中3数学:毎日の数学 / 数学単元ガイド

中3数学|二次方程式の解き方 平方根・因数分解・解の公式【中3】(無料問題PDF)

解の公式は平方完成そのもの|平方根・因数分解・解の公式の使い分け|オンライン数学専門塾 数強塾

今日の一問
  1. x²=81を解きましょう。
  2. 3x²-12=0を解きましょう。
  3. x+2)²=5を解きましょう。
  4. x²-7x+12=0を解きましょう。
  5. 2x²-8x=0を解きましょう。
  6. 2x²-5x-3=0を解きましょう。
  7. x²+2x-7=0を解きましょう。
  8. 3x²+x-1=0を解きましょう。
  9. 連続する二つの正の整数の積が56です。この二つの整数を求めましょう。
  10. 縦より横が4cm長く、面積が60cm²の長方形があります。縦と横の長さを求めましょう。
——さて、どこから手をつける?
答えと考え方は、この記事の中で順を追って解説します。

二次方程式は、移項して「二次式=0」の形に整え、式の特徴に合う方法で解きます。平方根、因数分解、解の公式は別々の暗記項目ではありません。どの形なら、どの方法が安全で速いかを見分け、得られた値が問題の条件に合うかまで確認しましょう。

二次方程式とは

xについての方程式を整理したとき、次の形になるものを二次方程式といいます。

ax²+bxc=0 (a≠0)

