- 二直線が交わり、一つの角が37°です。残り三つの角を求めましょう。
- 上の図でℓ∥m、∠1=118°です。∠3、∠5、∠6、∠7を求めましょう。
- 上の図でℓ∥m、∠4=43°です。∠6と∠7を求めましょう。
- 上の図で∠2=∠6=84°です。ℓとmの関係を、根拠とともに答えましょう。
- 上の図で∠4=∠6です。ℓとmの関係を、根拠とともに答えましょう。
- 上の図でℓ∥m、∠3=2x+10°、∠6=3x+20°です。xを求めましょう。
平行線と角では、角の大きさを図の見た目ではなく、二直線と横切る直線の位置関係から判断します。対頂角は一つの交点だけで等しくなり、同位角・錯角は二直線が平行なときに等しくなります。成立条件と根拠を分けて覚えることが重要です。
平行線と角でまず覚える二つの事実
一直線上の隣り合う角の和は180°
一つの直線からできる平角は180°です。そのため、一直線上で隣り合う二つの角の和は180°になります。
対頂角は等しい
二直線が交わるとき、向かい合う二つの角を対頂角といいます。対頂角は等しくなります。
理由は、向かい合う二角がそれぞれ同じ隣の角と合わせて180°になるからです。例えば∠1+∠2=180°、∠2+∠3=180°なら、∠1=∠3です。
八つの角の位置をそろえる
二直線ℓ、mを、一本の直線nが横切る図を考えます。次の番号で角を表します。
図の説明:上の交点では左上から時計回りに∠1、∠2、∠3、∠4、下の交点では左上から時計回りに∠5、∠6、∠7、∠8とします。直線nが左上から右下へ二直線を横切っています。
| 関係 | 角の組 | 等しくなる条件 |
|---|---|---|
| 対頂角 | 1と3、2と4、5と7、6と8 | それぞれの二直線が交われば常に等しい |
| 同位角 | 1と5、2と6、3と7、4と8 | ℓ∥mなら等しい |
| 錯角 | 3と5、4と6 | ℓ∥mなら等しい |
| 同側内角 | 3と6、4と5 | ℓ∥mなら和が180° |
同位角は二つの交点で同じ位置にある角です。錯角は二直線の内側にあり、横切る直線の反対側にある角です。錯角は「Zの形」、同位角は「Fの形」と説明されることがありますが、図が回転しても位置関係で判断してください。
平行線の性質
二直線ℓとmが平行であるとき、次が成り立ちます。
- 同位角は等しい。
- 錯角は等しい。
- 同じ側にある二つの内角の和は180°。
同側内角の性質は、同位角または錯角が等しいことと、一直線上の角の和が180°であることから導けます。
交点一つの角度計算
例1:対頂角と隣り合う角
問題:二直線が交わり、一つの角が128°でした。残り三つの角を求めましょう。
向かい合う対頂角は128°です。隣り合う角は、
その対頂角も52°です。
答え:残りは128°、52°、52°。
確かめ:隣り合う角は128°+52°=180°です。
平行線を使う角度計算
例2:同位角から全ての角を求める
上の図でℓ∥m、∠2=65°とします。
- 対頂角より、∠4=65°。
- 同位角より、∠6=65°。
- ∠6の対頂角より、∠8=65°。
- 隣り合う角より、∠1、∠3、∠5、∠7は180°-65°=115°。
答え:∠2、∠4、∠6、∠8は65°、残りは115°。
角度計算で根拠を書く順序
- 求めたい角と、分かっている角の位置関係を確認する。
- 対頂角、一直線上の角、同位角、錯角のどれを使うか決める。
- 同位角・錯角を使うなら、平行を示す記号や条件を確認する。
- 「ℓ∥mだから錯角は等しい」のように、条件と根拠を書く。
- 最後に、角度が0°より大きく180°より小さいか、隣り合う角の和が180°かを確かめる。
例3:二段階で角を移す
上の図でℓ∥m、∠1=72°のとき∠7を求めます。
ℓ∥mなので同位角は等しく、∠1=∠5=72°です。下の交点の対頂角より∠5=∠7です。
答え:∠7=72°。
一度に答えへ飛ばず、「同位角」「対頂角」と一段階ずつ根拠を示します。
平行線の性質の逆
平行線なら同位角・錯角が等しい、という性質を反対向きに使うと、二直線が平行であることを判断できます。
- 同位角が等しいなら、二直線は平行。
- 錯角が等しいなら、二直線は平行。
- 同側内角の和が180°なら、二直線は平行。
例4:角が等しいことから平行を示す
上の図で∠3=∠5=72°と分かっています。∠3と∠5は錯角です。錯角が等しいので、
