中2数学の確率では、起こり得る結果が同様に確からしいとき、ある事柄が起こる場合の数を全ての場合の数で割ります。公式を使う前に、結果を漏れなく重複なく整理し、それぞれが本当に同じ起こりやすさかを確かめることが大切です。
確率とは
同じ条件で何度も行える実験や操作を試行といいます。さいころを1回投げる、硬貨を2枚投げる、袋から玉を1個取り出す、といった操作です。
試行の結果として考える事柄を事象といいます。さいころで「偶数の目が出る」、2枚の硬貨で「表がちょうど1枚出る」などです。
ある事象が起こる程度を0以上1以下の数で表したものが確率です。
- 決して起こらない事象の確率は0。
- 必ず起こる事象の確率は1。
- 確率が大きいほど起こりやすい。
同様に確からしいとは
いくつかの結果について、どの結果も同じ程度に起こると考えられるとき、それらは同様に確からしいといいます。
| 試行 | 同様に確からしい結果 | 注意 |
|---|---|---|
| 公平な6面さいころ | 1、2、3、4、5、6の各目 | 形や重心に偏りがないと考える |
| 公平な硬貨 | 表、裏 | 表裏が同じ確率と考える |
| よく混ぜた同じ大きさの玉 | 個々の玉 | 色ではなく1個1個の玉が同様に確からしい |
| 面積の異なるルーレット | 各色とは限らない | 面積が違えば止まりやすさも違う |
場合の数から確率を求める公式
起こり得る全ての結果が同様に確からしく、全部でn通りあり、そのうち事象Aが起こる結果がm通りなら、
この公式を使う前に、次の三点を確認します。
- 全ての場合を漏れなく挙げたか。
- 同じ場合を重複して数えていないか。
- 数えた一つ一つの場合が同様に確からしいか。
さいころ1個の確率
例1:偶数の目が出る確率
公平な6面さいころを1回投げます。全ての結果は{1, 2, 3, 4, 5, 6}の6通りで、同様に確からしいと考えます。
偶数は{2, 4, 6}の3通りです。
答え:1/2
「6より大きい目」のように起こる場合が0通りなら確率は0、「6以下の目」のように全6通りが当てはまるなら確率は1です。
硬貨2枚の確率
例2:表がちょうど1枚出る確率
区別できる公平な硬貨A、Bを1回ずつ投げます。表をH、裏をTとすると、順序付きの結果は次の4通りです。
表がちょうど1枚なのはHTとTHの2通りです。
答え:1/2
袋から玉を1個取り出す確率
例3:色ごとの個数が異なる
同じ大きさの赤玉3個、青玉2個をよく混ぜ、1個取り出します。個々の玉をR1、R2、R3、B1、B2と区別して考えると、同様に確からしい結果は5通りです。
P(青)=2/5
二つの確率の和は3/5+2/5=1です。
二つのさいころの確率
色の違う2個の公平なさいころを投げるとき、結果は(1個目, 2個目)の順序付きの組で表します。各さいころに6通りあるので、全ての場合は6×6=36通りです。
例4:出た目の和が7
和が7になる組は、
の6通りです。
答え:1/6
「和が2」から「和が12」まで11種類あるから各1/11、とはなりません。例えば和が2は(1, 1)の1通り、和が7は6通りで、和の種類は同様に確からしくないからです。
起こらない確率を使う
事象Aが起こる場合と起こらない場合を合わせると全ての場合になるため、
「少なくとも一つ」の問題は、その反対である「一つもない」を先に求めると短くなることがあります。
例5:2個のさいころで少なくとも一つ6が出る
反対の事象は「どちらのさいころも6ではない」です。各さいころで6以外は5通りなので、二つとも6以外の結果は5×5=25通りです。
P(少なくとも一つ6)=1-25/36=11/36
答え:11/36
直接数えると、1個目が6の6通りと2個目が6の6通りから、(6, 6)の重複1通りを引いて6+6-1=11通りです。
カードの確率
例6:1から10までのカード
1から10までの数字を1枚ずつ書いた同じ大きさのカード10枚から、1枚を無作為に選びます。素数が出る確率を求めます。
1から10までの素数は2、3、5、7の4個です。1は素数ではありません。
答え:2/5
理論上の確率と相対度数
| 考え方 | 求め方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 理論上の確率 | 同様に確からしい場合の数から計算 | 公平なさいころなど、仕組みから求める |
| 実験による相対度数 | 起こった回数÷試行回数 | 試行ごとに変動するが、多数回で安定する傾向がある |