abcは決まった数です。a=0では二次の項がなくなるため、二次方程式ではありません。

方程式を成り立たせるxの値をといい、その解を全て求めることを二次方程式を解くといいます。

例1:x²-5x+6=0の解を確かめる

x=2を代入すると、2²-5×2+6=4-10+6=0です。x=3でも、3²-5×3+6=9-15+6=0です。

したがって、2と3はどちらもこの方程式の解です。

最初に「右辺を0」に整える

因数分解や解の公式を使う前に、全ての項を一方へ移項し、右辺を0にします。同類項をまとめ、必要なら係数の共通因数で両辺を割ります。

2x²+5=7x
2x²-7x+5=0
係数abcを読むのは、ax²+bxc=0の形にしてからです。移項すると符号が変わることに注意します。

平方根を使って解く

x²=kの形なら、平方根の意味をそのまま使えます。

kの範囲 実数の範囲での解 解の個数
k>0 x=±√k 2個
k=0 x=0 1個
k<0 実数の解はない 0個

例2:x²=49

x=±√49=±7

答え:x=7、-7

x²=49からx=7だけを答えるのは誤りです。7²も(-7)²も49なので、正負の二つを答えます。

例3:2x²-18=0

2x²=18
x²=9
x=±3

答え:x=3、-3

xp)²=qの形を解く

左辺が二乗の形なら、かっこ全体を一つの数と見ます。

例4:(x-4)²=7

x-4=±√7
x=4±√7

答え:x=4+√7、4-√7

x-4)²を展開してから解くこともできますが、既に二乗の形なので、そのまま平方根を使うほうが簡潔です。

因数分解して解く

二つの数ABの積が0なら、少なくとも一方は0です。

AB=0ならば、A=0 または B=0

二次式を二つの一次式の積にできれば、それぞれを0とおいて解けます。

例5:x²-5x+6=0

x²-5x+6=0
x-2)(x-3)=0
x-2=0 または x-3=0
x=2、3

答え:x=2、3

例6:3x²+6x=0

左辺の共通因数3xをくくります。

3xx+2)=0
3x=0 または x+2=0
x=0、-2

答え:x=0、-2

3x²+6x=0の両辺をxで割ると、x=0という解を失います。xが0でないと分かっていない段階で、文字を含む式で両辺を割ってはいけません。

例7:2x²+x-3=0

(2x+3)(x-1)=0
2x+3=0 または x-1=0
x=-3/2、1

答え:x=1、-3/2

解の公式を使って解く

ax²+bxc=0(a≠0)の解は、次の公式で求められます。

x=(-b±√(b²-4ac))/(2a

「-b±根号全体」を「2a全体」で割ります。特に、bが負の数なら、-bは正になることに注意します。

例8:x²+4x-1=0

a=1、b=4、c=-1を代入します。

x=(-4±√(4²-4×1×(-1)))/2
=(-4±√20)/2
=(-4±2√5)/2
=-2±√5

答え:x=-2+√5、-2-√5

例9:3x²-2x-1=0

a=3、b=-2、c=-1です。

x=(-(-2)±√((-2)²-4×3×(-1)))/6
=(2±√16)/6
=(2±4)/6
x=1、-1/3

答え:x=1、-1/3

解の公式は平方完成から導ける

解の公式は、平方根を使える形へ変形すると導けます。a≠0なので、最初に両辺をaで割れます。

ax²+bxc=0
x²+(b/ax=-c/a
xb/(2a))²=(b²-4ac)/(4a²)
(2axb)²=b²-4ac
2axb=±√(b²-4ac
x=(-b±√(b²-4ac))/(2a

途中で、x²+(b/axに(b/(2a))²を加えて、完全な平方を作っています。この変形を平方完成といいます。

解の個数は根号の中で分かる

解の公式の根号内b²-4acの符号を見ると、実数の解の個数が分かります。高校数学では、この式を判別式といい、Dで表すことがあります。

b²-4ac 実数の解 理由
異なる2個 正の数の平方根が正負の二つある
0 1個 ±√0はどちらも0で、同じ解になる
ない 負の数の平方根は実数の範囲にない
中学校では実数の範囲で考えます。高校で複素数まで数の範囲を広げると、根号内が負の場合も解を扱えるようになります。

どの解き方を選ぶか

式の特徴 最初に試す方法
x²=k 平方根 x²=11
xp)²=q 平方根 x-2)²=5
簡単に因数分解できる 因数分解 x²-7x+12=0
因数分解をすぐ見つけにくい 解の公式 x²+2x-7=0
  1. 整理する:右辺を0にし、同類項をまとめる。
  2. 形を見る:平方根を直接使えるか、共通因数があるか、因数分解できるかを確認する。
  3. 解く:適した方法で、解を全て求める。
  4. 簡単にする:約分し、根号を簡単にする。
  5. 確かめる:元の方程式へ代入し、文章題では条件に合わない解を除く。

文章題では解を吟味する

例10:面積が40cm²の長方形

縦より横が3cm長い長方形の面積が40cm²です。縦をxcmとすると、横は(x+3)cmです。

xx+3)=40
x²+3x-40=0
x+8)(x-5)=0
x=-8、5

長さは正なので、x=-8は問題の条件に合いません。

答え:縦5cm、横8cm

例11:連続する二つの正の整数

連続する二つの正の整数の積が72です。小さい整数をnとします。

nn+1)=72
n²+n-72=0
n+9)(n-8)=0
n=-9、8

正の整数という条件からn=8を選びます。

答え:8と9

よくある誤りと直し方

誤り 直し方
x²=9からx=3だけ x=±3とし、負の解も答える
x-3)(x+2)=0からx=3、2 x+2=0の解は-2
xx-5)=0をxで割る x=0を失うので、各因数を0とおく
解の公式でbの符号を変え忘れる 係数をかっこ付きで書き、-bを計算する
分母を2だけにする 分母は2a全体
根号を簡単にせず終える √20=2√5のように平方数を外へ出し、約分する
文章題で得た解を全て採用する 長さ、個数、時間などの条件に合うかを確かめる

確認問題

  1. x²=81を解きましょう。
  2. 3x²-12=0を解きましょう。
  3. x+2)²=5を解きましょう。
  4. x²-7x+12=0を解きましょう。
  5. 2x²-8x=0を解きましょう。
  6. 2x²-5x-3=0を解きましょう。
  7. x²+2x-7=0を解きましょう。
  8. 3x²+x-1=0を解きましょう。
  9. 連続する二つの正の整数の積が56です。この二つの整数を求めましょう。
  10. 縦より横が4cm長く、面積が60cm²の長方形があります。縦と横の長さを求めましょう。
確認問題の解答と考え方
  1. x=±√81=±9なので、x=9、-9です。
  2. x²=4より、x=2、-2です。
  3. x+2=±√5より、x=-2+√5、-2-√5です。
  4. x-3)(x-4)=0より、x=3、4です。
  5. 2xx-4)=0より、x=0、4です。
  6. (2x+1)(x-3)=0より、x=-1/2、3です。
  7. 解の公式より(-2±√32)/2=-1±2√2です。
  8. 解の公式より、x=(-1±√13)/6です。
  9. 小さい整数をnとすると、nn+1)=56です。(n+8)(n-7)=0となり、正の整数という条件から7と8です。
  10. 縦をxcmとすると、xx+4)=60です。(x+10)(x-6)=0となり、長さの条件から縦6cm、横10cmです。