と判断できます。
同側内角を使う
例5:同じ側の内角
上の図でℓ∥m、∠3=104°とします。∠3と∠6は同側内角なので和が180°です。
答え:∠6=76°。
別解として、∠3の対頂角∠1=104°、∠1と∠5は同位角なので∠5=104°、∠5と隣り合う∠6=76°としても求められます。
補助線として平行線を引く考え方
折れ線や複雑な図で、離れた角を直接比べにくいときは、頂点を通って既知の平行線に平行な補助線を引くことがあります。すると、元の角を同位角・錯角として頂点へ移し、足し算や引き算で求められます。
補助線を引いたら、「どの直線に平行に引いたか」を明記します。図で平行に見えるだけでは平行線の性質を使えません。
よくある誤りと直し方
| 誤り | 直し方 |
|---|---|
| 隣り合う角を対頂角と呼ぶ | 対頂角は交点をはさんで向かい合う角。隣り合う角の和は180° |
| 平行の印がないのに同位角を等しくする | 同位角・錯角が等しいのは二直線が平行なとき |
| 線が斜めだから錯角を見失う | 図を回転しても、二直線の内側・横切る線の反対側という位置で判断する |
| 角度だけ書き、根拠を書かない | 「対頂角」「ℓ∥mなので同位角」など一段階ごとに書く |
| 性質と逆を混同する | 平行から角の等しさを得る向きと、角の等しさから平行を得る向きを区別する |
| 図の見た目で角度を決める | 図は正確な縮尺とは限らない。与えられた数値と性質だけで計算する |
確認問題
- 二直線が交わり、一つの角が37°です。残り三つの角を求めましょう。
- 上の図でℓ∥m、∠1=118°です。∠3、∠5、∠6、∠7を求めましょう。
- 上の図でℓ∥m、∠4=43°です。∠6と∠7を求めましょう。
- 上の図で∠2=∠6=84°です。ℓとmの関係を、根拠とともに答えましょう。
- 上の図で∠4=∠6です。ℓとmの関係を、根拠とともに答えましょう。
- 上の図でℓ∥m、∠3=2x+10°、∠6=3x+20°です。xを求めましょう。
確認問題の解答と根拠
- 対頂角は37°。隣り合う角は180°-37°=143°で、その対頂角も143°です。
- ∠3=118°(対頂角)、∠5=118°(同位角)、∠6=62°(一直線上の角)、∠7=118°(∠5の対頂角または∠3との同位角)。
- ∠6=43°(錯角)、∠7=180°-43°=137°。
- ∠2と∠6は同位角で、それらが等しいのでℓ∥mです。
- ∠4と∠6は錯角で、それらが等しいのでℓ∥mです。
- ∠3と∠6は同側内角なので和は180°です。(2x+10)+(3x+20)=180より5x=150、x=30です。角は70°と110°で和が180°です。
まとめ
平行線と角の問題では、角の位置、平行の条件、使った性質を順に確認します。
- 対頂角は、二直線が交われば常に等しい。
- 一直線上で隣り合う二角の和は180°。
- 二直線が平行なら、同位角と錯角は等しく、同側内角の和は180°。
- 同位角または錯角が等しければ、逆を使って二直線が平行と判断できる。
- 図の向きではなく、角の位置関係と平行の条件で判断する。
- 角度計算では、使った性質を一段階ずつ根拠として書く。
学習範囲の根拠
この記事は、文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」の第2学年「基本的な平面図形の性質」「平行線や角の性質」を基準に構成しています。対頂角、平行線の同位角・錯角、平行線になるための条件、根拠を明らかにして説明する学習を反映しています。正式な内容は、文部科学省の解説PDFで確認できます。
前後の単元
図でつかむ 28問ドリル(問題→答え→解説)
ここから下は、上の解説を手を動かして定着させるためのドリルです。やさしい順に6つのステップへ並べた28問を、問題のすぐ下に答えと解説をつけて置いています。図はすべて数強塾が角度データから作図したオリジナルで、図に書いた角と実際に描かれている角が一致することを機械で確認しています。上から順に、1問ずつ自分で解いてから答えを見てください。
| こんな間違いをした | 本当の原因 | 戻る場所 |
|---|---|---|
| 同位角と錯角を取りちがえる | 横断線のどちら側かを見ていない | 問6 |
