数学単元ガイド / 高校数学

数学IIの微分・積分|接線・最大最小・面積の解き方10問

数強塾のプロ講師陣

今日の一問
例題1:平均変化率と微分係数
f
(
x
)=
x
2
について、
x
=1から3までの平均変化率と、
x
=1での微分係数を求めてください。
例題2:整式の微分
f
(
x
)=2
x
3
-3
x
2
+4
x
-1を微分してください。
——さて、どこから手をつける?
答えと考え方は、この記事の中で順を追って解説します。

数学IIの微分は、整式で表された関数の変化率や接線の傾きを求める操作です。積分は微分の逆であり、定積分を使うと曲線と直線で囲まれた面積を計算できます。このページでは、平均変化率、微分係数、接線、増減・最大最小、不定積分、定積分、面積を例題10問で整理します。

平均変化率・微分係数・導関数

関数f(x)について、xaからbまで変化するときの平均変化率は、グラフ上の2点を結ぶ直線の傾きです。

{f(b)-f(a)}/(ba)

2点の間隔を0へ近づけた極限が、xaでの微分係数です。

f‘(a)=limh→0{f(ah)-f(a)}/h

各点の微分係数をxの関数として表したf‘(x)を導関数といいます。

関数 導関数
c 0
xn nxn-1
af(x)+bg(x) af‘(x)+bg‘(x)
最重要:微分係数は特定の点での数、導関数は各点の微分係数を表す関数です。

変化率と微分計算:例題1〜2

例題1:平均変化率と微分係数

f(x)=x2について、x=1から3までの平均変化率と、x=1での微分係数を求めてください。

解答と解説

平均変化率は、

{f(3)-f(1)}/(3-1)=(9-1)/2=4

導関数はf‘(x)=2xなので、

f‘(1)=2

したがって、平均変化率は4、微分係数は2です。

例題2:整式の微分

f(x)=2x3-3x2+4x-1を微分してください。

解答と解説

各項を別々に微分します。

f‘(x)=6x2-6x+4

定数-1の微分は0です。

接線の方程式

曲線yf(x)上の点(a, f(a))における接線は、傾きf‘(a)を使って表します。

yf(a)=f‘(a)(xa)

例題3:接線の方程式

曲線yx3-3x上のx=2における接線を求めてください。

解答と解説

接点のy座標は23-3·2=2です。導関数は3x2-3なので、接線の傾きは9です。

y-2=9(x-2)

したがって、y=9x-16です。

増減・極大・極小

導関数の符号 関数の動き
f‘(x)>0 増加
f‘(x)<0 減少
正から負へ変化 極大
負から正へ変化 極小

f‘(x)=0だけでは極値とは限りません。前後で符号が変化することを増減表で確認します。

増減と最大・最小:例題4〜5

例題4:極大・極小

f(x)=x3-3x2+2の増減と極値を求めてください。

解答と解説
f‘(x)=3x2-6x=3x(x-2)

符号はx<0で正、0<x<2で負、x>2で正です。したがって、

  • (-∞, 0)と(2, ∞)で増加
  • (0, 2)で減少

f(0)=2、f(2)=-2なので、x=0で極大値2、x=2で極小値-2です。

例題5:閉区間の最大値・最小値

f(x)=x3-3xの-2≦x≦2における最大値と最小値を求めてください。

解答と解説
f‘(x)=3x2-3=3(x-1)(x+1)

区間内の停留点はx=-1、1です。端点も含めて値を比較します。

x -2 -1 1 2
f(x) -2 2 -2 2

したがって、最大値2(x=-1、2)、最小値-2(x=-2、1)です。

不定積分と定積分

微分するとf(x)になる関数をf(x)の原始関数といい、その全体を不定積分で表します。

xndxxn+1/(n+1)+C (n≠-1)