まとめ

  • 二次方程式はax²+bxc=0(a≠0)の形に整理できる方程式。
  • x²=kや(xp)²=qなら平方根を使う。
  • 因数分解できるときは、積が0なら少なくとも一方が0という性質を使う。
  • 因数分解しにくい二次方程式も、解の公式で解ける。
  • 解の公式は平方完成から導け、根号内の符号で実数解の個数が分かる。
  • 代入で検算し、文章題では数量の条件に合わない解を除く。

二次方程式の用語辞典では、定義と公式だけを短く確認できます。本記事は、解法の選択、導出、誤答、演習までを扱う単元ガイドです。

具体問題で解法を定着させる

計算・係数・図形・割合二次方程式の総合問題10題で、解法選択から半円の面積、不適解の吟味まで詳しく学べます。

売買・売上・球・食塩水二次方程式の文章題5題で、文字の置き方、割合の倍率、立式、単位、検算を一段ずつ確認できます。

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学習範囲の根拠

本記事は、文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」の第3学年「数と式」にある、二次方程式の必要性と意味、因数分解や平方の形、解の公式による解法、具体的な場面での活用に沿って構成しています。

前後の単元

前に学ぶ根号を含む式の計算で、解の公式に現れる根号の簡単化を確認できます。

全体像へ戻る中学数学の全単元一覧で、中3数と式の学習順を確認できます。

次に学ぶ関数yax²で、二乗に比例する関係を表・グラフ・変化の割合から学びます。

体系数学の「いかつい1問」を、段階を踏んで解く

中高一貫校で使われる体系数学から、2次方程式の発展問題(ax²+bx+c=0 が x=1/2, 1 を解にもつときの分数式の値)を、代入・比・同次式・カタマリ処理の4段階で完全解説しました。5つのカッコが1項に化ける「変装」の図解つきです。

▶ 【体系数学】2次方程式「x=1/2, 1 を解にもつとき、式の値を求めよ」を中2でも解けるまで徹底解説

図と計算でつかむ 26問ドリル(問題→答え→解説)

ここから下は、上の解説を手を動かして定着させるためのドリルです。やさしい順に5つのステップへ並べた26問を、問題のすぐ下に答えと解説をつけて置いています。この単元は計算が中心ですが、なぜ解が2つあるのか・平方完成が何をしているのかは図で見ると一度で腑に落ちるので、そこに7点の図をつけました。答えはすべて解の公式で解き直したうえ、もとの式に代入して0になることまで確かめています。上から順に、1問ずつ自分で解いてから答えを見てください。

こんな間違いをした 本当の原因 戻る場所
x²=9 で x=3 だけ答えた ±を忘れている STEP1・問2
(x−2)(x−3)=6 から x−2=6 とした AB=0 の性質を0以外で使っている STEP1・問4
2x²=18 のまま√を取ってしまう x²の係数を1にしていない STEP2・問6
平方完成で足す数が分からない 「係数の半分の2乗」を知らない STEP2・問9
3x²+6x=0 で x=0 を落とす 両辺を x で割ってしまっている STEP3・問13
解の公式で符号を落とす b² − 4ac を先に計算していない STEP4・問17
(−4 ± √5)/2 を −2 ± √5 とした 分子の一部だけ約分している STEP4・問18
文章題で負の解も答えてしまう 解の吟味をしていない STEP5・問25

STEP1 二次方程式と解

まず解が2つあることに慣れます。一次方程式は解が1つでしたが、二次方程式はふつう2つです。

このステップのゴール:解の意味を理解し、確かめ算ができる

問 1二次方程式とは

二次方程式とはどんな方程式ですか。

答え移項して整理すると ax² + bx + c = 0(a ≠ 0)の形になる方程式

解説

x の2乗が出てくる方程式です。

ax² + bx + c = 0 (a ≠ 0)

