数学IIの微分は、整式で表された関数の変化率や接線の傾きを求める操作です。積分は微分の逆であり、定積分を使うと曲線と直線で囲まれた面積を計算できます。このページでは、平均変化率、微分係数、接線、増減・最大最小、不定積分、定積分、面積を例題10問で整理します。
平均変化率・微分係数・導関数
関数f(x)について、xがaからbまで変化するときの平均変化率は、グラフ上の2点を結ぶ直線の傾きです。
2点の間隔を0へ近づけた極限が、x=aでの微分係数です。
各点の微分係数をxの関数として表したf‘(x)を導関数といいます。
| 関数 | 導関数 |
|---|---|
| c | 0 |
| xn | nxn-1 |
| af(x)+bg(x) | af‘(x)+bg‘(x) |
変化率と微分計算:例題1〜2
例題1:平均変化率と微分係数
解答と解説
平均変化率は、
導関数はf‘(x)=2xなので、
したがって、平均変化率は4、微分係数は2です。
例題2:整式の微分
解答と解説
各項を別々に微分します。
定数-1の微分は0です。
接線の方程式
曲線y=f(x)上の点(a, f(a))における接線は、傾きf‘(a)を使って表します。
例題3:接線の方程式
解答と解説
接点のy座標は23-3·2=2です。導関数は3x2-3なので、接線の傾きは9です。
したがって、y=9x-16です。
増減・極大・極小
| 導関数の符号 | 関数の動き |
|---|---|
| f‘(x)>0 | 増加 |
| f‘(x)<0 | 減少 |
| 正から負へ変化 | 極大 |
| 負から正へ変化 | 極小 |
f‘(x)=0だけでは極値とは限りません。前後で符号が変化することを増減表で確認します。
増減と最大・最小:例題4〜5
例題4:極大・極小
解答と解説
符号はx<0で正、0<x<2で負、x>2で正です。したがって、
- (-∞, 0)と(2, ∞)で増加
- (0, 2)で減少
f(0)=2、f(2)=-2なので、x=0で極大値2、x=2で極小値-2です。
例題5:閉区間の最大値・最小値
解答と解説
区間内の停留点はx=-1、1です。端点も含めて値を比較します。
| x | -2 | -1 | 1 | 2 |
|---|---|---|---|---|
| f(x) | -2 | 2 | -2 | 2 |
したがって、最大値2(x=-1、2)、最小値-2(x=-2、1)です。
不定積分と定積分
微分するとf(x)になる関数をf(x)の原始関数といい、その全体を不定積分で表します。
不定積分では積分定数Cが必要です。定積分では原始関数F(x)を使い、F(b)-F(a)を計算します。
積分計算:例題6〜8
例題6:不定積分
解答と解説
指数を1つ上げ、その指数で割ります。
微分すると6x2-4x+3へ戻ります。
例題7:導関数と1点から関数を決める
解答と解説
積分すると、
f(1)=1-2+C=2よりC=3です。したがって、
です。
例題8:定積分
解答と解説
原始関数はx3-x2+xです。
答えは6です。
定積分と面積
面積は必ず0以上です。曲線がx軸より下にある区間では符号を反転し、2曲線では「上の関数-下の関数」を積分します。交点で上下関係が変わる場合は区間を分けます。
面積:例題9〜10
例題9:曲線とx軸で囲まれた面積
解答と解説
交点はx=-2、2です。この区間では放物線がx軸より下なので、
したがって、面積は32/3です。
例題10:2曲線で囲まれた面積
解答と解説
交点はx=0、1です。0<x<1ではx>x2なので、
したがって、面積は1/6です。
10問の答えと判断ポイント
| 番号 | 答え | 判断ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 4、2 | 2点の傾きと1点の接線傾き |
| 2 | 6x2-6x+4 | 項別に微分 |
| 3 | y=9x-16 | 接点と傾き |
| 4 | 極大値2、極小値-2 | 導関数の前後の符号 |
| 5 | 最大2、最小-2 | 停留点と端点を比較 |
| 6 | 2x3-2x2+3x+C | 積分定数 |
| 7 | x3-2x2+3 | 条件からCを決める |
| 8 | 6 | 上端の値-下端の値 |
| 9 | 32/3 | x軸-曲線 |
| 10 | 1/6 | 上の曲線-下の曲線 |
よくある誤りと直し方
| 誤り | 直し方 |
|---|---|
| 微分係数と導関数を同じものとする | 微分係数は数、導関数はxの関数と区別する |
| f‘(x)=0なら必ず極値とする | 前後で符号が変わるか確認する |
| 閉区間で停留点だけ調べる | 両端の値も比較する |
| 不定積分でCを書かない | 微分で消える定数分を必ず付ける |
| 面積を負の定積分のまま答える | グラフを描き、上-下を積分する |
学習順と関連ページ
- 本記事の例題1〜5で、微分・接線・増減を固めます。
- 例題6〜10で、積分計算と面積を確認します。
- 6分の1公式の証明と使い方で、放物線と直線の面積を速く求める方法を学びます。
- 数学IIの総復習15題の問題14〜15で定着を確認します。
- 数学IIIでは、微分法と積分法へ進み、三角・指数・対数関数や置換・部分積分を扱います。
よくある質問
微分と積分は何を求める操作ですか。
微分は瞬間の変化率や接線の傾きを求めます。積分は微分の逆で、定積分は符号付きの面積を表します。面積として使うときはグラフの上下を確認します。
微分係数と導関数の違いは何ですか。
微分係数は特定の点における接線の傾きという数です。導関数は、各点の微分係数をまとめて表した関数です。
定積分が負になったら面積も負ですか。
面積は負になりません。定積分が負なのは、関数が基準となる直線より下にあるためです。面積では上の関数から下の関数を引きます。
数学IIと数学IIIの微分積分はどう違いますか。
数学IIでは主に整式を扱います。数学IIIでは三角・指数・対数関数、積・商・合成関数の微分、置換積分・部分積分などへ範囲が広がります。
学習指導要領との対応
本記事は、文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 数学編 理数編」の数学II「微分・積分の考え」に沿い、微分係数と導関数、関数の増減、原始関数・不定積分・定積分、面積を中心に構成しています。
数学IIの微分積分では、微分で傾きと増減を調べ、積分で元の関数や面積を求めます。接線は接点と傾き、最大最小は停留点と端点、面積は交点と上下関係を最初に確認します。計算後は、積分結果を微分して元へ戻るか、面積が正になっているかを検算しましょう。
要点辞典この単元の公式・定石・つまずきやすい所は 数学II・B・Cの要点辞典:積分法(数学II) にまとめてあります。

