中1数学:方程式 / 数学単元ガイド

中1数学|一次方程式とは?解き方・移項の意味を例題で解説【中1数学】(無料問題PDF)

今日の一問
  1. 4x+3=19
  2. 7x−5=3x+11
  3. 3(2x−1)=15
  4. 0.3x−0.4=1.1
  5. x/4+1/3=5/6
  6. 求めた解をもとの式に代入して、左右が等しいことも確かめてください。
——さて、どこから手をつける?
答えと考え方は、この記事の中で順を追って解説します。

一次方程式を解くとは、等号の左右に同じ操作をして、文字を「x=数」の形にすることです。移項を符号の暗記にせず、等式の性質から理解すれば、かっこ・小数・分数を含む式にも対応できます。

方程式と一次方程式とは

文字に入る数によって成り立ったり成り立たなかったりする等式を方程式といいます。

3x+5=17

等号「=」の左側を左辺、右側を右辺、左右を合わせて両辺といいます。この式は x=4を入れると、左辺も右辺も17になるので成り立ちます。

方程式を成り立たせる文字の値を、その方程式のといいます。解をすべて求めることが、方程式を解くことです。

中学1年で中心となる一次方程式は、整理すると次の形になる方程式です。

axb=0 (ただし a≠0)

文字 x の指数が1であることから「一次」といいます。2x2+3=0のように x2 を含む式は、一次方程式ではありません。

等号は「左右が同じ」という意味

等号は「答えがこの後にある」という記号ではなく、左辺と右辺の値が等しいことを表します。方程式は、左右がつり合った天びんのように考えられます。片側だけを変えるとつり合いが崩れますが、両側に同じ操作をすればつり合いを保てます。

方程式を解くための等式の性質

AB が成り立つとき、次の変形ができます。

両辺への操作 変形後 条件
同じ数 C を足す ACBC どんな数でもよい
同じ数 C を引く ACBC どんな数でもよい
同じ数 C を掛ける ACBC 解が同じ変形には C≠0
同じ数 C で割る A/CB/C C≠0
0で割ることはできません。また、両辺に0を掛けると、もとの式に関係なく0=0となり、もとの解を特定できなくなります。方程式を同じ解のまま変形するとき、掛けたり割ったりする数は0以外にします。

移項すると符号が変わる理由

方程式の項を、等号を越えて反対側へ移すことを移項といいます。「移項すると符号が変わる」と習いますが、項が勝手に移動するわけではありません。両辺に同じ数を足したり引いたりした結果です。

例1:移項の意味を等式の性質で確かめる

問題:3x+5=17を解きましょう。

左辺の+5をなくすため、両辺から5を引きます。

3x+5=17
3x+5−5=17−5
3x=12

結果だけ見ると、左辺の+5が右辺へ−5として移った形です。

3x=17−5
3x=12

最後に両辺を3で割ります。

x=4

確かめ:もとの式に4を代入すると、3×4+5=17となり、左右が等しいので正しい解です。

移項の本当の意味:加えてある項を消すには両辺からその項を引き、引いてある項を消すには両辺にその項を足します。その結果、反対側では符号が変わって見えます。

一次方程式を解く基本手順

  1. かっこがあれば分配法則で外し、小数や分数があれば必要に応じて整数の式に直す。
  2. 文字を含む項を一方へ、数だけの項を反対側へ移項する。
  3. 両辺の同類項をそれぞれまとめ、「axb」の形にする。
  4. xの係数 a で両辺を割り、「x=数」の形にする。
  5. 求めた数をもとの方程式に代入し、左辺と右辺が等しいか確かめる。

式によって不要な手順は省けます。途中式は一度に大きく変形せず、1行につき1つの操作を書くと符号ミスを見つけやすくなります。

両辺に文字を含む一次方程式

例2:文字の項を左辺へ集める

問題:5x−7=2x+8を解きましょう。

  1. 右辺の2xを左辺へ、左辺の−7を右辺へ移項します。
  2. 同類項をまとめます。
  3. 両辺を3で割ります。
5x−7=2x+8
5x−2x=8+7
3x=15
x=5