| 「同位角だから等しい」と書いてしまう | 平行が根拠だと分かっていない | 問9 |
| 答案で減点される | ℓ∥m を先に書いていない | 問16 |
| 角を1回で移そうとして詰まる | 近くへ移してからつなぐ発想がない | 問13 |
| 同側内角で引き算を忘れる | 等しいのか和が180°なのかが混ざっている | 問12 |
| 折れ線の問題で手が止まる | 折れ点に補助線をひいていない | 問21 |
| 補助線をひいても解けない | 平行にひいていないので何も等しくならない | 問24 |
| 性質と条件が混ざる | どちら向きの話かを区別していない | 問17 |
STEP1 交わる2直線
平行線に入る前に、2本の直線が交わるだけで決まることを先に固めます。ここが曖昧なままだと、平行線の問題で必ず詰まります。
このステップのゴール:一直線180°と対頂角を、迷わず使える
1本の直線上に点をとり、そこから1本の線をひきました。片方の角が 68° のとき、もう片方の角の大きさを求めなさい。
答え112°
解説
1本の直線がつくる角は 180° です。
180 − 68 = 112
よって 112° です。
この「一直線=180°」は、このあと何十回も使います。
2本の直線が交わっています。1つの角が 42° のとき、その向かい合う角の大きさを求めなさい。
答え42°
解説
向かい合う角を対頂角といいます。対頂角は等しくなります。
よって 42° です。
なぜ等しいのかも確かめておきましょう。42° のとなりの角は 180 − 42 = 138°。その 138° のとなりが求める角なので、180 − 138 = 42°。
「一直線180°を2回使うと、もとにもどる」というだけの話です。
2本の直線が交わってできる4つの角のうち、1つが 55° です。残り3つの角の大きさを求めなさい。
答え55°、125°、125°
解説
向かい合う角は等しいので、55° の対頂角も 55°。
となり合う角は一直線をつくるので、
180 − 55 = 125
その対頂角も 125° です。
2直線が交わってできる4つの角は、いつも2種類の大きさが2個ずつになります。そして2種類をたすと 180° です。
1本の直線上の同じ点から2本の線をひいたところ、3つの角ができ、両端が 48° と 62° になりました。真ん中の角を求めなさい。
答え70°
解説
3つの角を合わせると一直線なので 180° です。
180 − 48 − 62 = 70
よって 70° です。
2本の直線が交わり、1つの角が 118° です。この角のとなりの角と、その対頂角の大きさをそれぞれ求めなさい。
答えとなりの角 62°、その対頂角 62°
解説
となりの角は一直線から、
180 − 118 = 62
対頂角は等しいので、その向かいも 62° です。
ここまでで使った道具は「一直線180°」と「対頂角は等しい」の2つだけ。平行線が出てきても、この2つは使い続けます。
STEP2 角の位置の名前
2本の直線に1本の直線が交わると、角が8つできます。この8つには位置による名前がついています。まだ「等しい」という話ではありません。位置の話です。
このステップのゴール:同位角・錯角・同側内角を、位置で見分けられる
2直線に1直線が交わってできる角のうち、同位角とはどのような位置にある2つの角のことですか。
答え2つの交点で、同じ位置(同じ向き)にある2つの角
解説
交点が2つできます。それぞれの交点のまわりに4つずつ、合わせて8つの角。
そのうち、2つの交点で同じ位置にある2つの角を同位角といいます。
図で言うと「どちらも右上」「どちらも左下」のような組み合わせです。横断線に沿って一方の交点をそのまま平行移動させると、ぴったり重なる位置、と考えると分かりやすくなります。
大事なのは、この時点ではまだ2直線が平行とはかぎらないことです。同位角という名前は、平行でなくてもつきます。
錯角とはどのような位置にある2つの角のことですか。
答え2直線の間にあり、横断線をはさんで反対側にある2つの角
解説
錯角は、2直線にはさまれた内側にあって、しかも横断線の反対側にある2つの角です。
「内側」かつ「たすきがけ」と覚えると位置を取りちがえません。
同位角と錯角の見分けでよくある失敗は、横断線のどちら側かを確認しないことです。同じ側なら同位角、反対側なら錯角。指で横断線をなぞって、左右どちらにあるかを毎回見てください。
