD=8 です。CHECK3だけ落ちるなら角の処理はできているので、△PAC∽△PDB の対応順から比例式を作る手順だけを確認すれば戻れます。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
中心角∠AOB=100° に対して「円周角=200°」 中心角と円周角のどちらを2倍するかが固定されていません。半円で確かめる習慣がない状態です。 半円(中心角180°、円周角90°)で向きを固定してから使う技能を確認します。
円に内接する四角形で∠A=85° のとき「∠C=85°」 平行四辺形の「対角が等しい」を円に持ち込んでいます。図形ごとの性質の住み分けが切れています。 平行四辺形と円に内接する四角形で、角の関係を1行ずつ書き分ける確認をします。
弦の交点で「PA×PC=PB×PD より 6×3=4×PD、PD=4.5」 かけ算の相手を取り違えています。同じ直線上にある PA と PB、PC と PD が組になることを、図で確かめていません。 △PAC∽△PDB を対応順に書き出してから比例式を作る技能を確認します。
逆引きルート

円周角・接弦定理・方べきの定理を使った角と長さの計算相似の対応順にそって比例式を立てる等しい角2組から相似な三角形を取り出す(相似条件)同じ弧に対する円周角に同じ印をつける作業そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分中心角と円周角を、30°・60°・90°・180° の4つで両方向に言い換えます。最初に半円で90°になることを確認します。
  • 30分円の図5枚に、同じ弧に対する円周角へ同じ印を書き込むだけの作業をします。角度は求めません。
  • 60分弦が交わる図と接線がある図で、「相似な三角形を対応順に書く→比例式→長さ」の3行を必ず書いて5題解きます。方べきの定理は答えの確認にだけ使います。ここまでで元の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「円周角は基本中の基本。ここで止まっていたら受験は無理だよ。」
  • ○「同じ弧を見つけるところはできています。あとは等しい角に同じ印をつけてから三角形を2つ取り出す、その順番を固定しましょう。」
放置すると次に困ること高校の「図形の性質」で方べきの定理・接弦定理・4点が同一円周上にある条件がそのまま出てきます。数学IIの円と直線でも、角度を円周角で処理できないと計算量が一気に増えます。
大学入試へのつながり円周角 → 方べきの定理と共円条件 → 図形と方程式の円と直線、とつながります。図形の融合問題で繰り返し使われます。

19三平方の定理中3

直角三角形の3辺の関係を、辺の長さを出す道具として使えることがゴールです。図を見て「どれが斜辺か」を自分で決められ、x2=25 から x=5 を出し、√27 を 3√3 まで整理して答えられれば理解できています。公式を言えるかどうかではなく、どの辺を足し、どの辺を引くかを毎回自分で判断できるかが分かれ目です。

解説を読む前に|3問診断
  1. 直角をはさむ2辺が3cmと4cmの直角三角形で、斜辺の長さを求めなさい。答え 5cm(32+42=25、25の平方根で5)ここで止まるなら、公式そのものではなく2乗と平方根の意味が切れているので、1〜15の平方数を書き出す作業まで戻ります。
  2. 斜辺が13cm、他の1辺が5cmの直角三角形で、残りの辺の長さを求めなさい。答え 12cm(132-52=169-25=144、144の平方根で12)CHECK1は解けてここで止まるなら、斜辺を特定して引き算の形に組み替える操作が切れているので、等式の移項に戻ります。
  3. 1辺6cmの正三角形の面積を求めなさい。答え 9√3 cm2(高さは √(62-32)=√27=3√3、面積は (1/2)×6×3√3)ここだけ落ちるなら、定理は使えていて根号の整理と「自分で直角三角形を作る」判断が切れているので、根号の中の素因数分解に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
x2=132+52=194、x=√194 公式を「2辺を足す」形だけで覚えているため、すでに分かっている斜辺13を足す側に置いています。直角の位置と斜辺の位置が結びついていません。 直角の向かい側の辺に先に印をつけてから式を立てる、という順序を確認します。
32+42=(3+4)2=49、斜辺=7 2乗がまとまり全体にかかると思っています。(ab)2a2b2 がまだ区別されていません。 正方形の面積図で (ab)2 を4つの部分に分ける作業を確認します。
高さ=√27=9√3 根号の外に出すときに、中を割った商をそのまま外に出しています。√(9×3)=3√3 という手順が言葉になっていません。 根号の中を素因数分解し、同じ数の2つ組を1つだけ外に出す作業を確認します。
逆引きルート

三平方の定理で未知の辺を求める直角の位置から、どの辺が斜辺かを判断するx2=144 から x=12 を出す(平方根の意味)√27 を 3√3 に直す(根号の中を素因数に分ける)2乗と2倍を区別する(32=9、3×2=6)そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分1から15までの平方数を紙に書き出し、√169=13 のように逆向きにも即答できるまで3周する。
  • 30分√8 から √200 までのうち整理できるもの20個を、素因数分解して ab の形に直す。答えは2乗して元に戻るか確かめる。
  • 60分2辺が与えられた直角三角形の問題を10問。毎回「斜辺はどれか」を丸で囲んでから式を立てる。ここまでで今の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「また2乗と2倍を間違えてる。何回目?」
  • ○「斜辺がどれかは正しく見つけられています。あとは √27 を 3√3 に直すところだけ、今日の問題を速くするために5分だけ確認しましょう。」
放置すると次に困ること放置すると、数Iの三角比で30°・45°・60°の辺の比が作れず、数IIの図形と式で2点間の距離と円の方程式が毎回止まります。
大学入試へのつながり入試では単独では出ません。三平方の定理 → 三角比の相互関係 → 余弦定理による空間図形の計量、という形で毎年どこかに乗ってきます。

▲ 43単元の索引に戻る

PART 5 体系数学3 数式・関数編高校数学へ接続する。難しくなったのか、量が増えただけなのかを分ける。

20数と式・多項式数I

展開と因数分解を、必要に応じて自由に行き来できることがゴールです。答えを出したあとに逆向きの操作で戻して確かめられること、根号を含む式でも文字式と同じ規則で計算できることが目安になります。公式を何本覚えたかではなく、目の前の式をどちらの向きに動かすと得かを自分で決められるかが分かれ目です。

解説を読む前に|3問診断
  1. (x+3)(x-5) を展開しなさい。答え x2-2x-15(和が 3+(-5)=-2、積が 3×(-5)=-15)ここで止まるなら、分配法則が最後の項まで届いていないか符号の積が不安定なので、負の数の乗法と同類項の整理に戻ります。
  2. 6x2x-12 を因数分解しなさい。答え (2x-3)(3x+4)(展開すると 6x2+8x-9x-12=6x2x-12)CHECK1は解けてここで止まるなら、展開はできるが積の形へ戻す逆向きの操作が切れているので、展開結果から係数の組を逆算する練習に戻ります。
  3. x=2+√3 のとき、x2-4x+1 の値を求めなさい。答え 0(x-2=√3 の両辺を2乗して x2-4x+4=3、よって x2-4x+1=0)ここだけ落ちるなら、計算力ではなく「代入する前に式を整える」という目的設定が切れているので、(ab)2 の展開と移項に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
(x+3)(x-5)=x2-15 分配が4回必要なところを、先頭どうし・末尾どうしの2回で終えています。 展開はまず4項すべて書き、そのあと同類項をまとめる、という2段階に分けて確認します。
x2-9=(x-3)2 9が3の2乗であることだけで形を決めています。和と差の積が展開の逆であることが結びついていません。 因数分解した答えを必ず1行展開して元に戻す、という確認を入れます。
(2+√3)2=4+3=7 根号が入ると文字式の規則が別物に見え、2ab の項が消えます。正しくは 7+4√3 です。 √3 を a と置いて同じ式を展開し直し、項数が一致するか確認します。
逆引きルート

展開と因数分解を、目的に応じて往復するたすきがけで、積と和を同時に満たす数の組を探す(ab)2a2+2abb2 を面積の形で説明する分配法則を、項の数だけ漏れなく実行する負の数どうしの積と、符号つきの同類項をまとめるそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分展開公式4本を、文字を p, q に変えて10回書く。書くたびに 2ab の項を声に出す。
  • 30分因数分解を20問。x2の係数が1のもの10問、係数つき10問。答えは必ず展開して元の式と一致するか確かめる。
  • 60分根号を含む式の値を5問。「xa=√b にして両辺2乗」の1手で処理する型に統一する。ここまでで戻れます。
声のかけ方
  • ×「因数分解、また符号が逆。ちゃんと見直した?」
  • ○「展開は最後の項まで抜けずに書けています。あとは積の形に戻したあと、和が元の係数と合うかを1行で確かめる、そこだけ一緒に見ましょう。」
放置すると次に困ること放置すると、二次関数の平方完成と二次方程式の解法が毎回重くなり、数IIの分数式や複素数の計算でも同じ場所で止まります。特に二次関数の最大最小で時間切れになります。
大学入試へのつながり展開・因数分解 → 二次方程式の判別式 → 二次関数と二次不等式の融合、という流れで、計算の速さがそのまま得点差になります。

21複素数と方程式数II

i2=-1 という1つの約束から、四則計算の規則がすべて決まることを納得しているかがゴールです。判別式で解の種類を先に判定でき、2つの解を求めずに α+β と αβ のまま扱えること、3次以上は因数定理で次数を1つ下げられることが目安です。計算の練習量ではなく、解を「求めるもの」から「文字として使うもの」に切り替えられるかが分かれ目です。

解説を読む前に|3問診断
  1. (2+3i)(2-3i) を計算しなさい。答え 13(4-9i2=4+9)ここで止まるなら、i を文字として扱いつつ最後に i2 を -1 に置き換える手順が切れているので、和と差の積の展開に戻ります。
  2. x2-2x+5=0 を解きなさい。答え x=1±2ix=(2±√(-16))/2=(2±4i)/2。代入すると 0 になります)CHECK1は解けてここで止まるなら、根号の中が負になった瞬間に手が止まっているので、√(-a)=ia の書き換えと解の公式の約分に戻ります。
  3. x2-3x+1=0 の2つの解を α, β とするとき、α2+β2 を求めなさい。答え 7(α+β=3、αβ=1 なので 32-2×1)ここだけ落ちるなら、計算はできていて「解を求めずに扱う」発想が切れているので、(α+β)2 の展開と対称式の変形に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
√(-4)×√(-9)=√36=6 根号の積の公式を、中が負のときにも使っています。正しくは 2i×3i=6i2=-6 です。 負の数の平方根は必ず先に i を外に出してから計算する、という順序を確認します。
x=(2±√(-16))/2=1±4i 分子全体を2で割る必要があるのに、実部だけを割っています。分数の約分が、複素数になると片方にしかかかっていません。 解の公式の答えを、実部と虚部それぞれを分母で割った形に分けて書く確認をします。
α2+β2=(α+β)2=9 2αβ を引く操作が抜けています。展開公式が、文字がギリシャ文字になると使えなくなっています。 (α+β)2 を実際に3項に展開して書き出す確認をします。
逆引きルート

高次方程式と解と係数の関係を使い分ける2つの解を求めずに、α+β と αβ のまま式を組み立てる判別式の符号で、実数解か虚数解かを先に判定する√(-a) を ia に直し、i2=-1 を最後まで使い切る(ab)(ab) と (ab)2 を、文字が何であっても同じ形として使うそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分i1 から i8 まで書き出し、4つごとに同じ値に戻ることを確かめる。続けて √(-1)、√(-4)、√(-18) を i の形に直す。
  • 30分二次方程式を10問、必ず判別式を先に出してから解く。虚数解は abi の形にそろえ、1問だけ代入して0になるか確かめる。
  • 60分解と係数の関係で α2+β2、1/α+1/β、α3+β3 を出す型を5問。解そのものは一度も求めない。ここまでで戻れます。
声のかけ方
  • ×「複素数なんて計算だけなんだから、落ち着けばできるでしょ。」
  • ○「実数の範囲の展開は正確です。i2 を -1 に置き換える一手だけ、今の問題を速くするために確認しましょう。」
放置すると次に困ること放置すると、数IIの図形と式で「実数解をもつ条件」を判別式で書く場面、微分で3次方程式の解の個数を数える場面、数IIIの複素数平面で毎回止まります。
大学入試へのつながり解と係数の関係 → 3次方程式の解の配置 → 微分による実数解の個数の議論、という形で、条件を式に翻訳する力として問われます。

22二次関数数I

平方完成で頂点を出し、軸・向き・頂点からグラフの動きを読めることがゴールです。定義域が制限されると答えが変わること、軸が定義域の内か外かで場合分けが必要になることを、自分で判断できるかが目安です。公式の暗記ではなく、軸と区間を1本の数直線に並べる作業を毎回するかどうかで差がつきます。