公平な硬貨の表の理論上の確率は1/2ですが、10回投げて必ず5回表になるわけではありません。試行回数を多くすると、表の相対度数が1/2に近い値で安定する傾向があります。
理論値と実験値が違っても、直ちに計算が誤りとは限りません。ただし、多数回行っても大きな偏りが続くなら、硬貨や投げ方が公平かを検討します。
場合を整理する方法
試行が二段階以上になるときは、頭の中だけで数えず、次の方法を使います。
- 樹形図:一段階目から枝を分け、次の結果を全てつなぐ。
- 二次元の表:二つのさいころや二人の選択を行と列で組み合わせる。
- 順序付きの組:(1個目, 2個目)のように順序を明示する。
詳しい整理手順は、樹形図と表で確率を求める方法で確認できます。
よくある誤りと直し方
| 誤り | 直し方 |
|---|---|
| 結果の種類数だけで分母を決める | 同様に確からしい基本結果へ分ける |
| 赤玉と青玉の2色だから各1/2 | 同じ大きさの個々の玉を基本結果として数える |
| HTとTHを同じ一通りにする | 硬貨や試行を区別し、順序付きで結果を表す |
| 二さいころの和11種類を同様に確からしいとする | 36通りの順序付きの組から、条件に合う組を数える |
| 少なくとも一つを、ちょうど一つと読む | 少なくとも一つは1個以上で、2個とも該当する場合も含む |
| 確率1/2なら2回に1回必ず起こる | 長期的な起こりやすさであり、短い試行の並びを保証しない |
確認問題
- 公平な6面さいころを1回投げるとき、4より大きい目が出る確率を求めましょう。
- 公平な6面さいころを1回投げるとき、4より大きい目が出ない確率を求めましょう。
- 公平な硬貨2枚を投げるとき、少なくとも1枚が表になる確率を求めましょう。
- 色の違う公平なさいころ2個を投げるとき、目の和が8になる確率を求めましょう。
- 1から10までのカードから1枚を無作為に選ぶとき、素数が出る確率を求めましょう。
- 同じ大きさの白玉4個、黒玉1個から1個を無作為に取り出すとき、黒玉の確率と黒玉でない確率を求めましょう。
- 2個のさいころの目の和について、「2から12まで11種類だから、和が7の確率は1/11」とする考えが誤りである理由を答えましょう。
- 公平な硬貨を10回投げたとき、表が4回でした。理論上の確率と実験での表の相対度数をそれぞれ答えましょう。
確認問題の解答と考え方
- 5、6の2通りなので2/6=1/3です。
- 1-1/3=2/3です。直接数えると1、2、3、4の4通りで4/6=2/3です。
- HH、HT、TH、TTのうち、TT以外の3通りなので3/4です。
- (2, 6)、(3, 5)、(4, 4)、(5, 3)、(6, 2)の5通りなので5/36です。
- 素数は2、3、5、7の4枚なので4/10=2/5です。
- 黒玉は1/5、黒玉でない確率は4/5です。和は1です。
- 和ごとの起こり方は同様に確からしくないからです。和2は(1, 1)の1通り、和7は6通りあります。
- 理論上の確率は1/2、実験での相対度数は4/10=0.4です。
まとめ
- 確率は0以上1以下で、決して起こらない事象は0、必ず起こる事象は1。
- 場合の数から求める公式は、各結果が同様に確からしいときに使う。
- 全ての場合を漏れなく重複なく整理し、条件に合う場合を数える。
- 色や和の種類ではなく、同様に確からしい個々の玉や順序付きの組を基本結果にする。
- 「少なくとも一つ」は、「一つもない」確率を1から引くと求めやすい。
- 理論上の確率と、有限回の実験で得る相対度数は区別する。
学習範囲の根拠
この記事は、文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」の第2学年「場合の数を基にして得られる確率」を基準に構成しています。同様に確からしい場合の確率、樹形図や表による整理、確率を用いた不確定な事象の考察を反映しています。正式な内容は、文部科学省の解説PDFで確認できます。
保護者の方へ:見守りのポイント
分数の答えだけでなく、「分母の一つ一つは同じ起こりやすさか」「なぜHTとTHを分けたか」を説明できるかをご確認ください。誤答した場合は公式を繰り返すより、硬貨やカードに名前を付けて全結果を書き出すと、数え方の条件が理解しやすくなります。
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