解くときのいちばん最初の作業は、右辺を0にすることです。

x² = 3x + 4 → x² − 3x − 4 = 0

この形に直さないと、因数分解も解の公式も使えません。

a ≠ 0 が条件です。a=0 だと x² が消えて一次方程式になります。

問 2解が2つあるのはなぜか

x² = 9 の解を求めなさい。また、解が2つになる理由を説明しなさい。

x² = 9 の解が2つある理由xyOy=x²(-3, 9)(3, 9)y=9交点が2つある → x=3 と x=−3 の2つの解-4-22424681012
y=x² と y=9 が2点で交わる

答えx = 3、−3。2乗して9になる数が2つあるから

解説

2乗して9になる数は、3 と −3 の2つあります。

x = ±3

グラフで見ると、y=x² と y=9 が2点で交わっていることにあたります。

x=3 だけ答えて −3 を落とすのが、この単元で最初につまずくところです。

√ を使って書くときも同じで、

x² = 5 → x = ±√5

と、必ず ± をつけてください。

問 3解を確かめる

x = 2 と x = 3 が x² − 5x + 6 = 0 の解であることを確かめなさい。

答えどちらも代入すると 0 になるので、解である

解説

代入して左辺が0になるかを見ます。

x = 2 のとき 2² − 5×2 + 6 = 4 − 10 + 6 = 0 (○)x = 3 のとき 3² − 5×3 + 6 = 9 − 15 + 6 = 0 (○)

どちらも 0 になったので、2つとも解です。

この確かめ算を必ずやってください。二次方程式は符号のミスが起きやすく、検算なしでは気づけません。

とくに負の数を代入するときは、(−4)² = 16 のようにかっこをつけて計算します。

問 4AB=0 の考え方

(x − 2)(x − 3) = 0 のとき、x はいくつになりますか。理由も答えなさい。

答えx = 2 または x = 3。かけて0になるのは、どちらかが0のときだから

解説

2つの数をかけて0になるのは、少なくとも一方が0のときだけです。

AB = 0 ならば A = 0 または B = 0

だから、

x − 2 = 0 または x − 3 = 0x = 2 または x = 3

これが因数分解で解ける理由のすべてです。

注意:(x−2)(x−3) = 6 のときに x−2=6 とはできません。0 のときだけ使える性質です。右辺を0にしてから因数分解してください。

問 5右辺を0にする

x² = 4x − 3 を、解く準備の形に直しなさい。

答えx² − 4x + 3 = 0

解説

右辺のものを、すべて左辺へ移項します。

x² = 4x − 3x² − 4x + 3 = 0

移項したら符号が変わることに注意してください。−3 を移項すると +3 になります。

この形にしてはじめて、因数分解や解の公式が使えます。

x² の係数が負のときは、全体に −1 をかけて正にしておくと、そのあとの計算が楽になります。

STEP2 平方根を使って解く

x² = □ や (x − p)² = □ の形なら、因数分解も公式も要りません。ルートを取るだけです。

このステップのゴール:平方根で解ける形を見分けて、素早く解ける

問 6x²=k の形

2x² − 18 = 0 を解きなさい。

答えx = 3、−3

解説

x² だけの形に整理します。

2x² = 18x² = 9x = ±3

よって x = 3、−3 です。

両辺を2で割るのを忘れないでください。2x²=18 のまま √ を取ることはできません。

x² の係数を1にしてから、平方根を取ります。

問 7答えが無理数になる場合

x² − 5 = 0 を解きなさい。

答えx = √5、−√5

解説

x² = 5x = ±√5

よって x = ±√5 です。

√5 は割り切れないので、そのまま答えます。2.236… と小数にする必要はありません。

√ の中が平方数のときだけ整数になります。√9=3 のように簡単にできないか、必ず確かめてください。

平方根の計算そのものは 平方根 にまとめてあります。

問 8(x−p)²=q の形

(x − 4)² = 7 を解きなさい。

答えx = 4 + √7、4 − √7

解説

かっこの中をひとかたまりと見て、平方根を取ります。

x − 4 = ±√7x = 4 ± √7

よって x = 4 ± √7 です。

展開してはいけません。(x−4)² を x²−8x+16 に展開すると、かえって遠回りになります。

( )² = 数 の形を見たら、そのままルートを取る——これがいちばん速い解き方です。

問 9平方完成の意味

x² + 6x を (x + 3)² の形に近づけるには、何が足りませんか。

平方完成の面積図 x²+6x は正方形に9足りない3x3x9x3x3x² + 6x = (x+3)² − 9
x²+6x は、正方形にするのに9足りない

答え9 が足りない(x² + 6x = (x + 3)² − 9)