確かめ:左辺は5×5−7=18、右辺は2×5+8=18です。

文字の項を右辺へ集めても構いません。ただし、最後の x の係数が正になる側へ集めると、負の数で割る場面が減ることがあります。

かっこを含む一次方程式

例3:分配法則でかっこを外す

問題:−2(x−3)=10を解きましょう。

−2を、かっこの中の両方の項に掛けます。

−2(x−3)=10
−2x+6=10
−2x=10−6
−2x=4
x=−2

確かめ:−2×{(−2)−3}=−2×(−5)=10です。

かっこの前が負の数でも、かっこの中のすべての項に掛けます。−2(x−3)を−2x−3とするのは誤りです。

小数を含む一次方程式

小数のまま計算しても解けますが、両辺に10、100などを掛けて整数の式にすると計算が安定します。両辺のすべての項に同じ数を掛けます。

例4:両辺を10倍する

問題:0.4x+1.2=2.8を解きましょう。

0.4x+1.2=2.8
4x+12=28 (両辺を10倍)
4x=16
x=4

確かめ:0.4×4+1.2=1.6+1.2=2.8です。

分数を含む一次方程式

分母の最小公倍数を両辺に掛けると、分母をなくせます。分数の項だけでなく、両辺のすべての項に掛けることが大切です。

例5:分母の最小公倍数を掛ける

問題:x/3−1/2=5/6を解きましょう。

分母3、2、6の最小公倍数は6なので、両辺に6を掛けます。

x/3−1/2=5/6
2x−3=5
2x=8
x=4

確かめ:4/3−1/2=8/6−3/6=5/6です。

解が正しいか代入して確かめる

方程式を解いた後は、求めた値を変形後ではなく、もとの方程式に代入します。左辺と右辺を別々に計算し、同じ値になれば検算できます。

確認するもの 確認方法
符号 負の数はかっこに入れて代入する
分配法則 かっこの中の各項に掛けたかを見る
左右の一致 左辺と右辺を別々に計算する
答えの書き方 最後が「x=数」になっているかを見る

発展:解が1つに決まらない式

一次方程式 axb=0では a≠0なので、解は1つに決まります。しかし、式を整理した結果、xの項がすべて消える場合があります。

  • 2x+3=2x+3 → 3=3となり、どんな数を代入しても成り立つ。
  • 2x+3=2x+5 → 3=5となり、成り立つ数はない。

この2つは「x=0」とするのではありません。文字が消えた後に、残った等式がいつ成り立つかを判断します。

よくある間違いと直し方

1. 移項しない項の符号まで変える

符号が変わるのは等号を越えて移項した項だけです。1行で多くの項を動かさず、移項した項に印を付けましょう。

2. −2x=6からx=3にする

両辺を−2で割るので、x=−3です。最後の係数が負のときも符号を含めて割ります。

3. 2(x+3)を2x+3にする

2を x と3の両方に掛け、2x+6とします。

4. 分母をなくす数を一部の項にしか掛けない

等式のつり合いを保つため、最小公倍数は両辺のすべての項に掛けます。

確認問題

  1. 4x+3=19
  2. 7x−5=3x+11
  3. 3(2x−1)=15
  4. 0.3x−0.4=1.1
  5. x/4+1/3=5/6
  6. 求めた解をもとの式に代入して、左右が等しいことも確かめてください。
解答と解説を開く
  1. x=4。4x=16より、両辺を4で割ります。確認:4×4+3=19。
  2. x=4。7x−3x=11+5より、4x=16です。確認:両辺とも23。
  3. x=3。6x−3=15、6x=18です。確認:3×(6−1)=15。
  4. x=5。両辺を10倍すると3x−4=11、3x=15です。確認:0.3×5−0.4=1.1。
  5. x=2。両辺に12を掛けると3x+4=10、3x=6です。確認:2/4+1/3=3/6+2/6=5/6。
  6. 上の各解説に、もとの式を使った確認を示しています。

