問題集は最初から全問を同じ濃さで解く必要はありません。授業理解、定着、応用の目的を分けて印を付けます。
「自分で学び方を決められている」中3は77.6%
問題集の使い方は、最終的に本人が自分で決められるかどうかに行き着きます。全国学力・学習状況調査に、この点を直接聞いた質問があります。
「分からないことやくわしく知りたいことがあったときに、自分で学び方を考え、工夫することはできていますか」
- 小6:できている32.7%+どちらかといえば49.1%=81.8%
- 中3:できている27.5%+どちらかといえば50.1%=77.6%
肯定は8割前後ですが、「できている」と言い切ったのは中3で27.5%。4人に1人強です。残りは「どちらかといえば」で、自分の学び方に確信を持てていません。
だから、使い方は最初に決めて渡す
この数字から言えることは1つです。「自分に合うやり方で進めなさい」という渡し方は、4人に3人には機能しません。
体系問題集のようにレベルが分かれている教材では、次のところまでを大人が決めて渡すほうが動きます。
- どのレベルまでをやるか(学校の課題として出ている範囲と、それ以外を分ける)
- 1回目で解けなかった問題に、どんな印をつけるか
- いつ解き直すか(翌日と週末、など日にちで決める)
この3つが決まっていれば、残りは本人が回せます。逆にここが決まっていないと、解いた量のわりに残らない使い方になります。
まず現在地を答案から確認する
教材名や学年だけで課題を決めず、直近のノート、宿題、定期テストを並べます。空欄、計算ミス、条件の読み落とし、方針が出なかった問題を分けると、同じ「苦手」でも必要な練習が見えます。
学校の進度が速い場合でも、前提が曖昧なまま先取りだけを増やすと負担が大きくなります。現在の授業へ必要な最小範囲まで戻り、短い確認問題で理解を測ります。
具体的に確認したいポイント
A:解説なしで解ける確認問題
用語と条件を自分の言葉で説明し、例題を見ずに最初の一手を書けるか確認します。
B:方針は分かるがミスする問題
正解・不正解だけでなく、途中式と考え方を残し、どの段階で迷ったかを見つけます。
C:最初の一手が出ない問題
一度解いた問題を翌日と週末に解き直し、理解が再現できる状態へ変えます。
学校課題を優先しつつ復習日を確保する
学校の予定と本人の生活時間に合わせ、毎週実行できる量へ分けて進めます。
1週間の学習サイクル
- 授業当日:扱った例題と宿題範囲を確認し、疑問へ印を付けます。
- 翌日:解説を閉じ、最初の一手と途中式を再現します。
- 週の中盤:同じ考え方を使う類題を2〜3問解きます。
- 週末:誤答だけを解き直し、翌週の優先順位を決めます。
量を増やす前に、正しく思い出せる回数を増やします。定期テスト前は範囲を一巡する日と、時間を計る日を分けます。
オンライン1対1で確認できること
画面共有や提出画像を使うと、答えだけでなく途中式を見ながら説明できます。ただし、オンラインなら自動的に個別最適になるわけではありません。担当講師が答案を確認する時期、授業外の質問方法、課題の調整方法を事前に確認してください。
オンライン数学塾の選び方7基準、公開中の指導事例、中学1年生の数学ページもあわせてご覧ください。
単元をつなげて復習する
A:解説なしで解ける確認問題を確認するときも、その単元だけを繰り返すとは限りません。式変形、方程式、関数、図形の定義など、最初の一手に必要な前提を三問ほどで確認します。できた範囲まで戻り、現在の授業へつながる最短経路を作ります。
復習は「教科書を読み直す」「例題を解く」「類題を解く」「翌日に再現する」の四段階に分けます。読むだけで分かった感覚と、試験で自力再現できる状態を区別するためです。類題では数値だけでなく条件も少し変え、同じ考え方を選べるかを見ます。
学校課題と追加教材を両立する判断
学校課題で基本から応用まで十分に扱える場合、別の問題集を増やす必要はありません。提出範囲の空欄が多いのに新しい教材を加えると、どちらも中途半端になります。まず指定教材をA「自力で解ける」、B「方針は分かる」、C「最初の一手が出ない」に分けます。
Aは確認回数を減らし、Bは途中式と計算を整え、Cは例題や前提単元へ戻ります。追加教材を使うのは、学校教材の目的が明確で、必要なレベルや演習量を補う場合です。教材名よりも、いつ、何問、どの状態まで行うかを決めます。
定期テストの前後で役割を変える
試験前
範囲を一巡する日、誤答原因ごとに練習する日、時間を計る日を分けます。最後まで終えることだけを目標にせず、基本問題を取りこぼさない順番と見直し時間を決めます。
試験後
点数だけで終わらず、解けるはずだった問題と、現時点では難しかった問題を分けます。前者は48時間以内に解き直し、後者は必要な前提を調べます。正解でも偶然や暗記だった問題は一週間後に再確認します。
保護者と生徒で共有する観察項目
保護者は勉強時間だけでなく、教材を自分で開けたか、質問を準備できたか、解き直す日を決めたかを見ます。生徒は、最初の一手が出た問題、途中で迷った場所、次に聞きたいことを短く記録します。
声かけは「何点だった?」だけでなく、「前回より自力でできたことは何?」「次に一つ直すならどこ?」と具体化します。学習量が実行できないときは意思の問題にせず、予定、教材の難度、一回の量を見直します。
相談時に持参すると診断しやすいもの
- 直近二〜三回の定期テストや模試
- 学校のシラバス、試験範囲表、使用教材
- 普段のノートと宿題
- 一週間の学習時間と学校行事
- 短期目標と、その先の進路希望
資料がそろっていなくても相談はできますが、実際の答案があると原因を具体化しやすくなります。オンライン指導では、事前に画像を共有する方法や手元を映す方法も確認してください。
四週間ごとの振り返り
一週目に現在地を診断し、二週目に課題量を調整し、三週目に類題へ広げ、四週目に時間を計って確認します。毎週すべてを変えるのではなく、一つの原因を続けて観察します。できなかった問題数だけでなく、空欄が減ったか、途中式が残ったか、翌日に再現できたかを記録します。
学校の進度が変わった場合は、先取りの量を増やす前に次の授業へ必要な前提を確認します。試験や行事が重なる週は最低限の解き直しだけにし、計画を完全に止めない形へ調整します。
よくある質問
学校の課題だけで十分ですか?
課題を自力で再現できているなら、追加教材を増やす必要はありません。空欄や同じ誤りが続く場合は、前提の確認問題を少量追加します。
先取りと復習はどちらを優先しますか?
次の授業を理解できる土台がある場合は先取りも有効です。直近答案で基本問題の誤答が続く場合は復習を優先します。
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