中2|平行線と角・図形の性質解き方がわからないときは 中2数学|平行線と角 対頂角・同位角・錯角を基礎から解説【中2数学】(無料問題PDF) を先に読むと、この問題で何を問われているかが分かります。
合同な三角形とは、移動させるとぴったり重なる三角形です。証明では、対応する頂点の順序をそろえ、仮定や図形の性質から合同条件を満たす三つの根拠を示します。合同が分かった後に初めて、対応する残りの辺や角が等しいと結論できます。
合同とは
二つの図形の一方を、平行移動・回転移動・対称移動などで動かしたとき、もう一方とぴったり重なるなら、その二つの図形は合同です。向きが異なっていても、形と大きさが同じなら合同です。
三角形ABCと三角形DEFが合同で、AとD、BとE、CとFが対応するとき、次のように書きます。
記号≡の左右では、対応する頂点を同じ順序で書きます。この順序から、次が読み取れます。
| 対応する頂点 | 対応する辺 | 対応する角 |
|---|---|---|
| AとD | ABとDE | ∠Aと∠D |
| BとE | BCとEF | ∠Bと∠E |
| CとF | CAとFD | ∠Cと∠F |
合同なら対応する辺と角が等しい
合同な図形では、対応する線分の長さと、対応する角の大きさがそれぞれ等しくなります。△ABC≡△DEFなら、
∠A=∠D、∠B=∠E、∠C=∠F
証明では「この辺や角が等しいことを示したい」からといって、先に合同な図形の性質を使うことはできません。まず合同条件で二つの三角形が合同だと示し、その後に対応する辺や角が等しいと結論します。
三角形の三つの合同条件
| 合同条件 | 必要な情報 | よく使う略称 |
|---|---|---|
| 三組の辺がそれぞれ等しい | 対応する三辺 | SSS |
| 二組の辺とその間の角がそれぞれ等しい | 二辺と、その二辺にはさまれた角 | SAS |
| 一組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい | 一辺と、その辺の両端にある二角 | ASA |
略称は整理に便利ですが、証明では学校や問題の指示に合わせ、「三組の辺がそれぞれ等しいので」のように日本語で書くと根拠が明確です。
合同条件1:三組の辺
対応する三辺の長さが全て等しければ、二つの三角形の形と大きさは一つに決まります。
例1:三辺から合同を判断する
△ABCでAB=5 cm、BC=6 cm、CA=7 cm、△DEFでDE=5 cm、EF=6 cm、FD=7 cmとします。
三組の辺がそれぞれ等しいので、△ABC≡△DEFです。辺の対応から、A↔D、B↔E、C↔Fと分かります。
合同条件2:二組の辺とその間の角
二辺だけでは、その間の開き方が変わるため三角形は一つに決まりません。二辺にはさまれた角まで等しいことが必要です。
例2:「その間の角」を確認する
AB=DE、AC=DF、∠A=∠Dが分かっているとします。∠Aは辺ABとACの間、∠Dは辺DEとDFの間にあります。
二組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、
といえます。
合同条件3:一組の辺とその両端の角
一辺と、その辺の両端にある二角が決まれば、残りの頂点の位置が決まり、三角形は一つに定まります。
例3:辺の両端の角を確認する
AB=DE、∠A=∠D、∠B=∠Eが分かっているとします。∠Aと∠Bは辺ABの両端、∠Dと∠Eは辺DEの両端にあります。
一組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、△ABC≡△DEFです。
二角と、その間にない一辺が与えられた場合でも、三角形の内角の和180°から残りの角を求め、標準の「一組の辺とその両端の角」の条件に直せることがあります。証明では、足りない角が等しい根拠を一行補います。
合同条件を選ぶための確認表
| 分かっていること | 合同をいえるか | 理由 |
|---|---|---|
| 三辺 | いえる | SSS |
| 二辺とその間の角 | いえる | SAS |
| 一辺とその両端の角 | いえる | ASA |
| 三角だけ | いえない | 形は同じでも大きさが異なる相似な三角形がある |
| 二辺とその間でない角 | 一般にはいえない | 異なる形ができる場合がある |
| 二辺だけ | いえない | 二辺の間の角を変えられる |
証明の基本構成
三角形の合同を使う証明は、次の順で書くと整理できます。
- 比べる三角形を示す。「△ABCと△DEFにおいて」と書く。
- 仮定から等しいものを書く。問題文や図の印から読み取る。
- 図形の性質から等しいものを書く。共通辺、対頂角、平行線の錯角など。
- 合同条件を書く。三つの根拠がどの条件を満たすか示す。
- 対応順をそろえて合同を書く。
- 合同から結論を書く。対応する辺や角が等しいことを使う。
SSSを使う証明
例4:共通辺を使う
仮定:AB=AD、CB=CDである四角形ABCDがあります。対角線ACを引きます。
結論:∠BAC=∠DACを証明します。
△ABCと△ADCにおいて、
仮定より、AB=AD ……①
仮定より、CB=CD ……②
共通な辺なので、AC=AC ……③
①、②、③より、三組の辺がそれぞれ等しいので、
△ABC≡△ADC
合同な図形の対応する角は等しいので、
∠BAC=∠DAC
対応はA↔A、B↔D、C↔Cです。したがって、Bを含む∠BACにはDを含む∠DACが対応します。
SASを使う証明