解説を読む前に|3問診断
  1. yx2-6x+5 の頂点の座標を求めなさい。答え (3, -4)((x-3)2-9+5=(x-3)2-4)ここで止まるなら、平方完成で足した数を引き戻す調整が切れているので、(xp)2 の展開に戻ります。
  2. 0≦x≦1 における yx2-6x+5 の最大値と最小値を求めなさい。答え 最大値5(x=0)、最小値0(x=1)。軸 x=3 は区間の右外なので、この区間では減少します。CHECK1は解けてここで止まるなら、頂点は出せても軸と区間の位置を比べる作業をしていないので、軸の左右で増減を読む練習に戻ります。
  3. a を定数とするとき、0≦x≦2 における yx2-2ax の最小値を求めなさい。答え a<0 のとき 0、0≦a≦2 のとき -a2、2<a のとき 4-4a(軸は xaここだけ落ちるなら、場合分けの境目を軸が区間の端に重なる瞬間で切る、という基準が切れているので、不等式で範囲を書く練習に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
yx2-6x+5=(x-3)2+5、頂点(3, 5) 平方完成で勝手に足した 9 を引き戻していません。平方完成が「形を変える操作」ではなく「書き写す操作」になっています。 平方完成の直後に x=0 を代入し、元の式の値と一致するか確かめる確認をします。
0≦x≦1 で最小値 -4(x=3 のとき) 頂点が常に最小という思い込みで、定義域の外にある点を答えにしています。 軸と定義域を1本の数直線に並べて描いてから答える、という作業を確認します。
最小値は a<0 のとき 0、a>2 のとき 4-4a 軸が定義域の中にある場合が丸ごと抜けています。場合分けを「左の外か、右の外か」の2択で切っています。 境目の a=0 と a=2 を書き出し、その間に第3の場合が残ることを確認します。
逆引きルート

定義域つきで二次関数の最大・最小を答える軸と定義域の位置関係で場合分けする(境目は軸が端に重なる瞬間)平方完成して頂点 (p, q) を出す(xp)2 を展開したときの -2px から p を逆算するaxb を数直線上の区間として書くそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分平方完成を10問。xの係数を半分にして2乗、引き戻す、の3手順を毎回同じ言葉で口に出しながら書く。
  • 30分定義域が固定された最大最小を8問。頂点を出したあと、必ず軸と定義域を数直線に描いてから答える。
  • 60分軸が動くタイプ、または定義域が動くタイプを4問。境目の値を両方の場合の式に代入し、同じ値になるか確かめる。ここまでで戻れます。
声のかけ方
  • ×「グラフを描けって何回言った?」
  • ○「平方完成は合っています。あとは軸と定義域を数直線に並べてから答える、この一手だけ足しましょう。今日の問題がそれで速くなります。」
放置すると次に困ること放置すると、二次不等式、三角関数や指数対数の置き換えによる最大最小、数IIの微分での3次関数の増減まで、すべて同じ「軸と区間」の議論でつまずきます。
大学入試へのつながり平方完成 → 定義域つき最大最小の場合分け → 文字を含む関数の最大値をさらに最小にする問題、という順で、場合分けの正確さそのものが採点対象になります。

23図形と式数II

図形の条件を式に翻訳し、式の計算で答えを出して、また図形の言葉に戻すことがゴールです。円の方程式を展開形と標準形の間で往復でき、位置関係を「中心からの距離と半径の比較」に置き換えられることが目安になります。図を描いて考えるのではなく、式だけで処理できる場面を自分で選べるかが分かれ目です。

解説を読む前に|3問診断
  1. 2点 A(1, 2)、B(5, -1) の距離を求めなさい。答え 5(横の差4、縦の差3 で √(16+9))ここで止まるなら、距離の式が三平方から来ていることが切れているので、座標の差と負の数の引き算に戻ります。
  2. x2y2-4x+6y+9=0 は円を表します。中心と半径を求めなさい。答え 中心(2, -3)、半径2((x-2)2+(y+3)2=4+9-9=4)CHECK1は解けてここで止まるなら、2つの文字それぞれで平方完成する操作が切れているので、単元22の平方完成に戻ります。
  3. 円 (x-2)2+(y+3)2=4 と直線 3x-4y+2=0 の共有点の個数を求めなさい。答え 0個(中心(2, -3)から直線までの距離は |6+12+2|/5=4。半径2より大きいので交わりません)ここだけ落ちるなら、位置関係を距離と半径の比較に翻訳する手順が切れているので、点と直線の距離の公式の分母に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
AB=√((5-1)+(-1-2))=√1=1 差を2乗せずに足しています。距離の式が三平方の定理から来ていることが切れています。 2点を結ぶ線分を斜辺とし、横の差と縦の差を2辺とする直角三角形を描く確認をします。
x2y2-4x+6y+9=0 → 中心(-2, 3)、半径3 平方完成を通さずに、係数の符号をそのまま座標として読み、定数項9をそのまま半径にしています。 xy それぞれで平方完成し、右辺を半径の2乗として読む確認をします。
d=|3×2-4×(-3)+2|=20 分母の √(32+(-4)2)=5 が抜けています。公式を分子だけで覚えているため、正しい4の5倍の値になっています。 公式は先に分母 √(a2b2) を書いてから分子を入れる、という順序を確認します。
逆引きルート

円と直線の位置関係を、共有点の個数で答える中心から直線までの距離と半径を比べる展開形の円の式を平方完成して、中心と半径に直す2点間の距離を、座標の差を2辺とする直角三角形として立てる座標平面上で、負の数どうしの差を符号込みで正しく取るそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分中心と半径から円の方程式を書く問題と、展開形から中心・半径に戻す問題を交互に10問。
  • 30分点と直線の距離を8問。直線は必ず axbyc=0 の形に直してから公式に入れる。
  • 60分円と直線の位置関係を5問。距離と半径の比較で判定し、そのうち1問だけ連立して判別式でも解き、答えが一致するか確かめる。ここまでで戻れます。
声のかけ方
  • ×「公式を覚えてないだけでしょ。」
  • ○「円の式から中心と半径を読み取れています。あとは直線を axbyc=0 の形にそろえる一手だけ、今の問題のために確認しましょう。」
放置すると次に困ること放置すると、軌跡と領域、ベクトルの内積による垂直条件、数IIIの二次曲線まで、同じ翻訳作業のたびに止まります。図に頼るしかなくなり、試験で時間が足りなくなります。
大学入試へのつながり円と直線の位置関係 → 軌跡・領域 → 領域における最大最小、という流れで、「距離で言い換える」発想がそのまま得点になります。

24三角比数I

直角三角形の辺の比として決めた sin、cos、tan を、単位円上の座標として読み直し、鈍角まで広げられることがゴールです。1つの値から相互関係で他を出せること、正弦定理・余弦定理で辺と角を行き来できることが目安になります。値を暗記しているかではなく、図から毎回作り直せるかが分かれ目です。

解説を読む前に|3問診断
  1. sin30°+cos60° の値を求めなさい。答え 1(どちらも 1/2)ここで止まるなら、1:2:√3 の三角形から値を復元する手順が切れているので、三平方の定理と辺の比の読み方に戻ります。
  2. 0°≦θ≦180° で sinθ=3/5 のとき、cosθ の値を求めなさい。答え cosθ=±4/5(θが鋭角なら4/5、鈍角なら-4/5。sin2θ+cos2θ=1 より cos2θ=16/25)CHECK1は解けてここで止まるなら、相互関係の使い方か、cos が単位円のx座標であることが切れているので、単位円上の座標の意味に戻ります。
  3. AB=3、AC=5、∠A=120° の三角形ABCで、BCの長さを求めなさい。答え 7(BC2=9+25-2×3×5×(-1/2)=34+15=49)ここだけ落ちるなら、定理は書けていて鈍角の cos が負であることの代入が切れているので、120°の三角比の値に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
sin30°=√3/2、cos30°=1/2 1:2:√3 の三角形で、どの辺が30°の対辺かを図から読めていません。値を並び順で暗記しています。 正三角形を半分にした図を描き、対辺と斜辺の位置を確認します。
cosθ=1-3/5=2/5 sin2θ+cos2θ=1 を、2乗のない sin+cos=1 として使っています。 相互関係を、斜辺1の直角三角形と三平方の定理から書き直す確認をします。
BC2=32+52-2×3×5×cos120°=34-15=19 cos120°=-1/2 の負号が、公式の -2bc と打ち消し合って+になるところで落ちています。 代入の前に「鈍角の cos は負」を1行書いてから計算する確認をします。
逆引きルート

正弦定理・余弦定理で三角形の辺と角を求める鈍角の三角比を、単位円上の座標(x=cos、y=sin)として読むsin2θ+cos2θ=1 を、直角三角形の三平方から作り直す30°、45°、60° の辺の比 1:2:√3、1:1:√2 を自分で描いて出す比を分数で書き、どちらが分母かを言葉で言える(対辺/斜辺)そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分1辺2の正三角形を半分にした図と、直角二等辺三角形を紙に描き、そこから30°・45°・60°の sin、cos、tan を作り直す。これを3回繰り返す。
  • 30分単位円を1つ描き、120°、135°、150° の点の座標を書き入れる。その座標から sin、cos、tan を読む練習を各3回。
  • 60分余弦定理を6問、うち3問は鈍角を含むもの。代入後に必ず「-2bccosA の符号が+になっているか」を確かめる。ここまでで戻れます。
声のかけ方
  • ×「三角比は覚えるだけなのに、なんで毎回間違えるの。」
  • ○「余弦定理の式は正しく立てられています。cos が負になる角のときだけ、代入の符号を一緒に確かめましょう。それで今日の問題は通ります。」
放置すると次に困ること放置すると、数IIの三角関数で加法定理もグラフも土台がないまま進み、三角方程式の解を数えるところで毎回止まります。ベクトルの内積や数IIIの積分にもそのまま響きます。
大学入試へのつながり三角比の相互関係 → 正弦・余弦定理による図形の計量 → 三角関数の合成を使った最大最小、という形で、値と符号の正確さが最後まで効いてきます。

25三角関数数II

角を「単位円上のどこに点があるか」で扱えるようになるのがこの単元です。sin と cos は単位円上の点の y座標・x座標そのもので、弧度法はその点までの弧の長さで角を測る言い方です。単位円で値が取れる・グラフの周期と平行移動が読める・加法定理から合成に持ち込める、この3つができれば理解したと言えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. θ=5π/6 のとき、sinθ と cosθ の値を求めなさい。答え sinθ=1/2、cosθ=-√3/2。5π/6 は 150°で、単位円の第2象限にあるので x座標だけが負になります。ここで止まるなら弧度法と単位円の対応が切れているので、π=180° の言い換えと、単位円上の点の座標を読む作業に戻ります。
  2. y=sin(2x-π/3) の周期と、y=sin2x をどちら向きにどれだけ平行移動したものかを答えなさい。答え 周期は π。2x-π/3=2(x-π/6) なので、x軸方向に正の向きへ π/6 平行移動したものです。ここで止まるならグラフの平行移動が切れているので、yf(xp) の形に括り出す作業に戻ります。
  3. 0≦θ<2π のとき、sinθ+√3cosθ=1 を解きなさい。答え θ=π/2、11π/6。2sin(θ+π/3)=1 とし、π/3≦θ+π/3<2π+π/3 の範囲で θ+π/3=5π/6、13π/6 とします。ここだけ落ちるなら合成そのものか置いた角の変域の取り替えが切れているので、点(1, √3)を単位円上に打って rα を決める手順に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
cos(5π/6)=√3/2 30°の値だけを思い出していて、点が第2象限にあることを見ていません。単位円を描かずに答えている状態です。 単位円に角を取り、x座標の符号を象限で判断する作業を確認します。
y=sin(2x-π/3) は y=sin2xx軸方向に π/3 平行移動したもの x の係数2を括り出さずに、定数項をそのまま移動量として読んでいます。 2x-π/3=2(x-π/6) と括り出してから移動量を読む手順を確認します。
sinθ+√3cosθ=2sin(θ+π/6) 合成の α を、cosα と sinα のどちらに何を入れるかで取り違えています。正しくは点(1, √3)の偏角なので π/3 です。 座標平面に点(a, b)を打ち、その偏角が α になることを確認します。
逆引きルート

三角関数を含む方程式・最大最小(合成を使う場面)加法定理と合成:点(a, b)の偏角として α を決めるグラフの周期・平行移動と、yf(xp) への括り出し単位円上に角を取り、座標として cos・sin を読むπ=180° の対応と、0・π/6・π/4・π/3・π/2 の座標そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分単位円を1つ手で描き、0、π/6、π/4、π/3、π/2、2π/3、3π/4、5π/6、π の9点に座標を書き込みます。
  • 30分y=sin2xy=sin(x-π/3)、y=2sinx の3本を、周期・振幅・移動量を口に出しながら描き分けます。
  • 60分合成を5問。毎回、点(a, b)を打って rα を決め、置いた角の変域も書き替えます。ここまでで CHECK3 に戻れます。
声のかけ方
  • ×「単位円くらい、いいかげん覚えてよ。」
  • ○「加法定理の式は正しく使えています。あとは角を単位円上の点に置き直す一手だけ確認しましょう。そこが速くなると合成の問題がまとめて楽になります。」
放置すると次に困ること三角関数の微分と積分、lim(x→0) sinx/x の極限、複素数平面の極形式で毎回止まります。ベクトルの内積で角度を扱う場面にも影響します。
大学入試へのつながり単位円 → 合成 → 三角関数の最大最小 → 微分での増減、という流れがそのまま出題の型になります。国公立の記述では、置いた角の変域を書いたかどうかで点差がつきます。