まとめ

  • 方程式を解くとは、方程式を成り立たせる文字の値をすべて求めること。
  • 両辺に同じ操作をして、「x=数」の形へ変形する。
  • 移項による符号の変化は、両辺に同じ数を足したり引いたりした結果。
  • 0で割ることはできず、同じ解を保つために0を掛ける変形もしない。
  • かっこ、小数、分数を先に整理し、最後にもとの式へ代入して確かめる。

学習範囲の根拠

この記事は、文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編」の第1学年「一元一次方程式」を基準に構成しています。学年配当や用語の根拠は、文部科学省の解説PDFで確認できます。

前後の単元

前に学ぶ文字式で、項・係数・同類項・分配法則を確認できます。

次に学ぶ一次方程式の文章題で、数量と単位の整理、立式、検算の手順を学べます。

天秤でつかむ 20問ドリル(問題→答え→解説)

ここから下は、上の解説を手を動かして定着させるためのドリルです。やさしい順に4つのステップへ並べた20問を、問題のすぐ下に答えと解説をつけて置いています。この単元でいちばん多い誤りは移項の符号なので、「移項すると符号が変わる」を暗記させない作りにしました。天秤の絵4点で、両辺から同じものを取っているだけだと分かるようにしています。答えはすべて分数のまま解き直し、もとの式に代入して確かめています。上から順に、1問ずつ自分で解いてから答えを見てください。

こんな間違いをした 本当の原因 戻る場所
移項したのに符号を変えていない 移項の意味を知らない STEP2・問6
移項していない項まで符号を変えた どれを移したか意識していない STEP2・問9
3x=12 で答えにしてしまう 最後に係数で割っていない STEP1・問3
2(x−1) を 2x−1 とした かっこの中の全部にかけていない STEP3・問11
小数の式で 1.2 を直し忘れる すべての項を10倍していない STEP3・問13
分数の式で整数の項を忘れる 分数のない項にもかけると知らない STEP3・問14
0=0 や 0=2 が出て混乱する 特別な場合を知らない STEP4・問17
検算しても間違いに気づけない 途中式で確かめている STEP4・問16

STEP1 等式の性質

方程式は天秤だと思ってください。両側に同じことをしているかぎり、つり合いは崩れません。これが解き方のすべての根拠になります。

このステップのゴール:等式の性質を、天秤の絵で説明できる

問 1方程式と解

方程式の「解」とは何ですか。

方程式は天秤。左右のおもさが等しいx11111111111x + 38x + 3 = 8つり合っているとき、左右のおもさは等しい
つり合っているとき、左右のおもさは等しい

答えその式を成り立たせる文字の値

解説

x + 3 = 8 は、x に何を入れると成り立つでしょうか。

x = 5 のとき 5 + 3 = 8 (○)x = 4 のとき 4 + 3 = 7 (×)

成り立つのは x=5 のときだけです。この 5 がです。

方程式を解く=解を見つけること。見つけたら、代入して確かめられます。

天秤で言えば、左右のおもさがちょうど等しくなる x を探しています。

問 2両辺から同じ数を引く

x + 3 = 8 の両辺から3を引くと、どうなりますか。

両辺から同じ数を取ってもつり合うx11111x5x = 5両辺から 1 を3個ずつ取っても、つり合ったまま
両辺から同じ数を取っても、つり合ったまま

答えx = 5

解説

天秤の両方の皿から、同じおもりを取りのぞきます。

(x + 3) − 3 = 8 − 3x = 5

両方から同じだけ取れば、つり合いは崩れません。

これが等式の性質の1つめです。

片方だけから取ってはいけません。左だけ3を引くと、天秤は左に軽くなって傾いてしまいます。

問 3両辺を同じ数で割る

3x = 12 の両辺を3で割ると、どうなりますか。

両辺を同じ数で割ってもつり合うxxx1111111111113x123x = 12両辺を3で割ると x = 4。つり合いは変わらない
両辺を同じ数で割っても、つり合ったまま

