中1数学:資料の整理 / 数学単元ガイド

データの分布とは?度数分布表・ヒストグラム・相対度数【中1数学】

データの分布を調べる目的は、表やグラフを作ることだけではありません。値がどこに集まり、どの程度散らばっているかを読み取り、根拠を示して判断することが目的です。この記事では、20人のデータを一つずつ整理しながら、度数分布表・ヒストグラム・相対度数をつなげて理解します。

データの分布とは

データの分布とは、集めた値がどのあたりに、どのくらい集まっているかという全体の様子です。同じ平均値でも、値が平均付近に集まる場合と、広く散らばる場合があります。そのため、一つの代表値だけでなく、分布の形や散らばりも確かめます。

統計で大切な問い:「最も多いのはどこか」「全体の何割か」「どの程度散らばっているか」「比較の条件はそろっているか」を、表やグラフの数値を根拠に説明します。

この記事で使うデータ

20人がある課題を終えるまでにかかった時間を、短い順に並べたものとします。単位は分です。

12, 18, 21, 23, 24, 26, 27, 29, 31, 32, 34, 35, 36, 38, 41, 42, 44, 47, 52, 58

データの個数は20個、最小値は12分、最大値は58分です。最大値と最小値の差を範囲といいます。

範囲=最大値-最小値=58-12=46(分)
範囲はデータの「個数」ではありません。また、最大値と最小値だけで決まるため、途中の値がどのように分布しているかまでは表しません。

階級・階級の幅・階級値・度数

多数のデータを一定の区間に分けると、全体の傾向を捉えやすくなります。

用語 意味 この記事での例
階級 データを整理するための区間 20分以上30分未満
階級の幅 階級の上端と下端の差 30-20=10分
階級値 階級の中央の値 (20+30)÷2=25分
度数 その階級に入るデータの個数 20分以上30分未満は6人

「20分以上30分未満」には20分は入りますが、30分は入りません。30分は次の「30分以上40分未満」に入れます。境界の値を二重に数えたり、数え忘れたりしないための決まりです。

度数分布表の作り方

  1. データの個数、最小値、最大値を確認する。今回は20個、12分から58分までです。
  2. 階級と階級の幅を決める。今回は10分以上20分未満から始め、幅を10分にそろえます。
  3. 各データを一つの階級へ入れる。境界では「以上・未満」を確認します。
  4. 各階級の度数を数える。最後に度数の合計がデータの個数20と一致するか検算します。
課題時間の階級(分) 階級値(分) 度数(人) 相対度数
10以上20未満 15 2 0.10
20以上30未満 25 6 0.30
30以上40未満 35 6 0.30
40以上50未満 45 4 0.20
50以上60未満 55 2 0.10
合計 20 1.00
二つの検算:度数の合計はデータの個数と一致します。丸め誤差がない場合、相対度数の合計は1になります。

ヒストグラムとは

ヒストグラムは、横軸に階級、縦軸に度数などを取り、データの分布を柱で表すグラフです。数値の連続した区間を表すため、同じ幅の階級では柱を隙間なく並べます。

ヒストグラムから読み取れること

  • 度数が最も大きい階級は、20分以上30分未満と30分以上40分未満の二つで、それぞれ6人です。
  • 20分以上40分未満には6+6=12人いて、全体の12/20=0.60、つまり60%です。
  • 40分以上60分未満には4+2=6人いて、全体の30%です。
  • 中央付近の20分以上40分未満に多く、両端の階級は少ない分布です。

棒グラフとの違い

比較 ヒストグラム 棒グラフ
主な目的 数量データの分布を見る 種類ごとの大きさを比べる
横軸 連続した数値の区間 教科、商品などの種類
柱の間 通常は隙間なく並べる 種類の区切りとして隙間を空ける
並べ替え 数値の順序を変えない 目的に応じて並べ替える場合がある
階級の幅や境界を変えると、同じ元データでもヒストグラムの見え方が変わることがあります。二つのグラフを比較するときは、横軸・縦軸・階級の幅が同じかを先に確認してください。