同側内角とはどのような位置にある2つの角のことですか。
答え2直線の間にあり、横断線の同じ側にある2つの角
解説
同側内角は、内側にあって横断線の同じ側にある2つです。
錯角と同じく内側ですが、横断線のどちら側かが逆になっています。
3つを整理すると、
2直線が平行でないとき、同位角や錯角という名前は使えますか。また、そのとき2つの角の大きさは等しくなりますか。
答え名前は使える。大きさは等しくならない
解説
名前は位置で決まるので、平行でなくても使えます。
ただし、大きさが等しくなるのは平行なときだけです。
ここが最大の分かれ目です。「同位角だから等しい」ではありません。「平行だから、同位角が等しい」のです。
答案でも「ℓ∥m より、同位角は等しいから」と、平行を根拠として先に書く必要があります。
STEP3 平行線の性質
ここでようやく「等しい」が登場します。2直線が平行なとき、同位角と錯角は等しく、同側内角の和は180°になります。
このステップのゴール:平行を根拠に、角を別の場所へ移せる
図で ℓ∥m です。x の大きさを求めなさい。
答えx=62°
解説
下の交点の 62° と、上の交点の x は同位角の位置にあります。どちらも交点の右上ですね。
ℓ∥m なので、同位角は等しくなります。
x = 62
よって x=62° です。
図で ℓ∥m です。x の大きさを求めなさい。
答えx=62°
解説
62° は下の交点の右上、x は上の交点の左下。内側にあって横断線の反対側なので錯角です。
ℓ∥m なので、錯角は等しくなります。
x = 62
よって x=62° です。
図で ℓ∥m です。x の大きさを求めなさい。
答えx=118°
解説
62° と x は、どちらも内側にあって横断線の同じ側。同側内角です。
ℓ∥m のとき、同側内角の和は 180° になります。
x = 180 − 62 = 118
よって x=118° です。
この関係は、錯角が等しいことと一直線180°を組み合わせれば出てきます。覚えきれないなら、錯角で 62° を移してから 180 から引いても同じ答えになります。
図で ℓ∥m です。x の大きさを求めなさい。
答えx=118°
解説
いきなり x を求めようとすると迷います。2段階に分けます。
まず 62° を同位角で上の交点へ移します。上の交点の右上が 62° です。
x はその右上の角と一直線にならんでいるので、
x = 180 − 62 = 118
よって x=118° です。
角度の問題では1回で移そうとしないのがコツです。近いところへ移してから、一直線や対頂角でつなぐ。この2段構えで大半が解けます。
ℓ∥m である2直線の間に三角形があり、ℓ 側の角が 47°、m 側の角が 68° です。三角形の残りの角を求めなさい。
答え65°
解説
三角形の内角の和は 180° です。
180 − 47 − 68 = 65
よって 65° です。
平行線が出てきても、三角形の内角の和は変わりません。むしろ、平行線は離れた角を三角形の中へ集めるための道具として使います。
ℓ∥m である2直線の間に三角形があり、2つの内角が 47° と 68° です。残りの角の外角の大きさを求めなさい。
答え115°
解説
三角形の外角は、それととなり合わない2つの内角の和に等しくなります。
47 + 68 = 115
よって 115° です。
確かめます。残りの内角は 180 − 47 − 68 = 65°、その外角は 180 − 65 = 115°。合っています。
外角の定理も、実は平行線をひいて錯角と同位角を使えば説明できます。
平行線の性質を使って角を求めるとき、答案には何を根拠として書く必要がありますか。
答え「ℓ∥m より、同位角(錯角)は等しいから」のように、平行であることを先に書く
解説
書き方はこうです。
ℓ ∥ m より、錯角は等しいから ∠x = 62°
平行であることが先、性質の名前が次、結論が最後。
「錯角だから等しい」とだけ書くと、根拠が足りません。錯角という名前は平行でなくてもつくので、平行を言わないかぎり「等しい」は言えないからです。
定期テストの記述で減点されるのは、たいていここです。
STEP4 平行になるための条件
ここも向きが逆になります。角が等しいと分かったら、2直線は平行だと言える。作図や証明で使う道具です。