▲ 43単元の索引に戻る

PART 6 体系数学3 論理・確率編論理・場合の数・データ・整数。答えより書き方で差がつく領域。

26集合と命題数I

条件を「その条件を満たすものの集合」に翻訳できるようになるのがこの単元です。PQ が真とは集合 P が集合 Q に含まれることで、必要・十分はその包含の向きの言い換えにすぎません。否定を機械的に作れて、反例を1つ挙げて偽を示せれば理解したと言えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. U={1, 2, 3, …, 10}、A={2の倍数}、B={3の倍数} のとき、n(AB) と n(AB) を求めなさい。答え n(AB)=1(要素は6だけ)、n(AB)=5+3-1=7。ここで止まるなら集合を要素の集まりとして書き出す作業が切れているので、条件を満たす数を実際に並べる練習に戻ります。
  2. x2=4 は x=2 であるための、どんな条件ですか。答え 必要条件(十分条件ではない)。x=2 ⇒ x2=4 は真ですが、逆は x=-2 が反例です。ここで止まるなら矢印の向きが読めていないので、PQQP を2本書いて真偽を別々に判定する手順に戻ります。
  3. 「すべての実数 x について x2x+1>0」の否定を書き、もとの命題の真偽を答えなさい。答え 否定は「ある実数 x について x2x+1≦0」。x2x+1=(x+1/2)2+3/4>0 なので、もとの命題は真です。ここだけ落ちるなら「すべて/ある」の入れ替えと不等号の否定が切れているので、> の否定は ≦ という置き換えの確認に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
n(AB)=5+3=8 両方に入っている6を2回数えています。和集合の個数で重なりを引く理由が式の形だけになっています。 2つの円が重なった図に要素を書き込み、重なりを1回だけ数える作業を確認します。
x2=4 は x=2 であるための十分条件 矢印を1本しか見ておらず、x=-2 という反例を探していません。必要と十分の向きが逆になっています。 反例を1つ挙げて命題を偽と判定する作業を確認します。
「すべての xx2x+1>0」の否定=「すべての xx2x+1<0」 「すべて」を「ある」に変えておらず、> の否定を < にしています。否定は不等号を反転させるのではなく、成り立たない場合を全部拾う操作です。 > の否定は ≦、かつ の否定は または、という置き換え表の確認をします。
逆引きルート

必要十分条件、対偶、背理法PQ の真偽を、反例を1つ挙げて判定する条件を集合に書き直す(x>2 の表す範囲を数直線に置く)∩・∪・補集合の意味と、重なりを1回だけ数える数え方不等号と数直線:以上・より大きいを、端の点を含むか含まないかで区別するそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分「> の否定は ≦」「かつ の否定は または」の2行を書き、身近な条件6個でその場で否定を作ります。
  • 30分PQ の形の命題を10個用意し、真なら一言の理由、偽なら反例を数1つで書きます。
  • 60分必要・十分の判定問題を10問。毎回 PQQP の矢印を2本書いてから答えます。ここまでで CHECK2 に戻れます。
声のかけ方
  • ×「必要と十分、何回やったら覚えるの。」
  • ○「反例を作る力はついています。あとは答える前に矢印を2本書く、という順番だけ固定しましょう。判定がぶれなくなります。」
放置すると次に困ること数Aの証明(√2が無理数であることの背理法)、数IIの式と証明、軌跡と領域で「必要十分」を要求される場面、数Bの数学的帰納法で毎回止まります。
大学入試へのつながり条件を集合に直す → 包含関係で必要十分を決める → 対偶・背理法で証明を書く、という流れが記述試験の減点箇所そのものです。共通テストでも必要十分の判定は毎年出ます。

27場合の数・確率数A

「順序を区別するか」「同じものを区別するか」を自分で決めて数えられるようになるのがこの単元です。確率は、同様に確からしい全事象を分母に置いた比なので、数え上げが正しければ確率は自動的に出ます。nPrnCr を場面で選べて、余事象と条件付き確率で分母を作り替えられれば理解したと言えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. 7人から3人を選ぶ選び方は何通りですか。また、7人から3人を選んで1列に並べる並べ方は何通りですか。答え 選ぶだけなら 7C3=35通り、並べるところまでなら 7P3=7×6×5=210通り。ここで止まるなら選ぶ/並べるの区別が切れているので、問題文から「順序を区別するか」を日本語で判定する作業に戻ります。
  2. 赤玉3個、白玉2個が入った袋から同時に2個取り出すとき、2個とも同じ色である確率を求めなさい。答え 2/5。全事象は 5C2=10通り、赤2個が 3C2=3通り、白2個が 1通りで、4/10=2/5 です。ここで止まるなら分母の作り方が切れているので、同じ色の玉にも番号をつけて全事象を書き出す作業に戻ります。
  3. 赤玉3個、白玉2個の袋から1個ずつ2回続けて取り出します(もとに戻しません)。2回目が白であったとき、1回目も白である確率を求めなさい。答え 1/4。2回とも白は (2/5)×(1/4)=1/10、2回目が白は 1/10+(3/5)×(2/4)=1/10+3/10=2/5 なので、(1/10)÷(2/5)=1/4 です。ここだけ落ちるなら条件付き確率で分母を取り替える操作が切れているので、P(ABP(B) の B が新しい全体になることの確認に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
7人から3人を選ぶ選び方=7×6×5=210通り 選んだ3人の並び順まで数えています。同じ3人の組を 3!=6 通り重複して数えている状態です。 選ぶだけの場合に 6 で割る理由を、3人の並べ替えを書き出して確認します。
同じ色になる確率=2/3(赤赤・白白・赤白 の3通りのうち2通り) 色の組を全事象にしていますが、この3通りは同様に確からしくありません。玉を区別しないまま分母を作っています。 同じ色の玉に番号を振り、区別した状態で全事象を数える作業を確認します。
さいころを3回投げて少なくとも1回6が出る確率=1/6+1/6+1/6=1/2 排反でない事象の確率を足しています。正しくは余事象を使って 1-(5/6)3=91/216 です。 「少なくとも1回」を「1回も起きない」の裏返しに言い換える手順を確認します。
逆引きルート

条件付き確率と独立試行余事象と和事象:足してよいのは排反なときだけ確率の分母を、同様に確からしい全事象で作る(同色の玉も区別する)nPrnCr の使い分け(並べるところまでか、選ぶだけか)樹形図と積の法則(m通りのそれぞれに n通り)で最後まで数え切るそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分手元の問題10問を、「順序を区別する/しない」「区別する物/しない物」の2軸で分類だけします。計算はしません。
  • 30分玉やカードの確率問題を5問。必ず番号をつけて全事象を書き出してから、分子を数えます。
  • 60分「少なくとも」「または」を含む問題を5問。余事象を使うか、排反かを一言書いてから計算します。ここまでで CHECK2 に戻れます。
声のかけ方
  • ×「場合の数はセンスだから、向いてないのかもね。」
  • ○「数え上げの方針は立てられています。あとは分母を作るときだけ、同じ色の玉に番号を振る一手を足しましょう。答えが安定します。」
放置すると次に困ること数Aの期待値、数Bの確率分布と統計的推測(二項分布・正規分布)、数IIの二項定理で nCr の意味を使う場面、そして確率漸化式で止まります。
大学入試へのつながり数え上げの方針 → 余事象・条件付き確率 → 反復試行 → 確率漸化式、という順に難度が上がります。難関大の確率漸化式は、結局この単元の場合分けをそのまま式にしたものです。

28データの分析数I

代表値(真ん中はどこか)と散らばり(どれだけ広がっているか)を、別々の量として扱えるようになるのがこの単元です。分散は偏差を2乗して平均した量、相関係数は共分散を2つの標準偏差で割って単位を消した量、という定義の順番が骨格になります。定義の3手順を紙に書いて計算でき、値の符号や大きさを散布図の様子に翻訳できれば理解したと言えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. データ 1, 3, 4, 8 の平均値と中央値を求めなさい。答え 平均値は 16÷4=4、中央値は真ん中2つの平均で (3+4)/2=3.5。ここで止まるなら中央値の定義が切れているので、小さい順に並べてから個数が偶数か奇数かで分ける手順に戻ります。
  2. データ 3, 5, 6, 7, 9 の分散と標準偏差を求めなさい。答え 平均は 30÷5=6。偏差は -3, -1, 0, 1, 3 で、2乗の和は 9+1+0+1+9=20。分散は 20÷5=4、標準偏差は 2。ここで止まるなら分散の定義が切れているので、偏差を書く → 2乗する → 平均する、の3手順を分けて書く作業に戻ります。
  3. xy の共分散が -12、x の標準偏差が 5、y の標準偏差が 4 のとき、相関係数を求め、散布図の点の並び方を一言で答えなさい。答え 相関係数は -12÷(5×4)=-0.6。点は右下がりの傾向を示しながら散らばります(負の相関があり、一直線ではありません)。ここだけ落ちるなら相関係数の定義と符号の意味が切れているので、共分散を2つの標準偏差で割るという式の形と、符号が傾きの向きを表すことの確認に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
データ 1, 3, 4, 8 の中央値=4 個数が偶数のときに真ん中が2つあることを見ていません。3番目の値をそのまま中央値にしています。 並べ替えてから、個数が偶数なら真ん中2つの平均を取る手順を確認します。
分散={(3-6)+(5-6)+(6-6)+(7-6)+(9-6)}÷5=0 偏差を2乗せずに平均しています。偏差の和は必ず0になるので、2乗する一手が分散の本体です。 偏差を2乗する理由(正負を打ち消さないため)と、2乗してから平均する順番を確認します。
x の標準偏差が10のとき、y=2x+5 の標準偏差=2×10+5=25 定数の足し算が散らばりを変えると思っています。全体を平行移動しても広がりは変わらないので、正しくは 2×10=20 です。 データ全部に同じ数を足したとき、偏差がどうなるかを実際の5個の数で確認します。
逆引きルート

相関係数・共分散と、変量の変換分散と標準偏差の定義(偏差 → 2乗 → 平均 → √)平均・中央値・最頻値の使い分けと、四分位数のための並べ替え「÷個数」で平均を作る意味と、2乗した量の単位が変わること小数と分数の四則を電卓なしで正確に通し、√ の値の大きさに見当をつけるそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分分散の手順を「偏差を書く/2乗する/平均する」の3行に分け、5個のデータで1回だけ通します。
  • 30分同じ5個のデータで、平均・中央値・分散・標準偏差の4つを全部出します。これを3セット。
  • 60分xの偏差、yの偏差、その積、という3列の表を作って共分散と相関係数を出します。2セットやってから CHECK3 に戻ります。
声のかけ方
  • ×「データの分析は覚えるだけなのに、なんで落とすの。」
  • ○「平均と中央値の使い分けはできています。あとは分散を出すとき、偏差の行を必ず紙に残す形にしましょう。それだけで計算が合います。」
放置すると次に困ること数Bの確率分布と統計的推測が、期待値・分散・標準偏差の定義の上にそのまま乗ります。共通テストでは箱ひげ図と散布図の読み取りで大問1つぶんを落とします。
大学入試へのつながり偏差 → 分散・標準偏差 → 相関係数 → 仮説検定・信頼区間、と定義が積み上がります。共通テストは計算より読み取りの比重が高く、定義を言葉で言えるかがそのまま点になります。

29式と証明数II

「すべての x で成り立つ式(恒等式)」と「特定の x で成り立つ式(方程式)」を区別し、成り立つことを筋道立てて書けるようになるのがこの単元です。不等式の証明は、差を作って平方完成するか、正の数の組に相加平均・相乗平均を当てるか、型が決まっています。二項定理で一般項を取り出せて、等号成立条件まで書ければ理解したと言えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. (x+2)5 を展開したときの x3 の係数を求めなさい。答え 40。一般項は 5Crx5-r2r で、r=2 のとき 5C2×22=10×4=40 です。ここで止まるなら二項定理の一般項が切れているので、(x+2)を5個かけて2を何個選ぶか、という展開の意味に戻ります。
  2. x2x+1=a(x-1)2b(x-1)+cx についての恒等式となるように、a, b, c を求めなさい。答え a=1, b=3, c=3。x=1 で c=3、x=0 で abc=1、x=2 で abc=7 から決まります。ここで止まるなら恒等式と方程式の区別、または展開と整理が切れているので、(x-1)2 を正しく展開して同類項をまとめる作業に戻ります。
  3. x>1 のとき、x+4/(x-1) の最小値と、そのときの x を求めなさい。答え 最小値5(x=3 のとき)。(x-1)+4/(x-1)+1 と分け、x-1>0 なので (x-1)+4/(x-1)≧2√4=4、等号は x-1=2 のときです。ここだけ落ちるなら相加相乗の使用条件と等号成立の確認が切れているので、積が定数になる正の2数の組を自分で作る変形に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
(x+2)5x3 の係数=5C3=10 組合せの数だけを答え、22 を掛け忘れています。展開の各項が「係数×数の累乗×文字の累乗」の3つ組であることが抜けています。 一般項 nCranrbr を書いてから代入する手順を確認します。
a(x-1)2ax2a (x-1)2x2-1 と展開しています。2乗の展開と差の積の公式が混ざっている状態です。 (ab)2 と (ab)(ab) を書き分ける作業を確認します。
x+4/(x-1)≧2√(x×4/(x-1))=4 より最小値4 相加相乗をそのまま2項に当てていますが、積が定数になっていないので右辺は定数ではありません。積が定数になる組に分ける前段階が抜けています。 x=(x-1)+1 と分けて、積が定数になる正の2数を作る変形を確認します。
逆引きルート

