ある数を2乗するとaになる数を、aの平方根といいます。平方根では、「二つの平方根」と「根号√が表す一つの数」を区別することが最初の要点です。定義から丁寧に確認し、有理数・無理数、近似値、大小比較へ進みます。
平方根とは
x²=aを満たす数xを、aの平方根といいます。
例1:9の平方根
3²=9であり、(-3)²=9です。したがって、9の平方根は3と-3の二つです。
正の数aには、絶対値が等しく符号が反対の平方根が二つあります。
根号√が表す数
√を根号といいます。√aは、aの平方根のうち、0以上のほうを表します。
| 問い | 答え | 理由 |
|---|---|---|
| 16の平方根 | 4、-4 | 4²=(-4)²=16 |
| √16 | 4 | 根号は0以上の平方根を表す |
| -√16 | -4 | √16=4の前に負号がある |
| x²=16の解 | x=±4 | 2乗して16になる二数 |
正の数・0・負の数の平方根
| 元の数 | 実数の範囲での平方根 | 例 |
|---|---|---|
| 正の数 | 二つ | 4の平方根は2、-2 |
| 0 | 0の一つ | 0²=0 |
| 負の数 | ない | 実数の2乗は必ず0以上 |
中学校で扱う実数の範囲では、負の数の平方根はありません。どの実数も、2乗すると0以上になるからです。
平方数なら根号を外せる
整数を2乗してできる数を平方数といいます。0、1、4、9、16、25、36、49、64、81、100などです。
| n | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| n² | 0 | 1 | 4 | 9 | 16 | 25 | 36 | 49 | 64 | 81 | 100 |
例2:平方数の平方根
√0.81=0.9
√(25/36)=5/6
いずれも0以上の平方根を選びます。
√(a²)と(√a)²
aが0以上なら、√(a²)=aです。しかし、aが負の場合も含めると、根号は0以上の数を表すため、次のようになります。
(√a)²=a (a≧0)
例3:√{(-5)²}
答えは-5ではありません。√25は0以上の平方根5を表します。
有理数と無理数
整数mと0でない整数nを使って、m/nの形に表せる数を有理数といいます。整数、有限小数、循環小数は有理数です。
分数の形に表せない実数を無理数といいます。√2、√3、円周率πなどが代表例です。
| 数 | 分類 | 理由 |
|---|---|---|
| -3 | 有理数 | -3/1と表せる |
| 0.75 | 有理数 | 3/4と表せる |
| 0.333… | 有理数 | 1/3と表せる循環小数 |
| √4 | 有理数 | √4=2 |
| √2 | 無理数 | 分数で正確に表せない |
実数の全体像
有理数と無理数を合わせたものが実数です。中学校で数直線上の点として表す数は実数です。
自然数は整数に含まれ、整数は有理数に含まれます。無理数は有理数ではありませんが、どちらも実数です。
平方根のおよその値
例4:√2を小数第1位まで絞る
1²=1、2²=4なので、1<√2<2です。さらに、
1.5²=2.25>2
したがって、1.4<√2<1.5です。
より細かく調べると、1.41²=1.9881、1.42²=2.0164なので、1.41<√2<1.42です。
√2=1.414213…は終わらず循環もしない小数です。近似値は便利ですが、√2そのものと1.41は等しくありません。
平方根の大小比較
0以上の数では、元の数が大きいほど平方根も大きくなります。
例5:3と√10を比べる
3=√9と考えます。9<10なので、√9<√10です。
例6:√7の範囲
2²=4、3²=9なので、2<√7<3です。さらに、2.6²=6.76、2.7²=7.29より、
よくある誤りと直し方
| 誤り | 直し方 |
|---|---|
| √9=±3 | √9は0以上の平方根なので3。9の平方根が±3 |
| 0の平方根を±0の二つと数える | +0と-0は同じ0なので一つ |
| 負の数にも実数の平方根があるとする | 実数の2乗は0以上なので、負の数の平方根は実数にない |
| 根号があれば全て無理数とする | √4=2のように根号が外れる数は有理数 |
| √(a²)=aと常にする | 一般には|a|。根号の値は0以上 |
| 近似値を正確な値と等号で結ぶ | √2≒1.41のように「≒」を使う |
確認問題
- 25の平方根を全て答えましょう。
- √25、-√25をそれぞれ計算しましょう。
- 0の平方根はいくつあり、何ですか。
- √0.49と√(9/16)を計算しましょう。
- √{(-8)²}を計算しましょう。
- -2、0.125、0.272727…、√5、√81を有理数と無理数に分けましょう。
- 4と√17の大小を比べましょう。
- 2.2²=4.84、2.3²=5.29を使い、√5の範囲を小数第1位まで答えましょう。
確認問題の解答と考え方
- 5²=(-5)²=25なので、5、-5です。
- √25=5、-√25=-5です。
- 一つで、0です。
- √0.49=0.7、√(9/16)=3/4です。根号は0以上の平方根を表します。
- √{(-8)²}=√64=8です。これは|-8|と同じです。
- 有理数は-2、0.125、0.272727…、√81=9です。無理数は√5です。
- 4=√16で、16<17なので、4<√17です。
- 4.84<5<5.29なので、2.2<√5<2.3です。
まとめ
- x²=aを満たすxが、aの平方根。
- 正の数の平方根は二つ、0の平方根は0の一つ、負の数の平方根は実数の範囲にはない。
- √aは、aの0以上の平方根を表す。
- √(a²)=|a|、(√a)²=a(a≧0)。
- 有理数は分数で表せ、無理数は分数で正確に表せない。
- 近似値には「≒」を使い、大小比較では平方数を利用する。
学習範囲の根拠
本記事は、文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」の第3学年「数と式」にある、数の平方根の必要性と意味、根号を含む数、数の概念を実数まで拡張する学習内容に沿って構成しています。
保護者の方へ:見守りのポイント
「9の平方根」と「√9」を言葉で区別できるかが最初の確認点です。±の付け忘れを責めるより、何を問われているかを読み分けてもらいましょう。近似値では、電卓の表示を写すだけでなく、隣り合う小数の2乗で範囲を確かめると、根号が数直線上の実数である感覚が育ちます。
前後の単元
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中3「平方根」の演習教材です。各ページから問題PDFをダウンロードでき、解答PDFがある回はあわせて掲載しています。難易度の低い順に並べています。
この単元の関連解説:中3数学|根号を含む式の計算 簡単化・四則計算・有理化【中3】(無料問題PDF)
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