このステップのゴール:角の情報から、平行だと言い切れる
2直線に1直線が交わり、同位角が等しくなっています。この2直線は平行といえますか。
答えいえる
解説
同位角が等しければ、2直線は平行です。
性質(平行 → 角が等しい)の逆向きにあたります。
平行線の問題では、この2方向をはっきり区別してください。
図のように、錯角が 58° で等しくなっています。この2直線は平行といえますか。
答えいえる
解説
錯角が等しければ、2直線は平行です。
同位角のときと同じ理由です。錯角が等しいなら、一直線180°を使って同位角も等しいことが導けます。
よって平行といえます。
2直線に1直線が交わり、同側内角が 100° と 85° でした。この2直線は平行といえますか。
答えいえない
解説
平行なら、同側内角の和は 180° になるはずです。
100 + 85 = 185
185° で 180° になりません。したがって平行ではありません。
「平行かどうかを確かめる」ときは、同位角・錯角が等しいか、同側内角の和が 180° か、のどれかを調べます。
3本の直線 a、b、c に1本の直線が交わっています。a と b では錯角が等しく、b と c では同側内角の和が 170° でした。平行な組み合わせはどれですか。
答えa と b
解説
a と b は錯角が等しいので平行です。
b と c は同側内角の和が 170° で、180° になっていないので平行ではありません。
170 ≠ 180
よって平行なのは a と b だけです。
STEP5 補助線をひく
折れ曲がった線が出てきたら、折れ点を通る平行線をひきます。これだけで、離れた角どうしが錯角でつながります。
このステップのゴール:どこに補助線をひくかを、自分で決められる
図で ℓ∥m です。x の大きさを求めなさい。
答えx=73°
解説
折れ点 B を通り、ℓ と m に平行な直線をひきます。
すると、この補助線によって ∠B が2つに分かれます。
上半分は、ℓ との錯角なので 32°。下半分は、m との錯角なので 41°。
x = 32 + 41 = 73
よって x=73° です。
ジグザグ型は足し算になる、と覚えておくと速くなります。
ジグザグ型で、折れ点を通る平行線をひくとうまくいく理由を説明しなさい。
答え補助線が ℓ・m と平行になるので、離れた角どうしが錯角の関係で結べるから
解説
32° と 41° は、もとの図では離れた場所にあって直接は比べられません。
折れ点 B を通る補助線を ℓ に平行にひくと、B のところに 32° と等しい角が現れます(錯角)。
同じ補助線は m とも平行なので、41° と等しい角も B に現れます。
つまり補助線は、離れた角を1か所に集める道具です。
「平行な補助線をひく」という発想は、このあと三角形の内角の和の証明でも、相似でも、ずっと使います。
図で ℓ∥m です。x の大きさを求めなさい。
答えx=57°
解説
同じように、折れ点 B を通る補助線をひきます。
∠B は補助線で2つに分かれ、上半分は ℓ との錯角なので 48°。
∠B 全体が 105° なので、下半分は、
105 − 48 = 57
この下半分が、m との錯角で x と等しくなります。
よって x=57° です。
足し算の式を、引き算として使っただけです。∠B = ∠A + ∠C という関係を1本もっておけば、どれを聞かれても対応できます。
角度の問題で、補助線をどこにひけばよいか分からなくなります。判断のしかたを説明しなさい。
答え折れ点(角がついている点)を通り、すでにある平行線に平行にひく
解説
原則は2つだけです。
この2つを守れば、必ず錯角か同位角ができます。
逆に、平行でない向きにひいた補助線は、新しい角が増えるだけで何も等しくならないので効きません。
折れ点が2か所あるなら、補助線も2本ひきます。数は増えても考え方は同じです。
STEP6 三角形の角とつなげる
最後に、平行線を使って三角形の角の性質を証明します。覚えていた公式が、平行線から出てくることを確かめます。
このステップのゴール:平行線を根拠に、三角形の性質を説明できる
三角形 ABC の内角の和が 180° であることを、平行線を使って証明しなさい。
答え頂点 A を通り BC に平行な直線をひく
解説
[証明]