不定積分では積分定数Cが必要です。定積分では原始関数F(x)を使い、F(b)-F(a)を計算します。

積分計算:例題6〜8

例題6:不定積分

∫(6x2-4x+3)dxを求めてください。

解答と解説

指数を1つ上げ、その指数で割ります。

2x3-2x2+3xC

微分すると6x2-4x+3へ戻ります。

例題7:導関数と1点から関数を決める

f‘(x)=3x2-4xf(1)=2のとき、f(x)を求めてください。

解答と解説

積分すると、

f(x)=x3-2x2C

f(1)=1-2+C=2よりC=3です。したがって、

f(x)=x3-2x2+3

です。

例題8:定積分

02(3x2-2x+1)dxを求めてください。

解答と解説

原始関数はx3x2xです。

[x3x2x]02=(8-4+2)-0=6

答えは6です。

定積分と面積

面積は必ず0以上です。曲線がx軸より下にある区間では符号を反転し、2曲線では「上の関数-下の関数」を積分します。交点で上下関係が変わる場合は区間を分けます。

面積:例題9〜10

例題9:曲線とx軸で囲まれた面積

放物線yx2-4とx軸で囲まれた面積を求めてください。

解答と解説

交点はx=-2、2です。この区間では放物線がx軸より下なので、

S=∫-22{4-x2}dx
=[4xx3/3]-22=32/3

したがって、面積は32/3です。

例題10:2曲線で囲まれた面積

曲線yxyx2で囲まれた面積を求めてください。

解答と解説

交点はx=0、1です。0<x<1ではxx2なので、

S=∫01(xx2)dx
=[x2/2-x3/3]01=1/6

したがって、面積は1/6です。

10問の答えと判断ポイント

番号 答え 判断ポイント
1 4、2 2点の傾きと1点の接線傾き
2 6x2-6x+4 項別に微分
3 y=9x-16 接点と傾き
4 極大値2、極小値-2 導関数の前後の符号
5 最大2、最小-2 停留点と端点を比較
6 2x3-2x2+3xC 積分定数
7 x3-2x2+3 条件からCを決める
8 6 上端の値-下端の値
9 32/3 x軸-曲線
10 1/6 上の曲線-下の曲線

よくある誤りと直し方

誤り 直し方
微分係数と導関数を同じものとする 微分係数は数、導関数はxの関数と区別する
f‘(x)=0なら必ず極値とする 前後で符号が変わるか確認する
閉区間で停留点だけ調べる 両端の値も比較する
不定積分でCを書かない 微分で消える定数分を必ず付ける
面積を負の定積分のまま答える グラフを描き、上-下を積分する

学習順と関連ページ

  1. 本記事の例題1〜5で、微分・接線・増減を固めます。
  2. 例題6〜10で、積分計算と面積を確認します。
  3. 6分の1公式の証明と使い方で、放物線と直線の面積を速く求める方法を学びます。
  4. 数学IIの総復習15題の問題14〜15で定着を確認します。
  5. 数学IIIでは、微分法積分法へ進み、三角・指数・対数関数や置換・部分積分を扱います。

よくある質問

微分と積分は何を求める操作ですか。

微分は瞬間の変化率や接線の傾きを求めます。積分は微分の逆で、定積分は符号付きの面積を表します。面積として使うときはグラフの上下を確認します。

微分係数と導関数の違いは何ですか。

微分係数は特定の点における接線の傾きという数です。導関数は、各点の微分係数をまとめて表した関数です。

定積分が負になったら面積も負ですか。

面積は負になりません。定積分が負なのは、関数が基準となる直線より下にあるためです。面積では上の関数から下の関数を引きます。

数学IIと数学IIIの微分積分はどう違いますか。

数学IIでは主に整式を扱います。数学IIIでは三角・指数・対数関数、積・商・合成関数の微分、置換積分・部分積分などへ範囲が広がります。

学習指導要領との対応

本記事は、文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編」の数学II「微分・積分の考え」に沿い、微分係数と導関数、関数の増減、原始関数・不定積分・定積分、面積を中心に構成しています。

文部科学省:高等学校学習指導要領解説 数学編 理数編(PDF)

数学IIの微分積分では、微分で傾きと増減を調べ、積分で元の関数や面積を求めます。接線は接点と傾き、最大最小は停留点と端点、面積は交点と上下関係を最初に確認します。計算後は、積分結果を微分して元へ戻るか、面積が正になっているかを検算しましょう。

要点辞典この単元の公式・定石・つまずきやすい所は 数学II・B・Cの要点辞典:積分法(数学II) にまとめてあります。

オンライン数学専門塾 数強塾|プロ講師のみ・完全1対1指導・中高一貫校対応

数強塾オンラインのご案内

体験授業に申し込む入塾受け入れ状況(残席)数学つまずき診断(無料)体験授業の事前案内保護者の方へ高1・高2の方へ医学部志望の方へ保護者様からの声料金・指導システム指導事例・合格実績大学受験 合格実績(集計ルール開示)数強塾グループの理念学校別の数学対策数学の勉強法(記事一覧)数強塾プレミアム(映像授業)獣医学部専門コース鉄緑会・SAPIX等との併用サポート過去問解説・数学問題集情報Ⅰ・情報Ⅱ専門「情報ラボ」情報の過去問アーカイブ(無料PDF)解法テクニック事典(公式・裏ワザ)入試数学の定石(解き方の型・全27章)数学の要点辞典まとめ(中1〜数学III)中1数学の要点辞典(全7単元)中2数学の要点辞典(全6単元)中3数学の要点辞典(全8単元)数学I・Aの要点辞典(全9単元)数学II・B・Cの要点辞典(全12単元)数学IIIの要点辞典(全7単元)論理と証明の要点辞典(全8章)2026年 夏期講習会2026年 冬期講習会代表・藤原進之介について