解説

図で見ると分かりやすくなります。

1辺 x の正方形と、3×x の長方形2つを合わせても、右上の 3×3 のマスが空いています

(x + 3)² = x² + 6x + 9

だから、

x² + 6x = (x + 3)² − 9

足す数は「x の係数の半分の2乗」です。

6 ÷ 2 = 3 → 3² = 9

この操作を平方完成といいます。これができると、どんな二次方程式も ( )²=数 の形にできます。

問 10平方完成して解く

x² + 6x − 7 = 0 を、平方完成して解きなさい。

答えx = 1、−7

解説

定数項を右へ移します。

x² + 6x = 7

両辺に 9 を足して、左辺を正方形にします。

x² + 6x + 9 = 7 + 9(x + 3)² = 16x + 3 = ±4x = −3 ± 4

よって x = 1、−7 です。

右辺にも同じ数を足すのを忘れないでください。片方だけに足すと別の式になります。

STEP3 因数分解して解く

左辺が因数分解できるなら、これがいちばん速い解き方です。まず因数分解を試すのが基本になります。

このステップのゴール:因数分解できる形を見つけて解ける

問 11因数分解の形の意味

(x + 2)(x + 3) を展開すると、どんな式になりますか。また、5 と 6 はどこから来ますか。

因数分解の面積図 (x+2)(x+3) = x²+5x+62x3x6x2x3(x+2)(x+3) = x² + 5x + 6
(x+2)(x+3) を4つの面積に分けて見る

答えx² + 5x + 6。5 は 2+3、6 は 2×3 から来る

解説

図で見ると、4つの部分に分かれます。

x × x
2x2 × x
3x3 × x
62 × 3

x² + 2x + 3x + 6 = x² + 5x + 6

x の係数は2数の和、定数項は2数の積です。

2 + 3 = 5  2 × 3 = 6

だから因数分解では「たして5、かけて6になる2数」を探します。

問 12基本の因数分解

x² − 5x + 6 = 0 を解きなさい。

答えx = 2、3

解説

たして −5、かけて 6 になる2数を探します。

かけて6になるのは (1, 6)(2, 3)(−1, −6)(−2, −3)。このうちたして −5 になるのは −2 と −3 です。

x² − 5x + 6 = (x − 2)(x − 3)(x − 2)(x − 3) = 0x = 2 または x = 3

よって x = 2、3 です。

かけて正・たして負なら、2数はどちらも負です。符号の当たりをつけてから探すと速くなります。

問 13共通因数がある場合

3x² + 6x = 0 を解きなさい。

答えx = 0、−2

解説

定数項がないので、共通因数でくくります

3x(x + 2) = 03x = 0 または x + 2 = 0x = 0 または x = −2

よって x = 0、−2 です。

x=0 を落とす人がとても多いです。両辺を x で割って x+2=0 としてしまうと、x=0 が消えてしまいます。

0 で割ることはできないので、x で割ってはいけません。必ずくくります。

問 14x²の係数が1でない場合

2x² + x − 3 = 0 を解きなさい。

答えx = 1、−3/2

解説

たすきがけで因数分解します。

2x² + x − 3 = (2x + 3)(x − 1)

確かめてみます。

(2x + 3)(x − 1) = 2x² − 2x + 3x − 3 = 2x² + x − 3 (○)(2x + 3)(x − 1) = 02x + 3 = 0 → x = −3/2x − 1 = 0 → x = 1