不等式の証明(相加相乗、差を作って平方完成)等号成立条件を必ず書く習慣と、「正のかたまり」を作る置き換え恒等式(すべての x で成立)と方程式の区別、係数比較と数値代入整式の展開・整理と、乗法公式 (a±b)2、(ab)(ab)分数式の通分と、文字を含む分数の約分(分母を0にしない条件)そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分(ab)2、(ab)2、(ab)(ab)、(ab)3 を何も見ずに書き、(x-1)2 の展開で答え合わせします。
  • 30分一般項 nCranrbr を毎回書いてから、指定された項の係数を出す問題を5問。
  • 60分相加相乗で最小値を出す問題を5問。毎回「両方正」「積が定数」「等号成立の x」の3行を書きます。ここまでで CHECK3 に戻れます。
声のかけ方
  • ×「展開くらいで間違えないでよ。」
  • ○「証明の方針は合っています。あとは展開の1行を省かずに書く形にしましょう。そこが揃うと、この単元の失点はほとんど消えます。」
放置すると次に困ること数IIの微分で最大最小を示す場面、数Bの数列の和や数学的帰納法、数IIIの極限のはさみうちで止まります。分数式の通分が弱いままだと、部分分数分解でも詰まります。
大学入試へのつながり展開・因数分解 → 恒等式の係数比較 → 相加相乗と等号成立 → 微分での最小値、とつながります。記述試験では等号成立条件を書かないと最小値と認められません。

30整数の性質数A

割り算を abqr(0≦rb)という等式の形で扱えるようになるのがこの単元です。素因数分解は数の設計図、互除法はその設計図を知らなくても最大公約数を出す手続き、不定方程式は互除法の逆算という関係になっています。特殊解を1つ作って一般解の形に直せれば理解したと言えます。

解説を読む前に|3問診断
  1. 504 を素因数分解し、正の約数の個数を求めなさい。答え 504=23×32×7。約数の個数は (3+1)(2+1)(1+1)=24個。ここで止まるなら素因数分解と指数の読み方が切れているので、2・3・9 の倍数判定と、指数に1を足す理由の確認に戻ります。
  2. 247 と 91 の最大公約数を、互除法で求めなさい。答え 13。247=91×2+65、91=65×1+26、65=26×2+13、26=13×2+0 なので 13 です(247=13×19、91=13×7)。ここで止まるなら除法の原理と互除法の送り方が切れているので、割る数を次の割られる数に、余りを次の割る数にする手順に戻ります。
  3. 7x+11y=1 を満たす整数 x, y をすべて求めなさい。答え x=-3+11ky=2-7kk は整数)。特殊解 (-3, 2) は 7×(-3)+11×2=1 で確かめられます。ここだけ落ちるなら特殊解から一般解を作る形が切れているので、x には y の係数、y には x の係数を符号を変えて足す、という組み立ての確認に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
504=23×32×7 だから約数は 3×2×1=6個 指数に1を足していません。2 の個数は 0個・1個・2個・3個 の4通りある、という選び方の話になっていない状態です。 約数を「各素因数を何個使うかの選び方」として数える作業を確認します。
247÷91=2 余り65 → 次に 247÷65 を計算する 互除法で送る2つの数を間違えています。次に割るのは、割る数だったもの(91)を余り(65)で割る計算です。 abqr を書いてから、次の行を br×… の形で始める手順を確認します。
7x+11y=1 の解は x=-3+7k, y=2-11k 足す係数を入れ替えていません。この形を代入すると 1-72k となり、1 になりません。 求めた一般解をもとの式に代入して、k が消えるか確かめる検算を確認します。
逆引きルート

一次不定方程式 axbyc の一般解ユークリッドの互除法(割る数と余りを次の割り算に送る)除法の原理 abqr(0≦rb)の形で書き表す素因数分解と、最大公約数・最小公倍数を指数の小さい方・大きい方で取る2・3・5・9 の倍数判定と、筆算で商と余りを分けて書くそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分60、72、504 を素因数分解し、それぞれ約数の個数を(指数+1)の積で出します。
  • 30分互除法を5組(例:143 と 91、391 と 187)。毎回「割る数を次の割られる数に、余りを次の割る数に」と口に出しながら書きます。
  • 60分不定方程式を5問。互除法から特殊解を作り、一般解を書いたら必ずもとの式に代入して k が消えるか確かめます。ここまでで CHECK3 に戻れます。
声のかけ方
  • ×「整数はひらめきの単元だから、できない人はできないよ。」
  • ○「素因数分解は正確です。あとは互除法で、余りを次の割る数に送る一手だけ確認しましょう。ここが固まると不定方程式まで一本でつながります。」
放置すると次に困ること数Aの合同式を使う証明、数IIの高次方程式で有理数解を約数から探す場面、数Bの数列の周期性、記数法の変換で止まります。
大学入試へのつながり除法の原理 → 互除法 → 不定方程式 → 余りによる分類の証明、という順で難関大の記述に出ます。整数は方針が立てば部分点を取りやすい分野です。

▲ 43単元の索引に戻る

PART 7 体系数学4 相当微積分・数列・統計・ベクトル。中学で学んだ傾きと比がここで再登場する。

31指数関数数II

指数を整数から分数・実数へ広げても、指数法則がまったく同じ形で使えると納得することがこの単元の中身です。am×anamnm, n が分数でも成り立ち、それが累乗根の定義とつながっています。理解できたと言えるのは、8 を 23 と書き直して底をそろえられ、t=2x と置いて方程式を処理できるときです。

解説を読む前に|3問診断
  1. 82/3 の値を求めてください。答え 4。8=23 なので (23)2/3=22=4 です。ここで落ちるなら分数の指数と累乗根が結びついていないので、a1/n が「n 乗すると a になる数」だという定義まで戻ります。
  2. 2x=1/8 を満たす x を求めてください。答え x=-3。1/8=2-3 だからです。2-3=1/23=1/8 で確認できます。ここで落ちるなら負の指数と逆数の対応が切れているので、20=1、2-1=1/2 の確認まで戻ります。
  3. 4x-3×2x+2=0 を解いてください。答え x=0, 1。t=2xt>0)とすると t2-3t+2=0 で t=1, 2、よって x=0, 1。x=0 のとき 1-3+2=0、x=1 のとき 4-6+2=0 で合っています。ここだけ落ちるなら 4x=(2x)2 が見えていないので、底をそろえる作業と置換の手順まで戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
82/3=8×2/3=16/3 指数が「かける回数」という整数のイメージから離れられていません。分数の指数を、底に対する掛け算として処理してしまっています。 81/3=2 を「3乗して8になる数」と言い換えられるかを確認します。
2x=1/8 より x=1/3 1/8 を 2-3 と書き直せていません。負の指数が逆数に対応するという定義が入っていない状態です。 2-1=1/2、2-2=1/4 を即答できるかを確認します。
4x-3×2x+2=0 で t=1, 2 を出し、答えを x=1, 2 とする 置換した文字 t の値を、そのまま x の答えにしています。2x=1, 2x=2 に戻す一手が抜けています。 置換したら必ず元の文字に戻す、という2行を毎回書くかを確認します。
逆引きルート

指数を含む方程式・不等式(今ここ)tax の置換と、2次方程式の因数分解分数の指数と累乗根の対応(a1/nn 乗すると a指数法則を整数の範囲で正確に使う(0乗・負の指数)分数の約分と、割り算を逆数の掛け算に直す操作そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分2nn=-3 から 6 まで一列に書き出し、1/8, 1/4, 1/2, 1, 2, 4, 8, 16, 32, 64 と対応させて口に出して往復します。
  • 30分8, 16, 27, 32, 81 を底の累乗の形(23 など)に直す練習を20問。そのうえで 82/3, 163/4, 27-1/3 のような分数の指数を10問計算します。
  • 60分t=2x の置換で解ける方程式を5問。t>0 の確認と、最後に x へ戻す2手を毎回書きます。ここまでで今の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「「指数法則くらい覚えてないの」」
  • ○「「式を整理する手つきはできています。あとは 8 を 23 に書き直す一手だけ確認しましょう。ここが速くなると今の問題がそのまま解けます」」
放置すると次に困ること対数関数で axMx=logaM の言い換えが読めなくなります。指数関数の最大最小や、数IIIの ex の微分でも、底をそろえる作業が毎回必要になります。
大学入試へのつながり指数を含む方程式・不等式は、置換して2次関数に落とす形で共通テストにも個別試験にも出ます。指数法則 → 底をそろえる → t 置換 → 2次関数の最大最小、と一本でつながります。

32対数関数数II

logaM は「a を何乗すると M になるか」という指数そのものを表す数です。対数の性質は、すべて指数法則の言い換えにすぎません。理解できたと言えるのは、真数条件を自分で先に書き、底の変換で底をそろえ、log を1文字として置換できるときです。

解説を読む前に|3問診断
  1. log28+log22 の値を求めてください。答え 4。log28=3、log22=1 なので和は4。log216=4 とも一致します。ここで落ちるなら対数の値を「何乗か」として読めていないので、log の定義そのものまで戻ります。
  2. log3x=-2 を満たす x を求めてください。答え x=1/9。定義から x=3-2=1/9 です。ここで落ちるなら対数と指数の往復が切れているので、logaMpapM の書き換えまで戻ります。
  3. (log2x)2-log2x-2=0 を解いてください。答え x=4, 1/2。t=log2x とすると t2t-2=0 で t=2, -1、よって x=4, 1/2。x=4 で 4-2-2=0、x=1/2 で 1+1-2=0 と確認できます。ここだけ落ちるなら log を1つの文字として扱えていないので、置換と真数条件の書き出しまで戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
log28+log22=log210 log の和が真数の積に対応することが、23×21=24 という指数法則の言い換えだと結びついていません。 logaM+logaN=logaMN を指数法則から自分で導けるかを確認します。
log3x=-2 より x=-9 対数の値が負であることと、真数が負であることを混同しています。真数は必ず正、という条件が手順に入っていません。 3-2 を計算し、log の値が負でも真数は正のままだと確認します。
(log2x)2=log2x2=2log2x と書き換える 2乗が log 全体にかかっているのか真数だけにかかっているのかを読み分けていません。カッコの範囲を確認する手順が飛んでいます。 t=log2x と置いて、(log2x)2t2、log2x2 は 2t と書き分けます。
逆引きルート

対数方程式・対数不等式(今ここ)t=logax の置換と、真数条件の書き出し底の変換公式で底をそろえる作業logaMpapM の往復(定義そのもの)指数法則を負の指数・分数の指数まで正確に使うそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分log21, log22, log24, log28, log216, log2(1/2), log2(1/4) を、いったん指数の形に書き直してから答えます。全部を10秒で言えるまで往復します。
  • 30分log39, log93, log5(1/25), log48 の4つを定義に戻して計算し、同じ答えが底の変換公式でも出るか確かめます。
  • 60分真数条件を先に1行書いてから解く対数方程式を5問。うち2問は t=log2x の置換を含むものにします。ここまでで今の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「「log の意味が分かってないよね」」
  • ○「「式変形の手順は追えています。log28 を『2を3乗すると8』と声に出して言い直すところだけ確認しましょう。それだけで問題の見え方が変わります」」
放置すると次に困ること常用対数を使った桁数や最高位の数を求める問題で止まります。数IIIの積分 ∫(1/x)dx=log|x|+C も、記号を丸暗記するだけになります。
大学入試へのつながり常用対数による桁数の決定は共通テストの定番です。log の定義 → 対数法則 → 底の変換 → 常用対数による評価、と一本でつながります。

33微分法数II

微分係数は平均変化率の極限であり、グラフの接線の傾きです。導関数 f′(x) は、各点での傾きを返す新しい関数だと見ます。理解できたと言えるのは、f′(x) の符号から増減表を作り、グラフの概形と最大最小を自分で決められるときです。