頂点 A を通り、辺 BC に平行な直線 ℓ をひく。
ℓ ∥ BC で、AB が交わる直線だから、錯角は等しく、
∠B =(ℓ 上で ∠A の左どなりの角)
同じく AC が交わる直線だから、錯角は等しく、
∠C =(ℓ 上で ∠A の右どなりの角)
この3つの角は、点 A のところで一直線 ℓ をつくっているので、
∠B + ∠A + ∠C = 180°
[証明終わり]
小学校では「三角形を切って3つの角を集めると一直線になる」と教わります。その「集める」を数学の言葉にしたのが、この補助線です。
三角形の1つの外角が、それととなり合わない2つの内角の和に等しいことを証明しなさい。
答え頂点を通る平行線、または内角の和から導く
解説
[証明]
△ABC で、頂点 C における外角を考える。
内角の和より、
∠A + ∠B + ∠C = 180°
外角は ∠C と一直線をつくるので、
外角 = 180° − ∠C
この2つを合わせると、
外角 = (∠A + ∠B + ∠C) − ∠C = ∠A + ∠B
[証明終わり]
実際に数字で確かめます。∠A=47°、∠B=68° なら外角は 115°。問15で計算した値と一致します。
ℓ∥m である2直線の間に三角形があります。ℓ 側の角が 47°、m 側の角が 68° のとき、残りの角の外角を求めなさい。
答え115°
解説
残りの内角は、
180 − 47 − 68 = 65
その外角は、
180 − 65 = 115
外角の定理を使えば1行です。
47 + 68 = 115
よって 115° です。
同じ答えに2通りで着けるかどうかが、理解できているかの目安になります。
平行四辺形では、となり合う2つの角の和が 180° になります。その理由を、平行線の性質を使って説明しなさい。
答えとなり合う2つの角は同側内角だから
解説
平行四辺形 ABCD では、AD ∥ BC です。
この2直線に、辺 AB が交わっていると見ます。
すると ∠A と ∠B は、内側にあって AB の同じ側にある角、つまり同側内角です。
平行なので、同側内角の和は 180°。
∠A + ∠B = 180°
「平行四辺形のとなり合う角の和は180°」という性質は、覚えるものではなく同側内角そのものだった、ということです。
次の単元の「三角形と四角形」では、この見方を何度も使います。
仕上げの追加演習
ここまでの解き方が身についたかを確かめる問題です。ドリルと同じ形で数だけ変えてあります。答えは下にまとめてあるので、手でかくして解いてから見てください。
追加演習 10問
解き方がわからなくなったら、上のドリルの同じステップに戻ってください。
- 1本の直線上の角の片方が 47° です。もう片方を求めなさい。
- 2直線が交わり、1つの角が 128° です。その対頂角を求めなさい。
- 2直線が交わってできる4つの角のうち1つが 63° です。残り3つを求めなさい。
- 1本の直線上に3つの角ができ、両端が 35° と 78° です。真ん中の角を求めなさい。
- ℓ∥m のとき、下の交点の 54° と同位角の位置にある角 x を求めなさい。
- ℓ∥m のとき、73° と錯角の位置にある角 x を求めなさい。
- ℓ∥m のとき、106° と同側内角の位置にある角 x を求めなさい。
- ℓ∥m のジグザグ型で ∠A=28°、∠C=45° です。折れ点の角 ∠B を求めなさい。
- ℓ∥m のジグザグ型で ∠A=41°、∠B=98° です。∠C を求めなさい。
- 2直線に1直線が交わり、同側内角が 95° と 88° でした。2直線は平行といえますか。
答え(1) 133° (2) 128° (3) 63°、117°、117° (4) 67° (5) 54° (6) 73° (7) 74° (8) 73° (9) 57° (10) いえない(和が183°)
中高一貫校でこの単元に取り組む人へ
「平行線と角」は、公立中学校では中学2年で学ぶ単元です。中高一貫校では進度が速く、ここを固めないまま図形の証明に進んでしまうことがあります。答案で「ℓ∥m より」と根拠を書けるかどうかは、この単元でしか身につきません。証明で点を落とす原因の多くは、計算ではなく根拠の書き落としです。
学校ごとの進度・教材・定期テストの傾向は次のページにまとめています。
よくある質問
同位角と錯角は、どうやって見分けますか?