答えx = 4

解説

皿の中身を、両方とも3等分します。

3x ÷ 3 = 12 ÷ 3x = 4

両方を同じ数で割っても、つり合いは崩れません。

確かめます。

3 × 4 = 12 (○)

0 で割ることだけはできません。それ以外の数なら、かけても割っても大丈夫です。

問 4等式の性質のまとめ

等式の性質を4つ挙げなさい。

答え両辺に同じ数を ① 足す ② 引く ③ かける ④ 割る(0以外)ことができる

解説

A=B ならば A+C=B+C
A=B ならば A−C=B−C
A=B ならば AC=BC
A=B ならば A÷C=B÷C(C ≠ 0)

方程式を解く作業は、この4つの組み合わせだけです。新しい技は出てきません。

目標は「x = 数」の形にすること。そのために、じゃまなものを両辺から取りのぞいていきます。

問 5両辺に文字があるとき

3x + 2 = x + 8 で、まず何をすればよいですか。

両辺に文字があるとき、文字を片方へ集めるxxx11x111111113x + 2x + 83x + 2 = x + 8両辺から x を1個ずつ取ると 2x + 2 = 8
両辺から x を1個ずつ取ると、右から文字が消える

答え両辺から x を1個ずつ取りのぞく

解説

両方の皿に x のおもりがあります。両方から1個ずつ取ります

3x + 2 − x = x + 8 − x2x + 2 = 8

これで右側から文字が消えました。あとはいつもどおりです。

2x = 6 → x = 3

文字は左、数は右に集めるのが基本です。

確かめます。

左辺 3×3 + 2 = 11  右辺 3 + 8 = 11 (○)

STEP2 移項

「移項すると符号が変わる」は暗記するものではありません。両辺から同じ数を引いた結果、そう見えているだけです。

このステップのゴール:移項の意味を説明し、正しく使える

問 6移項とは

x + 3 = 8 を解くとき、「+3 を右へ移すと −3 になる」のはなぜですか。

移項の正体は「両辺から同じ数を引く」ことx + 3 = 8はじめの式x + 3 − 3 = 8 − 3両辺から3を引くx = 8 − 3左の +3 が消えたx = 5計算して答え「+3 を移して −3 にする」の正体は、両辺から3を引くこと
移項の正体は、両辺から同じ数を引くこと

答え両辺から3を引いているから

解説

途中を省かずに書くと、こうなっています。

x + 3 = 8x + 3 − 3 = 8 − 3 (両辺から3を引く)x = 8 − 3

左辺の +3 が消えて、右辺に −3 が現れました。

これを一気にやるのが「移項」です。符号が変わって見えるのは、引き算をしたからです。

意味が分かっていれば、符号を間違えても自分で気づけます。

問 7移項して解く

2x − 5 = 9 を解きなさい。

答えx = 7

解説

−5 を右へ移項します。符号が変わって +5 になります。

2x = 9 + 52x = 14x = 7

確かめます。

2 × 7 − 5 = 14 − 5 = 9 (○)

移項したら、必ず符号を変える。そのままの符号で移すのが、この単元でいちばん多いミスです。

問 8文字と数を分ける

5x + 4 = 2x + 19 を解きなさい。

答えx = 5

解説

文字は左、数は右へ移項します。

5x − 2x = 19 − 4

移項したものは、どちらも符号が変わっています。

3x = 15x = 5

確かめます。

左辺 5×5 + 4 = 29  右辺 2×5 + 19 = 29 (○)