解説を読む前に|3問診断
  1. f(x)=x3-3x のとき f′(x) を求めてください。答え f′(x)=3x2-3。x3 の微分が 3x2、-3x の微分が -3 です。ここで落ちるなら導関数の計算規則が定着していないので、(xn)′=nxn-1 を1次の項と定数項に当てはめる練習まで戻ります。
  2. f(x)=x3-3x のグラフの、x=2 における接線の傾きを求めてください。答え 9。f′(2)=3×22-3=12-3=9 です。ここで落ちるなら f′ が傾きを返す関数だと読めていないので、傾きは f′、高さは f という書き分けまで戻ります。
  3. f(x)=x3-3x の極大値を求めてください。答え 2。f′(x)=3(x+1)(x-1) より x=-1 の前後で f′ が正から負に変わるので極大、f(-1)=(-1)3-3×(-1)=-1+3=2 です。ここだけ落ちるなら増減表と極値の対応が切れているので、f′ の符号変化から極大・極小を決める手順まで戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
f(x)=x3-3x より f′(x)=3x2-3x -3x を微分したときに x を落とし忘れています。指数を1つ下げると1次の項が定数になる、という処理が通っていません。 (x)′=1、(定数)′=0 の2つを、指数の規則から自分で出せるかを確認します。
x=2 における接線の傾き」を聞かれて f(2)=2 と答える 傾きを求めるのに、もとの関数へ代入しています。値と傾きが別ものだという区別が答案の手順に入っていません。 問題文を読んだ直後に「傾き=f′、高さ=f」と1行書く習慣を確認します。
f′(x)=0 から x=±1 を出し、極大値を「x=-1」と答える 極値を与える x と、極値そのもの(y の値)を取り違えています。符号変化を確認する行も飛んでいます。 増減表を、1行目に x、2行目に f′ の符号、3行目に f の値、の3段で必ず書くかを確認します。
逆引きルート

3次関数の増減・極値・最大最小(今ここ)増減表:f′(x) の符号から f の増減を決めるf′(x)=0 を解く(2次方程式の因数分解と解の公式)導関数の計算:(xn)′=nxn-1 と項ごとの微分直線の傾き=(y の増加量)/(x の増加量) の読み方そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分2点から直線の傾きを (y の差)/(x の差) で出す問題を10問。「x が1増えると y がどれだけ増えるか」と毎回言葉にします。
  • 30分x3, 5x2, -4x, 7 を混ぜた多項式の微分を15問。定数項が消えること、1次の項が定数になることを指差しで確認します。
  • 60分3次関数を3つ選び、f′(x)=0 を解く → 増減表を書く → 極値を f の値で答える、の3手を分けて通します。ここまでで今の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「「計算はできてるのに問題文が読めてないでしょ」」
  • ○「「微分の計算そのものは正確です。あとは『傾きを聞かれたら f′、高さを聞かれたら f』の言い分けを1つ確認しましょう。ここだけで取りこぼしが減ります」」
放置すると次に困ること積分法で、面積を出す前にグラフの上下を判断するところで止まります。3次方程式の実数解の個数をグラフで数える問題や、数IIIの合成関数の微分にも進めません。
大学入試へのつながり3次関数の最大最小と、文字を含む3次方程式の実数解の個数は個別試験の頻出テーマです。傾きの定義 → 導関数 → 増減表 → 極値と解の個数、と一本でつながります。

34積分法数II

積分は微分の逆をたどる操作で、定積分は「上にある関数-下にある関数」を足し集めた面積として読めます。理解できたと言えるのは、不定積分で積分定数を落とさず書け、交点と上下関係を自分で決めて面積の式を立てられるときです。公式の暗記ではなく、微分して戻るかを毎回確かめられるかが分かれ目です。

解説を読む前に|3問診断
  1. ∫(2x+1) dx を求めてください。答え x2xCC は積分定数)。微分すると 2x+1 に戻ります。ここで落ちるなら不定積分が微分の逆だと結びついていないので、微分の計算と積分定数の意味まで戻ります。
  2. ∫(0→2) 3x2 dx の値を求めてください。答え 8。原始関数は x3 で、23-03=8 です。ここで落ちるなら定積分の手順(原始関数をつくり、上端の値から下端の値を引く)が定着していないので、そこまで戻ります。
  3. yx2yx で囲まれた部分の面積を求めてください。答え 1/6。交点は x=0, 1、区間内では yx が上なので ∫(0→1)(xx2)dx=1/2-1/3=1/6 です。ここだけ落ちるなら面積を「上-下」で立てる判断ができていないので、交点を求めて区間内の1点で上下を決める手順まで戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
∫(2x+1) dxx2x(+C を書かない) 不定積分が「微分すると元に戻る関数すべて」だと読めていません。答えが1つに決まると思っています。 x2x+5 を微分しても 2x+1 になることを、実際に微分して確かめます。
∫(0→2) 3x2 dx=23/3-0=8/3 原始関数を x3/3 としてしまい、係数3を掛ける処理と (n+1) で割る処理が二重にかかっています。原始関数を微分して戻す確認をしていません。 出した原始関数を微分し、被積分関数に戻るかを毎回確かめる手順を入れます。
面積を ∫(0→1)(x2x)dx=-1/6 とし、-1/6 を答えにする どちらのグラフが上かを決めないまま引いています。0<x<1 では yx が上、という確認が抜けています。 交点を出したあと、区間内の1点(たとえば x=1/2)を両方に代入して上下を決めます。
逆引きルート

2曲線で囲まれた面積(今ここ)上下の判定:交点を求め、区間内の1点を代入して比べる定積分:原始関数をつくり、上端の値-下端の値不定積分:微分の逆をたどる(xnxn+1/(n+1))と積分定数微分の計算規則と、分数の足し引き(通分)そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分x2, x3, 4x, 6 を積分し、そのつど微分して元に戻るか確かめます。この往復を10回行います。
  • 30分定積分を8問。毎回「上端を代入した値」と「下端を代入した値」を別の行に書き、最後に引きます。分数のまま引く問題を3問混ぜます。
  • 60分直線と放物線で囲まれた面積を4問。交点を出す → 区間内の1点で上下を決める → 立式する、の3手を分けて書きます。ここまでで今の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「「面積が負になるわけないでしょ」」
  • ○「「積分の計算は合っています。あとは引く前に、区間の真ん中でどちらのグラフが上かを1回確かめる手順を足しましょう。それで符号の迷いがなくなります」」
放置すると次に困ること絶対値を含む定積分や、面積が等しくなる条件を求める問題で手が止まります。数IIIの体積や区分求積法も、立式の段階から進めなくなります。
大学入試へのつながり放物線と直線で囲まれた面積は共通テストでも個別試験でも毎年どこかで出ます。微分の逆 → 定積分 → 上下の判定 → 面積の最小値、と一本でつながります。

35数列数B

数列は「番号 n を入れると項が返る関数」だと見ます。等差・等比は、隣り合う項の関係が一定という定義から一般項が出るだけで、公式は結果にすぎません。理解できたと言えるのは、最初の3項を書き出して番号を数え、Σと漸化式を既知の形に直せるときです。

解説を読む前に|3問診断
  1. 初項3、公差4の等差数列の第10項を求めてください。答え 39。3に公差4を9回足すので 3+9×4=39 です。ここで落ちるなら一般項の n-1 の数え方が切れているので、「初項に公差を何回足すか」を書き出して数える作業まで戻ります。
  2. Σ(k=1→10)(2k+1) の値を求めてください。答え 120。2×(1+2+…+10)+1×10=2×55+10=120 です。ここで落ちるならΣが各項に対する足し算だと読めていないので、Σの展開と項数の数え方まで戻ります。
  3. a1=1, an+1=2an+1 のとき、一般項 an を求めてください。答え an=2n-1。両辺に1を足すと an+1+1=2(an+1) なので an+1=2×2n-1=2n。実際 1, 3, 7, 15 と一致します。ここだけ落ちるなら漸化式を等比の形へ持ち込む一手がないので、an+1 をひとかたまりの数列とみる置き換えまで戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
初項3、公差4の第10項を a10=3+10×4=43 第10項までに公差を足す回数が9回だと数えていません。一般項の n-1 が定義から出ていない状態です。 第1項から第4項まで実際に書き出し、足した回数を指で数えられるかを確認します。
Σ(k=1→10)(2k+1)=2×55+1=111 定数項の1を10回足すことが見えていません。Σが各項に対して同じ操作を繰り返す記号だと読めていません。 Σ(k=1→10)1=10 を、1+1+…+1 と実際に書いて確かめます。
an+1=2an+1 を見て an=2n-1+1 とする +1 がついた漸化式を、そのまま等比数列として扱っています。an+1 と置き換える一手が入っていません。 n=1, 2, 3 を代入して 1, 3, 7 と合うかを検算する行を毎回入れます。
逆引きルート

漸化式から一般項を求める(今ここ)anc をひとかたまりとみて等比数列の形に直すΣの計算と、k=1 から n まで何個あるかの数え方等差・等比の一般項を、隣の項との関係(定義)から書き出して導く文字式への代入と、番号を n-1 のようにずらして書く操作そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分等差数列と等比数列を1つずつ選び、第1項から第6項まで手で書き出します。そのあと一般項に n=1 と n=6 を代入し、書き出した値と一致するか確かめます。
  • 30分Σの問題を10問。すべて最初の3項と最後の1項を書き出してから公式に入り、項数を数える行を必ず作ります。
  • 60分an+1panq の形の漸化式を4問。n=1, 2, 3 での検算を毎回書きます。ここまでで今の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「「公式を覚えてないから解けないんだよ」」
  • ○「「規則を見つけるところはできています。あとは公式に入る前に、最初の3項を書き出して番号を数える手順を必ず挟みましょう。これだけでずれが消えます」」
放置すると次に困ること数学的帰納法で、nk+1 の式を nk の式から作る部分が読めなくなります。確率分布の期待値の計算や、数IIIの無限等比級数でも、一般項が書けないと進めません。
大学入試へのつながり漸化式と数学的帰納法の組み合わせは個別試験の定番です。等差・等比の定義 → 一般項 → Σ → 漸化式 → 帰納法、と一本道でつながります。

36確率分布・統計的な推測数B

確率変数は「起こりうる値と、その確率の組」であり、期待値は値を確率で重みづけした平均です。標本平均は取り方によって変わる確率変数で、そのばらつきが σ/√n で小さくなることが推定の土台です。理解できたと言えるのは、分布表から期待値と分散を定義どおり出せて、信頼区間の式が何を主張しているか言葉で説明できるときです。

解説を読む前に|3問診断
  1. さいころを1回投げるとき、出る目の期待値を求めてください。答え 7/2(3.5)。(1+2+3+4+5+6)×(1/6)=21/6=7/2 です。ここで落ちるなら期待値が「値×確率の和」だと定義から出せていないので、確率分布表を書く手順まで戻ります。
  2. コインを1回投げ、表なら X=1、裏なら X=0 とします(表と裏は同じ確からしさ)。分散 V(X) を求めてください。答え 1/4。E(X)=1×(1/2)+0×(1/2)=1/2、E(X2)=12×(1/2)+02×(1/2)=1/2 なので V(X)=1/2-(1/2)2=1/4 です。ここで落ちるなら V(X)=E(X2)-{E(X)}2 の順序が定着していないので、期待値の計算と2乗の順番まで戻ります。
  3. 母標準偏差が10の母集団から大きさ100の標本を取るとき、標本平均の標準偏差を求めてください。答え 1。10/√100=10/10=1 です。ここだけ落ちるなら標本平均が確率変数だと読めていないので、母集団と標本の区別と σ/√n の意味まで戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
さいころの目の期待値を 1+2+3+4+5+6=21 と答える 期待値が平均だとは分かっていても、各値に確率 1/6 を掛けてから足すという定義が手順になっていません。 値の行と確率の行を2段に書き、縦に掛けて横に足す、という表の作り方を確認します。
V(X)={E(X)}2E(X2)=(1/2)2-1/2=-1/4 分散の式の引く順序が逆になっています。分散が0以上になるという意味の確認が入っていません。 分散は平均からのずれの2乗の平均なので必ず0以上、負が出たら順序を疑う、と決めておきます。
標本平均の標準偏差を 10/100=0.1 とする(あるいは母標準偏差と同じ 10 とする) 標本を大きくするとばらつきが小さくなるという主張が、√n で割る式と結びついていません。n で割るのか √n で割るのかが曖昧です。 分散が σ2/n、標準偏差はその平方根で σ/√n、という2段で確認します。
逆引きルート

