円周角は、円周上の一点から同じ弧の両端を見込む角です。同じ弧に対する円周角は中心角の半分になり、頂点を円周上で動かしても大きさは変わりません。「同じ弧に対する」という条件を必ず確認し、直径、定理の逆、円に内接する四角形へつなげましょう。
円周角と中心角
中心がOの円周上に点A、B、Cがあるとします。点Cを頂点とする∠ACBを、弧ABに対する円周角といいます。中心Oを頂点とする∠AOBを、同じ弧ABに対する中心角といいます。
| 角 | 頂点 | 両辺が通る点 |
|---|---|---|
| 円周角 ∠ACB | 円周上のC | 弧の両端A、B |
| 中心角 ∠AOB | 円の中心O | 弧の両端A、B |
円周角の定理
同じ弧ABに対する円周角∠ACBは、中心角∠AOBの半分です。
∠AOB=2∠ACB
例1:中心角から円周角を求める
同じ弧に対する中心角が112°なら、
答え:56°
例2:円周角から中心角を求める
同じ弧に対する円周角が37°なら、
答え:74°
定理が成り立つ理由
まず、円周角の一辺CAが直径である場合を考えます。点A、中心O、点Cは一直線上にあります。
半径OBとOCは等しいので、△BOCは二等辺三角形です。∠BCO=xとすると、∠OBC=xです。
∠AOB=180°-∠BOC=2x
∠ACB=∠OCB=xなので、∠AOB=2∠ACBです。一般の場合も、点Cと中心Oを結び、その直線を直径まで延ばして角を分ける、または差を取ることで、この場合に帰着できます。
同じ弧に対する円周角は等しい
点Cと点Dが弦ABの同じ側の円周上にあるとします。∠ACBと∠ADBは、どちらも同じ弧ABに対する円周角です。
どちらも同じ中心角∠AOBの半分だからです。
例3:同じ弦を見込む角
弦ABの同じ側にある円周上の点C、Dについて、∠ACB=42°なら、
答え:42°
直径に対する円周角は90°
ABが直径なら、同じ半円に対する中心角∠AOBは180°です。したがって、円周上の点Cについて、
例4:直径から直角を見つける
ABが円の直径で、点CがA、B以外の円周上にあるなら、△ABCはCを直角とする直角三角形です。
結論:∠ACB=90°
円周角の定理の逆
点P、Qが線分ABの同じ側にあり、
ならば、4点A、B、P、Qは同じ円周上にあります。
この性質を使うと、「等しい円周角があるから同じ円」と、図形が円に内接することを証明できます。
例5:4点が同一円周上にあることを示す
点P、Qが線分ABの同じ側にあり、∠APB=48°、∠AQB=48°です。
線分ABを見込む角が等しいので、円周角の定理の逆から、4点A、B、P、Qは同一円周上にあります。
円に内接する四角形
四つの頂点が一つの円周上にある四角形を、円に内接する四角形といいます。
円に内接する四角形ABCDでは、向かい合う角の和が180°です。
∠B+∠D=180°
向かい合う二つの角が見込む二つの弧を合わせると円周全体の360°になり、それぞれの円周角は対応する弧の角度の半分だからです。
例6:向かい合う角を求める
円に内接する四角形で∠A=112°なら、
答え:68°
内接四角形の外角
円に内接する四角形では、一つの外角は、その内角と向かい合う内角に等しくなります。
例えば頂点Bの外角を考えると、外角と∠Bの和は180°です。一方、∠B+∠D=180°なので、頂点Bの外角=∠Dです。
例7:外角から向かい側の角を求める
円に内接する四角形で、一つの外角が73°なら、その内角と向かい合う内角も73°です。
答え:73°
対角の和、外角、内接条件の逆、共円の証明、特殊な四角形は、円に内接する四角形の例題10問で発展的に学べます。
弦の反対側にある円周角
点C、Dが弦ABの反対側の円周上にあるとき、∠ACBと∠ADBは四角形ACBDの向かい合う角になります。
例8:反対側から同じ弦を見る
∠ACB=68°なら、
答え:112°
角を文字で表す問題
例9:中心角が3x°、円周角が(x+20)°
二つの角が同じ弧に対するものなら、円周角は中心角の半分です。
2x+40=3x
x=40
中心角は120°、円周角は60°です。
答え:x=40
どの性質を使うか
| 図から分かること | 使う性質 |
|---|---|