2つ同時に移項してよいです。1つずつやってもかまいませんが、まとめたほうが速く済みます。

問 9符号のミスを防ぐ

4x − 7 = x + 5 を解きなさい。移項するとき、何に気をつけますか。

答えx = 4。移項するものの符号をすべて変えること

解説

x を左へ、−7 を右へ移します。

4x − x = 5 + 73x = 12x = 4

移項するものは、必ず符号が変わります。

右の +x左へ移すと −x
左の −7右へ移すと +7

確かめます。

左辺 4×4 − 7 = 9  右辺 4 + 5 = 9 (○)

移項しなかった項の符号は変えません。ここも混同しやすいところです。

問 10解く手順

一次方程式を解く手順を、順番に書きなさい。

答え① かっこをはずす ② 文字を左・数を右へ移項 ③ 両辺を整理して x の係数で割る ④ 代入して確かめる

解説

かっこ・小数・分数があれば先に整理する
文字は左、数は右へ移項(符号を変える)
ax = b の形にして、両辺を a で割る
もとの式に代入して確かめる

順番を変えないでください。かっこをはずす前に移項すると、必ず混乱します。

④をとばさないのも大事です。計算は30秒で終わりますし、間違いがあれば必ず見つかります。

STEP3 いろいろな形

かっこ・小数・分数がついていても、先に整理してしまえば同じです。整理のしかたを1つずつ身につけます。

このステップのゴール:どんな形でも、整理してから解ける

問 11かっこをふくむ式

2(x − 1) = x + 4 を解きなさい。

答えx = 6

解説

まずかっこをはずします

2x − 2 = x + 4

移項して、

2x − x = 4 + 2x = 6

確かめます。

左辺 2×(6 − 1) = 10  右辺 6 + 4 = 10 (○)

かっこの中の全部にかけるのを忘れないでください。2(x−1) を 2x−1 とするのが、よくある誤りです。

問 12かっこの前がマイナス

3(2x + 1) = 4x + 11 を解きなさい。

答えx = 4

解説

6x + 3 = 4x + 116x − 4x = 11 − 32x = 8x = 4

確かめます。

左辺 3×(2×4 + 1) = 3×9 = 27  右辺 4×4 + 11 = 27 (○)

かっこの前がマイナスのときは、中の符号が全部変わります。

−2(x − 3) = −2x + 6

ここは特に慎重に計算してください。

問 13小数をふくむ式

0.3x + 1.2 = 0.5x を解きなさい。

答えx = 6

解説

両辺を10倍して、小数をなくします。

3x + 12 = 5x12 = 5x − 3x2x = 12 → x = 6

確かめます。

左辺 0.3×6 + 1.2 = 3  右辺 0.5×6 = 3 (○)

すべての項を10倍してください。1.2 を 12 にするのを忘れる誤りが多いところです。

小数第2位まであるときは100倍します。

問 14分数をふくむ式

x/2 + 1 = x/3 + 3 を解きなさい。

答えx = 12

解説

分母 2 と 3 の最小公倍数6を両辺にかけます。

3x + 6 = 2x + 183x − 2x = 18 − 6x = 12

確かめます。

左辺 12/2 + 1 = 7  右辺 12/3 + 3 = 7 (○)

分数がついていない項にもかけるのを忘れないでください。1 に6をかけて 6、3 に6をかけて 18 です。

問 15比例式

3 : 4 = x : 8 を解きなさい。

答えx = 6

解説

比例式は「外側の積=内側の積」で方程式にできます。

3 × 8 = 4 × x24 = 4xx = 6

確かめます。

3 : 4 = 6 : 8 → どちらも 3/4 (○)

a : b = c : d ならば ad = bc。この形にしてしまえば、あとはいつもの方程式です。

STEP4 確かめと、特別な場合

最後に検算と、解が1つに決まらない場合を扱います。

このステップのゴール:検算の習慣をつけ、例外にも対応できる

問 16代入して確かめる

7x = 3x + 16 を解き、答えが正しいことを確かめなさい。

答えx = 4

解説

7x − 3x = 164x = 16 → x = 4

もとの式に代入します。

左辺 7 × 4 = 28右辺 3 × 4 + 16 = 12 + 16 = 28

両辺が28で一致したので、x=4 は正しい解です。

途中で作った式ではなく、もとの式に代入すること。途中式で確かめても、その式を作るときの間違いは見つかりません。

問 17解が無数にある場合

2x + 3 = 2x + 3 を解こうとすると、どうなりますか。

答えどんな x でも成り立つ(解は無数にある)