母平均の推定と信頼区間(今ここ)標本平均の期待値と標準偏差(平均は母平均、標準偏差は σ/√nE(aXb)=aE(X)+bV(aXb)=a2V(X) の使い分け確率分布表を書き、期待値と分散を定義から計算する確率の合計が1になることと、割合を分数・小数で往復して読む力そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分さいころ1個、コイン1枚、当たり2本のくじの3つについて確率分布表を手で書き、確率の合計が1になることを毎回確かめます。
  • 30分同じ分布表で E(X)、E(X2)、V(X)=E(X2)-{E(X)}2 を3行に分けて計算する練習を5題。負が出たら順序を疑います。
  • 60分n=25, 100, 400 で σ/√n を計算し、n を4倍にすると標準偏差が半分になることを数値で確認します。そのうえで信頼区間を2問解きます。ここまでで今の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「「公式に当てはめるだけなのに、なんで間違えるの」」
  • ○「「表から数字を拾うところは正確です。あとは期待値を出すときに、値と確率を縦に並べて掛ける形を1つに固定しましょう。ここが固まると推定まで同じ手順で進めます」」
放置すると次に困ること仮説検定で「どのくらい外れていたら偶然とは言えないか」の判断ができなくなります。共通テストの数学II・B・Cでは確率分布・統計的な推測が選択問題として出るため、本番で選べる問題が1つ減ります。
大学入試へのつながり共通テストの数学II・B・Cでこの分野は選択問題として出題されます。確率分布表 → 期待値・分散 → 標本平均の分布 → 信頼区間・仮説検定、と一本でつながります。

37平面ベクトル数C

ベクトルは向きと大きさだけを持つ量で、どこに描いても同じものです。この単元の中心は、平面上の点を2つのベクトルの組み合わせで表すことと、内積によって角度や垂直の判定を計算に置き換えることの2つです。理解できたと言えるのは、始点をそろえて分解でき、垂直なら内積0、平行なら実数倍、と条件を選び分けられるときです。

解説を読む前に|3問診断
  1. ベクトルa=(3, 4) の大きさを求めてください。答え 5。√(32+42)=√25=5 です。ここで落ちるなら成分から大きさを出す式が三平方の定理と結びついていないので、座標平面上の長さの求め方まで戻ります。
  2. ベクトルa=(3, 4)、ベクトルb=(1, -2) のとき、内積を求めてください。答え -5。3×1+4×(-2)=3-8=-5 です。ここで落ちるなら内積の計算そのものが定着していないので、成分で掛けて足す形と、結果が数1つになることの確認まで戻ります。
  3. ベクトルa=(2, 1) とベクトルb=(k, 3) が垂直になる k を求めてください。答え k=-3/2。内積が0なので 2k+1×3=0、よって k=-3/2。b=(-3/2, 3) で 2×(-3/2)+1×3=-3+3=0 と確認できます。ここだけ落ちるなら垂直と内積0の対応が切れているので、内積の値が何を表すかと、平行条件との書き分けまで戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
ベクトルa=(3, 4) の大きさを 3+4=7 とする 成分をそのまま足しています。大きさが直角三角形の斜辺の長さだという図の意味が入っていません。 原点から点(3, 4)までの直角三角形を描き、斜辺の長さとして求められるかを確認します。
内積を (3, 4)・(1, -2)=(3, -8) と、成分のまま答える 内積の結果が数(1つの値)であることが定義に入っていません。成分ごとの掛け算で手が止まっています。 内積は掛けたあと足す、答えは必ず数1つ、という2点を口に出して確認します。
(2, 1) と (k, 3) が垂直として 2×3-1×k=0 を立て、k=6 とする 垂直の条件と平行の条件が同じ引き出しに入っています。k=6 のとき (6, 3)=3×(2, 1) なので、これは平行になる値です。 垂直は内積0、平行は一方が他方の実数倍、を図つきで書き分けられるかを確認します。
逆引きルート

内積を使う問題(角度・垂直条件・長さ)(今ここ)内積の2つの表し方(成分の計算と |a||b|cosθ)を行き来するベクトルの成分表示と、大きさ=√(x2y2)和・差・実数倍を、始点をそろえた矢印の操作として描く座標平面上の2点間の距離と、三平方の定理そこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分(3, 4)、(1, 1)、(-2, 5) の3つを座標に矢印で描き、大きさを三平方の定理で出します。図と式を必ず並べて書きます。
  • 30分成分が与えられた2つのベクトルで、和・差・実数倍・内積を計算する問題を12問。内積の答えに成分が残っていないか毎回確認します。
  • 60分「垂直になる k」と「平行になる k」を交互に4問ずつ。解き始めにどちらの条件を使うかを1行書いてから計算します。ここまでで今の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「「ベクトルはセンスだからね」」
  • ○「「矢印を図に描くところまではできています。あとは解き始めに『垂直なら内積0、平行なら実数倍』の2行を書くようにしましょう。条件の取り違えがなくなります」」
放置すると次に困ること空間ベクトルで、法線ベクトルや点と平面の距離が扱えなくなります。図形と方程式の垂直条件、複素数平面の回転、物理の力の分解でも同じ考え方が繰り返し出てきます。
大学入試へのつながりベクトルは共通テストの数学II・B・Cで選択され、個別試験でも図形問題の主力です。矢印の分解 → 成分表示 → 内積 → 三角形の面積や垂直条件、とつながります。

38空間ベクトル数C

座標が3つに増えても、やることは平面ベクトルと同じです。基準になる3つのベクトルを決め、目的の点をその和で書き直す。これだけです。理解できたと言えるのは、(1)成分の引き算を終点-始点で正確に書ける、(2)内積を成分で計算してスカラーとして扱える、(3)ベクトルOP=xベクトルOA+yベクトルOB+zベクトルOC と分解し、係数の和で「直線上か・平面上か」を判定できる、この3つが自分の手で通るときです。公式の数を増やす単元ではなく、平面でやっていた操作に3つ目の成分を足すだけの単元だと見えているかが分かれ目です。

解説を読む前に|3問診断
  1. A(1, 2, 3)、B(3, -1, 5) について、ベクトルABの成分と大きさを求めなさい。答え ベクトルAB=(2, -3, 2)、大きさは√17。成分は終点-始点、大きさは3つの成分の2乗の和の平方根で、4+9+4=17 です。ここで落ちるなら、切れているのは空間ではなく成分表示そのものです。終点-始点の向きと、大きさの√の中に成分が3つ入ることを、平面ベクトルの成分計算まで戻って確認します。
  2. ベクトルa=(1, 2, -1)、ベクトルb=(2, -1, 3) の内積を求め、2つのなす角が鋭角か鈍角かを答えなさい。答え 内積は-3、なす角は鈍角。1×2+2×(-1)+(-1)×3=2-2-3=-3 で、内積が負なので90°より大きい角です。ここで落ちるなら、内積が数(スカラー)であることと、内積の符号がそのまま角の鋭角・鈍角を決めることが結びついていません。平面ベクトルの内積の定義に戻り、成分計算と cos の符号を1枚に並べます。
  3. O(0, 0, 0)、A(1, 0, 0)、B(0, 1, 0)、C(0, 0, 1)、P(1, 1, 1) とします。ベクトルOP=xベクトルOA+yベクトルOB+zベクトルOC と表したときの x, y, z を求め、点Pが平面ABC上にあるかどうかを答えなさい。答え xyz=1。係数の和が3で1ではないので、点Pは平面ABC上にありません。平面ABCは xyz=1 で、(1, 1, 1) は 3≠1 となり満たしません。CHECK1・2が通ってここだけ落ちるなら、計算力ではなく「係数の和=1が平面上の条件」という判定基準が入っていません。平面ベクトルの「3点が一直線上にある⇔係数の和が1」に戻り、同じ形が1段上がっただけだと確認します。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
|ベクトルAB|=√(22+(-3)2)=√13 平面ベクトルの公式の形が手に残っていて、3つ目の成分を√の中に入れ忘れています。大きさの式を「2成分の和」として暗記した状態です。 大きさの式を公式として覚え直すのではなく、直方体の対角線を三平方の定理で2回使って作り直す作業を1回だけやります。
ベクトルa・ベクトルb=(2, -2, -3) 内積を成分ごとの積のまま並べています。内積の結果がベクトルではなく1つの数であることが入っていません。 内積の定義 |a||b|cosθ が数であることを確認し、成分計算はその数を出す近道だ、という順で見直します。
ベクトルOP=ベクトルOA+ベクトルOB+ベクトルOC だから、点Pは平面ABC上にある 「3つのベクトルで書けた=平面上」と読んでいます。空間では3つの基底で全ての点が書けるので、書けること自体は何の条件にもなりません。 係数の和が1かどうかを確認する手順を、平面ベクトルの一直線上の条件と並べて1枚に書きます。
逆引きルート

空間の共面条件(係数の和=1で平面上)ベクトルOP=sベクトルOA+tベクトルOB の分解が一通りに決まること(1次独立)内積の成分計算と、内積の符号が角の種類を決めること2点間の距離と三平方の定理(√の中に成分の2乗を並べる)成分ごとに等号を分けて連立式を立てる操作。ここだけ補修して単元38に戻りますそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分成分の引き算を終点-始点で10問、大きさを√(x2y2z2)で5問だけ、答えを出さずに式の形だけ書き取ります。
  • 30分内積を成分で計算し、そのまま符号を見て鋭角・鈍角を答える問題を10問。垂直(内積0)になる文字の値を求める問題を3問加えます。
  • 60分ベクトルOP=xベクトルOA+yベクトルOB+zベクトルOC の形に直し、係数の和で直線上・平面上を判定する問題を5問。ここまで通れば、元の空間ベクトルの問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「平面ベクトルもできていないのに空間なんて無理でしょ。」
  • ○「成分の引き算はもう正確に書けているね。今日は大きさの√の中に3つ目を入れるところ、その1か所だけ確認しよう。」
放置すると次に困ること放置すると、積分法の応用(単元43)の回転体で、軸と断面の位置関係が頭の中で組み立てられず立式で止まります。空間図形と平面の方程式を扱う問題では、垂直条件を内積で書く一歩目が出てきません。
大学入試へのつながり国公立の空間図形は、成分計算 → 内積による垂直条件 → 四面体の体積、という3段でほぼ固定です。最初の成分計算に時間がかかると、配点の大きい後半に手が届きません。

▲ 43単元の索引に戻る

PART 8 体系数学5 相当複素数平面と微積分の応用。部品の欠けを1つずつ確かめる。

39複素数平面数C

複素数を数直線ではなく平面上の点として見る単元です。足し算・引き算は平行移動、掛け算・割り算は原点まわりの回転と拡大になります。理解できたと言えるのは、(1)複素数を極形式に直して絶対値と偏角を分けて言える、(2)「z に何かを掛ける」を回転と拡大の図として描ける、(3)|zα| を点zと点αの距離として読める、この3つです。計算単元に見えますが、実際に問われるのは図形の言い換えです。

解説を読む前に|3問診断
  1. z=1+√3i を極形式で表しなさい。答え z=2(cos(π/3)+isin(π/3))。絶対値は√(1+3)=2、実部1・虚部√3 なので偏角はπ/3 です。ここで落ちるなら、絶対値の出し方(実部と虚部の2乗の和の平方根)と、偏角を三角比から読む部分が切れています。直角三角形の辺の比 1:√3:2 と、cos・sin の値の表に戻ります。
  2. (1+i)8 を計算しなさい。答え 16。1+i=√2(cos(π/4)+isin(π/4)) なので、絶対値は(√2)8=16、偏角は8×(π/4)=2π。(1+i)2=2i から (2i)4=16 と確かめられます。ここで落ちるなら、ド・モアブルの使い方か、iの累乗が4回で元に戻ることのどちらかが切れています。極形式の積が「絶対値は掛ける・偏角は足す」であることに戻ります。
  3. 複素数平面上で |z-1|=2|z+2| を満たす点zが描く図形を求めなさい。答え 点-3(実軸上の点(-3, 0))を中心とする半径2の円。zxyi と置いて2乗すると (x+3)2y2=4 になります。z=-1 は 2=2×1、z=-5 は 6=2×3 で成り立ちます。CHECK1・2が通ってここだけ落ちるなら、絶対値を距離として読む変換ができていません。|zα|=r が円だという1行を確認し、円の方程式の平方完成に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
|1+√3i|=1+√3 絶対値を実部と虚部の和として計算しています。絶対値が原点からの距離であることが図と結びついていません。 複素数平面に点をとり、原点からの距離を三平方の定理で出す作業を3回だけやります。
(1+i)8=18i8=1+1=2 和の累乗を項別に累乗しています。指数法則の適用範囲が積だけであることが抜けています。 (1+i)2 を実際に展開して 2i になることを確かめ、そこから累乗を積み上げ直します。
|z-1|=2|z+2| より z-1=2(z+2)、よって z=-5 絶対値の記号をそのまま外しています。距離の等式を数の等式として処理したため、答えが図形ではなく1点になっています。 絶対値のついた等式は両辺を2乗するか zxyi と置く、という2択しかないことを手順として書き出します。
逆引きルート