相対度数とは

相対度数は、全体に対する各階級の度数の割合です。

相対度数=その階級の度数÷度数の合計

例1:相対度数を求める

問題:20分以上30分未満の度数は6人、全体は20人です。この階級の相対度数を求めましょう。

6÷20=0.30

答え:相対度数は0.30です。百分率では30%です。

相対度数は、人数の異なる集団を同じ基準で比較するときに役立ちます。

例2:人数の異なる2組を比べる

問題:30分以上40分未満の生徒が、A組では20人中6人、B組では40人中10人でした。どちらの割合が大きいでしょうか。

A組:6÷20=0.30
B組:10÷40=0.25

答え:度数はB組の方が大きいものの、相対度数はA組の方が大きいです。

小数第2位などに丸めた相対度数では、合計が0.99や1.01になることがあります。これは丸めによるずれで、計算間違いとは限りません。問題で指定された位まで、通常は最後に丸めます。

表やグラフから正しく判断する

統計では、数値を計算した後の説明が重要です。次の順序で考えると、根拠のある文章になります。

  1. 問いを決める。何を知りたいのか、比較したいのかを明確にする。
  2. 使う数値を示す。度数、相対度数、範囲などを具体的に挙げる。
  3. 分布の特徴を述べる。集中している階級、散らばり、端の値などを見る。
  4. 言える範囲で結論を述べる。データの集め方や人数、階級の取り方にも注意する。

例3:分布の傾向を説明する

問い:課題時間はどの範囲に集中しているといえるでしょうか。

説明例:20分以上40分未満の度数は12人で、相対度数は12÷20=0.60です。全体の60%がこの範囲に入るため、課題時間は20分以上40分未満に比較的集中しているといえます。

ヒストグラムだけでは分からないこと

度数分布表やヒストグラムでは、同じ階級に入る個々の値をまとめます。そのため、元の20人それぞれの正確な時間や、正確な平均値をヒストグラムだけから復元することはできません。「30分以上40分未満に6人いる」とはいえますが、その6人の値を特定することはできません。

よくある間違い

1. 境界の値を二つの階級へ入れる

「20以上30未満」では20は入り、30は入りません。「以上」と「未満」を必ず確認します。

2. 相対度数を度数÷階級値で求める

相対度数の分母は、全階級の度数の合計です。階級値ではありません。

3. 度数だけで人数の異なる集団を比べる

集団の人数が違うときは、度数を全体の人数で割った相対度数で比べます。

4. グラフの見た目だけで断定する

縦軸の目盛りや階級の幅、データの個数、収集方法を確認し、具体的な数値を根拠にします。

確認問題

  1. この記事のデータの範囲を求めてください。
  2. 「40分以上50分未満」の階級値と度数を求めてください。
  3. 「50分以上60分未満」の相対度数を求めてください。
  4. 20分以上50分未満の人数と、全体に対する割合を求めてください。
  5. 同じ階級に入る生徒が、C組では25人中8人、D組では40人中12人でした。相対度数が大きいのはどちらですか。
  6. 「20分以上40分未満に全体の半数より多くが入る」といえるか、数値を根拠に説明してください。
解答と解説を開く
  1. 58-12=46より、範囲は46分です。
  2. 階級値は(40+50)÷2=45分、度数は4人です。
  3. 2÷20=0.10です。百分率では10%です。
  4. 6+6+4=16人です。16÷20=0.80より、全体の80%です。
  5. C組は8÷25=0.32、D組は12÷40=0.30です。相対度数が大きいのはC組です。
  6. 20分以上40分未満は6+6=12人で、相対度数は12÷20=0.60です。0.60は0.50より大きいため、全体の半数より多くが入るといえます。

まとめ

  • 範囲は最大値-最小値で、データ全体の散らばりの一面を表す。
  • 階級はデータを区切る区間、度数はその階級に入るデータの個数。
  • ヒストグラムは、数量データの分布を隙間なく並ぶ柱で表す。
  • 相対度数は、その階級の度数÷度数の合計で求める。
  • 表やグラフを作るだけでなく、数値を根拠に傾向を読み取り、条件も含めて判断する。

平均値・中央値の具体問題

データ修正と文字を含む得点平均値・中央値の応用問題で、合計が変わらない修正、偶数個の中央値、文字abを含む場合分けを詳しく学べます。

学習範囲の根拠

この記事は、文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」の第1学年「データの分布」を基準に構成しています。同解説が重視する、ヒストグラムや相対度数の意味を理解し、分布の傾向を読み取り、批判的に考察して判断する学習を反映しています。正式な内容は、文部科学省の解説PDFで確認できます。

前後の単元

前に学ぶ立体の表面積と体積までの中1図形を終えたら、データの活用へ進みます。

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