解説

移項して整理してみます。

2x − 2x = 3 − 30 = 0

いつでも成り立つ式になりました。

これは「x に何を入れても成り立つ」という意味です。

実際、x=0 でも x=100 でも左辺と右辺は同じになります。

0 = 0 が出たら、解は無数にある。計算ミスではないので、あわてないでください。

問 18解がない場合

2x + 3 = 2x + 5 を解こうとすると、どうなりますか。

答え成り立つ x はない(解なし)

解説

同じように整理します。

2x − 2x = 5 − 30 = 2

成り立たない式が出ました。

これは「そんな x は存在しない」という意味です。

左辺と右辺は、どんな x でも必ず2だけ差があるので、等しくなりません。

0 = 0解は無数にある
0 = 0でない数解はない

文字が全部消えたら、残った式を見る。これで判断できます。

問 19解から文字の値を求める

方程式 ax + 1 = 7 の解が x = 2 であるとき、a の値を求めなさい。

答えa = 3

解説

解が分かっている=代入すると成り立つ、ということです。

a × 2 + 1 = 72a = 6a = 3

確かめます。a=3 なら 3x+1=7 で、x=2 のとき 3×2+1=7 です。

「解が x=2」と書かれていたら、まず代入する。そうすると a についての方程式になります。

解く文字が x から a に変わるだけで、やることは同じです。

問 20つまずいたときの戻り方

方程式が解けないとき、どこを確かめればよいですか。

答え① かっこ・小数・分数を先に整理したか ② 移項で符号を変えたか ③ 最後に係数で割ったか ④ 代入して確かめたか

解説

整理をとばして移項していないか
移項したものの符号を変えたか
3x=12 で止まっていないか(x=4 まで)
もとの式に代入したか

いちばん多いのは②です。移項したのに符号を変えていない、あるいは移項していない項の符号まで変えている。

迷ったら、移項せずに書いてみてください。「両辺から◯を引く」と1行ずつ書けば、符号を間違えようがありません。

文章題は 一次方程式の文章題 にあります。

仕上げの追加演習

ここまでの解き方が身についたかを確かめる問題です。ドリルと同じ形で数だけ変えてあります。答えは下にまとめてあるので、手でかくして解いてから見てください。

追加演習 10問

解き方がわからなくなったら、上のドリルの同じステップに戻ってください。

  1. x + 6 = 15 を解きなさい。
  2. 4x = 28 を解きなさい。
  3. 3x − 8 = 13 を解きなさい。
  4. 6x + 5 = 4x + 17 を解きなさい。
  5. 5x − 3 = 2x + 12 を解きなさい。
  6. 3(x + 2) = 2x + 11 を解きなさい。
  7. 0.4x + 0.6 = 0.2x + 1.4 を解きなさい。
  8. x/3 + 2 = x/4 + 3 を解きなさい。
  9. 2 : 5 = 6 : x を解きなさい。
  10. 方程式 ax − 2 = 10 の解が x = 4 のとき、a を求めなさい。

答え(1) x = 9 (2) x = 7 (3) x = 7 (4) x = 6 (5) x = 5 (6) x = 5 (7) x = 4 (8) x = 12 (9) x = 15 (10) a = 3