| 中心と円周上の頂点が同じ弧を見る | 円周角=中心角の1/2 |
| 円周上の二つの頂点が同じ弧を見る | 同じ弧に対する円周角は等しい |
| 円周角が直径を見込む | 円周角は90° |
| 同じ線分を見込む等しい角が同じ側にある | 円周角の定理の逆 |
| 四角形の4頂点が同一円周上 | 向かい合う角の和は180° |
| 内接四角形の外角 | 向かい合う内角に等しい |
よくある誤りと直し方
| 誤り | 直し方 |
|---|---|
| どの中心角でも円周角の2倍とする | 同じ弧の両端を結ぶ中心角か確認する |
| 同じ弦を見れば円周角は必ず等しい | 頂点が弦の同じ側なら等しく、反対側なら和が180° |
| 長い弦を直径とみなす | 中心を通ること、または直径と明記されていることを確認する |
| 内接四角形の向かい合う角は等しい | 一般には等しくなく、和が180° |
| 等しい角があれば4点は必ず同一円周上 | 同じ線分を見込む角か、頂点が同じ側かを確認する |
| 図の見た目で角度を判断する | 弧、直径、同一円周上などの条件から根拠を選ぶ |
確認問題
- 同じ弧に対する中心角が146°です。円周角を求めましょう。
- 同じ弧に対する円周角が28°です。中心角を求めましょう。
- 弦ABの同じ側にある円周上の点C、Dについて、∠ACB=64°です。∠ADBを求めましょう。
- ABが直径で、点Cが円周上にあります。∠ACBを求めましょう。
- 円に内接する四角形ABCDで、∠A=105°です。∠Cを求めましょう。
- 円に内接する四角形で、頂点Bの外角が82°です。∠Dを求めましょう。
- 弦ABの反対側にある円周上の点C、Dについて、∠ACB=68°です。∠ADBを求めましょう。
- 点P、Qが線分ABの同じ側にあり、∠APB=∠AQB=47°です。4点A、B、P、Qについて何がいえますか。
- 同じ弧に対する中心角が3x°、円周角が(x+20)°です。xを求めましょう。
- 円に内接する四角形で、∠B=98°です。頂点Bの外角と∠Dをそれぞれ求めましょう。
確認問題の解答と考え方
- 146°×1/2=73°です。
- 28°×2=56°です。
- 同じ弧ABに対する円周角なので64°です。
- 直径に対する円周角なので90°です。
- 向かい合う角の和は180°なので、180°-105°=75°です。
- 内接四角形の外角は向かい合う内角に等しいので、∠D=82°です。
- 弦の反対側にある二つの円周角の和は180°なので、180°-68°=112°です。
- 円周角の定理の逆から、4点A、B、P、Qは同一円周上にあります。
- x+20=(3/2)xより、x=40です。
- 外角は180°-98°=82°です。内接四角形の外角は向かい合う内角に等しいので、∠Dも82°です。
まとめ
- 同じ弧に対する円周角は、中心角の1/2。
- 同じ弧に対する円周角は等しい。
- 直径に対する円周角は90°。
- 同じ線分を見込む等しい角が線分の同じ側にあれば、定理の逆から4点は同一円周上にある。
- 円に内接する四角形では、向かい合う角の和が180°。
- 内接四角形の外角は、向かい合う内角に等しい。
- 定理を使う前に、同じ弧、弦のどちら側、直径、同一円周上という条件を確認する。
高校数学Aでは、円周角を接線との角へ広げます。角の対応、証明、定理の逆は接弦定理の例題10問で確認できます。
学習範囲の根拠
本記事は、文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」の第3学年「図形」にある、円周角と中心角の関係、円周角の定理とその逆を用いた図形の性質の考察に沿って構成しています。
保護者の方へ:見守りのポイント
円周角の問題では、角度計算より「どの弧を見ているか」を見失うことが主なつまずきです。角の両辺が円周と交わる二点に印を付け、同じ弧を見込む角を探してもらいましょう。直径の印や中心の位置を図の見た目だけで補わず、問題文と記号に書かれた条件だけを使う習慣が、証明問題でも役立ちます。
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