複素数の軌跡(|zα|=r は中心α・半径rの円)絶対値の等式は両辺2乗か zxyi と置くかの2択という手順極形式(絶対値と偏角を分けて書く)と、π/6・π/4・π/3 の三角比の値円の方程式と平方完成(x+3)2 のような2乗の展開と同類項の整理。ここだけ補修して単元39に戻りますそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分1+i、√3-i、-2i、-1+i、3 の5個を極形式に直します。絶対値と偏角を出すところで止め、図に点も打ちます。
  • 30分ド・モアブルで累乗を5問。あわせて i1からi8までを表に書き、4回で戻ることを目で確認します。
  • 60分|zα|=k|zβ| の形を zxyi で置いて平方完成し、中心と半径まで出す問題を3問。ここまで通れば元の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「複素数の計算もあやしいのに図形なんて手が出ないでしょ。」
  • ○「展開と平方完成は正確にできているね。今日は絶対値を2点の距離として読むところ、そこだけ見よう。」
放置すると次に困ること放置すると、平面上の曲線(単元40)の極座標・極方程式で偏角の扱いが同じ形でつまずきます。回転移動を使う軌跡の問題は、複素数平面を避けると計算量が数倍になります。
大学入試へのつながり入試では、極形式 → ド・モアブル → 1のn乗根が正n角形の頂点になる、という流れが繰り返し出ます。偏角を足すという1行が定着していれば、この流れは一本道で進みます。

40平面上の曲線数C

円以外の曲線を、式と図の両方で扱えるようにする単元です。放物線・楕円・双曲線を標準形に直して中心や焦点を読む、媒介変数で表された点の動きを式に直す、極座標で位置を角と距離で指定する。この3つの表し方を行き来できれば理解できています。覚える式は多く見えますが、実際には「標準形に直す」「θを消す」の2つの作業に集約されます。

解説を読む前に|3問診断
  1. 楕円 x2/25+y2/9=1 の焦点の座標を求めなさい。答え (4, 0) と (-4, 0)。a=5、b=3 で、楕円は c2a2b2=25-9=16 なので c=4 です。ここで落ちるなら、楕円と双曲線で a, b, c の関係式が逆になっている可能性が高いです。標準形の分母の大小から長軸の向きを読む手順に戻ります。
  2. x=2cosθy=3sinθ が表す曲線を、xy の方程式で表しなさい。答え x2/4+y2/9=1。cosθx/2、sinθy/3 として、cos2θ+sin2θ=1 に代入します。ここで落ちるなら、媒介変数を消すという発想か、sin2θ+cos2θ=1 の使いどころが切れています。三角比の相互関係に戻り、θを消すための道具はこれ1本だと確認します。
  3. 双曲線 x2-4y2+8y-8=0 の中心と漸近線を求めなさい。答え 中心は(0, 1)、漸近線は yx/2+1 と y=-x/2+1。平方完成すると x2/4-(y-1)2=1 です。(2, 1) を元の式に入れると 4-4+8-8=0 で合います。CHECK1・2が通ってここだけ落ちるなら、平方完成で平行移動を読み取る部分だけが切れています。2次式の平方完成と、yy-1に変わると図形が上に1動く、という対応に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
x2/25+y2/9=1 の焦点は (±√34, 0) 双曲線の c2a2b2 を楕円に使っています。2つの関係式が「足すか引くか」だけの差なので、図を伴わずに覚えると入れ替わります。 楕円は焦点が内側にあるので ca、双曲線は外側なので ca、と図で1度だけ確認します。
x=2cosθy=3sinθ より x2/2+y2/3=1 係数の2と3をそのまま分母に書いています。cosθx/2 を2乗する段階が抜けており、分母が2乗されていません。 θを消す手順を、cosとsinについて解く → 2乗する → 足す、の3行に分けて書く練習をします。
x2/4-(y-1)2=1 の漸近線は y=±x/2 標準形に直すところまでは正しく、平行移動を漸近線に反映し忘れています。中心が原点でない場合の処理が抜けた状態です。 漸近線は右辺を0にして求める、という手順に統一します。x2/4-(y-1)2=0 から y-1=±x/2 が出ます。
逆引きルート

2次曲線の平行移動(中心・焦点・漸近線を移動後の座標で答える)2次式の平方完成楕円と双曲線それぞれの a, b, c の関係と、標準形の分母の読み方媒介変数の消去に使う sin2θ+cos2θ=1分母のある等式を、両辺に同じ数を掛けて分母を払う操作。ここだけ補修して単元40に戻りますそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分標準形の楕円3つ、双曲線3つについて、a, b, c と焦点だけを口頭で答えます。式変形はしません。
  • 30分媒介変数表示から θ を消す問題を6問。cos・sinについて解く、2乗する、足す、の3行を必ず書きます。
  • 60分平方完成が必要な2次曲線を3問。中心・焦点・漸近線まで出し、概形も描きます。ここまで通れば元の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「平方完成なんてずっと前にやったところでしょ、なんで止まるの。」
  • ○「標準形からの読み取りは正確だね。今日は式を標準形に直す平方完成、その1手だけ確認しよう。」
放置すると次に困ること放置すると、極限(単元41)で漸近線を式から出す場面と結びつかず、積分法の応用(単元43)で楕円や媒介変数表示された曲線の面積が立式できません。
大学入試へのつながり私大・国公立とも、標準形に直す → 媒介変数表示に置き換える → 面積や回転体の体積を出す、という接続で出題されます。標準形に直す1手が遅いと、その先の積分に入れません。

41極限数III

極限は、変数をある値へ近づけたときに関数の値がどこへ近づくかを調べます。分子・分母がともに0へ近づく「0/0型」や、ともに無限大へ発散する「∞/∞型」は、その情報だけでは比の極限を決められない不定形です。式に応じて因数分解・有理化・最高次で割る方法や、既知の極限などを検討します。このカードの三角関数の角はラジアン(弧度法)で表し、次の標準極限を使います。\[\lim_{x\to0}\frac{\sin x}{x}=1\]度数法の数値をそのまま入れた式とは区別してください。

解説を読む前に|3問診断
  1. lim(x→2) (x2-4)/(x-2) を求めなさい。答え 4。分子を (x+2)(x-2) と因数分解して約分すると x+2 になり、x→2 で 4 です。ここで落ちるなら、0/0 を因数分解で崩すという最初の型が入っていません。2乗の差の因数分解(a2b2=(ab)(ab))と、約分してから近づけるという順序に戻ります。
  2. lim(x→∞) (3x2x+1)/(2x2+5) を求めなさい。答え 3/2。分母分子を x2 で割ると (3-1/x+1/x2)/(2+5/x2) となり、1/x→0 なので 3/2 です。ここで落ちるなら、∞/∞ を最高次で割って処理する手順と、1/x→0 の扱いが切れています。分母分子を同じ式で割ってよいという分数の性質に戻ります。
  3. lim(x→0) (1-cosx)/x2 を求めなさい。答え 1/2。分母分子に 1+cosx を掛けると sin2x/(x2(1+cosx)) となり、(sinx/x)2→1、1+cosx→2 なので 1/2 です。CHECK1・2が通ってここだけ落ちるなら、sinx/x→1 の形を自分で作るという発想が入っていません。1-cosx を見たら 1+cosx を掛ける、という定型に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
lim(x→2) (x2-4)/(x-2)=0/0=0 0/0 を数として計算しています。不定形が「まだ答えが決まっていない状態」であることが入っておらず、代入した時点で終わりにしています。 この問題では分子が多項式なので因数分解し、\(x\ne2\) の範囲で共通因数 \(x-2\) を約分します。一般の0/0型がすべて因数分解で解けるわけではありません。根号を含む式なら有理化、三角関数なら標準極限など、式の形に応じて方法を選びます。
lim(x→∞) (3x2x+1)/(2x2+5)=∞/∞=1 ∞を1つの数とみなして約分しています。無限大どうしの比が、増え方の速さで決まることが図として入っていません。 x=10, 100, 1000 を実際に代入して値が1.5に近づくのを確認し、そのうえで最高次で割る操作を書きます。
lim(x→0) (1-cosx)/x2=(1-1)/0=0 分子だけ先に代入して0にしています。分母も0に近づいているので、比は0とは限らないという点が抜けています。 分子と分母がともに0へ近づくだけでは、比の極限は決まりません。この問題では三角関数の恒等式で変形し、ラジアンでの標準極限を使います。他の問題では、式に応じて既知の極限やはさみうちなどの根拠を選びます。
逆引きルート

三角関数の極限(sinx/x→1 の形を自分で作る)不定形の型の判定(0/0・∞/∞・∞-∞ のどれか)因数分解による約分と、√を含む式の有理化分母分子を同じ式で割ってよいという分数の性質約分してよい条件(0で割らない、共通因数を作ってから消す)。ここだけ補修して単元41に戻りますそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分分子・分母が多項式の0/0型を選び、因数分解して約分できる条件を書きます。約分前後の式が近づく点以外で一致することを確かめてから、極限を求めます。
  • 30分∞/∞ の形を10問、最高次で割る方針だけで処理します。√を含む ∞-∞ の有理化を5問加えます。
  • 60分1-cosx や sin2x を含む極限を6問。sin(なにか)/(同じなにか) の形を作るところを毎回声に出して確認します。ここまで通れば元の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「極限でつまずくなら、この先の微分積分は全部無理だよ。」
  • ○「因数分解して約分するところまでは正しく書けているね。今日は代入した後に不定形の型を1行書く、それだけ足そう。」
放置すると次に困ること放置すると、微分法の応用(単元42)で微分係数の定義そのものが極限なので手が止まり、積分法の応用(単元43)の区分求積法や広義積分で必ず同じ場所につまずきます。
大学入試へのつながり入試では、不定形の判定 → はさみうちの原理 → 微分係数の定義に戻す、という流れで出ます。型の判定という最初の1行を書く癖がついているかで、解けるかどうかが決まります。

42微分法の応用数III

導関数を計算する単元ではなく、導関数を使ってグラフの形を決める単元です。f′ の符号で増える・減るを決め、f″ の符号で上に凸・下に凸を決め、極限で漸近線を調べる。この3つを1枚の増減表に集めれば、グラフは根拠を持って描けます。理解できたと言えるのは、描いた概形の各部分について「なぜそうなるか」を表のどこを見て言えるか、指させるときです。

解説を読む前に|3問診断
  1. yxex を微分しなさい。答え y′=(x+1)ex。積の微分法で 1×exx×ex となり、ex でくくります。ここで落ちるなら、積の微分法そのものが切れています。積・商・合成の3つの公式を、どの形のときに使うかで分ける作業に戻ります。
  2. f(x)=xex の極小値を求めなさい。答え -1/e。f′(x)=(x+1)ex で、ex>0 だから符号は x+1 で決まり、x=-1 の前後で負から正に変わります。f(-1)=-1×e-1=-1/e です。ここで落ちるなら、f′=0 を解くところで止まり、符号の変化を調べる段階が抜けています。ex>0 を使って符号を1次式だけで決める手順に戻ります。
  3. 曲線 yxex の変曲点の座標を求めなさい。答え (-2, -2/e2)。y′=(x+1)ex をもう一度微分すると ex+(x+1)ex=(x+2)ex となり、x=-2 の前後で y″ の符号が変わります。y=(-2)×e-2=-2/e2 です。CHECK1・2が通ってここだけ落ちるなら、2回微分と凹凸の対応だけが切れています。f′は増減、f″は曲がり方、という役割分担を1行で書いてから表に戻ります。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
(xex)′=1×ex=ex x だけを微分し、ex を定数のように扱っています。積の微分法が、両方を順に微分して足す形だと入っていません。 積の微分法を、前を微分して後ろはそのまま、前はそのままで後ろを微分、の2項として声に出して書く練習を3問だけやります。
f′(x)=0 より x=-1、よって極小値は -1 f′=0 を満たす x の値を、そのまま極値として答えています。極値は f(x) の値であることが抜けています。 極値を答えるときは、必ず元の関数に代入する行を1本足す、という書式に統一します。
f″(x)=0 より x=-2、よって x=-2 で極値をとる 変曲点と極値を取り違えています。f′とf″がそれぞれ何を決めているかが分かれていません。 増減表の行に「f′=増減」「f″=凹凸」と見出しを書き込み、どちらの行を見て答えたか指させる状態にします。
逆引きルート

変曲点(f″の符号が変わる点)と極値(f′の符号が変わる点)の区別増減表の作り方(f′の符号 → 増減 → 極値の順)積の微分法・商の微分法・合成関数の微分の使い分けex>0 のように、常に正の因数は符号判定から外してよいこと1次式の符号が変わる点を見つける操作(x+1>0 ⇔ x>-1)。ここだけ補修して単元42に戻りますそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分積・商・合成の微分を各3問。どの公式を使ったかを式の横に書き添えます。
  • 30分f′を作って符号表を書き、極値だけを出す問題を5問。f(x)への代入まで必ず書きます。
  • 60分f″まで出して、増減・凹凸・漸近線を1枚の表にまとめ、概形を描く問題を3問。ここまで通れば元の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「計算はできるのにグラフが描けないんじゃ、やった意味がないよ。」
  • ○「導関数の計算は正確だね。今日は符号表を1本書いてから答える、その1手だけ足そう。」
放置すると次に困ること放置すると、積分法の応用(単元43)で2曲線の上下関係が決められず面積の式が立ちません。方程式の実数解の個数を扱う問題も、グラフの概形が描けない限り手が出ません。
大学入試へのつながり入試では、増減表 → グラフの概形 → 方程式の実数解の個数、という接続が定番です。概形を描くまでが計算で、そこから先は読み取りなので、表を書ききれるかが得点の分かれ目になります。