例5:対頂角を使う
線分ACとBDが点Oで交わり、AO=CO、BO=DOであるとき、AB=CDを証明します。
△AOBと△CODにおいて、
仮定より、AO=CO ……①
仮定より、BO=DO ……②
対頂角は等しいので、∠AOB=∠COD ……③
①、②、③より、二組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、
△AOB≡△COD
合同な図形の対応する辺は等しいので、AB=CD
∠AOBは辺AOとBOの間、∠CODは辺COとDOの間の角です。
ASAを使う証明
例6:平行線の錯角を使う
四角形ABCDでAB∥CD、BC∥ADとし、対角線ACを引きます。AB=CDを証明します。
△BACと△DCAにおいて、
AB∥CDより、錯角は等しいので、∠BAC=∠DCA ……①
BC∥ADより、錯角は等しいので、∠BCA=∠DAC ……②
共通な辺なので、AC=CA ……③
①、②、③より、一組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、
△BAC≡△DCA
合同な図形の対応する辺は等しいので、AB=CD
共通辺ACの両端A、Cにある角を二組そろえているため、ASAを使えます。
図から見つける代表的な根拠
| 図の特徴 | 使える根拠 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 同じ線分を二三角形が共有 | 共通辺 | 共通な辺なのでAC=AC |
| 二直線が交わる | 対頂角 | 対頂角は等しいので∠AOB=∠COD |
| 平行線を横切る線 | 同位角・錯角 | AB∥CDより錯角は等しい |
| 中点 | 二つの線分が等しい | MはBCの中点なのでBM=CM |
| 角の二等分線 | 二つの角が等しい | APは∠Aの二等分線なので∠BAP=∠PAC |
| 垂直 | 二角がともに90° | ともに直角なので二角は等しい |
よくある誤りと直し方
| 誤り | 直し方 |
|---|---|
| 図で同じ長さに見えるから等しい | 仮定、共通辺、中点など、等しい根拠を確認する |
| 二辺と一角なら全てSAS | 角が二辺の間にあるか確認する |
| 三角が等しいから合同 | 大きさが違う場合があるため、三角だけでは合同にならない |
| △ABC≡△DFEのように対応順が違う | 等しい辺・角をたどり、対応する頂点を同じ順に書く |
| 示したい結論を合同の根拠に使う | 合同前は仮定と既知の性質だけを使い、結論は合同後に書く |
| 等式を三つ並べるだけ | 各等式の根拠と、それらが満たす合同条件を書く |
確認問題
- 二つの三角形で、対応する三辺が3 cm、4 cm、5 cmです。使う合同条件を答えましょう。
- 二つの三角形で、対応する二辺が5 cm、7 cm、その二辺の間の角が60°です。使う合同条件を答えましょう。
- 二つの三角形で、対応する一辺が6 cm、その両端の角が40°、65°です。使う合同条件を答えましょう。
- 対応する二辺と、その間ではない一角が等しいとき、必ず合同といえますか。
- △ABC≡△DEFのとき、辺ACと角∠Bに対応するものを答えましょう。
- AB=ACである△ABCの辺BCの中点をMとします。△ABM≡△ACMを証明し、∠BAM=∠CAMを示しましょう。
- 例5で、△AOB≡△CODと書くべきところを△AOB≡△CDOと書いてよいか、対応順から判断しましょう。
- 二つの三角形で二組の角がそれぞれ等しく、一組の対応する辺も等しいものの、その辺が二角の間にありません。どのように標準の合同条件へ結び付けますか。
確認問題の解答と考え方
- 三組の辺がそれぞれ等しい(SSS)。
- 二組の辺とその間の角がそれぞれ等しい(SAS)。
- 一組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい(ASA)。
- 一般にはいえません。二辺の間の角でなければ、条件を満たす異なる形の三角形ができる場合があります。
- ACに対応する辺はDF、∠Bに対応する角は∠Eです。
- AB=AC(仮定)、BM=CM(MはBCの中点)、AM=AM(共通辺)より、三組の辺がそれぞれ等しいので△ABM≡△ACM。合同な図形の対応する角は等しいので∠BAM=∠CAMです。
- よくありません。△AOBではA↔C、O↔O、B↔Dなので、対応順は△CODです。△CDOではOとDの位置が入れ替わります。
- 三角形の内角の和が180°であることから残りの一組の角も等しいと示し、与えられた辺の両端の角がそれぞれ等しい形に直してASAを使います。
まとめ
- 合同とは、移動させるとぴったり重なる関係。
- 合同記号では、対応する頂点を同じ順序で書く。
- 合同条件はSSS、SAS、ASAの三つ。
- SASでは二辺の間の角、ASAでは一辺の両端の角であることを確認する。
- 共通辺、対頂角、平行線、中点などから合同条件の根拠を集める。
- 合同を示した後、対応する辺や角が等しいことを結論に使う。
学習範囲の根拠
この記事は、文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」の第2学年「三角形の合同条件」「証明の必要性と意味及びその方法」を基準に構成しています。合同条件を用いて図形の性質を論理的に確かめ、根拠を明らかにして説明する学習を反映しています。正式な内容は、文部科学省の解説PDFで確認できます。