追加演習 もう10問

上の10問が解けたら、こちらへ。同じ型で、数だけ変えてあります。

  1. x − 7 = 5 を解きなさい。
  2. −3x = 21 を解きなさい。
  3. 5x + 4 = 19 を解きなさい。
  4. 7x − 2 = 3x + 14 を解きなさい。
  5. 2x + 9 = 6x − 3 を解きなさい。
  6. 4(x − 3) = x + 6 を解きなさい。
  7. 0.3x − 0.5 = 0.1x + 0.7 を解きなさい。
  8. x/2 − 1 = x/5 + 2 を解きなさい。
  9. 3 : 4 = x : 20 を解きなさい。
  10. 方程式 5x + a = 17 の解が x = 2 のとき、a を求めなさい。

答え(1) x = 12 (2) x = −7 (3) x = 3 (4) x = 4 (5) x = 3 (6) x = 6 (7) x = 6 (8) x = 10 (9) x = 15 (10) a = 7

中高一貫校でこの単元に取り組む人へ

「一次方程式」は、公立中学校では中学1年で学ぶ単元です。中高一貫校でも中1で扱い、そのまま連立方程式・二次方程式へ積み上がります。移項を「符号を変えて反対側へ動かす操作」とだけ覚えると、連立方程式で式どうしを引くときに必ず符号で崩れます。等式の性質——両辺に同じことをしてよい——という根っこのほうを、ここで押さえてください。

学校ごとの進度・教材・定期テストの傾向は次のページにまとめています。

よくある質問

移項すると、なぜ符号が変わるのですか?

両辺から同じ数を引いているからです。x+3=8 なら、両辺から3を引いて x=8−3 となります。この途中を省いたのが移項なので、符号が変わって見えます。

移項するとき、どの項の符号を変えますか?

移した項だけです。移していない項の符号は変えません。1行ずつ「両辺から◯を引く」と書けば、間違えようがありません。

3x = 12 は答えですか?

答えではありません。「x = 」の形にするまでが方程式を解くことです。両辺を3で割って x=4 としてください。

小数の式は、どう処理しますか?

両辺を10倍(小数第2位まであれば100倍)してください。小数がついていない項にもかけるのを忘れないでください。

分数の式は、どう処理しますか?

分母の最小公倍数を両辺にかけます。分数がついていない項(整数の項)にもかけてください。ここを忘れる人が多いです。

計算していたら 0 = 0 になりました。

解が無数にあるという意味です。どんな x を入れても成り立ちます。計算ミスではありません。

0 = 2 のような式が出ました。

解がないという意味です。左辺と右辺がどんな x でも一致しないので、成り立つ x が存在しません。

検算はどの式にすればよいですか?

必ずもとの式に代入してください。途中で作った式で確かめると、その式を作るときの間違いを見逃します。30秒で終わるので必ずやってください。

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ドリル部分の執筆・作図:藤原進之介(数強塾代表・数学参考書著者)
ドリル追加日:2026年8月15日
この20問と4点の図版は、数強塾が独自に作成したものです。天秤の図は「左右のおもさが等しい」ことが命なので、描いた皿の中身の合計が左右で一致することを、x の値を入れて毎回計算で確かめています(つり合っていない絵を出さないための検査です)。ドリルと追加演習の答えも、すべて分数のまま解き直したうえ、得られた解をもとの式に代入して左辺と右辺が一致することまで確認しています。

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中1「一次方程式」の演習教材です。各ページから問題PDFをダウンロードでき、解答PDFがある回はあわせて掲載しています。難易度の低い順に並べています。

公式と要点をまとめて確認する:中1数学の要点辞典:一次方程式 ── 公式一覧だけでなく、いつ使うか・どこで点を落とすかまで書いています。

この単元の関連解説:中1数学|一次方程式の文章題 立式のコツを例題で解説【中1数学】(無料問題PDF)

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同じ単元を続けて解くと、どの手を使うかの判断が安定します。手が止まったところがあれば、その単元の要点に戻ってから次の1枚に進んでください。

一覧に無いものも含め、方程式のプリントは中1数学:方程式 全7枚、学年全体の単元一覧は中1数学のページから確認できます。

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