43積分法の応用数III

積分を、面積・体積・道のりを求める道具として使う単元です。計算より前に立式があり、そこで決めることは3つだけです。どこからどこまで(区間)、何を足し合わせるか(被積分関数)、どちらが上か(引く順序)。理解できたと言えるのは、図を描いてこの3つを自分で決められるときです。回転体なら、断面が半径yの円で面積がπy2だ、と言えることが出発点になります。

解説を読む前に|3問診断
  1. 曲線 yx2 と直線 yx で囲まれた部分の面積を求めなさい。答え 1/6。交点は x=0, 1 で、0<x<1 では直線が上なので ∫[0→1](xx2)dx=1/2-1/3=1/6 です。ここで落ちるなら、交点を求めて区間を決める部分か、上の関数から下の関数を引く順序が切れています。連立方程式と定積分の計算に戻ります。
  2. 曲線 y=√xx軸、直線 x=4 で囲まれた部分を、x軸のまわりに1回転してできる立体の体積を求めなさい。答え 8π。断面は半径√x の円なので面積は πx、体積は π∫[0→4]x dxπ×(16/2)=8π です。ここで落ちるなら、回転体の体積が「断面積を足し合わせたもの」だという見方が入っていません。断面が円で面積が πy2 になるところまで戻ります。
  3. 曲線 yxexx軸、直線 x=1 で囲まれた部分の面積を求めなさい。答え 1。0≦x≦1 で xex≧0 なので ∫[0→1]xexdx。部分積分で (x-1)ex が原始関数になり、値は 0-(-1)=1 です。微分すると ex+(x-1)exxex で確かめられます。CHECK1・2が通ってここだけ落ちるなら、立式ではなく部分積分の型の選び方が切れています。積の微分法から部分積分の式を1度導き直し、多項式を微分する側に置く理由を確認します。
この誤答なら、ここへ戻る
実際に書かれる誤答 何が切れているのか 確認する技能
面積=∫[0→1](x2x)dx=-1/6 上下を逆にして引いています。面積が正であることの確認が最後に入っておらず、符号を検算に使えていません。 区間内の x を1つ選んで両方の関数に代入し、どちらが大きいかを数で確かめてから式を書く手順にします。
体積=∫[0→4]√x dx=16/3 面積の式のまま体積を答えています。2乗する操作と π を掛ける操作が、断面が円であることと結びついていません。 立体を薄い円板に切る図を1枚描き、円板1枚の体積が πy2×(厚み) になることを書き込みます。
xexdx=(x2/2)ex 積を項ごとに積分しています。積分に積の公式がなく、部分積分か置換のどちらかを選ぶしかないことが入っていません。 (x2/2)ex を実際に微分して元に戻らないことを確認し、そこから部分積分の式を導き直します。
逆引きルート

部分積分の型の選択(多項式は微分する側に置く)回転体の体積(断面積 πy2 を区間で足し合わせる)面積の立式(交点で区間を切り、上-下で引く)置換積分で、変数を変えたら積分区間も書き換えること定積分の計算(原始関数に上端・下端を代入して引く)。ここだけ補修して単元43に戻りますそこだけ補修して、いまの問題へ戻る

修復にかける時間の目安
  • 15分定積分の計算だけを10問。原始関数を書く、上端を代入、下端を代入、引く、の4行を必ず分けて書きます。
  • 30分2曲線の交点を出して上下を決め、面積を立式する問題を5問。図に上と下を書き込むところまでを必須にします。
  • 60分回転体3問と部分積分3問。回転体は断面の円を図に描き入れ、部分積分はどちらを微分側にしたか横に書きます。ここまで通れば元の問題に戻れます。
声のかけ方
  • ×「積分の計算ができても、図が描けないなら入試では点にならないよ。」
  • ○「原始関数を出すところは正確だね。今日は図に上と下を書き込んでから式を作る、その1手だけ足そう。」
放置すると次に困ること放置すると、平面上の曲線(単元40)の媒介変数表示された曲線が囲む面積で、置換と区間の書き換えが同時に必要になり手が止まります。曲線の長さ・道のり・微分方程式の応用も、立式が同じ形なので連鎖してつまずきます。
大学入試へのつながり入試の数IIIは、面積の立式 → 回転体の体積 → 媒介変数表示の曲線が囲む面積、という順で難度が上がります。図に上下と区間を書き込む習慣があるかどうかで、後半の立式にかかる時間が変わります。

▲ 43単元の索引に戻る

「算数へ戻る」を、数強塾はこう言い換えます全43単元に共通する言い換えの一覧

場面使わない言い方数強塾で使う言い方「これ、小学生の問題だよ」この計算を30秒で処理できるようにしよう「小学校からやり直した方がいい」いまの問題に必要な前提だけ確認しよう「こんな分数もできないの?」立て方は合っている。分数の処理だけ整えよう「基礎が全然できていない」どこまで戻ればつながるか特定しよう「中1なのに小5レベルだよ」この1項目を補修すればすぐ戻れる「何回言ったら分かるの」原因はやる気ではなく前提。そこを特定します「周りはもう解けているよ」比べる相手は先週の自分です左を右に置き換えるだけで、同じ学習が「後退」から「修復」に変わる

本人に必要なのは「自分は何年遅れているのか」という情報ではありません——必要なのは「どの技能を補修すれば現在位置へ戻れるのか」という情報です。教材名も同じで、「小学5年生・分数復習」ではなく「分数計算 10分チェック」と呼びます

単元ごとの声かけは各カードに書きましたが、全単元に共通する言い換えをまとめておきます。左を右に置き換えるだけで、同じ学習が「後退」から「修復」に変わります。本人に必要なのは「自分は何年遅れているのか」という情報ではなく、どの技能を補修すれば現在位置へ戻れるのかという情報です。

使わない言い方 数強塾で使う言い方
「これ、小学生の問題だよ」 「この計算を30秒で処理できるようにしてから、いまの問題に戻ろう」
「小学校からやり直した方がいい」 「いまの問題に必要な前提だけ、ひとつ確認しよう」
「こんな分数もできないの?」 「方程式の立て方は合っている。分数の処理だけ整えれば解けるよ」
「基礎が全然できていない」 「どこまで戻ればつながるか、いまから特定しよう」
「中1なのに小5レベルだよ」 「この1項目を補修すれば、いまの範囲にすぐ戻れる」
「移項も分からないの?」 「移項を暗記で処理しなくて済む形に、式を整理しよう」
「何回言ったら分かるの」 「同じ場所で止まるなら、原因はやる気ではなく前提です。そこを特定します」
「周りはもう解けているよ」 「比べる相手は先週の自分です。先週できなかったこの1問を、いま解きます」
  • 教材名小学5年生・分数復習分数計算 10分チェック
  • 教材名小学6年生・割合比・割合 クイックチェック
  • 教材名中1 正負の数やり直し符号計算リセット

「なぜ」から入り直すと、暗記が要らなくなるなぜ?数学辞典への入口

診断で戻り先が決まったら、その技能を「なぜそうなるのか」から見直すのがいちばん速いことがあります。公式を1つ足すより、理由が1つ分かるほうが、応用の効く範囲が広いからです。数強塾のなぜ?数学辞典は現在196本あり、いまも増えています。ここでは、この辞典の診断で戻り先になりやすい12本だけ挙げます。各単元カードの中にも、その単元に対応する「なぜ」を入れてあります。

なぜ?数学辞典の全196本を見る

つまずき診断マップ(二次関数の例)YESが出るまで降りて、そこから戻る

Q1 二次関数 yx2-6x+11 を平方完成できる? … NO
Q2 (x-3)2 を展開できる? … NO
Q3 -2(x-3) を分配法則で開ける? … NO
Q4 (-2)×(-3)=6 が即答できる? … NO
→ ここだけ補修する(15分)
→ 分配法則へ戻る → 展開へ戻る → 平方完成へ戻る → 二次関数へ戻る

中1の内容を全部やり直す必要はありません。切れている1か所を直して、往復をできるだけ短くする。それが数学専門塾として行うべき学習診断だと、数強塾では考えています。

体系数学まわりのページこの辞典と役割が違うので、あわせて使ってください

この辞典は「誤答から戻り先を特定する」ための索引です。教材そのものの説明や、単元をしぼった読み物、章ごとの演習は別のページに分けています。単元カードの中にある「詳しい解説」のボタンからは、その単元だけを掘り下げた記事に飛べます。

目的に合わせて、辞典を使い分けてください数強塾が無料公開している数学辞典

数強塾が、いちばん大切にしたいこと

数学が分からなくなった生徒に「もっと頑張れ」と言うだけでは、原因は解決しません。反対に「小学校から全部やり直そう」と、必要以上に戻すこともありません。必要なのは、いまの1問から、理解が切れた最初の地点を見つけることです。

高校1年生が二次関数でつまずいていて、その原因が中1の分配法則にあるなら、中1を全部やり直す必要はありません。分配法則だけ補修して、展開へ戻る。平方完成へ戻る。そして二次関数へ戻る。

そして戻るときにも、「あなたは小学生レベルだから」という扱いはしません。数学には、学年よりも強いつながりがあります。必要な前提をひとつ確認することは、後退ではありません。いまの問題を理解するために、数学のつながりを修復しているだけです。数強塾の体系数学シリーズでは「どこまで進んだか」だけでなく、どこまで数学がつながっているかを大切にしていきます。

参考資料

数研出版『改訂版 体系数学』シリーズ(2026年8月14日確認)。中高一貫校向けに、中高6年間の数学を体系的に配置した教材として案内されています。本ページの単元区分は、この構成に対応させています。

自己決定理論(Self-Determination Theory)に基づく中等教育段階の研究。有能感・自律性・関係性といった心理的欲求の充足と、自律的な動機づけ・学習価値との関連が検討されています。

Mueller, C. M. & Dweck, C. S. (1998). Praise for intelligence can undermine children’s motivation and performance. Journal of Personality and Social Psychology, 75(1), 33–52. 能力への賞賛と努力への賞賛で、その後の失敗場面での反応が異なることを示した研究です。

Macnamara, B. N. & Burgoyne, A. P. (2023). 成長マインドセット介入のメタ分析。学業成績への効果を過大評価すべきでないことを示しています。本ページで効果を断定していないのは、この報告を踏まえたためです。

※ 本ページの診断問題はすべて数強塾のオリジナルです。実在する入試問題・検定教科書の問題は転載していません。

数強塾について。数強塾はオンラインの数学専門塾です。完全マンツーマンで、担当するのはプロ講師のみ。中高一貫校の体系数学・学校教材・定期テストにも正面から対応します。指導システム料金指導事例生徒と保護者の声映像授業学校別の数学対策数強塾の理念

どこで切れているかを、その場で特定します。

初回の体験授業(診断授業・3,000円税込)では、実際に担当するプロ講師が、この辞典と同じ手順でつまずいている単元を特定してお伝えします。ご相談は無料です。無理な勧誘はいたしません。

体系数学 章末テスト 全30章(各20題・100点)

この辞典で原因の見当がついたら、その章の章末テストで確かめてください。1章あたり20題・100点・45〜70分。全問に解説とつまずきの指摘をつけました。採点したあと、どこに戻ればよいかも各ページの最後に書いてあります。

章末テストは教科書の章立てに沿った総合演習です。1つの技能を反復したいときは、各ページから単元別の特訓道場へ進めます。

要点辞典この単元の公式・定石・つまずきやすい所は 数学の要点辞典まとめ:全57単元の逆引き にまとめてあります。

オンライン数学専門塾 数強塾|プロ講師のみ・完全1対1指導・中高一貫校対応

数強塾オンラインのご案内

体験授業に申し込む入塾受け入れ状況(残席)数学つまずき診断(無料)体験授業の事前案内保護者の方へ高1・高2の方へ医学部志望の方へ保護者様からの声料金・指導システム指導事例・合格実績大学受験 合格実績(集計ルール開示)数強塾グループの理念学校別の数学対策数学の勉強法(記事一覧)数強塾プレミアム(映像授業)獣医学部専門コース鉄緑会・SAPIX等との併用サポート過去問解説・数学問題集毎日の数学(1日1枚 無料プリント)毎日の数学EX(難関大の名問を1日1問)共通テスト・センター数学の全問解説共通テスト「情報Ⅰ」の全問解説情報Ⅰ・情報Ⅱ専門「情報ラボ」情報の過去問アーカイブ(無料PDF)解法テクニック事典(公式・裏ワザ)入試数学の定石(解き方の型・全27章)数学の要点辞典まとめ(中1〜数学III)中1数学の要点辞典(全7単元)中2数学の要点辞典(全6単元)中3数学の要点辞典(全8単元)数学I・Aの要点辞典(全9単元)数学II・B・Cの要点辞典(全12単元)数学IIIの要点辞典(全7単元)論理と証明の要点辞典(全8章)2026年 夏期講習会2026年 冬期講習会代表・藤原進之介について
お問い合わせはこちら 学習相談は無料です