よって x = 1、−3/2 です。

因数分解できたら必ず展開して確かめること。たすきがけは組み合わせを間違えやすいので、10秒の確認が効きます。

問 15因数分解できるか見分ける

因数分解で解けるかどうかは、どう判断すればよいですか。

答え定数項の約数の組で、和が x の係数になるものがあるかを探す

解説

手順はこうです。

1定数項をかけ算で分ける(約数の組を書き出す)
2その中に、たして x の係数になる組があるか見る
3なければ解の公式へ

たとえば x² + 4x − 1 = 0 では、かけて −1 になるのは (1, −1) だけ。たすと 0 で、4 になりません。

だからこれは因数分解では解けません。解の公式を使います。

30秒探して見つからなければ、公式に切りかえる——これくらいの割り切りでちょうどよいです。

STEP4 解の公式を使う

因数分解できないときの最終手段です。どんな二次方程式でも必ず解けます。

このステップのゴール:解の公式を正確に使い、約分まで終えられる

問 16解の公式

ax² + bx + c = 0 の解を求める公式を書きなさい。

答えx = (−b ± √(b² − 4ac)) ÷ 2a

解説

x = ( −b ± √(b² − 4ac) ) / 2a

この公式は、平方完成を一般の形でやった結果です。覚えるものではありますが、導けるものでもあります。

使うときの手順は3つです。

1a、b、c を符号ごと書き出す
2b² − 4ac を先に計算する
3代入して、最後に約分する

b² − 4ac を先に計算するのが、ミスを減らすコツです。全部を一度に代入すると、符号を落とします。

問 17公式で解く

x² + 4x − 1 = 0 を解きなさい。

答えx = −2 + √5、−2 − √5

解説

a=1、b=4、c=−1 です。まず根号の中を計算します。

b² − 4ac = 4² − 4×1×(−1) = 16 + 4 = 20

代入して、

x = (−4 ± √20) / 2

√20 を簡単にします。

√20 = √(4×5) = 2√5x = (−4 ± 2√5) / 2 = −2 ± √5

よって x = −2 ± √5 です。

√ を簡単にしてから約分するのが順番です。(−4 ± √20)/2 のままだと約分できません。

問 18約分でつまずかない

(−4 ± 2√5) ÷ 2 を約分しなさい。また、(−4 ± √5) ÷ 2 は約分できますか。

答え前者は −2 ± √5。後者は約分できない

解説

分子の全部の項を割れるときだけ約分できます。

(−4 ± 2√5) / 2 = −2 ± √5 (○ 4も2√5も2で割れる)(−4 ± √5) / 2  (× √5 は2で割れない)

後者はこのままが答えです。

−4 だけ約分して (−2 ± √5)/2 とするのは誤りです。分子の一部だけを割ることはできません。

2でくくれるかどうかを先に見てください。

問 19係数が負のとき

3x² − 2x − 1 = 0 を解きなさい。

答えx = 1、−1/3

解説

a=3、b=−2、c=−1 です。符号ごと書き出すのが大事です。

b² − 4ac = (−2)² − 4×3×(−1) = 4 + 12 = 16x = (2 ± √16) / 6 = (2 ± 4) / 6x = 6/6 = 1 または x = −2/6 = −1/3

よって x = 1、−1/3 です。

−b は「2」です。b=−2 なので −b=2。ここで符号を落とす人が多いところです。

根号の中が平方数になったときは、因数分解でも解けたはずだと気づけるとよいです。

問 20どの解き方を選ぶか

二次方程式を解くとき、3つの解き方をどう使い分けますか。

答え① ( )²=数 の形なら平方根 ② 因数分解できるなら因数分解 ③ できなければ解の公式

解説

平方根x²=k、(x−p)²=q の形。いちばん速い
因数分解整数で分けられるとき。次に速い
解の公式いつでも使える。少し手間

判断の順番は、形を見る → 因数分解を試す → 公式です。

x² の項と定数項だけなら平方根、定数項がないなら共通因数でくくる、と決めておくと迷いません。

公式は「最後の手段」ですが、負けではありません。確実に解けるほうが、悩んで時間を使うより得です。

解き方の選び分けは 二次方程式の解法パターン全10型 にもまとめてあります。

STEP5 解の個数と文章題

最後に、解が2つとは限らないことと、文章題での「解の吟味」を扱います。

このステップのゴール:解の個数を判断し、文章題で答えを選べる

問 21解が2つのとき

x² − 4x + 3 = 0 の根号の中を計算し、解の個数を答えなさい。

解が2つのとき x²−4x+3=0xyO13根号の中が正(16−12=4) → x軸と2点で交わる → 解は2つ-2-1245-3-2123456
x軸と2点で交わる → 解は2つ

答え根号の中は 4。解は2つ

解説

b² − 4ac = (−4)² − 4×1×3 = 16 − 12 = 4

根号の中がなので、± で2つの解ができます。

x = (4 ± 2) / 2 = 3 または 1

グラフで見ると、放物線がx軸と2点で交わっています。その交点の x 座標が解です。

根号の中の符号を見るだけで、解の個数が分かります。計算する前に見当をつけられるので便利です。

問 22解が1つのとき

x² − 4x + 4 = 0 の根号の中を計算し、解の個数を答えなさい。

解が1つのとき x²−4x+4=0xyO2根号の中が0(16−16=0) → x軸と1点で接する → 解は1つ-2-11345-3-2123456
x軸に1点で接する → 解は1つ