横断線のどちら側にあるかで見分けます。2つの交点で同じ位置にあるのが同位角、2直線の内側にあって横断線をはさんで反対側にあるのが錯角です。内側で横断線の同じ側なら同側内角になります。指で横断線をなぞって、左右どちらにあるかを毎回確認するのが確実です。
「同位角は等しい」と覚えていてはいけないのですか?
危険です。同位角という名前は位置で決まるので、2直線が平行でなくてもつきます。等しくなるのは平行なときだけです。正しくは「平行だから、同位角が等しい」。答案でも ℓ∥m を先に書かないと根拠不足になります。
同側内角の和が180°になるのは、なぜですか?
錯角で考えると出てきます。平行なので錯角は等しく、その錯角と同側内角は一直線をつくるので和が180°です。つまり「錯角が等しい」と「一直線は180°」の組み合わせで、新しい性質ではありません。
角を1回で求められないときは、どうすればいいですか?
1回で移そうとしないことです。まず近い交点へ同位角か錯角で移し、そのあと一直線180°や対頂角でつなぎます。この2段構えで大半の問題が解けます。
折れ線(ジグザグ)の問題で、補助線はどこにひきますか?
折れ点を通り、すでにある平行線と平行にひきます。すると折れ点の角が2つに分かれ、それぞれが上下の角と錯角の関係になります。ジグザグ型では、折れ点の角=上の角+下の角、という関係が成り立ちます。
平行でない向きに補助線をひいてしまいます。
平行でない補助線は、新しい角が増えるだけで何も等しくなりません。補助線の目的は、離れた角を錯角や同位角で結び直すことです。だから必ず、すでにある平行線と平行にひきます。
平行線の性質と、平行になるための条件は何が違いますか?
向きが逆です。性質は「平行 → 同位角・錯角が等しい」、条件はその逆で「同位角・錯角が等しい → 平行」。角度を求めるときは性質、平行だと示したいときは条件を使います。
この単元は、あとで何につながりますか?
三角形の内角の和も、外角の定理も、平行線の錯角から証明できます。平行四辺形のとなり合う角の和が180°になるのも、同側内角そのものです。つまりここは、図形の証明全体の土台になる単元です。
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ドリル追加日:2026年8月14日
この28問と13点の図版は、数強塾が独自に作成したものです。図はすべて座標を計算して描き起こし、図に表示した角度と実際に描かれた角度が一致すること、平行・錯角・同位角の関係が図の上で本当に成り立っていることを機械的に検証しています。図つきの問題の答えは、図から実測した値をそのまま本文に読み込んでいるため、文章と図がずれることがありません。
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中2「平行線と角・図形の性質」の演習教材です。各ページから問題PDFをダウンロードでき、解答PDFがある回はあわせて掲載しています。難易度の低い順に並べています。
公式と要点をまとめて確認する:中2数学の要点辞典:平行と合同 ── 公式一覧だけでなく、いつ使うか・どこで点を落とすかまで書いています。
この単元の関連解説:中2数学|三角形の合同条件と証明 3条件・対応順・書き方を解説【中2数学】(無料問題PDF)/中2数学|図形の証明の書き方 仮定・結論・根拠を中2向けに解説(無料問題PDF)/中2数学|三角形と四角形の性質 二等辺三角形・平行四辺形を解説【中2】(無料問題PDF)