答え根号の中は 0。解は1つ

解説

b² − 4ac = (−4)² − 4×1×4 = 16 − 16 = 0

根号の中が0なので、± をつけても同じ値になります。

x = (4 ± 0) / 2 = 2

解は x = 2 の1つだけです。

因数分解すると理由が見えます。

x² − 4x + 4 = (x − 2)² = 0

同じ因数が2回出てくるので、解も重なります。これを重解といいます。

グラフでは、放物線がx軸に接している状態です。

問 23解がないとき

x² − 4x + 6 = 0 の根号の中を計算し、解の個数を答えなさい。

解がないとき x²−4x+6=0xyO根号の中が負(16−24=−8) → x軸と交わらない → 解なし-2-112345-3-2123456
x軸と交わらない → 解なし

答え根号の中は −8。解はない

解説

b² − 4ac = (−4)² − 4×1×6 = 16 − 24 = −8

根号の中がになりました。

2乗して負になる数は(中学の範囲では)ありませんので、√(−8) は計算できません。

したがって 解はありません

グラフでは、放物線がx軸と交わっていません。だから交点=解が存在しないのです。

根号の中が負になったら、計算ミスを疑う前に「解なし」を疑ってください。

問 24文章題で式を立てる

たてより横が3cm長い長方形があり、面積が40cm²です。たての長さを x cm として方程式を立てなさい。

文章題 x(x+3)=40 の図面積 40cm²x + 3xx(x+3) = 40 → x² + 3x − 40 = 0
たて x、横 x+3、面積 40

答えx(x + 3) = 40

解説

たてが x cm なら、横は x+3 cm です。

面積 = たて × 横x(x + 3) = 40

解く形に直すと、

x² + 3x − 40 = 0

図をかいてから式を立てると、たてと横を取り違えません。

文章題のいろいろな型は 二次方程式の文章題 にあります。

問 25解の吟味

前問の方程式 x² + 3x − 40 = 0 を解き、長方形のたての長さを答えなさい。

答え5cm

解説

因数分解して解きます。たして3、かけて −40 は 8 と −5。

(x + 8)(x − 5) = 0x = −8 または x = 5

ここで両方を答えてはいけません

x は長さなので、負の数にはなりません

x = −8 は問題に合わない

よってたての長さは 5cm です。

確かめると、横は 5+3=8cm、面積は 5×8=40cm² で合っています。

文章題では、方程式の解がそのまま答えとは限らない。最後に必ず「問題に合うか」を確かめてください。

問 26連続する2つの整数

連続する2つの正の整数があり、その積が 56 です。この2つの整数を求めなさい。

答え7 と 8

解説

小さいほうを x とすると、大きいほうは x+1 です。

x(x + 1) = 56x² + x − 56 = 0

たして1、かけて −56 は 8 と −7。

(x + 8)(x − 7) = 0x = −8 または x = 7

正の整数という条件があるので、x=−8 は合いません。

x = 7 → 7 と 8

確かめると 7×8 = 56 で合っています。

「連続する整数」は x と x+1 と置くのが定石です。3つなら x−1、x、x+1 とまん中を x にすると計算が軽くなります。

仕上げの追加演習

ここまでの解き方が身についたかを確かめる問題です。ドリルと同じ形で数だけ変えてあります。答えは下にまとめてあるので、手でかくして解いてから見てください。

追加演習 10問

解き方がわからなくなったら、上のドリルの同じステップに戻ってください。

  1. x² = 16 を解きなさい。
  2. 3x² − 27 = 0 を解きなさい。
  3. (x − 2)² = 5 を解きなさい。
  4. x² − 6x + 5 = 0 を解きなさい。
  5. x² + 2x − 8 = 0 を解きなさい。
  6. x² − 7x = 0 を解きなさい。
  7. 2x² + 5x + 2 = 0 を解きなさい。
  8. x² + 2x − 4 = 0 を解きなさい。
  9. x² − 2x + 5 = 0 の解の個数を答えなさい。
  10. x² + 6x + 9 = 0 の解の個数を答えなさい。

答え(1) x = 4、−4 (2) x = 3、−3 (3) x = 2 ± √5 (4) x = 1、5 (5) x = 2、−4 (6) x = 0、7 (7) x = −1/2、−2 (8) x = −1 ± √5 (9) 解はない (10) 解は1つ

追加演習 もう10問

上の10問が解けたら、こちらへ。同じ型で、数だけ変えてあります。

  1. x² = 49 を解きなさい。
  2. 2x² − 32 = 0 を解きなさい。
  3. (x + 3)² = 7 を解きなさい。
  4. x² − 8x + 12 = 0 を解きなさい。
  5. x² + 3x − 10 = 0 を解きなさい。
  6. x² + 5x = 0 を解きなさい。
  7. 3x² − 7x + 2 = 0 を解きなさい。
  8. x² + 4x − 1 = 0 を解きなさい。
  9. x² + 3x + 4 = 0 の解の個数を答えなさい。
  10. x² − 10x + 25 = 0 の解の個数を答えなさい。

答え(1) x = 7、−7 (2) x = 4、−4 (3) x = −3 ± √7 (4) x = 2、6 (5) x = 2、−5 (6) x = 0、−5 (7) x = 1/3、2 (8) x = −2 ± √5 (9) 解はない (10) 解は1つ

中高一貫校でこの単元に取り組む人へ

「二次方程式」は、公立中学校では中学3年で学ぶ単元です。中高一貫校では中2の後半から入り、そのまま二次関数へ進むことが多くなっています。解の公式を丸暗記して計算だけこなすと、高校で判別式や解と係数の関係に入ったときに、何を表す式なのかが分からなくなります。ここでは平方完成の意味と、解=グラフとx軸の交点という見方を押さえておいてください。

学校ごとの進度・教材・定期テストの傾向は次のページにまとめています。

よくある質問

x² = 9 の解は、なぜ 3 だけではないのですか?

2乗して9になる数が 3 と −3 の2つあるからです。(−3)² = 9 なので、−3 も解になります。平方根を取るときは必ず ± をつけてください。

3つの解き方は、どう使い分ければよいですか?

x²=k や (x−p)²=q の形なら平方根、因数分解できるなら因数分解、どちらも使えなければ解の公式です。形を見てから因数分解を30秒試し、見つからなければ公式に切りかえるのが現実的です。

3x² + 6x = 0 で、両辺を x で割ってはいけないのはなぜですか?

x が 0 の可能性があるからです。0 で割ることはできませんし、割ってしまうと x=0 という解が消えてしまいます。必ず 3x(x+2)=0 とくくってください。

平方完成で足す数は、どう決めますか?

x の係数の半分を2乗した数です。x²+6x なら 6÷2=3、3²=9 を足します。そのとき右辺にも同じ数を足すのを忘れないでください。

解の公式で符号をよく間違えます。

a、b、c を符号ごと書き出してから、b² − 4ac を先に計算してください。全部を一度に代入すると、−b や 4ac の符号を落とします。

(−4 ± √5) ÷ 2 は約分できますか?

できません。分子の全部の項が2で割れるときだけ約分できます。√5 は2で割れないので、この形が答えです。−4 だけ約分するのは誤りです。

根号の中が負になりました。計算ミスですか?

ミスとは限りません。根号の中が負のときは「解なし」です。グラフでは放物線がx軸と交わっていない状態にあたります。

文章題で解が2つ出たら、両方答えるのですか?

問題に合うものだけを答えます。長さや個数を求めているなら、負の解は答えになりません。最後に必ず問題文に合うかを確かめてください。

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ドリル部分の執筆・作図:藤原進之介(数強塾代表・数学参考書著者)
ドリル追加日:2026年8月14日
この26問と7点の図版は、数強塾が独自に作成したものです。ドリルと追加演習の答えは、すべて解の公式でコードに解かせたうえ、得られた解をもとの式に代入して0になることまで確かめています(有理数解は分数のまま扱って誤差を避けています)。平方完成と因数分解の面積図は、描いた長方形の面積の合計が式と一致することを確認し、解の個数の3枚は、根号の中の符号と放物線がx軸と交わる回数が対応することを計算で確かめています。

要点辞典この単元の公式・定石・つまずきやすい所は 中3数学の要点辞典:二次方程式 にまとめてあります。

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